JP4453506B2 - 摩擦点接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の金属部材の点接合に適用し得る摩擦点接合方法に関する。
近年、例えば自動車等の車体構成部材に関して、車体の軽量化の要請に応える一環としてアルミニウム材の使用割合が高まっている。アルミニウム材などの低融点の材料を接合する場合には、スポット溶接等の接合に比して消費エネルギーが低い摩擦点接合が有用であることが知られている。
従来、2枚の金属板材を点接合する方法として、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)或いはその合金等の軽金属を対象に、重ね合わせた2枚の金属板材の一方側からピン部を有する回転ツールを回転させながら押し込み、この回転ツールの押し込みによって発生した摩擦熱で金属板材を軟化せしめ塑性流動させることにより、両金属板材どうしを接合する摩擦点接合方法が知られている。
このような摩擦点接合に関して、例えば特許文献1では、アルミニウム板と鋼板とを重ねた状態で接合するに際して接合強度を向上させるために、鋼板に予め貫通孔を設け、摩擦点接合により接合する方法が提案されている。
特開2004−148320号公報
ところが、例えば自動車の車体やドアなどのインナパネルとアウタパネルとの間にレインフォースメントを挿入して接合する場合など、3枚の金属製の板状部材を摩擦点接合により接合する場合には、回転ツールを押し込む際に回転ツールの加圧力が大きくなるため、発生する摩擦熱の発熱量が増加し、上記板状部材の接合部周りの熱歪み変形が大きくなるという問題がある。
本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、3枚の金属製の板状部材を摩擦点接合により接合する際に、接合強度を確保するとともに、摩擦熱の発熱量を抑制し、上記板状部材の接合部周りの熱歪み変形を抑制することができる摩擦点接合方法を提供することを目的とする。
このため、本願の請求項1に係る発明方法は、3枚の金属製の板状部材をそれらの各接合部で共に重ね合わせ、先端にピン部を有する回転ツールを回転させながら前記回転ツールの先端部を前記板状部材の一方向側から押し込み、この回転ツールの押し込みによって発生した摩擦熱で前記板状部材を軟化せしめて塑性流動させることにより、前記3枚の金属製の板状部材を接合する摩擦点接合方法において、先端にあるピン部と該ピン部よりも外径寸法が大きいショルダ部とを備えた回転ツールと、前記回転ツールに対向して配置され、受け面に突部を備えた受け具と、を用意するステップと、接合部に貫通孔が設けられた第1板状部材を用意するステップと、前記第1板状部材を中間にして第2及び第3板状部材を重ね合わせるステップと、前記第3板状部材を前記受け具で受けるステップと、前記ピン部及びショルダ部を有する回転ツールを回転させながら前記第2板状部材側から押し込み、前記ピン部を前記貫通孔に挿入するステップとを備え、前記ピン部の押し込みにより発生した摩擦熱で前記第2板状部材を軟化せしめて前記貫通孔内に塑性流動させて充填し、前記第2板状部材と前記第3板状部材とを接合するとともに、前記受け具の突部で前記第3及び第1板状部材の前記貫通孔の周りに位置する部分を前記第2板状部材側に盛り上げることにより、前記3枚の板状部材を共に接合することを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明方法は、請求項1に係る発明方法において、前記受け具の突部が前記貫通孔の周りに対応した位置に形成される環状の突部であり、前記回転ツールのショルダ部が前記突部に対応した環状の溝部を有することを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明方法は、請求項1又は2に係る発明方法において、前記3枚の板状部材が共に同種の材料であることを特徴としたものである。
本願の請求項1の発明方法によれば、3枚の金属製の板状部材を摩擦点接合する際に、3枚重ねに重ね合わせられた板状部材の中間に位置する第1板状部材の接合部分に貫通孔が設けられており、回転ツールを回転させながら第2板状部材側から押し込み、ピン部を前記貫通孔に挿入し、ピン部の押し込みにより発生した摩擦熱で前記第2板状部材を軟化せしめて前記貫通孔内に塑性流動させて充填するので、回転ツールを押し込む際の加圧力を低減することができ、3枚重ねの上記板状部材の接合部及びその近傍での摩擦熱の発熱量を低減することができる。そして、前記第2板状部材と前記第3板状部材とを接合するとともに、前記受け具の突部で前記第3及び第1板状部材の前記貫通孔の周りに位置する部分を前記第2板状部材側に盛り上げることによって前記3枚の板状部材を共に接合するので、接合強度を確保しつつ、上記板状部材の接合部及びその近傍での熱歪み変形を抑制することができる。
また、本願の請求項2の発明方法によれば、上記請求項1と同様の効果を得ることができる。特に、上記受け具の突部が上記貫通孔の周りに対応した位置に環状に形成され、上記回転ツールのショルダ部に上記突部に対応した環状の溝部が形成されているので、受け具の突部とショルダ部の溝部との間への板状部材の塑性流動に基づくかしめ効果の発現により、接合強度の向上を図ることができる。
また、本願の請求項3の発明方法によれば、3つの板状部材が共に同種の材料である場合において、上記請求項1又は2と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る接合装置の構成を概略的に示している。この接合装置は、例えばインナパネルとアウタパネルの間に補強部材を挿入して接合する場合など3枚の金属製の板状部材を接合するために用いられる。上記接合装置は、接合ガン1と、該接合ガン1をその手首に支持しているロボット2と、それらを制御する制御盤3と、を備えている。
上記ロボット2としては、例えば汎用の6軸垂直多関節型ロボットが用いられる。このロボット2は、重ね合わせられた板状部材の接合部に接合ガン1を位置付ける機能を有する。
図2は、上記接合ガン1の構成を概略的に示している。図に示されるように、接合用工具6は、回転ツール4と、受け具5とを備えている。回転ツール4は、接合軸X上に配設されており、この回転ツール4は、加圧軸モータ12により加圧のために上記接合軸Xに沿って昇降動される。また、上記回転ツール4は、回転軸モータ11により接合軸Xを中心に回転可能である。上記回転軸モータ11としては、例えばインダクションモータ又はサーボモータなどを使用することができる。上記加圧軸モータ12としては、サーボモータを用いることができる。受け具5は、上記回転ツール4に対向して配置されており、上記受け具5は、アーム13の先端に受け具5を取り付けることにより保持されている。なお、回転ツール4及び受け具5は、接合ガン1に対して着脱可能に取り付けられている。
また、上記制御盤3は、図1に示されるように、上記ロボット2にハーネス31を介して接続されると共に、上記接合ガン1に、ハーネス33、中継ボックス34、ハーネス32を介して接続されている。この制御盤3は、ロボット2の6軸と、接合ガン1における回転軸モータ11及び加圧軸モータ12の2軸の合計8軸を同期制御するように構成されている。
以下に、本発明方法について具体的にその接合工程を説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る接合用工具を模式的に示した説明図である。図に示されるように、上記回転ツール4は、ピン部4aとショルダ部4bとを備えている。上記ピン部4aは略円柱形状に形成されており、その先端部は略平面に形成されている。上記ショルダ部4bもまた、略円柱形状に形成されており、その直径は上記ピン部の直径より大きい直径を有している。図3に示されているように、上記ショルダ部4bには環状の凹部4cが形成されている。
一方、上記回転ツール4に対向して配置された受け具5には、図に示されるような環状の突部5aが設けられている。
このような接合用工具を用いて3つの金属製の板状部材を接合する場合には、先ず、接合される3つの板状部材が重ね合わせられる。3つの板状部材を接合する際に、重ね合わせた板状部材の真ん中に位置する板状部材を第1板状部材W1とする。上記第1板状部材W1にはその接合部に貫通孔7が形成されている。上記第1板状部材W1に対して回転ツール4側に配置される板状部材を第2板状部材W2とし、上記第1板状部材W1に対して上記受け具5側に配置される板状部材を第3板状部材W3とする。
図3に示されるように、3つの板状部材W1、W2、W3が上記のようにして重ね合わせられ、上記回転ツール4と上記受け具5とがそれらの接合部を間に挟んだ位置に位置付けられる。この状態で上記回転ツール4が、上記回転軸モータ11により回転軸を中心として回転される。更に、上記回転ツール4及び上記受け具5は共に、加圧軸モータ12により加圧されて上記板状部材W1、W2、W3側に動かされる。
図4は、上記回転ツール4及び上記受け具5が加圧されて移動した状態を示した説明図である。この図に示されるように、上記回転ツール4がピン部4aにおいて上記第2板状部材W2に当接し、上記受け具5が突部5aにおいて上記第3板状部材W3に当接している。更に、上記板状部材W1、W2、W3を受け具5で受けた状態で、回転する上記回転ツール4が上記板状部材W1、W2、W3に対して(具体的には、第2板状部材W2に対して)加圧され押し込まれる。
このように、回転する回転ツール4が上記第2板状部材W2に押し込まれることにより、上記回転ツール4のピン部4aと上記第2板状部材W2との間に発生する摩擦熱により、上記第2板状部材W2の接合部及びその近傍が軟化される。
第2板状部材W2の軟化した部分は、上記回転ツール4の加圧力を付与されて塑性流動させられ、第1板状部材W1に形成された貫通孔7内に押し込まれる。上記貫通孔7を設けることにより、上記板状部材W1、W2、W3の接合における回転ツール4の加圧力を低減させることができる。
このようにして上記貫通孔7が上記第2板状部材W2の材料で充填され、上記第1板状部材W1と上記第3板状部材W3とが接合される。その状態を図5に示す。この図に示されるように、上記回転ツール4が加圧されることにより上記第2板状部材W2内に押し込まれることにより、上記回転ツール4のショルダ部4bも上記第2板状部材W2内に押し込まれる。それにより、上記ショルダ部4bの外方に上記第2板状部材W2の材料の一部がばりとして押し出されている。
更に、上記回転ツール4の回転により発生する摩擦熱により、上記貫通孔7の周りに位置する上記3つの板状部材W1、W2、W3が摩擦熱で軟化させられて塑性流動させられる。本実施形態では、上記受け具5に突部5aが形成されているので、上記突部5a近傍に位置する上記第3板状部材W3の材料を上記回転ツール4の方へ盛り上げる。その盛り上げに伴い、上記第1板状部材W1及び第2板状部材W2の対応する部分も上記回転ツール4側に盛り上げられる。
上記回転ツール4には、上記受け具5の突部5aに対応した部位に環状の溝部4cが形成されているので、この溝部4cと上記突部5aとの間への塑性流動により、上記板状部材W1、W2、W3に対してかしめ作用を行うことができる。このようにして、上記3つの板状部材W1、W2、W3がより強固に接合される。
このようにして上記板状部材W1、W2、W3が共に接合された後、上記回転ツール4及び受け具5が上記第2板状部材W2及び上記第3板状部材W3から離される。その状態を図6に示す。
図7は、図6の接合部を拡大して示した拡大断面図である。この図に示されるように、回転ツール4の回転に伴って生じる摩擦熱が特に影響する領域では、上記板状部材が軟化され塑性流動により固相状態で接合されている。この固相接合の領域が、破線曲線K1にて示されている。回転ツール4のピン部4aの先端部近傍では、上記第2板状部材W2と上記第3板状部材W3が接合されている。
また、図7において実線曲線L1,L2で示される領域では、上記受け具5の突部5aと上記回転ツール4の溝部4cによりかしめ効果を発現させることができる。この領域L1,L2では、かしめ作用により上記第1板状部材W1と上記第2板状部材W2を、また、上記第1板状部材W2と上記第3板状部材W3を接合することができる。
図7では、接合部における固相接合による接合領域が破線曲線K1で示されており、かしめ作用による接合領域が実線曲線L1,L2で示されているが、その両方により囲まれる領域では、固相接合とかしめ作用による接合の両方により接合されている。
以上のように、3つの金属製の板状部材W1、W2、W3を重ね合わせ、回転ツール4を上記第2板状部材W2に当接させて回転させるとともに、加圧させることにより上記板状部材W1、W2、W3を接合する際に、重ね合わせられた上記板状部材のまん中に位置する第1板状部材W1に貫通孔7が設けられるので、回転ツール4の加圧力を低減させることができるとともに、回転ツール4と上記第1板状部材W1との間に発生する摩擦熱を低減することができ、接合後の上記板状部材W1、W2、W3の熱ひずみによる変形を抑制することができる。
本実施形態では、上記回転ツール4のピン部4aは、上記第1板状部材W1に形成された貫通孔7より小さく形成されている。また、上記突部5aは上記貫通孔7の周りに対応した位置に環状に形成されており、上記ショルダ部4bに形成される溝部4cは、上記突部5aに対応した大きさで環状に形成されている。従って、上記板状部材W1、W2、W3の接合部においてそれらの塑性流動が促進され、その接合強度を有効に高めることができる。
本実施形態では、板状部材としてアルミニウム板が使用されており、この場合には、表面に強硬な酸化膜を形成しているが、この摩擦に伴う摩擦熱と回転に伴う移動により、酸化膜が破壊された状態で板状部材が接合され得るので、必要な接合強度を確保することができる。
また、3つの金属製の板状部材が共に同種の材料であるので、上記板状部材の塑性流動が促進され、その接合強度を確保するとともに、熱ひずみによる変形を抑制することができる。
このような接合は、例えば0.7〜1.5秒など非常に短時間で行うことができる。この場合において、接合品質を良好に確保するためには、各構成部品の形状や寸法を適切に設定することが必要である。かしめ効果を好適に得るためには、上記受け具5の突部5aは、第3板状部材W3の板厚に対して、厚すぎることも薄すぎることもなく、板厚の30%〜80%の高さに設定することが好ましい。
また、上記回転ツール4のピン部4aは、摩擦熱を効果的に利用して接合するために小さいことが好ましく、例えば2〜5mmの直径を有するものを使用した。貫通孔7は、上記ピン部4aが上記第1板状部材W1を効果的に押し込むために、上記ピン部4aの直径より1〜2mm程度大きい直径を有するものを使用した。
なお、本実施形態では、例えば、加圧力としては1.47kN〜4.9kNを使用し、回転数としては1500〜3000rpmを用いた。
本発明の実施形態に係るもう1つの接合用工具が、模式的に図8に示されている。図8に示される回転ツール14には、そのショルダ部14bに上記実施形態のような溝部が形成されていない。この回転ツール14に溝部が形成されていないことを除けば、前述の実施形態と同様である。
この実施形態では、図8に示されるように、貫通孔17が設けられた第1板状部材W11に、上記第1板状部材W11に対して回転ツール14側に第2板状部材W12を、上記第1板状部材W11に対して上記第2板状部材W12と反対の側に第3板状部材W13が共に重ね合わせられる。
3つの板状部材W11、W12、W13を重ね合わせ、図8に示されるように、それらの接合部に上記回転ツール14と上記受け具15とが位置付けられる。この状態で上記回転ツール14が、接合軸を中心として回転され、上記回転ツール14及び上記受け具15は共に加圧されて上記板状部材W11、W12、W13側に移動させられる。
上記回転ツール14がピン部14aにおいて上記第2板状部材W12に当接し、上記受け具15が突部15aにおいて上記第3板状部材W13に当接する。当接した状態において、上記回転ツール14は回転され、上記回転ツール14及び上記受け具15は共に上記板状部材W11、W12、W13に対して加圧される。
このように、上記回転ツール14が上記第2板状部材W12に当接した状態で回転されるので、上記回転ツール14のピン部14aと上記第2板状部材W12との間に摩擦熱が発生し、上記第2板状部材W12が軟化される。
この軟化した上記第2板状部材W12は、上記回転ツール14の加圧力を受けて塑性流動させられ、第1板状部材W11に形成された貫通孔17内に押し込まれる。
このようにして上記貫通孔17が上記第2板状部材W12で充填され、上記第1板状部材W11と上記第3板状部材W13とが接合される。その状態を図9に示す。この図に示されるように、上記回転ツール14が加圧されることにより上記第2板状部材W12内に押し込まれ、上記回転ツール14のショルダ部14bもまた上記第1板状部材W11内に押し込まれる。
更に、上記回転ツール14の回転により発生する摩擦熱により、上記貫通孔17の周りに位置する上記3つの板状部材W11、W12、W13が摩擦熱で軟化させられて塑性流動させられる。上記受け具15に突部15aが形成されているので、上記突部15a近傍に位置する上記第3板状部材W13を上記回転ツール14の方へ盛り上げ、更に上記第1板状部材W11及び第2板状部材W12が上記回転ツール14側に盛り上げられる。
上記突部15aと上記ショルダ部14bにより上記板状部材W11、W12、W13に対してかしめ作用を行うことができる。このようにして、上記3つの板状部材W11、W12、W13が共に接合される。
このようにして上記板状部材W11、W12、W13が共に接合された後、上記回転ツール14及び受け具15が上記第2板状部材W12及び上記第3板状部材W13から離される。
図10には、接合後における上記板状部材の接合部が示されている。この図に示されるように、回転ツール14の回転に伴って生じる摩擦熱が特に影響する領域では、上記板状部材が軟化され塑性流動により固相状態で接合されている。この固相接合の領域が、破線曲線K2にて示されている。このようにして、回転ツールのピン部の先端部近傍では、上記第2板状部材W12と上記第3板状部材W13が接合されている。
また、図10において実線曲線L3で示される領域では、上記受け具15の突部15aと上記回転ツール14のショルダ部14bによりかしめ作用を得ることができる。この領域L3では、かしめ作用により上記第1板状部材W11と上記第3板状部材W13を接合することができる。
図10では、各接合部において固相接合による領域が破線曲線K2で示されており、かしめ作用による接合が実線曲線L3で示されているが、その両方により囲まれる領域では、固相接合とかしめ作用による接合の両方の作用により接合されている。
上記実施形態と同様に、回転ツール14と上記第1板状部材W11との間に発生する摩擦熱を低減することができ、接合後の上記板状部材W11、W12、W13の熱ひずみによる変形を抑制することができる。
また、この実施形態では、上記ショルダ部14bが平面であるので、ピン部14aの押圧による塑性流動が外方へ移動し易く、より短時間で接合することが可能である。
本実施形態では、上記受け具15に形成された突部15aが環状に形成されているが、このような環状ではなく、例えば円周上に等配状に離隔して配置されたものでも同様に使用することができる。
また、上記受け具15は、上記ショルダ部14bの加圧力を受けるために、ショルダ部14bの外径と同じ若しくはそれ以上の外径寸法を有するように形成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、板状部材としてアルミニウム合金材料を使用することが記述されているが、例えばマグネシウム合金材料など、他の軽合金材料においても同様に適用することができる。また、溶融しない温度で接合されるためにブローホールや溶接割れが発生しないので、鋳物部材などにも好適に適用可能である。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば自動車等の車体構成部材において、3つの金属製の板状部材をその各接合部において重ね合わせ、上記板状部材の重ね合わせ面に対して一方向側より回転ツールを当接させて回転させるとともに、上記板状部材を加圧させることにより上記3つの板状部材を共に接合する場合に適用可能である。
本発明に係る接合装置の概略図である。 本発明に係る接合ガンの概略図である。 本発明の実施形態に係る接合用工具を模式的に示した説明図である。 上記実施形態の接合工程を模式的に示した説明図である。 上記接合工程に続く工程を模式的に示した説明図である。 上記接合工程に続く工程を模式的に示した説明図である。 図6の接合部を拡大して示した拡大断面図である。 本発明のもう1つの実施形態に係る接合用工具を模式的に示した説明図である。 上記実施形態の接合工程を模式的に示した説明図である。 上記実施形態による接合後の接合部を示した説明図である。
符号の説明
1 接合ガン
2 ロボット
3 制御盤
4、14 回転ツール
5、15 受け具
7、17 貫通孔
11 回転軸モータ
12 加圧軸モータ
13 アーム
31、32、33 ハーネス
34 中継ボックス
W1、W11 第1板状部材
W2、W12 第2板状部材
W3、W13 第3板状部材

Claims (3)

  1. 3枚の金属製の板状部材をそれらの各接合部で共に重ね合わせ、先端にピン部を有する回転ツールを回転させながら前記回転ツールの先端部を前記板状部材の一方向側から押し込み、この回転ツールの押し込みによって発生した摩擦熱で前記板状部材を軟化せしめて塑性流動させることにより、前記3枚の金属製の板状部材を接合する摩擦点接合方法において、
    先端にあるピン部と該ピン部よりも外径寸法が大きいショルダ部とを備えた回転ツールと、前記回転ツールに対向して配置され、受け面に突部を備えた受け具と、を用意するステップと、
    接合部に貫通孔が設けられた第1板状部材を用意するステップと、
    前記第1板状部材を中間にして第2及び第3板状部材を重ね合わせるステップと、
    前記第3板状部材を前記受け具で受けるステップと、
    前記ピン部及びショルダ部を有する回転ツールを回転させながら前記第2板状部材側から押し込み、前記ピン部を前記貫通孔に挿入するステップと、を備え、
    前記ピン部の押し込みにより発生した摩擦熱で前記第2板状部材を軟化せしめて前記貫通孔内に塑性流動させて充填し、前記第2板状部材と前記第3板状部材とを接合するとともに、前記受け具の突部で前記第3及び第1板状部材の前記貫通孔の周りに位置する部分を前記第2板状部材側に盛り上げることにより、前記3枚の板状部材を共に接合する、
    ことを特徴とする摩擦点接合方法。
  2. 請求項1記載の摩擦点接合方法において、
    前記受け具の突部が、前記貫通孔の周りに対応した位置に形成される環状の突部であり、
    前記回転ツールのショルダ部が、前記突部に対応した環状の溝部を有する、ことを特徴とする摩擦点接合方法。
  3. 請求項1又は2に記載の摩擦点接合方法において、
    前記3枚の板状部材が共に、同種の材料であることを特徴とする摩擦点接合方法。
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