JP2020151757A - 溶接構造体及びその製造方法 - Google Patents
溶接構造体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020151757A JP2020151757A JP2019053310A JP2019053310A JP2020151757A JP 2020151757 A JP2020151757 A JP 2020151757A JP 2019053310 A JP2019053310 A JP 2019053310A JP 2019053310 A JP2019053310 A JP 2019053310A JP 2020151757 A JP2020151757 A JP 2020151757A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel plate
- plate member
- welded structure
- insert
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title claims description 23
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 claims abstract description 305
- 239000010959 steel Substances 0.000 claims abstract description 305
- 238000003466 welding Methods 0.000 claims abstract description 74
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 11
- 238000005304 joining Methods 0.000 claims description 9
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 abstract description 27
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 abstract description 27
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 abstract description 27
- 230000037431 insertion Effects 0.000 abstract 2
- 238000003780 insertion Methods 0.000 abstract 2
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 23
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 13
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 11
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 11
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 10
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 10
- 239000000463 material Substances 0.000 description 10
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 7
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 6
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 6
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 description 5
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 5
- 125000006850 spacer group Chemical group 0.000 description 5
- 238000009864 tensile test Methods 0.000 description 5
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 4
- 238000007747 plating Methods 0.000 description 4
- 229910001335 Galvanized steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 3
- 239000008397 galvanized steel Substances 0.000 description 3
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 3
- VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N Hydrochloric acid Chemical compound Cl VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 2
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 2
- 239000002390 adhesive tape Substances 0.000 description 2
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 2
- 238000012790 confirmation Methods 0.000 description 2
- 229910001338 liquidmetal Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 2
- 230000002040 relaxant effect Effects 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 2
- HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N Zinc Chemical compound [Zn] HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 239000010953 base metal Substances 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 239000010960 cold rolled steel Substances 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000004070 electrodeposition Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 238000007731 hot pressing Methods 0.000 description 1
- 238000009863 impact test Methods 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 1
- 229920006395 saturated elastomer Polymers 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 238000011179 visual inspection Methods 0.000 description 1
- 229910052725 zinc Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000011701 zinc Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Resistance Welding (AREA)
Abstract
Description
第1の鋼板部材1は、長板状の鋼板の幅方向両側部分を略U字形状をなすように折り曲げ、さらに両端部を外側に折り曲げてフランジ部11、12を形成して、長手方向に直交する断面形状としてハット型断面を有する形状に加工したものである。また第2の鋼板部材2も、同様にフランジ部21、22を形成して、長手方向に直交する断面形状としてハット型断面を有する形状に加工したものである。なお図16に示す例では、第1の鋼板部材1のハット型断面の深さD1が、第2の鋼板部材2のハット型断面の深さD2よりも深く作られている。
ここで、スポット溶接は、フランジ部11、12;21、22の長さ方向に所定のピッチP、例えば30mm程度のピッチPで間隔を置いて施される。したがって各ナゲット3は、フランジ部11、12;21、22の長さ方向にピッチPで形成されている。
一方、最近では、車体の軽量化、衝突安全性を確保するために、骨格部品などの鋼板としては、高強度鋼板を使用することが望まれるようになっている。そしてハット型断面を有する鋼板部材の素材としては、例えば780MPa以上の引張強さを有する高強度鋼板を用いることが望まれている。また、高強度鋼板についてハット型断面を付与する加工方法としては、熱間でプレス加工(ホットスタンプ)を施すことも多くなっている。
溶接部に水素脆化が生じれば、遅れ破壊を招いて、継手性能、ひいては車体性能に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、溶接部に水素脆化が生じないような溶接構造体とすることが強く望まれる。しかしながら従来は、溶接部の水素脆化、とりわけ高強度鋼板を用いた場合の溶接部の水素脆化の問題に対する対策は、必ずしも十分に講じられているとは言えず、特許文献1でも水素脆化の問題については言及されていない。
すなわち、ハット型断面を有する鋼板部材を製造するにあたっては、長板状の鋼板にプレス加工やロール成形等の加工を施すのが通常である。このような加工によってハット型断面を形成する場合、加工後のスプリングバック等に起因して、フランジ部の寸法精度、形状精度にばらつきが生じやすい。そのため、ハット型断面を有する鋼板部材を組み合わせて、スポット溶接により前述のような溶接構造体を製造するためにフランジ部同士を重ね合わせた場合、その重ね合わせ部位において、一方の鋼板部材のフランジ部板面と、他方の鋼板部材のフランジ部板面との間に、不可避的に隙間が生じることが認識されている。
スポット溶接時において、溶接部位では、電極による加圧によって隙間5が消滅する方向に母材鋼板(フランジ部11、21)が弾性変形して、その個所に引張応力が生じる。とりわけナゲット3の端部3aからそれに隣接する鋼板母材の熱影響部位(HAZ)付近に集中して大きな引張応力が生じることが知見された。図19において大きな応力集中が生じた領域を鎖線丸囲いSで示す。
特に高強度鋼板を使用している場合には、ハット型に加工した後のスプリングバック量が大きくなりやすく、またスポット溶接時の引張応力も大きくなりやすい。そのため高強度鋼板では、応力集中が顕著となって、溶接部の水素脆化を招きやすいことが認識された。
フランジ部を有する第1の鋼板部材と、
前記第1の鋼板部材のフランジ部に対応する部位に平坦部を有する第2の鋼板部材と
を備え、
かつ前記第1の鋼板部材と第2の鋼板部材のうち少なくとも1枚は、引張強さが780MPa以上であり、
前記第1の鋼板部材のフランジ部と前記第2の鋼板部材の平坦部とが重ねられて抵抗スポット溶接により接合されてなる溶接構造体において;
さらに前記第1の鋼板部材のフランジ部と前記第2の鋼板部材の平坦部との間に鋼からなるインサート板が介挿されており、
前記フランジ部と前記平坦部との重なり部位のうち、前記インサート板が介挿された領域内に抵抗スポット溶接によるナゲットが形成されていることを特徴とするものである。
前記インサート板は、その板厚tiが前記鋼板部材の板厚thとの関係で、
1.2>ti/th>0.20
の範囲内にあることを特徴とする前記第1の態様の溶接構造体である。
ここで、インサート板を挟んだ前記各鋼板部材の板厚が互いに異なる場合は、薄い方の鋼板部材の板厚をthとする。
前記第1の鋼板部材として、長さ方向に対して直交する断面の形状としてハット型断面を有する鋼板部材が用いられていることを特徴とする前記第1、第2のいずれか一の態様の溶接構造体である。
前記第2の鋼板部材として、長さ方向に対して直交する断面の形状としてハット型断面を有する鋼板部材が用いられていることを特徴とする前記第3の態様の溶接構造体である。
前記第2の鋼板部材として、平板状の鋼板部材が用いられていることを特徴とする前記第3の態様の溶接構造体である。
前記第1〜第5のいずれか一の態様の溶接構造体を製造するにあたり、
予め前記第1の鋼板部材と前記第2の鋼板部材と前記インサート板とを用意しておき、
前記第1の鋼板部材のフランジ部の板面と、前記第2の鋼板前記部材の平坦部とのうち、いずれか一方の板面に前記インサート板を接合した後、前記フランジ部と前記平坦部とを、それらの間に前記インサート板が介在するように重ね、その後、インサート板が介在する重ね領域内に抵抗スポット溶接を施すことを特徴とする。
本発明の第1の実施形態の溶接構造体4を、図1〜図4に示す。第1の実施形態において、溶接構造体4は、第1の鋼板部材1及び第2の鋼板部材2と、インサート板6とからなる。ここで、第1の鋼板部材1及び第2の鋼板部材2は、少なくとも一方が780MPa以上の引張強さを有する鋼板からなる部材であればよく、例えば第1の鋼板部材1及び第2の鋼板部材2が、ともに780MPa以上の引張強さを有する鋼板からなるものであってもよい。またインサート板6は、これらの鋼板部材1、2と同等もしくは低強度の鋼板からなるものである。
図5には、本発明の第2の実施形態の溶接構造体4を示す。なお第2の実施形態の溶接構造体4が第1の実施形態の溶接構造体と異なる点は、インサート板6の構成だけであり、そこで第2の実施形態の溶接構造体を示す図としては、第1の実施形態の溶接構造体についての平面図(図2)に対応する平面図のみを、図5として示している。
第2の実施形態の溶接構造体4においては、インサート板6として、フランジ部11、12;21、22の長手方向に連続する長板状の鋼板を用いている。すなわち、フランジ部11、11B;21、22の長手方向に間隔を置いて形成された複数の溶接部位(ナゲット)3に跨って、インサート板6が、フランジ部同士の重ね合わせ部位に介挿されている。
図6には、本発明の第3の実施形態の溶接構造体4を示す。なお第3の実施形態の溶接構造体4が第1の実施形態の溶接構造体と異なる点は、第2の鋼板部材2の断面形状だけであり、そこで第3の実施形態の溶接構造体を示す図としては、第1の実施形態の溶接構造体についての縦断面図(図1)に対応する縦断面図のみを、図6として示している。
第3の実施形態の溶接構造体4においては、第2の鋼板部材2として、平坦な平板状(長板状)の鋼板が用いられている。すなわち第3の実施形態の溶接構造体4の第2の鋼板部材2は、第1の実施形態の溶接構造体の第2の鋼板部材のようなハット型断面を有していない。したがってこの場合、フランジ部も持たない。そして第3の実施形態の溶接構造体では、ハット型断面を有する第1の鋼板部材1の幅方向両端のフランジ部11、12と、長板状の第2の鋼板部材の幅方向両端付近の平坦部21A、22Aとが重ね合わされ、かつその重ね合わせ部位にインサート板6が介挿されている。
図7には、本発明の第4の実施形態の溶接構造体4を示す。なお第4の実施形態の溶接構造体4が第1の実施形態の溶接構造体と異なる点は、第2の鋼板部材2の断面形状及びその断面での方向性だけであり、そこで第4の実施形態の溶接構造体を示す図としては、第1の実施形態の溶接構造体についての縦断面図(図1)に対応する縦断面図のみを、図7として示している。
なお以下の説明では、第2の鋼板部材2としては第1、第2、第4の実施形態と同様に、ハット型断面を有する部材、すなわち幅方向両端に、平坦部21A、22Aとしてフランジ部21、22を有しているものとしている。したがって、重ね合わせ部位についても、第1の鋼板部材1のフランジ部11A、11Bと第2の鋼板部材2における平坦部21A、22Aであるフランジ部21、22とを重ね合わせた部位に、インサート板6を介挿したものとして説明している。ここで、第3の実施形態の溶接構造体として示したように、第2の鋼板部材2として、フランジ部を持たない平坦な板材を用いた場合については、以下の説明中における第2の鋼板部材2のフランジ部21、22を、第2の鋼板部材2の幅方向両端側の平坦部21A、22Aと読み替えることができる。
重ね合わされたフランジ部11、12;21、22の相互間、特に溶接部位におけるフランジ部の相互間にインサート板6が挿入されているため、インサート板6を挿入しない状態で重ね合わせた従来技術の場合に生じる隙間(図18の隙間5)が、インサート板6によって埋められることになる。そのため、溶接部位におけるフランジ部11、12;21、22の相互間に隙間が実質的に存在しないか、または存在してもその隙間の寸法(間隔)が、インサート板6を挿入しない状態で重ね合わせた場合よりも格段に小さくなる。
すなわち、インサート板を挿入しない状態で重ね合わせた場合には、隙間の存在によってナゲット端に応力が集中し、その残留応力によって疲労強度が低下することが懸念される。これに対して、インサート板を挿入しておくことによって、スポット溶接時におけるナゲット端での応力集中が緩和されて、引張の残留応力が小さくなる。これは、水素脆化の抑制に効果がある。また引張の残留応力が小さくなることは、疲労強度の向上にも効果がある。
インサート板を挿入しない状態で重ね合わせてナゲットを形成した場合に溶接部に荷重が負荷されれば、ナゲット端に応力が集中する。こうした場合、たとえば車体の衝突時に溶接部が早期に破断することとなり、車体の衝突安全性が安定しなかったり、損なわれたりする可能性がある。これに対して、インサート板を挿入しておくことによって、スポット溶接時におけるナゲット端での応力集中が緩和される(応力が小さくなる)結果、溶接部の強度も十分に確保することが可能となる。その結果、優れた車体の衝突安全性を安定確保しやすくなる。
第1、第2の鋼板部材のいずれか少なくとも一方にめっき鋼板、特に亜鉛メッキ鋼板を用いて、フランジ部の重ね合わせ部位にめっき層が存在する溶接構造体の場合、スポット溶接時にめっき層が溶融して、液体金属(めっき層の溶融金属)が固体金属(めっき鋼板の母材部)に接する状態となる。そのためいわゆる液体金属脆化(LME)が母材鋼板に生じ、それに起因する割れ(LME割れ)がスポット溶接後の溶接部付近に生じることが懸念される。特に高強度鋼板、例えば引張強さが780MPa以上の鋼板を、各鋼板部材の少なくとも1枚に用いている場合、成形加工後のスプリングバック量が大きくなって隙間も大きくなりやすいため、インサート板を使用しない場合にはナゲット端の応力集中も顕著となって、LME割れが生じやすくなる。しかしながら、インサート板を挿入すれば、高強度鋼板を使用した場合でも、応力集中の緩和効果によって、LME割れの発生を抑制することが可能となる。
ここで、LME割れは、電極と鋼板が接している側でも発生する場合がある。電極側の鋼板表面でもLME割れが発生するのは、高温で、かつ高い応力ひずみが負荷される条件下である。特に隙間が大きい場合は、電極による鋼板の押し込み程度が増大し、電極側の鋼板表面の応力ひずみが高くなると考えられる。その結果、LME割れの発生確率が高まる。しかし、インサート材を使用すれば、電極の押し込み程度が軽減されて、電極側の鋼板表面の応力ひずみを低減可能となる。その結果、電極側の鋼板表面のLME割れの発生を抑制することが可能となるのである。
第1、第2の鋼板部材を構成する鋼板の少なくとも1枚としては、引張強さが780MPa以上、好ましくは980MPa以上の鋼板を用いる。
第1、第2の鋼板部材を構成する高強度鋼板の引張強さがいずれも780MPa未満では、インサート板を介挿しない場合でも、スポット溶接時におけるナゲット端での応力集中が比較的少ない。そのため溶接部位での水素脆化も比較的生じにくく、また疲労強度の低下も少なく、さらにはめっき鋼板を用いた場合のLME割れの発生の恐れも少ない。なお、これらの現象については、引張強さが780MPa未満の鋼板では、応力集中だけでなく、溶接部硬さが低いことや感受性が低いことも影響していると思われる。
これに対し、第1、第2の鋼板部材を構成する鋼板の少なくとも一方の引張強さが780MPa以上であれば、インサート板を介挿しない場合、スポット溶接時におけるナゲット端での応力集中が大きい。そのため溶接部位での水素脆化も生じやすく、そのほか疲労強度の低下も懸念され、さらにはめっき鋼板を用いた場合のLME割れも発生しやすくなる。ここで引張強さが780MPa以上の高強度鋼板では、780MPa未満の鋼板とは反対に、溶接部硬さが高いことや感受性が高いことも現象の発生し易さに影響していると思われる。
一方、インサート板を介挿すれば、第1、第2の鋼板部材を構成する鋼板の少なくとも一方の引張強さが780MPa以上である場合に、本発明の作用・効果を十分に発揮させることができ、そこで、第1、第2の鋼板部材の少なくとも一方に使用する鋼板の引張強さは780MPa以上とした。
例えば非特許文献1の図1に示しているように、スポット溶接継手のせん断強度の指標である引張せん断強さ(TSS)は、溶接対象の鋼板の引張強さが高くなればそれに伴って上昇する傾向を示す。これに対して剥離強度の一つの指標である十字引張強さ(CTS)は、溶接対象の鋼板の引張強さが780MPa未満では、鋼板の引張強さが高くなるに伴って若干上昇する傾向を示すものの、鋼板の引張強さが、780MPa以上となれば、鋼板の引張強さが高くなるに伴って低下する傾向を示す。そのほか、剥離強度の別の指標であるL字引張強さ(LTS)についても、非特許文献1の図1には示されていないが、鋼板の引張強さが780MPa以上となれば、鋼板の引張強さが高くなるに伴って低下する傾向を示すことが確認されている。
このように、溶接対象の鋼板の引張強さが780MPa未満では、剥離強度の低下は認められないか、又はわずかであるため、剥離強度の低下に対する方策を講じる必要性は少ない。このような観点からも、引張強さが780MPa以上の高強度鋼板を対象とすることが好適である。
鋼からなるインサート板の強度は特に限定されず、溶接対象の鋼板部材に使用される鋼板(少なくとも1枚が引張強さ780MPa以上の高強度鋼板)と同程度の強度を有する鋼板、あるいはそれより低強度の鋼板など、適宜の鋼板を用いることができる。ここで、スポット溶接時における応力集中の緩和効果は、インサート板の強度に依存しないため、上記のようにインサート板の強度は限定されないのである。但し、インサート板として炭素濃度の低い低強度鋼を使用すれば、少なくとも1枚が引張強さが780MPa以上の高強度鋼板からなる溶接対象の鋼板部材とインサート板の成分が、スポット溶接時の溶融金属内で混合され、成分が平均化(鋼板部材の少なくとも1枚を構成する高強度鋼板の炭素濃度より低下)する。その結果、溶接部の靭性が向上するため、溶接部強度を向上させることができる。なお、インサート材の鋼板として炭素濃度の低い低強度鋼を使用する場合でも、炭素量(C量)が質量%で0.1%を越える鋼を用いることが望ましい。これは、インサート板のC量が0.1%以下では、溶接部のせん断強度(TSS)が低くなってしまうことが懸念されるからである。
インサート板の板厚ti(図3、図4参照)は、インサート板を介挿しない状態で第1、第2の鋼板部材のフランジ部(もしくは平坦部)を重ね合わせた場合に生じると想定される、スポット溶接部位の隙間の寸法と同等であることが望ましく、また隙間の寸法よりも小さい板厚であってもできるだけ隙間の寸法に近いことが望ましい。インサート板の板厚tiが、隙間の寸法に近いほど、インサート板により隙間を埋めて、ナゲット端での応力集中を部緩和する効果が大きくなる。
1.2>ti/th>0.20
を満たす範囲内とすることが好ましい。なお第1の鋼板部材の板厚と第2の鋼板部材の板厚が異なる場合には、薄い方の鋼板部材の板厚をthとして、上記の関係が満たされればよい。
1.2>ti/th>0.35
を満たす範囲内とすることが、より好ましい。
またここで、板厚比ti/thの上限を、1.0未満としてもよい。
溶接対象の2枚の鋼板として、板厚が1.6mmの1470MPa級ホットスタンプ鋼(以下、HS鋼と記す)を用い、インサート板として板厚が0.2〜1.6mmの270MPa級の炭素鋼(以下、270鋼と記す)を用いて、次のような実験を行なった。
すなわち、インサート板無しで2枚のHS鋼を重ね合わせる態様と、2枚のHS鋼の間にインサート板として種々の板厚の270鋼を挟んで重ね合わせた態様との2態様について、スポット溶接して3種の継手引張試験片を作成した。
第1の実施形態として示したように、各溶接部位ごとに個別にインサート板を介挿する場合におけるインサート板の形状(厚みに対して直交する方向に沿った板面の形状)は、正方形もしくは長方形、あるいは円形もしくは長円形又は楕円形であってもよく、要はスポット溶接対象の部位の形状等に応じて、最適な形状を選択すればよい。また第2の実施形態として示すように、複数の溶接部位に跨って共通に連続するインサート板を介挿する場合、インサート板はフランジ部の長さ方向に連続して延びる長板状とすればよい。
フランジ部の幅方向におけるインサート板のサイズは、スポット溶接によって形成されるべき目標のナゲット径dn(図3、図4参照)の1.2倍以上とすることが好ましい。インサート板の板面のサイズがナゲット径dnの1.2倍未満では、抵抗スポット溶接時の加圧力によって溶融金属がインサート板の外縁からはみ出てしまって、溶融金属の散りやナゲット径の目標値未達が生じる恐れがある。
3√th≦dn≦5√th
を満たすナゲット径dnが得られるように、溶接条件を選定するのが一般的である。したがって、インサート板の板面のサイズも、溶接条件と溶接対象の高強度鋼板の板厚thによって定まる目標とするナゲット径dnに応じて設定すればよい。
本発明の溶接構造体を製造するにあたっては、予め、前述のようなフランジ部を有する第1の鋼板部材、例えばハット型断面を有する第1の鋼板部材と、第1の鋼板部材のフランジ部に対応する平板部(例えばフランジ部)を有する第2の鋼板部材(例えばハット型断面を有する鋼板部材若しくは平板状の鋼板部材)と、インサート板とを用意しておく。そして第1の鋼板部材のフランジ部の板面と、第2の鋼板前記部材の平坦部(例えばフランジ部)の板面とを、それらの間にインサート板を介在させた状態で重ね合わせる。その後、インサート板が介在する重ね領域内に抵抗スポット溶接を施せばよい。
抵抗スポット溶接にあたっての溶接条件は、通常の3枚組の鋼板を溶接する際の条件を採用することができる。例えばナゲット径dnが、溶接対象の鋼板の板厚thとの関係で、
3√th≦dn≦5√th
を満たすナゲット径dnが得られるように、溶接条件を選定すればよい。
板厚が1.2mmで、引張強さが1520MPaの高強度鋼板(C量が0.22質量%)からなるハット型断面を有する第1の鋼板部材、及び同じ高強度鋼板からなるハット型断面を有する第2の鋼板部材を溶接対象の鋼板部材とし、引張強さが1013MPaの種々の板厚の高強度鋼板(C量が0.13質量%)をインサート板とした。そしてこれらを組み合わせて、抵抗スポット溶接して、図1、図2に第1の実施形態として示したような溶接構造体を作成した。溶接には定置式で単相交流のスポット溶接機を用いた。加圧力は5kN、通電時間は0.24secとし、ナゲット径が4√tとなる電流を選定した。
ここで、インサート板の板面の形状は、1辺が60mmの正方形とし、ナゲット径が6mmとなる条件でスポット溶接を行った。溶接構造体の全長は300mmとして、スポット溶接打点のピッチ(ナゲットのピッチ)は40mm、溶接打点数(ナゲット数)は、幅方向両側の合計で14点とした。
なお、比較のため、インサート板を挿入せずにスポット溶接により組み立てた溶接構造体の例を、処理番号1の従来例(2枚組)として表1中に示す。
ここで、遅れ破壊評価は、0.1規定の塩酸に200時間浸漬して、遅れ破壊の発生数を調べた。
また軸圧壊衝撃吸収特性の評価では、100kgの錘を14m/secの速度で部材に衝突させた。このとき錘の進行方向は部材の軸に一致させ、また部材を置く台の下には圧壊荷重を測定するためのロードセルを設置した。さらに部材上端の圧壊変位は、錘下面位置をレーザ変位計で計測した変位で代替した。こうして計測した荷重を圧壊変位150mmまで積分して、吸収エネルギと定義し、衝撃吸収特性の指標とした。
板厚が1.4mmで、引張強さが1510MPaの合金化溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛めっきの目付け量が60g/m2;母材鋼板のC量が0.24質量%)からなるハット型断面を有する第1の鋼板部材、及び同じ合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなるハット型断面を有する第2の鋼板部材を溶接対象の鋼板部材とし、引張強さが317MPaの種々の板厚の鋼板(C量が0.002質量%)をインサート板とした。そしてこれらを組み合わせて、抵抗スポット溶接して、図1、図2に第1の実施形態として示したような溶接構造体を作成した。ここで、インサート板の板面の形状は、1辺が60mmの正方形とし、ナゲット径が6mmとなる条件でスポット溶接を行った。溶接構造体の全長は300mmとして、スポット溶接打点のピッチ(ナゲットのピッチ)は40mm、溶接打点数(ナゲット数)は、幅方向両側の合計で14点とした。
2 第2の鋼板部材
3 ナゲット
4 溶接構造体
5 隙間
6 インサート板
11 フランジ部
12 フランジ部
21 フランジ部
21A 平坦部
22 フランジ部
22A 平坦部
Claims (6)
- フランジ部を有する第1の鋼板部材と、
前記第1の鋼板部材のフランジ部に対応する部位に平坦部を有する第2の鋼板部材と
を備え、
かつ前記第1の鋼板部材と第2の鋼板部材のうち少なくとも1枚は、引張強さが780MPa以上であり、
前記第1の鋼板部材のフランジ部と前記第2の鋼板部材の平坦部とが重ねられて抵抗スポット溶接により接合されてなる溶接構造体において;
さらに前記第1の鋼板部材のフランジ部と前記第2の鋼板部材の平坦部との間に鋼からなるインサート板が介挿されており、
前記フランジ部と前記平坦部との重なり部位のうち、前記インサート板が介挿された領域内に抵抗スポット溶接によるナゲットが形成されていることを特徴とする溶接構造体。 - 前記インサート板は、その板厚tiが前記鋼板部材の板厚thとの関係で、
1.2>ti/th>0.20
の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の溶接構造体。
ここで、インサート板を挟んだ前記各鋼板部材の板厚が互いに異なる場合は、薄い方の鋼板部材の板厚をthとする。 - 前記第1の鋼板部材として、長さ方向に対して直交する断面の形状としてハット型断面を有する鋼板部材が用いられていることを特徴とする請求項1、請求項2のいずれか一の請求項に記載の溶接構造体。
- 前記第2の鋼板部材として、長さ方向に対して直交する断面の形状としてハット型断面を有する鋼板部材が用いられていることを特徴とする請求項3に記載の溶接構造体。
- 前記第2の鋼板部材として、平板状の鋼板部材が用いられていることを特徴とする請求項3に記載の溶接構造体。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一の請求項に記載の溶接構造体を製造するにあたり、
予め前記第1の鋼板部材と前記第2の鋼板部材と前記インサート板とを用意しておき、
前記第1の鋼板部材のフランジ部の板面と、前記第2の鋼板前記部材の平坦部とのうち、いずれか一方の板面に前記インサート板を接合した後、前記フランジ部と前記平坦部とを、それらの間に前記インサート板が介在するように重ね、その後、インサート板が介在する重ね領域内に抵抗スポット溶接を施すことを特徴とする溶接構造体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019053310A JP7352060B2 (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | 溶接構造体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019053310A JP7352060B2 (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | 溶接構造体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020151757A true JP2020151757A (ja) | 2020-09-24 |
JP7352060B2 JP7352060B2 (ja) | 2023-09-28 |
Family
ID=72557069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019053310A Active JP7352060B2 (ja) | 2019-03-20 | 2019-03-20 | 溶接構造体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7352060B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2023080076A1 (ja) * | 2021-11-02 | 2023-05-11 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61216871A (ja) * | 1985-03-22 | 1986-09-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力薄鋼板の接続方法 |
JPH07136773A (ja) * | 1993-11-19 | 1995-05-30 | Honda Motor Co Ltd | アルミニウム材の抵抗溶接法 |
JP2008173666A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Nippon Steel Corp | 重ね抵抗溶接方法及び重ね溶接継手 |
JP2014188548A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Fuji Heavy Ind Ltd | 部材接合方法および部材接合構造 |
JP2014223669A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-12-04 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法 |
WO2017064817A1 (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 新日鐵住金株式会社 | スポット溶接継手およびスポット溶接方法 |
WO2018159770A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-07 | Jfeスチール株式会社 | 車体用構造体 |
-
2019
- 2019-03-20 JP JP2019053310A patent/JP7352060B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61216871A (ja) * | 1985-03-22 | 1986-09-26 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高張力薄鋼板の接続方法 |
JPH07136773A (ja) * | 1993-11-19 | 1995-05-30 | Honda Motor Co Ltd | アルミニウム材の抵抗溶接法 |
JP2008173666A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Nippon Steel Corp | 重ね抵抗溶接方法及び重ね溶接継手 |
JP2014188548A (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-06 | Fuji Heavy Ind Ltd | 部材接合方法および部材接合構造 |
JP2014223669A (ja) * | 2013-04-22 | 2014-12-04 | 新日鐵住金株式会社 | 高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法 |
WO2017064817A1 (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 新日鐵住金株式会社 | スポット溶接継手およびスポット溶接方法 |
WO2018159770A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-07 | Jfeスチール株式会社 | 車体用構造体 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
古迫 誠司、宮崎 康信: "インサート材を用いた高強度鋼鈑スポット溶接継手強度の向上", 溶接学会全国大会公演概要, vol. 第100 集, JPN6022036332, 2017, JP, pages 30 - 31, ISSN: 0005011456 * |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2023080076A1 (ja) * | 2021-11-02 | 2023-05-11 | ||
JP7364113B2 (ja) | 2021-11-02 | 2023-10-18 | Jfeスチール株式会社 | 抵抗スポット溶接部材およびその抵抗スポット溶接方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7352060B2 (ja) | 2023-09-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4968201B2 (ja) | レーザ溶接構造部材およびその製造方法 | |
US10919113B2 (en) | Laser lap-welded joint, method of manufacturing the same, and automobile framework component | |
JP6079466B2 (ja) | 高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法 | |
CN110431064B (zh) | 车身用结构体 | |
EP2716399B1 (en) | Method of manufacturing an automobile frame | |
JP6108017B2 (ja) | スポット溶接方法 | |
JP2017047476A (ja) | スポット溶接方法 | |
JP6379819B2 (ja) | 重ね溶接部材、重ね溶接部材の重ね抵抗シーム溶接方法及び重ね溶接部を備える自動車用重ね溶接部材 | |
WO2019225527A1 (ja) | 重ねレーザ溶接継手、重ねレーザ溶接継手の製造方法および自動車用骨格部品 | |
JP7352060B2 (ja) | 溶接構造体及びその製造方法 | |
WO2020105325A1 (ja) | 接合構造体及び接合構造体の製造方法 | |
EP3862123A1 (en) | Joined structure and method for manufacturing joined structure | |
WO2019230580A1 (ja) | スポット溶接継手、スポット溶接継手を備える自動車骨格部品、及びスポット溶接継手の製造方法 | |
JPWO2020059804A1 (ja) | テーラードブランク、テーラードブランクの製造方法、プレス成形品、及び、プレス成形品の製造方法 | |
CN114007796B (zh) | 点焊接头以及点焊接头的制造方法 | |
JP2005103608A (ja) | 高強度めっき鋼板をスポット溶接した継手の耐食性、引張強さおよび疲労強度向上方法 | |
JP3828855B2 (ja) | 超音波衝撃処理によるスポット溶接継手の引張強さ向上方法 | |
WO2024063011A1 (ja) | 溶接部材およびその製造方法 | |
JP7435935B1 (ja) | 溶接部材およびその製造方法 | |
WO2024063010A1 (ja) | 溶接部材およびその製造方法 | |
WO2024063009A1 (ja) | 溶接部材およびその製造方法 | |
WO2023080076A1 (ja) | 抵抗スポット溶接部材およびその抵抗スポット溶接方法 | |
JP7260761B2 (ja) | 抵抗スポット溶接継手の製造方法及び抵抗スポット溶接継手 | |
JP2019188407A (ja) | レーザ溶接継手及びレーザ溶接継手の製造方法 | |
Kapil | Aspects of Vaporizing Foil Actuator Welding for Practical Automotive Applications |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20190404 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211104 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221027 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230314 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230502 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230815 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230828 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7352060 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |