JP2008055716A - インクジェット記録用ヘッド、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用ヘッド、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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菊之助 辻
Kenichi Satake
健一 佐武
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Abstract

【課題】従来と比べてより短時間でインクの吐出速度を安定し、より消費電力を小さくすることが可能なインクジェット記録用ヘッドを提供すること。
【解決手段】インクが供給されるインク供給口11と、供給されたインクが射出される複数のノズル16と、複数のノズル16と連通しており、供給されたインクを加圧する複数の加圧室18と、インクを加熱するための液体が流通する液体流路14とを備え、液体流路14は、加圧室17を形成している壁面を隔てて形成されている、インクジェット記録用ヘッドである。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録用ヘッド、及びそれを用いたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置として、インクタンクから供給路を介して記録ヘッドにインクを供給し、記録ヘッドにおいて供給されたインクをシート上に射出し、画像を形成するものが知られている。又、インクの吐出方式としてはピエゾ素子によって圧力をかけてインクを射出するピエゾ方式が知られている。
このようなインクジェット記録装置では、インクの温度の変動により、インクの粘度が変わり、吐出速度が変動する。インクの温度と粘度は、インク温度が低温になると粘度は大きくなり、高温になると粘度は小さくなるという関係があり、一般にインクの温度が低温になる方がインクの吐出速度に与える影響は大きいことが知られている。
このようにインク温度が低くなり、予定の吐出速度よりも実際の吐出速度が遅くなると画像のずれが生じることになる。
この吐出速度の変化を抑制するため、インクタンクを加熱することによって、インクの液温を所定温度以上とし、吐出速度の安定化を図っているインクジェットプリンタが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
2003−145789号公報
しかしながら、インクタンク自体を加温していたため、すぐには使用しないインクも含めた全てのインクを暖める必要があり、更にインクタンク自体の熱容量もあるため、インクを暖めるために必要な熱量が大きくなっていた。
そのため、インクの温度が所定温度になるまで時間がかかり、例えば、冬場などにはインクの吐出速度が安定するまでに時間がかかっていた。又、必要な熱量が大きいため、ヒーターの動作による消費電力も大きくなっていた。
本発明は、従来のインクジェット記録装置の課題を考慮して、従来と比べてより消費電力が小さく、短時間でインクの吐出速度を安定させることが可能なインクジェット記録用ヘッド、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
インクが供給されるインク供給口と、
前記供給されたインクを加圧する複数の加圧室と、
前記加圧されたインクを射出する複数のノズルと、
前記供給されたインクを加熱するための液体が流通する液体流路とを備えた、インクジェット記録用ヘッドである。
又、第2の本発明は、
前記液体流路は、前記加圧室を形成している壁面を隔てて形成されている、第1の本発明のインクジェット記録用ヘッドである。
又、第3の本発明は、
前記加圧室の、前記液体流路が形成されている側とは反対側の外壁に配置されたピエゾアクチュエータを備え、
前記液体流路は、
前記液体が供給される液体供給口と、
前記液体が排出される液体排出口とを有し、
前記液体供給口と前記液体排出口の間の前記液体流路は、前記加圧室が配列されている方向に沿って形成されている、第2の本発明のインクジェット記録用ヘッドである。
又、第4の本発明は、
第1の本発明のインクジェット記録用ヘッドと、
前記液体流路を通って前記液体を循環させる循環ユニットと
前記液体の温度を測定するセンサーと、
前記センサーによる測定結果に基づいて前記液体を加熱する制御ユニットと、
を備えた、インクジェット記録装置である。
本発明によれば、従来と比べてより消費電力が小さく、短時間でインクの吐出速度を安定させることが可能なインクジェット記録用ヘッド、及びインクジェット記録装置を提供することが出来る。
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
以下に、本発明のインクジェット記録装置の一例としてインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態のインクジェットプリンタの簡易構成図である。図1に示すように、本実施の形態のインクジェットプリンタは、インクが射出されるヘッド1と、ヘッド1に供給するインク(例えば、ブラックインク)を貯蔵するインクタンク2と、インクタンク2とヘッド1とを接続するインク流路3とを備えている。尚、図1では、ヘッド1及びインクタンク2は1つずつしか図示されていないが、カラー印刷の場合にはブラック、シアン、マゼンダ、及びイエローの4種類のインクのそれぞれに対するヘッド1とインクタンク2が設けられている。
また、インクを加温するための液体が、ヘッド1を経由して循環する液体循環経路4が設けられている。この液体循環経路4上には、液体の温度を測定するためのセンサー5と、センサー5の測定結果に基づいて液体を加温するためのヒーター6と、液体を循環させるための、本発明の循環ユニットの一例であるポンプ8とが設けられている。又、センサー5による検出値が所定値よりも小さい場合にヒーター6を動作させる制御ユニット7が設けられている。尚、本発明の液体の一例として、本実施の形態では水が用いられている(以下、加温水という)。
又、ヘッド1は、用紙27の搬送方向Bと垂直方向(矢印A参照)にレール9に沿って移動可能に構成されており、用紙27の搬送に従って、ヘッド1が移動しながらインク10を吐出することにより用紙上に画像が形成される。
次に、本発明のインクジェット記録用ヘッドの一例であるヘッド1について説明する。図2は、本実施の形態のインクジェットプリンタのヘッド1の下面1aの平面図である。図2には、図1で示した矢印A及びBが記載されている。用紙搬送方向Bを基準にして、ヘッド1の下流側の端を1bとし、上流側の端を1cとする。図2に示すように、ヘッド1の下面1aには、インクを射出するための複数のノズル16が形成されている。このノズル16は、端1bから端1cの方向(用紙搬送方向B)に沿って4列に並んで配置されている。尚、ヘッド1には、一例として300個のノズル16が設けられている。
又、端1bの中央近傍のヘッド1上面側には、インク流路3が接続されているインク供給口11が設けられている。尚、図2は下面1a側の平面図であるためインク供給口11は点線で示されている。このインク供給口11から複数のノズル16にインクを搬送するためのヘッド内インク流路15が形成されている。このヘッド内インク流路15はインク供給口11から端1c方向に向かって3つに分岐しており、3つの分岐している流路のうち中央に形成されている流路を中央流路15aとし、両端に形成されている流路を端流路15b、cとする。
次に、ノズル16近傍の詳細について説明する。
図3(a)は、図2に示すP部の拡大図である。図3(b)は、図3(a)のZZ´断面図である。図3(b)に示すように、ヘッド内インク流路15は下面1a側に形成されており、上面1d側に形成された加圧室18と流入口25によって連通している。
この加圧室18は上方に振動板24が配置されており、振動板24の上方にはピエゾアクチュエータ19が配置されている。このピエゾアクチュエータ19は、圧電素子20を個別電極21と共通電極22で挟むように構成されている。尚、上から順に個別電極21、圧電素子20,共通電極22の順に配置されている。
又、振動板24の上面がヘッド1の上面1dを形成している。又、ヘッド内インク流路15の下側の壁面はノズルプレート23によって構成されており、このノズルプレート23が下面1aを形成している。又、ノズル16は、ノズルプレート23に形成されている開口によって形成されている。
又、加圧室18と下面1a側に形成されたノズル16とを連通するノズル流路17が形成されている。更に、加圧室18を形成する下側の壁面18aを隔てて、インクを加温するための加温水が流通するヘッド内液体流路14が形成されている。このヘッド内液体流路14の下側の壁面はノズルプレート23によって構成されている。尚、ノズルプレート23、壁面18a、及び振動板24等は、SUSによって形成されている。
図2及び図3を用いてヘッド内液体流路14について説明する。
図2に示すように、ヘッド1は、液体循環経路4と接続される液体供給口12と、液体排出口13とを有している。この液体供給口12と液体排出口13は、端1c側近傍に形成されており、搬送方向Bと垂直な幅方向の両端に分かれて配置されている。液体供給口12から液体排出口13までヘッド内液体流路14が形成されている。このヘッド内液体流路14は液体供給口12から端1bに向かった後に折り返して再び端1cに向けて形成されており、そこから折り返して端1bに向かった後、更に折り返して液体排出口13へと形成されている。すなわち、ヘッド内液体流路14は、液体供給口12から3回折り返して、液体排出口13へと形成されている。図2において、ヘッド内液体流路14における加温水の流通方向が実線矢印で示されている。
このように折り返して形成されていることによって、ヘッド内液体流路14は、4列に配列された複数の加圧室18に沿って、それら加圧室18の下側を通るように配置されている。
又、図2に示すように、複数のノズル16と連通している4列に配置された複数の流入口25のうち、両端の2列の流入口25は、それぞれ端流路15b、cの上方に配置されている。又、中央の2列の流入口25は、中央流路15aの上方に配置されている。尚、図2において、ヘッド内インク流路15中におけるインクの流通方向が白抜き矢印で示されている。
上記構成の本実施の形態のインクジェットプリンタの動作について説明する。図4は、本実施の形態のインクジェットプリンタの立ち上げ動作時の制御フロー図である。
ステップ1として、本実施の形態のインクジェットプリンタの電源を入れると、ポンプ8が駆動され、ステップ2において所定時間後にセンサー5によって加温水の温度が検知される。
次に、ステップ3として、制御ユニット7がセンサー5によって検知された加温水の温度が所定温度以上であるか否かを判定する。この所定温度としては、一例として25℃が挙げられる。
次に、ステップ3において制御ユニット7によって25℃未満であることが判定された場合には、ステップ4にて制御ユニット7はヒーター6を動作させる(ステップ4)。続いて、ヒーター6による加熱により、液体の温度が25℃以上になったと制御ユニット7が判定した場合(ステップ5)には、インクジェットプリンタの立ち上げ動作が完了する(ステップ6)。そして、ユーザーからの印刷指令があれば印刷動作が開始される。尚、立ち上げ時及び印刷動作時にセンサー5によって検知される温度が30℃以上になった場合にはヒーター6の電源はオフされる。
印刷動作の際には、共通電極22と個別電極21に電圧がかけられることにより圧電素子20が変形し、加圧室18の振動板24が加圧室18の内側に湾曲する。そうすると、加圧室18内に充填されているインクが加圧され、ノズル16から吐出される。
一方、ステップ2において、センサー5によって検知された温度が25℃以上であると判定された場合には、ヒーター6を動作させず、立ち上げ動作は完了する(ステップ6)。
以上のように、本実施の形態のインクジェットプリンタ−は、ヘッド1内に充填されているインクのみを加熱するだけで良いため、従来のようにインクタンク2を加熱していた場合と比較して加える熱量が少なくてすむため、消費電力を小さく、短時間でインクの吐出速度を安定することが可能となる。尚、一例としてインクタンク2の容量を300cc、加温水の量を50ccとすると、本実施の形態の場合、加温水を加熱すればよいので、従来のようにインクタンク2を加熱する場合と比較して、約1/6程度の電力で済むことになる。
又、本実施の形態では、インクジェットプリンタの立ち上げ動作についてのみ説明したが、立ち上げ動作終了後ユーザーからの印刷指示を受けてから調温水が25℃以上か否かを判定し、ヒーター6の制御を行っても良い。
又、本実施の形態では、加温水の温度を測定して、その温度が所定温度以下の場合にヒーター6を動作させているが、ヘッド内インク流路15に温度センサーを設けて、インク温度が所定温度以下の場合に、ヒーター6を動作させてもよい。
又、本実施の形態では、加温水の温度が25℃以上になるようにヒーター6によって加温されているが、インクの種類、ヘッドの大きさ等によって閾値となる温度を適宜変更可能である。尚、本実施の形態では、水を用いているが、水に限らなくても良い。
又、本実施の形態では、液体循環経路4中にヒーターしか設けられておらず、上限値は設定されていないが、インクの温度が高温よりも低温になる方が吐出速度に与える影響が大きくなるため、吐出速度を安定させる効果を発揮できる。しかしながら、更に精度よくインクの吐出速度を安定させるため、液体循環経路4中に冷却装置を設けて加温水の温度が所定温度幅以内(例えば、25℃〜30℃以内)になるように制御が行われても良い。
又、本実施の形態では、加温水の温度を検知してヒーター6を制御しているが、ヘッド1内のインクの温度を直接検知してヒーター6を制御してもよい。この場合、インク温度としては、ノズル16に連通したノズル流路17又は加圧室18内のインクの温度を用いればよい。
又、本実施の形態では、加圧室18の下側にヘッド内液体流路14が形成されているが、例えば、インク供給口11の近傍のみを流れるように形成されていても良い。しかしながら、本実施の形態のように加圧室18内に充填されたインクを加温することが出来る構成とする方が吐出直前のインクの温度を効率的に加温できるためインク飛翔を安定させることが出来るためより好ましい。
又、本実施の形態のインクジェットプリンタは、シリアル型ヘッド方式であるが、ライン型ヘッド方式であってもよい。尚、ライン型ヘッド方式の場合、図2の矢印Bと垂直な方向に用紙が搬送される。
本発明のインクジェット記録用ヘッド及びインクジェット記録装置は、従来と比べてより消費電力が小さく、短時間でインクの吐出速度を安定させることが可能な効果を有し、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置として有用である。
本発明にかかる実施の形態におけるインクジェットプリンタの簡易構成図 本発明にかかる実施の形態におけるインクジェットプリンタのヘッドの裏面図 (a)本発明にかかる実施の形態におけるインクジェットプリンタのヘッド裏面の部分拡大図、(b)(a)のZZ´断面図 本発明にかかる実施の形態におけるインクジェットプリンタの立ち上げ動作時の制御フロー図
符号の説明
1 ヘッド
2 インクタンク
3 インク流路
4 液体循環経路
5 センサー
6 ヒーター
7 制御ユニット
8 ポンプ
9 レール
10 インク
11 インク供給口
12 液体供給口
13 液体排出口
14 ヘッド内液体流路
15 ヘッド内インク流路
16 ノズル
17 ノズル流路
18 加圧室
19 ピエゾアクチュエータ
20 圧電素子
21 個別電極
22 共通電極
23 ノズルプレート
24 振動板
25 流入口

Claims (4)

  1. インクが供給されるインク供給口と、
    前記供給されたインクを加圧する複数の加圧室と、
    前記加圧されたインクを射出する複数のノズルと、
    前記供給されたインクを加熱するための液体が流通する液体流路とを備えた、インクジェット記録用ヘッド。
  2. 前記液体流路は、前記加圧室を形成している壁面を隔てて形成されている、請求項1記載のインクジェット記録用ヘッド。
  3. 前記加圧室の、前記液体流路が形成されている側とは反対側の外壁に配置されたピエゾアクチュエータを備え、
    前記液体流路は、
    前記液体が供給される液体供給口と、
    前記液体が排出される液体排出口とを有し、
    前記液体供給口と前記液体排出口の間の前記液体流路は、前記加圧室が配列されている方向に沿って形成されている、請求項2記載のインクジェット記録用ヘッド。
  4. 請求項1記載のインクジェット記録用ヘッドと、
    前記液体流路を通って前記液体を循環させる循環ユニットと
    前記液体の温度を測定するセンサーと、
    前記センサーによる測定結果に基づいて前記液体を加熱する制御ユニットと、
    を備えた、インクジェット記録装置。
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