JP4110756B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジに貯留されるインクの有無を光学検出器により光学的に検出するインクジェットプリンタ等の記録装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の記録装置として用いられるインクジェットプリンタには、インクカートリッジに貯留されるインクの有無を光学的に検出するための光学検出器が設けられている。この光学検出器は、発光素子等から光透過性の物質でできているインクカートリッジへ向けて光を照射し、その反射(透過)光量を受光素子で検出するのものである。インクカートリッジからの反射光量は、インクの有無により変化するので、インクカートリッジからの反射光量を検出すれば、インクの有無を光学的に検出することができる。
【0003】
前記インクカートリッジの一例として、前記光が照射される面に、複数のプリズムを設けたものが実用化されている。このプリズムは、インクカートリッジの表面に一体的に形成されており、山と谷を交互に複数繰り返した形状になっている。
【0004】
このようなプリズムの形成されたインクカートリッジを用いることにより、複数の反射面を形成することができると共に、インクカートリッジ内のインクの有無に応じて、光の反射と透過の性質を利用して、精度良くインク残量を検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の装置では、一つのインクセンサで、複数のカートリッジのインク残量を検出する構成であったため、インクカートリッジを搭載したキャリッジを移動させながら、各インクカートリッジに光を照射し、その反射光量に基づいてインク残量検出を行っている。
【0006】
その結果、前記プリズムの谷からの反射光量と山または山から谷にかけての反射光量とが異なるため、その読み取り波形もジグザグ状の波形となり、この波形を読み取るポイントによっては正しくインク残量検出を行うことができない場合があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、インクカートリッジに山と谷とが交互配列されたプリズムを用い、インクカートリッジを移動させながらインク残量検出を行う場合でも、精度良く検出を行うことのできる記録装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の記録装置は、前記課題を解決するために、山部と谷部を一定間隔で交互に配列して成るプリズムを一体に形成し、インクを貯留するインクカートリッジと、前記インクカートリッジの前記プリズムに光を照射して、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出する光学検出手段と、前記光学検出手段によって検出された反射光量に基づいてインク残量を検出するインク残量検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の記録装置によれば、インクカートリッジの前記プリズムに光を照射して、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出し、当該検出された反射光量に基づいてインク残量を検出するように構成したので、確実に、前記プリズムの谷部以外の部分からの反射光量が読み取られることになり、精度の良いインク残量検出が行われることになる。
【0010】
請求項2記載の記録装置は、前記課題を解決するために、請求項1記載の記録装置において、前記インクカートリッジを搭載して往復運動するキャリッジを備え、前記光学検出手段は、キャリッジの運動する往復方向において、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の記録装置によれば、キャリッジの運動する往復方向において、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出するように構成したので、確実に、前記プリズムの谷部以外の部分からの反射光量が読み取られることになり、精度の良いインク残量検出が行われることになる。
【0012】
請求項3記載の記録装置は、前記課題を解決するために、請求項1または2記載の記録装置において、前記光学検出手段は、前記インクカートリッジの中央位置の前後において前記反射光量を検出することを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
請求項3記載の記録装置によれば、プリズムは、インクカートリッジのほぼ中央位置に谷部が位置するように形成されているので、前後の位置における読み取り結果が一致する場合には、その結果に基づいてインク残量を検出することにより、精度の良い検出が行われることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、記録装置として、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ2を備え、カラー印刷を実行可能なカラーインクジェットプリンタを用いて説明する。
【0017】
図1は本発明の第1実施形態におけるカラーインクジェットプリンタ1の本体の外観を示す斜視図、図2は図1のカラーインクジェットプリンタ1の断面図、図3は図1のカラーインクジェットプリンタ1におけるキャリッジ及びインクカートリッジ周辺の概略構成を示す斜視図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、第1実施形態における記録装置としてのカラーインクジェットプリンタ1は、光学検出器としてのインクセンサ19を備え、インクセンサ19により検出される反射光量をしきい値と比較して、インクの有無を判断するように構成されている。特に、第1実施形態においては、給紙期間、即ち、記録媒体を記録位置に新たに搬送する期間に、インク有無の判断を行うものである。
【0019】
まず、カラーインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。カラーインクジェットプリンタ1は、図3に示すように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ2と、記録用紙等の記録媒体Pに印字するための印字ヘッド3を備えるヘッドユニット4と、インクカートリッジ2及びヘッドユニット4が搭載されるキャリッジ5と、このキャリッジ5を直線方向に往復移動させる駆動ユニット6と、キャリッジ5の往復移動方向に延び、印字ヘッド3と対向して配置されるプラテンローラ7と、パージ装置8と、インクセンサ19とを備えている。また、カラーインクジェットプリンタ1は、図2に示すように、記録媒体送り手段としての搬送ローラ200を備えている。
【0020】
ヘッドユニット4の載置部4a上には、図4に示すように、3つの仕切板4cが立設されており、載置部4aの両側に形成された一対のサイドカバー4bとの間で、載置部4aは各仕切板4cを介して4つのインクカートリッジ2の装着部に区画されている。この装着部に、図3に示すように、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが充填された4つのインクカートリッジ2(2a、2b、2c、2d)が装着される。なお、ブラックインクのカートリッジ2aが、他の3色のインクが充填されたインクカートリッジ2b、2c、2dに対して大きな容積を有しているのは、ブラックインクの使用頻度が他の色に比べて高いことを考慮したものである。
【0021】
また、ヘッドユニット4には、図4に示すように固定アーム21が備えられており、この固定アーム21によって、各仕切板4c間に装着されたインクカートリッジ2を固定する。
【0022】
また、載置部4aには、印字ヘッド3と連通するインク供給通路22が貫通形成されており、このインク供給通路22は、Oリング23によってシールされつつインクカートリッジ2のインク供給口50と連通されている。かかる連通によって、インクカートリッジ2から印字ヘッド3へインクが供給される。
【0023】
駆動ユニット6は、キャリッジ5の下端部に配置されプラテンローラ7と平行に延びるキャリッジ軸9と、キャリッジ5の上端部に配置されキャリッジ軸9に平行に延びるガイド板10と、そのキャリッジ軸9とガイド板10との間であって、キャリッジ軸9の両端部に配置される2つのプーリ11及び12と、これらのプーリ11及び12の間に掛け渡されるエンドレスベルト13とからなる。
【0024】
そして、一方のプーリ11が、キャリッジモータ(CRモータ)101の駆動により正逆回転されると、そのプーリ11の正逆回転に伴って、エンドレスベルト13に接合されているキャリッジ5が、キャリッジ軸9及びガイド板10に沿って、直線方向に往復移動される。
【0025】
記録媒体Pは、図1及び図2に示すように、カラーインクジェットプリンタ1の後方に設けられた給紙トレイ201に載置され、図2に示す搬送ローラ200によって給紙される。記録媒体Pは、図2に示す矢印A方向に搬送され、印字ヘッド3と、プラテンローラ7との間に導入される。従って、印字ヘッド3からインクが吐出されると、記録媒体P上に所定の印字がなされる。1パスの印字は、記録媒体Pの搬送方向においては、当該記録媒体Pの搬送方向における印字ヘッド3のノズル形成範囲内で、かつ、記録媒体Pの幅方向においては、記録媒体Pの幅方向における最大印字範囲内で行われる。従って、1パスの印字が行われる毎に、前記ノズル形成範囲に相当する長さだけ、搬送ローラ200によって記録媒体Pがラインフィードされる。そして、その記録媒体Pにおける印字が終了すると、記録媒体Pは搬送ローラ200によって排紙され、図1及び図2に示す排紙トレイに載置される。
【0026】
パージ装置8は、プラテンローラ7の側方に設けられ、ヘッドユニット4がリセット位置にある時に、印字ヘッド3に対向するように配置されている。このパージ装置8は、印字ヘッド3の図示しない複数のノズルを覆うように当該ノズルの開口面に対し当接するパージキャップ14と、ポンプ15及びカム16と、インク貯留部17とを備えている。ヘッドユニット4が、リセット位置にある時に、印字ヘッド3のノズルをパージキャップ14で覆い、印字ヘッド3の内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム16の駆動によりポンプ15によって吸引することにより、印字ヘッド3の回復を図るようにしている。なお、吸引された不良インクは、インク貯留部17に貯められる。
【0027】
パージ装置8におけるプラテンローラ7側の位置には、パージ装置8に隣接してワイパ部材20が配置されている。このワイパ部材20は、へら状に形成されており、キャリッジ5の移動に伴って、印字ヘッド3のノズル形成面を払うものである。キャップ18は、インクの乾燥を防止するため、印字が終了するとリセット位置に戻される印字ヘッド3の複数のノズルを覆うものである。
【0028】
インクセンサ19は、インクカートリッジ2内のインクの有無を検出するためのセンサである。駆動ユニット6の端部付近(図3の左側)に設けられ、図7に示すように赤外光発光素子19aと赤外光受光素子19bとを備えている。赤外光発光素子19aの光照射面と赤外光受光素子19bの光受光面とは、図6に示すようにインクカートリッジ2の略20度で傾斜する傾斜部51aと同様な角度で、図7に示すように斜めに配置されている。赤外光発光素子19aからインクカートリッジ2に対して照射された光は、反射光として赤外光受光素子19bにより受光される。その受光した反射光の多少により、インクカートリッジ2内のインクの有無が検出される。
【0029】
次に、図5を参照してインクカートリッジ2の内部構造について説明する。図5(a)は、インクカートリッジ2の側断面図であり、図5(b)は、図5(a)のIIIb-IIIb線における部分断面図であり、図5(c)は、インクカートリッジ2の底部の斜視図である。なお、図5(a)では、インクカートリッジ2内にインクが貯留されていない状態を図示している。
【0030】
インクカートリッジ2は、図5(a)に示すように、略中空状の箱状体に形成されており、そのインクカートリッジ2の内部は、区画壁41、42によって、大気導入室43、主インク貯留室44、副インク貯留室45に区画されている。大気導入室43は、後述する主インク貯留室44内へ大気連通口47を介して大気と連通されている。一方、大気導入室43の上方(図5(a)の上側)は主インク貯留室44と連通されており、かかる連通部から主インク貯留室44へ大気が導入される。
【0031】
主インク貯留室44は、インクを貯留しておくために実質的に密閉された空間であり、インクを含浸可能なフォーム(多孔質体)48が収納されている。主インク貯留室44の下方(図5(a)の下側)には、インク連通口49が区画壁42に貫通形成されており、主インク貯留室44は、かかるインク連通口49を介して後述する副インク貯留室45と連通されている。また、フォーム48は、毛管現象を利用してその内部にインクを保持可能なスポンジ、繊維材料等から構成されており、圧縮状態で主インク貯留室44内に収納されている。よって、例えば、インクカートリッジ2が転倒した際、主インク貯留室44から大気導入室43へインクが流出し、その流出したインクが大気連通口47からインクカートリッジ2の外へ漏出してしまうことを防止することができる。
【0032】
副インク貯留室45は、インクを貯留しておくと共に、赤外光が図4に示すインクセンサ19から照射される部位であり、インクカートリッジ2の側端部に実質的に密閉された空間として形成されている。副インク貯留室45は、上記したインク連通口49を介して主インク貯留室44と連通されており、その主インク貯留室44及び副インク貯留室45に貯留されるインクは、インクカートリッジ2の底壁46に貫通形成されたインク供給口50を介して図2に示す印字ヘッド3へ供給される。
【0033】
副インク貯留室45の側壁51には、主インク貯留室44へ向かって下降傾斜する傾斜部51aが形成されており、その傾斜部51aの内面側(主インク貯留室44側、図5(a)の左側)には、プリズム52が形成されている。
【0034】
プリズム52は、インクカートリッジ2内に貯留されるインクの有無の検出のために用いられる部材であり、透明な光透過性材料を材質として成形される側壁51の傾斜部51aに一体的に形成されている。なお、光透過性材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、メタクリル、メチルペンテンポリマー、ガラス等を使用することができる。また、上記した透明とは、光学的に完全な透明であるという意味ではなく、いわゆる半透明をも含む意味である。
【0035】
プリズム52は、図5(b)に示すように、山と谷とを交互に配設することにより形成される複数の反射面を備えている。この複数の反射面は、傾斜部51aの縦方向一端側(図5(a)の上側)から他端側(図5(a)の下側)に向けて下降傾斜しつつ、インクカートリッジ2の厚さ方向(図5(a)の紙面垂直方向)に列設されている。そのため、インクは、そのプリズム52上を流下することができるので、プリズム52上にインクが残留してしまい、かかるプリズム52から所望の反射光が得られなくなることを防止することができる。
【0036】
プリズム52の更に詳しい構成を図14(a)に基づいて説明する。図14(a)に示すように、本実施形態においては、インクカートリッジ2の中央位置にプリズム52の谷が形成され、各山あるいは各谷の間隔は2mmに設定されている。
【0037】
このように、プリズム52を傾斜部51aの内面側(インク界面側、図5(b)の左側)へ設けることによって、傾斜部51aに対峙する方向から非垂直(本実施形態では、傾斜角略10度)に赤外光を図7(c)に示すようにインクセンサ19から照射することができるようになる。その結果、傾斜面51aの外表面で反射するインクの有無検出とは関係のない反射光を赤外光受光素子19bが検出してしまうことを防止することができるので、インクの有無検出に必要なプリズム52からの反射光を主に受光することとなり、インクの有無検出の精度を向上させることができる。
【0038】
また、インクセンサ19の赤外光発光素子19aから傾斜部51aに向かって照射される赤外光は、一般に、所定のビーム角(±10度前後)を有している。そのため、赤外光は光束が広がってしまい、傾斜部51aに照射される単位面積当たりの光量が低下してしまう。そこで、傾斜部51aに複数の反射面を有するプリズム52を傾斜部51aのほぼ全域にわたって配設することにより、照射された赤外光を効率良く受光させることができ、インクセンサ19の赤外光受光素子19bへ十分な反射光を受光させることができる。なお、本実施形態におけるプリズム52では、図5(b)に示すように、各反射面が交差する稜線部の交差角度は略90度とされており、16面の反射面が形成されている。
【0039】
副インク貯留室45の上方には、上記したプリズム52と所定間隔を隔てつつ対峙する反射部材53が形成されている。この反射部材53は、副インク貯留室45内へ透過した赤外光の光路を変更するための部材であり、プリズム52と所定角度を有しつつ、その内部空間に空気層を有する袋状に形成されている。
【0040】
このように構成されたインクカートリッジ2によれば、印字ヘッド3によってインクが消費されると、消費されたインク量に応じて大気導入室43から空気が主インク貯留室44内へ導入され、主インク貯留室44内のインク液面が図6(a)に示すように低下する。更にインクが消費され、主インク貯留室44内のインクが無くなった場合には、副インク貯留室45内のインクが印字ヘッド3へ供給される。このとき、副インク貯留室45内は減圧されるが、大気導入室43から主インク貯留室44を経由した空気がインク連通口49を介して副インク貯留室45内へ導入され、副インク貯留室45内の減圧が緩和されると共にインク液面が図6(b)に示すように低下する。
【0041】
よって、インクカートリッジ2は、まず、主インク貯留室44内のインクが消費され、その主インク貯留室44内のインクが全て消費された後に、副インク貯留室45内のインクが消費されるように構成されている。従って、インクセンサ19により副インク貯留室45内のインクの有無を検知することにより、インクカートリッジ2全体としてのインクの有無を知ることができるのである。
【0042】
次に、図6(a)、(b)を参照して、インク有無検出の原理を説明する。図6(a)、(b)は、インクカートリッジ2とインクセンサ19との側面図であり、インクカートリッジ2の一部を断面視している。なお、図6(a)、(b)では、ヘッドユニット4、インクセンサ19の取り付け部材等を省略して模式的に図示している。
【0043】
インクカートリッジ2内にインク71が十分ある場合には、図6(a)に示すように、インクセンサ19の赤外光発光素子19aから照射された赤外光は(光路X)、インクカートリッジ2の材質の屈折率とインク71の屈折率とが非常に近いため、インク71を透過しつつインクカートリッジ2内を進行する。そして、副インク貯留室45内に配設されている反射部材53へ到達する。反射部材53に到達した赤外光は、反射部材53の材質の屈折率と空気72の屈折率とが異なるため、反射部材53内面と空気72との界面で反射する(光路Y)。
【0044】
ここで、インクカートリッジ2の傾斜部51aは反射部材53に対して略20度で傾斜しているので、反射部材53に到達した赤外光の入射角度は傾斜部51aへの入射角度とは異なる。従って、反射部材53によって反射される反射光(光路Y)は、入射光とは異なる角度で反射される。よって、反射光(赤外光)はインクセンサ19の赤外光受光素子19bへは向かわず、赤外光受光素子19bへ向かう反射光の光量は小さいものとなる。
【0045】
これに対して、インクカートリッジ2の副インク貯留室45内にインク71が存在しない場合には、図6(b)に示すように、インクセンサ19の赤外光発光素子19aから照射された赤外光は(光路X)、インクカートリッジ2の材質の屈折率と空気の屈折率とが異なるため、副インク貯留室45の外壁内面と空気との界面で反射する(光路Y)。そのため、インクカートリッジ2内からインクセンサ19の赤外光受光素子19bへ向かう反射光の光量は大きなものとなる。
【0046】
このように、インクカートリッジ2内から反射する反射光(光路Y)は、インク有無に応じてその光量が変化するので、かかる光量の差をインクセンサ19の赤外光受光素子19bを用いて検出することによって、インクカートリッジ2内に貯留されるインク有無を検出することができるのである。
【0047】
なお、本実施形態において、赤外光受光素子19bにより受光された反射光は、赤外光受光素子19bによって光電変換され、受光した反射光量に応じたアナログ信号として検出され、後述するA/Dコンバータ19cを介してデジタル信号へと変換された後、CPU91に入力されるようになっているが、その検出回路において、受光した反射光量が大きいほど出力電圧が小さくなる回路が採用されているため、図14,15に示す反射光の読み取り波形では、反射光量が大きいときにA/D変換後の出力電圧が低く、その逆に、反射光量が小さいときにA/D変換後の出力電圧が高くなっている。すなわち、反射光レベルの変化を示す図11とは、上下のレベル関係が反対になっている。
【0048】
また、傾斜部51a及び反射部材53は、副インク貯留室45の上方に配設されているので、副インク貯留室45の上方にインク71が存在しなくなった時点、即ちインクカートリッジ2内にインク71が全て存在しなくなる前に、予めインクが無いことを判断できるのである。
【0049】
また、本実施形態においては、傾斜部51aの傾きを略20度としているが、かかる角度に限定されるものではなく、略15度から略25度の範囲であれば良い。即ち、略15度以上にすることにより、反射部材53からの反射光が赤外光受光素子19bに戻るのを抑制でき、略25度以下にすることにより、インクが傾斜部51aへ常時貯留されるのを抑制できる。
【0050】
次に、インクセンサ19を赤外光の被照射面である図5に示すインクカートリッジ2の傾斜部51aに対して、水平方向に略10度の角度で斜めに配置した理由を図7を参照して説明する。図7は、インクカートリッジ2とインクセンサ19とを表した上面図である。なお、ヘッドユニット4に搭載された各インクカートリッジ2a〜2dは、矢印W方向に往復搬送される。
【0051】
まず、インクセンサ19を、図7(a)に示すように傾斜部51aに対して垂直に配設した場合には、赤外光発光素子19aから照射される光(光路X)は、光透過性部材によって構成される傾斜部51aを透過する。しかし、傾斜部51aの外側、つまり反インク側の表面の細かな凹凸により、傾斜部51aを透過するはずの入射光(光路X)は、隣接するインクカートリッジ2cにより反射される場合がある。そして、その反射光(光路Y)が赤外光受光素子19bにより受光されると、インクカートリッジ2bが存在しないにも拘わらず、あたかもインクカートリッジ2bが存在するように判断される恐れがあり、インクカートリッジ2bの有無の検出ができない場合がある。
【0052】
そこで、インクセンサ19を、図7(b)に示すように傾斜部51aに対して略10度で配設した場合には、赤外光受光素子19bが傾斜しているため、傾斜部51aの外側、つまり反インク側の表面により反射される光、即ち図7(a)の光路Yで示される光を受光するのを抑制できる。従って、インクが存在する場合には、図6において説明したように、傾斜部51aを透過する光は受光されず、一方、インクがない場合には、傾斜部51aの内側、即ち副インク貯留室45側と空気との界面からの反射光(光路Y)を赤外光受光素子19bにより受光する。よって、その光量の差により正確にインクの有無を判断できるのである。また、インクカートリッジ2cがない場合であっても、赤外光受光素子19aから照射される光は、光路Xで示すように、隣接するインクカートリッジ2dには照射されないため、正確にインクカートリッジ2cの有無を判断することができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、インクセンサ19の傾斜部51aに対する傾きを略10度に設定したが、これはインクカートリッジ2の大きさ、各インクカートリッジ2間の隙間の間隔、インクカートリッジ2とインクセンサ19との間隔等の諸要因により定められる角度であるため、傾きを持っていれば良く、かかる角度に限定されるものではない。
【0054】
また、本実施形態においては、インクセンサ19における前記反射光の読み取り間隔を、図14(b)に示すように、前記プリズム52の山の間隔の1.5倍に設定している。図14(b)に示す読み取り波形は、図14(a)に示すプリズム52の山と谷に対応している。つまり、本実施形態によれば、読み取り位置は、第1番目が山に対応する部分丸1、第2番目が谷に対応する部分丸2、そして第3番目が山に対応する部分丸3となる。このように、読み取り間隔を、プリズム52の谷の間隔の1.5倍に設定することにより、確実に山に対応する部分の波形を読み取ることができる。
【0055】
以上のようにして3箇所の読み取り位置で波形を読み取った後、それぞれの値としきい値との大小比較を行う。そして、部分丸1における比較結果と、読み取り部分丸3における比較結果とが、それぞれ、しきい値よりも小さいと判断される結果になり、一致するので、これを採用し、このカートリッジについては、反射光量がしきい値よりも大きく、ニアエンプティである、と判断する。
【0056】
このように読み取り間隔を、プリズム52の谷の間隔の1.5倍とするのは、インクカートリッジ2からの反射光の読み取り波形が、プリズム52の形状を反映して、図15のようにジグザグ状になるためである。このような読み取り波形に対して、プリズム52の谷の間隔で読み取りを行ってしまうと、全て谷の部分に対応する波形を読み取ってしまうことも考えられる。この場合には、インクが無いにも拘わらず、誤ってインク有りと判断してしまう。
【0057】
そこで、本実施形態では、読み取り間隔を、プリズム52の谷の間隔の1.5倍としたのである。なお、この読み取り間隔は、1.5倍に限定されるものではなく、実験の結果、1.3倍から1.7倍の範囲であれば、適切に波形を読み取ることができる。
【0058】
また、本実施形態では、読み取り箇所を3箇所とし、最初と最後の結果に基づいてインク残量の判断を行う例について説明したが、これに限定されることなく、さらに複数箇所において読み取りを行い、多数決処理により、インク残量の判断を行うようにしても良い。
【0059】
図8は、カラーインクジェットプリンタ1の電気回路構成の概略を示すブロック図である。カラーインクジェットプリンタ1を制御するための制御装置は、本体側制御基板100と、キャリッジ基板120とを備えており、本体側制御基板100には1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)91と、そのCPU91により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM92と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM93と、書き換え可能な不揮発性のメモリであるEEPROM94、イメージメモリ95、ゲートアレイ96等が搭載されている。上記CPU91と、ROM92、RAM93、EEPROM94及びゲートアレイ96とは、アドレスバス98及びデータバス99を介して接続されている。
【0060】
CPU91は、ROM92に予め記憶された制御プログラムに従い、インク有無の検出やインクカートリッジ装着の有無を検出するための制御を実行するものである。また、印字タイミング信号及びセット信号を生成し、各信号を後述のゲートアレイ96へ転送する。このCPU91には、ユーザが印字の指示などを行うための操作パネル107、キャリッジ5を動作させるキャリッジモータ(CRモータ)101を駆動するためのモータ駆動回路102、記録媒体Pを搬送するための搬送ローラ200を駆動する搬送モータ(LFモータ)103、搬送モータ(LFモータ)103を動作させるためのモータ駆動回路104、記録媒体(印字用紙)Pの先端を検出するペーパーセンサ105、キャリッジ5の原点位置を検出する原点センサ106、インクセンサ19などが接続されている。接続される各デバイスの動作はこのCPU91により制御される。
【0061】
ROM92には、制御プログラムの一部として、キャリブレーションデータ入力処理、インク検出処理等のプログラムが記憶されている。各プログラムの詳細については後述する。また、固定値データとして、検出した反射光レベルにおいてインク無しを検出するためのしきい値、インクレベル(インクカートリッジ2内のインク残量)がニアエンプティからエンプティとなるまでのインク吐出回数であるエンプティしきい値等を記憶している。
【0062】
EEPROM94は、キャリブレーションデータメモリ94aと、第1〜第4カウンタ94b〜94eと、第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iを備えている。キャリブレーションデータメモリ94aは、キャリブレーションデータ入力処理により検出された補正値、即ち、インクカートリッジ2の本来の検出位置からの位置ずれをキャリブレーションデータとして記憶しておくためのメモリである。
【0063】
上記したように、本実施形態のカラーインクジェットプリンタ1は、インクカートリッジ2の被照射面に対して、インクセンサ19が略10度の角度で傾斜されて設置されている。しかし、センサ19の取り付け時に生じる取り付け角度誤差により、その角度は略10度とならないことが多い。かかる場合には、インクセンサ19とインクカートリッジ2との相対位置が本来の位置とは異なってしまう。つまり、インクカートリッジ2の本来の検出位置において正確にインクカートリッジ2を検出できないのである。このため、出荷前に実行されるキャリブレーションデータ入力処理により、本来の検出位置と実施の検出位置とのずれを検出し、そのずれ量が補正値として、このキャリブレーションデータメモリ94aに出荷前に予め書き込まれる。
【0064】
インクの有無を検出する際には、このキャリブレーションデータメモリ94aに記憶される補正値が参照され、この補正値に基づいて、反射光量を検出する検出位置(キャリッジ5のポジション)が調節される。これにより、たとえインクセンサ19とインクカートリッジ2の被照射面との位置関係が本来の位置からずれていても、正確にインクの有無を検出することができる。
【0065】
第1〜第4カウンタ94b〜94eは、印字ヘッド3からのインクの吐出(噴射)回数をカウントアップするためのメモリである。インクの吐出回数「1」毎に「1」ずつ更新される。インクカートリッジ2には所定量のインクが初期に注入されているが、そのインク量からおおよその最大吐出回数は決まっている。このため、インクの吐出回数をカウントすることで、インクのおおよその消費量を知ることができるのである。
【0066】
カラーインクジェットプリンタ1には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ貯留するために4つのインクカートリッジ2が備えられているので、各インクカートリッジ2に対応する4つのカウンタ(第1〜第4カウンタ94b〜94e)が設けられており、各インク毎にカウントされるインクの吐出回数が対応する第1〜第4カウンタ94b〜94eに書き込まれる。そして、この第1〜第4カウンタ94b〜94eに記憶されるカウント値は、インク検出処理により参照され、該カウント値が所定の数となる毎に、実際のインクレベル(インクカートリッジ2内のインク残量)を検出するべく、インクセンサ19によるインク検出処理が実行されるのである。
【0067】
なお、印字時のみならず、インクカートリッジ2内の気泡を吸い出すためのパージ処理や、ノズルの目詰まりを解決するためのフラッシング処理においても所定量のインクがインクカートリッジ2から吐出される。かかる処理で消費されるインクについては、印字時の吐出回数の何カウントに相当するかがそれぞれ既知であるので、その相当するカウント数が、先に記憶されるカウント値に加算され、対応する第1〜第4カウンタ94b〜94eのカウント値は更新される。
【0068】
第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクをそれぞれ貯留するための4つのインクカートリッジ2に対応して各1づつ設けられ、該フラグ94f〜94iのオンは、インクのニアエンプティを示すものである。ここで、ニアエンプティは、インクセンサ19によるインクの検出限界を示すものであり、インクセンサ19によりインク無しと検出された状態を示すものである。
【0069】
図5及び図6で説明したように、初期状態で充填されていたインクは、主インク貯留室44から消費され、主インク貯留室44が空になると副インク貯留室45のインクが消費される。副インク貯留室45のインク液面が反射部材53の下部を下回ると、インクセンサ19の赤外光発光素子19aから照射された光が、プリズム52によりインクセンサ19の赤外光受光素子19b方向(光路Y)へ反射されるようになる。これによりインクセンサ19の赤外光受光素子19bに検出される反射光量が変化(増大)する。検出された反射光量は信号としてCPU91に入力されるので、かかる変化がニアエンプティとしてCPU91に認識され、対応するニアエンプティフラグ94f〜94iがオンされる。
【0070】
なお、第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iがオンされた時点、即ち、インクセンサ19によりインク無しと検出された時点において、インクカートリッジ2内のインクはエンプティではないので、更にインクエンプティの状態になるまで、即ち、インク吐出回数がエンプティしきい値に達するまで印字を続行することができる。
【0071】
本実施形態においては、インクエンプティを正確に検出するために、第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iがオンされると、対応する第1〜第4カウンタ94b〜94eに記憶されているカウント値0はクリアされ、0からエンプティしきい値までをカウントアップし、インクエンプティの検出精度を向上させている。なお、オンされた第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iは、対応するインクカートリッジ2が、例えば交換などにより、そのインクレベルがインク有りと検出されることによりオフされる。
【0072】
ゲートアレイ96は、CPU91から転送される印字タイミング信号に従い、イメージメモリ95に記憶されている画像データに基づいて、その画像データを記録媒体に印字するための印字データ(駆動信号)と、その印字データと同期する転送クロックCLKと、ラッチ信号と、基本印字波形信号を生成するためのパラメータ信号と、一定周期で出力される噴射タイミング信号JETとを出力し、それら各信号をヘッドドライバが実装されたキャリッジ基板120側へ転送する。また、ゲートアレイ96は、コンピュータなどの外部機器からセントロ・インターフェース97を介して転送されてくる画像データを、イメージメモリ95に記憶させる。そして、ゲートアレイ96は、ホストコンピュータなどからセントロ・データ受信割込信号を生成し、その信号をCPU91へ転送する。なお、ゲートアレイ96とキャリッジ基板120との間で通信される各信号は、両者を接続するハーネスケーブルを介して転送される。
【0073】
インクセンサ19は、赤外光発光素子19aと赤外光受光素子19bとを備え、赤外光発光素子19aからインクカートリッジ2へ赤外光を照射し(図6の光路X)、その反射光(図6の光路Y)をフォトセンサである赤外光受光素子19bにより検出するものである。赤外光受光素子19bにより受光された反射光は、赤外光受光素子19bによって光電変換され、受光した反射光量に応じた電気信号(反射光量が大きいほど出力電圧が小さい信号)として検出される。検出される信号は、アナログ信号であるので、赤外光受光素子19bに接続されるA/Dコンバータ19cによりデジタル信号へと変換された後、CPU91に入力される。このインクセンサ19により検出された反射光量は、インク検出処理またはインクカートリッジ検出処理においてしきい値と比較される。これにより、インクの有無を知ることができる。なお、A/Dコンバータ19cは、アナログ信号を標本化、量子化、2進数化する等の段階を経てデジタル信号へと変換する。
【0074】
キャリッジ基板120は実装されたヘッドドライバ(駆動回路)によって印字ヘッド3を駆動するための基板である。印字ヘッド3とヘッドドライバとは、厚さ50〜150μmのポリイミドフィルムに銅箔配線パターンを形成したフレキシブル配線板により接続されている。このヘッドドライバは、本体制御基板100に実装されたゲートアレイ96を介して制御され、記録モードに合った波形の駆動パルスを各駆動素子に印加するものである。これにより、インクが所定量吐出される。
【0075】
次に、図9及び図10に示した各フローチャートを参照して、上記のように構成されたカラーインクジェットプリンタ1で実行される各処理を説明する。
【0076】
図9は、制御プログラムの1つであるキャリブレーションデータ入力処理のフローチャートである。このキャリブレーションデータ入力処理は、出荷前に実行され、インクカートリッジ2の検出位置の位置ずれを検出し、そのずれ量を補正量としてキャリブレーションデータメモリ94aに記憶するための処理である。
【0077】
かかるキャリブレーションデータ入力処理は、カラーインクジェットプリンタ1の運転モードがその調整を行うためのメンテナンスモードに設定されている場合においてのみ実行可能であるので、このキャリブレーションデータ入力処理では、まず、メンテナンスモードフラグ93aがオンされているか否かを確認し(S1)、オンされていなければ(S1:No)、このキャリブレーションデータ入力処理を省略する。一方、メンテナンスモードフラグ93aがオンされていると(S1:Yes)、原点センサ106でキャリッジ5が原点にあることを確認した後、CRモータ101を駆動してキャリッジ5を原点から所定距離移動させることによりキャリッジ5をホームポジションに移動する(S2)。次に、赤外光発光素子19aを所定光量で点灯し(S3)、キャリッジ5をインクセンサ19方向へ低速で移動する(S4)。そして、所定の検出位置に達した時、即ち、原点から所定距離だけキャリッジ5が移動した時、インクセンサ19により反射光量の検出を開始し、インクカートリッジ2によって反射される反射光レベル(反射光量)を、赤外光受光素子19bで受光し、A/Dコンバータ19cを介してCPU91に取り込む(S5)。この反射光レベルの検出は、本来のインクカートリッジ2の検出位置だけでなく、キャリッジ5の幅よりも広い範囲にわたって実行され、反射光レベルが、図11(a)、(b)に示すように、アナログデータで検出される。
なお、上述したように、赤外光受光素子19bで受光される反射光レベルの差は、インクの有無だけでなく、インクカートリッジ2の有無によっても生じる。但し、インクカートリッジ2の有無によって生じる反射光レベルの差は、図11(a)に示すようにインクの有無によって生じる反射光レベルの差よりも小さい。そこで、本実施形態では、図11(a)に示すように、インクの有無の検出においては、第1のしきい値を用い、インクカートリッジ2の有無の検出においては、第2のしきい値を用いている。
【0078】
そして、本来得られるべき理論上のインクカートリッジ無しレベルからインクカートリッジ有りレベルへの変化位置(理論値)と、図9に示すステップS6の処理で検出されたその変化位置(実際値)とのずれ、即ち、本来の検出位置と実際の検出位置とのずれをキャリッジの移動距離αとして算出し、そのずれを補正値としてキャリブレーションデータメモリ94aに記憶する(S7)。ここで、本来の検出位置(理論値)は、キャリッジ5の原点からの移動距離として記憶されている。よって、実際の検出位置は、その理論値の移動距離±αであり、この±αの距離が補正値となる。
【0079】
このキャリブレーションデータ入力処理でキャリブレーションデータメモリ94aに記憶された補正値は、インク検出処理及びインクカートリッジ検出処理の中で実行されるキャリブレーション処理において用いられる。これにより、インクカートリッジ2からの反射光を検出する際の検出位置を補正し、反射光レベルを正確に検出することができるのである。
【0080】
また、本実施形態においては、キャリッジ5が一定速度で移動する期間に、実際の検出位置及び理論上の検出位置を通過するように予め設定されている。キャリッジ5は、図12に示すように、ホームポジションからの移動開始後、加速移動、一定速度移動、及び減速移動を行う。この時の加速度及び一定速度の値は予め定められているため、キャリッジ5が一定速度期間で移動しているか否かは、ホームポジションからの移動距離によって知ることができる。そこで、本実施形態では、実際の検出位置及び理論上の検出位置を、一定速度期間内の通過位置となるように設定している。
【0081】
このように設定した結果、インクカートリッジ2に対する光の照射位置を常に一定に保つことができ、反射光レベルをより一層正確に検出することができる。
【0082】
なお、本実施形態では、ステップS6の処理で基準のインクカートリッジ2において、実際の検出位置と理論上の検出位置とを比較したが、この基準のインクカートリッジ2は、キャリッジ5に搭載された4つのインクカートリッジ2の先頭インクカートリッジ2、即ち、最初に検出位置に達するインクカートリッジ2としている。
【0083】
図9は、インクの検出、即ち、インクカートリッジ2内のインク71の有無の検出を実行するインク検出処理のフローチャートである。インク検出処理は、新たな記録媒体Pを用紙トレイ201から印字ヘッド3とプラテンローラ7の間に供給する期間、即ち、給紙期間に実行される処理である。
【0084】
図13に示すように、印字処理が開始されると、用紙トレイ201に載置されていた記録媒体Pは、搬送ローラ200によって給紙され、印字ヘッド3とプラテンローラ7との間まで搬送される。従来のプリンタにおいては、この給紙のためのラインフィード期間には、キャリッジの移動動作を行っていなかった。しかし、本実施形態のカラーインクジェットプリンタ1においては、この給紙期間において、インク検出処理を実行するために、キャリッジ5をホームポジションから上述した検出位置へと移動させる。そして、以下に説明するインク検出処理を実行する。従って、従来ではキャリッジ5の停止期間であった給紙期間を利用して、インク検出処理が行われるので、従来のようにインク検出処理のためだけに印字動作を待機させる必要がなくなり、カラーインクジェットプリンタ1の処理速度を向上させつつ、確実にインク有無検出を行うことができる。
【0085】
本実施形態においては、この給紙期間のインク検出処理において、インクカートリッジ2内に少なくとも記録媒体Pの1枚分の印字が可能な量のインクが残っていると判断した場合には、そのインク検出処理時にはインク無しの警告を行わず、記録媒体Pの1枚分の印字を完了させる。そして、印字完了後にインク無しの警告を行う。このように構成することにより、インクカートリッジ2内のインクを有効に使用することができると共に、ユーザに対して適切にインク無しの警告を行うことができる。
【0086】
以下、インク検出処理の具体例を図10のフローチャートを参照して説明する。なお、図10に示すインク検出処理は、印字開始直後の給紙期間、及び毎ページの給紙期間において実行されるものである。
【0087】
このインク検出処理では、まず、インクカートリッジ2の第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iがオンされているか否かを確認する(S13)。確認の結果、第1〜第4ニアエンプティプラグ94f〜94iがオフであれば(S13:No)、そのオフされている(フラグオフの)第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iに対応するインクカートリッジ2のカウント値のうち、そのカウント値が所定数d以上のものがあるか否かを確認する(S14)。このインク検出処理は、インクの吐出回数が所定数dを経る毎にインクセンサ19によるインクの有無の検出を実行する。
【0088】
ここで、そのカウント値が所定数d以上であれば(S14:Yes)、インクセンサ19でインクの有無(インク無し)を検出するべく、上記補正値を考慮した所定検出位置における反射光レベル(反射光量)の取り込みを行うキャリブレーション処理(センサ読込み処理)を実行する(S15)。このキャリブレーション処理(S15)の実行後は、取り込んだ反射光レベルが第1しきい値以上であるか否かを判断する(S16)。この第1しきい値は、インク有りとインク無しとを識別するための反射光レベルである。また、この時の読み取りは、図14に示すように、3カ所で行い、その間隔は、プリズム52の谷の間隔の1.5倍である。
【0089】
そして、ステップS16の処理で判断した結果、取り込んだ反射光レベルが第1しきい値以上(図14,15に示す読み取り波形では、しきい値以下)であれば(S16:Yes)、副インク貯留室45のインク液面が反射部材53の下部を下回っており、インクレベル(インクカートリッジ2内のインク残量)がニアエンプティとなっていることを示している(インク無しと検出される)。このため、該当するインクカートリッジ2の第1〜第4ニアエンプティフラグ94b〜94iをオンし(S17)、更に該当するカウント値(対応する第1〜第4カウンタ94b〜94eに記憶されるカウント値)を0にする(S18)。その後、他の各処理を実行して(S19)、このインク検出処理を終了する。
【0090】
一方、ステップS13の処理で確認した結果、インクカートリッジ2の第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iがオンであれば(S13:Yes)、そのオンされている(フラグオンの)第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iに対応するインクカートリッジ2のカウント値が、エンプティしきい値以上か否かを確認する(S20)。フラグオンの第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iに対応するインクカートリッジ2のインクレベルは、インクセンサ19によるインクの検出限界を超えているので、ニアエンプティ以降のインクの吐出回数をカウントすることによりインクエンプティを検出するのである。
【0091】
ここで、確認したカウント値がエンプティしきい値未満であれば(S20:No)、印字を実行できるインク残量が未だ残っているので、その処理をS19の処理に移行して各処理(S19)を実行後、このインク検出処理を終了する。また、S20の処理で確認した結果、オンされた第1〜第4ニアエンプティフラグ94f〜94iに対応するインクカートリッジ2のカウント値が、エンプティしきい値以上であれば(S20:Yes)、インクエンプティの表示などを行うインクエンプティ処理を実行する(S21)。なお、上述したように、記録媒体Pの一枚分の印字可能な量であると判断した場合には、直ちにインクエンプティの表示などを行うのではなく、印字終了後に表示などを行う。S21の処理の実行後は、その処理をS19の処理へ移行して、印字できなかったデータを一時的に記憶するなどの各処理(S19)を実行後、このインク検出処理を終了する。
【0092】
また、S14の処理で確認した後、カウント値が所定数d以上であるものがなければ(S14:No)、その処理をS19の処理に移行して各処理(S19)を実行後、このインク検出処理を終了する。
【0093】
更に、S16の処理で確認した後、取り込んだ反射光レベルが第1しきい値未満(図14,15に示す読み取り波形では、しきい値を越えている)であれば(S16:No)、インクレベルはニアエンプティではないので、S17の処理をスキップして、その処理をS18の処理に移行する。
【0094】
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、インク検出処理と同様な手法により、インクカートリッジの検出処理を行っている。このインクカートリッジの検出処理により、インクカートリッジ2の交換(着脱)が行われたと判断した場合には、そのインクカートリッジ2に対応する第1〜第4カウンタ94b〜94eのカウント値は0に設定され、インク吐出回数のカウントアップが開始される。但し、交換されたインクカートリッジ2は、例えば使用済み部品の装着や製造ばらつきなどにより、そのインク充填量にばらつきがある。また、各カラーインクジェットプリンタ1の印字ヘッド3からのインク吐出量のばらつきなどを考慮すると、ニアエンプティに至るまでの、カウント値は必ずしも同一とはならない。このため、初期状態から、インクエンプティまでを連続してカウントアップしてしまうと、あるしきい値(所定のカウント値)をもってインクエンプティを判断することが困難となり、また、所定のカウント値で検出されるインクエンプティが不正確になりがちである。しかし、ニアエンプティが検出された時点では、インクカートリッジ2内のインク残量はほぼ同じと考えられるので、このインク残量を消費するのに必要なインクの吐出回数(カウント値)も同じとなると考えられる。よって、かかる吐出回数付近の所定数をエンプティしきい値とし、ニアエンプティ状態が検出(ニアエンプティフラグオン)された時点を0カウントとして、エンプティしきい値までをカウントアップすれば、正確にインクエンプティを検出することができる。
【0095】
ときに、上記実施形態では、インクカートリッジのカウント値がd以上になってから、インクセンサ19によるインク検出処理を実施するようにしたものであるが、これに限らず、たとえば、新たにインクカートリッジを交換した直後からインクセンサ19によるインク検出処理を実行するようにしてもよいことは勿論である。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本実施形態によれば、インクカートリッジの反射光の読み取り間隔を、プリズムの谷の間隔の非整数倍としたので、確実にプリズムの山からの波形を読み取ることができ、精度の良いインク残量検出を行うことができる。
【0097】
また、読み取った結果は、最初の位置と最後の位置との結果が一致した時に、正しい値として採用されるので、精度良く検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態におけるカラーインクジェットプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】 図1のカラーインクジェットプリンタの断面図である。
【図3】 図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジ及びキャリッジ周辺の概略構成を示す斜視図である。
【図4】 図1のカラーインクジェットプリンタにおいて、インクカートリッジがヘッドユニットに装着された状態を示す側面図である。
【図5】 (a)は図4のインクカートリッジの側断面図であり、(b)は(a)のIIIb-IIIb線における部分断面図であり、(c)は図4のインクカートリッジ2の底部の斜視図である。
【図6】 (a)、(b)は図4のインクカートリッジとインクセンサとの鉛直方向の位置関係を模式的に示す図である。
【図7】 図4のインクカートリッジとインクセンサとの水平方向の位置関係を模式的に示す図である。
【図8】 図1のカラーインクジェットプリンタの電気回路構成の概略を示すブロック図である。
【図9】 図1のカラーインクジェットプリンタにおけるキャリブレーションデータ入力処理のフローチャートである。
【図10】 図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインク検出処理のフローチャートである。
【図11】 (a)、(b)は図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジの反射光レベルの変化を模式的に示す図である。
【図12】 図1のカラーインクジェットプリンタのキャリッジの速度変化を示す図である。
【図13】 図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインク検出処理タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図14】 (a)は図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジに形成されたプリズムの形状及び山の間隔を示す図であり、(b)はそれに対応する読み取り波形と読み取り位置を示す図である。
【図15】 図1のカラーインクジェットプリンタにおけるインクカートリッジからの反射光の読み取り波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 カラーインクジェットプリンタ
2 インクカートリッジ
5 キャリッジ
19 インクセンサ
52 プリズム
91 CPU
Claims (3)
- 山部と谷部を一定間隔で交互に配列して成るプリズムを一体に形成し、インクを貯留するインクカートリッジと、
前記インクカートリッジの前記プリズムに光を照射して、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出する光学検出手段と、
前記光学検出手段によって検出された反射光量に基づいてインク残量を検出するインク残量検出手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。 - 前記インクカートリッジを搭載して往復運動するキャリッジを備え、
前記光学検出手段は、キャリッジの運動する往復方向において、前記一定間隔の1.3〜1.7倍の読み取り間隔で反射光量を検出することを特徴とする請求項1記載の記録装置。 - 前記光学検出手段は、前記インクカートリッジの中央位置の前後において前記反射光量を検出することを特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
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