JP2008290129A - 金属部材の溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比抵抗値の異なる金属部材の組み合わせであっても溶接可能で、低コストで良好な接合品質を確保することのできる金属部材の溶接方法を提供する。
【解決手段】第1金属部材1cに形成された突起部Tcを、第2金属部材2cに対向させて重ね合わせ、プロジェクション溶接装置により、第1金属部1cと第2金属部材2cを加圧しながら通電して、第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cで仮接合する仮接合工程と、仮接合された当接面3cにレーザ光を照射して、該当接面3cで第1金属部材1cと第2金属部材2cを溶融接合するレーザ溶接工程とを有してなる金属部材の溶接方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、比抵抗値の異なる金属部材の溶接方法に関する。
金属部材同士を溶接する方法が、例えば、特開2007−61883号公報(特許文献1)と特開平10−235482号公報(特許文献2)に開示されている。特許文献1に開示されている溶接方法は、抵抗溶接の一種で、プロジェクション溶接と呼ばれる溶接方法である。また、特許文献2に開示されている溶接方法は、レーザ溶接と呼ばれる溶接方法である。
図5は、プロジェクション溶接を説明する図で、(a)と(b)は、それぞれ、溶接前と溶接後の金属部材の状態を示した模式的な断面図である。
プロジェクション溶接は抵抗溶接の一種で、図5(a)に示すように、溶接箇所に突起部(プロジェクション)Taが設けられた一方の第1金属部材1aと、もう一方の第2金属部材2aを用意する。次に、第1金属部材1aの突起部Taを第2金属部材2aに対向させて重ね合わせ、第1金属部材1aと第2金属部材2aを加圧しながら通電して大電流を流す。突起部Taでは、電流が集中して流れ、第1金属部材1aの突起部Taと第2金属部材2aの当接面の近傍で抵抗発熱する。これによって、図5(b)に示すように、第1金属部材1aと第2金属部材2aの間にナゲット(溶接部に生じる溶融凝固した部分)Naが形成され、第1金属部材1aと第2金属部材2aが溶接される。
プロジェクション溶接は、第1金属部材1aの突起部Taに集中して通電するため、溶接する第1金属部材1aと第2金属部材2aの板厚が異なる場合でも、小電流で電流密度を高くすることができる。これによって、小電流でも確実なナゲットNaを形成でき、良好な溶接を行うことができる。
図6は、レーザ溶接を説明する図で、溶接中の金属部材の状態を示した模式的な断面図である。
レーザ溶接は、図6に示すように、第1金属部材1bと第2金属部材2bを重ね合わせ、集光された高エネルギー密度熱源のレーザ光を当てて、その光エネルギーにより、溶接部を加熱して行う溶接である。レーザ溶接では、スポット照射すると図6に示す細くて深いナゲットNbが形成される特徴があり、レーザ光の照射位置を例えば円弧状に走査してナゲットNbの形成領域を広げ、必要な溶接強度を確保することができる。
特開2007−61883号公報 特開平10−235482号公報
図5に示すプロジェクション溶接は、突起部Taを形成して抵抗溶接するため、板厚比(2以上)の大きな第1金属部材1aと第2金属部材2aの溶接にも適用可能である。しかしながら、プロジェクション溶接は、製品の形状によっては突起部Taを理想的な位置や大きさに設けることができず、必要な強度が確保できずに溶接不可能となる場合がある。また、比抵抗値が大きく異なる第1金属部材1aと第2金属部材2aの組み合わせでは、比抵抗値の大きな金属部材のみが溶融するため、爆飛や強度不足といった問題が発生し、溶接不可能となる。
一方、図6に示すレーザ溶接では、比抵抗値が大きく異なる第1金属部材1bと第2金属部材2bの組み合わせであっても、溶接が可能である。しかしながらレーザ溶接では、第1金属部材1bと第2金属部材2bの溶接部に隙間があると強固な接合が得られないため、溶接部近傍を図6に示す治具Jbで隙間無く押えて、レーザ照射する必要がある。このため、加圧のための治具形状が複雑化して、コストアップの要因となる。また、第1金属部材1bと第2金属部材2bの当接面に不純物があると接合品質に影響するため、事前に洗浄工程など入れる必要があり、これもコストアップの要因となる。
そこで本発明は、比抵抗値の異なる金属部材の組み合わせであっても溶接可能で、低コストで良好な接合品質を確保することのできる金属部材の溶接方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、比抵抗値の異なる第1金属部材と第2金属部材の溶接方法であって、前記第1金属部材に形成された突起部を、前記第2金属部材に対向させて重ね合わせ、プロジェクション溶接装置により、前記第1金属部材と第2金属部材を加圧しながら通電して、前記第1金属部材の突起部と前記第2金属部材の当接面で仮接合する仮接合工程と、仮接合された前記当接面にレーザ光を照射して、該当接面で前記第1金属部材と第2金属部材を溶融接合するレーザ溶接工程とを有してなることを特徴としている。
上記金属部材の溶接方法は、仮接合工程でプロジェクション溶接装置により第1金属部材と第2金属部材を仮接合した後、レーザ溶接工程で仮接合部をレーザ溶接するものである。
上記仮接合工程は、突起部が形成された第1金属部材と第2金属部材をプロジェクション溶接装置により仮接合するものであるが、十分な接合強度に溶接される必要はなく、後のレーザ溶接工程における取り扱いで第1金属部材と第2金属部材が剥がれない程度の接合強度があればよい。このため、プロジェクション溶接では溶接不可能な、比抵抗値が大きく異なる第1金属部材と第2金属部材の組み合わせであってもよい。また、第1金属部材に形成する突起部の位置や大きさについても制約が少なくなり、JIS等の規格に制限されることなく、比較的自由に設定することができる。
上記仮接合を実施することで、後のレーザ溶接工程においては、レーザ照射時に従来必要であった溶接部近傍を押える治具が不要となり、コストを削減することができる。また、金属部材の表面に酸化物皮膜や不純物皮膜がある場合であっても、上記プロジェクション溶接装置による仮接合で、第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面における酸化物皮膜や不純物皮膜を除去することができる。このため、後のレーザ溶接工程においては、酸化物皮膜や不純物皮膜の無い前記当接面にレーザ光を照射することができ、良好な接合品質を確保することができる。また、レーザ照射前の洗浄工程等も不要であり、これによってもコストが削減される。
以上のようにして、上記金属部材の溶接方法は、比抵抗値の異なる金属部材の組み合わせであっても溶接可能で、低コストで良好な接合品質を確保することのできる金属部材の溶接方法となっている。
上記金属部材の溶接方法においては、例えば請求項2に記載のように、前記第1金属部材と第2金属部材の比抵抗値が、1.5倍以上異なるものであってよい。
また、上記金属部材の溶接方法においては、例えば請求項3に記載のように、前記第1金属部材をステンレス材とし、前記第2金属部材を、一般構造用圧延鋼材(SS材)または機械構造用炭素鋼材(SC材)とすることができる。
上記金属部材の溶接方法は、例えば請求項4に記載のように、前記第1金属部材と第2金属部材の少なくとも一方が、冷間鍛造成形されてなる場合に好適である。
冷間鍛造成形後の金属部材表面には一般的に潤滑皮膜が形成されており、この潤滑皮膜が存在したままレーザ溶接すると、接合部の強度が低下する。しかしながら上記金属部材の溶接方法によれば、プロジェクション溶接装置による仮接合工程において、第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面における潤滑皮膜を飛散除去することができ、低コストで良好な接合品質を確保することができる。
また、上記金属部材の溶接方法は、請求項5に記載のように、前記第1金属部材と第2金属部材の少なくとも一方の表面に、酸化物皮膜または不純物皮膜が形成されてなる場合にも好適である。
酸化物皮膜や不純物皮膜についても、レーザ溶接における接合部の強度低下の要因となる。しかしながら上記金属部材の溶接方法によれば、プロジェクション溶接装置による仮接合工程において、第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面におけるこれら酸化物皮膜や不純物皮膜を排除することができ、低コストで良好な接合品質を確保することができる。
上記金属部材の溶接方法においては、請求項6に記載のように、前記仮接合工程において、仮接合後における前記当接面の面積が、前記第1金属部材における前記突起部の基底面積に対して、40[%]以上となるように、加圧しながら通電することが好ましい。
仮接合後における当接面の面積が基底面積に対して40[%]以上である場合には、プロジェクション溶接装置による加圧で突起部が十分に押し潰されて、第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面において、後のレーザ溶接工程における取り扱いで剥がれない程度の接合強度を確保することができる。また、仮接合後の突起部による第1金属部材と第2金属部材の隙間についても、突起部が十分に押し潰されることによって低減されるため、レーザ溶接後の製品における第1金属部材と第2金属部材の密着性が高められる。
上記金属部材の溶接方法においては、請求項7に記載のように、前記仮接合工程において、前記当接面に通電する電流が、仮接合後における前記当接面の面積に対して、250[A/mm]以上、750[A/mm]以下の電流密度となるように、加圧しながら通電することが好ましい。一般的な金属部材については、上記電流密度の範囲で、第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面において、後のレーザ溶接工程における取り扱いで剥がれない程度の接合強度を確保することができる。
上記金属部材の溶接方法において、請求項8に記載のように、前記突起部を、前記第1金属部材の平坦部に打ち出し加工により形成する場合には、前記レーザ溶接工程において、前記第1金属部側から、レーザ光を照射することが好ましい。
突起部を第1金属部材の平坦部に打ち出し加工により形成する場合には、第1金属部材の突起部と反対側の面には、凹部が形成される。この凹部は、レーザ溶接工程において、レーザ光の照射位置の目安として利用することができ、第1金属部側からレーザ光を照射することによって、仮接合された第1金属部材の突起部と第2金属部材の当接面に対して、簡単かつ確実にレーザ光を照射することができる。
本発明は、比抵抗値の異なる第1金属部材と第2金属部材の溶接方法に関する。以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
図1(a),(b)は、被溶接金属部材の一例を示す図で、(a)は、第1金属部材1cを模式的に示した上面図であり、(b)は、第2金属部材2cを模式的に示した斜視図である。図2(a),(b)と図3(a),(b)は、本発明の溶接方法を説明するための図で、図1の第1金属部材1cと第2金属部材2cを例にした、模式的な工程別の拡大断面図である。図4は、図3(b)のレーザ溶接工程に対応した第1金属部材1cと第2金属部材2cの全体像を模式的に示す斜視図である。
図1(a)に示す第1金属部材1cは、一方の被溶接部材で、板厚1.6[mm]のステンレス材(SUS材)からなり、図の左右両端が折り曲げ形成されている。また、図1(a)の第1金属部材1cの裏面側には、プロジェクション溶接装置を利用するための突起部(プロジェクション)Tcが、第1金属部材1cの平坦部における端部の近くで、打ち出し加工により形成されている。
図1(a)に示す突起部Tcは、JISに規定された形状および配置となるように形成されているが、次の図2と図3に示す溶接方法では、プロジェクション溶接装置を仮接合に利用しているだけであるため、突起部Tcの形成をJIS規格に限定する必要はない。例えば、突起部Tcを、平坦部のJIS規格外のより端部に近い位置に形成するようにしてもよい。
図1(b)に示す第2金属部材2cは、冷間鍛造された一般構造用圧延鋼材(SS材)で、厚さが24[mm]ある。従って、第1金属部材1cと第2金属部材2cの厚さの比は、1:15である。第2金属部材2cは、例えば機械構造用炭素鋼材(SC材)であってもよい。尚、冷間鍛造後の第2金属部材2cの表面には、一般的に油脂等の不純物からなる潤滑皮膜が形成されている。
一般的に、SUS材は60〜70[μΩ・cm]の比抵抗値を有しており、SS材やSC材は10〜20[μΩ・cm]の比抵抗値を有している。従って、図1(a),(b)に示す第1金属部材1cと第2金属部材2cは、比抵抗値が大きく異なる材料であり、図5で説明したプロジェクション溶接は、第1金属部材1cと第2金属部材2cについては困難である。一般的に、第1金属部材1cと第2金属部材2cの比抵抗値が1.5倍以上異なる場合にはプロジェクション溶接が困難となるが、次の図2と図3に示す溶接方法は、このような比抵抗値の異なる材料同士の溶接に好適に用いられるものである。
図2と図3に示す溶接方法では、図1(a),(b)に示す第1金属部材1cと第2金属部材2cを接合するにあたって、最初に図2(a)に示すように、第1金属部材1cに形成された突起部Tcを第2金属部材2cに対向させて、第1金属部材1cと第2金属部材2cを重ね合わせる。尚、図2(a)では、冷間鍛造後の第2金属部材2c表面に形成された、潤滑皮膜2chが図示されている。
次の図2(b)に示す工程は仮接合工程で、プロジェクション溶接装置により、第1金属部材1cと第2金属部材2cを加圧しながら通電して、第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cで仮接合する。この仮接合工程においては、加圧力と通電による発熱で突起部Tcが潰れていき、これに伴って第2金属部材2c表面に形成さていた潤滑皮膜2chが当接面3cの周りに押し出されて、金属の新鮮な面が触れ合った状態で弱く接合する。このように、図2(b)に示す仮接合工程においては、第1金属部材1cと第2金属部材2cを十分な接合強度に溶接する必要はなく、後述する図3(b)のレーザ溶接工程における取り扱いで第1金属部材1cと第2金属部材2cが剥がれない程度の接合強度があればよい。このため、図2(b)の仮接合工程においては、図5(b)に示したプロジェクション溶接によるナゲットNaは形成されない。
図3(a)に、仮接合された第1金属部材1cと第2金属部材2cを示す。
図2(b)に示す仮接合工程においては、図3(a)に示す仮接合後における第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cの面積S3が、第1金属部材1cにおける突起部Tcの基底面積STに対して、40[%]以上となるように、加圧しながら通電することが好ましい。この場合には、プロジェクション溶接装置による加圧で突起部Tcが十分に押し潰されて、当接面3cにおいて後のレーザ溶接工程における取り扱いで剥がれない程度の接合強度を確保することができる。また、仮接合後の突起部Tcによる第1金属部材1cと第2金属部材2cの図3(a)に示す隙間Wcについても、突起部Tcが十分に押し潰されることによって低減される。このため、次に示す図3(b)のレーザ溶接後の製品における第1金属部材1cと第2金属部材2cの密着性が高められる。
また、図2(b)に示す仮接合工程においては、当接面3cに通電する電流が、図3(a)に示す仮接合後における当接面3cの面積S3に対して、250[A/mm]以上、750[A/mm]以下の電流密度となるように、加圧しながら通電することが好ましい。一般的な金属部材については、上記電流密度の範囲で、第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cにおいて、次の図3(b)に示すレーザ溶接工程における取り扱いで剥がれない程度の接合強度を確保することができる。例えば、図1(a),(b)に示す第1金属部材1cと第2金属部材2cの仮接合においては、通常のプメジェクション溶接の条件に較べて、電流を約4割減じた条件で仮接合することが可能である。
次に、図3(b)に示すレーザ溶接工程で、レーザ溶接装置により仮接合された第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cにレーザ光を照射して、当接面3cで第1金属部材1cと第2金属部材2cを溶融接合する。第1金属部材1cの突起部Tcは、平坦部に打ち出し加工により形成されているため、第1金属部材1cの突起部Tcと反対側の面には、凹部Hcが形成されている。この凹部Hcは、レーザ光の照射位置の目安として利用することができ、第1金属部1c側からレーザ光を照射することによって、仮接合された第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cに対して、簡単かつ確実にレーザ光を照射することができる。
図3(b)に示すレーザ溶接によって、第1金属部材1cと第2金属部材2cの必要な溶接強度を確保する。図3(b)では、レーザ溶接により形成された、ナゲット(溶接部に生じる溶融凝固した部分)Ncが図示されている。図3(b)に示すレーザ溶接では、レーザ光の照射位置を例えば円弧状に走査してナゲットNcの形成領域を広げ、必要な溶接強度を確保することができる。
図2(a)に示したように、冷間鍛造成形後の第2金属部材2c表面には一般的に潤滑皮膜2chが形成されており、この潤滑皮膜2chが存在したままレーザ溶接すると、接合部の強度が低下する。また、潤滑皮膜2chに限らず、その他の不純物皮膜や酸化物皮膜についても、レーザ溶接における接合部の強度低下の要因となる。
しかしながら当該溶接方法によれば、図2(b)に示すプロジェクション溶接装置による仮接合工程において、第1金属部材1cの突起部Tcと第2金属部材2cの当接面3cにおける潤滑皮膜2chを飛散除去することができる。潤滑皮膜2chに限らず、第1金属部材1cと第2金属部材2cの少なくとも一方の表面に形成されたその他の不純物皮膜や酸化物皮膜についても、図2(b)に示す仮接合工程において、同様に除去することが可能である。従って、図3(b)に示すレーザ溶接工程においては、潤滑皮膜2chやその他の不純物皮膜および酸化物皮膜の無い当接面3cにレーザ光を照射することができ、低コストで良好な接合品質を確保することができる。
上記図2と図3に示す金属部材の溶接方法は、図2(b)に示す仮接合工程でプロジェクション溶接装置により第1金属部材1cと第2金属部材2cを仮接合した後、図3(b)に示すレーザ溶接工程で仮接合部である当接面3cをレーザ溶接するものである。
図2(b)に示す仮接合工程は、突起部Tcが形成された第1金属部材1cと第2金属部材2cをプロジェクション溶接装置により仮接合するものであるが、十分な接合強度に溶接される必要はなく、後の図3(b)に示すレーザ溶接工程における取り扱いで第1金属部材1cと第2金属部材2cが剥がれない程度の接合強度があればよい。このため、図5において説明したプロジェクション溶接では溶接不可能な、比抵抗値が大きく異なる第1金属部材1cと第2金属部材2cの組み合わせであってもよい。また、第1金属部材1cに形成する突起部Tcの位置や大きさについても制約が少なくなり、JIS等の規格に制限されることなく、比較的自由に設定することができる。
図2(b)に示す仮接合を実施することで、後の図3(b)に示すレーザ溶接工程においては、図6において説明したレーザ照射時に従来必要であった溶接部近傍を押える治具Jbが不要となり、コストを削減することができる。また、先に説明したように、金属部材の表面に酸化物皮膜や不純物皮膜がある場合であっても、図2(b)に示すプロジェクション溶接装置による仮接合で、第1金属部材1cの突起Tcと第2金属部材2cの当接面3cにおける酸化物皮膜や不純物皮膜を除去することができる。このため、後のレーザ溶接工程においては、酸化物皮膜や不純物皮膜の無い前記当接面3cにレーザ光を照射することができ、良好な接合品質を確保することができる。また、レーザ照射前の洗浄工程等も不要であり、これによってもコストが削減される。
以上のようにして、上記した金属部材の溶接方法は、比抵抗値の異なる金属部材の組み合わせであっても溶接可能で、低コストで良好な接合品質を確保することのできる金属部材の溶接方法となっている。
被溶接部材の一例を示す図で、(a)は、第1金属部材1cを模式的に示した上面図であり、(b)は、第2金属部材2cを模式的に示した斜視図である。 (a),(b)は、本発明の溶接方法を説明するための図で、図1の第1金属部材1cと第2金属部材2cを例にした、模式的な工程別の拡大断面図である。 (a),(b)は、本発明の溶接方法を説明するための図で、図1の第1金属部材1cと第2金属部材2cを例にした、模式的な工程別の拡大断面図である。 図3(b)のレーザ溶接工程に対応した第1金属部材1cと第2金属部材2cの全体像を模式的に示す斜視図である。 プロジェクション溶接を説明する図で、(a)と(b)は、それぞれ、溶接前と溶接後の金属部材の状態を示した模式的な断面図である。 レーザ溶接を説明する図で、溶接中の金属部材の状態を示した模式的な断面図である。
符号の説明
1a〜1c 第1金属部材
Ta,Tc 突起部
2a〜2c 第2金属部材
2ch 潤滑皮膜
3c 当接面
Na〜Nc ナゲット

Claims (8)

  1. 比抵抗値の異なる第1金属部材と第2金属部材の溶接方法であって、
    前記第1金属部材に形成された突起部を、前記第2金属部材に対向させて重ね合わせ、プロジェクション溶接装置により、前記第1金属部材と第2金属部材を加圧しながら通電して、前記第1金属部材の突起部と前記第2金属部材の当接面で仮接合する仮接合工程と、
    仮接合された前記当接面にレーザ光を照射して、該当接面で前記第1金属部材と第2金属部材を溶融接合するレーザ溶接工程とを有してなることを特徴とする金属部材の溶接方法。
  2. 前記第1金属部材と第2金属部材の比抵抗値が、1.5倍以上異なることを特徴とする請求項1に記載の金属部材の溶接方法。
  3. 前記第1金属部材がステンレス材であり、
    前記第2金属部材が、一般構造用圧延鋼材(SS材)または機械構造用炭素鋼材(SC材)であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の溶接方法。
  4. 前記第1金属部材と第2金属部材の少なくとも一方が、冷間鍛造成形されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属部材の溶接方法。
  5. 前記第1金属部材と第2金属部材の少なくとも一方の表面に、酸化物皮膜または不純物皮膜が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属部材の溶接方法。
  6. 前記仮接合工程において、
    仮接合後における前記当接面の面積が、前記第1金属部材における前記突起部の基底面積に対して、40[%]以上となるように、加圧しながら通電することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金属部材の溶接方法。
  7. 前記仮接合工程において、
    前記当接面に通電する電流が、仮接合後における前記当接面の面積に対して、250[A/mm]以上、750[A/mm]以下の電流密度となるように、加圧しながら通電することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の金属部材の溶接方法。
  8. 前記突起部を、前記第1金属部材の平坦部に打ち出し加工により形成し、
    前記レーザ溶接工程において、前記第1金属部側から、レーザ光を照射することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の金属部材の溶接方法。
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