JP2003340584A - 重ね合わせ鋼板の製造方法および製造装置 - Google Patents

重ね合わせ鋼板の製造方法および製造装置

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JP2003340584A
JP2003340584A JP2002147996A JP2002147996A JP2003340584A JP 2003340584 A JP2003340584 A JP 2003340584A JP 2002147996 A JP2002147996 A JP 2002147996A JP 2002147996 A JP2002147996 A JP 2002147996A JP 2003340584 A JP2003340584 A JP 2003340584A
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JP2002147996A
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Hironori Fujimoto
博紀 富士本
Masato Uchihara
正人 内原
Kiyoyuki Fukui
清之 福井
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板により構
成される重ね合わせ鋼板をレーザ溶接により製造するた
めの方法と装置とを提供する。 【解決手段】 第1の鋼板を第2の鋼板の投影領域内入
るように重ね合わせるとともに、第1の鋼板と第2の鋼
板とをそれぞれ別の搭載面に固定して配置し、第2の鋼
板の表面にレーザビームを照射して、少なくとも一方が
亜鉛系めっき鋼板から構成される重ね合わせ鋼板を製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重ね合わせ鋼板の
製造方法および製造装置に関する。より具体的には、本
発明は、溶接部が閉じた領域を形成するようにレーザ溶
接を行われるとともに、溶接欠陥を有さない少なくとも
一方が亜鉛系めっき鋼板により構成される重ね合わせ鋼
板を製造するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板や溶融
亜鉛めっき鋼板に代表される亜鉛系めっき鋼板は、優れ
た耐食性を有することから、自動車車体用鋼板、家電製
品用鋼板、産業機械用鋼板、家具用鋼板さらには建材用
鋼板等の広範な用途に供されている。この亜鉛系めっき
鋼板は、一般的に、例えばプレス成形を行われて所定の
形状に成形されてからその外縁部同士を接合部として適
宜重ね合わされ、この接合部に接着、ろう付け、スポッ
ト溶接やシーム溶接のような抵抗溶接、 TIG溶接、 MIG
溶接さらにはプラズマアーク溶接等を行われることによ
り、例えば自動車車体等の製品形状に組み立てられる。
特に、自動車車体は、周知のように、スポット溶接を主
体として組み立てられる。
【0003】この亜鉛系めっき鋼板の接合技術として、
レーザビームを利用したレーザ溶接が注目されている。
しかし、例えば亜鉛系めっき鋼板にレーザ溶接を適用し
て、亜鉛系めっき鋼板同士あるいは亜鉛系めっき鋼板お
よび通常の鋼板を単に重ね合わせてレーザ溶接を行おう
とすると、亜鉛系めっき鋼板は鋼の融点より低沸点の亜
鉛により表面処理がなされているため、重ね合わせ面の
近傍における表面処理成分である亜鉛が爆発的に蒸発
し、溶融した鉄分を吹き飛ばして溶接欠陥を生じてしま
う。
【0004】このため、かかる溶接欠陥の発生を防止し
て良好な溶接部を得るために、2枚の鋼板同士が重ね合
わされた溶接予定部に、蒸発する亜鉛を排出するための
隙間を設ける技術が知られており、この隙間を適正な大
きさとするために、例えば、特開平10−216974号公報に
は重ね合わせる鋼板に例えばプレスにより予め突起部を
形成し、この突起部により形成された隙間部でレーザ溶
接を行う発明が、特開平4−279291号公報には重ね合わ
せる鋼板の間にシートを挟んで適正な寸法の隙間を確保
する発明が、さらに、特開平7−32180 号公報には溶接
前に溶接予定部近傍にレーザビームを照射して一方の鋼
板を熱変形させることにより適正な寸法の隙間を確保し
てからレーザ溶接を行う発明が、それぞれ開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車車体を構
成する鋼板のうち、例えばドアインナー、フロアパネル
のような比較的寸法が大きく1枚の鋼板により提供され
てきた鋼板を、少なくとも1枚の亜鉛系めっき鋼板を含
む2枚または3枚以上の鋼板を重ね合わせた重ね合わせ
鋼板で代替することが、検討されている。この重ね合わ
せ鋼板は、2枚の鋼板それぞれの外縁部同士を単に重ね
合わせたような、これまでにも存在していた鋼板とは異
なり、例えば、一方の鋼板を他方の鋼板の投影領域の範
囲内に配置し、一方の鋼板の外縁部に、溶接部が閉じた
領域を形成するようにして溶接されるものである。
【0006】すなわち、かかる重ね合わせ鋼板によれ
ば、自動車車体の設計に応じて板厚が部分的に最適値に
設定された鋼板を提供することができるため、車体のよ
りいっそうの軽量化および高剛性化を図ることが期待さ
れ、さらに自動車車体の設計の自由度が増すことからこ
れまでは車種毎に個別に設定せざるを得なかった部品の
共用化を促進してコスト低減を図ることも期待される。
【0007】しかしながら、本発明者らの検討結果によ
れば、上述した従来の発明に基づいてレーザ溶接を行っ
ても、かかる重ね合わせ鋼板を提供することは難しい。
すなわち、特開平10−216974号公報、特開平4−279291
号公報さらに特開平7−32180 号公報により提案された
従来の発明は、確かに2枚の鋼板を重ね合わせてレーザ
溶接を行うものではあるが、比較的小物の鋼板またはプ
レス成形部品(ブラケット等)をレーザ溶接により溶接
相手材に接合することを意図するものである。このた
め、これらの公報には、直線状(特開平7−32180 号公
報の図3等)や蛇行線状(特開平7−32180 号公報の図
5等)といったレーザ溶接を行うことが開示されるのみ
であり、他方の鋼板の投影領域の範囲内に配置された一
方の鋼板の外縁部で溶接部が閉じた領域を形成するよう
にしてレーザ溶接を行うことは全く開示されていない。
【0008】したがって、これらの従来の発明にしたが
って溶接部が閉じた領域を形成するようにしてレーザ溶
接を行おうとしても、レーザ溶接時における2枚の鋼板
の間における隙間の間隔を、溶接部の全長にわたって適
正に維持することは極めて難しく、溶接欠陥を生じずに
レーザ溶接を行うことはできない。
【0009】特に、特開平10−216974号公報により開示
された発明を実施するには、突起部を二次元に形成する
ために例えばプレス等の予加工工程を追加する必要があ
る。また、特開平4−279291号公報により開示された発
明では、鋼板の間にシートを挟む必要があるばかりでな
く、溶接後にはこのシートを取り除く必要もある。さら
に、特開平7−32180 号公報により開示された発明で
は、レーザビームを2度照射する必要がある。このた
め、これらの従来の発明によると、製造コストの上昇は
避けられず、量産製品として低製造コストが強く要求さ
れる自動車車体用鋼板として用いることは事実上不可能
であるという課題もある。
【0010】なお、特開平7−32180 号公報により開示
された発明では、1度目のレーザビームの照射に起因し
た熱歪みが不可避的に発生するために2度目のレーザビ
ームの照射の際における隙間の大きさがばらついてしま
い、レーザ溶接を行うために適正な距離の隙間を安定し
て形成することはできない。
【0011】本発明は、従来の技術が有するかかる課題
に鑑みてなされたものであり、重ね合わせ鋼板の製造方
法および製造装置を提供すること、具体的には、溶接さ
れる鋼板同士の距離を適正に維持しながらレーザ溶接を
行って、少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板により構成
される重ね合わせ鋼板を製造するための方法および装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、以下に列記
する新規かつ重要な知見を得た。
【0013】(1) 第1の鋼板を第2の鋼板の投影領域の
範囲内に重ね合わせ、第1の鋼板の外縁部で第2の鋼板
の表面にレーザビームを照射することによりレーザ溶接
するには、例えば、第1の鋼板を第1の支持部材により
支持するとともに第2の鋼板を第2の支持部材により支
持することによって、溶接部の全域で第1の鋼板および
第2の鋼板の間の隙間を安定して確保することが、不可
欠となること、
【0014】(2) 第1の支持部材および第2の支持部材
の一方または双方を、第1の鋼板または第2の鋼板の板
厚方向と略平行な方向に移動自在に配置することが、第
1の鋼板および第2の鋼板の間の隙間を適正な寸法とす
るためには望ましいこと、
【0015】(3) 第1の鋼板を例えば磁石等により吸引
して第1の支持部材に固定させるとともに、第2の鋼板
を第2の支持部材に固定することが、第1の鋼板および
第2の鋼板の間の隙間を適正な寸法とするためには望ま
しいこと、
【0016】(4) レーザビームを第2の鋼板の表面に照
射する際には、例えば流体式や機械式の押圧手段で第2
の鋼板を第1の鋼板に付けて弾性変形させることが、第
1の鋼板および第2の鋼板の間の隙間を適正な寸法に維
持するためには望ましいこと、
【0017】(5) この適正な寸法は、0.05mm以上であっ
て第2の鋼板の板厚の40%以下であることが望ましい。
この寸法が、0.05mm未満であるとレーザ溶接時に蒸発す
る亜鉛を十分に排出することができない可能性があり、
一方、第2の鋼板の板厚の40%を超えると溶融金属が溶
け落ちる可能性がある。
【0018】(6) 溶接対象である亜鉛系めっき鋼板とし
ては、純亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板のみならず、これらのめっき鋼板の
表面に樹脂被覆層を形成した被覆鋼板等にも適用でき
る。
【0019】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たものである。本発明は、少なくとも一方が亜鉛系めっ
き鋼板である第1の鋼板および第2の鋼板を、第1の鋼
板が第2の鋼板の投影領域内に入るように重ね合わせて
配置してから第2の鋼板の表面にレーザビームを照射す
ることによって第1の鋼板と第2の鋼板とをレーザ溶接
することにより重ね合わせ鋼板を製造する方法であっ
て、第1の鋼板および第2の鋼板の配置が、第1の鋼板
を、第1の支持部材に設けられた第1の搭載面に搭載し
て固定するとともに、第2の鋼板を、第2の支持部材に
第1の搭載面と略平行に設けられた第2の搭載面に搭載
して固定することによって、レーザビームの照射位置に
おける第1の鋼板と第2の鋼板との間に隙間が形成され
るように、行われることを特徴とする重ね合わせ鋼板の
製造方法である。
【0020】この本発明にかかる重ね合わせ鋼板の製造
方法では、第1の支持部材に設けられた吸引手段によっ
て第1の鋼板を第1の搭載面に固定することが例示され
る。これらの本発明にかかる重ね合わせ鋼板の製造方法
では、レーザビームの照射の際には、第2の鋼板を第1
の鋼板へ向けて弾性変形させることが、レーザビームの
照射位置における第1の鋼板と第2の鋼板との間におけ
る隙間を適正な距離に維持するために、望ましい。
【0021】別の観点からは、本発明は、少なくとも一
方が亜鉛系めっき鋼板である第1の鋼板および第2の鋼
板を有するとともに第1の鋼板が第2の鋼板の投影領域
内に位置する重ね合わせ鋼板の製造装置であって、第1
の鋼板を搭載するための第1の搭載面を有する第1の支
持部材と、第1の搭載面と略平行に設けられて第2の鋼
板を搭載するための第2の搭載面を有する第2の支持部
材と、第2の鋼板の表面にレーザビームを照射するため
のレーザ溶接機とを備え、レーザビームの照射位置にお
ける第1の鋼板と第2の鋼板との間には、隙間が形成さ
れるとともに、第1の支持部材が、第1の鋼板を第1の
搭載面に固定させるための吸引手段を有することを特徴
とする重ね合わせ鋼板の製造装置である。
【0022】この場合に、レーザビームは、第2の鋼板
の表面の閉じた領域を形成して照射されることが例示さ
れる。この本発明にかかる重ね合わせ鋼板の製造装置で
は、さらに、レーザビームの照射の際に、第2の鋼板を
第1の鋼板へ向けて弾性変形させることによって、隙間
を適正な距離に維持するための隙間適正距離維持手段を
備えることが、望ましい。
【0023】この本発明にかかる重ね合わせ鋼板の製造
装置では、第1の支持部材および第2の支持部材の一方
または双方が、板厚方向と略平行な方向へ移動自在に設
けられることが例示される。
【0024】これらの本発明にかかる重ね合わせ鋼板の
製造装置では、第2の支持部材が、第2の搭載面に搭載
された第2の鋼板を固定するための固定手段を備えるこ
とが例示される。
【0025】これらの本発明にかかる重ね合わせ鋼板の
製造装置では、隙間適正距離維持手段が、第2の鋼板を
第1の鋼板に向けて弾性変形させることによって、第2
の鋼板を第1の鋼板に当接させる押圧手段であることが
例示される。
【0026】これらの本発明にかかる重ね合わせ鋼板の
製造装置では、適正な距離が、0.05mm以上であって第2
の鋼板の板厚の40%以下であることが例示される。本発
明によれば、例えば、少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼
板である第1の鋼板および第2の鋼板を板厚方向に離間
させて配置しておき、溶接部が閉じた領域を形成するよ
うに第2の鋼板の表面にレーザビームを連続的、断続的
または間欠的に照射することによって、第1の鋼板およ
び第2の鋼板がレーザ溶接されてなる重ね合わせ鋼板が
製造される。
【0027】この場合、第2の鋼板が、閉じた領域の外
側の領域で固定されて配置されるとともに、レーザビー
ムの照射の際に、第2の鋼板を第1の鋼板に向けて弾性
変形させることにより、レーザビームの照射位置におけ
る第1の鋼板および第2の鋼板の隙間を適正な距離に維
持することが望ましい。
【0028】ここで、「溶接部が閉じた領域を形成する
ように」とは、溶接部により連続的に形成される領域ま
たは溶接部に断続的もしくは間欠的に形成される領域
が、例えば長方形、正方形、円形、楕円形その他の閉じ
た形状の領域を呈することを意味しており、この閉じた
領域がこれ以外の残余の領域に対して区画されること以
外を意味しないものではない。
【0029】また、これらの本発明において「連続的」
とは溶接線が実線として形成されることを意味してお
り、「断続的」とは溶接線が破線や一点鎖線状等に形成
されることを意味しており、「間欠的」とは溶接線が一
部が欠けた実線状に形成されることを意味している。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発明
にかかる重ね合わせ鋼板の製造方法および製造装置の実
施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】図1は、本実施の形態の製造装置1を、一
部透視状態で示す斜視図である。また、図2(a) は図1
におけるA−A断面図、図2(b) は本実施の形態の製造
装置1の上面図である。
【0032】図1および図2に示すように、本実施の形
態の製造装置1は、少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板
である第1の鋼板P1 とこの第1の鋼板P1 よりも寸法
の大きな第2の鋼板P2 を有する重ね合わせ鋼板Pを製
造するための装置であり、本実施の形態では、第1の鋼
板P1 は第2の鋼板P2 の投影領域の範囲内に完全に含
まれるように、配置される。
【0033】本実施の形態の製造装置1は、第1の支持
部材2と、第2の支持部材3と、レーザ溶接機4とを有
する。そこで、製造装置1のこれらの構成要素を順次説
明する。
【0034】[ 第1の支持部材2]図1、図2(a) およ
び図2(b) に示すように、この製造装置1は第1の支持
部材2を有する。第1の支持部材2は略直方体状の外形
を有しており、その上面には、第1の鋼板P1 を搭載お
よび支持するための第1の搭載面2aが水平に形成されて
いる。この第1の支持部材2の外形はこの略立方体状に
限定されるものではなく、搭載する第1の鋼板P1 の寸
法等に応じて適宜決定すればよい。
【0035】また、この第1の支持部材2には、第1の
鋼板P1 を吸引することが可能な吸引手段として電磁石
9が内蔵されており、第1の搭載面2aに搭載された第1
の鋼板P1 を第1の搭載面2aに固定させる。この電磁石
9は、後述する溶接部5の近傍に溶接部5に略沿うよう
にして設けられる。これにより、溶接部5すなわちレー
ザビームの照射位置における第1の鋼板P1 と第2の鋼
板P2 との間の間隙を所定の距離に確保できる。なお、
本実施の形態では、吸引手段として電磁石9を用いた
が、本発明はこの形態に限定されるものではなく、例え
ば真空吸引装置等の吸引手段のように、第1の鋼板P1
を第1の搭載面2aに固定させることができる他の手段も
用いることも可能である。
【0036】また、図1では図示していないが、図2
(a) および図2(b) に示すように、第1の搭載面2aに
は、溶接部5の内側にこの溶接部5に沿うようにして、
レーザ照射用凹部2bが設けられている。
【0037】さらに、この第1の支持部材2は、図示し
ていないが、サーボモータの軸にボールスクリュを取り
付けた機構を有しており、このボールスクリュの駆動に
よって、第1の鋼板P1 および第2の鋼板P2 それぞれ
の板厚方向と略平行な方向、すなわち上下方向に昇降可
能に構成されている。第1の支持部材2の高さをこの機
構により調整することにより第1の搭載面2aの搭載位置
を調整することができ、これにより、第1の鋼板P1
よび第2の鋼板P2 の間隙6の上下方向距離を自在に調
整することができる。
【0038】本実施の形態における第1の支持部材2
は、以上のように構成される。 [ 第2の支持部材3]図1、図2(a) および図2(b) に
示すように、この製造装置1は第2の支持部材3を有す
る。第2の支持部材3は、第1の支持部材2を包囲する
ことができる中空形状を有しており、その上面には、第
2の鋼板P2 を搭載および支持するための第2の搭載面
3aが水平に形成されている。この第2の支持部材3の外
形は特定の形状に限定されるものではなく、搭載する第
2の鋼板P2 の寸法等に応じて適宜決定すればよい。
【0039】この第2の搭載面3aに搭載された第2の鋼
板P2 は、第1の搭載面2aに搭載された第1の鋼板P1
との間に、所定の間隙6が設けられている。また、第2
の支持部材3には、搭載された第2の鋼板P2 を第2の
搭載面3aに確実に固定するための固定手段として、クラ
ンプ装置7が設けられている。第2の鋼板P2 は、この
クランプ装置7により、溶接部5により形成される閉じ
た領域の外側の領域で固定される。
【0040】さらに、この第2の支持部材3は、上述し
た第1の支持部材2と同様に、図示していないが、サー
ボモータの軸にボールスクリュを取り付けた機構を有し
ており、このボールスクリュの駆動によって、第1の鋼
板P1 および第2の鋼板P2それぞれの板厚方向と略平
行な方向、すなわち上下方向に昇降可能に構成されてい
る。第2の支持部材3の高さをこの機構により調整する
ことにより第2の搭載面3aの搭載位置を調整することが
でき、これにより、第1の鋼板P1 および第2の鋼板P
2 の間隙6の上下方向距離を自在に調整することができ
る。
【0041】本実施の形態における第2の支持部材3
は、以上のように構成される。 [ レーザ溶接機4]図1、図2(a) および図2(b) に示
すように、この製造装置1はレーザ溶接機4を有する。
本実施の形態のレーザ溶接機4は、慣用されるレーザヘ
ッド4aを有するものであり、第2の鋼板P2 の表面にレ
ーザビームを照射することによって、第2の鋼板P2
表面に溶接部5を形成する。第2の鋼板P2 の表面に
は、溶接部5により閉じた領域が形成される。
【0042】このレーザ溶接機4は、レーザビームを連
続的、断続的または間欠的に照射することができ、これ
により、第2の鋼板P2 の表面に形成される溶接部5
は、実線状、破線もしくは一点鎖線状、または一部が欠
けた実線状に、それぞれ形成される。
【0043】また、レーザ溶接機4により形成される溶
接部5は、本実施の形態では、第1の鋼板P1 の端部か
ら内側へ0〜15mm程度の、第1の鋼板P1 の外縁部に形
成される。
【0044】第1の支持部材2と、第2の支持部材3
と、レーザ溶接機4とを有する本実施の形態の製造装置
1は、以上のように構成される。次に、この製造装置1
を用いて、第1の鋼板P1 および第2の鋼板P2 を有す
る重ね合わせ鋼板Pを製造する状況を説明する。
【0045】図1および図2に示すように、本実施の形
態では、第1の鋼板P1 を、第1の搭載面2aを有する第
1の支持部材2によって支持するとともに、第2の鋼板
2を、第1の搭載面と略平行に設けられた第2の搭載
面3aを有する第2の支持部材3によって支持する。
【0046】そして、第1の支持部材2に内蔵された電
磁石9を作動させることにより、第1の鋼板P1 を第1
の搭載面2aに固定させる。また、第2の支持部材3に設
けられたクランプ装置7により、第2の鋼板P2 を第2
の搭載面3aに確実に固定する。
【0047】このようにして、本実施の形態では、第1
の鋼板P1 および第2の鋼板P2 を板厚方向に離間させ
て配置するが、第1の支持部材2および第2の支持部材
3それぞれの高さ方向位置を適宜調整することにより、
第1の鋼板P1 および第2の鋼板P2 の板厚方向の距離
は0.05mm以上であって第2の鋼板P2 の板厚の40%以下
となるように調整することが、第1の鋼板P1 および第
2の鋼板P2 のレーザ照射部に亜鉛蒸気の抜け道として
の適正な隙間6を設定するために望ましい。
【0048】隙間6が0.05mmより小さいと、隙間6が十
分ではないために亜鉛の蒸発に起因した溶接欠陥が発生
するおそれがあり、一方隙間6が第2の鋼板P2 の板厚
の40%を超えると、溶融した金属が落ち込み溶接不良が
生じ易いからである。第1の鋼板P1 および第2の鋼板
2 の板厚方向の距離は0.05mm以上であって第2の鋼板
2 の板厚の40%以下となるようにすることにより、重
ね合わせ面における亜鉛蒸気を確実に排出するために必
要な隙間6が安定して確保され、これにより、溶接欠陥
の発生が抑制される。
【0049】この後、溶接部5が閉じた領域を形成する
ように第2の鋼板P2 の表面にレーザビームを照射する
ことによって、第2の鋼板P2 および第1の鋼板P1
レーザ溶接する。レーザ溶接の条件は、健全な溶接を行
うことができるように適宜設定すればよい。本実施の形
態ではこのようにして重ね合わせ鋼板Pが製造される。
【0050】この重ね合わせ鋼板Pは、少なくとも一方
が亜鉛系めっき鋼板である第1の鋼板P1 および第2の
鋼板P2 を有するレーザ溶接による重ね合わせ鋼板であ
って、レーザ溶接の溶接部5が閉じた領域を形成するよ
うに連続的、断続的または間欠的に設けられているもの
である。また、第1の鋼板P1 は、第2の鋼板P2 の投
影領域の範囲内に配置されるとともに、その外縁部にお
いて第2の鋼板P2 に接合されている。
【0051】このように、本実施の形態によれば、レー
ザビームの照射時に、第1の鋼板P 1 および第2の鋼板
2 の間の隙間6を、溶接部5の略全周について略一定
に確保することができるため、この溶接部5の全周につ
いて良好な溶接品質を確保することができる。
【0052】したがって、本実施の形態によれば、第1
の鋼板P1 の全部を第2の鋼板P2の所定の位置に重ね
合わせ、突起部の形成など事前加工を一切施すことな
く、重ね合わせ部の隙間6を安定して確保しながら、第
2の鋼板P2 および第1の鋼板P1 をその重ね合わせ領
域の略全域で、例えば溶接部5が閉じた矩形の領域をな
すようにレーザ溶接され、溶接部5の品質が良好な重ね
合わせ鋼板Pを製造することができる。
【0053】したがって、本実施の形態によれば、板厚
が部分的に増減する多種類の鋼板を提供することがで
き、例えばフロアパネル等の、自動車車体を構成する鋼
板の板厚を部分的に自在に設定して車体のよりいっそう
の軽量化および高剛性化を図るとともに、車体構成パネ
ルの設計の自由度を増加して、これまでは車種毎に個別
に設定せざるを得なかった部品の共用化を促進してコス
ト低減を図ることができる。
【0054】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の
実施の形態を説明する。なお、以降の説明では、上述し
た第1の実施の形態と相違する部分を説明し、共通する
部分については同一の図中符合を付すことにより重複す
る説明を省略する。
【0055】図3は本実施の形態の説明図であり、図3
(a) は本実施の形態の装置1−1を示す説明図、図3
(b) は製造される重ね合わせ鋼板P' を示す説明図であ
る。本実施の形態では、図3(a) に示すように、重ね合
わせる第2の鋼板P2 と、2枚の第1の鋼板P3 、P4
とのそれぞれの板厚に対応するため、第1の支持部材2
の上面に略T字状に凸部8を形成してある。
【0056】このため、この凸部8により形成される二
つの凹部に2枚の第1の鋼板P3 、P4 を嵌め込んで、
それぞれに溶接部5が形成されるようにレーザ溶接を行
うことにより、図3(b) に示すように、二つの板厚増加
部が設けられた重ね合わせ鋼板P' を製造することがで
きる。
【0057】この重ね合わせ鋼板P' も、例えば自動車
車体のドアーインナーパネル等に用いることができ、こ
れにより、車体のよりいっそうの軽量化および高剛性化
を図るとともに、車体構成パネルの設計の自由度を増加
して、これまでは車種毎に個別に設定せざるを得なかっ
た部品の共用化を促進してコスト低減を図ることができ
る。
【0058】(第3の実施の形態)図4(a) は、本実施の
形態の製造装置1−2を示す断面図であり、図4(b) は
加圧装置10による加圧を行わない場合の溶接部5の近傍
を拡大して示す断面図であり、図4(c) は加圧装置10に
よる加圧を行う場合の溶接部5の近傍を拡大して示す断
面図である。
【0059】本実施の形態の製造装置1−2は、図4
(b) に例示するように、第2の鋼板P 2 に反り等が存在
して、第1の鋼板P1 と第2の鋼板P2 との間の隙間6
の適正な距離を維持できなくなることを防ぐため、上述
した第1の実施の形態の製造装置1に、隙間適正距離維
持手段10を備えるものである。
【0060】図4(a) および図4(c) に示すように、本
実施の形態では、隙間適正距離維持手段10として例えば
液圧式の押圧手段を用いた。この押圧手段10は、レーザ
溶接機4によるレーザビーム照射時に、第2の鋼板P2
の表面におけるレーザビーム照射域の内側を押圧して、
第2の鋼板P2 を第1の鋼板P1 に向けて弾性変形させ
ることによって、第2の鋼板P2 を第1の鋼板P1 に接
触させる。これにより、溶接部すなわちレーザビームの
照射位置における第1の鋼板P1 および第2の鋼板P2
の隙間6を適正な距離とする。
【0061】押圧手段10により第2の鋼板P2 の表面に
おけるレーザビーム照射域の内側、すなわち第2の鋼板
2 における重ね合わせ部のレーザ照射位置より内側の
部分を押圧することにより、レーザビームの照射時に第
2の鋼板P2 を第1の鋼板P 1 に接触させることによっ
て、第2の鋼板P2 の端部から押圧手段10による加圧部
にかけての隙間形状変動を小さくすることができ、これ
により、隙間6の形状が一定となり、レーザ照射部の隙
間6を一層安定して形成することが可能となる。これに
より、溶接部5における第1の鋼板P1 および第2の鋼
板P2 の間に適正な隙間6である、0.05mm以上であって
第2の鋼板P2 の板厚の40%以下を安定して確保するこ
とが可能となる。
【0062】このため、本実施の形態の製造装置1−2
によれば、第2の鋼板P2 に反りが存在する場合にも、
第1の鋼板P1 との間に、溶接部すなわちレーザビーム
の照射位置の全周について適正な隙間6を安定して形成
することができる。
【0063】(第4の実施の形態)図5は、本実施の形態
の製造装置1−3を示す断面図である。この製造装置1
−3は、図1および図2に示す製造装置1に、さらに、
第2の鋼板P2 の重ね合わせ部を加圧するための可動式
のローラー型加圧装置11を備えるものである。
【0064】ローラー型加圧装置11により、レーザ溶接
の進行に合わせて、レーザ照射位置より内側を第1の鋼
板P1 へ向けて加圧することにより、加圧した部分から
第1の鋼板P1 の端部にかけて隙間形状を略一定に調整
することができる。なお、加圧機構としては押さえ位置
が狭い場合には、ローラー型ではなく先端が細いピン型
の加圧機構を用いることもできる。
【0065】この本実施の形態によっても、第3の実施
の形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
【実施例】(実施例1)さらに、本発明を実施例を参照し
ながら、より具体的に説明する。
【0067】図1および図2に示す製造装置1 (装置
A)、図4に示す製造装置1−2 (装置B)、図5に示
す製造装置1−3 (装置C)および図2に示す装置にお
いて電磁石7を内蔵しない装置 (装置D)を使用して、
レーザ溶接を行った。供試材を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】第1の鋼板P1 には、幅900mm および長さ
800mm の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA45)を用いるとと
もに、第2の鋼板P2 には幅800mm および長さ700mm の
合金化溶融亜鉛めっき鋼板、裸鋼板(CR)または溶融亜鉛
めっき鋼板(G160)を用いた。なお、第1の鋼板P1 およ
び第2の鋼板P2 の板厚はいずれも0.7mm であり、これ
らの鋼板の母材は軟鋼である。
【0070】そして、供試材GA45と、GA45、CRまたはGI
60とを重ね合わせた後、重ね合わせ部(800 ×700 mm)
の端部より10mm内側の部分を、下記条件でレーザ溶接に
より全周溶接し、それぞれ、総計100 枚の溶接テストを
行い、目視により亜鉛によるピット、溶融金属の落ち込
み等の表面欠陥発生率(表面欠陥発生枚数/ 100 枚)を
調査した。
【0071】(溶接方法) YAG レーザ溶接機 発信モード :連続発振モード 出力 :3kW 溶接速度 :4m/min フォーカス :鋼板表面 シールドガス:アルゴン 結果を表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2における試験1は、装置Dを使用して
第1の支持部材2および第2の支持部材3の高さを、第
1の鋼板P1 の板厚である0.7mm に0.2 mmを加算した0.
9mmだけずらして設定して、レーザ溶接を行った。その
結果、重ね合わせ鋼板Pを製造することはできたもの
の、10数%程度の溶接欠陥が発生した。これは、第1の
鋼板P1 の反りにばらつきがあるため、第1の鋼板P1
および第2の鋼板P2 の間の隙間6にばらつきが発生し
たためであると考えられる。
【0074】試験2は、装置Aを使用して第1の支持部
材2および第2の支持部材3の高さを、第1の鋼板P1
の板厚である0.7mm に0.2 mmを加算した0.9mm だけずら
して設定して、レーザ溶接を行った。その結果、溶接欠
陥の発生率を数%程度まで減少し、良好な結果が得られ
た。
【0075】試験3は、装置Bを使用して、第1の支持
部材2および第2の支持部材3の高さを、第1の鋼板P
1 の板厚である0.7mm に0.2 mmを加算した0.9mm だけず
らして設定して、レーザ溶接を行った。なお、押圧手段
10による第2の鋼板P2 の押圧は、第1の鋼板P1 およ
び第2の鋼板P2 の重ね合わせ部の中央部(700mm ×60
0mm)を加圧力300kgfで行った。試験2に比較すると、溶
接欠陥の発生率が減少し、極めて良好であった。
【0076】試験4は、装置Cを使用して、第1の支持
部材2および第2の支持部材3の高さを、第1の鋼板P
1 の板厚である0.7mm に0.2 mmを加算した0.9mm だけず
らして設定して、レーザ溶接を行った。なお、ローラー
型の加圧装置1−3による加圧は、レーザ照射位置より
10mm内側を、加圧力40kgf で行った。試験3に比較する
と、溶接欠陥の発生率が低く、極めて良好であった。
【0077】さらに、試験5は、装置Cを使用して、第
1の支持部材2および第2の支持部材3の高さを、第1
の鋼板P1 の板厚である0.7mm に0.5 mmを加算した1.2m
m だけずらして設定して、レーザ溶接を行った。この場
合、鋼板端部における2枚の板間の隙間6は0.5mm と大
きいが、ローラー型の加圧装置1−3によりレーザ照射
位置 (溶接部5) では隙間6が約0.25mmとなっており、
溶接欠陥の発生率が低く良好な溶接を行うことができ
た。
【0078】なお、表1に示すように、本発明例の効果
は、GA45/GA45 、GA45/CR 、GA45/GI60 のいずれの組み
合わせでも確認できた。 (実施例2)図1および図2に示す製造装置1 (装置A)
を用い、電磁石5により第1の鋼板P1 を吸引するとと
もに、第1の支持部材2の高さを調整してレーザ照射位
置における隙間6を変更して溶接を行い、溶接欠陥の発
生を調査した。
【0079】なお、第2の鋼板P2 には 200×200mm の
GA45を用い、第1の鋼板P1 には190 ×190mm のGA45ま
たはCRを用いた。板厚はいずれも0.7 〜1.6mm とした。
本実施例における溶接方法と、溶接欠陥の調査および評
価方法を以下に列記する。
【0080】溶接方法 YAG レーザ溶接機 発信モード :連続発振モード 出力 :3kW 溶接速度 :1.5 〜4m/min フォーカス :鋼板表面 シールドガス:アルゴン 溶接位置 :下側の端部より10mmの位置を全周溶接溶接性評価 目視にて、亜鉛によるピット、溶接金属の落ち込み等の
表面欠陥を調査 欠陥発生率が5%以下:○印 欠陥発生率が5%超 :×印 実験結果を表3にまとめて示す。
【0081】
【表3】
【0082】表3に示すように、板厚および材料によら
ず、レーザ照射位置の隙間6を0.05mm以上上板の板厚の
40%以下の範囲に設定した条件では、この範囲外とした
条件に比較すると、溶接欠陥の発生率が小さく良好であ
った。
【0083】なお、実施例では YAGレーザでの例を用い
て示したが、 YAGレーザに限定されるものではなく、炭
酸ガスレーザ、YAG レーザ、半導体励起レーザ、半導体
レーザなど各種レーザを用いることができる。
【0084】また、本実施例では、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板での例を用いたが、亜鉛ニ
ッケルめっき鋼板等の、沸点が鋼の融点より低い物質で
めっきされた各種の亜鉛めっき鋼板にも適用が可能であ
る。さらに亜鉛ニッケルめっき鋼板に有機被覆を施した
鋼板にも適用することができる。
【0085】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、溶接される鋼板同士の距離を適正に維持しながらレ
ーザ溶接を行って、少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板
により構成される重ね合わせ鋼板の製造方法および製造
装置を提供できた。
【0086】これにより、板厚が部分的に増減する多種
類の鋼板を提供することができるため、例えば、自動車
車体を構成する鋼板の板厚や寸法を部分的に自在に設定
して車体のよりいっそうの軽量化および高剛性化を図る
とともに、車体構成パネルの設計の自由度を増加して、
これまでは車種毎に個別に設定せざるを得なかった部品
の共用化を促進してコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の製造装置を、一部透視状態
で示す斜視図である。
【図2】図2(a) は図1におけるA−A断面図、図2
(b) は本実施の形態の製造装置の上面図である。
【図3】第2の実施の形態の説明図であり、図3(a) は
本実施の形態の装置を示す説明図、図3(b) は製造され
る重ね合わせ鋼板を示す説明図である。
【図4】図4(a) は、第3の実施の形態の製造装置を示
す断面図であり、図4(b) は加圧装置による加圧を行わ
ない場合の溶接部の近傍を拡大して示す断面図であり、
図4(c) は加圧装置による加圧を行う場合の溶接部の近
傍を拡大して示す断面図である。
【図5】第4の実施の形態の製造装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 製造装置 2 第1の支持部材 2a 第1の搭載面 3 第2の支持部材 3a 第2の搭載面 4 レーザ溶接機 5 溶接部 6 隙間 P1 第1の鋼板 P2 第2の鋼板 P 重ね合わせ鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 清之 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4E068 AA01 BF00 CA17 CE09 DA14 DB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板であ
    る第1の鋼板および第2の鋼板を、前記第1の鋼板が前
    記第2の鋼板の投影領域内に入るように重ね合わせて配
    置してから前記第2の鋼板の表面にレーザビームを照射
    することによって前記第1の鋼板と前記第2の鋼板とを
    レーザ溶接することにより重ね合わせ鋼板を製造する方
    法であって、 前記第1の鋼板および前記第2の鋼板の配置は、該第1
    の鋼板を、第1の支持部材に設けられた第1の搭載面に
    搭載して固定するとともに、前記第2の鋼板を、第2の
    支持部材に前記第1の搭載面と略平行に設けられた第2
    の搭載面に搭載して固定することによって、前記レーザ
    ビームの照射位置における前記第1の鋼板と前記第2の
    鋼板との間に隙間が形成されるように、行われることを
    特徴とする重ね合わせ鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の支持部材に設けられた吸引手
    段によって前記第1の鋼板を前記第1の搭載面に固定す
    る請求項1に記載された重ね合わせ鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザビームの照射の際には、前記
    第2の鋼板を前記第1の鋼板へ向けて弾性変形させる請
    求項1または請求項2に記載された重ね合わせ鋼板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が亜鉛系めっき鋼板であ
    る第1の鋼板および第2の鋼板を有するとともに該第1
    の鋼板が前記第2の鋼板の投影領域内に位置する重ね合
    わせ鋼板の製造装置であって、 前記第1の鋼板を搭載するための第1の搭載面を有する
    第1の支持部材と、該第1の搭載面と略平行に設けられ
    て前記第2の鋼板を搭載するための第2の搭載面を有す
    る第2の支持部材と、前記第2の鋼板の表面にレーザビ
    ームを照射するためのレーザ溶接機とを備え、 前記レーザビームの照射位置における前記第1の鋼板と
    前記第2の鋼板との間には、隙間が形成されるととも
    に、 前記第1の支持部材は、前記第1の鋼板を前記第1の搭
    載面に固定させるための吸引手段を有することを特徴と
    する重ね合わせ鋼板の製造装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記レーザビームの照射の際
    に、前記第2の鋼板を前記第1の鋼板へ向けて弾性変形
    させることによって、前記隙間を適正な距離に維持する
    ための隙間適正距離維持手段を備えることを特徴とする
    請求項4に記載された重ね合わせ鋼板の製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005324235A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Nippon Steel Corp めっき鋼板のヘリ継手レーザー溶接方法
JP2007090369A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Pioneer Electronic Corp ビーム溶接装置、及びビーム溶接方法
JP2007090368A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Pioneer Electronic Corp レーザ溶接装置、及びレーザ溶接方法
JP2007196256A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Nissan Motor Co Ltd レーザ溶接装置およびレーザ溶接方法
EP2136959A1 (de) 2007-04-17 2009-12-30 LPKF Laser & Electronics AG Spannvorrichtung zum spannen mindestens zweier bauteile

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