JP2010284907A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク循環型の印刷装置において、低温時のインク加熱による印刷開始までの待ち時間を短縮する。
【解決手段】インク吐出機構を備えた印字手段と、印字手段にインクを供給するインク貯蔵手段と、印字手段とインク貯蔵手段とを経路中に含むインク循環経路と、インク循環経路内でインクを循環させる循環手段と、印字手段とインク貯蔵手段との間のインク循環系路中を滞留することなく流れるインクの温度を計測する温度計測手段と、インクを加熱する加熱手段と、印刷ジョブを受け付けた際に、温度計測手段が計測するインク温度が所定の基準値未満の場合は、印刷を開始せずに、加熱手段を用いてインクを加熱し、インク温度が所定時間継続して基準値以上になると印刷を開始する制御手段とを備えた印刷装置。
【選択図】図2
【解決手段】インク吐出機構を備えた印字手段と、印字手段にインクを供給するインク貯蔵手段と、印字手段とインク貯蔵手段とを経路中に含むインク循環経路と、インク循環経路内でインクを循環させる循環手段と、印字手段とインク貯蔵手段との間のインク循環系路中を滞留することなく流れるインクの温度を計測する温度計測手段と、インクを加熱する加熱手段と、印刷ジョブを受け付けた際に、温度計測手段が計測するインク温度が所定の基準値未満の場合は、印刷を開始せずに、加熱手段を用いてインクを加熱し、インク温度が所定時間継続して基準値以上になると印刷を開始する制御手段とを備えた印刷装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、インク循環型の印刷装置に係り、特に、インク温度の取得および取得したインク温度に基づく印刷制御に関する。
印字ヘッドから印刷用紙にインクを吐出することで画像を形成するインクジェットプリンタが広く用いられている。インクジェットプリンタの印字ヘッドは、圧電素子等のインク吐出機構に駆動電圧を印加することでインクの吐出を行なっている。インクジェットプリンタで用いられるインクは、一般に低温環境時で粘度が増大するという特性を有しており、適正な吐出量の確保が難しくなる。そこで特許文献1に記載されているように、低温時では、インクを温め、インクが適切な温度になるまで印刷を行なわないようにしている。また、インクジェットプリンタでは、印字の信頼性を上げるため筐体内にインク循環経路を設け、インクを循環可能なインクジェットプリンタが実用化されている。
図7は、従来のインク循環型のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドとインク循環機構の構成を示す図である。本図に示すように、インクジェットヘッド130は、インク室131と、インク吐出機構132と、温度センサ133とを備えている。温度センサ133は、インク室131内のインク温度を直接的あるいは間接的に計測する。
また、インク循環機構は、管状のインク循環経路に加え、着脱可能なインクカートリッジ210、下流タンク220、上流タンク230、ヒータ240、冷却器250、ポンプ260を備えている。なお、本図はインク1色分について示している。インクジェットプリンタが複数色のインクを備えている場合には、インクカートリッジ210、インクジェットヘッド130、下流タンク220、上流タンク230等はインク色毎に設けるようにする。
インクカートリッジ210から供給されたインクは、インクジェットヘッド130の下流側に設けられた下流タンク220に一時的に溜められる。下流タンク220に溜められたインクは、ポンプ260の動作により上流タンク230に送られ、上流タンク230からインクジェットヘッド130のインク室131に供給される。インクジェットヘッド130で印刷に用いられなかったインクは、再び下流タンク220に戻される。
ヒータ240は、上流タンク230付近に配置され、冷却器250は、下流タンク220と上流タンク230との間に配置されている。ヒータ240は、上流タンク230内に配置された温度センサ231が計測するインク温度が低い場合にインクを加熱する。冷却器250は、例えば、ヒートシンクと送風ファンとから構成され、インク温度が高い場合にインクを冷却する。
上述のように、インク温度が適正温度を下回っていると、ヒータ240によってインクが加熱され、インクジェットヘッド130に流入するインクの温度が適正温度に上昇するまで印刷は開始されない。
従来、インクジェットヘッド130に流入するインクの温度は、上流タンク230内の温度センサ231の計測値に基づいて推定していた。これは、上流タンク230に貯蔵されたインクがインクジェットヘッド130に流入するからである。
しかしながら、上流タンク230では、下流タンク220から流入してきたインクと上流タンク230内に滞留しているインクとが混在しており、インク温度が不均一である。したがって、インクジェットヘッド130に流入するインクの温度を精密に見積もることができず、インク加熱によりインク温度が適正温度に上昇したと判断する際の温度マージンを大きくする必要がある。例えば、適正温度の下限が20℃とすると、温度センサ231の計測値が25℃になるまで印刷を開始することができないことになる。
ユーザの使用勝手を考慮すると、低温時における印刷開始までの待ち時間は短い方が好ましい。そこで、本発明は、インク循環型の印刷装置において、低温時のインク加熱による印刷開始までの待ち時間を短縮することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の印刷装置は、インク吐出機構を備えた印字手段と、前記印字手段にインクを供給するインク貯蔵手段と、前記印字手段と前記インク貯蔵手段とを経路中に含むインク循環経路と、前記印字手段で消費されなかったインクを前記インク貯蔵手段側に送ることで、前記インク循環経路内でインクを循環させる循環手段と、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路中を滞留することなく流れるインクの温度を計測する温度計測手段と、前記印字手段にとって前記温度計測手段よりも前記インク貯蔵手段側に設けられた、インクを加熱する加熱手段と、印刷ジョブを受け付けた際に、前記温度計測手段が計測するインク温度が所定の基準値未満の場合は、印刷を開始せずに、前記加熱手段を用いてインクを加熱し、前記インク温度が所定時間継続して前記基準値以上になると印刷を開始する制御手段とを備える。
本発明によれば、低温度時に、インクが滞留せずに流れるインク経路において計測されたインク温度に基づいて印刷開始の可否を判断している。このため、インクが滞留し温度が不均一であるインク貯蔵手段において計測されたインク温度に基づいて印刷開始を判断する場合に比べて、印字手段に流入するインクの温度精度よく見積もることができ、温度マージンを小さくすることができる。したがって、低温時のインク加熱による印刷開始までの待ち時間を短縮することができる。
ここで、前記所定時間は、前記温度計測手段と前記印字手段との距離、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路の断面積、および、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路の単位時間当たりのインク循環量に基づいて定めることができる。これにより、印刷開始時に基準温度に上昇したインクが印字手段に到達していることが保証されるようになる。
あるいは、前記印字手段は、吐出するインクを収めるインク室を備え、前記所定時間は、さらに、前記インク室の容量に基づいて定めるようにしてもよい。
また、前記制御手段は、印刷開始後、前記温度計測手段が計測するインク温度が前記基準値未満になった場合には、印刷途中の用紙に対する印刷終了後に印刷を中断することができる。基準温度未満のインクを用いた印刷を防ぐためである。
さらに、前記制御手段は、印刷の中断後に、前記温度計測手段が計測するインク温度が所定時間継続して前記基準値以上になると印刷を再開することができる。
また、前記温度計測手段と前記印字手段との距離は、1枚の用紙に要する印刷時間の間に、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路中をインクが進む距離よりも長く設定されることが望ましい。これにより、基準温度未満のインクを用いた印刷を確実に防ぐことができる。
また、前記印字手段内のインク温度を計測する第2温度計測手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第2温度計測手段が計測するインク温度が所定の第2基準値未満であれば、印刷を行なわないようにしてもよい。
本発明によれば、インク循環型の印刷装置において、低温時のインク加熱による印刷開始までの待ち時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの全体構成を示すブロック図である。本図に示すようにインクジェットプリンタ10は、制御部110、ヘッド制御部120、インクジェットヘッド130、エンジン制御部140、インク循環機構150、用紙搬送機構160、操作パネル部170、画像読取部180を備えている。
制御部110は、CPU、メモリ等が配置されたコントローラ基板等で構成することができ、画像処理、印刷ジョブ管理等を行なう。具体的には、印刷対象となる画像に基づいて、インク吐出データを生成し、ヘッド制御部120に出力する処理等を行なう。印刷対象となる画像は、例えば、画像読取部180が読み取った画像データ、LANを介してPCから送られた印刷データ等とすることができる。
また、制御部110は、インクジェットプリンタ10におけるインク温度管理を行なう温度制御部111を備えている。温度制御部111は、温度センサを用いてインク温度を計測し、インク温度が低い場合には印刷を開始せずにヒータを用いてインクを加熱する。そして、インク温度が適正温度になると印刷を開始する制御を行なう。このとき、温度制御部111は、インクジェットヘッド130に流入するインク温度をより精密に見積もることができる位置に配置された温度センサを用いてインク温度を計測する。
ヘッド制御部120は、制御部110から送られたインク吐出データに基づいてインクジェットヘッド130を駆動するための信号を生成して、インクジェットヘッド130に出力する。インク吐出データは、例えば、画像を構成する画素毎のインクドロップ数を示したデータとすることができる。
インクジェットヘッド130は、多数のノズルと、インクを貯蔵するインク室と、インク室のインクをノズルから吐出するためのインク吐出機構とを備えている。本実施形態では、インク吐出機構は、ピエゾ素子を用いてインク室の壁を変形させることによりノズルからインクを吐出させるものとする。このため、インク吐出機構は、ピエゾ素子と、ヘッド制御部120が出力する信号に基づいてピエゾ素子を駆動するドライバとを備えている。ただし、発熱素子でインクに熱を加えて気泡を発生させることでインクを噴射させるインク吐出機構を用いるようにしてもよい。
インク循環機構150は、循環型のインク経路、ポンプ、ヒータ、冷却器、インク温度を計測する温度センサ等を備えている。インク循環機構150のインク経路を循環するインクがインクジェットヘッド130のインク室に供給される。インクジェットプリンタ10は、インク循環機構150を備えることにより、インクの不純物除去を効果的に行なうことができる。用紙搬送機構160は、給排紙装置、モータ、ローラ等を備えており、印刷用紙の給紙、搬送、排紙等を行なう。
エンジン制御部140は、インク循環機構150、用紙搬送機構160の制御を行なう。具体的には、インク循環機構150が備えるポンプ、用紙搬送機構160が備える、給排紙機構、ローラ等を制御することにより、インク循環処理、用紙搬送処理等を行なう。
操作パネル部170は、タッチパネル式の表示装置等により構成することができ、ユーザからの操作を受け付け、その内容を制御部110に通知する。画像読取部180は、原稿を光学的に読み取って画像データに変換し、制御部110に出力する。
図2は、インクジェットヘッド130とインク循環機構150の構成を示す図である。従来のインク循環型のインクジェットプリンタと同じ機能部については同じ符号を付している。本図に示すように、インクジェットヘッド130は、インク室131と、インク吐出機構132と、温度センサ133とを備えている。温度センサ133は、インク室131内のインク温度を直接的あるいは間接的に計測する。
また、インク循環機構150は、従来のインク循環型のインクジェットプリンタと同様に、管状のインク循環経路に加え、着脱可能なインクカートリッジ210、下流タンク220、上流タンク230、ヒータ240、冷却器250、ポンプ260を備えている。なお、本図はインク1色分について示している。インクジェットプリンタが複数色のインクを備えている場合には、インクカートリッジ210、インクジェットヘッド130、下流タンク220、上流タンク230等はインク色毎に設けるようにする。
インクカートリッジ210から供給されたインクは、インクジェットヘッド130の下流側に設けられた下流タンク220に一時的に溜められる。下流タンク220に溜められたインクは、ポンプ260の動作により上流タンク230に送られ、上流タンク230からインクジェットヘッド130のインク室131に供給される。インクジェットヘッド130で印刷に用いられなかったインクは、再び下流タンク220に戻される。印刷によってインクが消費されるとインクカートリッジ210から下流タンク220に、消費量に応じたインクが補充される。
インクジェットヘッド130は、下流タンク220より高い位置に配置され、上流タンク230は、インクジェットヘッド130より高い位置に配置されている。この位置関係に基づく水頭差により、上流タンク230からインクジェットヘッド130へのインク供給およびインクジェットヘッド130から下流タンク220へのインク帰還が行なわれる。
ヒータ240は、上流タンク230付近に配置され、冷却器250は、下流タンク220と上流タンク230との間に配置されている。ヒータ240は、上流タンク230内に配置された温度センサ231が計測するインク温度が低い場合にインクを加熱する。冷却器250は、例えば、ヒートシンクと送風ファンとから構成され、インク温度が高い場合にインクを冷却する。これらの動作は、温度制御部111により制御される。
さらに、本実施形態では、上流タンク230とインクジェットヘッド130とをつなぐインク経路270中に、インク経路270を流れるインク温度を計測する温度センサ280が設けられている。インク経路270は、インク循環時にインクが滞留せずに流れる。このため、温度センサ280は、インクジェットヘッド130に流入するインク温度を精度よく検出することができる。
すなわち、温度センサ280からインクジェットヘッド130までの距離、インク経路270の断面積、およびインク循環時における単位時間当たりのインク流量は既知であるため、温度センサ280で検出された温度のインクがインクジェットヘッド130に到達するまでの時間を見積もることができる。
具体的には、温度センサ280からインクジェットヘッド130までの距離をL1とし、インク経路270の断面積をD1とし、インク循環時における単位時間当たりのインク流量をV1とすると、温度センサ280で検出された温度のインクは、D1×L1/V1経過後にインクジェットヘッド130に到達することになる。なお、単位時間当たりのインク流量V1は、ポンプ260によるインク循環量に加え、インクジェットヘッド130で消費されるインク量を考慮して定めるようにしてもよい。この場合、例えば、最大印字率に基づいてインク消費量を算出することができる。
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ10の印刷開始時における処理について図3のフローチャートを参照して説明する。なお、以下では、説明を簡単にするため、インク温度が適正範囲よりも高い場合は取り扱わないものとする。また、以下の処理は、印刷に用いる色のインクを対象に行なうことができる。
本処理は、印刷ジョブを受け付けることで開始する。印刷ジョブの受け付けは、例えば、LAN等を介して図示しないPCから印刷データを受信した場合や、画像読取部180が読み取った画像データを印刷するためにユーザから操作パネル部170の操作を受け付けた場合等である。
インクジェットプリンタ10は、印刷開始に先立ち、インク循環を行なう(S101)。インク循環は、エンジン制御部140が、ポンプ260を作動させることにより行なわれ、下流タンク220→上流タンク230→インクジェットヘッド130→下流タンク220という方向でインクが循環する。なお、インク循環は待機時においても行なうようにしてもよい。
温度制御部111は、上流タンク230内に設けられた温度センサ231を監視し、温度センサ231が検出するインク温度が所定の基準温度以上であるかどうかを判断する(S102)。ここで、基準温度は、インクの適正温度の下限値に対応した値とすることができる。
上流タンク230の温度センサ231が検出するインク温度が基準温度以上であれば(S102:Yes)、インクを加熱する必要がないため、印刷を開始する(S105)。このとき、インクジェットヘッド130内の温度センサ133の計測結果も考慮して印刷を開始するようにしてもよい。
一方、上流タンク230の温度センサ231が計測するインク温度が基準温度未満であれば(S102:No)、温度制御部111がヒータ240を作動させ、インクを加熱する(S103)。
インク加熱中において、温度制御部111は、上流タンク230とインクジェットヘッド130との間に配置された温度センサ280が計測するインク温度を監視し、インク温度が基準温度以上となった状態が所定時間継続したかどうかを判断する(S104)。ここで、基準温度は、インクの適正温度の下限値に対応した値とすることができ、処理(S102)における基準温度と同じ値とすることができる。ただし、インクが温度センサ280からインクジェットヘッド130に到達するまでに低下するインク温度等を考慮して別途定めるようにしてもよい。
図5(a)は、ヒータ240によって基準温度以上に加熱されたインクが温度センサ280に到達したときの様子を模式的に示している。本図では、ヒータ240により加熱され基準温度以上になったインクを網掛けで示し、基準温度未満のインクを白で示している。本図に示す状態では、インクジェットヘッド130に供給されるインクは基準温度未満であるため、印刷を開始することができない。
所定時間は、上述のD1×L1/V1で求められる時間とすることができる。すなわち、D1×L1/V1で求められる時間は、温度センサ280で検出された温度のインクがインクジェットヘッド130に到達するまでの時間であるから、インク温度が基準温度以上となった状態がD1×L1/V1時間継続すれば、基準温度以上の温度のインクがインクジェットヘッド130に供給されることになる。
なお、基準温度以上のインクが吐出されることをより厳密に保証するために、インクジェットヘッド130内のインク室131の容量を考慮するようにしてもよい。すなわち、インク室131の容量をICVとすると、基準温度以上のインクがインクジェットヘッド130に到達してからICV/V1時間後に、インク室131内が基準温度以上のインクで満たされることが期待される。
したがって、所定時間をD1×L1/V1+ICV/V1とすることで、ほぼ確実に基準温度以上のインクがノズルから吐出されることになる。あるいは、距離L1を、温度センサ280からインクジェットヘッド130のノズルまでの距離とするようにしてもよい。
所定時間としていずれの値を用いるかは、インク室131の容量ICVや、インク流量V1等を考慮して柔軟に定めることができる。具体的な例を挙げると、インク室131が比較的広くて、インク室131内でインク温度の不均一が生じる可能性がある場合等には、インク室131の容量を考慮して、D1×L1/V1+ICV/V1により所定時間を定めることができる。逆に、インク室131が比較的狭くてほぼ一様のインク温度と見なせる場合や、インク循環速度が速い機種等では、インク室131の容量の影響はほとんど無視できる。このため、D1×L1/V1により所定時間を定めることができる。また、いずれの場合も適量のマージンを定めることができる。
そこで、インク温度が基準温度以上となった状態が所定時間継続した場合には(S104:Yes)、印刷を開始する(S105)。このとき、インクジェットヘッド130内の温度センサ133の計測結果も考慮して印刷を開始するようにしてもよい。
図5(b)は、インク温度が基準温度以上となった状態が所定時間継続したときの様子を模式的に示している。本図に示す状態では、インクジェットヘッド130に供給されるインクが基準温度以上であるため、印刷を開始することができる。
このように本実施形態では、低温度時に、インクが滞留せずに流れるインク経路270において計測されたインク温度に基づいて印刷開始を判断している。このため、インクが滞留し温度が不均一である上流タンク230において計測されたインク温度に基づいて印刷開始を判断する場合に比べ温度マージンを小さくすることができる。したがって、印刷開始時間を早めることができる。例えば、適正温度の下限が20℃とすると、温度センサ280の計測値が所定時間継続して20℃になると印刷を開始することができる。
図5(c)は、インク経路270中に温度センサを設けずに、従来のように上流タンク230内に設けられた温度センサ231で印刷開始を判断するときの様子を模式的に示している。上流タンク230内では、インクが滞留するため、図5(b)に示すように、ヒータ240で加熱されるとインク温度が非均一になる。このため、温度センサ231が計測するインク温度とインクジェットヘッド130に供給されるインク温度とに乖離が生じるおそれがある。したがって、インクが適正温度以上となったと判断する際のマージンを大きくしなければならず、図5(c)に示すようにインク循環経路全体においてインク温度が適正温度以上になるまで印刷を開始しないようにせざるを得なかった。
次に、本実施形態のインクジェットプリンタ10の印刷実行中における処理について図4のフローチャートを参照して説明する。印刷実行中に、温度制御部111は、上流タンク230とインクジェットヘッド130との間のインク経路270に配置された温度センサ280が計測するインク温度を監視し、温度センサ280が検出するインク温度が基準温度を保っているかどうかを判断する(S201)。
インク経路270の温度センサ280が検出するインク温度が基準温度以上であれば(S201:Yes)、インクジェットヘッド130に適正温度のインクが供給されるため、印刷を継続する。
図6(a)は、インク経路270の温度センサ280が検出するインク温度が基準温度以上のときの様子を模式的に示している。本図の例では、温度の低いインクが上流タンク230に流入してきている。
一方、インク経路270の温度センサ280が検出するインク温度が基準温度未満になると(S201:No)、インクジェットヘッド130に適正温度以下のインクが供給されることになるため、印刷を中断する(S202)。ここで、用紙に対する印刷途中で印刷を中断することは好ましくないため、印刷途中の用紙への印刷終了後に印刷を中断することが望ましい。このため、温度センサ280からインクジェットヘッド130までの距離L1は、印刷用紙1枚を印刷する時間にインクがインク経路270を進む距離以上の長さに設定するようにする。
あるいは、距離L1の距離にかかわらず、以下のような制御を行なうようにしてもよい。すなわち、印刷途中において温度センサ280が基準温度未満を検出すると、残りの印刷に必要なインク量を、インク吐出データの印字率、ドット数等からページ毎に見積もり、温度センサ280からインクジェットヘッド130までのインク量と比較し、印刷可能なページまで印刷を行なうことで、用紙の途中で印刷が中断することを防ぐようにしてもよい。
なお、印刷実行中にインク経路270の温度センサ280が検出するインク温度が基準温度未満になる状況は、例えば、印字率の高い印刷によりインクが多量に消費され、インクカートリッジ210から温度の低いインクが下流タンク220に多量に補充された場合等である。
図6(b)は、インク経路270の温度センサ280が検出するインク温度が基準温度未満になったときの様子を模式的に示している。この場合、基準温度以上のインクがインクジェットヘッド130に流入する間は印刷を継続することができる。
図6(c)は、インク経路270中に温度センサを設けずに、従来のように上流タンク230内に設けられた温度センサ231で印刷中断を判断するときの様子を模式的に示している。上流タンク230内に設けられた温度センサ231では、インクジェットヘッド130に流入するインクの温度を精密に見積もることができないため、印刷中断が遅れたり、不必要に印刷を中断することが起こり得る。
図4のフローチャートの説明に戻って、印刷中断後、温度制御部111は、上流タンク230とインクジェットヘッド130との間に配置された温度センサ280が計測するインク温度を監視し、インク温度が基準温度以上となった状態が所定時間継続したかどうかを判断する(S203)。ここで、所定時間は、上述のD1×L1/V1で求められる時間とすることができる。
なお、温度制御部111は、温度センサ280の監視とともに、上流タンク230内に設けられた温度センサ231を監視し、温度センサ231が検出するインク温度が所定の基準温度未満であればヒータ240を作動させてインク加熱を行ない、基準温度以上になればインク加熱を終了する。このとき、インク加熱の基準温度と、インク加熱終了の基準温度とは異なる値を用いるようにしてもよい。
インク加熱によりインク温度が基準温度以上となった状態が所定時間継続した場合には(S203:Yes)、適正温度以上のインクがインクジェットヘッド130に供給されることになるため、印刷を再開する(S204)。このとき、インクジェットヘッド130内の温度センサ133の計測結果も考慮して印刷を再開するようにしてもよい。そして、印刷再開後も温度センサ280が計測するインク温度の監視(S201)を、印刷が終了するまで継続する(S205)。
以上説明したように、本実施形態によれば、インク循環型のインクジェットプリンタ10において、低温時のインク加熱による印刷開始までの待ち時間を短縮することができる。
10…インクジェットプリンタ
110…制御部
111…温度制御部
120…ヘッド制御部
130…インクジェットヘッド
131…インク室
132…インク吐出機構
133…温度センサ
140…エンジン制御部
150…インク循環機構
160…用紙搬送機構
170…操作パネル部
180…画像読取部
210…インクカートリッジ
220…下流タンク
230…上流タンク
231…温度センサ
240…ヒータ
250…冷却器
260…ポンプ
270…インク経路
280…温度センサ
110…制御部
111…温度制御部
120…ヘッド制御部
130…インクジェットヘッド
131…インク室
132…インク吐出機構
133…温度センサ
140…エンジン制御部
150…インク循環機構
160…用紙搬送機構
170…操作パネル部
180…画像読取部
210…インクカートリッジ
220…下流タンク
230…上流タンク
231…温度センサ
240…ヒータ
250…冷却器
260…ポンプ
270…インク経路
280…温度センサ
Claims (7)
- インク吐出機構を備えた印字手段と、
前記印字手段にインクを供給するインク貯蔵手段と、
前記印字手段と前記インク貯蔵手段とを経路中に含むインク循環経路と、
前記印字手段で消費されなかったインクを前記インク貯蔵手段側に送ることで、前記インク循環経路内でインクを循環させる循環手段と、
前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路中を滞留することなく流れるインクの温度を計測する温度計測手段と、
前記印字手段にとって前記温度計測手段よりも前記インク貯蔵手段側に設けられた、インクを加熱する加熱手段と、
印刷ジョブを受け付けた際に、前記温度計測手段が計測するインク温度が所定の基準値未満の場合は、印刷を開始せずに、前記加熱手段を用いてインクを加熱し、前記インク温度が所定時間継続して前記基準値以上になると印刷を開始する制御手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記所定時間は、前記温度計測手段と前記印字手段との距離、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路の断面積、および、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路の単位時間当たりのインク循環量に基づいて定められたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項2に記載の印刷装置であって、
前記印字手段は、吐出するインクを収めるインク室を備え、
前記所定時間は、さらに、前記インク室の容量に基づいて定められたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1に記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、印刷開始後、前記温度計測手段が計測するインク温度が前記基準値未満になった場合には、印刷途中の用紙に対する印刷終了後に印刷を中断することを特徴とする印刷装置。 - 請求項4に記載の印刷装置であって、
前記制御手段は、印刷の中断後に、前記温度計測手段が計測するインク温度が所定時間継続して前記基準値以上になると印刷を再開することを特徴とする印刷装置。 - 請求項4に記載の印刷装置であって、
前記温度計測手段と前記印字手段との距離は、1枚の用紙に要する印刷時間の間に、前記印字手段と前記インク貯蔵手段との間の前記インク循環系路中をインクが進む距離よりも長く設定されたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置であって、
前記印字手段内のインク温度を計測する第2温度計測手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2温度計測手段が計測するインク温度が所定の第2基準値未満であれば、印刷を行なわないことを特徴とする印刷装置。
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