JP2003236673A - 異種材料の接合方法 - Google Patents
異種材料の接合方法Info
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- JP2003236673A JP2003236673A JP2002042067A JP2002042067A JP2003236673A JP 2003236673 A JP2003236673 A JP 2003236673A JP 2002042067 A JP2002042067 A JP 2002042067A JP 2002042067 A JP2002042067 A JP 2002042067A JP 2003236673 A JP2003236673 A JP 2003236673A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高価なクラッド材またはインサート材を用い
ることなく異種材料を確実にかつ高強度に接合できるス
ポット溶接方法を提供する。 【解決手段】 二枚の鋼板1と2との間にアルミニウ
ム板3を挟み込んで三層に重ね、この重ね部を一対の電
極5で挟持して、該電極間に大電流を短時間流し、スポ
ット溶接域からアルミニウム板3の溶融部を排除しなが
ら鋼板1と2とを直接的にスポット溶接し、接合界面S
に金属間化合物が生成するのを抑える。
ることなく異種材料を確実にかつ高強度に接合できるス
ポット溶接方法を提供する。 【解決手段】 二枚の鋼板1と2との間にアルミニウ
ム板3を挟み込んで三層に重ね、この重ね部を一対の電
極5で挟持して、該電極間に大電流を短時間流し、スポ
ット溶接域からアルミニウム板3の溶融部を排除しなが
ら鋼板1と2とを直接的にスポット溶接し、接合界面S
に金属間化合物が生成するのを抑える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異種材料をスポッ
ト溶接を利用して接合する方法に関する。
ト溶接を利用して接合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、鉄系材料とアルミニウム系材料
とをスポット溶接する場合は、両者の電気伝導度、熱伝
導度、融点等の違いから十分なる接合を得ることが困難
である。また、十分なる接合が得られたとしても、両者
の接合界面に非常に脆い金属間化合物(Fe2Al5、F
eAl3)が生成し易く、所望の接合強度を安定的に確
保することは困難である。そこで従来、鉄系材料とアル
ミニウム系材料とを接合する場合は、両者の間に、鉄系
材料とアルミニウム系材料とを合せてなるクラッド材ま
たはインサート材を介在させ、同種系の材料同士をスポ
ット溶接することにより、間接的に異種材料を接合する
ようにしていた(例えば、特開平4−55066号公
報、特開2000−141053号公報等)。
とをスポット溶接する場合は、両者の電気伝導度、熱伝
導度、融点等の違いから十分なる接合を得ることが困難
である。また、十分なる接合が得られたとしても、両者
の接合界面に非常に脆い金属間化合物(Fe2Al5、F
eAl3)が生成し易く、所望の接合強度を安定的に確
保することは困難である。そこで従来、鉄系材料とアル
ミニウム系材料とを接合する場合は、両者の間に、鉄系
材料とアルミニウム系材料とを合せてなるクラッド材ま
たはインサート材を介在させ、同種系の材料同士をスポ
ット溶接することにより、間接的に異種材料を接合する
ようにしていた(例えば、特開平4−55066号公
報、特開2000−141053号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ク
ラッド材またはインサート材を介して異種材料をスポッ
ト溶接する方法によれば、高価なクラッド材またはイン
サート材を用いるため、接合コストの上昇が避けられな
い、という問題があった。本発明は、上記した従来の問
題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところ
は、高価なクラッド材またはインサート材を用いること
なく異種材料を確実にかつ高強度に接合でき、もって接
合コストの低減に大きく寄与するスポット溶接方法を提
供することにある。
ラッド材またはインサート材を介して異種材料をスポッ
ト溶接する方法によれば、高価なクラッド材またはイン
サート材を用いるため、接合コストの上昇が避けられな
い、という問題があった。本発明は、上記した従来の問
題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところ
は、高価なクラッド材またはインサート材を用いること
なく異種材料を確実にかつ高強度に接合でき、もって接
合コストの低減に大きく寄与するスポット溶接方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の発明は、二枚の第1金属板の間に該第1金属
板とは異種材料の第2金属板を挟み込んで三層に重ね、
この重ね部を挟持する一対の電極間に大電流を短時間流
して、スポット溶接域から前記第2金属板の溶融部を排
除しながら前記第1金属板同士をスポット溶接すること
を特徴とする。この場合、前記二枚の第1金属板の一方
は、製品として無用のダミーの金属板であってもよい。
また、第2の発明は、一枚の第1金属板の端縁部の曲げ
返し部に該第1金属板とは異種材料の第2金属板を挟み
込んで三層に重ね、この重ね部を挟持する一対の電極間
に大電流を短時間流して、スポット溶接域から前記第2
金属板の溶融部を排除しながら前記第1金属板同士をス
ポット溶接することを特徴とする。この場合、一枚の第
1金属板の端縁部をヘミング加工により曲げ返すと同時
に、この曲げ返し部に第2金属板を挟み込むようにして
もよい。上記第1または第2の発明のように行う異種材
料の接合方法においては、中間層の第2金属板の溶融部
を排除しながら第1金属板同士をスポット溶接するの
で、確実な接合が得られ、この確実に接合された第1金
属板の間に第2金属板が機械的に保持される。しかも、
中間層の第2金属板の溶融部が排除されることで、脆い
金属間化合物を生成する異種材料の組合せ、例えば、鉄
系材料とアルミニウム系材料との組合せであっても、脆
い金属間化合物が生成し難くなり、所望の接合強度を安
定して確保することができる。
め、第1の発明は、二枚の第1金属板の間に該第1金属
板とは異種材料の第2金属板を挟み込んで三層に重ね、
この重ね部を挟持する一対の電極間に大電流を短時間流
して、スポット溶接域から前記第2金属板の溶融部を排
除しながら前記第1金属板同士をスポット溶接すること
を特徴とする。この場合、前記二枚の第1金属板の一方
は、製品として無用のダミーの金属板であってもよい。
また、第2の発明は、一枚の第1金属板の端縁部の曲げ
返し部に該第1金属板とは異種材料の第2金属板を挟み
込んで三層に重ね、この重ね部を挟持する一対の電極間
に大電流を短時間流して、スポット溶接域から前記第2
金属板の溶融部を排除しながら前記第1金属板同士をス
ポット溶接することを特徴とする。この場合、一枚の第
1金属板の端縁部をヘミング加工により曲げ返すと同時
に、この曲げ返し部に第2金属板を挟み込むようにして
もよい。上記第1または第2の発明のように行う異種材
料の接合方法においては、中間層の第2金属板の溶融部
を排除しながら第1金属板同士をスポット溶接するの
で、確実な接合が得られ、この確実に接合された第1金
属板の間に第2金属板が機械的に保持される。しかも、
中間層の第2金属板の溶融部が排除されることで、脆い
金属間化合物を生成する異種材料の組合せ、例えば、鉄
系材料とアルミニウム系材料との組合せであっても、脆
い金属間化合物が生成し難くなり、所望の接合強度を安
定して確保することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の
形態を示したものである。本第1の実施の形態において
は、同じ鉄系材料からなる二枚の第1金属板(鋼板)
1、2とアルミニウム系材料からなる一枚の第2金属板
(アルミ板)3とを用意し、二枚の鋼板1と2との間に
アルミ板3を挟み込んで三層に重ね、この重ね部4をス
ポット溶接機の上下一対の電極5で挟持してスポット溶
接を行う。
図面に基いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の
形態を示したものである。本第1の実施の形態において
は、同じ鉄系材料からなる二枚の第1金属板(鋼板)
1、2とアルミニウム系材料からなる一枚の第2金属板
(アルミ板)3とを用意し、二枚の鋼板1と2との間に
アルミ板3を挟み込んで三層に重ね、この重ね部4をス
ポット溶接機の上下一対の電極5で挟持してスポット溶
接を行う。
【0006】本第1の実施の形態において、上記二枚の
鋼板のうち、一方の鋼板1は製品として必要な要素であ
るのに対し、他方の鋼板2は製品として無用な要素(ダ
ミー)であり、このダミーとしての他方の鋼板2は、こ
こでは、一方の鋼板1とアルミ板3との重ね代と同等か
らそれよりわずか大きな幅寸法を有するようにそのサイ
ズが設定されている。また、上記スポット溶接機の溶接
電源としては、ここでは短時間、大電流通電に適したコ
ンデンサ電源を使用する。
鋼板のうち、一方の鋼板1は製品として必要な要素であ
るのに対し、他方の鋼板2は製品として無用な要素(ダ
ミー)であり、このダミーとしての他方の鋼板2は、こ
こでは、一方の鋼板1とアルミ板3との重ね代と同等か
らそれよりわずか大きな幅寸法を有するようにそのサイ
ズが設定されている。また、上記スポット溶接機の溶接
電源としては、ここでは短時間、大電流通電に適したコ
ンデンサ電源を使用する。
【0007】スポット溶接に際しては、図1に示すよう
に、二枚の鋼板1と2との間にアルミ板3を挟み込み、
この三層の重ね部4を一対の電極5により所定の加圧力
で挟持しつつ、この一対の電極5間に、前記コンデンサ
電源から、30kA以上望ましくは33kA以上の大電
流を1乃至数サイクルだけ流す。すると、中間層のアル
ミ板3が急速に溶解し、その溶融部の大部分が二枚の鋼
板1、2とアルミ板3との重ね部4のわずかの間隙を通
じて周辺へチリ(スパッタ)として飛散する。すなわ
ち、一対の電極5によるスポット溶接域からアルミ板3
の溶融部が排除され、この結果、二枚の鋼板1と2とが
局部的に塑性変形を起こして相互に接触し、両者は直接
スポット溶接されるようになる。
に、二枚の鋼板1と2との間にアルミ板3を挟み込み、
この三層の重ね部4を一対の電極5により所定の加圧力
で挟持しつつ、この一対の電極5間に、前記コンデンサ
電源から、30kA以上望ましくは33kA以上の大電
流を1乃至数サイクルだけ流す。すると、中間層のアル
ミ板3が急速に溶解し、その溶融部の大部分が二枚の鋼
板1、2とアルミ板3との重ね部4のわずかの間隙を通
じて周辺へチリ(スパッタ)として飛散する。すなわ
ち、一対の電極5によるスポット溶接域からアルミ板3
の溶融部が排除され、この結果、二枚の鋼板1と2とが
局部的に塑性変形を起こして相互に接触し、両者は直接
スポット溶接されるようになる。
【0008】図2は、上記スポット溶接後の接合部の状
態を示したもので、二枚の鋼板1と2とは、アルミ板3
を介することなく直接溶接されている。この場合、二枚
の鋼板1と2とは、相互に塑性変形により膨出した凸形
状部1a、2aを突き合せた状態で接合され、アルミ板
3はこれら凸形状部1a、2aの周りで、二枚の鋼板1
と2に対して機械的に結合一体化されている。なお、二
枚の鋼板1、2のおもて面側には、前記電極5の押込跡
としての凹部6が形成されている。
態を示したもので、二枚の鋼板1と2とは、アルミ板3
を介することなく直接溶接されている。この場合、二枚
の鋼板1と2とは、相互に塑性変形により膨出した凸形
状部1a、2aを突き合せた状態で接合され、アルミ板
3はこれら凸形状部1a、2aの周りで、二枚の鋼板1
と2に対して機械的に結合一体化されている。なお、二
枚の鋼板1、2のおもて面側には、前記電極5の押込跡
としての凹部6が形成されている。
【0009】しかして、二枚の鋼板1と2とが直接スポ
ット溶接されることから、その接合は十分となり、した
がって、二枚の鋼板1、2に対するアルミ板3の結合も
強固となる。また、二枚の鋼板1と2とが直接スポット
溶接されることから、両者の接合界面S(図2)には、
脆い金属間化合物がほとんど生成せず、したがって、二
枚の鋼板1と2との接合強度も十分となる。なお、上記
ダミーの鋼板2は、製品として必要な鋼板に代えてもよ
いことはもちろんである。
ット溶接されることから、その接合は十分となり、した
がって、二枚の鋼板1、2に対するアルミ板3の結合も
強固となる。また、二枚の鋼板1と2とが直接スポット
溶接されることから、両者の接合界面S(図2)には、
脆い金属間化合物がほとんど生成せず、したがって、二
枚の鋼板1と2との接合強度も十分となる。なお、上記
ダミーの鋼板2は、製品として必要な鋼板に代えてもよ
いことはもちろんである。
【0010】図3は、本発明の第2の実施の形態を示し
たものである。本第2の実施の形態の特徴とするところ
は、一枚の鋼板11の端縁部をヘミング加工により曲げ
返すと同時に、この曲げ返し片12と鋼板11の一般部
との間にアルミ板13の端縁部13aを挟み込み、この
三層の重ね部14をスポット溶接機の上下一対の電極5
で挟持してスポット溶接を行う点にある。
たものである。本第2の実施の形態の特徴とするところ
は、一枚の鋼板11の端縁部をヘミング加工により曲げ
返すと同時に、この曲げ返し片12と鋼板11の一般部
との間にアルミ板13の端縁部13aを挟み込み、この
三層の重ね部14をスポット溶接機の上下一対の電極5
で挟持してスポット溶接を行う点にある。
【0011】この第2の実施の形態におけるスポット溶
接の溶接条件並びに溶接過程における各板11、12、
13の挙動は上記第1の実施の形態と同じである。ま
た、スポット溶接後の接合部の状態も、第1の実施の形
態による場合と同じであり、図4に示すように、鋼板1
1とその曲げ返し片12とは、相互に凸形状部11a、
12aを突き合せた状態で接合され、アルミ板13はこ
れら凸形状部1a、2aの周りで、二枚の鋼板11とそ
の曲げ返し片12に対して機械的に結合一体化されてい
る。この場合、鋼板11と12とが直接スポット溶接さ
れることから、その接合は十分となり、しかも、両者の
接合界面S(図4)に脆い金属間化合物がほとんど生成
されないことも上記第1の実施の形態による場合と同様
である。本第2の実施の形態においては特に、3層の重
ね部14がヘミング加工により事前に一体化されている
ので、一対の電極5の間に異種材料を個々に位置決めす
る面倒な作業が不要になり、作業性が向上する。なお、
上記アルミ板11は、鋼板11のヘミング加工と同時に
その曲げ返し部に挟み込むことなく、予め形成された鋼
板11の曲げ返し部に後で挿入してもよいものである。
接の溶接条件並びに溶接過程における各板11、12、
13の挙動は上記第1の実施の形態と同じである。ま
た、スポット溶接後の接合部の状態も、第1の実施の形
態による場合と同じであり、図4に示すように、鋼板1
1とその曲げ返し片12とは、相互に凸形状部11a、
12aを突き合せた状態で接合され、アルミ板13はこ
れら凸形状部1a、2aの周りで、二枚の鋼板11とそ
の曲げ返し片12に対して機械的に結合一体化されてい
る。この場合、鋼板11と12とが直接スポット溶接さ
れることから、その接合は十分となり、しかも、両者の
接合界面S(図4)に脆い金属間化合物がほとんど生成
されないことも上記第1の実施の形態による場合と同様
である。本第2の実施の形態においては特に、3層の重
ね部14がヘミング加工により事前に一体化されている
ので、一対の電極5の間に異種材料を個々に位置決めす
る面倒な作業が不要になり、作業性が向上する。なお、
上記アルミ板11は、鋼板11のヘミング加工と同時に
その曲げ返し部に挟み込むことなく、予め形成された鋼
板11の曲げ返し部に後で挿入してもよいものである。
【0012】ここで、上記各実施の形態においては、第
1金属板として鋼板1と2または11と12を、第2の
金属板としてアルミ板3または13をそれぞれ用いた
が、本発明は、この異種材料の組合せを限定するもので
はなく、例えば、FeとMg、FeとTi、NiとA
l、NiとTi等の種々の組合せとすることができる。
ただし、何れの組合せにおいても、第1金属板として比
較的高融点を有するものを、第2金属板として比較的低
融点を有するものを選択する。
1金属板として鋼板1と2または11と12を、第2の
金属板としてアルミ板3または13をそれぞれ用いた
が、本発明は、この異種材料の組合せを限定するもので
はなく、例えば、FeとMg、FeとTi、NiとA
l、NiとTi等の種々の組合せとすることができる。
ただし、何れの組合せにおいても、第1金属板として比
較的高融点を有するものを、第2金属板として比較的低
融点を有するものを選択する。
【0013】
【実施例】板厚1.0mm、幅30mm、長さ100mmの大きさを有
する鋼板(JIS SPCC)とアルミ板(JIS A6061P)とを用
意し、図1に示したように、二枚の鋼板の間にアルミ板
を挟み込み、コンデンサ電源を備えたスポット溶接機に
より一対の電極5間に流す電流(溶接電流)を27k
A、31kA、33kAの3段階に変化させて、単サイ
クルでスポット溶接を行った。そして、このスポット溶
接後、各接合体を縦方向に切断して接合部の金属組織を
顕微鏡的に観察すると共に、各接合体を引張試験に供し
て引張せん断強度を求めた。
する鋼板(JIS SPCC)とアルミ板(JIS A6061P)とを用
意し、図1に示したように、二枚の鋼板の間にアルミ板
を挟み込み、コンデンサ電源を備えたスポット溶接機に
より一対の電極5間に流す電流(溶接電流)を27k
A、31kA、33kAの3段階に変化させて、単サイ
クルでスポット溶接を行った。そして、このスポット溶
接後、各接合体を縦方向に切断して接合部の金属組織を
顕微鏡的に観察すると共に、各接合体を引張試験に供し
て引張せん断強度を求めた。
【0014】図5は、溶接電流33kAでスポット溶接
した接合体の接合部の金属組織を、図6は、溶接電流2
7kAでスポット溶接した接合体の接合部の金属組織を
それぞれ示したものである。なお、説明の便宜のため、
これらの図には、鋼板およびアルミ板に、図1と同じ符
号を付している。これより、溶接電流33kAでスポッ
ト溶接したものは(図5)、二枚の鋼板1と2との接合
界面の周縁部に金属間化合物の存在がわずか認められる
だけであるのに対し、溶接電流27kAでスポット溶接
したものは(図6)、二枚の鋼板1と2との接合界面の
全体に金属間化合物20の存在が明瞭に認められる。一
方、引張試験の結果は、図7に示すように、溶接電流が
大きくなるほど引張せん断強度は増大し、特に溶接電流
33kAでスポット溶接したものは、母材(鋼板)破断
となって著しく高い強度が得られている。
した接合体の接合部の金属組織を、図6は、溶接電流2
7kAでスポット溶接した接合体の接合部の金属組織を
それぞれ示したものである。なお、説明の便宜のため、
これらの図には、鋼板およびアルミ板に、図1と同じ符
号を付している。これより、溶接電流33kAでスポッ
ト溶接したものは(図5)、二枚の鋼板1と2との接合
界面の周縁部に金属間化合物の存在がわずか認められる
だけであるのに対し、溶接電流27kAでスポット溶接
したものは(図6)、二枚の鋼板1と2との接合界面の
全体に金属間化合物20の存在が明瞭に認められる。一
方、引張試験の結果は、図7に示すように、溶接電流が
大きくなるほど引張せん断強度は増大し、特に溶接電流
33kAでスポット溶接したものは、母材(鋼板)破断
となって著しく高い強度が得られている。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る異
種材料の接合方法によれば、高価なクラッド材またはイ
ンサート材を用いることなく異種材料を確実にかつ高強
度に接合でき、接合コストの大幅な低減を達成できる。
また、脆い金属間化合物の生成を抑制することができる
ので、このような金属間化合物が生じる異種材料特に鉄
系材料とアルミニウム系材料との接合に向けて好適とな
る。
種材料の接合方法によれば、高価なクラッド材またはイ
ンサート材を用いることなく異種材料を確実にかつ高強
度に接合でき、接合コストの大幅な低減を達成できる。
また、脆い金属間化合物の生成を抑制することができる
ので、このような金属間化合物が生じる異種材料特に鉄
系材料とアルミニウム系材料との接合に向けて好適とな
る。
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるスポット溶
接の実施状況を示す模式図である。
接の実施状況を示す模式図である。
【図2】本第1の実施の形態による接合部の状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるスポット溶
接の実施状況を示す模式図である。
接の実施状況を示す模式図である。
【図4】本第2の実施の形態による接合部の状態を示す
断面図である。
断面図である。
【図5】溶接電流33kAで行った実施例による接合部
の金属組織を示す顕微鏡写真である。
の金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図6】溶接電流27kAで行った実施例による金属組
織を示したもので、その上側は接合部の全体を示す顕微
鏡写真、その下側は前記接合部の一部を拡大して示す顕
微鏡写真である。
織を示したもので、その上側は接合部の全体を示す顕微
鏡写真、その下側は前記接合部の一部を拡大して示す顕
微鏡写真である。
【図7】溶接電流を変えて行った実施例による引張試験
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
1、11 第1金属板
2 ダミーの金属板(第1金属板)
3、13 アルミニウム板(第2金属板)
4、14 重ね部
5 電極
Claims (5)
- 【請求項1】 二枚の第1金属板の間に該第1金属板と
は異種材料の第2金属板を挟み込んで三層に重ね、この
重ね部を挟持する一対の電極間に大電流を短時間流し
て、スポット溶接域から前記第2金属板の溶融部を排除
しながら前記第1金属板同士をスポット溶接することを
特徴とする異種材料の接合方法。 - 【請求項2】 二枚の第1金属板の一方が、製品として
無用のダミーの金属板であることを特徴とする請求項1
に記載の異種材料の接合方法。 - 【請求項3】 一枚の第1金属板の端縁部の曲げ返し部
に該第1金属板とは異種材料の第2金属板を挟み込んで
三層に重ね、この重ね部を挟持する一対の電極間に大電
流を短時間流して、スポット溶接域から前記第2金属板
の溶融部を排除しながら前記第1金属板同士をスポット
溶接することを特徴とする異種材料の接合方法。 - 【請求項4】 一枚の第1金属板の端縁部をヘミング加
工により曲げ返すと同時に、この曲げ返し部に第2金属
板を挟み込むことを特徴とする請求項3に記載の異種材
料の接合方法。 - 【請求項5】 第1金属板が鉄系材料からなり、第2金
属板がアルミニウム系材料からなることを特徴とする請
求項1乃至4の何れか1項に記載の異種材料の接合方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002042067A JP2003236673A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | 異種材料の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002042067A JP2003236673A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | 異種材料の接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003236673A true JP2003236673A (ja) | 2003-08-26 |
Family
ID=27782295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002042067A Pending JP2003236673A (ja) | 2002-02-19 | 2002-02-19 | 異種材料の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003236673A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007063646A1 (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-07 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 異材接合体 |
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