JP5201163B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

液滴噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5201163B2
JP5201163B2 JP2010078526A JP2010078526A JP5201163B2 JP 5201163 B2 JP5201163 B2 JP 5201163B2 JP 2010078526 A JP2010078526 A JP 2010078526A JP 2010078526 A JP2010078526 A JP 2010078526A JP 5201163 B2 JP5201163 B2 JP 5201163B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
bubble
liquid
ink
bubbles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010078526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011207131A (ja
Inventor
雅之 高田
智幸 久保
好則 横江
宏人 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2010078526A priority Critical patent/JP5201163B2/ja
Priority to CN201110059288.6A priority patent/CN102205702B/zh
Priority to EP11001992.4A priority patent/EP2371553B1/en
Priority to US13/046,003 priority patent/US8534791B2/en
Publication of JP2011207131A publication Critical patent/JP2011207131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5201163B2 publication Critical patent/JP5201163B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor

Description

本発明は、液滴を噴射する液滴噴射装置に関する。
従来から、インクジェットプリンタにおいて、インクジェットヘッドとインクを貯留するタンク(インクカートリッジ)とをチューブで接続し、チューブによりインクジェットヘッドにインクを供給する構成が広く知られている。このチューブは、自由な引き回しを可能にしてレイアウトの自由度を確保する、あるいは、ヘッドが移動する場合にチューブによってヘッドの移動が妨げられることを極力防止するといった様々な理由から、一般的には、合成樹脂材料等で形成された可撓性チューブが用いられる。
また、従来から、様々な理由から、チューブ内のインクの状態を検出することが行われている。例えば、特許文献1に開示されたインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)においては、インクジェットヘッドとインクカートリッジを接続するチューブの途中に、インクの有無を検出するセンサ(光式検出器)が設けられており、このセンサによってインクカートリッジのインク切れを検知する。
特許文献2には、濃度の異なる複数種類のインクを使用して階調記録が可能なインクジェットプリンタが開示されている。インクジェットヘッドとインクカートリッジとを接続するチューブの途中には、溶媒の蒸発によってインクの濃度が高くなったときの、その濃度上昇を検出するインク濃度検出部が設けられている。そして、このインク濃度検出部の検出結果に基づいて、インクに加える希釈液の量を制御し、インクジェットヘッドに供給されるインクの濃度を調整する。
また、インクジェットヘッドとチューブとの接続部分、あるいは、チューブとタンクとの接続部分から空気が混入して気泡を形成する虞があり、このような気泡がインクとともにヘッドに送られると、ヘッドの液滴噴射に悪影響が出る。この課題を解決するために、特許文献3のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドのチューブとの接続部分に、チューブ内の気泡を検出する透過型のフォトセンサが設けられている。
特開平5−57905号公報 特開平10−157161号公報 特開2004−188647号公報
先に挙げた特許文献2や特許文献3にも一部記載があるが、通常の使用において、チューブ内に気泡が発生したり、あるいは、チューブ内のインクが乾燥して濃度(粘度)上昇(以下、増粘ともいう)が発生したりすることがある。例えば、タンク(インクカートリッジ)の取り替え時にその接続部分から空気が入り込んで、チューブ内に気泡が混入することがある。また、合成樹脂材料等で形成された可撓性チューブは、一般的に通気性を有するため、長期間放置されると、チューブ内への空気の混入による気泡発生や、チューブ内のインクの溶媒蒸発による増粘が発生する。このようなチューブ内の気泡や増粘したインクがヘッドに送られると、ヘッドでのノズルの液滴噴射に異常(噴射不能や噴射曲がり等)が発生し、印字品質が低下する。
しかしながら、前記特許文献1〜3では、チューブ内のインクの有無や、濃度、あるいは、気泡の有無を検出する検出手段は、チューブに対する位置が固定されており、この検出手段は、チューブのある1カ所におけるインクの状態しか検出できない。そのため、チューブ内インクの状態検出を行っていない間(例えば、電源OFFの間)に、何かの拍子に所定の検出位置を気泡が通過してしまうと、その後、その気泡は検出されることなくヘッドまで到達してしまう虞がある。
また、前記特許文献1〜3では、ヘッドからタンクまで長く延びるチューブの、どの位置に気泡や増粘したインクが存在するか、あるいは、気泡の大きさや増粘の程度まで認識することはできない。従って、検出手段でチューブ内の気泡や増粘インクが検出されたときに、そのような気泡等がヘッドに到達するまでに、適宜の排出手段によってヘッドまでのインク供給系から気泡等を排出しようとしたときに、その排出動作を気泡の大きさ等に応じて最適化することができない。例えば、気泡等の排出動作時に多量のインク(増粘していない正常なインク)が気泡等とともに排出されてしまう、あるいは、不必要に長い時間排出動作が行われてしまうといった問題が生じる。
本発明の目的は、チューブの複数箇所における液体の状態を検出可能な、液滴噴射装置を提供することである。
第1の発明の液滴噴射装置は、液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドで噴射される液体を貯留する貯留タンクと、前記液滴噴射ヘッドと前記貯留タンクとを接続するチューブと、前記チューブ内の液体の状態を検出信号として出力する液体状態検出手段と、前記液体状態検出手段を、前記チューブの長さ方向に移動させる移動駆動手段を有し、前記液体状態検出手段は、前記チューブの長さ方向における複数箇所における、液体の状態を検出信号として出力し、前記液体状態検出手段の移動速度と、前記移動の間に前記液体状態検出手段から出力された検出信号が所定の閾値から変化した時間の長さと、に基づいて、液体の状態を検出する状態検出手段をさらに有することを特徴とするものである。
本発明によれば、液体状態検出手段により、チューブ内の液体の状態(気泡や増粘した液体)が複数箇所で検出されるため、チューブ内に存在する気泡や増粘した液体を検出する機会が増え、検出の確実性が増す。また、チューブ内における気泡や増粘した液体の有無だけでなく、気泡や増粘液体の位置や量をも把握することができる。従って、気泡や増粘液体の位置や量の情報に基づき、例えば、気泡や増粘した液体の排出動作を最適に制御して排出(廃棄)される液体量を少なく抑えるといったことが可能となる。また、液体状態検出手段をチューブの長さ方向に移動させることで、チューブの複数箇所において液体状態の検出が可能となる。また、チューブの長さ方向に関して連続的に液体の状態を検出して、チューブ内の気泡や増粘した液体の、位置や大きさ(量)を高い精度で検出することも可能である。
の発明の液滴噴射装置は、前記第の発明において、前記液滴噴射ヘッドは、前記移動駆動手段によって所定の走査方向に往復移動されるキャリッジに搭載され、前記チューブは前記液滴噴射ヘッドから前記走査方向に沿うように配置され、前記液体状態検出手段は前記キャリッジに設けられて、前記キャリッジの前記走査方向の移動に伴って、前記チューブの長さ方向に移動することを特徴とするものである。
このように、液滴噴射ヘッドが搭載されたキャリッジに、液体状態検出手段が設けられて、キャリッジと一体的にチューブの長さ方向に移動するように構成されることで、液体状態検出手段を移動させるための構成を専用に設ける必要がない。
第3の発明の液滴噴射装置は、前記第2の発明において、前記液滴噴射ヘッドの液滴噴射対象である被噴射体を、前記液滴噴射ヘッドに対して前記走査方向と直交する方向に搬送する搬送手段を備え、前記キャリッジには、前記搬送手段によって搬送される前記被噴射体の、前記走査方向における端位置を検出する端位置検出手段が設けられ、前記端位置検出手段は、前記被噴射体に向けて光を照射する発光素子と、前記光を受光する受光素子とを備えたフォトセンサであり、前記端位置検出手段は、前記キャリッジとともに前記チューブの長さ方向に移動しつつ、前記発光素子から前記チューブに向けて光を照射し、前記受光素子の受光量から前記チューブ内の液体の状態を検出する、前記液体状態検出手段を兼ねていることを特徴とするものである。
キャリッジに設けられた端位置検出手段は、キャリッジとともに走査方向に移動しながら、発光素子から照射された光を受光素子で受光し、その受光量によって、被噴射体がどの位置まで存在しているか、即ち、被噴射体の走査方向における端位置を検出する。さらに、この端位置検出手段は、キャリッジとともにチューブの長さ方向に移動しつつ、発光素子からチューブに向けて光を照射したときの、受光素子の受光量からチューブ内の液体の状態を検出する、液体状態検出手段として機能する。このように、キャリッジに設けられた端位置検出手段を液体状態検出手段として用いることで、チューブ内の液体状態を検出するための専用のセンサを設ける必要がない。
の発明の液滴噴射装置は、前記第又は第の発明において、前記キャリッジに設けられて前記液体状態検出手段と一体的に前記チューブに対してその長さ方向に移動可能で、前記液体状態検出手段により液体の状態が検出される前記チューブの一部分を保持しつつ、前記長さ方向と直交する方向の変位を規制する、チューブ保持部材を有することを特徴とするものである。
キャリッジが移動する際にチューブに作用する外力によってチューブが変位すると、液体状態検出手段の検出精度が低下する。本発明では、キャリッジに設けられて液体状態検出手段と一体的に移動するチューブ保持部材が、液体状態検出手段の検出対象であるチューブの一部分を保持し、それによって前記チューブの一部分の、長さ方向と直交する方向の変位が規制されるため、チューブに外力が作用して屈曲変形等が生じたとしても、前記チューブの一部分の液体状態検出手段に対する位置はずれにくくなり、状態検出を精度よく行うことが可能となる。
の発明の液滴噴射装置は、前記第の発明において、前記液体状態検出手段は、前記液滴噴射ヘッドに対して相対移動可能に構成され、前記移動駆動手段は、静止状態のチューブに対して、前記液体状態検出手段を、前記チューブの長さ方向に沿って移動させることを特徴とするものである。
前述した第の発明のように、液滴噴射ヘッドが搭載されたキャリッジに液体状態検出手段が設けられている場合には、この液体状態検出手段による検出を行うためにキャリッジ(ヘッド)を移動させることによって、ヘッドに接続されたチューブに外力が作用しチューブに変形(変位)が生じることがある。本発明では、液体状態検出手段が液滴噴射ヘッドに対して相対移動可能であり、静止状態のチューブに対して液体状態検出手段を移動させることで、変位が起こらない状態で検出を行うことができる。
の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、前記液体状態検出手段は、前記チューブに向けて光を照射する発光素子と、前記光を受光する受光素子とを備えた、反射型又は透過型のフォトセンサであることを特徴とするものである。
本発明によれば、発光素子と受光素子からなる簡易な構成のフォトセンサによって、チューブ内の液体状態を検出することができる。
の発明の液滴噴射装置は、前記第の発明において、前記チューブの、前記発光素子からの光が照射される照射面が平面であることを特徴とするものである。
この構成によれば、チューブの、発光素子からの光が照射される照射面での光の屈折及び乱反射が少なくなり、検出精度が上がる。
の発明の液滴噴射装置は、前記第又は第の発明において、前記チューブの、前記発光素子からの光が照射される部分は、それ以外の部分と比べて肉厚が薄くなっていることを特徴とするものである。
この構成によれば、チューブの、発光素子からの光が照射される部分が薄くなって光が透過しやすくなっていることから、チューブ内へ透過する光量が多くなり、検出精度が上がる。
の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、複数種類の液体をそれぞれ貯留する複数の前記貯留タンクと、前記複数の貯留タンクと前記液滴噴射ヘッドをそれぞれ接続する複数の前記チューブを有し、前記液体状態検出手段は、前記複数のチューブのそれぞれの液体の状態を個別に検出信号として出力することを特徴とするものである。
複数種類の液体を液滴噴射ヘッドにそれぞれ供給する複数のチューブが存在する場合には、液体状態検出手段は、複数のチューブのそれぞれの液体の状態を個別に検出することが好ましい。これにより、チューブ毎(液体の種類毎)で、チューブ内の気泡や増粘液体の排出動作を行うことができ、さらには、その排出動作を個別に最適化することが可能となる。
10の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第の何れかの発明において、前記状態検出手段は、前記液体状態検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記チューブ内の気泡の有無、前記気泡の位置、及び、前記気泡の大きさを検出する気泡検出手段を有することを特徴とするものである。
このように、気泡検出手段により、気泡の有無、気泡の位置、及び、気泡の大きさが検出されることで、このような気泡に関する情報に基づいて、気泡排出動作の最適化やチューブ内の液体の粘度推測などが可能となる。
第11の発明の液滴噴射装置は、前記第10の発明において、前記チューブから前記液噴射ヘッドへ送られる気泡を排出する気泡排出手段と、この気泡排出手段の気泡排出動作を制御する気泡排出制御手段とを備え、前記気泡排出制御手段は、前記気泡検出手段により検出された気泡の大きさと気泡の位置の少なくとも一方に基づいて、前記気泡排出手段を制御することを特徴とするものである。
気泡の大きさや位置に基づいて、気泡を確実に排出しつつ、気泡とともに排出される液体の量ができるだけ少なくなるように、気泡排出手段を制御することができる。また、気泡が小さい場合や液滴噴射ヘッドから遠く離れた位置に気泡が位置している場合など、気泡排出が不要、あるいは、すぐに気泡を排出する必要がない場合には、気泡排出動作を行わないようにして、無駄な気泡排出動作を極力減らし、気泡排出動作に伴う液体の排出量を抑えることができる。
12の発明の液滴噴射装置は、前記第11の発明において、前記液滴噴射ヘッドと前記チューブの間に介在して、前記チューブから送られてくる気泡を貯留する気泡貯留体を備えており、前記気泡排出手段は、前記気泡貯留体に貯留された気泡を排出するように構成され、直前に行われた前記気泡排出手段の気泡排出動作が終了してから現時点に至るまでの間に、前記気泡検出手段によって検出された気泡の大きさに基づいて、前記気泡貯留体に貯留されている気泡の量を推測する気泡貯留量推測手段をさらに備え、前記気泡排出制御手段は、前記気泡貯留量推測手段で推測された気泡貯留量と、現時点で前記気泡検出手段により検出されている気泡の大きさに基づいて、前記気泡排出手段を制御することを特徴とするものである。
この構成によれば、気泡貯留体の貯留量を超えると予測される場合にのみ、気泡排出手段に気泡を排出させることで、気泡排出動作が不必要に行われてしまうことを極力防止できる。
13の発明の液滴噴射装置は、前記第11又は第12の発明において、前記気泡排出制御手段は、前記気泡検出手段により検出された気泡の位置に基づいて、前記液滴噴射ヘッドが液滴噴射動作を行う前に、前記気泡排出手段による気泡排出動作を行わせるか否かを決定することを特徴とするものである。
気泡がヘッドから遠く離れた位置にある場合にはヘッドに到達するまでにまだ時間を要するため、すぐに気泡を排出する必要はない。また、ヘッド側で気泡を排出する場合には、気泡を抜く前に、気泡排出手段と気泡との間に存在する多量の液体を排出しなくてはならないため、できるだけ、ヘッドに近い位置に気泡が存在するときに気泡排出を行うことが好ましい。しかしながら、ヘッドの液滴噴射によってチューブ内の液体がヘッドへ向けて移動することによって、気泡がヘッドに到達してしまうことは避ける必要がある。本発明では、気泡検出手段によりチューブ内の気泡の位置が検出されることから、予定されている液滴噴射ヘッドの噴射動作で所定量の液体が消費された場合に気泡がヘッドに到達するか否かを推測できるため、液滴噴射よりも気泡排出を先に行うべきかを決定できる。
14の発明の液滴噴射装置は、前記第10〜第13の何れかの発明において、前記気泡検出手段により現時点で検出された気泡の大きさと、現時点よりも前に検出された気泡の大きさとから前記チューブ内における気泡の成長速度を求め、これに基づいて前記チューブ内の液体の粘度を推定する粘度推定手段を備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、気泡検出手段により検出された気泡の大きさから求まる、気泡の成長速度に基づいて、チューブ内の液体の粘度を推定することで、ヘッドの液滴噴射や気泡の排出等を、粘度情報を用いて最適に制御することができる。
15の発明の液滴噴射装置は、前記第10〜第13の何れかの発明において、前記液滴噴射ヘッドの液滴噴射動作が行われる際に前記気泡検出手段により検出された、気泡の位置の変化から液体の移動速度を求め、これに基づいて前記チューブ内の液体の粘度を推定する粘度推定手段を備えていることを特徴とするものである。
この構成によれば、気泡検出手段により検出された気泡の位置の変化から求まる、液体の移動速度に基づいて、チューブ内の液体の粘度を推定することで、ヘッドの液滴噴射や気泡の排出等を、粘度情報を用いて最適に制御することができる。
16の発明の液滴噴射装置は、前記第1〜第15の何れかの発明において、前記状態検出手段は、前記液体状態検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記チューブ内の増粘した液体の有無、前記増粘した液体の位置、及び、増粘した液体の大きさを検出する増粘液体検出手段を有することを特徴とするものである。
このように、増粘液体検出手段により、チューブ内の増粘した液体の有無、増粘した液体の位置、及び、増粘した液体の大きさが検出されることで、このような増粘液体に関する情報に基づいて、増粘液体の排出動作を最適化することなどが可能となる。
17の発明の液滴噴射装置は、前記第16の発明において、前記チューブ内の前記増粘した液体を排出する増粘液体排出手段と、この増粘液体排出手段の排出動作を制御する液体排出制御手段とを備え、前記液体排出制御手段は、前記増粘液体検出手段により検出された増粘液体の大きさと増粘液体の位置の少なくとも一方に基づいて、前記増粘液体排出手段を制御することを特徴とするものである。
チューブ内の増粘した液体の大きさや位置に基づいて、その増粘した液体を確実に排出しつつ、増粘液体とともに排出される液体(正常な粘度の液体)の量ができるだけ少なくなるように、増粘液体排出手段を制御することができる。
本発明によれば、液体状態検出手段により、チューブ内の液体の状態(気泡や増粘した液体)が複数箇所で検出されるため、チューブ内における気泡や増粘した液体の有無だけでなく、気泡や増粘液体の位置や量をも把握することができる。
本実施形態に係るプリンタを概略的に示す平面図である。 図1に示されるキャリッジを図1の左方から見た側面図である。 サブタンクの断面図である。 図2のインク状態検出センサを拡大した図である。 チューブ内の気泡検出の説明図であり、(a)はチューブ内に気泡が存在する状態を示す図、(b)は(a)の状態でのセンサの出力変化を示す図である。 チューブ内の増粘インク検出の説明図であり、(a)はチューブ内に増粘インクが存在する状態を示す図、(b)は(a)の状態でのセンサの出力変化を示す図である。 プリンタの電気的構成を示すブロック図である。 気泡排出制御のフローチャートである。 増粘インク排出制御のフローチャートである。 変更形態1のチューブの断面図である。 変更形態2のチューブを示す図であり、(a)は断面図、(b)は4色分が一体化されたチューブ構造の斜視図である。 変更形態4のインク状態検出センサを示す図であり、(a)は端位置検出時の状態、(b)はチューブ内のインク状態検出時の状態をそれぞれ示す。 変更形態5の透過型フォトセンサからなるインク状態検出センサを示す図である。 変更形態7のチューブ保持部材を示す図である。 変更形態8のプリンタの概略構成を示す平面図である。 変更形態9のチューブ及びセンサ保持体を示す図であり、(a)はチューブの断面図、(b)は斜視図である。 変更形態12の気泡排出制御のフローチャートである。 変更形態13の気泡排出制御のフローチャートである。 変更形態14の気泡排出制御のフローチャートである。 変更形態15を説明するためのプリンタの概略構成図である。 変更形態15のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを概略的に示す平面図である。また、図2は、図1に示されるキャリッジ2を図1の左方から見た側面図である。図1に示すように、プリンタ1(液滴噴射装置)は、図1の走査方向に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液滴噴射ヘッド)及びサブタンク4と、インクを貯留するインクカートリッジ5(貯留タンク)が装着されるホルダ6と、インクジェットヘッド3へのインク供給系に存在する気泡等を排出するパージ機構7と、プリンタ1の各部をそれぞれ制御する制御装置8を備えている。
キャリッジ2は、図1の左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイドレール12,13に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19(移動駆動手段)によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。尚、プリンタ1には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ10が設けられている。一方、キャリッジ2には、発光素子と受光素子とを有する透過型のフォトセンサからなる位置検出センサ11が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ2の移動中に位置検出センサ11が検出したリニアエンコーダ10の透光部の計数値(検出回数)から、キャリッジ2の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3と4つのサブタンク4が搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に多数の液滴噴射ノズル14を備えている。尚、図1では、実際には径が非常に小さいノズル14を、図面上、見やすいように拡大して示している。図1に示すように、4つのサブタンク4は、インクジェットヘッド3の上方において走査方向に沿って並べて配置されており、キャリッジ2に接続された4本のチューブ15によってホルダ6とそれぞれ接続されている。
図3は、サブタンク4の断面図である。図3に示すように、各サブタンク4内には、ダンパ室20、インク供給流路21、及び、排気流路22が形成されている。ダンパ室20は水平に広がった形状に形成され、その上壁部には可撓性フィルムからなるダンパ膜23が設けられており、このダンパ室20はチューブ15から供給されたインクを一時的に貯留して、その圧力変動を減衰させる作用を奏する。
ダンパ室20には、鉛直方向に延びるインク供給流路21の上端部が連通し、このインク供給流路21の下端部はインクジェットヘッド3に接続されており、ダンパ室20からインク供給流路21を介して、インクジェットヘッド3へインクが供給される。また、インク供給流路21は、チューブ15からインクとともにサブタンク4に流入してきた気泡をインクから分離して貯留する役割も果たす(本願の気泡貯留体)。具体的には、インク供給流路21の、ダンパ室20との連通口よりも上側に空間24が存在し、ダンパ室20からインク供給流路21に供給されたインクに混入する気泡は前記空間24にトラップされて、気泡が貯留されていく。また、インク供給流路21の天井面には、前記空間24に連通し、この空間24に貯留された気泡を排出するための排気流路22が接続されている。また、この排気流路22は、後述するパージ機構7の吸引ポンプ31と接続されている。
図1に戻って、キャリッジ2の4つのサブタンク4とホルダ6とを接続する4本のチューブ15はポリイミド等の透光性の合成樹脂材料からなり、また、可撓性を有するために屈曲可能である。図2に示すように、4本のチューブ15は上下方向に並べて配置されている。図1に示されるように、各チューブ15はその一端においてキャリッジ2の左側面に接続され、キャリッジ2から左方(走査方向一方)へ引き出された後に、屈曲反転して右方(走査方向他方)へ引き回され、その他端がホルダ6に接続されている。尚、キャリッジ2の後端部(紙送り方向下流側の端部)の左側面には、チューブ15の、屈曲反転してホルダ6に接続されたチューブ部分15aと対向して、このチューブ部分15a内のインクの状態を検出するインク状態検出センサ40が設けられている。このインク状態検出センサ40については後ほど詳述する。
ホルダ6には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクをそれぞれ貯留する、4つのインクカートリッジ5が取り外し可能に装着される。これら4つのインクカートリッジ5にそれぞれ貯留された4色のインクは、4本のチューブ15を介して4つのサブタンク4に供給され、サブタンク4において一時的に貯留された後、インクジェットヘッド3に供給される。
以上のプリンタ1において、図1の上方から、複数の用紙搬送ローラを有する用紙搬送機構9(搬送手段:図7参照、図1では図示省略)によって記録用紙Pがインクジェットヘッド3の下側(図1の紙面向こう側)の位置に送られる。そして、インクジェットヘッド3は、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面に設けられた多数のノズル14から記録用紙Pにインクの液滴を噴射することで、記録用紙Pに所望の画像や文字を記録する。
図1に示すように、パージ機構7は、走査方向に関するキャリッジ2の移動範囲のうちの、記録用紙Pと対向する印刷領域よりも外側(図1における右側)の位置に配置されている。尚、パージ機構7と印刷領域を挟んで反対側(図1における左側)の位置には、インクジェットヘッド3が停止しているときのノズル14からのインクの乾燥を防止するために、ノズル14を覆うようにインクジェットヘッド3に装着される、保存キャップ25が設けられている。
本実施形態のプリンタ1において、インクジェットヘッド3で噴射されるインクに気泡が混入したり、あるいは、インクの溶媒が蒸発して粘度が上昇(増粘)したりすると、インクジェットヘッド3において、噴射不能、あるいは、噴射曲がり等の不具合が生じる。そこで、パージ機構7は、インクジェットヘッド3の上記不具合の原因となる、インクに混入した気泡や増粘インクを排出するための構成を備えている。
具体的には、パージ機構7は、吸引キャップ30、吸引ポンプ31、及び、切り替え装置32を有する。吸引キャップ30は、上下方向(図1の紙面垂直方向)に移動可能に構成されており、キャリッジ2が吸引キャップ30と対向している状態で、この吸引キャップ30を上方に移動させることにより、インクジェットヘッド3の下面の複数のノズル14を覆うことができるようになっている。
吸引ポンプ31は切り替え装置32と接続され、さらに、切り替え装置32は、吸引チューブ33を介して吸引キャップ30に接続されるとともに、排気チューブ34を介してサブタンク4の排気流路22(図3参照)にも接続されている。そして、切り替え装置32は、吸引キャップ30と吸引ポンプ31の接続/遮断、及び、サブタンク4と吸引ポンプ31の接続/遮断を、それぞれ切り替える。
吸引キャップ30がインクジェットヘッド3のノズル14を覆い、且つ、切り替え装置32により吸引キャップ30と吸引ポンプ31が接続されている状態で、吸引ポンプ31が作動することにより、ノズル14からインクを吸引し、インクジェットヘッド3内の気泡や増粘インクを排出させる吸引パージを行うことが可能となっている。また、切り替え装置32によりサブタンク4と吸引ポンプ31とが接続された状態で、吸引ポンプ31が作動することにより、サブタンク4に貯留された気泡を排気流路22から排出する排気パージを行うことが可能となっている。
ところで、インクジェットヘッド3における噴射不具合の原因となる、気泡混入やインクの増粘という現象は、キャリッジ2とホルダ6を接続するチューブ15に起因して発生することが多い。例えば、インクカートリッジ5の着脱時には、ホルダ6とインクカートリッジ5との接続部分から空気が侵入し、これがチューブ15内に入り込んで気泡となる。また、合成樹脂材料からなるチューブ15は通気性を有するために、チューブ15内への空気の侵入やチューブ15内のインクの蒸発が、徐々にではあるが進行する。従って、プリンタ1を使用しない状態が長期間続くと、チューブ15内の気泡が大きく成長する、あるいは、チューブ15内のインクの増粘程度がひどくなる。
本実施形態のプリンタ1は、図1に示すように、チューブ15内におけるインクの状態(気泡や増粘インクの有無)を検出するインク状態検出センサ40(液体状態検出手段)を備えている。このセンサ40の検出結果に基づき、必要なときにのみパージ機構7による吸引パージや排気パージを行うことができる。しかし、さらにパージ機構7によるパージを効率よく行うためには、チューブ15内のどの位置に気泡や増粘インクが存在するのか、また、どのくらいの大きさ(量)の気泡や増粘インクが存在するのかを検出できることが好ましい。そこで、本実施形態のインク状態検出センサ40は、チューブ15の長さ方向に移動可能となっており、このセンサ40によって、チューブ15内のインクの状態をチューブ15の長さ方向における複数箇所で検出、さらには、チューブ15の長さ方向に連続的に検出することで、気泡や増粘インクの位置や大きさを検出できるようになっている。
以下、インク状態検出センサ40の構成について具体的に説明する。図4は、図2のインク状態検出センサ40を拡大した図である。図1、図2,図4に示すように、インク状態検出センサ40は、キャリッジ駆動モータ19(移動駆動手段)によって走査方向に往復駆動されるキャリッジ2に設けられている。また、先にも述べたが、図1に示すように、キャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3に接続されたチューブ15は、左方(走査方向一方)に引き出された後に、屈曲反転して、右方(走査方向右方)に引き回されてホルダ6に接続されている。つまり、キャリッジ2よりも紙送り方向下流側において、屈曲反転部15cからホルダ6までのチューブ部分15aが、走査方向に沿って配置されている。その上で、インク状態検出センサ40は、このチューブ部分15aと対向しつつ、キャリッジ2とともに走査方向に移動可能となっている。
また、チューブ15のうち、インクジェットヘッド3と直接接続されている、屈曲反転部15cまでのチューブ部分15bは、キャリッジ2の移動に伴って走査方向に沿って移動するが、屈曲反転部15cからホルダ6までのチューブ部分15aは、ホルダ6の位置が固定されているためにほとんど移動しない。従って、インク状態検出センサ40は、キャリッジ2とともに走査方向に移動することで、チューブ部分15aに対して、チューブ15の長さ方向に相対的に移動することになる。
図4に示すように、インク状態検出センサ40は、4本のチューブ15のそれぞれのインクの状態を個別に検出する4つのフォトセンサ41を備えている。図2にも示されているように、4本のチューブ15は、キャリッジ2の側方において上下方向に並んで配置されていることから、これら4本のチューブ15に対応する4つのフォトセンサ41も上下方向に並んで配置されている。各フォトセンサ41は、チューブ15と対向する位置において互いに近接して配置された発光素子42と受光素子43を有し、発光素子42から対象物であるチューブ15に向けて光が照射され、チューブ15で反射してきた光を受光する、反射型のフォトセンサである。
前述したように、チューブ15は透光性の合成樹脂材料からなり、発光素子42から照射された光は、まず、チューブ15のキャリッジ2側の壁を透過する。チューブ15内に気泡が存在しない場合には光の一部がインクで反射して受光素子43で受光されるが、気泡が存在する場合には光が反射されずに向こう側へ透過する。従って、気泡が存在する場合には受光素子43の受光量が減少する。また、チューブ15内に増粘したインクが存在する場合、この増粘インクは、通常粘度のインクと比べて濃度が高く、光の透過性が低い。従って、増粘インクが存在する場合には受光素子43の受光量が増加する。
また、インク状態検出センサ40がチューブ15の長さ方向に移動することで、気泡や増粘インクの有無だけでなく、その位置や大きさ(量)も検出できるようになる。さらに、増粘インクと通常粘度のインクの光透過性の違いを利用するだけでなく、増粘インクと通常粘度インクの屈折率の違いを利用して増粘インクの位置や大きさを検出してもよい。
図5は、チューブ15内の気泡検出の説明図であり、(a)はチューブ15内に気泡51が存在する状態を示す図、(b)は(a)の状態でのセンサ40の出力変化を示す図である。図5(a)のように、チューブ15内のある長さ範囲Laにおいてインク50中に気泡51が存在するときには、走査方向(チューブ15の長さ方向)に所定速度で移動するインク状態検出センサ40の出力(受光素子43の受光量)は、図5(b)のように、前記長さ範囲Laの区間に発光素子42から光を照射する時間Taの間において減少する。従って、所定の第1閾値V1よりも出力が減少した時間Taとセンサ40の移動速度(キャリッジ2の走査速度)から、気泡51が存在する長さ範囲La、即ち、気泡51の大きさを検出できる。また、キャリッジ2の走査方向位置は位置検出センサ11で検出されていることから、前記長さ範囲Laがチューブ15のどの位置に存在するかも検出できる。尚、インク状態検出センサ40の検出信号に基づく、気泡51の有無、位置、及び、大きさの検出は、後述する制御装置8の気泡検出部66によって行われる。
また、図6は、チューブ15内の増粘インク検出の説明図であり、(a)はチューブ15内に増粘インク52が存在する状態を示す図、(b)は(a)の状態でのセンサ40の出力変化を示す図である。図6(a)のように、チューブ15内のある長さ範囲Lbにおいて、通常粘度のインク50中に、それよりも粘度の高い増粘インク52が存在するときには、インク状態検出センサ40の出力は、図6(b)のように、前記長さ範囲Lbの区間に発光素子42から光を照射する時間Tbの間において増加する。従って、上述した気泡検出と同様に、所定の第2閾値V2(>第1閾値V1)よりも出力が増加した時間Tbとセンサ40の移動速度から、増粘インク52が存在する長さ範囲Lb、即ち、増粘インク52の量を検出できる。また、出力値(受光量の大きさ)から増粘の程度も検出できる。さらに、位置検出センサ11によるキャリッジ2の位置から、前記長さ範囲Lbがチューブ15のどの位置に存在するかも検出できる。尚、インク状態検出センサ40の検出信号に基づく、増粘インクの有無、位置、量、及び、増粘の程度の検出は、後述する制御装置8の増粘インク検出部67によって行われる。
従って、チューブ15内の気泡や増粘インクの有無だけでなく、それらの位置や大きさ(量)も検出することができるようになるため、これらの気泡や増粘インクに関する情報に基づいて、必要なときに必要な量だけインクを排出するように、パージ機構7による吸引パージや排気パージを最適化することが可能となる。これについては、後のパージ制御の説明で詳述する。
尚、図5(b)、図6(b)は、センサ40が移動している間、発光素子42の照射と受光素子43の受光を共に連続的に行い、センサ40によってチューブ15の長さ方向に連続的にインクの状態を検出している例であるが、発光素子42の照射や受光素子43の受光を、所定の時間間隔毎で間欠的に行うことで、チューブ15の長さ方向に所定間隔毎にインク状態の検出を行ってもよい。但し、気泡51や増粘インク52の位置や大きさを精度よく検出するには、やはり、チューブ15の長さ方向に連続的に検出を行うことが好ましい。
また、発光素子42が照射する光は基本的に白色光であるが、検出するチューブ15内のインクの色に応じて発光素子42が照射する光の光量や波長が異なっていてもよい。また、前述した気泡検出用の第1閾値V1、および、増粘インク検出用の第2閾値V2は、検出するチューブ15内のインクの色に応じて、それぞれ個別に設定されている。
次に、制御装置8を中心とするインクジェットプリンタ1の制御系について、図7のブロック図を参照して詳細に説明する。図7に示されるプリンタ1の制御装置8は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ1の全体動作を制御する為の各種プログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むマイクロコンピュータを備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行う。あるいは、制御装置8は、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
また、制御装置8は、印刷制御部60、状態検知部61、及び、パージ制御部62を備えている。尚、以下に説明する、印刷制御部60、状態検知部61、及び、パージ制御部62のそれぞれの機能は、実際には、上述したマイクロコンピュータの動作、あるいは、演算回路を含む各種回路の動作によって実現される。
印刷制御部60は、インクジェットヘッド3の液滴噴射動作を制御するヘッド制御部63と、位置検出センサ11の出力に基づいてキャリッジ駆動モータ19を制御して、キャリッジ2の走査方向位置を制御するキャリッジ制御部64と、用紙搬送機構9の用紙搬送動作を制御する搬送制御部65を有する。そして、印刷制御部60は、PC70から入力された、印刷する画像等に関するデータ(印字データ)に基づき、インクジェットヘッド3、キャリッジ駆動モータ19、及び、用紙搬送機構9を制御して、記録用紙Pへの印刷を行わせる。
状態検知部61は、気泡検出部66と増粘インク検出部67を有する。気泡検出部66(気泡検出手段)は、インク状態検出センサ40の検出信号(受光量の変化)と、位置検出センサ11で検出されたキャリッジ2の位置情報から、4本のチューブ15のそれぞれについて、気泡の有無、位置、及び、大きさを検出する。同じく、増粘インク検出部67(増粘液体検出手段)は、4本のチューブ15のそれぞれについて、増粘インクの有無、位置、大きさ(量)、及び、増粘の程度を検出する。
パージ制御部62(気泡排出制御手段、液体排出制御手段)は、状態検知部61で検出された気泡や増粘インクの情報に基づいて、吸引ポンプ31(気泡排出手段、増粘液体排出手段)を制御して吸引パージや排気パージを行わせ、気泡や増粘インクを効率的に排出させる。
尚、上述したインク状態検出センサ40による状態検出(センサ40の走査)、これに基づく気泡や増粘インクの検出、及び、この検出結果に基づいてパージを行うタイミングは、特定のタイミングに限定されるものではない。但し、長期間、印刷が行われない状態が続いたときに、チューブ15内に気泡や増粘インクが存在する可能性が高くなることから、例えば、電源投入直後に行うと効果的である。あるいは、プリンタ1に内蔵されている内部時計等により前回の印刷からの時間経過の程度を認識できる場合には、それに基づいて、気泡等の検出及びパージを行うようにしてもよい。
もちろん、プリンタ1の電源が入っている間に上記検出を適宜行ってもよく、例えば、PC70から印刷指令(印字データ)が入力されたときに、気泡や増粘インクが印刷に悪影響を及ぼさないように、印刷直前に上記検出を行って、パージによって気泡や増粘インクを確実に排出するようにしてもよい。
次に、気泡検出部66及び増粘インク検出部67の検出結果に基づいて行われる、パージ制御について、以下、気泡排出時と増粘インク排出時とに分けて具体例を挙げて説明する。
(気泡排出制御)
図8は気泡排出制御のフローチャートを示す。尚、この図8を含む、以下の全てのフローチャートにおいて、Si(i=10、11、12・・・)はステップ番号を表している。この気泡排出制御では、インク状態検出センサ40の検出信号に基づき、気泡検出部66によりチューブ15内の気泡が検出されたときには、パージ制御部62は、パージ機構7に、サブタンク4から気泡を排出する排気パージを行わせる。
気泡排出制御が開始されると、まず、キャリッジ駆動モータ19によりキャリッジ2を走査方向に一定速度で移動させ、インク状態検出センサ40をチューブ15に対して長さ方向に移動(走査)させつつ、チューブ15(図1のチューブ部分15a)内の状態検出を行わせる(S10)。次に、気泡検出部66は、インク状態検出センサ40の出力変化(受光素子43の受光量変化)からチューブ15内に気泡が存在するか否かを検出する(S11)
図5で説明したように、チューブ15内に気泡が存在する場合には、受光素子43の受光量(出力値)が低下する。従って、受光量が、インクが存在する場合の受光量である所定の第1閾値V1を下回ったときには(図5(b)の時間Ta)、気泡検出部66は、チューブ15内に気泡が存在していると判定する(S11:Yes)。一方、チューブ15内に気泡が存在していないと判定したときには(S11:No)、リターンする。
気泡が存在する場合には、気泡検出部66は、センサ40の出力が変化したタイミングと、位置検出センサ11で取得される、そのときのキャリッジ2の位置から、チューブ15の長さ方向における気泡の位置を検出する。また、センサ40の出力が変化した時間から気泡の大きさを検出する(S12)。
次に、パージ制御部62は、気泡検出部66で検出された気泡の位置や大きさに基づいて、パージ制御部62は、この気泡を排気パージで排出する際の、吸引ポンプ31の最適吸引量(最低必要吸引量)を決定する(S13)。チューブ15内の気泡の位置や大きさがわかっていることから、吸引ポンプ31で最低どれだけ吸引すれば、チューブ15内の気泡をサブタンク4の排気流路22から完全に排出することができるかがわかる。即ち、吸引ポンプ31の最低必要吸引量を決定することで、排気時間を短くし、また、排気パージによってサブタンク4から気泡とともに排出されるインクの量を極力抑えることができる。吸引量決定後、パージ制御部62は、切り替え装置32により吸引ポンプ31の接続先をサブタンク4の排気流路22に接続した上で、吸引ポンプ31を制御して、S13で決定した量の吸引を行わせ、排気パージを実行させる(S14)。
(増粘インク排出制御)
図9は増粘インク排出制御のフローチャートを示す。この増粘インク排出制御では、インク状態検出センサ40の検出信号に基づき、増粘インク検出部67によりチューブ15内の増粘インクが検出されたときには、前記気泡排出制御とは異なり、パージ制御部62は、パージ機構7に、ノズル14からインクを排出する吸引パージを行わせる。
増粘インク排出制御が開始されると、キャリッジ2とともにインク状態検出センサ40をチューブ15に対して長さ方向に移動(走査)させながら、チューブ15(チューブ部分15a)内の状態検出を行わせる(S20)。次に、増粘インク検出部67は、インク状態検出センサ40の出力変化(受光素子43の受光量変化)からチューブ15内に増粘インクが存在するか否かを検出する(S21)。
図6で説明したように、チューブ15内に増粘インクが存在する場合には、受光素子43の受光量(出力値)が増加する。従って、受光量が、増粘していないインクが存在する場合の受光量である所定の第2閾値V2を上回ったときには(図6(b)の時間Tb)、増粘インク検出部67は、チューブ15内に増粘インクが存在していると判定する(S21:Yes)。一方、チューブ15内に増粘インクが存在していないと判定したときには(S21:No)、リターンする。
増粘インクが存在する場合には、増粘インク検出部67は、センサ40の出力が変化したタイミングと、位置検出センサ11で取得される、そのときのキャリッジ2の位置とから、チューブ15の長さ方向における増粘インクの位置を検出する。また、センサ40の出力が変化した時間から増粘インクの量を検出する。さらに、センサ40の出力が第2閾値V2をどの程度上回っているかによって、増粘インクの増粘程度を検出する(S22)。
次に、パージ制御部62は、増粘インク検出部67で検出された増粘の位置や大きさ、増粘程度に基づいて、パージ制御部62は、この増粘インクを吸引パージで排出する際の、吸引ポンプ31の最適な吸引量(最低必要吸引量)及び吸引速度(吸引ポンプ31の回転速度)を決定する(S23)。チューブ15内の増粘インクの位置や大きさがわかっていることから、吸引ポンプ31で最低どれだけ吸引すれば、チューブ15内の増粘インクをノズル14から完全に排出することができるかがわかる。また、増粘程度が高いほど排出には強い吸引が必要となるが、増粘程度がわかっていることから、それに応じて吸引速度を変えて確実に増粘インクを排出できるようになる。
吸引量決定後、パージ制御部62は、切り替え装置32により吸引ポンプ31の接続先を吸引キャップ30に接続し、吸引キャップ30をインクジェットヘッド3の、ノズル14が開口する下面に密着させた上で、吸引ポンプ31を制御して、S23で決定した吸引量及び吸引速度で吸引を行わせ、吸引パージを実行させる(S24)。
以上説明したように、本実施形態では、チューブ15に対してその長さ方向に移動するインク状態検出センサ40により、チューブ15内のインクの状態(気泡や増粘インクの有無)を、チューブ15の長さ方向の複数箇所で検出でき、さらには、チューブ15の長さ方向に連続的に検出できることから、チューブ15内に存在する気泡や増粘インクを検出する機会が増え、検出の確実性が増す。
また、インク状態検出センサ40の検出結果に基づいて、気泡や増粘インクの位置や大きさ(量)を検出することができる。従って、この気泡や増粘インクの位置や大きさの情報に基づいて、気泡や増粘インクを排出する排気パージや吸引パージを行うときの動作(吸引ポンプ31の吸引量)を最適に制御して、排出に要する時間を短くする、あるいは、排出(廃棄)されるインク量を少なく抑えるといったことが可能となる。
さらに、気泡や増粘インクが検出された場合でも、その気泡や増粘インクの大きさが、インクジェットヘッド3に及ぼす影響がほとんどないと判断されるほど小さい場合には、排気パージや吸引パージを行わないようにすることもできる。例えば、気泡が非常に小さい場合には、サブタンク4に貯留されている気泡に吸収されてもその気泡貯留量はほとんど変化しないことから、ヘッド3に影響が及ばない。また、増粘インクの量が非常に小さい場合には、周囲の通常粘度のインクと混ざり合うことで、ヘッド3に影響が及ばなくなる。
また、本実施形態では、インクジェットヘッド3が搭載されたキャリッジ2に、インク状態検出センサ40が設けられて、センサ40がキャリッジ2と一体的にチューブ15の長さ方向に移動するように構成されていることから、インク状態検出センサ40を移動させるための構成を専用に設ける必要がない。
また、インク状態検出センサ40は4つのフォトセンサ41を有し、これら4つのフォトセンサ41により、4色のインクをインクジェットヘッド3にそれぞれ供給する4本のチューブ15のそれぞれのインクの状態を個別に検出する。従って、チューブ15毎(即ち、インクの色毎)で、排気パージや吸引パージの最適化等を行うことが可能となる。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]インク状態検出センサ40の構成に関する変更形態(変更形態1〜11)
インク状態検出センサ40の構成について、以下のような様々な変更が可能である。
(変更形態1)
図10に示すように、チューブ15の、発光素子42からの光が照射される部分15dの表面(照射面)が平面であると、照射面での光の屈折及び乱反射が少なくなり、センサ40の受光素子での光の検出精度が上がる。また、チューブ15の、光が照射される部分15dの肉厚が、それ以外の部分と比べて薄くなっていると、発光素子42からの光が照射される部分が薄くなって光が透過しやすくなることから、やはり検出精度が上がる。
(変更形態2)
図11(a)に示すように、チューブ15が、合成樹脂材料やエラストマーで形成され、長手方向に延びる溝73aを有するチューブ本体73に、合成樹脂等からなる薄いフィルム74が前記溝73aを覆うように貼り付けられることによって、内部にインク流路が形成されたものであってもよい。この場合、薄いフィルム74の平坦な外表面に発光素子42からの光が照射されることにより、チューブ15の内外の間で光が透過しやすくなる。また、図11(b)に示すように、チューブ本体73に、4色のインクが流れる4本の溝73aが形成され、フィルム74が4本の溝73aを共通に覆うように貼り付けられることによって、4色のインクがそれぞれ流れるインク流路が一体化されたチューブ15であってもよい。
(変更形態3)
前記実施形態では、インク状態検出センサ40は、4本のチューブ15の検出をそれぞれ行う4つのフォトセンサ41を備えていたが(図4参照)、1つのフォトセンサ41が、複数のチューブ15が並んでいる方向(図4の例であれば上下方向)に移動可能に構成されて、この1つのフォトセンサ41で、複数のチューブ15のインク状態検出を行ってもよい。
(変更形態4)
キャリッジ2に、記録用紙P(被噴射体)の走査方向に関する端位置を検出する(用紙幅を検出する)、フォトセンサからなる端位置検出センサ(端位置検出手段)が設けられている場合、この端位置検出センサを、チューブ15のインク状態を検出するインク状態検出センサ40として使用することも可能である。このように、キャリッジ2に設けられた端位置検出センサをインク状態検出センサ40として用いることで、チューブ15内のインクの状態を検出するための専用のセンサを設ける必要がない。
但し、この端位置検出センサは、端位置検出時には記録用紙Pに向けて光を照射するため、前記実施形態の図4のように、チューブ15がキャリッジ2の側方に位置している場合に、端位置検出センサをインク状態検出センサとして使用するには、センサの光照射方向を変えることができるように構成されている必要がある。例えば、図12に示すように、センサ40が90度回転可能にキャリッジ2に取り付けられており、図12(a)のように、記録用紙Pの走査方向(図12の紙面垂直方向)における端位置を検出するときには、センサ40の照射方向を下方とする一方で、図12(b)のように、チューブ15内のインク状態の検出を行うときには、センサ40の照射方向を側方に切り替える。
(変更形態5)
インク状態検出センサ40が、透過型のフォトセンサからなるものであってもよい。例えば、図13に示すように、キャリッジ2に設けられたインク状態検出センサ40が、センサ本体80と、このセンサ本体80に、チューブ15を挟むように設けられた発光素子83と受光素子84を備え、発光素子83からチューブ15に向けて照射され、さらに、チューブ15を透過してきた光が、反対側の受光素子84で受光されるように構成されてもよい。
(変更形態6)
インク状態検出センサ40は、上述したフォトセンサには限られず、超音波を利用したセンサや、チューブ15内の気泡の有無による電気導電度、あるいは、静電容量の違いを利用したセンサなどを使用することもできる。さらには、スキャナで採用されているようなイメージセンサを用いてもよい。この場合は、イメージセンサで透明なチューブ15の内部を撮像し、撮像された画像データに公知の画像認識処理を施すことにより、気泡や増粘インクの位置や大きさを検出することができる。
(変更形態7)
可撓性のチューブ15は、キャリッジ2の移動の際に外力が作用すると容易に屈曲変形して位置が変化するため、インク状態検出センサ40によるインク状態検出を精度よく行うには、検出対象のチューブ部分の変位を小さく規制することが好ましい。具体的には、例えば、図14(a)に示すように、キャリッジ2にチューブ保持部材85Aが設けられ、このチューブ保持部材85Aには、反射型のフォトセンサからなるインク状態検出センサ40が設けられるとともに、このインク状態検出センサ40と対向する4つの溝部86が形成されている。4つの溝部86にはそれぞれ4本のチューブ15が長さ方向に摺動可能に保持され、また、キャリッジ2が移動したときの、インク状態検出センサ40により検出されるチューブの一部分の、特に上下方向の変位が規制される。尚、インク状態検出センサ40は、図14(a)のようにチューブ保持部材85Aに設けられるのではなく、前記実施形態の図4のようにキャリッジ2に設けられていてもよい。
また、図14(b)に示すように、チューブ保持部材85が、挿通孔87aが形成され、且つ、挿通孔87aの上部で二分割された弾性部材87を有し、この弾性部材87の挿通孔87aにチューブ15が挿通されて弾性部材87で締め付けられることによって、チューブ15が保持されてもよい。この場合には、チューブ15の、長さ方向とそれぞれ直交する2方向(図中の上下及び左右)の変位が共に規制される。また、図14(c)に示すように、チューブ保持部材85Cが、チューブ15を挟持する1対のローラ88を有するものであってもよい。この場合には、チューブ保持部材85Cが、チューブ15の図中左右方向の変位を1対のローラ88によって規制しつつ、チューブ15に対してその長さ方向にスムーズに移動できる。尚、図14(b)、図14(c)では、インク状態検出センサ40の図示は省略されているが、キャリッジ2、あるいは、チューブ保持部材85B,85Cの、チューブ15と対向する適宜の位置に設けられる。
このように、インク状態検出センサ40と一体的に移動するチューブ保持部材85(85A〜85C)によって、インク状態検出センサ40で検出されるチューブ15の一部が保持されて、長さ方向と直交する方向のチューブ15の変位が規制されることにより、センサ40の検出対象であるチューブ15の一部分の、センサ40に対する位置がずれにくくなり、検出精度が向上する。
(変更形態8)
前記実施形態では、インク状態検出センサ40はキャリッジ2に設けられて、キャリッジ2と一体的にチューブ15の長さ方向に移動するように構成されていた。従って、インク状態検出センサ40で検出を行う際にキャリッジ2とともにインクジェットヘッド3も移動し、その際に、ヘッド3に接続されたチューブ15に外力が作用して変形(変位)する場合があり、その場合にはセンサ40の検出精度が低下する。この観点からは、インク状態検出センサ40は、インクジェットヘッド3(キャリッジ2)と一体的に移動して検出を行うのではなく、インクジェットヘッド3に対して相対移動可能に構成されて、静止状態のチューブ15に対して、その長さ方向に沿って独立に移動して検出を行うことが好ましい。
例えば、図15に示すように、インク状態検出センサ40がキャリッジ2とは別に設けられ、走査方向(チューブ15の長さ方向)に延びるガイド軸90によって案内された状態で、チューブ15の長さ方向に沿って移動可能である。そして、キャリッジ2が停止して、チューブ15が静止した状態で、センサ駆動モータ91(移動駆動手段)により駆動されて、チューブ15の長さ方向に沿って移動しながら、チューブ15のインク状態検出を行う。
(変更形態9)
前記実施形態では、図1からもわかるように、キャリッジ2に設けられたインク状態検出センサ40によって、同じくキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3に接続されたチューブ15の全長を検出対象とすることは難しく、前記実施形態では、屈曲反転部15cからホルダ6までのチューブ部分15aのみを検出対象としていた。しかし、これでは、屈曲反転部15cや、屈曲反転部15cからインクジェットヘッド3までのチューブ部分15bに存在する気泡や増粘インクを検出することができない。そこで、チューブ15の長さ方向全長にわたって検出を行うという観点からは、インク状態検出センサ40が、チューブ15に沿って、その屈曲にも追従して移動できるようになっていることが好ましい。
具体例を以下に挙げる。図16に示すように、チューブ15の外面に、長さ方向に延びるガイド部15eが一体形成され、チューブ15のガイド部15eに係合するセンサ保持体92がガイド部15eに沿って移動可能に構成されている。また、このセンサ保持体92には、図示は省略するが、インク状態検出センサと、センサ保持体92を自走させる駆動機構が設けられている。そして、センサ保持体92がチューブ15に沿ってその屈曲部分にも追従して自走することで、チューブ15の全長にわたってインク状態の検出が可能となる。
(変更形態10)
前記実施形態では、インクジェットヘッド3がキャリッジ2に搭載されて、記録用紙Pの幅方向に平行な走査方向に往復移動する、いわゆる、シリアル型のインクジェットプリンタであったが、記録用紙Pの幅方向(図1におけるキャリッジ走査方向)に長尺で、液滴噴射位置が固定されたライン型のインクジェットヘッド3を有するプリンタにも本発明を適用できる。但し、この場合には、インクジェットヘッド3を移動させるキャリッジ2が存在しないため、インク状態検出センサ40を移動させるためには、前記変更形態8(図15)、変更形態9(図16)のように、このセンサ40を単独でチューブ15に対して移動させるための構成が必要である。
(変更形態11)
1つのインク状態検出センサ40をチューブ15の長さ方向に移動させる必要は必ずしもなく、チューブ15の長さ方向に複数のインク状態検出センサ40が配置されることによっても、チューブ15の複数箇所におけるインク状態を検出することが可能である。
2]インク状態検出センサ40の検出信号の利用に関する変更形態(変更形態12〜16)
インク状態検出センサ40の検出信号に基づいて、気泡検出部66で検出された、チューブ15内の気泡に関する情報(位置や大きさ)を用いて、前記実施形態で記載した以外にも様々な制御や検知が可能となる。
(変更形態12)
サブタンク4にはある程度の量の気泡を貯留することができるため、チューブ15内の気泡が検出されても、その検出の度に排気パージを行う必要はない。つまり、現時点で検出された気泡がサブタンク4に送られたと仮定したときに、サブタンク4内の総気泡量が、その最大貯留量を超えるか否かを判断して、超えると予測される場合にのみ排気パージを行ってもよい。
図17は変更形態12の気泡排出制御のフローチャートである。まず、この変更形態10においては、プリンタ1の制御装置8は、前回の排気パージが終了してから現時点に至るまでの間に、気泡検出部66により検出されたチューブ15内の気泡の大きさの情報(検出履歴)を保持(記憶)している。
気泡排出制御が開始されると、インク状態検出センサ40の走査が行われ(S30)、気泡が検出された場合には(S31:Yes)、気泡検出部66により気泡の大きさV1が算出される(S32)。次に、気泡検出部66は前述の検出履歴を参照し、過去に検出された気泡の大きさ(量)を積算することにより、現時点でサブタンク4内に貯留されている気泡量Vを推測する(S33)。即ち、気泡検出部66が本願の気泡貯留量推測手段に相当する。
次に、パージ制御部62は、チューブ15内の気泡がサブタンク4に送られたと仮定したときのサブタンク内気泡量V2(=V+V1)を算出し(S34)、このサブタンク内気泡量V2が、サブタンク4に貯留可能な所定の最大気泡貯留量Vmaxを超えるかどうか判定する(S35)。尚、最大気泡貯留量Vmaxとは、これ以上サブタンク4に気泡が流入すると、インクジェットヘッド3の印刷動作や吸引パージの際に、インクジェットヘッド3へ気泡が流れると判断される、サブタンク4の容積や内部の流路構造等から設計的に決定される貯留限界気泡量のことである。
V2がVmax以下である場合には(S35:No)、現時点では気泡を排出する必要はないと判断して、リターンする。一方、V2がVmaxを超える場合(S35:Yes)には、パージ制御部62は、インクジェットヘッド3に気泡が流入しないように気泡を排出する必要があると判断する。そして、サブタンク4内の気泡量Vと、チューブ15内の気泡V1の両方を排出することができるように、吸引ポンプ31の吸引量を決定し(S36)、吸引ポンプ31を制御して、排気パージを行わせる(S37)。尚、この排気パージによってサブタンク4内の気泡は全て排出されていることから、過去の気泡検出履歴をリセット(消去)し(S38)、リターンする。
このように、サブタンク4内の気泡貯留量が最大気泡貯留量を超えると予測される場合にのみ、排気パージを行わせることで、不必要に排気パージが行われてしまうことを極力防止することができる。また、仮に、サブタンク4内に貯留されている気泡量以上に、吸引ポンプ31を駆動させると、サブタンク4内の気泡だけでなく、インクも同時に排出してしまうが、吸引ポンプ31の吸引量を制御することで、気泡排出時に排出(廃棄)されるインクを少なくすることができる。
(変更形態13)
チューブ15内の気泡がインクジェットヘッド3から遠く離れた位置にある場合には、この気泡がインクジェットヘッド3に到達するまでに時間を要するため、すぐに気泡を排出する必要はない。また、排気パージでは、インクジェットヘッド3に直結するサブタンク4から気泡を排出するため、チューブ15内の気泡を排出する前に、サブタンク4と気泡との間に存在する多量のインクを先に排出しなくてはならない。そのため、インクジェットヘッド3(サブタンク4)に近い位置に気泡が存在するときに気泡排出を行うことが好ましい。しかしながら、インクジェットヘッド3の印刷動作(液滴噴射動作)によってチューブ15内のインクがインクジェットヘッド3へ向けて移動したときに、気泡がインクジェットヘッド3に到達してしまうことは避ける必要がある。そこで、気泡検出部66で気泡が検出されたときに、その気泡の位置によって、すぐに気泡を排出するのか、それとも、インクジェットヘッド3による印刷動作をある程度おこなった後に気泡を排出するのかを決定してもよい。
図18は変更形態13の気泡排出制御のフローチャートである。気泡排出制御が開始されると、インク状態検出センサ40の走査が行われ(S40)、気泡が検出された場合には(S41:Yes)、気泡検出部66により気泡の位置と大きさが検出される(S42)。また、パージ制御部62は、気泡検出部66で検出された気泡の位置からサブタンク4までの間に存在するインク量、即ち、排気パージを行ってサブタンク4から気泡を排出した場合に、気泡とともに排出されるインク量Vaを推測する(S43)。この状態で、印刷指令が入力されるまで待機し、PC70から印刷指令が入力されたときには(S44:Yes)、入力された印字データに基づき、ヘッド制御部63は、その印刷を行ったときにインクジェットヘッド3で消費されるインク量を推測する(S45)。
次に、パージ制御部62は、S43で推測されたインク量Vaと、S45で推測されたインクジェットヘッド3でのインク消費量Vbとを比較する(S46)。VaがVbよりも大きい場合には(S46:Yes)、インクジェットヘッド3で印刷を行ってもチューブ15内の気泡がサブタンク4まで到達しないと判断して、ヘッド制御部63はインクジェットヘッド3に印刷動作を行わせる。
一方、VaがVb以下の場合には(S46:No)、インクジェットヘッド3で印刷を行うとチューブ15内の気泡がサブタンク4まで到達すると判断して、パージ制御部62は、吸引ポンプ31の吸引量を決定し(S47)、排気パージを行わせる(S48)。その後、ヘッド制御部63がインクジェットヘッド3に印刷動作を行わせる(S49)。
尚、排気パージをすることなく印刷動作を行った場合には(S46:Yes→S49)、気泡がチューブ15に残ったままであることから、これ以降、PC70から印刷指令が来るたびに、S40からの一連のステップを実行させることが好ましい。
この変更形態13においては、インクジェットヘッド3の印刷動作でインクが消費された場合にチューブ15内の気泡がインクジェットヘッド3(サブタンク4)に到達するか否かを推測できるため、印刷動作よりも排気パージを先に行うべきかを決定して、本当に必要なときにのみ排気パージを行わせることができる。
(変形形態14)
この変更形態14は、前述した変更形態12と変更形態13を組み合わせた形態である。即ち、チューブ15内の気泡がインクジェットヘッド3から遠く離れた位置にある場合には、この気泡がインクジェットヘッド13に到達するまでに時間を要するため、すぐに気泡を排出する必要はなく(変形形態13)、さらに、サブタンク4にある程度の量の気泡を貯留することができれば、チューブ15内の気泡が検出されても、その検出の度に排気パージを行う必要はない(変形形態12)。
図19は変更形態14の気泡排出制御のフローチャートである。この変形形態14において、プリンタ1の制御装置8は、前回の排気パージが終了してから現時点に至るまでの間に、気泡検出部66により検出されたチューブ15内の気泡の大きさの情報(検出履歴)を保持(記憶)している。
気泡排出制御が開始されると、インク状態検出センサ40の走査が行われ(S50)、気泡が検出された場合に(S51:Yes)、気泡検出部66により気泡の位置と大きさ(V1)が検出される(S52)。パージ制御部62は、気泡検出部66で検出された気泡の位置からサブタンク4までの間に存在するインク量Vaを推測する(S53)。その後、PC70から印刷指令が入力されたときには(S54:Yes)、入力された印字データに基づき、ヘッド制御部63は、その印刷を行ったときにインクジェットヘッド3で消費されるインク量Vbを推測する(S55)。
次に、パージ制御部62は、推測されたインク量VaとVbとを比較し、VaがVbよりも大きい場合には(S56:Yes)、インクジェットヘッド3で印刷を行ってもチューブ15内の気泡がサブタンク4まで到達しないと判断して、ヘッド制御部63はインクジェットヘッド3に印刷動作を行わせる(S57)。
一方、VaがVb以下の場合には(S56:No)、インクジェットヘッド3で印刷を行うとチューブ15内の気泡がサブタンク4まで到達する。
ここで、気泡検出部66は前述の検出履歴を参照し、過去に検出された気泡の大きさ(量)を積算することにより、現時点でサブタンク4内に貯留されている気泡量Vを推測する(S58)。
次に、パージ制御部62は、インクジェットヘッド3で印刷を行った場合に、チューブ15内の気泡がサブタンクに送られたと仮定したときのサブタンク内気泡量V2(=V+V1)を算出し(S59)、このサブタンク内気泡量V2が、サブタンク4に貯留可能な所定の最大気泡貯留量Vmaxを超えるかどうかを判定する(S60)。
V2がVmax以下である場合には(S60:No)、現時点では、気泡を排出する必要はないと判断して、ヘッド制御部63は、インクジェットヘッド3に印刷動作を行わせる(S57)。一方、V2がVmaxを超える場合には(S60:Yes)、パージ制御部62は、インクジェットヘッド3に気泡が流入しないように気泡を排出する必要があると判断する。そして、サブタンク4内の気泡量Vと、チューブ15内の気泡V1の両方を排出することができるように、吸引ポンプ31の吸引量を決定し(S61)、吸引ポンプ31を制御して、排気パージを行わせる(S62)。尚、この排気パージによってサブタンク4内の気泡は全て排出されていることから、過去の気泡検出履歴をリセット(消去)する(S63)。その後、インクジェットヘッド3に印刷動作を行わせる(S57)。
(変更形態15)
チューブ15内に気泡が存在する状態で、インクジェットヘッド3が停止したまま時間が経過すると、外気の侵入やインクの蒸発が継続することにより気泡が成長する。この気泡の成長は、気泡検出部66により、現時点で検出された気泡の位置と、それ以前に検出された気泡の位置から把握することができる。また、気泡が成長するということは、その分、インクの体積が減少して増粘が進行しているということであるから、気泡の成長(気泡量の変化)から、インクの粘度を推測することができる。
この粘度推測の具体的な手法について説明する。図20は変更形態15を説明するためのプリンタの概略図である。図20のように、インクジェットヘッド3の上方に位置するサブタンク4は、大気連通孔5aによって大気開放されたインクカートリッジ5とチューブ15で接続されている。また、図21は変更形態15のプリンタの電気的構成を示すブロック図である。図21に示すように、この変更形態15のプリンタの制御装置8は、気泡検出部66で検出された気泡の位置に基づいて粘度を推測する粘度推測部93(粘度推測手段)を有する。
チューブ15内でインクの蒸発(増粘)や気泡51aの成長が生じたときには、インクジェットヘッド3(ノズル)側のメニスカス保持力がインクカートリッジ5側と比べて十分高いため、チューブ15とインクカートリッジ5との間ではインクの出入りが生じてインクカートリッジ5の液面が変動する一方で、ノズル側ではメニスカス位置の変動は生じず、インクの出入りは発生しない。そこで、ここでは、気泡51aの下流側(ノズル側)におけるインクの体積変化を検出することによって、インクの蒸発率を推測する。
インクの蒸発率rは、前回推測時から今回までの、気泡51aよりも下流側のインクの体積変化から求められる。即ち、
r=((前回の下流側インクの体積V0)−(今回の下流側インク体積V))/(前回の下流側インク体積V0)・・・(1)
である。また、今回の下流側インク体積Vは、簡単に算出するなら、
V=(前回の下流側インクの体積V0)−(チューブ内気泡の前進体積ΔVt1)・・・(2)
で求められる。ここで、前回のインク体積V0は、前回の粘度推測時に求められて記憶されている値であり、粘度推測が行われるたびに更新される。また、チューブ内気泡前進体積ΔVt1は、気泡51aの下流側への前進量を示すものであり、気泡検出部66により検出される気泡51aの、下流端の位置変化から求まる。
但し、上記式(2)では、サブタンク4内に存在する気泡51bの成長については考慮されていない。このサブタンク4内の気泡51bについても考慮するには、サブタンク内気泡成長体積ΔVsをさらに求め、
V=V0−ΔVt1−ΔVs・・・(3)
とし、式(2)の代わりにこの式(3)を使用して、今回の下流側インクの体積Vを求める。サブタンク内気泡成長体積ΔVsは、気泡検出部66により検出された気泡位置から求まる、チューブ内気泡成長体積ΔVt2に所定の係数Cを乗じることにより算出できる。この係数Cは、材質や構造、表面積等の、インク蒸発に関する条件が異なるチューブ15とサブタンク4との間の、気泡成長速度の違いを示す係数であり、設計段階で予め設定されて制御装置8内に記憶されている。
式(1)からインク蒸発率が求められると、粘度推測部93は、予め記憶されている、インク蒸発率とインク粘度との対応テーブルから、気泡の下流側のインク粘度を推測する。
このようにしてインクの粘度を推測できると以下のような制御が可能となる。例えば、インクジェットヘッド3を制御するヘッド制御部63が、インク粘度が高い場合には高いエネルギーをインクに与えるようにすることで、粘度が低い場合と同じ噴射特性を実現することができる。また、パージ機構7を制御するパージ制御部62は、インク粘度が高い場合には吸引ポンプ31の吸引速度を高くすることで、粘度が高いインクを確実に吸引パージで排出することができる。また、上記インクの蒸発率rからインクジェットヘッド3やインクカートリッジ5内のインクの蒸発率を推測し、インクジェットヘッド3やインクカートリッジ5内のインクの粘度を推測することもできる。このとき、インクの粘度が高いと、ノズル14の噴射不良が生じる虞があることから、印刷前や印刷中に行うフラッシングの量や回数を多くする、あるいは、吸引パージの頻度を増やすことも有効である。
(変更形態16)
気泡検出部66により検出された気泡の位置の変化から、チューブ15内におけるインクの移動速度を求め、これに基づいてインクの粘度を推測することも可能である。
例えば、チューブ15内に気泡が存在している状態で、インクジェットヘッド3からの液滴噴射が行われたり、吸引パージが行われたりしてインクが消費されるときに、気泡検出部66により検出される気泡の位置変化から求まるインクの移動速度が、増粘していないインクから想定されるインクの移動速度と比べて小さい場合には、流動抵抗が増大していることから、インクの粘度が高くなっていると判断できる。また、パージ機構7により吸引パージを行わせて、所定量のインクをパージで排出した場合の、気泡の移動速度を検出することによって、粘度を推測することもできる。
あるいは、キャリッジ2を所定速度で走査方向に移動させたときの、キャリッジ走査速度から予測される、慣性によるインクの流れ(移動速度)と、気泡検出部66で検出される気泡の位置変化から求まる移動速度とを比較し、その差からインクの粘度を推測することも可能である。
(変更形態17)
チューブ15の一部分にリークが生じているときには、インクジェットヘッド3で所定量のインクが消費されてチューブ15にインクの流れが発生したときに、チューブ15内の実際のインクの移動速度が、消費されるインク量から推測されるインクの移動速度と異なってくる。そこで、チューブ15内のインクが流れたときの気泡の位置からインクの移動速度を求めることで、チューブ15のリークを検出することも可能である。
前記実施形態及びその変更形態は、液滴噴射装置の一種であるインクジェットプリンタに本発明を適用した例であるが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。即ち、噴射される液体の種類、用途、使用される技術分野に関係なく、様々な液体をチューブでヘッドに供給する構成を備えた液滴噴射装置であれば、本発明を適用することが可能である。
1 インクジェットプリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
4 サブタンク
5 インクカートリッジ
7 パージ機構
8 制御装置
9 用紙搬送機構
14 ノズル
15 チューブ
19 キャリッジ駆動モータ
40 インク状態検出センサ
41 フォトセンサ
42 発光素子
43 受光素子
62 パージ制御部
66 気泡検出部
67 増粘インク検出部
83 発光素子
84 受光素子
85 チューブ保持部材
91 センサ駆動モータ
93 粘度推測部

Claims (17)

  1. 液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、
    前記液滴噴射ヘッドで噴射される液体を貯留する貯留タンクと、
    前記液滴噴射ヘッドと前記貯留タンクとを接続するチューブと、
    前記チューブ内の液体の状態を検出信号として出力する液体状態検出手段と、
    前記液体状態検出手段を、前記チューブの長さ方向に移動させる移動駆動手段を有し、
    前記液体状態検出手段は、前記チューブの長さ方向における複数箇所における、液体の状態を検出信号として出力し、
    前記液体状態検出手段の移動速度と、前記移動の間に前記液体状態検出手段から出力された検出信号が所定の閾値から変化した時間の長さと、に基づいて、液体の状態を検出する状態検出手段をさらに有することを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記液滴噴射ヘッドは、前記移動駆動手段によって所定の走査方向に往復移動されるキャリッジに搭載され、
    前記チューブは前記液滴噴射ヘッドから前記走査方向に沿うように配置され、
    前記液体状態検出手段は前記キャリッジに設けられて、前記キャリッジの前記走査方向の移動に伴って、前記チューブの長さ方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記液滴噴射ヘッドの液滴噴射対象である被噴射体を、前記液滴噴射ヘッドに対して前記走査方向と直交する方向に搬送する搬送手段を備え、
    前記キャリッジには、前記搬送手段によって搬送される前記被噴射体の、前記走査方向における端位置を検出する端位置検出手段が設けられ、
    前記端位置検出手段は、前記被噴射体に向けて光を照射する発光素子と、前記光を受光する受光素子とを備えたフォトセンサであり、
    前記端位置検出手段は、前記キャリッジとともに前記チューブの長さ方向に移動しつつ、前記発光素子から前記チューブに向けて光を照射し、前記受光素子の受光量から前記チューブ内の液体の状態を検出する、前記液体状態検出手段を兼ねていることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記キャリッジに設けられて前記液体状態検出手段と一体的に前記チューブに対してその長さ方向に移動可能で、前記液体状態検出手段により液体の状態が検出される前記チューブの一部分を保持しつつ、前記長さ方向と直交する方向の変位を規制する、チューブ保持部材を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の液滴噴射装置。
  5. 前記液体状態検出手段は、前記液滴噴射ヘッドに対して相対移動可能に構成され、
    前記移動駆動手段は、静止状態のチューブに対して、前記液体状態検出手段を、前記チューブの長さ方向に沿って移動させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  6. 前記液体状態検出手段は、前記チューブに向けて光を照射する発光素子と、前記光を受光する受光素子とを備えた、反射型又は透過型のフォトセンサであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液滴噴射装置。
  7. 前記チューブの、前記発光素子からの光が照射される照射面が平面であることを特徴とする請求項6に記載の液滴噴射装置。
  8. 前記チューブの、前記発光素子からの光が照射される部分は、それ以外の部分と比べて肉厚が薄くなっていることを特徴とする請求項6又は7に記載の液滴噴射装置。
  9. 複数種類の液体をそれぞれ貯留する複数の前記貯留タンクと、前記複数の貯留タンクと前記液滴噴射ヘッドをそれぞれ接続する複数の前記チューブを有し、
    前記液体状態検出手段は、前記複数のチューブのそれぞれの液体の状態を個別に検出信号として出力することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液滴噴射装置。
  10. 前記状態検出手段は、前記液体状態検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記チューブ内の気泡の有無、前記気泡の位置、及び、前記気泡の大きさを検出する気泡検出手段を有することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の液滴噴射装置。
  11. 前記チューブから前記液噴射ヘッドへ送られる気泡を排出する気泡排出手段と、この気泡排出手段の気泡排出動作を制御する気泡排出制御手段とを備え、
    前記気泡排出制御手段は、前記気泡検出手段により検出された気泡の大きさと気泡の位置の少なくとも一方に基づいて、前記気泡排出手段を制御することを特徴とする請求項10に記載の液滴噴射装置。
  12. 前記液滴噴射ヘッドと前記チューブの間に介在して、前記チューブから送られてくる気泡を貯留する気泡貯留体を備えており、前記気泡排出手段は、前記気泡貯留体に貯留された気泡を排出するように構成され、
    直前に行われた前記気泡排出手段の気泡排出動作が終了してから現時点に至るまでの間に、前記気泡検出手段によって検出された気泡の大きさに基づいて、前記気泡貯留体に貯留されている気泡の量を推測する気泡貯留量推測手段をさらに備え、
    前記気泡排出制御手段は、前記気泡貯留量推測手段で推測された気泡貯留量と、現時点で前記気泡検出手段により検出されている気泡の大きさに基づいて、前記気泡排出手段を制御することを特徴とする請求項11に記載の液滴噴射装置。
  13. 前記気泡排出制御手段は、前記気泡検出手段により検出された気泡の位置に基づいて、前記液滴噴射ヘッドが液滴噴射動作を行う前に、前記気泡排出手段による気泡排出動作を行わせるか否かを決定することを特徴とする請求項11又は12に記載の液滴噴射装置。
  14. 前記気泡検出手段により現時点で検出された気泡の大きさと、現時点よりも前に検出された気泡の大きさとから前記チューブ内における気泡の成長速度を求め、これに基づいて前記チューブ内の液体の粘度を推定する粘度推定手段を備えていることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載の液滴噴射装置。
  15. 前記液滴噴射ヘッドの液滴噴射動作が行われる際に前記気泡検出手段により検出された、気泡の位置の変化から液体の移動速度を求め、これに基づいて前記チューブ内の液体の粘度を推定する粘度推定手段を備えていることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載の液滴噴射装置。
  16. 前記状態検出手段は、前記液体状態検出手段から出力された検出信号に基づいて、前記チューブ内の増粘した液体の有無、前記増粘した液体の位置、及び、増粘した液体の大きさを検出する増粘液体検出手段を有することを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載の液滴噴射装置。
  17. 前記チューブ内の前記増粘した液体を排出する増粘液体排出手段と、この増粘液体排出手段の排出動作を制御する液体排出制御手段とを備え、
    前記液体排出制御手段は、前記増粘液体検出手段により検出された増粘液体の大きさと増粘液体の位置の少なくとも一方に基づいて、前記増粘液体排出手段を制御することを特徴とする請求項16に記載の液滴噴射装置。
JP2010078526A 2010-03-30 2010-03-30 液滴噴射装置 Active JP5201163B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078526A JP5201163B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 液滴噴射装置
CN201110059288.6A CN102205702B (zh) 2010-03-30 2011-03-09 液滴喷射设备
EP11001992.4A EP2371553B1 (en) 2010-03-30 2011-03-10 Liquid droplet jetting apparatus
US13/046,003 US8534791B2 (en) 2010-03-30 2011-03-11 Liquid droplet jetting apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078526A JP5201163B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 液滴噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011207131A JP2011207131A (ja) 2011-10-20
JP5201163B2 true JP5201163B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=44168789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078526A Active JP5201163B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 液滴噴射装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8534791B2 (ja)
EP (1) EP2371553B1 (ja)
JP (1) JP5201163B2 (ja)
CN (1) CN102205702B (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102490464A (zh) * 2011-11-24 2012-06-13 富美科技有限公司 一种喷墨打印机用字车机构
US9132634B2 (en) * 2012-11-29 2015-09-15 Palo Alto Research Center Incorporated Bypass flow path for ink jet bubbles
EP2972130A4 (en) * 2013-03-14 2016-12-07 The Alfred E Mann Found For Scient Res MICROFLUIDIC FLOW SENSOR
JP6302255B2 (ja) * 2014-01-16 2018-03-28 株式会社キーエンス カートリッジ式インクジェット記録装置
JP2015199264A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP2015199261A (ja) 2014-04-08 2015-11-12 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP6641684B2 (ja) 2014-11-10 2020-02-05 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
US10029269B2 (en) * 2014-12-30 2018-07-24 Gojo Industries, Inc. Dispensing device
JP6812786B2 (ja) * 2016-12-27 2021-01-13 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP6862990B2 (ja) * 2017-03-27 2021-04-21 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
DE102017205098B3 (de) * 2017-03-27 2018-07-19 Heidelberger Druckmaschinen Ag Verfahren zum Betreiben einer Tintendruckmaschine
US11446943B2 (en) * 2017-10-10 2022-09-20 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Acting on the temperature of a print head die
CN109986814B (zh) * 2017-12-29 2024-01-09 义乌市双童日用品有限公司 一种吸管全自动生产方法及全自动生产线
JP2021146672A (ja) * 2020-03-23 2021-09-27 株式会社リコー 液体吐出装置
CN112641502B (zh) * 2020-12-16 2022-02-15 杭州堃博生物科技有限公司 注射泵气泡排空控制方法、装置、注射泵及存储介质

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5770670A (en) * 1980-10-22 1982-05-01 Ricoh Co Ltd Ink supply system for ink jet recording device
JPH0240511B2 (ja) * 1981-02-18 1990-09-12 Canon Kk Inkukyokyusochi
US4700870A (en) * 1986-02-18 1987-10-20 Accuratio Systems, Inc. Movable fluid dispenser with air bubble detectors for controlling dispenser movement
JPH0557905A (ja) 1991-09-04 1993-03-09 Murata Mach Ltd インクジエツト式画像形成装置
US5500657A (en) * 1991-11-11 1996-03-19 Alps Electric Co., Ltd. Air-bubble detection apparatus of ink jet recording head, and method and apparatus for restoring ink jet recording head
US5719608A (en) * 1995-05-04 1998-02-17 Calcomp Inc. Constant flow ink delivery system
JPH10157161A (ja) 1996-12-03 1998-06-16 Canon Inc インクジェット記録装置
JP2002000771A (ja) 2000-06-20 2002-01-08 Bridgestone Sports Co Ltd ゴルフクラブヘッド
JP4000773B2 (ja) * 2000-12-28 2007-10-31 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録装置
JP4686926B2 (ja) * 2001-07-27 2011-05-25 ブラザー工業株式会社 インクジェット装置
JP2003246078A (ja) * 2002-02-25 2003-09-02 Canon Inc インク貯留容器並びに該容器を用いるインクジェットプリント装置およびインク供給方法
US7273271B2 (en) 2002-02-28 2007-09-25 Seiko Epson Corporation Liquid supplying member, method of manufacturing the same, and liquid ejection apparatus incorporating the same
JP3573151B2 (ja) 2002-02-28 2004-10-06 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置用液体供給チューブおよび液体噴射装置
US7370949B2 (en) 2002-02-28 2008-05-13 Seiko Epson Corporation Liquid supplying member, method of manufacturing the same, and liquid ejection apparatus incorporating the same
US7201475B2 (en) 2002-02-28 2007-04-10 Seiko Epson Corporation Liquid supplying member, method of manufacturing the same, and liquid ejection apparatus incorporating the same
JP4052176B2 (ja) * 2003-05-09 2008-02-27 セイコーエプソン株式会社 液体導通材、その製造方法、及び液体噴射装置
JP2004188647A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Noritsu Koki Co Ltd インクジェットプリンタ
JP2004294147A (ja) * 2003-03-26 2004-10-21 Yamatake Corp 流速計
JP4127222B2 (ja) * 2004-02-25 2008-07-30 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法
JP2005288766A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Seiko Epson Corp 液体噴射装置および液体噴射装置のクリーニング方法
JP4120836B2 (ja) * 2005-03-18 2008-07-16 富士フイルム株式会社 液体供給装置及び方法並びにインクジェット記録装置
JP2006256230A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
US7621626B2 (en) * 2005-07-27 2009-11-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet recording apparatus
JP4940809B2 (ja) * 2005-07-27 2012-05-30 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP2007050565A (ja) * 2005-08-16 2007-03-01 Fujifilm Corp インク供給装置、インクジェット記録装置及びインクカートリッジ
JP2007160629A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Canon Inc 記録装置
JP2007261127A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Brother Ind Ltd インク供給システム、インクタンク、プリンタ
JP2008087217A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP4841467B2 (ja) * 2007-03-07 2011-12-21 株式会社リコー 画像形成装置
JP2008254312A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、液体吐出方法、及び、プログラム
EP1997639B1 (en) * 2007-05-31 2010-02-17 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid-droplet ejecting apparatus
JP2009066849A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Brother Ind Ltd 画像形成装置及び画像形成システム
JP5153369B2 (ja) * 2008-01-31 2013-02-27 理想科学工業株式会社 画像形成装置
JP2010036517A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Seiko Epson Corp 液体噴射装置のクリーニング方法、及び液体噴射装置
JP2010078526A (ja) 2008-09-26 2010-04-08 Brother Ind Ltd 移動局測位システム
US20100149232A1 (en) * 2008-12-16 2010-06-17 Xiaorong Cai System and Method for Identifying a Particular Inkjet Ink
JP5045682B2 (ja) * 2009-01-19 2012-10-10 ブラザー工業株式会社 インクジェットプリンタ
JP5394773B2 (ja) * 2009-02-26 2014-01-22 ローランドディー.ジー.株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN102205702B (zh) 2014-01-22
US20110242158A1 (en) 2011-10-06
EP2371553A3 (en) 2012-11-07
CN102205702A (zh) 2011-10-05
US8534791B2 (en) 2013-09-17
EP2371553A2 (en) 2011-10-05
JP2011207131A (ja) 2011-10-20
EP2371553B1 (en) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5201163B2 (ja) 液滴噴射装置
JP5217338B2 (ja) 液滴噴射装置
JP3577011B2 (ja) インクの残量検出方法およびインクジェット記録装置
JP3281520B2 (ja) 記録装置
JP5164570B2 (ja) インクジェット記録装置およびインク残量検出方法
JP2002292890A (ja) インクカートリッジ
JP2008290451A (ja) 記録装置及びインク残量検知方法
JP2009202525A (ja) 液滴吐出装置
JP4947966B2 (ja) 記録装置
JP5257145B2 (ja) 液体供給装置及び液滴噴射装置
JP2009190189A (ja) インクジェットヘッドの温度検出装置、インクジェットヘッド、インクジェット記録装置、およびインクジェットヘッドの温度検出方法
JP6880734B2 (ja) インクジェット記録装置
US7905566B2 (en) Liquid ejecting device
JP2005225198A (ja) 液体吐出性能維持方法及び液体吐出装置
JP4333237B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2008087217A (ja) インクジェット記録装置
JPH08112910A (ja) インクジェット記録装置におけるインク残量検知方法および装置
JP3162972B2 (ja) 記録装置及びその記録装置を用いたファクシミリ装置
JP7463932B2 (ja) 液体吐出装置
JP6146060B2 (ja) 画像形成装置
JP2014051105A (ja) インクジェット記録装置
JP2013039685A (ja) インクジェット記録装置及び部品交換時期の判断方法
JP7326710B2 (ja) 液体供給装置
JP7230410B2 (ja) 液体排出装置
JP2022057992A (ja) 液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5201163

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3