JP2014223669A - 高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法 - Google Patents

高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板の成形品にスポット溶接を行った場合でも、衝突時にこの成形品が、スポット溶接部のHAZ最軟化部において低歪みで破断することを防止する。
【解決手段】少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材1と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材1に重ねられてスポット溶接された第2の構造部材7とを備える重ね溶接部材である。重ね溶接部材は、スポット溶接により形成されたナゲット2と、重ね溶接部材の長手方向にナゲット2に隣接して少なくとも第1の構成部材側に設けられた軟化領域3とを有し、軟化領域3は、ナゲットの周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法に関する。
衝突安全性の向上と燃費の向上とを両立するため、自動車車体を構成するモノコックボディの骨格をなす構造部材(以下、「自動車用構造部材」という)への高強度鋼板の適用が拡大している。現在、自動車用構造部材には引張強度が980MPa級の高張力鋼板が用いられており、さらに、最近は引張強度が1180MPa級以上の高張力鋼板の適用も検討されている。また、プレス成形と同時に焼入れを行うホットスタンプ法を用いることにより引張強度が1500MPa以上の高強度の自動車用構造部材の製造も進められている。ホットスタンプ法によれば、鋼板が高温の軟質な状態でプレス成形を行うために成形後の寸法精度に関する問題の発生が少ないとともに、高温かつ高延性の状態でプレス成形を行うことができることから成形性に優れるという大きなメリットがある。
一般的に、自動車用構造部材は、これら鋼板の成形品をスポット溶接により他の成形品と溶接することにより構築される。しかし、1180MPa以上の高張力鋼板やホットスタンプ鋼板などの高強度鋼板の母材は、焼入れにより強化されているため、スポット溶接を行うとスポット溶接部の熱影響部(HAZ)が焼き戻しを受け、母材よりも軟化する。HAZの軟化(以下、「HAZ軟化」ともいう)は、例えば590MPa鋼板では殆ど問題にならなかったものの、980MPa鋼板では認められ、特に水冷機能を有する連続焼鈍設備(WQ−CAL)でマルテンサイト組織とされた1180MPa以上の高張力鋼板やホットスタンプ鋼板のスポット溶接部のHAZにおいて著しく発生する。例えば、1180MPa級の冷延鋼板では母材の硬度はビッカース硬さHv370から420程度であるのに対し、HAZの最軟化部の硬度はHv300程度にまで低下する。
図11は、高強度鋼板からなる部材(1500MPa級のホットスタンプ鋼板部材)のスポット溶接部の硬さ分布の一例を示すグラフである。
図11のグラフに示すように、1500MPa級のホットスタンプ材の場合には、母材はビッカース硬さHv450程度であるが、HAZの最軟化部はHv300程度となり、HAZの最軟化部は母材よりもHv150程度低下する。
図12は、図11に示すスポット溶接部の硬さ分布を有するホットスタンプ鋼板部材が、HAZ最軟化部を起点として破断した状況を示す説明図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は断面図である。
このようなHAZ軟化は、スポット溶接の継手評価である、引張せん断試験、および十字引張試験の結果には影響しないものの、スポット溶接部を含んだホットスタンプの部品のフランジ部全体に引張荷重が負荷されると、図12(a)および図12(b)に示すように、HAZ最軟化部に局所的にひずみが集中して破断することがある。このように、1180MPa以上の鋼板のプレス成形品におけるスポット溶接部のHAZ軟化は、衝突時にプレス成形品の破断の起点となることがある。
例えばAピラー,Bピラー,ルーフレール,サイドシルといった、閉じた横断面を有するとともにこの横断面を成すためにスポット溶接されるフランジを備える自動車車体の筒状の構造部材は、自動車の衝突時に破断することなく塑性変形することにより、衝撃エネルギーを効果的に吸収してキャビン内の乗客を保護することを求められる。しかしながら、厳しい衝突モードの場合、例えば、米国道路安全保険協会(IIHS)のSUV側面衝突試験の場合、高強度鋼板を用いたBピラーリンフォースは、Bピラーのフランジのスポット溶接部のHAZ最軟化部にひずみが集中して破断起点となってBピラーが衝突中に破断し、キャビン内へのBピラーの侵入量が大きくなり、目標とする衝突性能を得られなくなることがある。また、Euro NCAPのポール側突試験の場合、ルーフレールのフランジのスポット溶接部のHAZ最軟化部にひずみが集中して破断起点となってルーフレールが破断してしまうことにより目標とする衝突性能を得られなくなることがある。
このため、これら1180MPa以上の高強度鋼板の自動車車体への適用では、自動車用構造部材におけるフランジに形成されたスポット溶接部のHAZ最軟化部が衝突により破断起点とならない必要がある。
非特許文献1には、ホットスタンプ成形されるルーフレールにおける衝突による破断の危険がある部分を、ホットスタンプ成形時に行う熱処理によって母材の強度を低下することによって、スポット溶接を行われてもHAZ軟化を生じず、HAZ軟化部を起点とする自動車用構造部材の破断を防止する方法が開示されている。
非特許文献2には、ホットスタンプ成形品であるBピラーのフランジ部を高周波加熱による焼戻しによって母材の強度を低下させ、スポット溶接を行われてもHAZ軟化が生じず、HAZ軟化部を起点とする自動車用構造部材の破断を防止する方法が開示されている。
Tailored Properties for Press-hardened body parts Dr.Camilla Wastlund, Automotive Circle International, Insight edition 2011Ultra-high strength steels in car body lightweight design-current challenges and future potential Tempering of hot-formed steel using induction heating(http://publications.lib.chalmers.se/publication/144308)
非特許文献1により開示されるようにルーフレールからAピラーまで一体化された部品でルーフレールの部位を広い範囲で強度を調整する方法では、ルーフレールの比較的広い範囲に低強度部が不可避的に形成されることになり、高い強度が得られるというホットスタンプ成形部品のメリットを充分に享受することができず、軽量化の効果も限定的なものとなる。加えて、この方法では、焼入れ領域と未焼き入れ領域との間に不可避的に形成される比較的広い遷移領域において、強度特性がばらつき易く、部品の衝突性能にばらつきを生じる恐れがある。さらに、スポット溶接部を含む領域が軟化するため、スポット溶接継手の引張せん断強さが低下するおそれもある。
非特許文献2により開示されるように、ホットスタンプ成形後にBピラーのフランジを広範囲にわたり高周波加熱により焼き戻し軟化させる方法は、広範囲な焼き戻しにより発生する熱ひずみによってBピラーが変形し、Bピラーの寸法精度が低下する恐れがある。Bピラーのみならず、Aピラー,ルーフレールといったドアー開口部周りに配置される自動車用構造部材には、車体の建て付け精度を確保するために特に高い寸法精度が要求され、例えばドアーパネルとの間の隙間(パーティング)がドアーパネルの全周において均一になることが要求される。このため、ドアー開口部周りに配置される自動車用構造部材の寸法精度の低下は、自動車の外観品質を著しく損なう。また、フランジを広範囲に焼き戻すことにより、自動車用構造部材の強度が低下し、ホットスタンプ材の高強度な特性を享受できなくなる。さらに、スポット溶接部を含む領域が軟化するため、スポット溶接継手の引張せん断強さが低下するおそれもある。
また、Bピラーなどの自動車用構造部材の構造の設計段階において、Bピラーのフランジにおけるスポット溶接部のHAZ最軟化部が衝突時に破断するひずみに達することがないように、自動車用構造部材へのレインフォースメントの追加や、自動車用構造部材の板厚の増加などを行うことも考えられる。しかしながら、この方法では、部品点数や板厚の増加による自動車車体のコスト上昇や自動車車体の重量増加が避けられない。
以上の説明では、溶接がスポット溶接である場合を例にとったが、溶接がレーザ溶接やアーク溶接といったスポット溶接以外の他の溶接である場合においても事情は同じである。
本発明は、従来の技術が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板またはその成形品に溶接(代表的にはスポット溶接)を行った場合でも、衝突時に溶接部のHAZ最軟化部が起点となって低歪みで破断することを防止できる高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に列記の通りである。
(1)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、この重ね溶接部材は、溶接により形成された溶接金属と、重ね溶接部材の長手方向に溶接金属に隣接して少なくとも第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、軟化領域は、溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていることを特徴とする重ね溶接部材。本明細書では第1の重ね溶接部材ともいう。
(2)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、この重ね溶接部材は、溶接により重ね溶接部材の長手方向に複数形成された溶接金属と、複数の溶接金属のうち少なくとも一対の隣接する2つの溶接金属の間で少なくとも第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、軟化領域は、2つの溶接金属それぞれの周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていることを特徴とする重ね溶接部材。本明細書では第2の重ね溶接部材ともいう。
(3)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、この重ね溶接部材は、溶接により形成された1つ以上の溶接金属と、溶接金属のうち少なくとも1つの溶接金属において、重ね溶接部材の長手方向の両隣りに隣接してこれを挟むように第1の構成部材側に設けられた2つの軟化領域とを有し、軟化領域は、溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていることを特徴とする重ね溶接部材。本明細書では第3の重ね溶接部材ともいう。
(4)第1の構成部材または第2の構成部材と重ね合わされて溶接された鋼板またはその成形体である第3の構成部材を備える(1)項から(3)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(5)軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、引張強度が1180MPa以上の鋼板のビッカース硬さをB(Hv)とするとともにHAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、(1)式:A≦B−50、および(2)式:C−120≦A≦C+50を満足する(1)項から(4)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(6)軟化領域は溶接金属の端から長手方向へ2.0mm以上離れて形成され、長手方向への軟化領域の長さが10mm以上50mm以下であるとともに、長手方向と直交する方向への軟化領域の長さは、長手方向と直交する方向の前記溶接金属の最大長さの1〜4倍である(1)項から(5)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(7)軟化領域はレーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより形成される(1)項から(6)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
(8)(1)項から(7)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材を構造部材として備えることを特徴とする自動車。
(9)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、第1の構成部材に部分的に少なくとも1つの軟化領域を設ける第1の工程と、該軟化領域を形成された第1の構成部材と第2の構成部材とを重ね合わせ、重ね溶接部材の長手方向に少なくとも軟化領域に隣接する部位で溶接し、この溶接により形成される溶接金属の周囲のHAZ最軟化部が軟化領域にかからないように溶接金属を形成する第2の工程とを備えることを特徴とする重ね溶接部材の製造方法。本明細書では第1の製造方法ともいう。
(10)前記第2の工程において、前記第1の構成部材と、前記第2の構成部材と、これらとは他の鋼板またはその成形体である第3の構成部材とを重ね合わせて溶接する請求項9に記載された重ね溶接部材の製造方法。
(11)少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、第1の構成部材と第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する第1の工程と、この重ね溶接部材の長手方向に第1の工程の溶接により形成される溶接金属に隣接して少なくとも第1の構成部材側に、溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように軟化領域を設ける第2の工程とを備えることを特徴とする重ね溶接部材の製造方法。本明細書では第2の製造方法ともいう。
(12)軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、引張強度が1180MPa以上の鋼板のビッカース硬さをB(Hv)とするとともにHAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に(1)式:A≦B−50、および(2)式:C−120≦A≦C+50を満足する(9)項から(11)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
(13)軟化領域は、2つの溶接部それぞれにおける溶接金属の端から長手方向へ2.0mm以上離れて設けられ、長手方向への軟化領域の長さは10mm以上50mm以下であるとともに、長手方向と直交する方向への軟化領域の長さは、長手方向と直交する方向の前記溶接金属の最大長さの1〜4倍である(9)項から(12)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
(14)軟化領域をレーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより設ける(9)項から(13)項までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
本発明により、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板またはその成形品の組立てに溶接を用いた場合でも、衝突時に溶接部のHAZ最軟化部が低歪みで破断することを抑制できるようになる。これにより、例えば衝突時の乗員保護性能に優れ、高強度で形状精度の高い自動車用構造部材を提供できるようになる。
図1(a),図1(b)は、Bピラーに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況を示し、図1(a)はBピラーをサイドパネルアウタ側から透視したBピラーリンフォースの斜視図であり、図1(b)はBピラーのA−A断面図である。 図2(a),図2(b)は、ルーフレールに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況であって、図2(a)はルーフレールをルーフレールインナ側から透視したルーフレールアウタリンフォースの斜視図であり、図2(b)はルーフレールのB−B断面図である。 図3(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板の成形体である第1の構成部材におけるスポット溶接部と軟化領域との関係を概念的に示す説明図であり、図3(b)は図3(a)中の測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図4(a)は、本発明の効果を示すグラフであり、1500MPa級のホットスタンプ材のスポット溶接されたフランジを模擬した引張試験片に引張荷重を与えた場合の、応力−伸び線図(応力:荷重/試験片断面積 伸び:評点間距離50mmで評価)であり、図4(b)は、比較例の引張試験片を示す説明図であり、図4(c)は本発明例(第3の重ね溶接部材)の引張試験片を示す説明図である。 図5(a)〜図5(e)は、高強度鋼板である第1の構成部材におけるスポット溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図である。 図6(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板の成形体である第1の構成部材におけるC字状レーザ溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図であり、図6(b)は、図6(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図7(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板の成形体である第1の構成部材におけるリング状レーザ溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図であり、図7(b)は、図7(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図8(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板の成形体である第1の構成部材における円状レーザ溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図であり、図8(b)は、図8(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図9(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板の成形体である第1の構成部材における円状アーク溶接部と軟化領域の関係を概念的に示す説明図であり、図9(b)は、図9(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材の硬さの測定結果を示すグラフである。 図10は、本実施例で用いた試験片の形状を示す説明図である。 図11は、高強度鋼板からなる部材(1500MPa級のホットスタンプ鋼板部材)のスポット溶接部の硬さ分布の一例を示すグラフである。 図12は、図11に示すスポット溶接部の硬さ分布を有するホットスタンプ鋼板部材が、HAZ最軟化部を起点として破断した状況を示す説明図であり、図12(a)は上面図、図12(b)は断面図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明では、溶接がスポット溶接である場合を例にとる。
本発明は、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚含む2枚以上の鋼板の重ね合わせ部を溶接する高強度鋼板の重ね溶接部材およびその製造方法に関するので、これらを順次説明する。
1.重ね溶接部材
本発明に係る重ね溶接部材1は、以下に説明する第1の重ね溶接部材、第2の重ね溶接部材または第3の重ね溶接部材として把握されるので、これらを、図1(a)、図1(b)に示されるBピラーの例を参照しながら、順次説明する。
図1(a),図1(b)は、Bピラーに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況を示し、図1(a)はBピラーをサイドパネルアウタ側から透視したBピラーリンフォースの斜視図であり、図1(b)はBピラーのA−A断面図である。
[第1の重ね溶接部材]
第1の重ね溶接部材は、少なくとも,第1の構成部材1と第2の構成部材7とを備える。第1の重ね溶接部材を構成する鋼板の重ね枚数は2枚もしくは3枚である。3枚重ねの場合は、第1の構成部材1および第2の構成部材7に加え、さらにこれらに重ねあわされて溶接される第3の構成部材11を備える。
第1の構成部材1は、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体(以下、成形体の場合も含めて、鋼板と称する。)である。第2の構成部材7および第3の構成部材11は、それぞれ第1の構成部材1とは別の、他の鋼板である。2枚重ね構造であれば、第2の構成部材7と第1の構成部材1とが重ねあわされてスポット溶接される。図1のように3枚重ね構造であれば、第2の構成部材7および第3の構成部材11は、第1の構成部材1に重ねられてスポット溶接される。
このように、第1の重ね溶接部材は、第1の構成部材1および第2の構成部材7が(3枚重ね構造の場合はさらに第3の構造部材11が)部分的に重ね合わされ、重ね合わせ部がスポット溶接されることにより、組み立てられた構造を有している。
第1の重ね溶接部材において、第1の構成部材1は、スポット溶接により形成されたナゲット2と軟化領域3とを有する。軟化領域3は、第1の重ね溶接部材の長手方向にナゲット2に隣接して少なくとも第1の構成部材1側に設けられる。軟化領域3は、ナゲット2の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられる。
第1の構成部材1を構成する鋼板は、連続焼鈍設備でマルテンサイトを含む焼入れ組織とした高張力鋼板や、ホットスタンプ用の鋼板をオーステナイト温度以上に加熱し、水冷金型で成形しながら焼入れることにより強度を高めたホットスタンプ鋼板が例示される。
スポット溶接部2の破断は、部材の強度を主として担う第1の構成部材1がマルテンサイト組織の割合が多い引張強度が高い鋼板であるほど発生し易い傾向にある。したがって、第1の構成部材1がたとえばホットスタンプなどにより1500MPa級以上の引張強度を有する場合に、本発明は特に大きな効果を発揮する。第1の構成部材1を構成する鋼板の引張強度の上限には特に制限はないが、2000MPaとすることが望ましい。
第1の構成部材1,第2の構成部材7および第3の構成部材11を構成する鋼板の板厚の範囲も、通常の自動車強度部材用途に使用される、0.6mm〜2.6mm程度では十分適用可能である。
例えば、本発明をBピラーに適用する場合は、サイドパネルアウタ(第3の構成部材11)として板厚0.7mmの270MPa級合金化溶融亜鉛めっき鋼板と、リンフォース(第1の構成部材1)として板厚1.8mmの1500MPa級ホットスタンプ鋼板もしくは板厚1.6mmの1800MPa級ホットスタンプ鋼板と、インナ(第2の構成部材7)として板厚1.2mmの440MPa級冷延鋼板との3枚重ね構造であることが例示される。
また、本発明をルーフレールに適用する場合は、サイドパネルアウタとして板厚0.7mmの270MPa級合金化溶融亜鉛めっき鋼板と、リンフォースとして板厚1.2mmの1500MPa級ホットスタンプ鋼板と、インナとして板厚1.4mmの590MPa級冷延鋼板との3枚重ね構造であることが例示される。
本発明をバンパーリンフォースに適用する場合は、リンフォースアウタ(第1の構成部材)として板厚1.4mmの1800MPa級ホットスタンプ鋼板と、リンフォースインナ(第2の構成部材)として板厚1.4mmの590MPa級冷延鋼板との2枚重ね構造であることが例示される。
これらの例では、第1の構成部材1のみが1180MPa級以上の高強度鋼板であったが、第2の構成部材7または第3の構成部材11が1180MPa級以上の高強度鋼板であってもよい。重ね合わされる第2の構成部材7が1180MPa級以上の高強度鋼板の場合、衝突時に重ね合わされる第2の構成部材7のスポット溶接部のHAZ最軟化部での破断が予想されるケースでは、第2の構成部材7についても部分的に軟化領域3を形成すればよい。逆に衝突時に第2の構成部材7のスポット溶接のHAZ最軟化部での破断が発生しないと予想されるケースでは、第2の構成部材7については軟化領域3を形成する必要はない。
第1の構成部材1の鋼板の表面は、非めっきでもよいし、めっきがされていてもよい。用いられるめっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛系合金めっき鋼板(たとえばZn−Ni合金電気めっき鋼板)、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウムめっき鋼板、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板などが例示される。またこれらがホットスタンプされた鋼板であってもよい。
スポット溶接により第1の構成部材1と第2の構成部材7の界面に形成されるナゲット2のナゲット径は、4√t以上7√t以下(t:重ね面の薄い側の板厚(mm))であることが望ましい。3枚重ね構造であれば、第1の構成部材1と第3の構成部材11の界面においても同様である。
[第2の重ね溶接部材]
第2,3の重ね溶接部材の以降の説明では、上述した第1の重ね溶接部材と相違する部分を説明し、共通する部分については重複する説明を適宜省略する。
第2の重ね溶接部材は、複数のナゲット2と軟化領域3とを有する。複数のナゲット2は、スポット溶接により重ね溶接部材の長手方向に複数並んでされる。スポット溶接のピッチ、すなわち隣接するナゲット2の間の距離は、例えば20〜100mm程度であるが、これに限定されるものではなく、製品の仕様に応じて適宜設定すればよい。
軟化領域3は、複数のナゲット2のうち少なくとも一対の隣接する2つのナゲット2,2の間で少なくとも第1の構成部材1側に設けられる。軟化領域3は、2つのナゲット2,2それぞれの周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられる。
[第3の重ね溶接部材]
第3の重ね溶接部材は、スポット溶接により形成された1つ以上のナゲット2と2つの軟化領域3,3とを有する。2つの軟化領域3は、ナゲット2のうち少なくとも1つのナゲット2において、重ね溶接部材の長手方向の両隣りに隣接してナゲット2を挟むように第1の構成部材1側にいずれも設けられる。2つの軟化領域3は、いずれも、ナゲット2の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられている。
第1の重ね溶接部材〜第3の重ね溶接部材における軟化領域3のビッカース硬さA(Hv)は、第1の構成部材1の母材のビッカース硬さをB(Hv)とするとともにHAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、(1)式:A≦B−50、および(2)式:C−120≦A≦C+50を満足することが望ましい。すなわち、スポット溶接部2のHAZ最軟化部への歪み集中を確実に抑制するためにはA≦B−50であることが望ましい。また、第1の構成部材1の母材の硬さ低下による第1の重ね溶接部材〜第3の重ね溶接部材の強度低下を防止するためには、C−120≦Aであることが望ましく、スポット溶接部2のHAZ最軟化部への歪み集中を抑制するにはA≦C+50であることが望ましい。
第1の重ね溶接部材〜第3の重ね溶接部材における軟化領域3は、スポット溶接部2の打点の間に配置された軟化領域3がナゲット2の端から2.0mm以上離れて形成されることが望ましい。軟化領域3がナゲット2に近過ぎると、引張せん断強さが低下するためである。
後述する図2(a)により示すように、第1の重ね溶接部材〜第3の重ね溶接部材の長手方向への軟化領域3の長さは10mm以上50mm以下であるとともに、長手方向と直交する方向への軟化領域の長さ(幅)はナゲット2のナゲット径の1〜4倍であることが望ましい。軟化領域3の長さが10mm未満では、十分な歪み吸収領域とはいえず、50mmを越える軟化領域3を形成すると歪みが大きくなるためである。また、軟化領域3の幅は、ナゲット径より小さいと十分な歪み吸収ができず、ナゲット径の4倍を超えると軟化時の熱歪みの影響が大きくなるとともに、自動車用構造部品の強度の低下が大きくなるためである。
ここで、ナゲット径は2枚の鋼板を重ねた界面における溶融凝固部の径の値とする。なお、3枚以上の複数の重ね合わせの場合に、第1の構成部材1の鋼板との重ね界面の溶融凝固部のうち、径が大きい側の溶融凝固部の値をナゲット径とする。
また、前述したように、溶接は必ずしもスポット溶接である必要はない。このような場合も含めて、長手方向と直交する方向への軟化領域の長さ(幅)は、溶接金属(溶融凝固部)の長手方向と直交する方向の最大長さの1〜4倍であるのが望ましい。
さらに、第1の重ね溶接部材〜第3の重ね溶接部材における軟化領域3は、レーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより形成されることが望ましい。
次に、具体的な態様例として、Bピラーおよびルーフレールでの適用例について、それぞれ図1(a)および(b)、図2(a)および図2(b)を参照してさらに説明する。
図1(a),図1(b)は、Bピラーに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況を示す説明図であって、図1(a)はBピラーをサイドパネルアウタ側から透視したBピラーリンフォースの斜視図であり、図1(b)はBピラーのA−A断面図である。
Bピラー0においては、第1の構成部材であるBピラーリンフォース1と、第2の構成部材であるインナ材7と、第3の構成部材であるサイドパネルアウタ材11とが重ね合わされて、フランジ部(Bピラーリンフォース1においてはフランジ1a)に断続的に複数のスポット溶接部2が形成されている。この例では、Bピラーリンフォース1の上部では、スポット溶接部2の間に軟化領域3が形成され、Bピラーリンフォース1の下部では、同様にスポット溶接部2の間に軟化領域3が形成され、Bピラーの高さ方向中間部では、スポット溶接部2の間には軟化領域3が形成されていない。
上部の軟化領域3の形成は、衝突時にBピラー0の上部でのスポット溶接部のHAZ最軟化部での破断による折れを防止し、下部の軟化領域3の形成は、衝突での大変形領域でのスポット溶接のHAZ最軟化部での破断を防止する。HAZ最軟化部が破断するひずみに達しない、Bピラーリンフォース1のフランジ1aの高さ方向中央部には、軟化領域を形成しない。このように、軟化領域3の形成は、衝突時のスポット溶接部2のHAZ最軟化部を起点とする破断を防止するために、必要最小限であればよい。
このように、Bピラー0のフランジ部では、Bピラー0の高さ方向位置に応じて、一つのスポット溶接部2に隣接して一つの軟化領域3が形成され(第1の重ね溶接部材)、隣接する二つのスポット溶接部2の間に一つの軟化領域3が形成され(第2の重ね溶接部材)、さらに、一つのスポット溶接部2の両隣に隣接して二つの軟化領域3が形成されている(第3の重ね溶接部材)といえる。
なお、図1の例では、Bピラーリンフォース1の内側に第4の構成部材であるヒンジリンフォース15(例えば980MPa級冷延鋼板)が重ねあわされて、互いの溝底部で2枚重ね溶接されている。
図2(a),図2(b)は、ルーフレールに本発明に係る第1〜3の重ね溶接部材を適用した状況を示す説明図であって、図2(a)はルーフレールをルーフレールインナ側から透視したルーフレールアウタリンフォースの斜視図であり、図2(b)はルーフレールのB−B断面図である。
ルーフレール00においては、第3の構成部材であるサイドパネルアウタ5、第1の構成部材であるルーフレールアウタ4、および第2の構成部材であるルーフレールインナ12が重ね合わされて、フランジ部(ルーフレールアウタ4では4a)に断続的に複数のスポット溶接部2が形成されている。ルーフレールアウタ4のスポット溶接部2の間に局所的な軟化領域3が形成されている。これにより、ルーフレールアウタ4の強度を極力下げることなく、スポット溶接のHAZ最軟化部での破断を抑制することができる。なお、図2(a)における符号6はAピラーを示す。
このように、ルーフレール00のフランジ部では、ルーフレール00の長手位置に応じて、一つのスポット溶接部2に隣接して一つの軟化領域3が形成され(第1の重ね溶接部材)、隣接する二つのスポット溶接部2の間に一つの軟化領域3が形成され(第2の重ね溶接部材)、さらに、一つのスポット溶接部2の両隣に隣接して二つの軟化領域3が形成されている(第3の重ね溶接部材)といえる。
次に、本発明における軟化領域3の技術的意義を説明する。
図3(a)は、低強度鋼板の成形体である第2の構成部材7に接合される第1の構成部材1のフランジ1aの近傍の一例を模式的に示す説明図であり、図3(b)はスポット溶接部2および軟化領域3の近傍における断面の硬さ分布の一例を示すグラフである。なお、図3(b)における硬さは、図3(a)に示す破線の位置(第1の構成部材1の板厚中央位置)の測定値である。
図3(a)に示すように、1500MPa級冷延鋼板の成形品(第1の構成部材)1が、フランジ1aを介して、440MPa級鋼板の成形品7(第2の構成部材)と重ね合わされ、フランジ1aの延設方向へ断続的にスポット溶接部2が形成され(図3(a)では一つのスポット溶接部2を示す)、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2に隣接して軟化領域3が形成されている。
図3(b)のグラフに示すように、スポット溶接部2の周囲には、硬さが300Hv程度に低下するHAZ最軟化部が形成されているが、硬さが300Hv程度に低下する軟化領域3が、HAZ最軟化部にかからないように設けられている。
図4(a)は、本発明の効果を示すグラフであり、図3(a)に示すような1500MPa級のホットスタンプ材に440MPa級冷延鋼板がスポット溶接された部材のフランジを模擬した引張試験片に引張荷重を与えた場合の応力−歪み線図であり、図4(b)は、比較例の引張試験片を示す説明図であり、図4(c)は本発明例の引張試験片(第3の重ね溶接部材)を示す説明図である。
図4(c)に示す引張試験片、すなわち1500MPa級の鋼板(第1の構成部材)1が440MPa級の鋼板(第2の構成部材)7と重ね合わされスポット溶接部2が形成され、さらに非常に狭い範囲の軟化領域3(幅10mm,長さ15mm)がスポット溶接部2を挟んで第1の構成部材1に設けられた引張試験片では、図4(b)のような軟化領域を設けない引張試験片と比較して、図4(a)に示すように、引張荷重に対して破断の発生する歪み量が格段に増加し、吸収エネルギーが大きくなっていた。これは、試験片(すなわち重ね構造部材)に引張荷重が負荷されたときに、スポット溶接のHAZ最軟化部にのみ局所的にひずみが集中することが抑制されたため、スポット溶接部2においてHAZ最軟化部が存在していても、図4(a)のグラフに示すように、重ね溶接部材が破断する変形量が向上したものである。このような機構により、HAZ最軟化部が起点となる少ない歪みでの破断が抑制される。
また、高強度鋼板の断続的なスポット溶接部2の間の所定の範囲のみを軟化させて軟化領域3を形成するため、従来のフランジ1aを広範囲に焼き戻す手法や、重ね溶接部材の広い範囲に軟化領域を形成する手法に比べて、熱歪みによる部品の変形が極めて小さい。そのため、Bピラー,ルーフレール,Aピラーなどの高い形状精度を要求される自動車用構造部材への適用に適する。加えて、軟化領域3がスポット溶接部2の間の局所的な部分であるため、重ね溶接部材の強度低下が小さく、ホットスタンプ材など高強度材の材料特性を十分に生かすことができる。
このようにして、図1(a)〜図1(d)に示すように、側面衝突でキャビン内の乗員を保護する重要部材であるBピラー,ルーフレール,サイドシルなどの、キャビンを取り囲んで配置される自動車用構造部材に本発明を適用することにより、これらの自動車用構造部材のスポット溶接部のHAZ最軟化部での破断を抑制でき、側面衝突時に対する安全性を高めることができる。さらに、パーリンフォース,ドアビーム,フロアメンバー,フロントサイドメンバー,リアサイドメンバーへも本発明を適用することにより、これらの部品の強度特性を高めることができる。
軟化領域は、図5に示すように種々の形態をとりうる。図5(a)〜図5(e)は、高強度鋼板である第1の構成部材1におけるスポット溶接部2と軟化領域3の関係を概念的に示す説明図である。
図5(a)は、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2の間で、スポット溶接部2と一直線上に軟化領域3が形成されたものである。
図5(b)は、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2の間で、スポット溶接部2よりも第1の構成部材1の端面1b側に軟化領域3が形成されたものである。
図5(c)は、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2の間で、曲げR部1c側にまで軟化領域3の一部が形成されたものである
図5(d)は、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2の間で、第1の構成部材1の端面1b側にまで軟化領域3が広がって形成されたものである。
さらに、図5(e)は、第1の構成部材1のフランジ1aのスポット溶接部2の間で、軟化領域3が楕円状に形成されたものである。
2.重ね溶接部材の製造方法
本発明において重ね溶接部材を製造するには2つの方法がある。すなわち、(1)軟化領域を形成した後にスポット溶接する第1の製造方法と、(2)スポット溶接した後に軟化領域を形成する第2の製造方法である。以下、これらの重ね溶接方法の製造方法を説明する。
なお、以下の説明は、主として2枚重ね構造についてのものであるが、3枚重ね構造でも同様である。また、図1に示すような、重ね溶接部材の長手方向に複数の溶接部および軟化領域が形成される部材を想定して説明する。
(1)軟化領域を形成した後にスポット溶接する第1の製造方法
第1の工程で引張強度が1180MPa以上の第1の構成部材1の母材に部分的に軟化領域3を形成し、他の鋼板(第2の構成部材)と重ね合わせ、第2の工程で軟化領域3の外側の母材部にて軟化領域3に隣接する部位にスポット溶接を行うことによりナゲット2を形成する。
まず、第1の工程では、スポット溶接により断続的にナゲット2の形成が予定されている部分の間に、例えば略矩形状の軟化領域3を形成する。すなわち、スポット溶接前に、スポット溶接予定位置の間に部分的な軟化領域3を形成し、第2の工程でスポット溶接する。
スポット溶接の溶接条件には特に制限はなく、少なくとも対象となる鋼板の重ね合わせ界面にナゲット径が4√t以上7√t以下(t:重ね面の薄い側の板厚(mm))となるナゲット2が形成されるように適宜決定すればよい。例えば、単相交流スポット溶接機もしくはインバータ直流スポット溶接機を用い、溶接電極の先端直径を6〜8mmの範囲とし、先端の曲率半径Rを例えば40mmとし、加圧力を2.5〜6.0kNの範囲とし、溶接電流の電流値を7〜11kAの範囲とし、通電時間を10/60〜40/60秒の範囲とすればよい。スポット溶接条件は例示した条件に限定されるものではなく、鋼種や板厚などに応じて適宜調整すればよいことは言うまでもない。
軟化領域3の形成方法は、高周波加熱もしくはレーザビームを用いた加熱による、焼き戻しが挙げられる。好適にはレーザビームによる加熱が望ましい。レーザビームは、エネルギーが安定しているためである。レーザビームとしては、ディスクレーザ,ファイバーレーザ,ダイレクトダイオードレーザ,YAGレーザ,炭酸ガスレーザを用い、ビーム径5〜25mmの範囲とし、出力1〜10kWの範囲とし、溶接速度1〜20m/minの範囲とすることが例示される。さらに好適には、矩形集光が可能で矩形状のエネルギー分布をもつダイレクトダイオードレーザの適用が望ましい。
レーザビームによる焼き戻しによれば、レーザ照射は比較的短時間なので、鋼板表面は若干酸化するものの、スポット溶接性を低下させることは通常認められない。しかし、必要に応じて、アルゴン、窒素、炭酸ガス、ヘリウムなどの不活性のシールドガスを用いればよい。レーザビームの照射条件は、例示した条件には限定されず、前述した所定の軟化領域が得られる照射条件であればよい。
第2の工程では、第1の構成部材1は、第2の構成部材と重ね合わされ、スポット溶接によりナゲット2を形成することにより第2の構成部材と接合される。
第2の構成部材が1180MPa級以上の高強度鋼板である場合など、衝突時に第2の構成部材のスポット溶接部のHAZ最軟化部での破断が予想されるケースでは、第2の構成部材についても、前述の第1の工程での説明と同様に、予め部分的に軟化領域3を形成すればよい。
以上の説明は、重ね枚数が2枚の場合を例にとったが、重ね枚数が3枚の場合、すなわち例えば図1に示すように、第2の構成部材7と第3の構成部材11との間に第1の構成部材1を配置する構造の場合には、第2の工程でさらに第3の構成部材を重ね合わせスポット溶接を行うようにしてもよい。
また、第1、2の構成部材1,7をいずれも引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板により構成するとともに第3の構成部材11を引張強度が例えば270〜980MPa級の鋼板により構成する場合には、第1、2の構成部材1,7をまず重ね合わせてスポット溶接し、続いて第1の構成部材1または第2の構成部材7の一方または双方に軟化領域3を形成してから(軟化領域3は必要性に応じて一方または双方に形成するかを判断する)、第1の構成部材1に第3の構成部材11を重ねてスポット溶接するようにしてもよい。
(2)スポット溶接した後に軟化領域3を形成する第2の方法
第1の工程では、引張強度が1180MPa以上の第1の構成部材1が第2の構成部材7と重ね合わされ、スポット溶接により断続的にナゲット2を形成することにより第2の構成部材と接合される。第2の工程では、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板のスポット溶接されたナゲット2に軟化領域3を形成する。
軟化領域3のサイズ,硬さ,形成方法などは、前記の(1)軟化領域を形成した後にスポット溶接する第1の製造方法と同じである。
以上説明した本発明に係る重ね溶接構造は、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板を含む自動車用構造部材への適用に適する。例えば、Bピラー,Aピラー,ルーフレール,サイドシル,バンパーリンフォース,ドアビーム,フロアメンバー,フロントサイドメンバー,リアサイドメンバーなどへ適用可能である。
以上の説明では、溶接がスポット溶接である場合を例にとったが、本発明はスポット溶接に限定されるものではなく、レーザ溶接やアーク溶接といったスポット溶接以外の他の溶接についても等しく適用される。
図6(a)〜図9(a)は、いずれも、低強度鋼板の成形品である第2の構成部材7とともに重ね溶接部材を構成する、高強度鋼板(1500MPa級ホットスタンプ鋼板)の成形品である第1の構成部材1における各種の溶接部2−1〜2−4と軟化領域3の関係を概念的に示す説明図であり、図6(b)〜図9(b)は、それぞれ図6(a)〜図9(a)中の断面図における硬さ測定位置Cにおける第1の構成部材1の硬さの測定結果を示すグラフである。
図6(a)は、第1の構成部材1のフランジ1aにC字状レーザ溶接部2−1を形成し、隣接するC字状レーザ溶接部2−1,2−1の間それぞれに、C字状レーザ溶接部2−1と一直線上に軟化領域3が2つ形成されたものである。
図7(a)は、第1の構成部材1のフランジ1aにリング状レーザ溶接部2−2を形成し、隣接するリング状レーザ溶接部2−2,2−2の間それぞれに、リング状レーザ溶接部2−2と一直線上に軟化領域3が2つ形成されたものである。
図8(a)は、第1の構成部材1のフランジ1aに円状レーザ溶接部2−3を形成し、隣接する円状レーザ溶接部2−3,2−3の間それぞれに、円状レーザ溶接部2−3と一直線上に軟化領域3が2つ形成されたものである。
さらに、図9(a)は、第1の構成部材1のフランジ1aに円状アーク溶接部2−4を形成し、隣接する円状アーク溶接部2−4,2−4の間それぞれに、円状アーク溶接部2−4と一直線上に軟化領域3が2つ形成されたものである。
本発明を、実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
供試材の化学成分を表1に示す。表1の単位は質量%であり、表1に示される以外の残部はFeおよび不順物である。
表1における供試材SQ1500は、非めっきの冷延鋼板をホットスタンプして得た引張強度1500MPa級のホットスタンプ鋼板であり、供試材SQZ1500は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプして得た引張強度1500MPa級ホットスタンプ鋼板であり、供試材SQ1800は、非めっきの冷延鋼板をホットスタンプして得た引張強度1800MPa級ホットスタンプ鋼板であり、供試材JSC1270は、非めっきの引張強度1270MPa級の冷延鋼板である。また、表1における供試材JSC440は、非めっきの440MPa級鋼板である。
レーザビームを照射して略矩形状の軟化領域を形成し、その後スポット溶接し、試験片とした。
図10は、本実施例で用いた試験片8の形状を示す説明図である。
試験片8は、供試材9である鋼板にレーザを照射し焼き戻しをした。レーザ照射には、ダイレクトレーザを用い、ビームサイズ1.2×6mm〜24mmとし、速度2.0〜4.0m/min、シールドガス:アルゴン20l/minとした。軟化領域3をコントロールするため、出力を1.5kW〜4kWの範囲で変化させた。
次に供試材である鋼板10を、図10に示すように重ね合わせ、重ね合わせ部で、スポット溶接を行ってスポット溶接部2,2を形成した。スポット溶接は、単相交流スポット溶接機を用い、DR型電極(先端の直径6mm,曲率半径40mm)を用い、加圧力:400kgf,通電時間20cyc,電流値:ナゲット径6.0mmが得られる電流値である。母材のビッカース硬さは、SQ1500:470、SQZ1500:470、SQ1800:560、SPC1270:420である。またスポット溶接のHAZの最軟化部のビッカース硬さはSQ1500:290、SQZ1500:290、SQ1800:390、SPC1270:280である。
次に、各試験片8で引張試験を実施した。引張試験は評点間距離50mmとし、引張速度3mm/min一定とした。破断までのひずみ(評点間隔50mmとし、鋼板にクラックが入りチャート上で急激に荷重が低下するひずみ)が3%未満の場合を×とし、3%以上3.5%未満を△とし、3.5%以上4%未満を□とし、4%以上のものを○とした。試験結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明例では、破断ひずみが4.0%以上であるのに対し、比較例ではスポット溶接のHAZ最軟化部で小さいひずみで破断し、破断ひずみはいずれも3.5%未満であった。
0 Bピラー/重ね溶接部材
00 ルーフレール/重ね溶接部材
1 Bピラーリンフォース/第1の構成部材
1a フランジ
1b 端面
1c 曲げR部
2 スポット溶接部/ナゲット(溶接金属)
2−1 C字状レーザ溶接部(溶接金属)
2−2 リング状レーザ溶接部(溶接金属)
2−3 円状レーザ溶接部(溶接金属)
2−4 円状アーク溶接部(溶接金属)
3 軟化領域
4 ルーフレールアウタ/第1の構成部材
4a フランジ
5、11 サイドパネルアウタ/第3の構成部材
6 Aピラー
7 Bピラーインナ/第2の構成部材
8 試験片
9,10 供試材
12 ルーフレールインナ/第2の構成部材
15 ヒンジリンフォース/第4の構成部材

Claims (14)

  1. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって前記第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、
    当該重ね溶接部材は、前記溶接により形成された溶接金属と、当該重ね溶接部材の長手方向に前記溶接金属に隣接して少なくとも前記第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、
    前記軟化領域は、前記溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていること
    を特徴とする重ね溶接部材。
  2. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって前記第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、
    当該重ね溶接部材は、前記溶接により当該重ね溶接部材の長手方向に複数形成された溶接金属と、前記複数の溶接金属のうち少なくとも一対の隣接する2つの溶接金属の間で少なくとも第1の構成部材側に設けられた軟化領域とを有し、
    前記軟化領域は、前記2つの溶接金属それぞれの周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていること
    を特徴とする重ね溶接部材。
  3. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と、他の鋼板またはその成形体であって前記第1の構成部材に重ねられて溶接された第2の構成部材とを備える重ね溶接部材であって、
    当該重ね溶接部材は、前記溶接により形成された1つ以上の溶接金属と、前記溶接金属のうち少なくとも1つの溶接金属において、前記重ね溶接部材の長手方向の両隣りに隣接してこれを挟むように第1の構成部材側に設けられた2つの軟化領域とを有し、
    前記軟化領域は、前記溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように設けられていること
    を特徴とする重ね溶接部材。
  4. 前記第1の構成部材または前記第2の構成部材と重ね合わされて溶接された鋼板またはその成形体である第3の構成部材を備える請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
  5. 前記軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、前記引張強度が1180MPa以上の鋼板のビッカース硬さをB(Hv)とするとともに前記HAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に、下記(1)式および(2)式を満足する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
    A≦B−50 ・・・・・(1)
    C−120≦A≦C+50 ・・・・・(2)
  6. 前記軟化領域は前記溶接金属の端から前記長手方向へ2.0mm以上離れて形成され、前記長手方向への前記軟化領域の長さが10mm以上50mm以下であるとともに、前記長手方向と直交する方向への前記軟化領域の長さは、長手方向と直交する方向の前記溶接金属の最大長さの1〜4倍である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
  7. 前記軟化領域はレーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより形成される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材を構造部材として備えることを特徴とする自動車。
  9. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、
    前記第1の構成部材に部分的に少なくとも1つの軟化領域を設ける第1の工程と、
    該軟化領域を形成された該第1の構成部材と前記第2の構成部材とを重ね合わせ、前記重ね溶接部材の長手方向に少なくとも前記軟化領域に隣接する部位で溶接し、当該溶接により形成される溶接金属の周囲のHAZ最軟化部が前記軟化領域にかからないように前記溶接金属を形成する第2の工程とを備えること
    を特徴とする重ね溶接部材の製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記第1の構成部材と、前記第2の構成部材と、これらとは他の鋼板またはその成形体である第3の構成部材とを重ね合わせて溶接する請求項9に記載された重ね溶接部材の製造方法。
  11. 少なくとも、引張強度が1180MPa以上の鋼板またはその成形体である第1の構成部材と他の鋼板またはその成形体である第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する重ね溶接部材の製造方法であって、
    前記第1の構成部材と前記第2の構成部材とを重ね合わせて溶接する第1の工程と、
    当該重ね溶接部材の長手方向に前記第1の工程の前記溶接により形成される溶接金属に隣接して少なくとも前記第1の構成部材側に、前記溶接金属の周囲に形成されているHAZ最軟化部にかからないように軟化領域を設ける第2の工程とを備えること
    を特徴とする重ね溶接部材の製造方法。
  12. 前記軟化領域のビッカース硬さA(Hv)は、前記引張強度が1180MPa以上の鋼板のビッカース硬さをB(Hv)とするとともに前記HAZ最軟化部のビッカース硬さをC(Hv)とした場合に下記(1)式および(2)式を満足する請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
    A≦B−50 ・・・・・(1)
    C−120≦A≦C+50 ・・・・・(2)
  13. 前記軟化領域は、前記2つの溶接部それぞれにおける溶接金属の端から前記長手方向へ2.0mm以上離れて設けられ、前記長手方向への前記軟化領域の長さは10mm以上50mm以下であるとともに、前記長手方向と直交する方向への前記軟化領域の長さは、長手方向と直交する方向の前記溶接金属の最大長さの1〜4倍である請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
  14. 前記軟化領域をレーザビームもしくは高周波加熱による焼き戻しにより設ける請求項9から請求項13までのいずれか1項に記載された重ね溶接部材の製造方法。
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