JP4978121B2 - 金属板の突合せ接合方法 - Google Patents
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電気抵抗シーム溶接法は、2枚の金属板の端部を上下一対の円盤状の電極によって加圧しながら電流を流し、金属板の固有抵抗により発熱・溶融して2枚の金属板相互を溶接する方法である。
ティグ溶接は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で、タングステン電極と母材間にアークを発生させて溶接する方法である。また、プラズマ溶接は、溶接トーチ内の2電極間に通電してアークを発生させ、その周囲にアルゴンと水素とを混合した作動ガスを送り込むことで、この作動ガスがアークの熱で電離してイオンと電子とが混在したガス体であるプラズマとなり、このプラズマの熱で溶接する方法である。これらティグ溶接およびプラズマ溶接は、非消耗電極方式溶接法と呼ばれている。また、ガスメタルアーク溶接は、アルゴンなどの不活性ガスや炭酸ガスおよびこれらの混合ガス雰囲気中で、溶接用ワイヤを連続的に供給しながらこの溶接用ワイヤおよび母材間にアークを発生させ、これにより両者を溶融させて溶接する方法であり、消耗電極方式溶接法と呼ばれている。
テーラードブランクが外板パネルに適用されていない理由としては、以下に挙げるような問題点が考えられる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、スパッタの付着を防止または抑制するとともに、成形性に優れる接合金属板を製造可能な、自動車部品の外板パネルに適用するテーラードブランクのための金属板の突合せ接合方法を提供することを目的としている。
ここで、第一の発明に係る金属板の突合せ接合方法において、前記複数の金属板として、その厚さが0.4mm以上4.5mm未満の薄鋼板に適用することは好ましい。このような構成であれば、スパッタの付着がなく成形性に優れた金属板の突合せ接合方法に適用する自動車部品の外板パネルに適用するテーラードブランクのための金属板として好適である。
また、第一の発明に係る金属板の突合せ接合方法において、前記複数の金属板として、亜鉛めっきがなされており、その亜鉛めっき量が0g/m2を超え120g/m2以下の薄鋼板に適用することは好ましい。このような構成であれば、スパッタの付着がなく成形性に優れた金属板の突合せ接合方法に適用する自動車部品の外板パネルに適用するテーラードブランクのための金属板として好適である。
まず、本発明に係るレーザ接合装置の一実施形態について図1を適宜参照しつつ説明する。なお、図1はそのレーザ接合装置の概略構成を示す説明図である。
同図に示すように、このレーザ接合装置20は、ブラケット23を有し、このブラケット23に、レーザ照射装置21およびワイヤ供給ノズル24が装備されている。
また、ワイヤ供給ノズル24は、接合部3となる突合せ部の方向を指向するようにブラケット23に固定されており、さらに、コンジットチューブ25を介してワイヤ供給装置22に接続している。このワイヤ供給装置22は、ワイヤリール26を備えている。そして、このワイヤリール26にフィラワイヤ(以下、単に「ワイヤ」という)4が巻回されており、不図示のモータを駆動することで、ワイヤリール26からワイヤ4を繰り出しつつ上記ワイヤ供給ノズル24にワイヤ4を連続して供給可能になっている。
この突合せ接合方法に適用可能な金属板1,2の材質は、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等があげられる。また、本実施形態では、金属板1,2として、その厚さが0.4mm以上4.5mm未満の薄鋼板に適用した例である。なお、突合せ接合する複数の金属板1,2は、相互の厚みが同じ或いは異なるものであってもよい。また、これらの金属板1,2には、亜鉛めっきがなされており、その亜鉛めっき量が0g/m2を超え120g/m2以下の薄鋼板を使用した例である。
ここで、SiはCuの強度を高め、且つ融点も高める元素である。このため、Siの添加量は1mass%以上とすれば好ましい。また、Siの添加量を2mass%以上とすればより好ましい。しかし、Siの添加量をあまり高くし過ぎると脆くなるので10mass%を以下とすることが好ましい。そこで、この銅系ろう材は、その化学組成のうち、Siを2〜10mass%としている。また、NiおよびAlはいずれも強度を著しく高める元素である。このため、Niを35mass%或いはAlを15mass%単独で添加すると、引張強度が540MPaを超える。しかし、これ以上添加すると脆くなるので、NiおよびAlは上記の添加量を上限とすることが好ましい。そこで、この銅系ろう材は、その化学組成のうち、Niを35mass%以下、Alを15mass%以下としている。さらに、MnはCuの強度を高め、且つ融点も高める元素である。このため、Mnの添加量は0.5mass%以上とすることが好ましい。しかし、Mnの添加量をあまり高くし過ぎると脆くなるので5.0mass%を以下とすることが好ましい。そこで、この銅系ろう材は、その化学組成のうち、Mnを0.5〜5.0mass%以下としている。さらに、この銅系ろう材は、残部は実質的に銅(Cu)および不可避的不純物からなるが、本発明の作用効果を妨げない範囲であれば不可避的不純物以外の微量元素を含んでもよい。
また、上述の化学組成をもつこのCu系ワイヤ(銅系ろう材)は、その融点が約1000℃となり、例えば炭素鋼系ワイヤの融点約1500℃に比べて融点を大幅に低くすることができる。そのため、その低融点な分だけ照射するレーザの出力を、母材である金属板1,2を溶融させず且つCu系ワイヤを溶融可能な出力に抑制し得て、これにより、母材を溶融させずに、ろう付けによって接合することができるので、接合部3で溶融する金属板1,2の飛び散りを防止または抑制可能であり、金属板1,2表面へのスパッタの付着を防止または抑制する上で好適なものである(後述する実施例2を参照)。
上述のように、この金属板の突合せ接合方法によれば、二枚の金属板1,2を相互に突き合わせて、互いの突合せ部5を銅(Cu)系ろう材を用いてレーザでろう付けによって接合するので、形成される接合部3の硬さを銅系ろう材の硬さで抑制可能である。
つまり、上述のように、レーザ照射工程の際に突合せ部5に供給するCu系ワイヤは、その融点が約1000℃であり、炭素鋼系ワイヤの融点1500℃より大幅に低い。そのため、その低融点な分だけ照射するレーザの出力を抑えることができる。したがって、母材を溶融させずに、ろう付けによって接合することができるので、接合部3で溶融する金属板1,2の飛び散りを防止または抑制可能であり、これにより、金属板1,2表面へのスパッタの付着を防止または抑制することができる。
なお、本発明に係る金属板の突合せ接合方法および接合金属板は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
[実施例1]
まず、実施例1について説明する。
この実施例1では、相互に突き合わせて接合(溶接)する接合部材となる金属板1,2として、図3に示すように、二枚の薄鋼板を相互に突き合わせて接合(溶接)した接合金属板を、本発明に係る突合せ接合方法(以下、「適用例」という)および従来のレーザ溶接方法(以下、「比較例」という)によってそれぞれ製作した。
以下、接合(溶接)条件を表1に、ワイヤの組成を表2に示す。また、球頭張り出し試験片およびその試験条件を図3および表3に示す。また、穴拡げ試験片およびその試験条件を図4および表4に示す。さらに、試験結果を表5に示す。
次に、実施例2について説明する。
この実施例2では、上記実施例1での「適用例」および「比較例」と同様に準備したいろいろな接合金属板を作成し、その接合部(溶接部)近傍に付着したスパッタの数量を調査した。その試験結果を以下の表6に示す。なお、同表では、表面品質を評価するにあたり、接合部(溶接部)での溶接線長さ10cm当りに付着しているスパッタの数量が5個以下の場合を良好「○」とし、5個以上の場合を不良「×」とした。
2 (突き合わせる他方の)金属板
3 接合部
4 フィラワイヤ(ワイヤ)
5 突合せ部
10 接合金属板
20 レーザ接合装置
21 レーザ照射装置
22 ワイヤ供給装置
23 ブラケット
24 ワイヤ供給ノズル
25 コンジットチューブ
26 ワイヤリール
Claims (3)
- 複数の金属板を相互に突き合わせて接合する方法であって、
前記金属板相互を突き合わせた突合せ部にレーザを照射するレーザ照射工程と、そのレーザ照射工程の際に前記突合せ部にワイヤを供給するワイヤ供給工程とを含み、
前記ワイヤとしてその化学組成が、Si:1〜10mass%、Mn:0.5〜5mass%、Ni:1.25〜35mass%およびAl:15mass%以下、残部Cuおよび不可避不純物よりなる銅系ろう材を用いて前記金属板相互をろう付けによって接合することを特徴とする自動車部品の外板パネルに適用するテーラードブランクのための金属板の突合せ接合方法。 - 前記複数の金属板として、その厚さが0.4mm以上4.5mm未満の薄鋼板に適用することを特徴とする請求項1に記載の金属板の突合せ接合方法。
- 前記複数の金属板として、亜鉛めっきがなされており、その亜鉛めっき量が0g/m2を超え120g/m2以下の薄鋼板に適用することを特徴とする請求項1または2に記載の金属板の突合せ接合方法。
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