JP7132829B2 - アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法 - Google Patents

アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7132829B2
JP7132829B2 JP2018213413A JP2018213413A JP7132829B2 JP 7132829 B2 JP7132829 B2 JP 7132829B2 JP 2018213413 A JP2018213413 A JP 2018213413A JP 2018213413 A JP2018213413 A JP 2018213413A JP 7132829 B2 JP7132829 B2 JP 7132829B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
laser beam
aluminum alloy
lap fillet
scanning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018213413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020078818A (ja
Inventor
剛司 池田
宏樹 江崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UACJ Corp
Original Assignee
UACJ Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UACJ Corp filed Critical UACJ Corp
Priority to JP2018213413A priority Critical patent/JP7132829B2/ja
Publication of JP2020078818A publication Critical patent/JP2020078818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7132829B2 publication Critical patent/JP7132829B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法に関する。
従来、アルミニウム合金板の接合において、レーザ光を照射して重ね隅肉溶接することが行われている。重ね隅肉溶接では、2枚の板をずらして重ねて、上板の端部と下板の主面との間を溶接することができる。例えば、特許文献1には、溶接のビード幅を広げるために、ガルバノスキャナを利用してレーザ光を、円を描くように照射するいわゆるウォブリング照射を行う構成が開示されている。そして、当該構成では、レーザ光の軌跡の重なり具合を適宜設定することにより溶接部にポロシティが発生することを抑制している。
国際公開WO2016/194322号公報
しかしながら、レーザ光の照射によりアルミニウム合金板を重ね隅肉溶接すると、下板の端部から溶接ビードに向かって下板に割れが生じる場合がある。かかる割れは、レーザ光の照射による熱の発生に起因するものであることが分かった。すなわち、レーザ溶接直後の溶接ビード部分が熱収縮することにより、下板に大きな引張応力が発生する。特に溶接の後半になるほど溶接対象への入熱量が増加するため、溶接ビードの近傍は高温となる。そして、下板のフランジ部に結晶粒界に成分偏析や共晶等が生じていると、局部的に融解して開口し、これが起点となって下板先端部から亀裂が発生する。当該亀裂は、下板の結晶粒界に沿って伝搬して一部が溶接ビード内に達する。このような割れは溶接部の品質の低下を招く。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、割れの発生が防止されるアルミニウム合金板の隅肉溶接方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法であって、
ガルバノスキャナにより、レーザ発振器から出力されたレーザ光を溶接対象部位に照射して、該溶接対象部位に設定された溶接ラインに沿って35mm以下の長さ走査して、溶接ビードを形成する溶接工程と、
該溶接工程における上記レーザ光の照射時間の1/3以上に相当する時間にわたってレーザ光の照射及び走査を停止する停止工程と、を交互に繰り返す、アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法にある。
上記アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法においては、溶接工程では、走査長さが35mm以下となるようにレーザ光を溶接対象部位に走査する。これにより、溶接工程において溶接対象部位への入熱量が適度に抑制される。さらに、停止工程では、溶接工程におけるレーザ光の照射時間の1/3以上の期間にわたって上記照射及び走査を停止するため、溶接対象部位において放熱が促される。そして、溶接工程と停止工程とが交互に繰り返されることにより、所定距離の溶接を行うことができる。その結果、全体として溶接長さが長い場合でも、連続して行われるレーザ光の走査は短い時間となるため、溶接対象部位が過度に加熱されることが防止されて、溶接対象部位やその近辺において、熱収縮に起因する割れが発生することが防止される。また、停止工程では、ガルバノスキャナによる走査も停止されるため、繰り返し形成される溶接ビードが一繋がりとなり、溶接状態が良好となる。
以上のごとく、本発明によれば、割れの発生が防止されるアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法を提供することができる。
実施例1における、溶接システムの構成を示す概念図。 実施例1における、溶接態様を示す概念図。 実施例1における、レーザ光の焦点の軌跡を示す概念図。 実施例1における、溶接態様を示す断面概念図。 (a)試験例1、(b)試験例2及び(c)比較例1における溶接工程と停止工程の態様を説明する概念図。 (a)比較例1及び(b)試験例2における溶接ビードの例を示す図。
上記溶接工程において、上記レーザ光を一定速度で走査することが好ましい。この場合には、溶接工程において溶接対象部位に安定的に入熱されるため、溶接状態を良好とすることができる。
上記溶接工程において、上記レーザ光をウォブリングさせながら上記溶接ラインに沿って走査することが好ましい。この場合は、レーザ光のスポット径を大きくすることなく、溶接ビードの幅を大きくすることができる。その結果、溶接状態を一層良好にすることができる。
また、上記溶接工程において、上記溶接対象部位に上記レーザを照射して、上記レーザ光が照射される被照射面と反対側の裏面まで上記溶接対象部位を溶融させることが好ましい。この場合には、下板の溶接側端部に生じやすい割れの発生を効果的に抑制すことができる。この場合は、溶接対象部位が確実に溶融されて溶接状態を一層良好にすることができる。
(実施例1)
アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法の実施例について、図1~図6を用いて説明する。
本実施例のアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法では、図5(a)、図5(b)に示すように、溶接工程S1と停止工程S2とを交互に繰り返し行う。
溶接工程S1では、図1に示すように、ガルバノスキャナ20により、レーザ発振器60から出力されたレーザ光Qを溶接対象部位Aに照射して、溶接対象部位Aに設定された溶接ラインGに沿って35mm以下の長さ走査して、溶接ビードを形成する。
停止工程S2では、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の1/3以上に相当する時間にわたってレーザ光Qの照射及び走査を停止する。
本実施例の重ね隅肉溶接方法では、図1に示す、溶接システム100を使用した。溶接システム100は、レーザ発振器60、ガルバノスキャナ20、出力制御部30、走査制御部40、載置台50を備える。レーザ発振器60は、レーザ光Qを出力するように構成されている。レーザ発振器60の出力は出力制御部30により調整される。ガルバノスキャナ20は、モータ21、22、ミラー23及び集光レンズ24を備える。
ガルバノスキャナ20は、レーザ光Qを、集光レンズ24を透過させた後にミラー23で反射させてその軌道を変更し、載置台50に載置したアルミニウム合金板10の溶接対象部位Aに向けて照射する。ミラー23はモータ21、22に接続されて回転可能に構成されており、走査制御部40によって所望の状態に駆動制御されている。集光レンズ24はレーザ光Qの焦点を溶接対象部位Aに合わせるように構成されている。これにより、ガルバノスキャナ20は、レーザ光Qを溶接対象部位Aに照射して所望の態様で走査可能となっている。なお、本実施例では、レーザ発振器60として、トルンプ社製、型番TruDisk6002を使用した。また、ガルバノスキャナ20として、ワイ・イー・データ社製、型番8MC39A-3C4C8Aを使用した。
溶接対象となるアルミニウム合金板10としては、所望の組成のものを用いることができる。例えば、アルミニウム合金板10として、1000系~6000系アルミニウム合金からなる板材を使用することができる。なお、アルミニウム合金板10には純アルミニウムからなる板材を含むものとする。使用するアルミニウム合金板10の厚さや形状は特に限定されない。
溶接工程S1を行う前の準備工程として、図2及び図4(a)に示すように、溶接対象となる2枚のアルミニウム合金板10を重ねて、一方のアルミニウム合金板10である上板11の一方の端部である溶接側端部111が、他方のアルミニウム合金板である下板12の板面の上に位置するように互いにずらした状態とする。これにより、下板12は、上板11と重ならずに表出したフランジ部121を有する。図2、図3に示すように、フランジ部121の幅Fは、2mm~5mmとすることができ、本実施例では、3.0mmとしている。
上述のごとく重ね合わせた2枚のアルミニウム合金板10において、上板11には、上板11の溶接側端部111から、上板11の一方の板面である被照射面114の内方へ所定距離離れた位置に、溶接ラインGを設定する。本例では、図2に示すように、溶接ラインGは溶接側端部111から1.5mm離れ、溶接側端部111に平行な直線としている。溶接工程S1におけるレーザ光Qの走査は溶接ラインGに沿って行う。なお、図4(b)に示す上板11の被照射面114におけるレーザ光Qのスポット径Tは特に限定されない。
溶接工程S1において、走査長さLは35mm以下であって、好ましくは、3~30mm、より好ましくは5~20mmとすることができ、本実施例では、10mm又は5mmとしている。なお、繰り返し行われる溶接工程S1において、すべての走査長さLが同じであってもよいし、35mm以下の範囲内で、走査長さLが異なるものが含まれていてもよい。
溶接工程S1において、レーザ光Qをウォブリングさせながら溶接ラインGに沿って走査することができる。ウォブリングの態様は、特に限定されず、レーザ光Qの焦点の軌跡が螺旋状、波線状、蛇行状などとなるような態様とすることができる。本例では、図3に示すように、レーザ光Qの焦点の軌跡を円を描くように移動させつつ、溶接ラインGに平行に移動させることにより、レーザ光Qの焦点の軌跡Qfが図3に示すように螺旋を描くようにしている。そして、レーザ光Qの焦点の軌跡を動かす際の円の半径は適宜設定することができ、本例では、図3に示すように、溶接ラインGと溶接側端部111であるルート面との距離Sを1.5mmに設定している。これにより、ウォブリング幅Rは3.0mmとしている。なお、ウォブリングにおける円移動の周波数は適宜設定することができ、溶接方向に平行な方向への移動速度も適宜設定できる。本例では、ウォブリングにおける円移動の周波数を50Hzとし、溶接方向に平行な方向への移動速度を33.3mm/sとしている。
溶接工程S1において、図4(b)に示すように、溶接対象部位Aにレーザ光Qを照射して、レーザ光Qが照射される被照射面114と反対側の裏面124まで溶接対象部位Aを溶融させる。これにより、溶接ビード70を形成する。本例では、レーザ光Qの照射により、溶接対象部位Aを反対側の裏面124まで溶融させて、反対側の裏面124に裏ビード82を表出させている。
図5(a)に示すように、溶接工程S1の終了後に停止工程S2を行う。停止工程S2では、レーザ光Qの照射及び走査を停止する。停止時間は、上述の通り、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の33%以上に相当する時間であって、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の40%以上、50%以上、60%以上としてもよい。停止工程S2では、レーザ光Qの走査を停止するために、ガルバノスキャナ20によるレーザ光Qの焦点位置の移動が停止される。これにより、再度到来する溶接工程S1では、前回の溶接工程S1の終了時の照射位置からレーザ光Qの走査を再開できるようになっている。
(評価試験)
次に、実施例1のアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法において、割れの発生の有無に関する評価試験を行った。
溶接工程S1と停止工程S2とを一回ずつ行うことを1サイクルとした。図3に示すように、1サイクル中の溶接工程S1においてレーザ光Qを照射して溶接ラインGに沿って走査した溶接方向X1の長さを走査長さ(mm/cycle)とし、1サイクル中の溶接工程S1においてレーザ光Qを照射した時間を照射時間(ms/cycle)とした。表1に試験条件を示した。
Figure 0007132829000001
表1に示すように、いずれの試験例、比較例においても、レーザ出力を3kW、溶接速度(溶接方向X1への移動速度)を33.3mm/sとし、溶接方向X1における溶接ビード全体の長さを50mmとした。なお、図4(b)に示すように、上板11の被照射面114におけるレーザ光Qのスポット径Tを0.6mmとした。
比較例1では表1及び図5(c)に示すように、停止時間を0msとして停止工程を実施せずに、50mmの溶接ビード全体を一度に形成した。照射時間は1500msであった。
そして、試験例1では、表1及び図5(a)に示すように、1サイクル当たりの走査長さを10mm、1サイクル当たりの照射時間を300msとするとともに、1サイクル当たりの停止時間を100msとして、5サイクル行った。これにより、表1に示すように、試験例1における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の33.3%であった。
一方、比較例2では、表1に示すように、1サイクル当たりの停止時間を60msとし、その他の条件を試験例1と同一とした。これにより、比較例2における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の20.0%であった。
また、比較例3では、表1に示すように、1サイクル当たりの停止時間を50msとし、その他の条件を試験例1と同一とした。これにより、比較例3における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の16.7%であった。
次に、試験例2では、表1及び図5(b)に示すように、1サイクル当たりの走査長さを5mm、1サイクル当たりの照射時間を150msとするとともに、1サイクル当たりの停止時間を50msとして、10サイクル行った。これにより、表1に示すように、試験例2における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の33.3%であった。
比較例4では、表1に示すように、1サイクル当たりの停止時間を40msとし、その他の条件を試験例2と同一とした。これにより、比較例4における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の26.7%であった。
比較例5では、表1に示すように、1サイクル当たりの停止時間を30msとし、その他の条件を試験例2と同一とした。これにより、比較例5における1サイクル当たりの停止時間は、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の20.0%であった。
各試験例及び各比較例における評価結果は以下の通りである。
まず、比較例1では、図6(a)に示すように、上記方法により溶接方向X1の長さ50mmの溶接ビード70が形成された。そして、溶接開始点71から溶接方向X1に40mmの位置に、下板12の溶接側端部111から溶接ビード70に向かって下板12に割れ113が生じた。図示しないが溶接ビード70の内部に到達する割れも存在した。
次に、試験例1では、図示しないが、上記方法により溶接方向X1の長さ50mmの溶接ビードが形成された。試験例1では、当該溶接ビードの形成にあたって、下板12に割れは生じていなかった。また、試験例2では、図6(b)に示すように、試験例1と同様に溶接方向X1の長さ50mmの溶接ビード80が形成された。当該溶接ビードの形成にあたって、下板12に割れは生じていなかった。一方、比較例2、比較例3、比較例4及び比較例5では、図示しないが、比較例1と同様に下板に割れが生じていた。
以上のように、試験例1、試験例2の結果が示すように、1サイクル当たりの停止時間が照射時間の33.3%である場合に、溶接ビード80の形成にあたって、下板12に割れが生じないことが確認できた。
比較例1~5において、下板12の溶接側端部122を観察したところ、融解割れ(溶接割れ)が生じたと考えられる粒状の破面が多く観察された。一方、溶接側端部122よりもフランジ部121の中央側の領域における破面は脆性的であり結晶粒界に沿って進展する亀裂が確認された。これらに基づき、レーザ溶接によるフランジ部の割れの発生原因は、次のように推察される。すなわち、レーザ溶接直後の溶接ビード部分が熱収縮することで、下板に大きな引張応力が発生する。特に溶接の後半になるほど入熱量が増加するため、フランジ部は高温になる。この場合、フランジ部121内の結晶粒界に成分偏析や共晶等が生じていると局部的に溶解して開口し、これが起点となって下板の溶接側端部122から亀裂が発生し、その亀裂が結晶粒界に沿って伝搬して一部は溶接ビード70内にまで到達する。
一方、試験例1及び試験例2では、停止工程において十分な停止時間が確保されるため、フランジ部121の熱が放出され、フランジ部121が高温となることが防止される。これにより、下板12の溶接側端部122が低温状態に維持されるため、溶接側端部122に局部的な融解が抑制され、下板12における割れの発生が抑制される。そして、停止工程における停止時間は長い方がフランジ部121の放熱に有利であるため、1サイクル当たりの停止時間が溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の1/3以上である場合に、下板12における割れの発生が抑制されることが推認された。
本実施例におけるアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法の作用効果について、以下に詳述する。
本例のアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法においては、溶接工程S1では、走査長さが35mm以下となるようにレーザ光Qを溶接対象部位Aに走査する。これにより、溶接工程S1において溶接対象部位Aへの入熱量が適度に抑制される。さらに、停止工程S2では、溶接工程S1におけるレーザ光Qの照射時間の1/3以上の時間にわたって上記照射及び走査を停止するため、溶接対象部位Aにおいて放熱が促される。そして、溶接工程S1と停止工程S2とが交互に繰り返されることにより、所定距離の溶接を行うことができる。その結果、全体として溶接長さが長い場合でも、連続して行われるレーザ光Qの走査は短い時間となるため、溶接対象部位Aが過度に加熱されることが防止されて、溶接対象部位Aやその近辺において、熱収縮に起因する割れが発生することが防止される。また、停止工程S2では、ガルバノスキャナ20による走査も停止されるため、繰り返し形成される溶接ビード80が一繋がりとなり、溶接状態が良好となる。
さらに、本例では、溶接工程S1において、レーザ光Qを一定速度で走査するこれにより、形成される溶接ビード80を所定の範囲の大きさとすることができ、信頼性が向上するとともに、外観もよくなる。
また、本例では、溶接工程S1において、レーザ光Qをウォブリングさせながら溶接ラインGに沿って走査する。これにより、照射されるレーザ光Qのスポット径Tを大きくすることなく、形成される溶接ビード80の幅を大きくすることができ、溶接状態を良好にすることができる。
また、本例では、溶接工程S1において、溶接対象部位Aにレーザ光Qを照射して、レーザ光Qが照射される被照射面114と反対側の裏面124まで溶接対象部位Aを溶融させる。これにより、溶接対象部位Aが確実に溶融されて上板11と下板12との接合状態を良好にすることができる。
また、本例では、溶接工程S1において、溶接対象部位Aにレーザ光Qを照射して、レーザ光Qが照射される被照射面114と反対側の裏面124まで溶接対象部位Aを溶融させる。これにより、下板12の溶接側端部122に生じやすい割れの発生を効果的に抑制すことができる。その結果、溶接対象部位が確実に溶融されて溶接状態を一層良好にすることができる。
以上のごとく、本例によれば、割れの発生が防止されるアルミニウム合金板の隅肉溶接方法を提供することができる。
10 アルミニウム合金板
11 上板
111 溶接側端部
114 被照射面
12 下板
121 フランジ部
122 溶接側端部
124 裏面
20 ガルバノスキャナ
60 レーザ発振器
80 溶接ビード
82 裏ビード
100 溶接システム

Claims (3)

  1. アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法であって、
    ガルバノスキャナにより、レーザ発振器から出力されたレーザ光を溶接対象部位に照射して、該溶接対象部位に設定された溶接ラインに沿って35mm以下の長さ走査して、溶接ビードを形成する溶接工程と、
    該溶接工程における上記レーザ光の照射時間の1/3以上に相当する時間にわたってレーザ光の照射及び走査を停止する停止工程と、を交互に繰り返す、アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法。
  2. 上記溶接工程において、上記レーザ光をウォブリングさせながら上記溶接ラインに沿って走査する、請求項1に記載のアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法。
  3. 上記溶接工程において、上記溶接対象部位に上記レーザ光を照射して、上記レーザ光が照射される被照射面と反対側の裏面まで上記溶接対象部位を溶融させる、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法。
JP2018213413A 2018-11-14 2018-11-14 アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法 Active JP7132829B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018213413A JP7132829B2 (ja) 2018-11-14 2018-11-14 アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018213413A JP7132829B2 (ja) 2018-11-14 2018-11-14 アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020078818A JP2020078818A (ja) 2020-05-28
JP7132829B2 true JP7132829B2 (ja) 2022-09-07

Family

ID=70801254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018213413A Active JP7132829B2 (ja) 2018-11-14 2018-11-14 アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7132829B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200915A (ja) 2010-03-25 2011-10-13 Kobe Steel Ltd アルミニウム合金材のパルスレーザ溶接方法
JP2014100724A (ja) 2012-11-20 2014-06-05 Hitachi Zosen Corp 溶接方法、溶接ユニット、および、溶接ロボットの設置方法
JP2018158350A (ja) 2017-03-22 2018-10-11 株式会社総合車両製作所 レーザ溶接方法及び溶接継手

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200915A (ja) 2010-03-25 2011-10-13 Kobe Steel Ltd アルミニウム合金材のパルスレーザ溶接方法
JP2014100724A (ja) 2012-11-20 2014-06-05 Hitachi Zosen Corp 溶接方法、溶接ユニット、および、溶接ロボットの設置方法
JP2018158350A (ja) 2017-03-22 2018-10-11 株式会社総合車両製作所 レーザ溶接方法及び溶接継手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020078818A (ja) 2020-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11084126B2 (en) Laser weld method and weld structure
JP6024707B2 (ja) レーザ溶接方法
JP6799755B2 (ja) レーザ溶接方法
Schultz et al. Gap bridging ability in laser beam welding of thin aluminum sheets
US20170232553A1 (en) Welding Method for Joining Workpieces at a Lap Joint
CN110355471B (zh) 焊接方法
JP2009183970A (ja) レーザ溶接方法、レーザ溶接装置、および溶接部材
JP2019123008A (ja) 接合体の製造方法
JP2014188591A (ja) 溶接プロセス、溶接システム、及び溶接物品
JP7132830B2 (ja) アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法
JP7189516B2 (ja) 溶接部欠陥の補修方法
JP7132829B2 (ja) アルミニウム合金板の重ね隅肉溶接方法
JP6213332B2 (ja) 厚鋼板のホットワイヤ・レーザ複合溶接方法
JP2015147236A (ja) 高エネルギービーム溶接用被接合部材及び接合体の製造方法
JP7429848B2 (ja) レーザスポット溶接方法
JP2021109184A (ja) レーザ溶接方法
JP7087647B2 (ja) レーザ溶接方法
JP6954970B2 (ja) 部材の製造方法
JP7105912B2 (ja) レーザ溶接方法及び積層体
KR102158855B1 (ko) 레이저 용접 장치 및 방법
WO2023167045A1 (ja) 板材、接合体、板材の接合方法及び板材の製造方法
JP2021171800A (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
WO2018229993A1 (ja) レーザ溶接方法
JP2020019054A (ja) レーザー溶接構造、およびレーザー溶接方法
JP2020040088A (ja) レーザスポット溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210909

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7132829

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150