JP6024707B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光で複数のワーク同士を溶接により接合するに好適なレーザ溶接方法に関する。
従来から、複数の金属製のワーク同士を重ね合わせた状態または突き合わせた状態でこれらを接合する方法として、レーザ溶接方法が幅広く利用されている。レーザ溶接方法による溶接は、加工歪みが少なく、高速溶接が可能であり、残留熱影響部も少ないなどの利点がある。
このような技術として、例えば、特許文献1には、重ね合わせた複数の鋼板からなるワーク同士を接合するレーザ溶接方法が提案されている。ここでは、ワークW1を接合するように複数のナゲットからなる溶接部が形成されるように、ワークにレーザ光を照射しワーク同士の接合がなされている。
具体的には、図10(a)に示すように、レーザ光は、各ナゲットが仮想の閉曲線Dである円周に沿って形成されるように、閉曲線D上の同じ形状をした照射領域P1〜P3に照射される。このようなレーザ溶接方法を採用することにより、ワーク同士の溶接の信頼性を高めることができる。
特開2013−132686号公報
しかしながら、特許文献1に示すように複数のナゲットN1〜N3からなる溶接部Yを形成する際に、ナゲットN1、N2、N3を順次形成するに従って、図10(b)に示すように、ナゲットの大きさがナゲットN1〜N3の順に大きくなる傾向にあり、安定した形状の溶接部Yを得ることができないことがあった。特に、より多くのナゲットを近接して順次形成した場合や、複数のナゲットを順次高速で形成しようとした場合には、このような現象はより顕著であった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、レーザ光を照射することにより、複数のナゲットからなる溶接部を形成すべく各ナゲットを順次形成する場合であっても、これらのナゲットの大きさのバラつきを抑え、ワーク同士の溶接を安定させることができるレーザ溶接方法を提供することにある。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、以下の如き知見を得た。複数のナゲットを順次形成する際に、各ナゲットの形成条件を同じにすると、例えば、図10(c)に示すように、レーザ光により各照射領域に入熱される総熱量(総入熱量)は同じになる。
例えば、図10(a)に示すように照射領域P1〜P3の順に、複数のナゲットN1〜N3を順次形成する際には、後に続いて形成されるナゲット(例えばナゲットN2)は、それよりも前のナゲット形成時(例えばナゲットN1形成時)のレーザ光の入熱の影響を受けると考えた。すなわち、ナゲットN2を形成すべく、照射領域P2にレーザ光を照射した場合には、図10(d)に示すように、それよりも前のナゲットN1形成時に照射されたレーザ光によりワークに残存した熱も加味されることになる。同様に、ナゲットN3を形成すべく、照射領域P3にレーザ光を照射した場合には、それよりも前のナゲットN1,N2形成時に照射されたレーザ光によりワークに残存した熱も加味されることになる。このような結果、後続のナゲットの大きさが順に大きくなるとの知見を得た。
本発明は、発明者によるこの新たな知見に基づくものであり、本発明に係るレーザ溶接方法は、複数の金属製のワーク同士をレーザ溶接により接合する際に、複数のナゲットからなる溶接部が形成されるように、各ナゲットが形成されるワークの照射領域にレーザ光を照射し、複数のワーク同士を接合するレーザ溶接方法であって、前記複数のナゲットからなる溶接部を形成する際に、各ナゲットに対応した照射領域に順次レーザ光を照射することにより、前記各ナゲットを順次形成するものであり、前記各ナゲットを順次形成するに従って、前記各ナゲットを形成するに要する前記レーザ光からワークへの入熱量が少なくなるように、各照射領域に前記レーザ光を照射することを特徴とする。
本発明によれば、複数の金属製のワーク同士をレーザ溶接により接合する。この際、ワーク同士の一部が溶融した溶接部が複数のナゲットにより構成されるように、レーザ光を少なくとも一方のワークの表面の各照射領域に照射する。具体的には、複数のナゲットからなる溶接部を形成する際には、レーザ光の照射により各ナゲットが順次形成されるように、レーザ光を断続的に照射する。
この際、ナゲットを形成したときのレーザ光の入熱が、次のナゲットを形成する際にワークに残存する。そこで、本発明では、この残存する熱を加味して、各ナゲットを順次形成するに従って、前記各照射領域に照射するレーザ光からワークへの入熱量(各ナゲットを形成するに要する入熱量)が少なくなるように、各照射領域にレーザ光を照射する。
これにより、複数のナゲットを順次形成する際に、後に続くナゲットを形成するための照射領域に、それ以前のナゲット形成時のレーザ光によりワークに残存した熱量が加味されても、後に続くレーザからの入熱量が、それ以前のレーザからの入熱量よりも少なくなっているので、各照射領域の総熱量を近づけることができる。これにより、これらのナゲットの大きさのバラつきを抑え、ワーク同士の溶接を安定させることができる。
さらに、本発明では、それ以前のナゲット形成時のレーザ光によりワークに残存した熱量を有効に利用して後に続くナゲットを形成することになるので、ワークへの過剰なレーザ光の照射を抑えることができる。
さらに好ましい態様としては前記レーザ溶接方法において、前記複数のナゲットが仮想の閉曲線に沿って形成されるように、前記レーザ光を照射する。この態様によれば、仮想の閉曲線に沿った複数の照射領域に順次レーザ光を照射することにより複数のナゲットを形成するので、仮想の閉曲線内の領域を全て溶融させた場合に比べて、より少ない熱量で安定した形状の溶接部を得ることができる。
さらに好ましい態様としては、前記閉曲線に沿って各ナゲットが離間するように、前記レーザ光を照射した後に、隣接する前記ナゲット同士の間の前記閉曲線上にナゲットがさらに形成されるように、前記レーザ光を照射する。
この態様によれば、閉曲線に沿って各ナゲットが離間するように、レーザ光を照射した後に、隣接するナゲット同士の間に、ナゲットを形成すべく照射領域にレーザ光を照射する際には、この照射領域に残存した熱量は放熱により減少している。これにより、連続して閉曲線上にナゲットを順次形成する場合に比べて、大きさの揃ったナゲットを容易に形成することができる。
さらに好ましい態様としては、前記ナゲットを形成する際の前記レーザ光の照射を第1のレーザ光照射工程とし、前記第1のレーザ光照射工程後、前記ナゲットが凝固するまでの間に、前記ナゲットの周縁から前記ナゲットの中心部に向う方向の凝固の進行を遅らせるように、溶融状態のナゲットにレーザ光を照射する第2のレーザ光照射工程をさらに含む。
この態様によれば、第1のレーザ光照射工程において、照射領域に第1のレーザ光を照射することにより、照射領域内のワークが溶融したナゲット(溶融池)を形成する。この際、溶融状態のナゲット(溶融池)は、ナゲットの周縁の方がその中心部に比べて放熱され易いので、ナゲットの周縁から凝固が始まって中心部に向かってナゲットの凝固が進行する。ナゲットの中心部の凝固が開始してから完全に凝固するまでの凝固速度(すなわち冷却速度)は、ナゲットの周縁の凝固速度(冷却速度)よりも速い。この結果、ナゲットの中心部の凝固収縮に、ナゲットの液相流動が間に合わず、凝固したナゲットの中心部またはその近傍を起点として、割れが発生しこれが伸展することがあった。
そこで本発明では、第2のレーザ光照射工程において、この溶融状態のナゲットに第2のレーザ光を照射することにより、ナゲットの周縁から溶融状態のナゲットの中心部に向う方向の凝固の進行を遅らせる。
これにより、溶融状態のナゲットの中心部の凝固収縮に合わせてこれが液相流動するので、ナゲットの中心部近傍の割れの発生を抑えることができる。さらに、溶融状態のナゲットの周縁からその中心部まで、凝固速度(冷却速度)のバラつきを抑え、より均一な組織となるように凝固させることができる。なお、「溶融状態のナゲットの中心部」とは、溶融状態のナゲットが最後に凝固する部分のことであり、たとえば、円状のナゲットである場合には、ナゲットの中心部とは、その円の中心近傍である。
本発明によれば、レーザ光を照射することにより、複数のナゲットからなる溶接部を形成すべく各ナゲットを順次形成する場合であっても、これらのナゲットの大きさのバラつきを抑え、ワーク同士の溶接を安定させることができる。
本発明の第1〜3の実施形態に係るレーザ溶接方法を行うための溶接装置の一例を示した模式図であり、(a)は、側面方向の溶接状態を示した図であり、(b)は、正面方向の溶接状態を示した図である。 第1の実施形態のレーザ溶接方法に係る、第1のレーザ光照射工程の一例を示した模式図であり、(a)〜(d)に示す順で、第1のレーザ光をワークに照射することを示した図である。 第1の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域と示した図、(b)は各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)は照射領域と照射強度比の関係を示した図、(d)はナゲットの状態を示した図である。 第2の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域と示した図、(b)は各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)はナゲットの状態を示した図である。 図2に示す照射工程後、第2のレーザ光照射工程を行わず、溶融状態のナゲットを放冷した状態を示した模式図であり、(a)、(b)に示す順で、溶融状態のナゲットが放冷されている状態を示した図である。 第3の実施形態のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a)〜(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後のナゲットを示した図である。 第3の実施形態の変形例のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a)は、第2のレーザ光の照射を説明するための図、(b)〜(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後の溶接部を示した図である。 第3の実施形態のさらなる変形例のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a),(b)は溶融状態のナゲットの凝固の変化を示した図、(c),(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後の凝固したナゲットを示した図である。 第3の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域を示した図、(b)は第1および第2のレーザ光照射工程における各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)はナゲットの状態を示した図である。 従来に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)はレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域と示した図、(c)はナゲットの状態を示した図、(c)は各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(d)は残存する熱量を説明するための図。
本発明のいくつかの本実施形態に係るレーザ溶接方法を以下に示す。
〔第1実施形態〕
1.装置構成について
図1は、以下の本発明の第1〜3の実施形態に係るレーザ溶接方法を行うための溶接装置の一例を示した模式図であり、(a)は、1つのナゲットにおける側面方向の溶接状態を示した図であり、(b)は、正面方向の溶接状態を示した図である。
図1に示す溶接装置は、主に、レーザ光照射部1を備えており、レーザ光照射部1は、溶接用レーザ光(第1または第2のレーザ光)L1,L2を、重ね合わされた若しくは僅かに離間して配置された二枚の金属製のワークW1、W2に対して、選択したレーザ光を照射する装置である。
本実施形態および第2の実施形態では、溶接部を構成する各ナゲットNを形成するための溶接用レーザ光(第1のレーザ光L1)のみを用い、第3の実施形態では、第1のレーザ光L1に加えて、ナゲットNの割れを防止するための溶接用レーザ光(第2のレーザ光L2)もさらに用いる。
第1〜第3の実施形態では、重ね合わせにより2枚のワークW1、W2を溶接するが、この枚数が二枚に限定されるものではなく、例えば、2枚のワークを、以下に示す方法で、突合せ溶接、隅肉溶接してもよい。
また、ワークW1,W2の材料としては、アルミニウム合金,高炭素鋼など、レーザ溶接時に割れやすい材料に対してより効果的であり、これらの材料は、以下に示す溶接で柱状晶組織と等軸晶組織とが形成され易く、ナゲットの中心部で割れが発生しやすいため、後述する第3実施形態およびその変形例に示すレーザ溶接を行うことにより、このような点を解消することができる。
後述する第1または第2のレーザ光L1,L2は、光学系である駆動ミラー7,8を順次反射し、二枚のワークW1、W2に対して照射される。ここで駆動ミラー7,8を駆動制御させることにより、駆動ミラー7,8に入射し第1または第2のレーザ光L1,L2の反射方向を制御し、所望の位置に第1または第2のレーザ光L1,L2を照射し、これを例えば、図1(b)に示すように予め設定された軌跡(例えば円状または螺旋状)に走査することができる。さらに、駆動ミラー7,8を駆動制御することにより、例えば、後述する図3(a),図4(a)に示す各照射領域に移動して、各照射領域における上述した予め設定された軌跡に第1および第2のレーザ光L1,L2を走査することができる。このようなレーザ溶接装置100を用いて、ワークW1,W2をレーザ溶接により接合する。
2.ナゲットの形成について(第1のレーザ光照射工程)
本実施形態では、第1のレーザ光L1により2枚の金属製のワーク同士W1,W2を溶接(接合)する。この際に、複数のナゲットからなる溶接部が形成されるように(例えば後述する図3(d),図4(c)等参照)、各ナゲットが形成されるワークの各照射領域にレーザ光を照射し、ワークW1,W2同士を接合する。ここでは、まず、各ナゲットを形成する方法について、図2を参照して照射に説明する。
図2は、第1の実施形態のレーザ溶接方法に係る、第1のレーザ光照射工程の一例を示した模式図であり、(a)〜(d)に示す順で、第1のレーザ光をワークに照射することを示した図である。
本実施形態では、ワーク同士の一部を照射領域Pとして、照射領域Pに第1のレーザ光L1を照射する。これにより、照射領域P内のワークが溶融したナゲットNを形成する。
具体的には、本実施形態では、図2(a)に示すように、照射領域Pの中心部の周りを第1のレーザ光L1が周回するように、第1のレーザ光L1を円周R1上に走査し、照射領域Pの円周R1内およびその近傍のワークを溶融する。
次に、図2(b)に示すように、照射領域Pの中心部の周りを第1のレーザ光L1が周回するように、円周R1よりも半径の大きい円周R2上に、第1のレーザ光L1を走査し、照射領域Pの円周R2およびその近傍のワークを溶融する。
さらに、図2(c)に示すように、照射領域Pの中心部の周りを第1のレーザ光L1が周回するように、円周R2よりも半径の大きい円周R3上に、第1のレーザ光L1を走査し、照射領域Pの円周R3およびその近傍のワークを溶融する。最後に、図2(d)に示すように、照射領域Pの中心部の周りを第1のレーザ光L1が周回するように、円周R3よりも半径の大きい円周R4上に、第1のレーザ光L1を走査し、照射領域Pの円周R4およびその近傍のワークを溶融する。
このように、照射領域Pの中心部から、照射領域Pの周縁に向かって中心部の周りに第1のレーザ光L1を周回させて、その領域内の材料を第1のレーザ光L1により溶融させる。これにより、レーザ光照射方向からみて円状のナゲットをワークW1に形成することができる。
なお、図2(a)〜(d)に示すナゲットの形成方法は、その一例であり、後述する入熱の条件で、複数のナゲットを形成することができるのであれば、第1のレーザ光L1の照射方法は特に限定されるものではない。たとえば、同じ位置(例えば照射領域Pの中心)に一定時間、第1のレーザ光L1を照射し円状のナゲットを形成してもよい。また、図2(a)〜(c)に示すような第1のレーザL1光の照射を行わず、図2(d)に示す照射領域Pの円周R4上のみ第1のレーザ光L1を照射(走査)して、リング状のナゲットを形成してもよく、このリング状のナゲットを形成後、円周R4の内側の領域のワークの部分が溶融するように、第1のレーザ光L1を照射してもよい。
3.溶接部(複数のナゲット)の形成について
図3は、第1の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域と示した図、(b)は各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)は照射領域と照射強度比の関係を示した図、(d)はナゲットの状態を示した図である。
本実施形態では、図3(d)に示すように、3つ(複数)のナゲットN1〜N3からなる溶接部Yを形成する際に、各ナゲットに対応した照射領域P1〜P3に順次第1のレーザ光L1を照射することにより、各ナゲットN1〜N3を順次形成する。
より具体的には、照射領域P1〜P3(ナゲットN1〜N3)を通る円の中心を決定し、円周である仮想の閉曲線Dの外周直径を設定する。そして、設定された3つ(複数)の照射領域P1〜P3において、照射領域P1〜P3の順に、図2(a)〜(d)に示す手順で第1のレーザ光L1を照射し、ナゲットN1〜N3の順にナゲットを順次形成する。本実施形態では、閉曲線Dを円としたが、閉曲線であればその形状は特に限定されるものではなく、楕円等であってもよい。
本実施形態では、ナゲットN1〜N3の順にナゲットを順次形成するに従って(すなわち、第1のレーザ光L1を照射領域P1〜P3の順に照射するに従って)、図3(b)に示すように、各照射領域P1,P2,P3に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量が少なくなるように、各照射領域P1,P2,P3に順次第1のレーザ光L1を照射する。
具体的には、以下の表1および図3(c)に示すように、図2(a)〜(d)に示した円周R1〜R4に対して、第1のレーザ光L1が走査される円周の半径、第1のレーザ光L1の走査速度、第1のレーザ光L1の照射強度が設定されている。本実施形態では、各照射領域P1〜P3において、各円周R1〜R4に対する各半径、各第1のレーザ光L1の走査速度は同じあり、第1のレーザ光L1の照射強度が小さくなるように設定されている。
例えば、照射領域P1において照射される第1のレーザ光L1の照射強度に、所定の割合(具体的には低下率α<1)を乗じたものが、照射領域P2において照射される第1のレーザ光L1の照射強度として照射される。さらに、照射領域P2において照射される第1のレーザ光L1の照射強度に、所定の割合(具体的には低下率α<1)を乗じたものが、照射領域P3において照射される第1のレーザ光L1の照射強度として照射される。
このようにして、前のナゲット形成時の残熱量を加味して低下率αのみを設定すれば、簡単に、照射領域P1の第1のレーザ光L1の照射強度、照射領域P2の第1のレーザ光L1の照射強度、照射領域P3の第1のレーザ光L1の照射強度の順に、その強度を小さくすることができる。この結果、照射領域P1、照射領域P2、照射領域P3の順に、各照射領域P1,P2,P3に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量を少なくすることができる。
Figure 0006024707
このような結果、ナゲットN1を形成したときの第1のレーザ光L1の入熱が、次のナゲットN2を形成する際にワークに残存した場合であっても、この残存する熱を考慮した減少率αを設定することで、照射領域P2に照射する第1のレーザ光L1からワークへの入熱量を、照射領域P1に照射する第1のレーザ光L1からワークへの入熱量よりも少なくすることができる。この結果、照射領域P1,P2のナゲットN1,N2形成時の熱量を近づけ、これらナゲットN1,N2の大きさのバラつきを抑えることができる。
同様に、ナゲットN1、N2を形成したときの第1のレーザ光L1の入熱が、次のナゲットN3を形成する際にワークに残存した場合であっても、照射領域P3に照射する第1のレーザ光L1からワークへの入熱量を、照射領域P2に照射する第1のレーザ光L1からワークへの入熱量よりも少なくすることができる。この結果、照射領域P1〜P3のナゲットN1〜N3形成時の熱量を近づけ、これらナゲットN1〜N3の大きさのバラつきを抑えることができ、ワークW1,W2同士の溶接を安定させることができる。
さらに、ナゲット形成時の第1のレーザ光L1によりワークに残存した熱量を有効に利用して後に続くナゲットを形成することになるので、ワークへの過剰なレーザ光の照射を抑えることができる。
なお、上述した実施形態では、照射領域P1〜P3において、各円周R1〜R4に対する各半径および各第1のレーザ光L1の走査速度は同じあり、第1のレーザ光L1の照射強度が小さくなるように設定することで、各ナゲットN1、N2、N3を順次形成するに従って、照射領域P1、P2、P3に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量を少なくした。
しかしながら、この方法に限定されるものではなく、例えば、表2に示すように、照射領域P1〜P3において、各円周R1〜R4に対する各半径、および、各第1のレーザ光L1の照射強度を同じにし、ナゲットN1〜N3の順にナゲットを順次形成するに従って(すなわち、第1のレーザ光L1を照射領域P1〜P3の順に照射するに従って)、第1のレーザ光L1の走査速度を速くしてもよい。
Figure 0006024707
すなわち、表2に示すように、照射領域P1における走査速度に低下率α(<1)を除することにより照射領域P2における走査速度とし、照射領域P2における走査速度にさらに低下率α(<1)を除することにより照射領域P3における走査速度とする。これにより、各ナゲットN1、N2、N3を順次形成するに従って、照射領域P1、P2、P3に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量を少なくすることができる。
〔第2実施形態〕
図4は、第2の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域と示した図、(b)は各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)はナゲットの状態を示した図である。
本実施形態が、第1実施形態と相違する点は、図4(a)に示す、照射領域P1〜P6の順に、第1のレーザ光L1を照射して、ナゲットN1〜N6の順にナゲットを形成した点である。
本実施形態では、図4(a)に示すように、照射領域P1〜P6(ナゲットN1〜N6)を通る円の中心を決定し、円周である閉曲線Dの外周直径を設定する。そして、設定された6つ(複数)の照射領域P1〜P6において、照射領域P1〜P6の順に、図2(a)〜(d)に示す手順で第1のレーザ光L1を照射し、ナゲットN1〜N6の順にナゲットを順次形成する。
具体的には、図4(a),(c)に示すように、閉曲線Dに沿ってナゲットN1〜N3の各ナゲットが離間するように、照射領域P1〜P3に第1のレーザ光を照射して、ナゲットN1〜N3を形成する。次に、ナゲットN1〜N3のうち、隣接するナゲット同士の間の閉曲線D上にナゲットN4〜N6がさらに形成されるように、照射領域P4〜P6に第1のレーザ光L1を照射する。
すなわち、ナゲットN1とナゲットN2との間に、ナゲットN4を形成すべく、照射領域P4に第1のレーザ光を照射し、ナゲットN2とナゲットN3との間に、ナゲットN5を形成すべく、照射領域P5に第1のレーザ光を照射し、ナゲットN3とナゲットN1との間に、ナゲットN6を形成すべく、照射領域P6に第1のレーザ光を照射する。
本実施形態でも第1の実施形態と同様に、ナゲットN1〜N6の順にナゲットを順次形成するに従って(すなわち、第1のレーザ光L1を照射領域P1〜P6の順に照射するに従って)、図4(b)に示すように、各照射領域P1〜P6に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量が少なくなるように、第1のレーザ光L1を照射する。各照射領域P1〜P6に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量を少なくする手法は、第1実施形態の表1および表2を参照して説明した手法と同じである。
本実施形態によれば、閉曲線Dに沿ってナゲットN1〜N3が離間するように、第1のレーザ光L1を照射した後に、ナゲットN1〜N3のうち、隣接するナゲット同士の間に、ナゲットを形成すべく照射領域P4〜P6にレーザ光を照射する際には、この照射領域P4〜P6に残存した熱量は放熱により減少している。これにより、連続して閉曲線D上に沿ってナゲットを形成する場合に比べて、より大きさの揃ったナゲットN1〜N6を容易に形成することができる。
〔第3実施形態〕
ところで、図2に示す第1のレーザ光照射工程のみを行った場合には、図5(a)に示すように、溶融状態のナゲットNYは、その周縁Sの方がその中心部Cに比べて放熱され易いので、周縁Sから凝固が始まって中心部Cに向かって、溶融状態のナゲットNYの凝固が進行する。
上述した材料を用いた場合、図5(b)に示すように、完全に凝固したナゲットNは、その中心部Cを含むように等軸晶組織G2(等軸晶領域)が形成され、その周縁Sから等軸晶領域に向かって、等軸晶組織G2(等軸晶領域)を囲うように柱状晶組織(柱状晶領域)G1が形成される。
ここで、等軸晶組織、柱状晶組織の形成に拘らず、溶融状態のナゲットNYの中心部Cの凝固が開始してから完全に凝固するまでの凝固速度(すなわち冷却速度)は、その周縁Sの凝固速度(冷却速度)よりも速い。この結果、半溶融状態のナゲットの中心部Cの凝固収縮に対して、中心部Cの液相流動が間に合わず、周方向に組織が引っ張られてしまい、ナゲットNの中心部またはその近傍を起点として、割れが発生しこれが伸展することがあった。そこで、第3実施形態では、以下に示す第2のレーザ光照射工程を行う。
4.第2のレーザ光照射工程について
図6は、第3の実施形態のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a)〜(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後のナゲットを示した図である。
本実施形態では、第2のレーザ光照射工程において、溶融状態のナゲットNYが凝固するまでの間に、第2のレーザ光L2をナゲットの溶融している部分に照射する。具体的には、ナゲットNの中心部Cから外れた照射開始位置から中心部Cに向かって中心部Cの周りに第2のレーザ光L2を周回させ、第2のレーザ光L2を中心部Cに収束させる。
より具体的には、図6(a)に示すように、本実施形態では、照射開始位置が、溶融状態のナゲットNYの周縁S上にある。この照射開始位置からナゲットNの中心部Cに向かって、図6(a)から(d)に示すように、溶融状態のナゲットNYに第2のレーザ光L2を中心部C周りに周回させながら照射する。
このようにして、第1のレーザ光を照射後、溶融状態のナゲットNYはその周縁Sから中心部Cに向かって凝固が進行するところ、本実施形態では、溶融状態のナゲットNYに第2のレーザ光L2を照射することにより、溶融状態のナゲットNYの周縁SからナゲットNの中心部Cに向う方向の凝固の進行を遅らせることができる。
このようにして、ナゲットNの周縁Sから中心部Cまで、凝固速度(冷却速度)のバラつきを抑え、より均一な組織となるように凝固させることができる。本実施形態では、凝固したナゲットNは、その周縁Sから中心部Cまで、周縁Sから中心部Cに向う方向に柱状の結晶が延在した柱状晶組織G1を得ることができる。
このような結果、ナゲットNの柱状晶組織は、中心部Cを起点として割れが発生したとしても、その周縁Sから中心部Cまでの各柱状晶の成長は断続的であるので、割れの伸展を短くすることができる。
図7は、第3の実施形態の変形例のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a)は、第2のレーザ光の照射を説明するための図、(b)〜(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後の溶接部を示した図である。
上述した実施形態では、第2のレーザ光L2を溶融状態のナゲットNYに走査したが、例えば、図7(a)に示すように、第2のレーザ光L2の焦点位置を調節することにより、ワークに対する第2のレーザ光L2の照射領域を調整してもよい。この場合には、第2のレーザ光L2の集光レンズを高速で移動することにより、照射領域(照射面積)を調整することができる。ここでは、位置T2(T2’)のディフォーカスの位置からT1のフォーカスの位置に、レーザ光強度が例えば一定となるようにその出力を調整しながら、照射する。
具体的には、図7(b)に示すように、照射開始領域を、溶融状態のナゲットNYの周縁Sで囲われた領域とし、図7(b)〜(d)に示すように、溶融状態のナゲットNYの周縁Sから中心部Cに向かう方向の凝固の進行に合わせて、ナゲットNYに第2のレーザ光を集光する。これにより、溶融状態のナゲットNYの周縁から中心部Cまで柱状晶組織G1が成長するように、溶融状態のナゲットNYの周縁Sから中心部Cに向う方向の凝固の進行を遅らせることができる。
図8は、第3の実施形態のさらなる変形例のレーザ溶接方法に係る、第2のレーザ光照射工程を説明するための模式図であり、(a),(b)は溶融状態のナゲットの凝固の変化を示した図、(c),(d)は、これらに示す順で、第2のレーザ光をワークに照射することを示した図であり、(e)は、第2のレーザ光照射後の凝固したナゲットを示した図である。
この変形例が、上述したものと相違する点は、第2のレーザ光L2の照射開始位置とそのタイミングである。
この変形例では、第2のレーザ光照射工程において、照射開始位置が、溶融状態のナゲットNYの周縁Sとその中心部Cとの間にある(例えば図8(c)参照)。ここで、本実施形態では、第1のレーザ光照射工程後から、前記第2のレーザ光照射前(図8(c)参照)において、図8(a)、(b)に示すように、凝固の進行に伴って、溶融状態のナゲットNYの中心部を囲うように、その周縁Sから中心部Cに向かって柱状晶組織G1を成長させる。
次に、柱状晶組織G1の成長から等軸晶組織G2の成長に変化した後に、図8(c)に示すように、第2のレーザ光照射工程を開始し、第2のレーザ光照射工程において、溶融状態のナゲットNYの中心部Cを囲うように等軸晶組織G2を残し、等軸晶組織G2から中心部Cまで柱状晶組織が成長するように、第2のレーザ光L2の照射を行う。
このようにして、図8(e)に示すように、凝固したナゲットNは、その周縁Sから中心部Cに向う方向に、周縁Sから柱状の結晶が延在した柱状晶組織G1からなる第1の柱状晶領域が形成される。第1の柱状晶領域(柱状晶組織G1)からナゲットNの中心部Cを囲うように等軸晶組織G2からなる等軸晶領域が形成される。さらに、等軸晶領域(等軸晶組織G2)からナゲットNの中心部Cまで、中心部Cに向かって、柱状の結晶が延在した柱状晶組織G3からなる第2の柱状晶領域が形成される。
これにより、第2の柱状晶領域(柱状晶組織G3)の柱状晶組織に、凝固時に中心部Cを起点とした割れが発生したしても、柱状晶の成長は断続的であるので、割れの伸展を短くすることができる。また、さらに割れが伸展したとしても、この割れは、等軸晶領域の等軸晶組織G2で止められる。このような結果、割れの伸展を抑えることができる。
5.溶接部(複数のナゲット)の形成と第2のレーザ光照射工程との関係
図9は、第3の実施形態に係るレーザ溶接方法を説明するための図であり、(a)は第1のレーザ光を照射する前のワーク上の仮想の閉曲線と第1のレーザ光の照射領域を示した図、(b)は第1および第2のレーザ光照射工程における各照射領域とその総入熱量との関係を示した図、(c)はナゲットの状態を示した図である。
第2実施形態と同様に、本実施形態も、図9(a),(c)に示すように、照射領域P1〜P6の順に、第1のレーザ光L1を照射して、ナゲットN1〜N6の順にナゲットを形成した点、および、ナゲットN1〜N6の順にナゲットを順次形成するに従って、各照射領域P1〜P6に照射する第1のレーザ光L1からワークW1への入熱量が少なくなるように、第1のレーザ光L1を照射する点は同じである。したがって、この点の照射な説明は省略する。
上述した如く、本実施形態では、第2のレーザ光照射工程を設けた点が相違している。本実施形態では、各ナゲットN1〜N6を形成する際の第1のレーザ光照射工程が終わった後に、それに対応する各ナゲットN1〜N6に対して第2のレーザ光照射工程を行う。具体的には、第1の照射領域P1に第1のレーザ光を照射後、形成されたナゲットN1に第2のレーザ光を照射する。次に、第2の照射領域P2に第1のレーザ光L1を照射し、形成されたナゲットN2に第2のレーザ光を照射する。これを順次行う。なお、本実施形態では、各ナゲット形成後に第2のレーザ光照射工程を行ったが、第3実施形態に示した条件を満たすことができるのであれば、ナゲットN1〜N6すべてを形成後に、それぞれに対して第2のレーザ光照射工程を行ってもよい。
ここで、第2のレーザ光照射工程における第2のレーザ光の照射は、ナゲットの中心部に向う方向の凝固の進行を遅らせることを目的としている。したがって、図9(b)に示すように、各照射領域(具体的には溶融状態のナゲット)に照射する第2のレーザ光L2からワークへの入熱量は、これに対応する照射領域に照射する第1のレーザ光L1からワークへの入熱量よりも少ない。また、照射領域P4〜P6に照射される第2のレーザ光L2の入熱量は、照射領域P1〜P3に照射された第1および第2のレーザ光による残存熱量が加味されるため、照射領域P1〜P3に照射される第2のレーザ光L2の入熱量よりも少なくてもよい。
以上、本発明の実施の形態を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1:レーザ光照射部、7:駆動ミラー、8:駆動ミラー、100:レーザ溶接装置、C:中心部、G1:柱状晶組織、G2:等軸晶組織、G3:柱状晶組織、L1:第1のレーザ光、L2:第2のレーザ光、P,P1〜P6:照射領域、N,N1〜N6:ナゲット、NY:溶融状態のナゲット,S:周縁、W1,W2:ワーク、Y:溶接部

Claims (4)

  1. 複数の金属製のワーク同士をレーザ溶接により接合する際に、複数のナゲットからなる溶接部が形成されるように、各ナゲットが形成されるワークの照射領域にレーザ光を照射し、複数のワーク同士を接合するレーザ溶接方法であって、
    前記複数のナゲットからなる溶接部を形成する際に、各ナゲットに対応した照射領域に順次レーザ光を照射することにより、前記各ナゲットを順次形成するものであり、
    前記各ナゲットを順次形成するに従って、前記各照射領域に照射する前記レーザ光からワークへの入熱量が少なくなるように、各照射領域に前記レーザ光を照射し、
    前記ナゲットを形成する際の前記レーザ光の照射を第1のレーザ光照射工程とし、
    前記第1のレーザ光照射工程後、前記ナゲットが凝固するまでの間に、前記ナゲットの周縁から前記ナゲットの中心部に向う方向の凝固の進行を遅らせるように、溶融状態のナゲットにレーザ光を照射する第2のレーザ光照射工程をさらに含むことを特徴とするレーザ溶接方法。
  2. 前記レーザ溶接方法において、前記複数のナゲットが仮想の閉曲線に沿って形成されるように、前記レーザ光を照射することを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 複数の金属製のワーク同士をレーザ溶接により接合する際に、複数のナゲットからなる溶接部が形成されるように、各ナゲットが形成されるワークの照射領域にレーザ光を照射し、複数のワーク同士を接合するレーザ溶接方法であって、
    前記複数のナゲットからなる溶接部を形成する際に、各ナゲットに対応した照射領域に順次レーザ光を照射することにより、前記各ナゲットを順次形成するものであり、
    前記各ナゲットを順次形成するに従って、前記各照射領域に照射する前記レーザ光からワークへの入熱量が少なくなるように、各照射領域に前記レーザ光を照射し、
    前記レーザ溶接方法において、前記複数のナゲットが仮想の閉曲線に沿って形成されるように、前記レーザ光を照射し、
    前記閉曲線に沿って各ナゲットが離間するように、前記レーザ光を照射した後に、
    隣接する前記ナゲット同士の間の前記閉曲線上にナゲットがさらに形成されるように、前記レーザ光を照射することを特徴とするレーザ溶接方法。
  4. 前記ナゲットを形成する際の前記レーザ光の照射を第1のレーザ光照射工程とし、
    前記第1のレーザ光照射工程後、前記ナゲットが凝固するまでの間に、前記ナゲットの周縁から前記ナゲットの中心部に向う方向の凝固の進行を遅らせるように、溶融状態のナゲットにレーザ光を照射する第2のレーザ光照射工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のレーザ溶接方法。
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