JP4333237B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置等のインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置に用いられるインクカートリッジには、インクの残量を光学的手段により検出することができるように構成されているものがある。
【0003】
この種のインクカートリッジでは、一般に、光透過部を有するケース内にインクが貯留されており、その光透過部を介してケース内へ光源から光を照射し、その反射光の光量がインクの有無の状態に応じて変化することを利用してインクの有無を検出するのである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このインクカートリッジのインク残量検出装置は、インクカートリッジの副インク貯留室内にインクが十分存在する場合は、発光素子から照射された光は、インクカートリッジの材質の屈折率とインクの屈折率とが非常に近いため、インクカートリッジ内部へと進んで、その内部に配されている反射部材により受光素子の方向とは異なる方向へと反射されるため、受光素子へ向かう反射光の光量は小さいものとなる。
【0005】
また、副インク貯留室内にインクが存在しない場合は、発光素子から照射された光は、副インク貯留室の外壁内面と空気との間(即ち、プリズム)で反射することになり、受光素子へ向かう反射光の光量は大きなものとなる。このようにインクカートリッジから反射する反射光はインクの有無に応じてその光量が変化するので、その光量の差を受光素子を用いて検出することによりインクの有無を検出するようにしている。
【0006】
また、近年、使用者において大量の記録媒体に画像を形成することが多くなり、これに対応するために従来、通常に使用されている容量のインクカートリッジ(以下、並容量のインクカートリッジと称す)に代えて大容量のインクを収容したインクカートリッジの実現が要望されていたが、製品市場においては未だ実現されていなかった。
【0007】
従って、従来は並容量インクカートリッジとこの並容量よりもインク収容量の大きな大容量のインクカートリッジを識別する装置は存在せず、またその必要性もないものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−292890号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、使用者の要望を実現するために大容量のインクカートリッジを製品市場に提供する場合、インクジェット記録装置は並容量のインクカートリッジと大容量のインクカートリッジとを明確に区別して認識しなければならない。
【0010】
また、大容量のインクカートリッジを製品市場に提供する場合に、インクジェット記録装置に、並容量のインクカートリッジと大容量のインクカートリッジとを識別するためのセンサ等を新たに備えることはコストの削減に逆行することとなる。
【0011】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的は、インクカートリッジ内のインクがニアエンプティの状態になっていることが判っていれば、敢えて時間の掛かるインクカートリッジ識別データ及びインク残量データを取得しないインクジェット記録装置の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の発明は、インクを収容可能な筐体に、インクカートリッジの種別に応じて、受光素子での受光量を異ならしめる面を有する第1被検出部と、該第1被検出部に並設する第2被検出部と、を備えたインクカートリッジを装着可能なインクジェット記録装置であって、前記インクカートリッジとは相対的に移動可能であり、前記第1被検出部、前記第2被検出部に光を照射する発光素子と、その光を受光する受光素子とを有するセンサと、第2被検出部から得られたセンサ出力値に基づいて、インク残量がニアエンプティであることを判定する判定部と、を有し、前記判定部により、インク残量がニアエンプティであると判定されたとき、前記第1被検出部から得られた出力値に応じたインクカートリッジ種別の判別処理を行わない処理部を有する。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
図1は、本発明のインクジェット記録装置の本体の概略構成を示す斜視図である。
【0034】
図1において、インクジェット記録装置1は、記録用紙等の記録媒体Pに画像を形成するためのインクヘッドたる印字ヘッド3を備えるヘッドユニット4と、インクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載されるキャリッジ5と、このキャリッジ5を直線方向に往復移動させる駆動ユニット6と、キャリッジ5の往復移動方向に延び、印字ヘッド3と対向して配置されるプラテンローラ7と、パージ装置8と、後述するセンサ19(検出手段)とを備えている。本実施の形態においては、センサ19はインクジェット記録装置1の内部に固定配置されている。ヘッドユニット4の載置部4a上には3つの仕切り板(図示せず)が立設されており、載置部4aの両側に形成された一対のサイドカバー4bとの間で、載置部4aは各仕切り板を介して4つのインクカートリッジ2の装着部に区画されている。
【0035】
駆動ユニット6は、キャリッジ5の下端部に配置されプラテンローラ7と平行に延びるキャリッジ軸9と、キャリッジ5の上端部に配置されキャリッジ軸9に平行に延びるガイド板10と、そのキャリッジ軸9とガイド板10との間であって、キャリッジ軸9の両端部に配置される2つのプーリ11及び12と、これらのプーリ11及び12の間に掛け渡されるエンドレスベルト13とからなる。
【0036】
そして、一方のプーリ11が、キャリッジモータ101の駆動により、正逆回転されると、そのプーリ11の正逆回転に伴って、エンドレスベルト13に接合されているキャリッジ5が、キャリッジ軸9及びガイド板10に沿って、直線方向に往復移動される。
【0037】
記録媒体Pは、インクジェット記録装置1の側方或いは下方に設けられた図示しない給紙カセットから給紙され、印字ヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入されて、印字ヘッド3から吐出されるインクにより所定の画像形成がなされ、その後インクジェット記録装置1外へ排出される。
【0038】
パージ装置8は、プラテンローラ7の側方に設けられ、ヘッドユニット4がリセット位置にある時に、印字ヘッド3に対向するように配置されている。このパージ装置8は、印字ヘッド3の複数のノズル(図示せず)を覆うように当該ノズルの開口部に対し当接するパージキャップ14と、ポンプ15及びカム16と、インク貯留部17を備えており、ヘッドユニット4が、リセット位置にある時に、印字ヘッド3のノズルをパージキャップで覆い、印字ヘッド3の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム16に駆動されるポンプ15によって吸引することにより、印字ヘッド3の回復を図るようにしている。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部17に貯められる。
【0039】
パージ装置8におけるプラテンローラ7側の位置には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配設されている。このワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、印字ヘッド3のノズル面を拭うものである。キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、印字が終了するとリセット位置に戻される印字ヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
【0040】
また、インクジェット記録装置1は、インクカートリッジ2の被照射面からのノイズ信号(不要な反射光)を低減するべく、インクカートリッジ2の被照射面に非垂直に光が照射されるよう配設されたセンサ19(検出装置)を備え、そのセンサ19によって検出される反射光量を閾値と比較してインクカートリッジ2内部のインク残量の検出及びインクカートリッジ2の識別を行うよう構成されている。
【0041】
より具体的には、センサ19は、駆動ユニット6の端部(プラテンローラ7を介してパージ装置8と対向する側)付近に設けられ、発光部たる発光素子19aと受光部たる受光素子19bとを備えている(図3参照)。発光素子19aからインクカートリッジ2に対して照射された光は、反射光として受光素子19bにより受光される。その受光した反射光の光量によりインクカートリッジ2内部のインク残量の検出及びインクカートリッジ2の識別を行うのである。
【0042】
次に、図2を参照してインクカートリッジ2の内部構造につき説明する。図2は、インクカートリッジ2の側断面図であり、インクカートリッジ2内にインクが貯留されていない状態を図示している。
【0043】
インクカートリッジ2は、略中空状の箱状体に形成されており、そのインクカートリッジ2の内部は、区画壁41、42によって、大気導入室43、主インク貯留室44、副インク貯留室45に区画されている。大気導入室43は、主インク貯留室44内へ大気を導入するための空間であり、インクカートリッジ2の底壁46に貫通形成された大気連通口47を介して大気と連通されている。一方、大気導入室43の上方は主インク貯留室44と連通されており、かかる連通部から主インク貯留室44へ大気が導入される。
【0044】
主インク貯留室44は、インクを貯留しておくために実質的に密閉された空間であり、インクを含浸可能なフォーム(多孔質体)48が収納されている。主インク貯留室44の下方には、インク連通口49が区画壁42に貫通形成されており、主インク貯留室44は、かかるインク連通口49を介して副インク貯留室45と連通されている。また、フォーム48は、毛管現象を利用してその内部にインクを保持可能なスポンジ、繊維材料等から構成されており、圧縮状態で主インク貯留室44内に収納されている。よって、例えばインクカートリッジ2が転倒した際、主インク貯留室44から大気導入室43へインクが流失し、その流失したインクが大気連通口47からインクカートリッジ2の外へ漏出してしまうことを防止することができる。
【0045】
副インク貯留室45は、インクを貯留しておくと共にセンサ19から光が照射される傾斜部51aを備える部位であり、インクカートリッジ2の側端部に実質的に密閉された空間として形成されている。副インク貯留室45は、上記したインク連通口49を介して主インク貯留室44と連通されており、その主インク貯留室44及び副インク貯留室45に貯留されるインクは、インクカートリッジ2の底壁46に貫通形成されたインク供給口50を介して印字ヘッド3へ供給される。
【0046】
副インク貯留室45の側壁51には、主インク貯留室44へ向かって下降傾斜する傾斜部51aが形成されており、その傾斜部51aの内面側(主インク貯留室44側)には、後述する被検出部位たるプリズム52が形成されている。プリズム52は、インクカートリッジ2内に貯留されるインク残量の検出、インクカートリッジ2の識別の検出のために用いられるもので、透明な光透過性材料を材質として形成される側壁51の傾斜部51aに一体的に形成されている。副インク貯留室45の上方には、上記したプリズム52と所定間隔を隔てつつ対峙する反射部材53が形成されている。この反射部材53は、副インク貯留室45内へ透過した光の光路を変更するための部材であり、プリズム52と所定角度を有しつつその内部空間に空気層を有する袋状に形成されている。
【0047】
このように構成されたインクカートリッジ2によれば、印字ヘッド3によってインクが消費されると、消費されたインク量に応じて大気導入室43から空気が主インク貯留室44内へ導入され、主インク貯留室44内のインク液面が低下する。さらにインクが消費され、主インク貯留室44内のインクが無くなった場合には、副インク貯留室45内のインクが印字ヘッド3へ供給される。このとき、副インク貯留室45内は減圧されるが、大気導入室43から主インク貯留室44を経由した空気が副インク貯留室45内へ導入され、副インク貯留室45内の減圧が緩和されると共にインク液面が低下する。
【0048】
よって、インクカートリッジ2は、まず、主インク貯留室44内のインクが消費され、その主インク貯留室44内のインクがすべて消費された後に、副インク貯留室45内のインクが消費されるように構成されている。従って、センサ19により副インク貯留室45内のインク残量を検知することにより、インクカートリッジ2全体としてのインク残量を知ることができるのである。
【0049】
次に、図3(a)、(b)において、インク残量検出の原理を説明する。図3(a)、(b)はインクカートリッジ2とセンサ19との側面図であり、インクカートリッジ2の一部を断面視している。
【0050】
インクカートリッジ2内にインク71が十分ある場合は、図3(a)に示すように、センサ19の発光素子19aから照射された光は(光路X)、インクカートリッジ2の材質の屈折率とインク71の屈折率とが非常に近いため、インク71を透過しつつインクカートリッジ2内を進行する。そして、副インク貯留室45内に配設されている反射部材53へ到達する。反射部材53へ到達した光は、反射部材53の材質の屈折率と反射部材53内の空気72の屈折率とが異なるため、反射部材53内面と空気72との界面で反射する(光路Y)。
【0051】
これに対して、インクカートリッジ2の副インク貯留室45内のインク71がわずかしか存在しない場合即ち、プリズム52の位置よりもインク71の液面が下がった場合には、図3(b)に示すように、センサ19の発光素子19aから照射された光は(光路X)、インクカートリッジ2の材質の屈折率と副インク貯留室45内の空気72の屈折率とが異なるため、副インク貯留室45の外壁内面と空気72との界面即ち、プリズム52で反射する(光路Y)。そのため、インクカートリッジ2内からセンサ19の受光素子19bへ向かう反射光の光量はインクカートリッジ2内にインク71が十分ある場合に比べて大きなものとなる。
【0052】
このように、インクカートリッジ2内から反射する反射光(光路Y)はインク71の残量に応じその光量が変化するので、かかる光量の差をセンサ19の受光素子19bを用いて検出することにより、インクカートリッジ2内に貯留されるインク71の残量を検出することができるのである。
【0053】
上述したように、センサ19の発光素子19aから副インク貯留室45内に光を照射し、その反射する反射光により副インク貯留室45内のインク残量を検出する構成が第1のインク残量検出手段をなすものである。
【0054】
また、傾斜部51a及び反射部材53は、副インク貯留室45の上方に配設されているので、副インク貯留室45の上方にインク71が存在しなくなった時点、即ちインクカートリッジ2内にインク71がすべて存在しなくなる前に、予めインク71がほとんど無いこと(ニアエンプティ)を判断できるのである。また、上述した通り、インク71の液面がプリズム52の位置よりも下がるとセンサ19の受光素子19bは大量の反射光を受光することになるので、そのときのインク残量が後述する基準量(即ち、ニアエンプティ)となる。
【0055】
さて、上述した通り、主インク貯留室44と副インク貯留室45とにインク71を貯留することにより、インクカートリッジ2として印字ヘッド3にインク71を供給する。本実施の形態では、未使用状態で貯留されているインク量の異なる2つのインクカートリッジを用いる。この場合、副インク貯留室45内のインク量は同じなので、主インク貯留室44に貯留するインク量の違いにより、並容量のインクカートリッジ2Aと、大容量のインクカートリッジ2Bとに区別される。両者は同じ箇所に装着されるため、その主インク貯留室44に貯留されるインク量の差を除けばその外形の大きさ、形状は全く同一のものである。
【0056】
図4(a)は、前記両カートリッジのうち、並容量のインクカートリッジ2Aを示し、その側壁51の傾斜部51aに形成されたプリズム52の図4(a)中、右半面を、インクカートリッジの種類を光学的に識別可能な第1の被検出部位81とし、プリズム52の左半面を、インクカートリッジ内のインク量が基準量以上か否かを光学的に検出可能な第2の被検出部位82としている。
【0057】
センサ19がインクカートリッジ2Aに対して相対的に移動し、第1の被検出部位に対応する検出位置に位置するときには、センサ19は第1の被検出部位を利用することによりインクカートリッジの種類を光学的に識別可能となる。またセンサ19がインクカートリッジ2Aに対して相対的に移動し、第2の被検出部位に対応する検出位置に位置するときには、センサ19が第2の被検出部位を利用することによりインクカートリッジ内のインク量が基準以上か否かを光学的に検出可能となる。
【0058】
この第1の被検出部位81及び第2の被検出部位82に、センサ19の発光素子19aから光を照射すると、インクカートリッジ内にインク量が十分ある場合は、その照射された光はインク71を透過しつつインクカートリッジ2A内を進行し、反射部材53により光の光路が変更されるため、受光素子19bに向かって反射される反射光の光量は小さいものとなる。
【0059】
図4(b)は、並容量のインクカートリッジ2Aの変形例を示す。
【0060】
この変形例においては、並容量のインクカートリッジ2Aには傾斜部に代えて突出部21が形成されている。正面から見た場合、突出部21の右側が第1の被検出部位81であり、左側が第2の被検出部位82である。
【0061】
センサ19は側面視略「C」字形状であり、その上片19Aと下片19Bには、発光部たる発光素子又は受光部たる受光素子の一方が夫々対向するように設けられている。即ち、上片19Aに発光素子が設けられていれば下片19Bに受光素子が設けられており、その逆の構成でも良い。図4(b)中の矢印のように、インクカートリッジの突出部21がセンサ19の上片19Aと下片19Bとの間を相対的に移動するときに、センサ19は第1の被検出部位81と第2の被検出部位82での透過光量を検出することで、最初の実施形態と同様にインク残量の検出とインクカートリッジの種類の識別が可能となる。この変形例におけるインク残量の検出とインクカートリッジの種類の識別は、後述する大容量のインクカートリッッジ2Bの変形例において詳述するように、透過光量のレベルを3段階で判定することとなる。
【0062】
図5(a)は、大容量のインクカートリッジ2Bを示し、その側壁51の傾斜部51aに形成されたプリズム52の図5(a)中、右半面にインクカートリッジの種類を識別する識別部材、例えばアルミ箔80が設けられている。このように構成することによりプリズム52の右半面を、インクカートリッジの種類を光学的に識別可能な第1の被検出部位81とし、プリズム52の左半面を、インクカートリッジ内のインク量が基準量以上か否かを光学的に検出可能な第2の被検出部位82としている。
【0063】
この第1の被検出部位81に設けられたアルミ箔80に、センサ19の発光素子19aから光を照射すると、アルミ箔80はその性質上光を反射するので、受光素子19bに向かって反射される反射光の光量は、アルミ箔80を設けていない並容量のインクカートリッジ2Aよりも極めて大きく、以ってその反射光の光量の差によって、大容量のインクカートリッジ2Bと並容量のインクカートリッジ2Aの種類が識別できるのである。なお、上述した並容量のインクカートリッジ2Aは、外観に関しては、図5(a)に示す大容量のインクカートリッジ2Bからアルミ箔80を取り除いたものである。
【0064】
並容量のインクカートリッジ2A内に十分なインクが貯留されている場合には、上述した通り、センサ19の発光素子19aから出射された光はほとんど受光素子19bに受光されないので、第1の被検出部位81を検出することでインクカートリッジ2Aとインクカートリッジ2Bとの識別が確実になされる。しかし、並容量のインクカートリッジ2A内のインク残量が基準量(ニアエンプティ)以下の場合には、上述した通り、センサ19の発光素子19aから出射された光はプリズム52で反射され受光素子19bは大量に光を受光することとなる。従って、センサ19が大容量のインクカートリッジ2Bの第1の被検出部位を検出した結果と、貯留されているインク残量が基準量以下となった並容量のインクカートリッジ2Aの第1の被検出部位を検出した結果とは差がないことになる。従って、後述するようにインク残量が基準量以下の場合は、インクカートリッジの識別は行わないのである。更に言えば、インク残量が基準量以下になった場合は、未使用状態で貯留インク量が異なっていた2つのインクカートリッジを識別することは無意味だからである。
【0065】
なお、アルミ箔80をプリズム52の図5(a)中、左半面に設ければ、プリズム52の左半面が第1の被検出部位81となり、プリズム52の右半面が第2の被検出部位82となることは勿論である。
【0066】
上述のインクカートリッジ2Bの第2の被検出部位82(プリズム52)の検出位置がセンサ19の発光素子19aの発光方向に対向するようにキャリッジ5を移動させ、その時点においてセンサ19の発光素子19aから装着されたインクカートリッジのプリズム52に向け光を照射する。そのとき受光素子19bがプリズム52から反射する反射光を受光することにより、反射量の差に応じたインク残量データを検出して記憶し、インクジェット記録装置1に設けられた後述するCPU91により装着されたインクカートリッジ内のインク量が基準量以上か否かを判定する。
【0067】
次に、インクジェット記録装置1に設けられた後述する制御手段90(移動手段)によりインクカートリッジ2Bの第1の被検出部位81(アルミ箔80)の検出位置がセンサ19の発光素子19aの発光方向に対向するようにキャリッジ5を移動させ、その時点において、センサ19の発光素子19aからアルミ箔80に光を照射し、アルミ箔から反射する反射光の光量によりカートリッジ識別データを検出して記憶し、インクジェット記録装置1に設けられた後述するCPU91により、使用されるインクカートリッジが大容量のインクカートリッジ2Bであるか、並容量のインクカートリッジ2Aであるかを識別する。
【0068】
上述の第2の被検出部位82(プリズム52)に、センサ19の発光素子19aから光を照射し、プリズム52から反射する光量により、装着されたインクカートリッジ内のインク量が基準値以上か否かを判定する構成が判定手段をなし、第1の被検出部位81に、センサ19の発光素子19aから光を照射し、その反射する光量により、使用されるインクカートリッジが大容量のインクカートリッジ2Bであるか、並容量のインクカートリッジ2Aであるかを識別する構成が識別手段をなすものである。
【0069】
また、静止しているキャリッジ5に対してセンサ19を移動手段により移動させて検出を行う構成であっても良い。
【0070】
図5(b)は、大容量のインクカートリッジ2Bの変形例を示す。
【0071】
この変形例においては、大容量のインクカートリッジ2Bには傾斜部に代えて突出部21が形成されている。正面から見た場合、突出部21の右側が第1の被検出部位81であり、左側が第2の被検出部位82である。従って、大容量のインクカートリッジ2Bの突出部21の右側の第1の被検出部位81には、アルミ箔80(識別部材)が設けられている。
【0072】
センサ19は側面視略「C」字形状であり、その上片19Aと下片19Bには、発光部たる発光素子又は受光部たる受光素子の一方が夫々対向するように設けられている。即ち、上片19Aに発光素子が設けられていれば下片19Bに受光素子が設けられており、その逆の構成でも良い。図5(b)中の矢印のように、インクカートリッジの突出部21がセンサ19の上片19Aと下片19Bとの間を相対的に移動するときに、センサ19は第1の被検出部位と第2の被検出部位での透過光量を検出することで、最初の実施形態と同様にインク残量の検出とインクカートリッジの種類の識別が可能となる。但し、この変形例では透過光量のレベルを3段階で判定することとなる。即ち、受光素子の受光量は次の3カ所で異なるのである。(1)アルミ箔80(識別部材)が貼付されている場合、(2)アルミ箔80が無いもののインクがある場合、(3)アルミ箔80もインクも無い場合、である。(1)では発光素子が発光した光を受光素子は全く受光しない。(2)では発光素子が発光した光のうち、半分程度の光量の光を受光素子は受光する。(3)では発光素子が発光した光のほとんどを受光素子は受光する。従って、この3段階を判定することにより、最初の実施形態と同様にインク残量の検出とインクカートリッジの種類の識別が可能となる。
【0073】
なお、上述の本実施の形態においては、センサ19はインクジェット記録装置1の内部に固定配置され、キャリッジ5が移動することにより、キャリッジ5に装着されたインクカートリッジの第1及び第2の被検知部位とセンサ19とが対向し、インク残量データ及びカートリッジ識別データを取得する構成につき説明したが、この変形例においては、大容量のインクカートリッジ2Bが装着されたキャリッジ5がセンサ19に対して移動し、大容量のインクカートリッジ2Bの突出部21がセンサ19の上片19Aと下片19Bとの間を移動するように構成しても良く、また逆に、移動手段により移動可能なセンサ19が、静止状態にあるキャリッジ5に対して移動し、キャリッジ5に装着されたインクカートリッジの突出部21が、センサ19の上片19Aと下片19Bとの間を移動するように構成しても良く、要するにインクカートリッジの突出部21が、センサ19の上片19Aと下片19Bとの間を相対的に移動すれば良いものである。
【0074】
次に、図6は、インクジェット記録装置1の電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【0075】
インクジェット記録装置1を制御するための制御装置90は、本体側基板に搭載されており、制御装置90には、1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)91と、そのCPU91により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM92と、各種のデータ等を一時的に記憶するための記憶手段であるRAM93と、書換え可能な不揮発性のメモリであるEEPROM94、イメージメモリ95、ゲートアレイ96等を有する。EEPROM94は、第1のダウンカウンタ94a、第2のダウンカウンタ94b、FLAG1記憶領域94c、FLAG2記憶領域94d、FLAG3記憶領域94eを備えている。
【0076】
FLAG1記憶領域94cには、ニアエンプティフラグFLAG1が記憶される。このニアエンプティフラグFLAG1は、インクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティ状態になっていることを示すフラグで、インク残量が基準量以上のときは「0」が、基準量よりも少ない場合には「1」がFLAG1記憶領域94cに記憶される。FLAG2記憶領域94dには、カートリッジ交換フラグFLAG2が記憶される。このカートリッジ交換フラグFLAG2は、インクカートリッジ交換の有無、更にインクカートリッジ交換が無い場合に、現在装着されているインクカートリッジの種類を示すフラグである。インクカートリッジ交換がされたときは「0」が、インクカートリッジ交換が無く、現在大容量のインクカートリッジ2Bが装着されているときは「1」が、インクカートリッジ交換が無く、現在並容量のインクカートリッジ2Aが装着されているときは「2」がFLAG2記憶領域94dに記憶される。FLAG3記憶領域94eには、カートリッジ種別フラグFLAG3が記憶される。このカートリッジ種別フラグFLAG3は、現在装着されているインクカートリッジの種別を示すフラグで、現在大容量のインクカートリッジ2Bが装着されているときは「0」が、現在並容量のインクカートリッジ2Aが装着されているときは「1」がFLAG3記憶領域94eに記憶される。
【0077】
演算装置であるCPU91は、ROM92に予め記憶された制御プログラムに従い、インク有無の検出をするための制御を実行するものである。また画像形成タイミング信号及びリセット信号を生成し、各信号をゲートアレイ96へ転送する。このCPU91には、使用者が画像形成の指示を行うための操作パネル107、キャリッジ5を動作させるキャリッジモータ(CRモータ)101を駆動するためのモータ駆動回路102、記録媒体Pを搬送する搬送モータ(LFモータ)103を駆動するためのモータ駆動回路104、記録媒体Pの先端を検出するペーパセンサ105、キャリッジ5の原点位置を検出する原点センサ106、センサ19等が接続されている。接続される各デバイスの動作はこのCPU91により制御される。上記したCPU91と、ROM92,RAM93、EEPROM94及びゲートアレイ96とは、アドレスパス98及びデータパス99を介して接続されている。
【0078】
次に第2のインク残量検出手段たるダウンカウンタにつき説明する。
【0079】
まず、第2のインク残量検出手段が1つのダウンカウンタ即ち、第1のダウンカウンタ94aのみからなる場合を説明する。
【0080】
第1のダウンカウンタ94aは、前記EEPROM94内に設けられ、印字ヘッド3からのインクの吐出(噴射)回数をカウントするためのメモリであり、例えばインクの吐出回数「1」毎に「1」ずつ減算される。但し、吐出するインク滴の大きさを可変とすることが可能な場合は、その大きさに応じて減算する値も可変とすれば良い。
【0081】
並容量のインクカートリッジ2A、大容量のインクカートリッジ2Bには夫々所定量のインク71が初期に充填されているが、その充填されたインク量からおおよその最大吐出回数は決まっている。このため、インクカートリッジの交換が行われたときは、上述した通り、センサ19によりインクカートリッジの種類の識別が行われるので、インクカートリッジの種類の識別後に装着されたインクカートリッジに対応する最大吐出回数が第1のダウンカウンタ94aに記憶されるのである。そして、インクの吐出が実行されると、第1のダウンカウンタ94aはインクの吐出回数をダウンカウントし、そのカウント値に基づくおおよその消費量が駆動回路110を介して表示器111に表示される。その結果、使用者はおおよそのインク残量を知ることができる。
【0082】
そして、第1のインク残量検出手段によりインクカートリッジ内のインク量が基準量よりも少なくなったと判定される(ニアエンプティ検出)と、表示器111のインク残量表示をニアエンプティへと変更し、第1のダウンカウンタ94aに基準量の吐出回数即ち、ニアエンプティ用最大吐出回数をセットする。即ち、ニアエンプティ検出は第1のダウンカウンタ94aの基準量吐出回数セットのトリガーとなる。
【0083】
上述したように、初期状態で充填されていたインクは主インク貯留室44から消費され、主インク貯留室44が空になると副インク貯留室45のインクが消費される。副インク貯留室45のインク液面がプリズム52の下部を下回ると、図3(b)に示すように、センサ19の発光素子19aから照射された光が、プリズム52によりセンサ19の受光素子19b方向(光路Y)へ反射されるようになる。これによりセンサ19の受光素子19bに検出される反射光量が大きく変化(増大)する。検出された反射光量は信号としてCPU91に入力されるので、かかる変化がニアエンプティとしてCPU91に認識され、対応するニアエンプティフラグFLAG1がオンされる。即ち、EEPROM94のFLAG1記憶領域94cに1が記憶される。
【0084】
なお、ニアエンプティフラグFLAG1がオンされた(インク量が基準値より少ないと検出された)時点において、インクカートリッジ2A又はインクカートリッジ2B内のインクは空(エンプティ)ではないので、さらに、インクエンプティの状態(インク吐出回数がエンプティ閾値に達する)まで画像形成を続行することができる。従って、第1のダウンカウンタ94aに対するニアエンプティ用最大吐出回数のセット後には、ニアエンプティ状態からのダウンカウントに変わり、0に近い値になったら本当にインク無となるので、「カートリッジ交換」を表示する。
【0085】
次に、図7〜図13に示した各フローチャートを参照して、CPUで実行される各処理を説明する。
【0086】
図7におけるフローは、インクジェット記録装置1の電源がON状態で、インクカートリッジ交換ボタンが押下されかつ蓋の開閉を検出した時あるいは毎回の給紙毎に開始される。まず、カートリッジが交換されたか否かを確認し(S1)、カートリッジが交換されていれば(S1:YES)、ニアエンプティフラグFLAG1=0とし、インクカートリッジ内のインクが十分であると設定すると共に、インクカートリッジ交換検出用フラグFLAG2をリセット(FLAG2=0)して(S2)、S3へと進む。なお、この場合実際にはインクカートリッジの交換がなくても、電源がON状態で、インクカートリッジ交換ボタンが押下されかつ蓋の開閉を検出した時はインクカートリッジ交換があったものとみなす。
【0087】
一方、インクカートリッジの交換がない場合、例えばインクカートリッジ交換ボタンが押下されたものの蓋の開閉が所定時間の間に検出されなかった場合や給紙時には(S1:NO)、直接S3へと進む。
【0088】
S3では、ニアエンプティフラグFLAG1=0か否か、即ちEEPROM94のFLAG1記憶領域94c内に0が記憶されているか否かを判定する。このタイミングでニアエンプティフラグFLAG1=0か否かを判定するのは、インクカートリッジの交換がない場合(S1:NO)に、既にFLAG1=1、即ちニアエンプティの状態になっていれば(S3:NO)、インクカートリッジ識別データ及びインク残量データを取得して記憶する(S4)ことなく後述するS12のニアエンプティ用表示処理へと進むことができるからである。換言すれば、インクカートリッジ内のインクがニアエンプティの状態になっていることが判っていれば、敢えて時間の掛かるS4を実行するまでもなくS12のニアエンプティ用表示処理へと進めば良いのである。
【0089】
一方、ニアエンプティフラグFLAG1=0、即ち、インクカートリッジ内にインクが十分にあれば(S3:YES)、S4へと進む。
【0090】
S4では、センサ19を用いて、インク残量データ及びカートリッジ識別データを取得する処理が実行される。具体的には、図8に示すフローチャートに従ってこの処理は実行される。このフローチャートではインク残量データ及びカートリッジ識別データを夫々3回ずつ取得して記憶しているが、3回以上の奇数回数であれば5回でも7回でも良いことは言うまでもない。また、処理を簡単にするためにインク残量データ及びカートリッジ識別データを夫々1回ずつ取得して記憶するように構成しても良い。
【0091】
このインク残量データ及びカートリッジ識別データ取得処理においては、まずキャリッジモータ駆動回路によりCRモータ101を駆動して、インクカートリッジの第2の被検出部位82がセンサ19の発光素子19aの発光方向に対向するようにキャリッジ5を移動させる。本実施の形態においては、第2の被検出部位内の3点においてインク残量データを取得してEEPROM94内に記憶するので、第n回目のインク残量データを取得するために、まずRAM93内のn記憶領域に1を記憶する(S15)。そして、予め定められている第n回目の検出位置までキャリッジ5を移動させ、その時点でセンサ19の発光素子19aから装着されたインクカートリッジの第2の被検出部位82(プリズム52)に向けて光を照射する。そのとき受光素子19bが第2の被検出部位からの反射光を受光すると共にその反射光の光量を電圧値へと変換し、更にA/Dコンバータ19cにより、その電圧値を所定の閾値である所定の電圧値と比較することで1又は0に変換する。そして、この1又は0のインク残量データをEEPROM94内に記憶する(S16)。上述した通り、インクが十分にある場合には第2の被検出部位からの反射光量が少ないので受光素子19bの出力電圧値はHighとなる。本実施の形態では、所定の閾値である所定の電圧値は受光素子19bの出力電圧値Highより低く設定されているので、EEPROM94内にはインク残量データとして1が記憶される。一方、インクがニアエンプティ状態になっている場合には第2の被検出部位からの反射光量が多いので受光素子19bからの出力電圧値はLowとなる。本実施の形態では、所定の閾値である所定の電圧値は受光素子19bからの出力電圧値Lowより高く設定されているので、EEPROM94内にはインク残量データとして0が記憶される。このようにして第1回目のインク残量データを取得して記憶したら、n記憶領域に記憶されているnに1を加算する(S17)。次に、n=4になったか否かを判定し(S18)、n=4でなければ(S18:NO)、即ちまだ第2の被検出部位内の3点においてインク残量データを取得して記憶していない場合には、S16へと戻って第n回目のインク残量データを取得する。一方、n=4であれば(S18:YES)、第2の被検出部位内の3点においてインク残量データを取得してEEPROM94内に記憶したことになるので、S19へと進む。
【0092】
本実施の形態においては、第1の被検出部位でも3点においてカートリッジ識別データを取得してEEPROM94内に記憶しているので、第m回目のカートリッジ識別データを取得するために、まずRAM93内のm記憶領域に1を記憶する(S19)。そして、予め定められている第m回目の検出位置までキャリッジ5を移動させ、その時点でセンサ19の発光素子19aから装着されたインクカートリッジの第1の被検出部位81(アルミ箔80又はプリズム52)に向けて光を照射する。そのとき受光素子19bが第1の被検出部位からの反射光を受光すると共にその反射光の光量を電圧値へと変換し、更にA/Dコンバータ19cにより、その電圧値を所定の閾値である所定の電圧値と比較することで1又は0に変換する。そして、この1又は0のカートリッジ識別データをEEPROM94内に記憶する(S20)。上述した通り、アルミ箔80が第1の被検出部位に貼付されておらず、且つインクが十分ある場合には第1の被検出部位からの反射光量が少ないので受光素子19bの出力電圧値はHighとなる。従って、この場合にはEEPROM94内にはカートリッジ識別データとして1が記憶される。一方、アルミ箔80が第1の被検出部位に貼付されているか、又はアルミ箔80が第1の被検出部位に貼付されておらず、且つインクがニアエンプティ状態になっている場合には第1の被検出部位からの反射光量が多いので受光素子19bからの出力電圧値はLowとなる。従って、この場合にはEEPROM94内にはカートリッジ識別データとして0が記憶される。このようにして、第1回目のカートリッジ識別データを取得して記憶したら、m記憶領域に記憶されているmに1を加算する(S21)。次に、m=4になったか否かを判定し(S22)、m=4でなければ(S22:NO)、即ちまだ第1の被検出部位内の3点においてカートリッジ識別データを取得して記憶していない場合には、S20へと戻って第m回目のカートリッジ識別データを取得する。一方、m=4であれば(S22:YES)、第1の被検出部位内の3点においてカートリッジ識別データを取得してEEPROM94内に記憶したことになるので、この処理を終了してS5へと進む。
【0093】
S5では、現在装着されているインクカートリッジがニアエンプティ状態になっているか否かを判定するインクニアエンプティ判定処理が実行される。具体的には、図9に示すフローチャートに従ってこの処理は実行される。
【0094】
このインクニアエンプティ判定処理においては、S4のインク残量データ及びカートリッジ識別データ取得処理においてEEPROM94内に記憶された6つのデータのうち、3つのインク残量データを読み出し、これら3つのインク残量データが全て1か否かを判断する(S23)。全てのインク残量データが1であれば(S23:YES)、ニアエンプティフラグFLAG1=0とする(S24)。即ち、インクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティ状態ではなく十分ある状態であるとして、EEPROM94内のFLAG1記憶領域94c内に0を記憶し、このインクニアエンプティ判定処理を終了する。
【0095】
全てのインク残量データが1でなければ(S23:NO)、2つのインク残量データが1か否かを判断する(S25)。即ち奇数個のインク残量データを取得して記憶しているので、多数決にて判断するのである。2つのインク残量データが1であれば(S25:YES)、例えば(1,1,0)であればS24へと進むのである。しかしながら、2つのインク残量データが1でなければ(S25:NO)、例えば(1,0,0)であればニアエンプティフラグFLAG1=1とする(S26)。即ち、インクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティ状態であるとして、EEPROM94内のFLAG1記憶領域94c内に1を記憶し、このインクニアエンプティ判定処理を終了する。このインクニアエンプティ判定処理が判定手段をなすものである。
【0096】
S5のインクニアエンプティ判定処理が終了すると、S6へ進む。S6では、S3と同様に、ニアエンプティフラグFLAG1=0か否か、即ちEEPROM94のFLAG1記憶領域94c内に0が記憶されているか否かを判定する。このタイミングでニアエンプティフラグFLAG1=0か否かを判定するのは、S5でインクニアエンプティ判定処理を行っているので、最新の判定結果の認識のためである。ニアエンプティフラグFLAG1=1、即ちニアエンプティの状態になっていれば(S6:NO)、S12のニアエンプティ用表示処理へと進む。S6でニアエンプティフラグFLAG1=1、即ちニアエンプティの状態になるのはS4の判定でニアエンプティフラグFLAG1=0のとき、即ち直前までニアエンプティ状態ではないと判定されているときだけなので、この場合、第1のダウンカウンタ94a内のカウント値(データ)を基準量吐出回数、即ちニアエンプティ用最大吐出回数に設定する。
【0097】
また、S3とS6において、夫々FLAG1=0でない場合、即ちインクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティの状態になっているときは必ずS12のニアエンプティ用表示処理へ進むため、後述するS8のカートリッジ種類の識別処理は行われない。換言すれば、インクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティの状態になっているときに未使用状態でのインク収容量が大容量であったか並容量であったかを識別しても意味がないのである。
【0098】
一方、FLAG1=0、即ちインクカートリッジ内にインクが十分にあれば(S6:YES)、S7へと進む。
【0099】
S7では、カートリッジ交換フラグFLAG2の値が何か、即ちEEPROM94のFLAG2記憶領域94d内に0、1、2のうち何れの値が記憶されているかが判定される。具体的には、カートリッジ交換フラグFLAG2=0のときは、インクカートリッジの交換があったことを示すものである。カートリッジ交換フラグFLAG2=1のときは、インクカートリッジの交換が無く、現在装着されているインクカートリッジが大容量のインクカートリッジ2Bであることを示すものである。カートリッジ交換フラグFLAG2=2のときは、インクカートリッジの交換が無く、現在装着されているインクカートリッジが並容量のインクカートリッジ2Aであることを示すものである。
【0100】
インクカートリッジの交換があった場合には(S7:FLAG2=0)、S8へと進んで、現在装着されているインクカートリッジの種類が大容量インクカートリッジ2Bなのか並容量インクカートリッジ2Aなのかを識別するカートリッジ種類の識別処理が実行される。具体的には、図10に示すフローチャートに従ってこの処理は実行される。
【0101】
このカートリッジ種類の識別処理においては、S4のインク残量データ及びカートリッジ識別データ取得処理においてEEPROM94内に記憶された6つのデータのうち、3つのインクカートリッジ識別データを読み出し、これら3つのインクカートリッジ識別データが全て0か否かを判断する(S27)。全てのインクカートリッジ識別データが0であれば(S27:YES)、カートリッジ識別フラグFLAG3=0とする(S28)。即ち、交換により新たに装着されたインクカートリッジが大容量インクカートリッジ2Bであるとして、EEPROM94内のFLAG3記憶領域94e内に0を記憶し、このカートリッジ種類の識別処理を終了する。
【0102】
一方、全てのインクカートリッジ識別データが0でなければ(S27:NO)、2つのインクカートリッジ識別データが0か否かを判断する(S29)。即ち奇数個のインクカートリッジ識別データを取得して記憶しているので、多数決にて判断するのである。2つのインクカートリッジ識別データが0であれば(S29:YES)、例えば(0,0,1)であればS28へと進むのである。しかしながら、2つのインクカートリッジ識別データが0でなければ(S29:NO)、例えば(1,1,0)であればカートリッジ識別フラグFLAG3=1とする(S30)。即ち、交換により新たに装着されたインクカートリッジが並容量インクカートリッジ2Aであるとして、EEPROM94内のFLAG3記憶領域94e内に1を記憶し、このカートリッジ種類の識別処理を終了する。このカートリッジ種類の識別処理が識別手段をなすものである。
【0103】
S8のカートリッジ種類の識別処理が終了すると、S9へ進む。S9では、カートリッジ識別フラグFLAG3=0か否か、即ちEEPROM94内のFLAG3記憶領域94e内に0が記憶されているか否かを判定する。このタイミングでFLAG3=0か否かを判定するのは、S8でカートリッジ種類の識別処理を行っているので、その識別結果を認識してFLAG2を設定するためである。FLAG3=0、即ち交換により新たに装着されたインクカートリッジが大容量インクカートリッジ2Bであれば(S9:YES)、カートリッジ交換フラグFLAG2=1とする(S10)。即ちEEPROM94のFLAG2記憶領域94d内に1を記憶するのである。そして、S11の大容量カートリッジ用表示処理へと進むのである。
【0104】
一方、FLAG3=1、即ち交換により新たに装着されたインクカートリッジが並容量インクカートリッジ2Aであれば(S9:NO)、カートリッジ交換フラグFLAG2=2とする(S13)。即ちEEPROM94のFLAG2記憶領域94d内に2を記憶するのである。そしてS14の並容量カートリッジ用表示処理へと進むのである。
【0105】
また、S7において、インクカートリッジの交換が無く、現在大容量インクカートリッジ2Bが装着されている場合は(S7:FLAG2=1)、カートリッジ種類の識別処理(S8)からS10までを実行する必要がないのでそのままS11の大容量カートリッジ用表示処理へと進むのである。
【0106】
また、S7において、インクカートリッジの交換が無く、現在並容量のインクカートリッジ2Aが装着されている場合は(S7:FLAG2=2)、カートリッジ種類の識別処理(S8)からS13までを実行する必要がないのでそのままS14の並容量カートリッジ用表示処理へと進むのである。
【0107】
次に、図11を参照してS11の大容量カートリッジ用表示処理を説明する。図11は、図7に示す本実施の形態にかかるインクジェット記録装置1の動作の中で、交換により新たに装着されたインクカートリッジが大容量カートリッジ2Bであるか、又は交換は行われなかったものの現在装着されているインクカートリッジが大容量カートリッジ2Bであると識別された場合に、表示器111のLCD表示を大容量カートリッジ用表示とする処理のフローチャートである。
【0108】
交換により新たに装着されたインクカートリッジが大容量カートリッジ2Bであるか、又は交換は行われなかったものの現在装着されているインクカートリッジが大容量カートリッジ2Bであると識別された場合に、第1のダウンカウンタ94aからそのカウント値(データ)を取得する(S31)。上述した通り、インクカートリッジが新しい大容量カートリッジ2Bと交換されたときに第1のダウンカウンタ94aには最大吐出数が設定され、インクがノズルから吐出される度にダウンカウントされる。従って、現在の第1のダウンカウンタ94aからカウント値(データ)を取得すれば、インクカートリッジ内に収容されているインク量がわかるので、取得したカウント値(データ)に基づいてCPU91が表示器111のLCDに表示するためのデータを演算して算出し(S32)、LCD表示を変更する(S33)。例えば、最大吐出数を10万とし、現在のカウント値を3万とすると、インク残量が未使用状態のインク量の30%程度であることになる。従って、図11のS33に記載した図においては、インクカートリッジ内に収容されているインク量がニアエンプティではないものの、インク残量が30%程度であることを示している。また、EEPROM94内のFLAG2記憶領域には1が記憶されているので、表示器111のLCDには「LG(ラージ)」と表示することで、使用者に対して大容量インクカートリッジ2Bが装着されていることを示している。そして、交換により大容量インクカートリッジ2Bが新たに装着されたときには、第1のダウンカウンタ94aに最大吐出数が設定されるので、表示器111のLCDにはインク残量100%の状態が表示されることは言うまでもない。そしてS33にてLCD表示を変更し終えたら、図7に示す本実施の形態にかかるインクジェット記録装置1の動作を終了する。
【0109】
次に、図12を参照してS14の並容量カートリッジ用表示処理を説明する。図12は、図7に示す本実施の形態にかかるインクジェット記録装置1の動作の中で、交換により新たに装着されたインクカートリッジが並容量カートリッジ2Aであるか、又は交換は行われなかったものの現在装着されているインクカートリッジが並容量カートリッジ2Aであると識別された場合に、表示器111のLCD表示を並容量カートリッジ用表示とする処理のフローチャートである。
【0110】
交換により新たに装着されたインクカートリッジが並容量カートリッジ2Aであるか、又は交換は行われなかったものの現在装着されているインクカートリッジが並容量カートリッジ2Aであると識別された場合に、第1のダウンカウンタ94aからそのカウント値(データ)を取得する(S34)。上述した通り、インクカートリッジが新しい並容量カートリッジ2Aと交換されたときに第1のダウンカウンタ94aには最大吐出数が設定され、インクがノズルから吐出される度にダウンカウントされる。従って、現在の第1のダウンカウンタ94aからカウント値(データ)を取得すれば、インクカートリッジ内に収容されているインク量がわかるので、取得したカウント値(データ)に基づいてCPU91が表示器111のLCDに表示するためのデータを演算して算出し(S35)、LCD表示を変更する(S36)。例えば、最大吐出数を8万とし、現在のカウント値を2万4千とすると、インク残量が未使用状態のインク量の30%程度であることになる。従って、図12のS36に記載した図においては、インクカートリッジ内に収容されているインク量がニアエンプティではないものの、インク残量が30%程度であることを示している。また、EEPROM94内のFLAG2記憶領域には2が記憶されているので、表示器111のLCDには「NM(ノーマル)」と表示することで、使用者に対して並容量インクカートリッジ2Aが装着されていることを示している。そして、交換により並容量インクカートリッジ2Aが新たに装着されたときには、第1のダウンカウンタ94aに最大吐出数が設定されるので、表示器111のLCDにはインク残量100%の状態が表示されることは言うまでもない。そしてS36にてLCD表示を変更し終えたら、図6に示す本実施の形態にかかるインクジェット記録装置1の動作を終了する。
【0111】
次に、図13を参照してS12のインクニアエンプティ用表示処理を説明する。図13は、図7に示す本実施の形態にかかるインクジェット記録装置1の動作の中で、S3又はS6においてニアエンプティフラグFLAG1=0と判断された場合に、表示器111のLCD表示をインクニアエンプティ用表示とする処理のフローチャートである。
【0112】
S3又はS6においてニアエンプティフラグFLAG1=0と判断された場合、まず表示器111のLCD表示をニアエンプティ表示に変更する(S37)。具体的には、表示器111のLCD表示を10%程度の表示にする。更に、EEPROM94内のFLAG1記憶領域には1が記憶されているので、表示器111のLCDに「NE(ニアエンプティ)」と表示することで、使用者に対してインクカートリッジ内のインク残量がニアエンプティであることを示している。そして、第1のダウンカウンタ94aからそのカウント値(データ)を取得する(S38)。上述した通り、インクカートリッジが初めてニアエンプティと判断されたとき(S6:NO)、第1のダウンカウンタ94aにはニアエンプティ用最大吐出数が設定され、インクがノズルから吐出される度にダウンカウントされる。従って、現在の第1のダウンカウンタ94aからカウント値(データ)を取得すれば、インクカートリッジ内に収容されているインク量がわかるのである。次に、第1のダウンカウンタ94aから取得したカウント値が所定の閾値、例えば1000より小さいか否かを判断する(S39)。第1のダウンカウンタ94aから取得したカウント値が所定の閾値より小さければ(S39:YES)、表示器111のLCD表示をインクカートリッジの交換を要求する表示にして(S40)、このフローを終了する。一方、第1のダウンカウンタ94aから取得したカウント値が所定の閾値以上であれば(S39:NO)、そのままこのフローを終了する。
【0113】
本実施の形態においては、第2のインク残量検出手段が1つのダウンカウンタ94aのみからなる場合につき説明したが、これに代えて、第2のインク残量検出手段が2つのダウンカウンタ即ち、第1のダウンカウンタ94aと第2のダウンカウンタ94bとからなる変形例につき説明する。
【0114】
インクカートリッジを交換した場合、装着されたインクカートリッジの種別に応じて第1のダウンカウンタ94aに最大吐出回数をセットする。一方、第2のダウンカウンタ94bには、基準量吐出回数をセットする。インクが吐出されるたびに第1のダウンカウンタ94aの値のみをデクリメントしていく。(第2のダウンカウンタ94cはそのまま何もしない)。その第1のダウンカウンタ94aの値に基づいて表示器111に表示されるインク残量表示が変更されることとなる。そして、第1のインク残量検出手段によりインクのニアエンプティが検出されたとき、第2のダウンカウンタ94bもダウンカウントを開始する。表示器111のインク残量表示は第1のダウンカウンタ94aのカウント値に応じてインク残量表示は変更され続ける。即ち、ニアエンプティ検出は第2のダウンカウンタ94bのダウンカウンタのカウント開始のトリガーとなる。第2のダウンカウンタ94bの存在意義は、電源のON/OFFが行われたときに、実際にニアエンプティか否かを確認するために使用される。即ち、基準量吐出回数よりもカウント値が少なければニアエンプティ状態であることが判り、基準量吐出回数とカウント値が等しければまだニアエンプティとなっていないことが判る。
【0115】
本実施の形態においては、基準量をニアエンプティ状態のインク量として説明したが、例えば主インク貯留室44と副インク貯留室45の大きさを適宜変更することにより、ニアエンプティ状態でなくとも半分程度或いは40%程度のインク残量を基準量とすることも可能である。このように構成することで、例えば第1のダウンカウンタ94aのみを用いるインク残量が基準量より少なくなった時点で第1のダウンカウンタ94aがリセットされるので、最初からカウントするよりも正確な終了時が判るという効果がある。
【0116】
また、本実施の形態においては、インクカートリッジのプリズム52の半面に全体が反射する部分からなるアルミ箔(識別部材80)を貼付してインクカートリッジ識別用の被識別部位たる第1の被検出部位81(情報検出部)を構成したが、これに代えて、図14(a)に示すように、2ビット用の識別部材83を貼付しても良い。即ち、識別部材83を2つの領域83a,83bとに分け、これらの領域をそれぞれ光を吸収する部分又は光を反射する部分とから構成するのである。このように構成すれば、各領域で2種類の光の反射状態が形成されるので、センサ19が第1の被検出部位81を検出したときの出力電圧により、2×2=4種類のインクカートリッジを識別可能となる。
【0117】
また、図14(b)に示すように、3ビット用の識別部材84を貼付しても良い。即ち、識別部材84を3つの領域84a,84b,84cとに分け、これらの領域をそれぞれ光を吸収する部分又は光を反射する部分とから構成するのである。このように構成すれば、各領域で2種類の光の反射状態が形成されるので、センサ19が第1の被検出部位81を検出したときの出力電圧により、2×2×2=8種類のインクカートリッジを識別可能となる。
【0118】
また、図14(c)に示すように、4ビット用の識別部材85を貼付しても良い。即ち、識別部材85を4つの領域85a,85b,85c,85dとに分け、これらの領域をそれぞれ光を吸収する部分又は光を反射する部分とから構成するのである。このように構成すれば、各領域で2種類の光の反射状態が形成されるので、センサ19が第1の被検出部位81を検出したときの出力電圧により、2×2×2×2=16種類のインクカートリッジを識別可能となる。
【0119】
従って、このセンサ19により検出されるカートリッジ識別データを2ビット、3ビット、4ビットという複数ビットで検出でき、2種類よりも多い、4種類、8種類、16種類のインクカートリッジを識別することが可能である。識別部材を多数の領域に分割すればするほど識別可能なインクカートリッジの種類を増やすことができるが、領域が狭くなるとセンサ19からの出力電圧が変動しにくくなるので、領域の数にも限度がある。また、各領域の面積が小さくなった場合には、センサ19による各領域での検出もそれぞれ3回ではなく、2回、1回と減少させればよい。
【0120】
2種類以上のインクカートリッジが識別可能であれば、以下のような実施例も可能となる。例えば、黒のインクカートリッジで、大容量、並容量、小容量のインクカートリッジを持つ場合には、2ビットで4種類までのインクカートリッジを識別できればよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のインクカートリッジ夫々が大容量と並容量のインクカートリッジを持つ場合には、3ビットで8種類のインクカートリッジを識別できれば各々の種類が識別可能となる。更にインク色が増える場合には、4ビットで16種類のインクカートリッジを識別できれば現状では各インクカートリッジの識別が可能となろう。
【0121】
更に、図4(b)や図5(b)に示す別の実施形態において、このように多種類のインクカートリッジを識別する場合には、図14(a)〜図14(c)に示す第1の被検出部位81の各領域をそれぞれ光を透過する部分又は光を反射する部分とから構成すればよい。
【0122】
また、本実施の形態においては、第2のインク残量検出手段として第1のダウンカウンタ94a、又は第1及び第2のダウンカウンタ94a、94bを用いているが、1つのアップカウンタ又は2つのアップカウンタを用いても良い。1つのアップカウンタを用いる場合、未使用状態のインクカートリッジが装着されたときにアップカウンタを0クリアすると共に、インクカートリッジの種別に従ってインク残量表示用の閾値を採用すれば良い。また、第1のインク残量検出手段でニアエンプティが検出されたときには、表示器111のインク残量表示をニアエンプティへと変更し、アップカウンタを0クリアすると共に基準量のインクがエンプティになるまでの閾値を新たに採用すれば良い。アップカウンタがその閾値を越えたら「カートリッジ交換」を表示させれば良い。また、2つのアップカウンタを用いる場合は、未使用状態のインクカートリッジが装着されたときに第1のアップカウンタ及び第2のアップカウンタを0クリアする。インクが吐出されるたびに第1のアップカウンタの値のみをインクリメントし、第2のアップカウンタはそのままカウントをしない。第1のアップカウンタに対しては、インクカートリッジの識別に従ってインク残量表示用の閾値を採用すれば良い。この第1のアップカウンタの値に基づいて表示器111に表示されるインク残量表示が変更されることとなる。そして、第1のインク残量検出手段によりインクのニアエンプティが検出されたとき、第1のアップカウンタにはインクカートリッジの種別に従ったカウント値、即ち基準量吐出値を設定すると共に、第2のアップカウンタのアップカウントを開始させる。表示器111のインク残量表示は第1のアップカウンタのカウント値に応じてインク残量表示は変更され続ける。そして第2のアップカウンタのカウント値がインクがエンプティになる閾値を越えたら「カートリッジ交換」を表示させれば良い。
【0123】
以上説明したように、本実施の態様によれば、検出手段により被検出部位で検出された奇数個の検出データを多数決で判断することにより、装着されたインクカートリッジ内のインク容量の識別を行えると共に、その識別結果に基づいて大容量のインクカートリッジか並容量のインクカートリッジかの表示が行え、また、インク残量検出装置によりニアエンプティの検出も行うことによりニアエンプティの表示も行うことができる。
【0124】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、例えば識別素子としてアルミ箔を使用したが、これに代えて銀紙等の光を反射する材料を使用してもよく、また識別素子を大容量のインクカートリッジに設けたが、これに代えて並容量のインクカートリッジに設けても良い等本発明の特徴を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し得ることは勿論である。
【0125】
【発明の効果】
この請求項1の発明によれば、インクカートリッジに残っているインクがニアエンプティであることを検知したときに、インクカートリッジを識別処理を行わないことにより、敢えて時間の掛かるインクカートリッジ識別データ及びインク残量データの取得を行わなくてもよい。
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の斜視図である。
【図2】インクカートリッジの側断面図である。
【図3】(a)、(b)はインクカートリッジとセンサとの側面図である。
【図4】(a)並容量のインクカートリッジの斜視図、(b)並容量のインクカートリッジの変形例の部分斜視図である。
【図5】(a)大容量のインクカートリッジの斜視図、(b)大容量のインクカートリッジの変形例の部分斜視図である。
【図6】インクジェット記録装置の電気回路構成の概略を示すブロックである。
【図7】インクジェット記録装置の全体処理のフローチャートを示した図である。
【図8】インク残量データ&カートリッジ識別データ取得処理のフローチャートを示した図である。
【図9】インクニアエンプティ判定処理のフローチャートを示した図である。
【図10】制御プログラムの1つであるカートリッジ識別処理のフローチャートを示した図である。
【図11】図7の全体処理中で実行される大容量カートリッジ用表示処理のフローチャートを示した図である。
【図12】図7の全体処理中で実行される並容量カートリッジ用表示処理のフローチャートを示した図である。
【図13】図7の全体処理中で実行されるインクニアエンプティ用表示処理のフローチャートを示した図である。
【図14】(a)別の実施形態におけるインクカートリッジの第1と第2の被検出部位を拡大した図、(b)更に別の実施形態におけるインクカートリッジの第1と第2の被検出部位を拡大した図、(c)更に別の実施形態におけるインクカートリッジの第1と第2の被検出部位を拡大した図である。
【符号の説明】
1…インクジェット記録装置
2…インクカートリッジ
19…センサ(検出手段)
19a…発光素子(発光部)
19a…受光素子(受光部)
44…主インク貯留室
45…副インク貯留室
51…側壁
51a…傾斜部
52…プリズム
53…反射部材
71…インク
80…アルミ箔(識別部材)
81…第1の被検出部位
82…第2の被検出部位
83…2ビット用の識別部材
84…3ビット用の識別部材
85…4ビット用の識別部材
90…制御手段(移動手段、第1のインク残量検出手段、識別手段、判定手段、第1のインク残量検出手段)
91…CPU(演算装置)
92…ROM
93…RAM(記憶手段)
94…EEPROM
94a…第1のダウンカウンタ(第2のインク残量検出手段)
94b…第2のダウンカウンタ(第2のインク残量検出手段)
94c…FLAG1記憶領域
94d…FLAG2記憶領域
94e…FLAG3記憶領域
111…表示器(表示手段)
Claims (5)
- インクを収容可能な筐体に、インクカートリッジの種別に応じて、受光素子での受光量を異ならしめる面を有する第1被検出部と、該第1被検出部に並設する第2被検出部と、を備えたインクカートリッジを装着可能なインクジェット記録装置であって、
前記インクカートリッジとは相対的に移動可能であり、前記第1被検出部、前記第2被検出部に光を照射する発光素子と、その光を受光する受光素子とを有するセンサと、
第2被検出部から得られたセンサ出力値に基づいて、インク残量がニアエンプティであることを判定する判定部と、を有し、
前記判定部により、インク残量がニアエンプティであると判定されたとき、前記第1被検出部から得られた出力値に応じたインクカートリッジ種別の判別処理を行わない処理部を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記カートリッジの交換を検知する検知部をさらに備え、
前記検知部がカートリッジ交換を検知したことを条件に、第1被検出部の出力値に応じたインクカートリッジの判別処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記判定部は、第2被検出部からのセンサ出力値が所定値より大きいことを条件に、インク残量がニアエンプティであることを判定し、
前記判定部により、第2被検出部から得られたセンサ出力値が所定値より大きいと判定されたとき、前記処理部は、第1被検出部から得られた出力値に応じたインクカートリッジ種別の判別処理を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記判定部は、インク残量のニアエンプティ判定を所定回数繰り返すことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記判定部がニアエンプティであることを判定したことを条件に、インクの吐出のカウントを開始するカウンタを備える請求項1乃至4に記載のインクジェット記録装置。
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