JP2016196016A - 溶接方法 - Google Patents

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幸平 久田
亨 日置
Toru Hioki
亨 日置
和幸 尾楠
Kazuyuki Okusu
和幸 尾楠
松本 修一
Shuichi Matsumoto
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Abstract

【課題】本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制すること。【解決手段】本発明に係る溶接方法は、重ね合わせた複数の金属板からなる被溶接物に、高エネルギービームを照射して溶接する溶接方法である。被溶接物の溶接箇所41に仮止め溶接ナゲット41aを形成する工程と、溶接箇所41において、前記仮止め溶接ナゲット41aを残存させつつ、仮止め溶接ナゲット41aを内包する仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲット41bを形成する工程と、を備えている。【選択図】図5

Description

本発明は溶接方法に関し、特にレーザビーム、電子ビーム、イオンビームなどの高エネルギービームを用いた溶接方法に関する。
重ね合わせた複数の金属板を接合する溶接方法の一つとして、加工歪みが少なく、高速溶接が可能であり、残留熱影響部も少ないなどの利点から、レーザ溶接による溶接方法が広く利用されている。
発明者らによる特許文献1には、例えば円周からなる仮想の閉曲線上において、一定のピッチpで複数のナゲットを形成するレーザ溶接方法が開示されている。ピッチpとナゲットの直径dを適切に規定することにより、閉曲線と同程度の直径寸法からなる円周形状あるいは円形状の溶接部と同等以上の強度を実現している。
特開2013−132686号公報
特許文献1において、例えばナゲットの直径が比較的大きくなるような場合、溶接中に熱歪や残留応力などによる変形が生じるという問題があった。このような溶接時の変形に対しては、仮止め溶接を行った後に、その仮止め溶接部もしくはその近傍において本溶接を行う手法が知られている。
しかしながら、仮止め溶接部に重畳させて本溶接した場合、本溶接中に仮止め溶接部による変形抑制効果が失われ、結局変形が生じてしまう問題があった。一方、仮止め溶接部の近傍を本溶接し、本溶接後も仮止め溶接部を残存させた場合、強度の弱い仮止め溶接部が本溶接後に剥がれる問題があった。仮止め溶接部が剥がれても強度的には問題ないが、剥がれる際に異音が発生する。
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制するものである。
本発明に係る溶接方法は、
重ね合わせた複数の金属板からなる被溶接物に、高エネルギービームを照射して溶接する溶接方法であって、
前記被溶接物の溶接箇所に仮止め溶接ナゲットを形成する工程と、
前記溶接箇所において、前記仮止め溶接ナゲットを残存させつつ、前記仮止め溶接ナゲットを内包する仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲットを形成する工程と、を備えたものである。
本発明に係る溶接方法では、溶接箇所において、仮止め溶接ナゲットを残存させつつ、前記仮止め溶接ナゲットを内包する仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲットを形成する。仮止め溶接ナゲットを残存させるため、本溶接中も仮止め溶接ナゲットによる変形抑制効果を維持することができる。また、残存した仮止め溶接ナゲットが本溶接ナゲットによって取り囲まれるため、本溶接後における仮止め溶接ナゲットの剥がれを抑制することができる。すなわち、本溶接時の被溶接物の変形を抑制しつつ、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制することができる。
また、本発明に係る溶接方法では、前記仮止め溶接ナゲットの径を、前記複数の本溶接ナゲットの径よりも小さくすることが好ましい。仮止め溶接ナゲットを形成する際の熱歪を小さくすることができる。
さらに、本発明に係る溶接方法では、前記仮止め溶接ナゲットと前記複数の本溶接ナゲットとを、互いに離間して形成することが好ましい。本溶接時の被溶接物の変形をさらに効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る溶接方法では、前記高エネルギービームとしてレーザビームを用いることが好ましい。
本発明により、本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制することができる。
第1の実施形態に係る溶接方法を実施するためのレーザ溶接装置の一例を示す側面図である。 レーザ溶接装置の基本的な動作を説明するための平面図である。 レーザ溶接装置の基本的な動作を説明するための断面図である。 第1の実施形態に係る溶接方法を説明するための図である。 溶接箇所41の拡大平面図である。 図5のVI−VI断面図である。 第2の実施形態に係る溶接方法を説明するための図である。 実施例に係る被溶接物100の平面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、第1の実施形態に係る溶接方法を実施するためのレーザ溶接装置について説明する。図1は、第1の実施形態に係る溶接方法を実施するためのレーザ溶接装置の一例を示す側面図である。図2は、レーザ溶接装置の基本的な動作を説明するための平面図である。図3は、レーザ溶接装置の基本的な動作を説明するための断面図である。
なお、図1〜図3及びその他の図面に示した右手系xyz座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものであるが、図面間において相互に対応している。通常、xy平面が水平面を構成し、z軸プラス向きが鉛直上向きとなる。
図1に示すように、レーザ溶接装置1は、レーザ発振器10、走査手段11、及び駆動源12を備える。
レーザ発振器10はレーザビームを生成する。生成されたレーザビームは、光ファイバーケーブル13を用いて走査手段11に導かれる。レーザビームには、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ等を用いることができる。
走査手段11は、レーザ発振器10から光ファイバーケーブル13を介して導かれたレーザビーム16を図2に示す走査範囲18内において走査し、被溶接物である金属板31に照射する。これにより、重ね合わせた2枚の金属板31、32に跨る溶接箇所40が形成される。
走査手段11は、それぞれ1つの回動軸を中心に回動可能なミラー14、15を備えている。例えば、ミラー14はレーザビーム16をx軸方向に走査し、ミラー15はレーザビーム16をy軸方向に走査する。ミラー14、15は、例えばガルバノミラーを用いて構成することができる。
走査手段11は、例えばロボットなどの駆動源12により、任意の方向(x軸方向、y軸方向、及びz軸方向)に移動することができる。
なお、図1では、2つのミラー14、15から走査手段11を構成しているが、2軸方向に回動可能な1つのミラーから走査手段11を構成してもよい。
次に、図2及び図3を参照して、レーザ溶接装置1の基本的な動作について説明する。図2、図3では、被溶接物として2枚の金属板31、32を溶接して接合する場合を例示している。なお、図3では被溶接物である2枚の金属板31、32が若干離間するように配置されている場合を示しているが、2枚の金属板31、32は互いに接するように配置されていてもよい。
図2の平面図に示すように、金属板31、32を溶接する際、走査手段11を矢印で示した溶接方向に移動する。ここで、溶接方向とは、金属板31、32を溶接する方向である。換言すると、図3に示す溶接箇所41、42が形成される方向である。このとき、レーザビーム16の走査範囲18は走査手段11の移動と共に移動する。なお、走査手段11は、溶接方向に一定の速度で(つまり連続的に)移動してもよく、また、段階的に(つまり不連続的に)移動してもよい。
また、図3(a)に示すように、金属板31、32を溶接する際、走査手段11はレーザビーム16を溶接箇所41に照射する。走査手段11は、溶接方向に移動し続けている。そのため、走査手段11は、図3(b)、図3(c)に示すように、レーザビーム16を走査して、レーザビーム16が溶接箇所41に照射されるようにする。なお、走査手段11の移動速度は、溶接箇所41の溶接開始から溶接完了までの間に溶接箇所41が走査手段11の走査範囲18内に入るような速度に設定する。
その後、図3(d)に示すように、走査手段11はレーザビーム16を次の溶接箇所42に照射する。このように、レーザ溶接装置1は、駆動源12により走査手段11を移動させつつ、走査手段11でレーザビーム16を走査して金属板31、32の所定の箇所を溶接することができる。上記の溶接方法を用いた場合は、溶接箇所41、41(図1における溶接箇所40)が離散的となる。なお、当然のことながら、被溶接物である複数の金属板の枚数は3枚以上であってもよい。
次に、図4を用いて本実施形態に係る溶接方法について説明する。図4は、第1の実施形態に係る溶接方法を説明するための図である。本実施形態に係る溶接方法は、上記で説明したレーザ溶接装置1を用いて実施することができる。図4(a)〜(d)は、レーザビーム16が照射される金属板31の平面図を示している。なお、図4では走査手段11の走査範囲18のみを示し、走査手段11の図示を省略している。
本実施形態に係る溶接方法は、レーザ発振器10から導かれたレーザビーム16を走査する走査手段11を移動させながら、走査手段11で走査されたレーザビーム16を被溶接物である複数の金属板31、32に照射して複数の金属板31、32を溶接するレーザ溶接方法である。
図4(a)に示すように、溶接箇所41にレーザビーム16を照射して仮止め溶接する。具体的には、溶接箇所41に仮止め溶接ナゲット41aを形成する。続けて、溶接箇所42にレーザビーム16を照射して仮止め溶接する。すなわち、溶接箇所42に仮止め溶接ナゲット42aを形成する。ここで、仮止め溶接とは、金属板31、32が本溶接中に熱歪や残留応力などによって変形することを抑制するための仮の溶接であって、本溶接よりも接合強度の小さい溶接である。
次に、図4(b)に示すように、溶接箇所41にレーザビーム16を照射して本溶接する。具体的には、仮止め溶接ナゲット41aを囲うように、複数の本溶接ナゲット41bを形成する。図の例では、仮止め溶接ナゲット41aを囲うように、3つの本溶接ナゲット41bを形成している。ここで、本溶接とは、金属板31、32を互いに強固に接合するための溶接である。例えば、本溶接におけるレーザビーム16の照射時間は、仮止め溶接におけるレーザビーム16の照射時間よりも長い。
なお、仮止め溶接ナゲット41a及び複数の本溶接ナゲット41bからなる溶接箇所41の詳細な構成については、後述する。
次に、図4(c)に示すように、溶接箇所43にレーザビーム16を照射して仮止め溶接する。すなわち、溶接箇所43に仮止め溶接ナゲット43aを形成する。
その後、図4(d)に示すように、走査手段11は溶接箇所42にレーザビーム16を照射して本溶接する。すなわち、仮止め溶接ナゲット42aを囲うように、複数の本溶接ナゲット42bを形成する。
以降、同様の動作を繰り返すことで、金属板31、32を溶接することができる。
ここで、図5、図6を参照して、仮止め溶接ナゲット41a及び複数の本溶接ナゲット41bからなる溶接箇所41の詳細な構成について説明する。図5は、溶接箇所41の拡大平面図である。また、図6は、図5のVI−VI断面図である。
図5に示すように、本実施形態に係る溶接方法では、溶接箇所41を示す二点鎖線で示された仮想閉曲線の内部に仮止め溶接ナゲット41aを形成した後、仮止め溶接ナゲット41aを残存させつつ、仮止め溶接ナゲット41aを内包する当該仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲット41bを形成する。そのため、本溶接後に残存した仮止め溶接ナゲット41aが、仮止め溶接ナゲット41aを内包する仮想閉曲線に沿って形成された本溶接ナゲット41bによって取り囲まれる。
すなわち、仮止め溶接ナゲット41aを残存させるため、本溶接中も仮止め溶接ナゲット41aによる変形抑制効果を維持することができる。また、残存した仮止め溶接ナゲット41aが本溶接ナゲット41bによって取り囲まれるため、本溶接後における仮止め溶接ナゲット41aの剥がれを抑制することができる。従って、本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制することができる。
図5の例では、直径Dの円形状の仮想曲線(すなわち溶接箇所41)の中心部に、直径Daの円形状の仮止め溶接ナゲット41aが1つ形成されている。この仮止め溶接ナゲット41aを囲うように、仮想曲線(溶接箇所41)に内接する直径Dbの円形状の本溶接ナゲット41bが等間隔に3つ形成されている。
なお、本溶接時の変形抑制効果の観点から、図5に示すように、仮止め溶接ナゲット41aは、本溶接ナゲット41bと離間して形成されていることが好ましい。ただし、仮止め溶接ナゲット41aの一部と、本溶接ナゲット41bの一部とが、互いに重畳していてもよい。
なお、仮止め溶接ナゲット41a及び本溶接ナゲット41bの個数は、任意である。また、仮止め溶接ナゲット41a及び本溶接ナゲット41bの形状は、円形に限られず、例えば楕円形状であってもよいし、多角形形状であってもよい。さらに、仮止め溶接ナゲット41aを内包する仮想閉曲線は、円形に限られず、楕円や任意の曲線あるいは多角形であってもよい。また、図5の例では、仮止め溶接ナゲット41aを内包する仮想閉曲線が、本溶接ナゲット41bに外接しているが、例えば本溶接ナゲット41bの中心を通過してもよいし、あるいは本溶接ナゲット41bに内接してもよい。
図5に示すように、仮止め溶接ナゲット41aの径(例えば直径)Daは、本溶接ナゲット41bの径(例えば直径)Dbよりも小さいことが好ましい。仮止め溶接ナゲット41aを形成する際の熱歪を小さくすることができる。また、仮止め溶接ナゲット41aの径Daが小さい程、本溶接時の変形抑制効果は低下するが、仮止め溶接時間が短くて済み、生産効率及びエネルギー効率が向上する。
剥離強度等の強度特性上、互いに隣り合う本溶接ナゲット41b間の距離すなわちピッチpに対する本溶接ナゲット41bの径Dbが、1/2<Db/p≦1を満たすように配置されることが好ましい。本溶接ナゲット41bの径Dbは、本溶接ナゲット41bが円形状である場合は、直径である。一方、本溶接ナゲット41bが楕円形状である場合には、例えば長軸長さであってもよいし、長軸長さと短軸長さの平均値であってもよい。
Db/p≦1/2の場合、ピッチpに対して本溶接ナゲット41bの径Dbが小さく、各本溶接ナゲット41bが離れている。そのため、複数の本溶接ナゲット41bが、強度特性上、相互に影響を及ぼさず、各本溶接ナゲット41bの単独の強度を超える荷重が加わると、各本溶接ナゲット41bが個別に破断する。そのため、直径Dの仮想曲線(溶接箇所41)に囲まれた1つのナゲットよりも強度特性に劣る。
また、1<Db/pの場合、ピッチpに対して本溶接ナゲット41bの径Dbが大き過ぎ、隣り合う本溶接ナゲット41bの径Db同士が重なってしまう。そのため、複数の本溶接ナゲット41bが一体となって溶融部と母材の境界に沿って一度に破断する。すなわち、直径Dの仮想曲線(溶接箇所41)に囲まれた1つのナゲットと、同等の強度特性となる。
一方、1/2<Db/p≦1の場合、隣り合う本溶接ナゲット41bが適度に離間している。すなわち、隣り合う本溶接ナゲット41b間に母材(金属板31、32)が存在しているため、本溶接ナゲット41bが一体となって破断することが抑制される。それとともに、本溶接ナゲット41bが個々に破断することも抑制される。そのため、直径Dの仮想曲線(溶接箇所41)に囲まれた1つのナゲットを上回る強度特性が得られる。
また、図4に示したように、ある溶接箇所を本溶接する際、その両側に位置する溶接箇所が拘束された状態で本溶接することが好ましい。具体的には、例えば溶接箇所42を本溶接する際、図4(c)に示すように、走査範囲18内で溶接方向下流側に位置する溶接箇所43を先に仮止め溶接しておくことが好ましい。このように両側に位置する溶接箇所が拘束された状態で、その溶接箇所を本溶接することにより、本溶接する際に金属板31、32が変形したり位置ずれしたりすることをより効果的に抑制することができる。
また、図4に示したように、走査手段11を移動させながら走査範囲18内において仮止め溶接と本溶接とを実施することが好ましい。金属板31、32を溶接する際に走査手段11が溶接ルートを通過する回数が1回になり、生産性が向上する。
なお、走査手段11が溶接ルートを通過する回数が2回になり、生産性には劣るが、全ての溶接箇所(溶接箇所41、42など)において仮止め溶接ナゲット(仮止め溶接ナゲット41a、42aなど)を形成した後、本溶接ナゲット(本溶接ナゲット41b、42bなど)を順次形成してもよい。
以上に説明した通り、本実施形態に係る溶接方法では、仮想閉曲線の内部に仮止め溶接ナゲットを形成した後、仮止め溶接ナゲットを残存させつつ、仮止め溶接ナゲットを内包する当該仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲットを形成する。そのため、本溶接後に残存した仮止め溶接ナゲットが、仮止め溶接ナゲットを内包する仮想閉曲線に沿って形成された本溶接ナゲットによって取り囲まれる。
すなわち、仮止め溶接ナゲットを残存させるため、本溶接中も仮止め溶接ナゲットによる変形抑制効果を維持することができる。また、残存した仮止め溶接ナゲットが本溶接ナゲットによって取り囲まれるため、本溶接後における仮止め溶接ナゲットの剥がれを抑制することができる。従って、本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して、第2の実施形態に係る溶接方法について説明する。
第1の実施形態では、図4に示すように、本溶接する溶接箇所を基準として溶接方向下流側を1箇所仮止め溶接しながら被溶接物を溶接している。これに対し、第2の実施形態では、図7に示すように、本溶接する溶接箇所を基準として溶接方向下流側を2箇所仮止め溶接しながら被溶接物を溶接する場合について説明する。
図7(a)に示すように、溶接箇所41、42、43のそれぞれにレーザビーム16を照射して仮止め溶接する。すなわち、溶接箇所41、42、43に仮止め溶接ナゲット41a、42a、43aを形成する。なお、溶接箇所41、42、43を仮止め溶接する順番は、特に限定されず、どのような順番であってもよい。ただし、連続的に仮止め溶接する場合は41、42、43の順で仮止め溶接した方が効率がよい。
次に、図7(b)に示すように、溶接箇所41にレーザビーム16を照射して本溶接する。すなわち、仮止め溶接ナゲット41aを囲うように、複数の本溶接ナゲット41bを形成する。
次に、図7(c)に示すように、溶接箇所44にレーザビーム16を照射して仮止め溶接する。すなわち、溶接箇所44に仮止め溶接ナゲット44aを形成する。
その後、図7(d)に示すように、溶接箇所42にレーザビーム16を照射して本溶接する。すなわち、仮止め溶接ナゲット42aを囲うように、複数の本溶接ナゲット42bを形成する。
以降、同様の動作を繰り返すことで、金属板31、32を溶接することができる。
図7に示した本実施形態に係る溶接方法では、本溶接する箇所を基準として溶接方向の下流側の2箇所を仮止め溶接している。そのため、図4に示した第1の実施形態に係る溶接方法よりも、金属板31、32の変形や位置ずれをさらに効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態に係る溶接方法では、本溶接する箇所を基準として溶接方向の下流側の2箇所を仮止め溶接しているが、仮止め溶接する箇所は2箇所以上であってもよい。
次に、図8を参照して、本発明の実施例について説明する。図8は、実施例に係る被溶接物100の平面図である。
第1の実施形態に係る溶接方法を用いて、被溶接物100を溶接した。本実施例では、枠状の6000系のアルミニウム合金板を2枚重ねたものを被溶接物100とした。各々のアルミニウム合金板の厚さは1.2mmと0.9mmであった。レーザ溶接装置1のレーザ発振器10にはファイバーレーザを使用した。
図8に示すように、被溶接物100における溶接箇所101は20箇所とした。このとき、図4を参照して説明したように、被溶接物100の仮止め溶接と本溶接とを走査手段11を移動させながら走査範囲18内において実施した。つまり、本実施例では、被溶接物100を溶接する際に、図8に矢印で示した溶接ルートを走査手段11が通る回数を1回とした。
そして、各溶接箇所101には、図5に拡大して示したように、円形状の仮止め溶接ナゲットを1点、円形状の本溶接ナゲットを3点ずつ形成した。仮止め溶接ナゲットの直径Daを1mm程度とした。また、本溶接ナゲットの直径Dbを5mm程度とした。仮止め溶接ナゲットを内包する仮想閉曲線すなわち本溶接ナゲットの外接円の直径Dを11mm程度とした。
本実施例では、各溶接箇所101において、図5に示したように、1つの仮止め溶接ナゲットを取り囲むように、3つの本溶接ナゲット41bを形成した。すなわち、仮止め溶接ナゲットを残存させたため、本溶接中も仮止め溶接ナゲットによる変形抑制効果を維持され、本溶接時の被溶接物の変形を抑制することができた。また、仮止め溶接ナゲットが本溶接ナゲットによって取り囲まれるため、本溶接後における仮止め溶接ナゲットの剥がれを抑制することができた。すなわち、本溶接時の被溶接物の変形を抑制するとともに、本溶接後の仮止め溶接部の剥がれを抑制することができた。
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、溶接箇所のナゲット形状は任意の形状とすることができる。例えば、C字状、O字状、線状などの形状としてもよい。
また、本発明に係る溶接方法は、レーザビーム、電子ビーム、イオンビームなどの高エネルギービームを用いた溶接(例えばレーザ・アークハイブリッド溶接、電子ビーム溶接)に広く適用可能である。
さらに、複数台の走査手段を用いて仮止め溶接と本溶接とを行ってもよい。この場合は、複数のレーザビームを用いているので、溶接スピードを速くすることができる。
また、本発明に係る溶接方法は、溶接時に変形し易いアルミニウム合金板に特に好適であるが、鋼板その他の金属板にも適用可能である。
1 レーザ溶接装置
10 レーザ発振器
11 走査手段
12 駆動源
13 光ファイバーケーブル
14、15 ミラー
16 レーザビーム
18 走査範囲
31、32 金属板
40 溶接箇所
41、42、43、44 溶接箇所
41a、42a、43a、44a 仮止め溶接ナゲット
41b、42b 本溶接ナゲット
100 被溶接物
101 溶接箇所

Claims (4)

  1. 重ね合わせた複数の金属板からなる被溶接物に、高エネルギービームを照射して溶接する溶接方法であって、
    前記被溶接物の溶接箇所に仮止め溶接ナゲットを形成する工程と、
    前記溶接箇所において、前記仮止め溶接ナゲットを残存させつつ、前記仮止め溶接ナゲットを内包する仮想閉曲線に沿って複数の本溶接ナゲットを形成する工程と、を備えた、
    溶接方法。
  2. 前記仮止め溶接ナゲットの径を、前記複数の本溶接ナゲットの径よりも小さくすることを特徴とする、
    請求項1に記載の溶接方法。
  3. 前記仮止め溶接ナゲットと前記複数の本溶接ナゲットとを、互いに離間して形成することを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 前記高エネルギービームとしてレーザビームを用いることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶接方法。
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