WO2017094515A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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直也 駒田
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Abstract

記録ヘッド(22)と取付部材(201)との温度差に起因する記録ヘッド(22)の位置ずれを抑制するインクジェット記録装置を提供する。インクジェット記録装置は、ノズルに連通する第1のインク流路部を有する記録ヘッド(22)と、記録ヘッド(22)が取り付けられた熱伝導性を有する取付部材(201)と、記録ヘッド(22)に供給されるインクを貯留するインク貯留部と、インク貯留部に貯留されるインクの温度を調整するインク温度調整手段と、インク貯留部と第1のインク流路部に連通する第2のインク流路部(304a)とを通りインク貯留部に貯留されたインクが循環するインク循環経路と、インク循環経路内のインクを所定の送液方向に流動させてインク貯留部のインクをインク循環経路において循環させる送液動作を行う送液手段と、を備え、第2のインク流路部(304a)の少なくとも一部は、直接又は間接的に取付部材(201)に接触している。

Description

インクジェット記録装置
 本発明は、インクジェット記録装置に関する。
 従来、インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドが取付部材に取り付けられたヘッドユニットを備え、当該ヘッドユニットと記録媒体とを相対移動させながら記録ヘッドのノズルから記録媒体にインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置がある。
 インクジェット記録装置において用いられるインクの粘度は、インクの温度に応じて変化する。また、ノズルから吐出されるインクの量や速度は、インクの粘度に依存し、インクの粘度が大きすぎたり小さすぎたりすると適正なインク吐出が行われなくなることがある。これに対し、従来、記録ヘッドに供給される前のインクを加熱又は冷却して適切な温度に調整し、当該温度が調整されたインクを記録ヘッドに供給して記録ヘッドにより適正なインク吐出を行わせる技術がある(例えば特許文献1)。
特開2009-178996号公報
 しかしながら、記録ヘッドがヘッドユニットの取付部材に取り付けられているインクジェット記録装置では、インクから熱が伝わる記録ヘッドと取付部材との間に温度差が生じる。このため、当該温度差の大きさによっては、記録ヘッド及び取付部材の熱膨張による変形量の差により記録ヘッドの位置がずれ、インクの着弾位置が適正な位置から変動して記録画像の画質が低下することがあるという課題がある。
 この発明の目的は、記録ヘッドと取付部材との温度差に起因する記録ヘッドの位置ずれを抑制することができるインクジェット記録装置を提供することにある。
 上記目的を達成するため、請求項1に記載のインクジェット記録装置の発明は、
 インクを吐出するノズルと、前記ノズルに連通する第1のインク流路部とを有する記録ヘッドと、
 前記記録ヘッドが取り付けられた熱伝導性を有する取付部材と、
 前記記録ヘッドに供給されるインクを貯留するインク貯留部と、
 前記インク貯留部に貯留されるインクの温度を調整するインク温度調整手段と、
 前記インク貯留部と、前記第1のインク流路部に連通する第2のインク流路部とを通り、前記インク貯留部に貯留されたインクが循環するインク循環経路と、
 前記インク循環経路内のインクを所定の送液方向に流動させて前記インク貯留部のインクを前記インク循環経路において循環させる送液動作を行う送液手段と、
 を備え、
 前記第2のインク流路部の少なくとも一部は、直接又は間接的に前記取付部材に接触している
 ことを特徴としている。
 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク温度調整手段は、前記インク貯留部に貯留されるインクの温度を所定の温度範囲の範囲内となるように調整し、
 当該インクジェット記録装置は、前記インク循環経路内のインクの温度が前記所定の温度範囲の範囲内における所定の目標温度に近付くように前記送液手段により前記送液動作を行わせる送液制御手段を備える
 ことを特徴としている。
 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク循環経路のインクのうち前記インク貯留部に流入する直前のインクの温度を検出する第1のインク温度検出手段と、
 前記第1のインク温度検出手段により検出された温度が前記所定の温度範囲の範囲内であるか否かを判別する判別手段と、
 を備え、
 前記送液制御手段は、前記判別手段により前記温度が前記所定の温度範囲の範囲外であると判別された場合に前記送液手段により前記送液動作を行わせる
 ことを特徴としている。
 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク貯留部内のインクの温度、又は前記インク循環経路において前記インク貯留部から流出した直後のインクの温度を検出する第2のインク温度検出手段を備え、
 前記判別手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記第2のインク温度検出手段により検出された温度との差分が所定の基準差以内であるか否かを判別し、
 前記送液制御手段は、前記判別手段により前記差分が前記基準差より大きいと判別された場合に前記送液手段により前記送液動作を行わせる
 ことを特徴としている。
 請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェット記録装置において、
 前記判別手段により前記温度が前記所定の温度範囲の範囲内であると判別された場合に、前記記録ヘッドにより記録媒体に対してインクを吐出して当該記録媒体上に画像を記録する記録動作を行わせる記録制御手段を備えることを特徴としている。
 請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク貯留部内のインクの温度、又は前記インク循環経路において前記インク貯留部から流出した直後のインクの温度を検出する第2のインク温度検出手段を備え、
 前記判別手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記第2のインク温度検出手段により検出された温度との差分が所定の基準差以内であるか否かを判別し、
 前記記録制御手段は、前記判別手段により、前記温度が前記所定の温度範囲の範囲内であると判別され、かつ前記差分が前記基準差以内であると判別された場合に、前記記録ヘッドにより前記記録動作を行わせる
 ことを特徴としている。
 請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置において、
 前記記録ヘッドのうち前記第1のインク流路部におけるインクの温度と対応する温度となる部分の温度を検出するヘッド温度検出手段を備え、
 前記記録制御手段は、前記ヘッド温度検出手段により検出された温度に応じて電圧振幅及び電圧印加時間の少なくとも一方が補正された駆動信号によって前記記録ヘッドにより前記記録動作を行わせる
 ことを特徴としている。
 請求項8に記載の発明は、請求項3~7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記送液制御手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記所定の目標温度との差分が大きくなるに従い所定時間当たりのインクの送液量が漸増するように前記送液手段により前記送液動作を行わせることを特徴としている。
 請求項9に記載の発明は、請求項1~8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク循環経路は、前記第1のインク流路部を通ることを特徴としている。
 請求項10に記載の発明は、請求項1~9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク循環経路は、前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記インク貯留部までの間に設けられ前記第1のインク流路部を通って前記第2のインク流路部と前記インク貯留部とを連通させる第1の分岐流路部、及び前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記インク貯留部までの間に設けられ前記第1のインク流路部を通らずに前記第2のインク流路部と前記インク貯留部とを連通させる第2の分岐流路部を有し、
 当該インクジェット記録装置は、
 前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記記録ヘッドまでの範囲内に設けられて前記第1の分岐流路部を開放させ又は閉止させる切替手段と、
 前記送液動作による前記インク循環経路におけるインクの循環が行われているときに前記切替手段により前記第1の分岐流路部を閉止させる切替制御手段と、
 を備えることを特徴としている。
 請求項11に記載の発明は、請求項1~10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク循環経路に設けられ、インク中の気体を当該インクから脱離させる脱気手段を備えることを特徴としている。
 請求項12に記載の発明は、請求項1~11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記第2のインク流路部の前記少なくとも一部を構成する部材及び前記取付部材は、金属であることを特徴としている。
 請求項13に記載の発明は、請求項1~12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記インク循環経路を構成する部材は、金属であることを特徴としている。
 請求項14に記載の発明は、請求項1~13の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
 前記第2のインク流路部の前記少なくとも一部は、前記取付部材の表面に設けられた凹部に接触していることを特徴としている。
 本発明に従うと、記録ヘッドと取付部材との温度差に起因する記録ヘッドの位置ずれを抑制することができるという効果がある。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 ヘッドユニットを側方から見た場合のヘッドユニットの概略図である。 ヘッドユニットを搬送ベルト側から見た場合のヘッドユニットの概略図である。 インク供給機構の構成を示す模式図である。 インクジェット記録装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 ヘッドユニットにおける共通インク流路部及び共通廃液流路部の配置について説明する図であり、共通インク流路部、共通廃液流路部及び記録ヘッドを+Z方向から見た図である。 図5Aにおける一のヘッドユニットを+Y方向から見た図である。 図5AのA-A線の位置におけるX方向に垂直な面での断面図である。 インク温度調整処理の制御手順を示すフローチャートである。 画像記録処理の制御手順を示すフローチャートである。
 以下、本発明のインクジェット記録装置に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
 図1は、本発明の実施形態であるインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
 インクジェット記録装置1は、搬送部10と、ヘッドユニット20などを備える。
 搬送部10は、図1のX方向に延びる回転軸を中心に回転する2本の搬送ローラー101,102により内側が支持された輪状の搬送ベルト103を備える。搬送部10は、搬送ベルト103の搬送面上に記録媒体Pが載置された状態で搬送ローラー101,102が図示略のモーターにより回転して搬送ベルト103が周回移動することで記録媒体Pを搬送ベルト103の移動方向(搬送方向;図1のY方向)に搬送する。
 ここで、記録媒体Pは、一定の寸法に裁断された枚葉紙とすることができる。この記録媒体Pは、図示略の給紙装置により搬送ベルト103上に供給され、画像が記録された後に搬送ベルト103から所定の排紙部に排出される。なお、記録媒体Pとしては、ロール紙が用いられても良い。この場合、記録媒体Pは、記録媒体Pが巻かれたロールから引き出されて搬送ベルト103上に供給され、画像が記録された後に別のロールにより巻き取られる。記録媒体Pとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛又はシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
 本実施形態の搬送部10は、X方向の幅が約2mの大型の記録媒体Pを搬送可能な構成とされている。
 ヘッドユニット20は、搬送部10により搬送される記録媒体Pに対して画像データに基づいて適切なタイミングでインクを吐出して画像を記録する。本実施形態のインクジェット記録装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット20が記録媒体Pの搬送方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。なお、ヘッドユニット20の数は3つ以下又は5つ以上であっても良い。
 図2Aは、ヘッドユニット20を側方から見た場合の内部構成の概略図である。図2Bは、ヘッドユニット20を搬送ベルト103側から見た場合の内部構成の概略図である。なお、ヘッドユニット20を側方から見た場合とは、搬送ベルト103の搬送面上のヘッドユニット20と対向する位置で記録媒体Pの搬送方向と平行な方向からヘッドユニット20を見た場合をいう。
 ヘッドユニット20は、インクを吐出する複数の記録素子221(図4)が各々設けられた複数の記録ヘッド22と、記録ヘッド22が取り付けられた板状の取付部材201とを有する。取付部材201は、熱伝導性を有し、記録ヘッド12の重さにより撓まない強度を有する板状の部材である。ここで、熱伝導性を有するとは、熱伝導率が50[W/m・K]以上であることをいう。取付部材201としては、鉄やアルミニウムといった金属製のものを用いることができる。
 複数の記録素子221の各々は、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズル221nとを含む。このうちノズル221nは、記録ヘッド22のうち搬送ベルト103の搬送面と対向するノズルプレートに設けられた開口からインクを吐出する。記録ヘッド22は、取付部材201に設けられた開口部からノズルプレートが-Z方向側に露出した状態で筐体部が取付部材201に固定されることにより取付部材201に取り付けられる。
 記録ヘッド22では、複数のノズル221nがX方向に2列に配列されて2つのノズル列を構成しており、これら2つのノズル列は、X方向についてノズル221nの配置間隔の2分の1だけ互いにずれた状態で配置されている。
 ヘッドユニット20では、図2Bに示されるように、Y方向に隣接する一対の記録ヘッド22の組がX方向について異なる位置に千鳥状に配置されている。本実施形態のヘッドユニット20では、一対の記録ヘッドが24組、千鳥状に配置されており、従って、ヘッドユニット20には、48個の記録ヘッド22が取り付けられている。このような記録ヘッド22の配置により、ヘッドユニット20に含まれるノズル221nのX方向についての配置範囲が、搬送ベルト103により搬送される記録媒体Pのうち画像が形成可能な領域のX方向の幅をカバーするようになっている。ヘッドユニット20は、画像の記録時には位置が固定されて用いられる。即ち、インクジェット記録装置1は、ラインヘッドを用いたシングルパス方式の画像記録を行うインクジェット記録装置である。
 図2Aに示されるように、記録ヘッド22は、記録ヘッド22内におけるインクの流路として機能する流路部222(第1のインク流路部)、流路部222に供給されるインクが流入するインレット223、流路部222から排出されるインクが流出するアウトレット224などを有する。このうち流路部222は、圧力室を介してノズル221nに連通している。従って、記録ヘッド22のうちノズル221nの開口が設けられたノズルプレートや、ノズルプレートに繋がる筐体部には、流路部222内のインクの熱が伝わる。以下では、記録ヘッド22のうち流路部222内のインクの熱が伝わる部分を、記録ヘッド22の伝熱部分とも記す。
 記録ヘッド22のノズル221nから吐出されるインクとしては、常温で液体のものが用いられる。ノズル221nから吐出されるインクの量や速度は、インクの粘度に応じて変化する。また、インクの粘度は、温度に依存する。本実施形態では、温度が低いほど粘度が大きくなるインクが用いられる。
 各ヘッドユニット20は、記録ヘッド22を駆動する記録ヘッド駆動部21(図4)を備える。記録ヘッド駆動部21は、各記録ヘッド22に対して画像データに応じた駆動波形の電圧信号(以下では、駆動信号とも記す。)を供給する駆動回路と、この駆動回路に適切なタイミングで画像データを供給する駆動制御回路とを有する。記録ヘッド駆動部21の駆動回路からは、画像データの画素値に応じて、圧電素子を変形動作させる駆動波形の電圧信号が出力され、記録素子221は、当該電圧信号が圧電素子に印加されるように構成されている。圧電素子に駆動波形の電圧信号が印加されると、この電圧信号に応じて圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズル221nからインクを吐出するインク吐出動作が行われる。この結果、ノズル221nから、画像データの画素値に応じた量のインクが吐出される。インクジェット記録装置1では、記録ヘッド駆動部21から各記録ヘッド22に対して画像データに応じた駆動信号を供給することにより、複数の記録ヘッド22により記録媒体Pに対してインクを吐出して当該記録媒体P上に画像を記録する記録動作が行われる。
 上述のように、インクの粘度は温度により異なるため、同一の駆動信号が圧電素子に印加されてもインクの温度によっては吐出されるインクの量や速度が異なることとなる。本実施形態のインクジェット記録装置1では、駆動信号の電圧振幅の大きさを補正することにより、インクの温度変動による吐出インク量や速度の変動が抑制される。即ち、インクの温度が低くインクの粘度が大きいほど電圧振幅が大きくなるように補正される。電圧振幅の大きさは、例えば駆動回路に入力される電源電圧を変更することにより補正することができる。あるいは、電圧振幅の大きさは、駆動回路に複数の異なる電源電圧を入力し、駆動回路から出力される電圧信号の大きさを当該異なる電源電圧から選択することにより補正しても良い。
 なお、電圧振幅の補正に代えて、又は電圧振幅の補正に加えて、電圧信号の電圧印加時間を変更しても良い。電圧信号の電圧印加時間は、駆動回路から駆動信号が出力される際に参照される駆動波形パターンデータを変更することにより補正することができる。電圧印加時間は、インクの温度が低くインクの粘度が大きいほど電圧印加時間が長くなるように補正される。
 また、ヘッドユニット20は、搬送ベルト103と対向する位置と、図示略のクリーニング部と対向する位置との間でX方向に移動可能に設けられている。ヘッドユニット20は、制御部40の制御下で、画像の記録動作を行う場合に搬送ベルト103と対向する位置に移動し、吐き捨て動作を行う場合にクリーニング部と対向する位置に移動する。ここで、吐き捨て動作とは、記録ヘッド22の流路部222のインクを温度が調整されたインクに入れ替えることにより記録ヘッド22の温度を調整したり、ノズル221nのインクの液面(メニスカス)を整えたりする目的で、クリーニング部に設けられたインク受容部に対して記録ヘッド22からインクを吐出する動作である。
 次に、インクジェット記録装置1において記録ヘッド22にインクを供給するインク供給機構について説明する。
 図3は、インク供給機構30の構成を示す模式図である。
 図3では、インクジェット記録装置1のうち一のヘッドユニット20に係るインク供給機構30が抽出されて示されているが、他のヘッドユニット20においても同様のインク供給機構30により記録ヘッド22にインクが供給される。また、図3では、インクの経路が太い実線により示されている。また、インクの送液方向が矢印で示されている。
 インク供給機構30は、インクを貯留するメインタンク50、サブタンク31(インク貯留部)及び中間タンク33と、インク温度調整部25(インク温度調整手段)と、第1のインク温度検出部24a(第1のインク温度検出手段)と、第2のインク温度検出部24b(第2のインク温度検出手段)と、供給ポンプ51と、送液ポンプ27(送液手段)と、脱気装置60と、記録ヘッド22と、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308と、共通インク流路部304a(第2のインク流路部)と、共通廃液流路部304bと、第1バルブ341~第6バルブ346などを備える。
 共通インク流路部304a、共通廃液流路部304b、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308は、特には限られないが、中空の円環状のチューブ形状をなす部材により構成することができ、また、これらの部材の温度をより短時間で所望の温度に調整することができるように、金属により構成することが望ましい。
 メインタンク50は、ヘッドユニット20の外部に設けられ、当該ヘッドユニット20に対応する色のインクを貯留する。メインタンク50に貯留されたインクは、CPU41(図4)から供給される制御信号に基づいて動作する供給ポンプ51により汲み出されてヘッドユニット20内のサブタンク31に供給される。
 サブタンク31は、メインタンク50から供給され記録ヘッド22に供給されるインクを貯留する。本実施形態では、サブタンク31として約40リットルの容量を有した金属製の容器が用いられる。サブタンク31は、インク流路301,306に連通している。サブタンク31は、外部に開放された容器であり、インクの量の増減に関わらずほぼ大気圧に保たれる。
 インク流路301のうちサブタンク31の近傍には、サブタンク31からインク流路301に流出した直後のインクの温度(以下、第2のインク温度T2と記す。)を検出する第2のインク温度検出部24bが設けられている。この場合におけるサブタンク31の近傍とは、インクの温度が、サブタンク31内のインクの温度と略同一とみなせる範囲を言う。ここで、温度が略同一であるとは、例えば温度差が1℃以内であることとすることができる。
 第2のインク温度検出部24bは、例えばサーミスタといった温度検出素子を有し、CPU41から供給される制御信号に基づいて第2のインク温度T2に係るデータを制御部40に出力する。
 インク温度調整部25は、サブタンク31に貯留されたインクを加熱する加熱装置25a、及び当該インクを冷却する冷却装置25bを有する。インク温度調整部25は、加熱装置25aによる加熱又は冷却装置25bによる冷却によりサブタンク31内のインクの温度を変移させるインク温度変移動作を行う。加熱装置25a及び冷却装置25bの構成は、特には限られないが、例えばサブタンク31の外側に取り付けられサブタンク31を加熱又は冷却することによりサブタンク31内のインクを加熱又は冷却する方式のものを用いることができる。また、サブタンク31と連通する容器を有し、サブタンク31から当該容器に移されたインクを加熱又は冷却してサブタンク31に戻す方式のものを用いても良い。インク温度調整部25は、CPU41から供給される制御信号に基づいてインク温度変移動作を行うことにより、サブタンク31内のインクの温度を後述する所定の温度範囲の範囲内における目標温度に近付くように調整する。ここで、サブタンク31内のインクの温度は、第2のインク温度検出部24bにより第2のインク温度T2として検出される。なお、サブタンク31内に、サブタンク31内のインクの温度を検出する温度検出部が第2のインク温度検出部24bとは別個に設けられていても良い。本実施形態では、インク温度調整部25及びCPU41によりインク温度調整手段が構成される。
 送液ポンプ27は、インク流路301に設けられ、インク流路301においてインクに圧力を印加することによりインクをサブタンク31からインク流路301を介して共通インク流路部304aに向かう送液方向に流動させる送液(送液動作)を行う。送液ポンプ27の構成は、特には限られないが、例えば、ダイヤフラムポンプといった容積移送型のポンプや、チューブをローラーでしごいて送液を行うチューブポンプを用いることができる。送液ポンプ27は、制御部40による制御下で動作する。
 脱気装置60は、インク流路301に設けられた脱気モジュール32(脱気手段)と、脱気モジュール32に接続されたチャンバー521と、チャンバー521に接続された真空ポンプ52などを備える。脱気装置60は、サブタンク31から脱気モジュール32に流入したインク中の気体を当該インクから脱離させる脱気を行う。
 脱気モジュール32とチャンバー521との間、及びチャンバー521と真空ポンプ52との間は、真空チューブで接続され、脱気モジュール32から真空ポンプ52までの真空経路が形成される。真空ポンプ52が吸引動作を行って真空経路内が大気圧より低い所定の負圧の範囲内の気圧とされることで、脱気モジュール32においてインクから気体が取り除かれ、この取り除かれた気体が真空経路を流れる。真空ポンプ52は、真空経路内を必ずしも超高真空状態にまでする必要はなく、脱気に必要な程度の減圧を行う。また、真空ポンプ52は、CPU41から供給される制御信号に基づいて動作する。
 脱気モジュール32には、気体を透過させ液体を透過させない気体透過性の脱気膜が設けられており、脱気モジュール32に流入したインクを脱気膜の一方の面に接触させ、他方では気体を真空ポンプ52により吸引することにより、インク中の気体を真空経路に吸引して脱気させる。脱気モジュール32の構成は、特には限られないが、例えば一端が閉塞した多数の中空状の微細糸構造をなす脱気膜(中空糸膜)を多数有し、当該中空糸膜の他端側から真空ポンプ52により気体を吸引することにより中空糸膜内部が減圧される構成とすることができる。この状態で、中空糸膜の膜面(外面)にインクが接触することで、インク中の気体のみが選択的に膜面を透過して中空糸膜内部に吸引され、インクが脱気される。なお、脱気モジュール32は、中空糸膜の外側が減圧されて、中空糸膜の内側を通過するインク中の気体が中空糸膜の外側に脱離される構成であっても良い。
 チャンバー521は、脱気モジュール32から気体だけではなく液体が吸引されて真空経路内に流入した場合に、この液体を気体から分離し、液体が真空ポンプ52に吸引されることで真空ポンプ52を破壊するなどの不具合を生じさせることを防ぐ役割を担うトラップである。チャンバー521は、例えば、小型のタンク状であり、その底部に液体が貯留される。
 脱気モジュール32により脱気されたインクは、インク流路302a及びインク流路302bに送出される。このうちインク流路302aには、当該インク流路302aの開放及び閉止を切り替える第1バルブ341が設けられている。また、インク流路302bには、当該インク流路302bの開放及び閉止を切り替える第3バルブ343及び第4バルブ344が設けられている。第1バルブ341、第3バルブ343及び第4バルブ344は、所定のバルブ駆動信号の入力に応じて開閉してインク流路を開放させ又は閉止させる弁であり、例えば電磁弁が用いられる。なお、第2バルブ342、第5バルブ345及び第6バルブ346の構成についても同様である。
 インク流路302bの第3バルブ343と第4バルブ344との間には、中間タンク33が配置されている。中間タンク33は、記録ヘッド22に供給されるインクを一時的に貯留する小型のインク室であり、インク流路302bとの接続箇所を除いて密閉されている。本実施形態では、中間タンク33として約1リットル程度の容量を有した金属製の容器が用いられる。
 インク流路302a及びインク流路302bは、インク流路303に合流する。
 共通インク流路部304aは、ヘッドユニット20に設けられた48個の記録ヘッド22各々のインレット223にインク流路307を介して連通し、またインク流路303,305aに連通するチューブ状の部材である。共通インク流路部304aには、記録ヘッド22に供給される直前のインクが貯留される。
 共通インク流路部304aと記録ヘッド22との間のインク流路307には、当該インク流路307の開放及び閉止を切り替える第5バルブ345(切替手段)が、一対の記録ヘッド22に対して1つ、計24個設けられている。共通インク流路部304aからは、インク流路305aに設けられた第2バルブ342が開かれ、かつ第5バルブ345が閉じられた状態において、インク流路303から流入したインクが送液ポンプ27による送液動作に応じてインク流路305aに送出される。また、共通インク流路部304aからは、第2バルブ342が閉じられ、かつ第5バルブ345が開かれた状態において、インク流路303から流入したインクが、送液ポンプ27による送液動作又は記録ヘッド22によるインク吐出動作に応じて記録ヘッド22のインレット223を介して流路部222に送出される。共通インク流路部304aは、この記録ヘッド22へのインクの流出量の変動による管内の圧力変化を抑えるため、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308よりも大きな直径を有する部材が用いられている。
 記録ヘッド22は、ノズル221nの位置が中間タンク33のインク液面より高くなるような位置に設けられており、第1バルブ341が閉じられ、第4バルブ344及び第5バルブ345が開かれた状態では、記録ヘッド22内のインクと中間タンク33内のインクとの水頭差により記録ヘッド22内のインクが負圧とされる。これにより、インク吐出を行わないノズル221nからの意図しないインクの漏出が抑制される。
 また、各記録ヘッド22には、記録ヘッド22のうち流路部222におけるインクの温度と対応する温度となる部分(例えば、上述した記録ヘッド22の伝熱部分)の温度(以下では、ヘッド温度Thとも記す)を検出するヘッド温度検出部23(ヘッド温度検出手段)が取り付けられている。ヘッド温度検出部23は、例えばサーミスタといった温度検出素子を有し、CPU41から供給される制御信号に基づいてヘッド温度Thの検出結果を制御部40に出力する。
 共通廃液流路部304bは、共通インク流路部304aと同様の形状及び材質の部材であり、48個の記録ヘッド22各々のアウトレットと、インク流路305bに連通している。インク流路305bに設けられた第6バルブ346が開かれた状態において、共通廃液流路部304bには、記録ヘッド22のノズル221nにより吐出されなかったインクが記録ヘッド22のアウトレット224から流入する。また、共通廃液流路部304bからは、送液ポンプ27による送液動作に応じて記録ヘッド22から流入したインクがインク流路305bに送出される。
 インク流路305aには、当該インク流路305aの開放及び閉止を切り替える第2バルブ342(切替手段)が設けられている。また、インク流路305bには、当該インク流路305bの開放及び閉止を切り替える第6バルブ346が設けられている。インク流路305a及びインク流路305bは、インク流路306に合流する。また、インク流路306は、サブタンク31に連通している。
 インク流路306のうちサブタンク31の近傍には、当該インク流路306からサブタンク31に流入する直前のインクの温度(以下、第1のインク温度T1と記す。)を検出する第1のインク温度検出部24aが設けられている。この場合におけるサブタンク31の近傍とは、インクの温度が、サブタンク31に流入するときのインクの温度と略同一である範囲を言う。ここで、温度が略同一であるとは、例えば温度差が1℃以内であることとすることができる。
 第1のインク温度検出部24aは、例えばサーミスタといった温度検出素子を有し、CPU41から供給される制御信号に基づいて第1のインク温度T1に係るデータを制御部40に出力する。
 インク供給機構30では、第1バルブ341及び第2バルブ342が開かれ、第3バルブ~第6バルブが閉じられた状態(以下では、第1状態と記す)では、サブタンク31に貯留されたインクが、送液ポンプ27による送液動作に応じてインク流路301,302a,303、共通インク流路部304a、インク流路305a,306を通るインク循環経路を循環する。
 また、第1状態において第2バルブ342が閉じられ、かつ第5バルブ345及び第6バルブ346が開かれた状態(以下では、第2状態と記す)では、上記インク循環経路のうちインク流路305aに代えて記録ヘッド22の流路部222、共通廃液流路部304b及びインク流路305bを通る経路でインクを循環させることができる。ここで、インク流路305aにより第1の分岐流路部が構成され、記録ヘッド22の流路部222、共通廃液流路部304b及びインク流路305bにより第2の分岐流路部が構成される。
 このように、インク供給機構30では、インク循環経路が第1の分岐流路部を通る状態と、第2の分岐流路部を通る状態とを切り替えることができる。
 また、第1状態において第1バルブ341が閉じられ、かつ第3バルブ343及び第4バルブ344が開かれた状態(以下では、第3状態と)では、上記インク循環経路のうちインク流路302aに代えてインク流路302bを通る経路でインクを循環させることができる。
 また、第1バルブ341、第2バルブ342及び第6バルブ346が閉じられ、第3バルブ~第5バルブが開かれた状態(以下では、第4状態と記す)では、サブタンク31に貯留されたインクを中間タンク33及び共通インク流路部304aを介して記録ヘッド22に供給するとともに、上述した水頭差による記録ヘッド22内のインクの負圧を生成することができる。本実施形態では、この第4の状態において、吐き捨て動作及び記録動作が行われる。
 図4は、インクジェット記録装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
 インクジェット記録装置1は、上述したヘッドユニット20、記録ヘッド駆動部21、記録ヘッド22、ヘッド温度検出部23、第1のインク温度検出部24a、第2のインク温度検出部24b、インク温度調整部25、送液ポンプ27、供給ポンプ51、真空ポンプ52の他、制御部40と、電磁弁駆動部26と、搬送駆動部53と、ヘッドユニット移動駆動部54と、操作表示部55と、入出力インターフェース56と、バス57などを備える。このうち制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)(インク温度調整手段、送液制御手段、判別手段、記録制御手段、切替制御手段)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)及び記憶部44を有する。
 CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。また、CPU41は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。例えば、CPU41は、記憶部44に記憶された画像データに基づいて搬送部10及びヘッドユニット20を動作させて記録媒体P上に画像を記録させる。また、CPU41は、インク供給機構30の各部を動作させてインク循環経路においてインクを循環させ、また記録ヘッド22にインクを供給する。
 RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42には、送液ポンプの圧力の設定を示すデータが記憶される。RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいても良い。
 ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。当該設定データには、ヘッド温度Thと駆動信号の電圧振幅の補正値とが対応付けられて記憶されたテーブルデータが含まれる。なお、ROM43に代えてEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられても良い。
 記憶部44には、入出力インターフェース56を介して外部装置2から入力されたプリントジョブ(画像記録命令)及び当該プリントジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されても良い。
 電磁弁駆動部26は、CPU41から供給される制御信号に基づいて第1バルブ341~第6バルブ346に対してそれぞれ駆動信号を出力することにより、第1バルブ341~第6バルブ346をそれぞれ独立に開閉させる。
 搬送駆動部53は、CPU41から供給される制御信号に基づいて搬送部10の搬送ローラー101,102を駆動するモーターに駆動信号を供給して搬送ベルト103を所定の速度及びタイミングで回転させる。
 ヘッドユニット移動駆動部54は、CPU41から供給される制御信号に基づいて、図示略のモーターに駆動信号を出力して、ヘッドユニット20を搬送ベルト103と対向する位置及びクリーニング部と対向する位置の間でX方向に移動させる。
 操作表示部55は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示装置と、表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネルや操作キーといった入力装置とを備える。操作表示部55は、表示装置において各種情報を表示させ、また入力装置に対するユーザーの入力操作を操作信号に変換して制御部40に出力する。
 入出力インターフェース56は、外部装置2と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース56は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか又はこれらの組み合わせで構成される。
 バス57は、制御部40と他の構成との間で信号の送受信を行うための経路である。
 外部装置2は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース56を介してプリントジョブ及び画像データ等を制御部40に供給する。
 次に、ヘッドユニット20における共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bの配置について説明する。
 図5A~図5Cは、ヘッドユニット20における共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bの配置について説明する図である。図5Aは、共通インク流路部304a、共通廃液流路部304b及び記録ヘッド22を+Z方向から見た図であり、図5Bは、図5Aにおける一のヘッドユニット20を+Y方向から見た図であり、図5Cは、図5AのA-A線の位置におけるX方向に垂直な面での断面図である。なお、図5A~図5Cにおいては、インク流路307に設けられた第5バルブ345の記載が省略されている。
 図5A~図5Cに示されるように、共通インク流路部304aは、取付部材201の上面(+Z方向側の表面)のうち複数の記録ヘッド22に対して+Y方向側の位置においてX方向に延在するように設けられている。また、共通廃液流路部304bは、取付部材201の上面のうち複数の記録ヘッド22に対して-Y方向側の位置においてX方向に延在するように設けられている。
 ここで、図5Cに示されるように、取付部材201の上面には、X方向に垂直な断面が半円弧をなす凹部201aがX方向に延びるように設けられている。凹部201aの上記半円弧に係る円の直径は、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bの外周円の直径と略等しくなっている。そして、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bは、凹部201aに-Z方向側の半分が埋まるように配置されている。従って、取付部材201と、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bとは、凹部201aにおいて直接接触している。また、取付部材201、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bは、金属により構成されているため、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bを流れるインクと取付部材201との間で容易に熱が伝わるようになっている。また、インクの熱が取付部材201に効率良く伝わるように、取付部材201としては、熱伝導率が50[W/m・K]以上の鉄といった金属を用いることが好ましく、熱伝導率が100[W/m・K]以上のアルミニウムといった高熱伝導性の金属を用いることがより望ましい。
 共通インク流路部304aには、4つの記録ヘッド22のインレット223に連通するインク流路307が接続されている。また、共通廃液流路部304bには、4つの記録ヘッド22のアウトレット224に連通するインク流路308が接続されている。インク流路307,308は、4つの記録ヘッド22ごとに1つずつ、計4つずつ設けられている。
 なお、インク流路307,308の数及び配置は、図5A~図5Cに示された態様に限られない。例えば、インク流路307,308は、4以外の所定数の記録ヘッド22ごとに設けられていても良い。従って、一のインク流路307,308がそれぞれ全ての記録ヘッド22に連通するようになっていても良い。また、本実施形態では、インク流路307,308の配置として、図5Aにおいてインク流路307,308と記録ヘッド22との接続の態様が分かりやすい配置を例に挙げて説明したが、例えばインク流路307,308の総延長がより短くなるようにインク流路307,308の配置を適宜変更しても良い。
 次に、インクジェット記録装置1において行われるインク温度調整動作について説明する。
 インクジェット記録装置1では、記録ヘッド22のノズル221nから適正な量及び速度のインク吐出を行うため、画像の記録動作に先立って、記録ヘッド22に供給されるインクの温度を適正なインク吐出を行うことができる所定の温度範囲の範囲内に調整するインク温度調整動作が行われる。本実施形態では、上記所定の温度範囲は、25℃を目標温度Tcとして当該目標温度Tcのプラス側及びマイナス側についてそれぞれ5℃の範囲(即ち、20℃以上30℃以下)とされている。以下では、当該温度範囲の下限値を下限温度Tmin、上限値を上限温度Tmaxと記す。
 本実施形態のインクジェット記録装置1は、幅約2mの記録媒体Pに対して画像の記録を行う大型の装置であり、各ヘッドユニット20では、インク供給機構30のインク循環経路において40リットル以上のインクが貯留され、循環する。そして、このうち大部分(9割以上)のインクは、サブタンク31に貯留される。このため、インク循環経路内のインクの温度が上記温度範囲の範囲外となっている場合に、例えば記録ヘッド22に供給される直前のインクが貯留される共通インク流路部304aにおいてインクを加熱又は冷却しても、加熱又は冷却されるインクの量のインク循環経路全体のインクの量に対する割合が小さいため、インク循環経路全体のインクの温度を調整するのに時間がかかる。また、この場合、インク循環経路全体のインクの温度が調整されるまでは、適正な温度範囲外の温度のインクが共通インク流路部304aに逐次流入するため、当該インクを都度加熱又は冷却して温度調整する必要がある。しかしながら、共通インク流路部304aを流動するインクを加熱又は冷却しても高い加熱効率や冷却効率が得られず、また流動するインクを所望の温度に調整するのは容易でない。
 そこで、本実施形態のインク温度調整動作では、サブタンク31に貯留されたインクをインク温度調整部25により加熱又は冷却し、当該加熱又は冷却されたインクをインク循環経路に循環させる。これにより、循環するインクが熱媒体となってインク循環経路の構成部材及び当該インク循環経路内のインク全体の温度が目標温度Tcに近付くように調整される。そして、インク循環経路を循環してサブタンク31に流入するインクの温度が目標温度Tcを含む所定の温度範囲内となった場合に、インク温度調整動作が終了され、記録媒体Pへの画像の記録動作が開始される。
 インク温度調整動作が開始されると、第1のインク温度検出部24aによる第1のインク温度T1の検出が行われる。第1のインク温度T1が下限温度Tminより低い場合には、インク温度調整部25の加熱装置25aによるサブタンク31内のインクの加熱が開始される。また、第1バルブ341及び第2バルブ342が開かれ、第3バルブ~第6バルブが閉じられてインク供給機構30が第1状態とされ、送液ポンプ27による送液動作が開始される。この送液動作は、サブタンク31内のインクの温度が上記所定の温度範囲内となってから開始されても良いし、サブタンク31内のインクの温度が当該所定の温度範囲内となる前に開始されても良い。これにより、サブタンク31に貯留されインク温度調整部25により加熱されたインクが、インク流路301,302a,303、共通インク流路部304a、インク流路305a,306を通るインク循環経路を循環する。
 インク循環経路全体の温度が十分に調整されていない段階では、サブタンク31から送出されたインクの熱がインク循環経路の構成部材に伝わって、インクの温度は、サブタンク31に再び流入するまでの間に低下する。サブタンク31に流入した当該インクは、インク温度調整部25により再び加熱されてサブタンク31から送出される。このようにサブタンク31内のインクの加熱と、インク循環経路におけるインクの送液とが継続されることにより、循環するインクからインク循環経路の構成部材に熱が伝わって、インク循環経路全体の温度が上昇していく。
 ここで、本実施形態では、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bと取付部材201とが接触しているため、インク循環経路を循環するインクの熱は、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bを介して取付部材201にも伝わる。このため、取付部材201の温度は、インク循環経路のインクの温度と均衡しつつ上昇する。
 インク循環経路におけるインクの送液の開始直後では、インク流路306に設けられた第1のインク温度検出部24aにより検出される第1のインク温度T1と、インク流路301に設けられた第2のインク温度検出部24bにより検出される第2のインク温度T2との間には差分ΔTが生じ、インクの送液が継続されるに従って当該差分ΔTが減少していく。ここで、第1のインク温度T1が下限温度Tmin以上かつ上限温度Tmax以下となっている場合には、サブタンク31から送出されてインク循環経路を一周したインクの温度が上記所定の温度範囲内となっていることから、インク循環経路のインク全体の温度が当該所定の温度範囲内に調整されているものと判別される。また、差分ΔTが所定の基準差ΔTa以内となった場合には、インク循環経路全体の温度が略平衡状態となっているものと判別される。ここで、基準差ΔTaは、例えば2℃とすることができるが、記録ヘッド22による適正なインク吐出が可能な範囲で大きな値とすることによりインク温度調整動作の時間をより短くすることができる。
 本実施形態では、第1のインク温度T1が下限温度Tmin以上かつ上限温度Tmax以下となるとともに、差分ΔTが基準差ΔTa以下となるまで、インク循環経路における送液が継続される。
 第1のインク温度T1が下限温度Tmin以上かつ上限温度Tmax以下となるとともに、差分ΔTが基準差ΔTa以内となった場合には、加熱装置25aによる加熱が終了される。また、第1バルブ341が閉じられ、第3バルブ343及び第4バルブ344が開かれてインク供給機構30が第3状態とされ、サブタンク31内の温度調整がなされたインクがインク流路302bを通って中間タンク33に貯留される。これにより、中間タンク33及びインク流路302bの温度が、上記所定の温度範囲内の温度に調整される。
 ここで、中間タンク33及びインク流路302bにおけるインクの貯留量は、インク循環経路全体におけるインクの量と比較して十分に小さく、中間タンク33及びインク流路302bの熱容量は、インク循環経路全体の熱容量に対して十分に小さい。このため、中間タンク33及びインク流路302bへのインクの流入によるインク循環経路全体の温度低下はごく僅かであり、本実施形態では無視することができる。
 中間タンク33に所定量のインクが貯留されると、送液ポンプ27による送液動作が中止される。
 中間タンク33にインクが貯留されると、第2バルブ342が閉じられ、第5バルブが開かれてインク供給機構30が第4状態とされる。そして、ヘッドユニット20がクリーニング部と対向する位置に移動され、上述した吐き捨て動作が行われる。この吐き捨て動作では、記録ヘッド22の流路部222内のインクがノズル221nからインク受容部に吐出されるとともに、上記所定の温度範囲内に調整された共通インク流路部304a内のインクが流路部222に流入する。これにより、流路部222内のインクの温度及び記録ヘッド22の上述した伝熱部分の温度が、インク循環経路内のインクの温度と同一の温度(上記所定の温度範囲内の温度)に調整される。
 このように、インク温度調整部25により加熱されたインクがインク循環経路を循環し、また記録ヘッド22の流路部222に供給されることにより、取付部材201と、記録ヘッド22のうちノズルプレートや筐体部を含む伝熱部分とが、何れもインクの温度と略同一の温度となる。
 なお、記録ヘッド22におけるインクの貯留量は、インク循環経路全体におけるインクの量と比較して十分に小さく、また、記録ヘッド22の熱容量は、インク循環経路全体の熱容量に対して十分に小さい。このため、吐き捨て動作において記録ヘッド22の流路部222へのインクの流入によるインク循環経路全体の温度低下はごく僅かであり、本実施形態では無視することができる。
 記録ヘッド22の各ノズル221nから所定回数のインクの吐き捨てが行われた場合には、吐き捨て動作が終了される。そして、ヘッドユニット20が搬送ベルト103と対向する位置に移動され、インク温度調整動作が終了する。なお、吐き捨て動作は、所定の頻度でノズル221nからインクを吐出して吐き捨て動作を行う場合において所定時間が経過したときに終了されるようにしても良い。また、ヘッド温度検出部23により検出されたヘッド温度Thが、下限温度Tmin以上かつ上限温度Tmax以下の温度範囲、又は当該温度範囲内において別途定められた所定の温度範囲内の温度となった場合に吐き捨て動作が終了されるようにしても良い。
 なお、上記では、インク温度調整動作開始直後において第1のインク温度検出部24aにより検出された第1のインク温度T1が下限温度Tminより低い場合について説明したが、第1のインク温度T1が上限温度Tmaxより高い場合には、冷却装置25bによるサブタンク31内のインクの冷却が行われ、インク循環経路全体の温度が低下する方向に温度調整が行われる。
 次に、インク温度調整動作において行われるCPU41によるインク温度調整処理について、フローチャートを参照して説明する。
 図6は、インク温度調整処理の制御手順を示すフローチャートである。
 インク温度調整処理は、記録媒体Pに記録される画像の画像データ及び当該画像の記録を指示する画像記録命令が入出力インターフェース56を介して外部装置2から供給されて記憶部44に記憶された場合や、インク温度調整動作の実行を指示するユーザーからの入力操作が操作表示部55に対して行われた場合に開始される。
 インク温度調整処理が開始されると、CPU41は、第1のインク温度検出部24aに制御信号を供給して第1のインク温度T1の検出を行わせ、検出結果を制御部40に対して出力させる。そして、第1のインク温度T1が下限温度Tminより低いか否かを判別する(ステップS101)。
 第1のインク温度T1が下限温度Tminより低いと判別された場合には(ステップS101で“Yes”)、CPU41は、電磁弁駆動部26に制御信号を供給して、第1バルブ341及び第2バルブ342を開け、第3バルブ343~第6バルブ346を閉じることにより、インク供給機構30を第1状態とさせる(ステップS102)。
 CPU41は、インク温度調整部25に制御信号を供給して、加熱装置25aによるサブタンク31内のインクの加熱を開始させる(ステップS103)。
 CPU41は、送液ポンプ27に制御信号を供給して、送液ポンプ27による送液を開始させる(ステップS104)。これにより、サブタンク31内のインクが、インク流路301,302a,303、共通インク流路部304a、インク流路305a,306を通るインク循環経路を循環する。なお、ステップS104の処理は、ステップS103の処理の前に実行されても良い。
 CPU41は、第1のインク温度検出部24a及び第2のインク温度検出部24bに制御信号を供給して第1のインク温度T1及び第2のインク温度T2の検出を行わせ、検出結果を制御部40に対して出力させる。そして、第1のインク温度T1が下限温度Tmin以上、上限温度Tmax以下であり、かつ第1のインク温度T1及び第2のインク温度T2の差分ΔTが基準差ΔTa以下であるとの温度条件が満たされているか否かを判別する(ステップS105)。当該温度条件が満たされていないと判別された場合には(ステップS105で“No”)、CPU41は、所定の時間間隔でステップS105の処理を繰り返し実行する。
 上記温度条件が満たされていると判別された場合には(ステップS105で“Yes”)、CPU41は、インク温度調整部25に制御信号を供給して、加熱装置25aによるサブタンク31内のインクの加熱を終了させる(ステップS106)。
 CPU41は、電磁弁駆動部26に制御信号を供給して、第1バルブ341を閉じ、第3バルブ343及び第4バルブ344を開けて、インク供給機構30を第3状態とさせる。これにより、中間タンク33へのインクの貯留が開始される(ステップS107)。
 CPU41は、中間タンク33に所定量のインクが貯留されると、送液ポンプ27に制御信号を供給して、送液ポンプ27による送液を終了させる(ステップS108)。
 CPU41は、電磁弁駆動部26に制御信号を供給して、第2バルブ342を閉じ、全ての第5バルブ345を開けて、インク供給機構30を第4状態とさせる(ステップS109)。
 CPU41は、ヘッドユニット移動駆動部54に制御信号を供給してヘッドユニット20をクリーニング部と対向する位置に移動させる。そして、記録ヘッド駆動部21に制御信号を供給して、各記録ヘッド22により吐き捨て動作を行わせる(ステップS110)。記録ヘッド22の各ノズル221nから所定回数のインクの吐出が行われると、CPU41は、吐き捨て動作を終了させ、ヘッドユニット20を搬送ベルト103と対向する位置に移動させる。
 ステップS101の処理において、第1のインク温度T1が下限温度Tmin以上であると判別された場合には(ステップS101で“No”)、CPU41は、第1のインク温度T1が上限温度Tmaxより高いか否かを判別する(ステップS111)。
 第1のインク温度T1が上限温度Tmaxより高いと判別された場合には(ステップS111で“Yes”)、CPU41は、ステップS112からステップS116までの処理を順に実行する。ここで、ステップS112、ステップS114及びステップS115の処理は、それぞれステップS102、ステップS104及びステップS105の処理と同一である。また、ステップS113の処理では、CPU41は、インク温度調整部25に制御信号を供給して、冷却装置25bによるサブタンク31内のインクの冷却を開始させる。また、ステップS116の処理では、CPU41は、CPU41は、インク温度調整部25に制御信号を供給して、冷却装置25bによるサブタンク31内のインクの冷却を終了させる。ステップS116の処理が終了すると、CPU41は、処理をステップS107に移行させる。
 ステップS111において第1のインク温度T1が上限温度Tmax以下であると判別された場合(ステップS111で“No”)、又はステップS110の処理が終了すると、CPU41は、インク温度調整処理を終了させる。
 図7は、画像記録処理の制御手順を示すフローチャートである。
 画像記録処理は、画像記録命令が記憶部44に記憶された場合において、インク温度調整処理が終了した後に開始される。
 画像記録処理が開始されると、CPU41は、各ヘッド温度検出部23に制御信号を供給してヘッド温度Thの検出を行わせ、検出結果をそれぞれ制御部40に対して出力させる(ステップS201)。
 CPU41は、各記録ヘッド22に対応するヘッド温度Thに応じて、各記録ヘッド22に係る電圧補正値を設定する(ステップS202)。即ち、CPU41は、ROM43に記憶されたテーブルデータを参照して、ステップS201において取得された各ヘッド温度Thに対応する電圧振幅の補正値をそれぞれ取得する。そして、当該補正値を、各記録ヘッド22に係る電圧補正値として設定して記憶部44に記憶させる。
 CPU41は、CPU41は、ステップS202において設定された電圧補正値に基づいて各記録ヘッド22により画像データに応じて画像を記録させる(ステップS203)。即ち、CPU41は、搬送駆動部53に制御信号を供給して搬送部10の搬送ローラー101,102を回転させ、搬送ベルト103を移動させて記録媒体Pを搬送させる。そして、CPU41は、画像データ及び制御信号を記録ヘッド駆動部21に供給して、記録ヘッド駆動部21により、ステップS202において設定された電圧補正値の駆動信号を記録ヘッド22に出力させることで、搬送部10により搬送される記録媒体P上にノズル221nからインクを吐出させて記録媒体Pに画像を記録させる。
 CPU41は、記憶部44に未実行の画像記録命令が記憶されているか否かを判別する(ステップS204)。未実行の画像記録命令が記録されていると判別された場合には(ステップS204で“Yes”)、CPU41は、処理をステップS201に移行させる。
 未実行の画像記録命令が記録されていないと判別された場合には(ステップS204で“No”)、CPU41は、画像記録処理を終了させる。
 以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1は、インクを吐出するノズル221nと、ノズル221nに連通する流路部222とを有する記録ヘッド22と、記録ヘッド22が取り付けられた取付部材201と、記録ヘッド22に供給されるインクを貯留するサブタンク31と、サブタンク31に貯留されるインクの温度を調整するインク温度調整部25及びCPU41と、サブタンク31と、記録ヘッド22の流路部222に連通する共通インク流路部304aとを通り、サブタンク31に貯留されたインクが循環するインク循環経路と、インク循環経路内のインクを所定の送液方向に流動させてサブタンク31のインクをインク循環経路において循環させる送液動作を行う送液ポンプ27と、を備え、共通インク流路部304aは、直接取付部材201に接触している。
 このような構成によれば、インク循環経路を循環するインクの熱が共通インク流路部304aを介して取付部材201に伝わり、また当該インクの熱が記録ヘッド22の流路部222を介して記録ヘッド22に伝わる。これにより、温度が調整されたインクが記録ヘッド22に供給される場合において記録ヘッド22と取付部材201との間の温度差を生じにくくすることができる。この結果、記録ヘッド22及び取付部材201の熱膨張による変形量の差を小さくすることができ、当該熱膨張による変形に起因する記録ヘッド22の位置ずれを抑制することができる。これにより、記録画像の画質低下を抑制することができる。
 また、サブタンク31内で温度が調整されたインクが熱媒体となってインク循環経路を循環し、当該インクとインク循環経路の構成部材との間で熱が移動することによりインク循環経路全体の温度が調整される。このため、記録ヘッド22に供給されるインクの温度をより安定させることができる。また、サブタンク31に貯留されて滞留するインクを加熱又は冷却する構成のため、インク流路を流れるインクを加熱又は冷却する構成と比較してインクの温度をより効率良く調整することができる。
 また、インク温度調整部25及びCPU41は、サブタンク31に貯留されるインクの温度を所定の温度範囲の範囲内となるように調整し、CPU41は、インク循環経路内のインクの温度が所定の温度範囲の範囲内における所定の目標温度に近付くように送液ポンプ27により送液動作を行わせる(送液制御手段)。これにより、インク循環経路のインクの温度を適切な温度に調整することができる。よって、温度及び粘度が調整されたインクを記録ヘッド22に供給して記録ヘッド22による適正なインク吐出を行わせることができる。この結果、適正な画質で画像を記録することができる。
 また、インクジェット記録装置1は、インク循環経路のインクのうちサブタンク31に流入する直前のインクの温度を検出する第1のインク温度検出部24aと、第1のインク温度検出部24aにより検出された温度が所定の温度範囲の範囲内であるか否かを判別し(判別手段)、当該温度が所定の温度範囲の範囲外であると判別された場合に送液ポンプ27により送液動作を行わせる(送液制御手段)。サブタンク31に流入する直前のインクは、インク循環経路の構成部材との間で熱の授受が行われた後のインクであるため、当該インクに係る第1のインク温度T1には、インク循環経路全体の温度が反映される。よって、上記構成によれば、インク循環経路内のインクの温度が所定の温度範囲の範囲外となっていることを判別して、当該判別がなされた場合にインク循環経路内のインクの温度が目標温度Tcに近付くように調整することができる。
 また、インクジェット記録装置1は、インク循環経路においてサブタンク31から流出した直後のインクの温度を検出する第2のインク温度検出部24bを備え、CPU41は、第1のインク温度検出部24aにより検出された温度と第2のインク温度検出部24bにより検出された温度との差分ΔTが所定の基準差ΔTa以内であるか否かを判別し(判別手段)、当該差分ΔTが基準差ΔTaより大きいと判別された場合に送液ポンプ27により送液動作を行わせる(送液制御手段)。インクジェット記録装置1では、インク循環経路の温度分布が均一に近いほど、インク循環経路を循環するインクの温度変動が小さくなり、第1のインク温度T1が第2のインク温度T2に近い値となって差分ΔTが小さくなる。よって、上記構成によれば、インク循環経路の温度分布が略均一となるまでインクの温度を調整することができる。この結果、記録ヘッド22に供給されるインクの温度をより安定させることができる。
 また、CPU41は、第1のインク温度T1が所定の温度範囲の範囲内であると判別された場合に、記録ヘッド22により記録媒体Pに対してインクを吐出して当該記録媒体P上に画像を記録する記録動作を行わせる(記録制御手段)。これにより、温度及び粘度が調整されたインクを記録ヘッド22に供給して記録ヘッド22による適正なインク吐出を行わせることができる。この結果、適正な画質で画像を記録することができる。
 また、CPU41は、第1のインク温度T1が所定の温度範囲の範囲内であると判別され、かつ差分ΔTが基準差ΔTa以内であると判別された場合に、記録ヘッド22により記録動作を行わせる(記録制御手段)。このような構成によれば、差分ΔTが基準差ΔTa以内となりインクの温度が安定した状態で記録ヘッド22による記録動作を開始させることができる。これにより、記録ヘッド22により安定して適正なインク吐出を行わせることができる。
 また、インクジェット記録装置1は、記録ヘッド22のうち流路部222におけるインクの温度と対応する温度となる部分の温度を検出するヘッド温度検出部23を備え、CPU41は、ヘッド温度検出部23の各々により検出された温度に応じて電圧振幅及び電圧印加時間の少なくとも一方が補正された駆動信号によって記録ヘッド22により記録動作を行わせる(記録制御手段)。このような構成によれば、記録ヘッド22における記録素子221の動作に応じてインク温度が変動した場合においても適正なインク吐出を行うことができる。これにより、記録画像の画質低下を抑制することができる。また、記録ヘッド22に供給されるインクの温度が予め所定の温度範囲内に調整されているため、駆動信号の電圧振幅や電圧印加時間の補正範囲を小さくすることができる。
 また、インク循環経路は、記録ヘッド22の流路部222を通る。このような構成によれば、インク循環経路におけるインクの循環時にインクから記録ヘッド22及び取付部材に熱が伝わり、より効率良く記録ヘッドと取付部材201との温度差の発生を抑制することができる。
 また、インク循環経路は、送液方向について共通インク流路部304aからサブタンク31までの間に設けられ記録ヘッド22の流路部222を通って共通インク流路部304aとサブタンク31とを連通させる第1の分岐流路部、及び送液方向について共通インク流路部304aからサブタンク31までの間に設けられ記録ヘッド22の流路部222を通らずに共通インク流路部304aとサブタンク31とを連通させる第2の分岐流路部を有し、インクジェット記録装置1は、送液方向について共通インク流路部304aから記録ヘッド22までの範囲内に設けられて第1の分岐流路部を開放させ又は閉止させる第5バルブ345を備え、CPU41は、送液動作によるインク循環経路におけるインクの循環が行われているときに第5バルブ345により第1の分岐流路部を閉止させる(切替制御手段)。このような構成によれば、インク循環経路をインクが循環しているときにノズル221nからインクが漏出する不具合の発生を抑制することができる。
 また、インクジェット記録装置1は、インク循環経路に設けられ、インク中の気体を当該インクから脱離させる脱気モジュール32を備える。これにより、インクの温度調整と並行して、インク循環経路を循環するインクの脱気を行うことができる。
 また、共通インク流路部304a及び取付部材201は、金属である。このような構成によれば、共通インク流路部304aを流れるインクの熱が取付部材201に伝わりやすくなる。この結果、より効率良く記録ヘッドと取付部材201との温度差の発生を抑制することができる。
 また、インク循環経路を構成する部材は、金属である。このような構成によれば、循環するインクの熱によりインク循環経路を構成する部材の温度を効率良く調整することができる。この結果、インク循環経路の温度をより短時間で調整することができる。
 また、共通インク流路部304aは、取付部材201の表面に設けられた凹部201aに接触している。このような構成によれば、共通インク流路部304aと取付部材201とがより広い面積で接触するため、共通インク流路部304aを流れるインクの熱を取付部材201により伝わりやすくすることができる。
 (変形例)
 続いて上記実施形態の変形例について説明する。本変形例では、インク温度調整動作の実行中に送液ポンプ27による所定時間当たりの送液量が変更される点で上記実施形態と異なる。以下では、上記実施形態との相違点について説明する。
 本変形例では、インク温度調整動作において加熱装置25aによる加熱又は冷却装置25bによる冷却が開始された後、所定時間ごとに第1のインク温度検出部24aにより第1のインク温度T1が検出される。そして、検出された第1のインク温度T1と目標温度Tcとの差分に応じて送液ポンプ27による所定時間当たりの送液量が変更される。即ち、送液ポンプ27による所定時間当たりの送液量は、第1のインク温度T1と目標温度Tcとの差分が大きくなるに従って漸増するように変更される。なお、第1のインク温度T1と所定の目標温度Tcとの差分が予め定められた値以下である場合には、当該差分の大きさによらず送液ポンプ27による送液の圧力が一定となるようにしても良い。
 このように、本変形例に係るインクジェット記録装置1では、CPU41は、第1のインク温度検出部24aにより検出された第1のインク温度T1と目標温度Tcとの差分が大きくなるに従い所定時間当たりのインクの送液量が漸増するように送液ポンプ27により送液動作を行わせる(送液制御手段)。このような構成によれば、第1のインク温度T1と所定の目標温度Tcとの差分が大きいほど、インク循環経路の各部を単位時間当たりに通過するインクの量が増大し、インク循環経路の各部と熱媒体としてのインクとの間で単位時間当たりに授受される熱量を大きくすることができる。この結果、より短時間にインク循環経路の温度を所定の温度範囲内に調整することができる。
 なお、本発明は、上記実施形態及び各変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
 例えば、上記実施形態及び変形例では、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bの-Z方向側の半分が取付部材201に埋まっている構成を例に挙げて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bの全体が取付部材201に埋め込まれた構成としても良い。また、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bが、取付部材201に埋められずに取付部材201上に載置されて接触している構成としても良い。
 また、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bが取付部材201に直接接触する構成に代えて、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bが熱を伝える部材を介して間接的に取付部材201に接触する構成であっても良い。例えば、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bを記録ヘッド22よりも上方(+Z方向側)に配置し、共通インク流路部304a及び共通廃液流路部304bと取付部材201とが金属製の外装部材にそれぞれ取り付けられた構成としても良い。このような構成によっても、インク循環経路を循環するインクの熱が取付部材201に伝わり、記録ヘッド22と取付部材201との間の温度差を生じにくくすることができる。
 また、上記実施形態及び変形例では、共通インク流路部304aが第2のインク流路部を構成する例を用いて説明したが、インク循環経路のうち記録ヘッド22の流路部222に直接又は間接的に連通する他の部分(即ち、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308及び共通廃液流路部304b)の少なくとも一部が第2のインク流路部を構成し、当該少なくとも一部が直接又は間接的に取付部材201に接触する構成としても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、取付部材201に複数の記録ヘッド22が取り付けられる例を用いて説明したが、取付部材201に単一の記録ヘッド22が取り付けられる構成のインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、インク温度調整部25が加熱装置25a及び冷却装置25bを備える例を用いて説明したが、例えば下限温度Tminがインクジェット記録装置1の環境温度よりも高い場合には、インク温度調整部25が加熱装置25aのみを備える構成としても良い。また、例えば上限温度Tmaxがインクジェット記録装置1の環境温度よりも低い場合には、インク温度調整部25が冷却装置25bのみを備える構成としても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、第1のインク温度T1が所定の温度範囲内であるか否かの判別と、差分ΔTが基準差ΔTa以下であるか否かの判別の双方を行う例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。
 例えば、インク温度調整動作においてインク循環経路内の温度分布が大きくばらつかない場合には、差分ΔTが基準差ΔTa以下であるか否かの判別を省略しても良い。この場合には、第2のインク温度検出部24bを設けないこととしても良い。
 さらに、第1のインク温度T1が所定の温度範囲内であるか否かの判別を行うことなくインク温度の調整を行っても良い。この場合は、例えばインクジェット記録装置1の環境温度や最後にインク温度調整動作が行われてからの経過時間に対応づけて予め定められたインク温度調整部25及び送液ポンプ27の動作設定に基づいてインク温度調整動作を行うこととすることができる。この場合には、第1のインク温度検出部24aを設けないこととしても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308、共通インク流路部304a、共通廃液流路部304b、サブタンク31及び中間タンク33を金属により構成する例を用いて説明したが、これらのうち一部又は全部は、金属以外の材料、例えばフッ素樹脂やエポキシ樹脂といった樹脂により構成されていても良い。この場合には、インク循環経路の温度がより短時間で調整されるように、より比熱が小さく、また、より熱伝導率が大きい材料を用いることが好ましい。
 また、上記実施形態及び変形例では、サブタンク31内のインクをインク温度調整部25により加熱又は冷却する例を用いて説明したが、インク温度調整部25に加えて、インク流路301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308、共通インク流路部304a、共通廃液流路部304b及び中間タンク33の一部又は全部に、通過するインクを加熱する加熱装置及び/又は冷却する冷却装置が設けられていても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、第2のインク温度検出部24bによりサブタンク31から流出した直後のインクの温度(第2のインク温度T2)を検出する構成を例に挙げて説明したが、これに代えて、第2のインク温度検出部24bをサブタンク31の内部に設け、第2のインク温度T2としてサブタンク31内におけるインクの温度を検出しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、第1のインク温度検出部24aによりサブタンク31に流入する直前のインクの温度(第1のインク温度T1)を検出する構成を例に挙げて説明したが、これに代えて、第1のインク温度検出部24aを、サブタンク31内のうちインク流路306からインクが流入する部分の近傍に設け、第1のインク温度T1として、インク流路306から流入しサブタンク31内のインクと混ざり合う前のインクの温度を検出しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、吐き捨て動作により記録ヘッド22の流路部222に温度が調整されたインクを流入させる例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、吐き捨て動作に代えて、又は吐き捨て動作の前に、インク供給機構30を第2状態として、記録ヘッド22の流路部222を通るインク循環経路においてインクを循環させることにより記録ヘッド22の温度を調整しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、第1及び第2の分岐流路を有するインク循環経路を例に挙げて説明したが、インク循環経路は、分岐流路がなく記録ヘッド22の流路部222を通る構成とされていても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、目標温度Tc(25℃)のプラス側及びマイナス側についてそれぞれ5℃の範囲内(20℃~30℃)となるようにインクの温度を調整する例を用いて説明したが、目標温度Tcに対するプラス側の温度範囲をマイナス側の温度範囲より小さくしても良い。例えば、目標温度Tcに対してマイナス側の温度範囲を5℃、プラス側の温度範囲を1℃とし、20℃~26℃の範囲内となるようにインクの温度を調整しても良い。このようにすれば、記録素子221の動作頻度に応じて記録ヘッド22におけるインクの温度が上昇しても当該インクの温度が目標温度Tcから大きく乖離しないようにすることができる。
 また、上記実施形態及び変形例では、常温で液体であるインクを用いる例を挙げて説明したが、これに限定する趣旨ではない。例えば、常温でゲル状であり加熱されることによりゾル状となるインクをゾル状に加熱して吐出するインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、シングルパス形式のインクジェット記録装置1を例に挙げて説明したが、ヘッドユニットを走査させながら画像の記録を行うインクジェット記録装置に本発明を適用しても良い。
 また、上記実施形態及び変形例では、搬送ベルト103を備える搬送部10により記録媒体Pを搬送する例を用いて説明したが、これに限定する趣旨ではなく、搬送部10は、例えば回転する搬送ドラムの外周面上で記録媒体Pを保持して搬送するものであっても良い。
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
 本発明は、インクジェット記録装置に利用することができる。
1 インクジェット記録装置
2 外部装置
10 搬送部
101,102 搬送ローラー
103 搬送ベルト
20 ヘッドユニット
201 取付部材
201a 凹部
21 記録ヘッド駆動部
22 記録ヘッド
221 記録素子
221n ノズル
222 流路部
223 インレット
224 アウトレット
23 ヘッド温度検出部
24a 第1のインク温度検出部
24b 第2のインク温度検出部
25 インク温度調整部
25a 加熱装置
25b 冷却装置
26 電磁弁駆動部
27 送液ポンプ
30 インク供給機構
301,302a,302b,303,305a,305b,306,307,308 インク流路
304a 共通インク流路部
304b 共通廃液流路部
31 サブタンク
32 脱気モジュール
33 中間タンク
341 第1バルブ
342 第2バルブ
343 第3バルブ
344 第4バルブ
345 第5バルブ
346 第6バルブ
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
50 メインタンク
51 供給ポンプ
52 真空ポンプ
521 チャンバー
53 搬送駆動部
54 ヘッドユニット移動駆動部
55 操作表示部
56 入出力インターフェース
57 バス
60 脱気装置
P 記録媒体

Claims (14)

  1.  インクを吐出するノズルと、前記ノズルに連通する第1のインク流路部とを有する記録ヘッドと、
     前記記録ヘッドが取り付けられた熱伝導性を有する取付部材と、
     前記記録ヘッドに供給されるインクを貯留するインク貯留部と、
     前記インク貯留部に貯留されるインクの温度を調整するインク温度調整手段と、
     前記インク貯留部と、前記第1のインク流路部に連通する第2のインク流路部とを通り、前記インク貯留部に貯留されたインクが循環するインク循環経路と、
     前記インク循環経路内のインクを所定の送液方向に流動させて前記インク貯留部のインクを前記インク循環経路において循環させる送液動作を行う送液手段と、
     を備え、
     前記第2のインク流路部の少なくとも一部は、直接又は間接的に前記取付部材に接触している
     ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2.  前記インク温度調整手段は、前記インク貯留部に貯留されるインクの温度を所定の温度範囲の範囲内となるように調整し、
     当該インクジェット記録装置は、前記インク循環経路内のインクの温度が前記所定の温度範囲の範囲内における所定の目標温度に近付くように前記送液手段により前記送液動作を行わせる送液制御手段を備える
     ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3.  前記インク循環経路のインクのうち前記インク貯留部に流入する直前のインクの温度を検出する第1のインク温度検出手段と、
     前記第1のインク温度検出手段により検出された温度が前記所定の温度範囲の範囲内であるか否かを判別する判別手段と、
     を備え、
     前記送液制御手段は、前記判別手段により前記温度が前記所定の温度範囲の範囲外であると判別された場合に前記送液手段により前記送液動作を行わせる
     ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4.  前記インク貯留部内のインクの温度、又は前記インク循環経路において前記インク貯留部から流出した直後のインクの温度を検出する第2のインク温度検出手段を備え、
     前記判別手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記第2のインク温度検出手段により検出された温度との差分が所定の基準差以内であるか否かを判別し、
     前記送液制御手段は、前記判別手段により前記差分が前記基準差より大きいと判別された場合に前記送液手段により前記送液動作を行わせる
     ことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5.  前記判別手段により前記温度が前記所定の温度範囲の範囲内であると判別された場合に、前記記録ヘッドにより記録媒体に対してインクを吐出して当該記録媒体上に画像を記録する記録動作を行わせる記録制御手段を備えることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  6.  前記インク貯留部内のインクの温度、又は前記インク循環経路において前記インク貯留部から流出した直後のインクの温度を検出する第2のインク温度検出手段を備え、
     前記判別手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記第2のインク温度検出手段により検出された温度との差分が所定の基準差以内であるか否かを判別し、
     前記記録制御手段は、前記判別手段により、前記温度が前記所定の温度範囲の範囲内であると判別され、かつ前記差分が前記基準差以内であると判別された場合に、前記記録ヘッドにより前記記録動作を行わせる
     ことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7.  前記記録ヘッドのうち前記第1のインク流路部におけるインクの温度と対応する温度となる部分の温度を検出するヘッド温度検出手段を備え、
     前記記録制御手段は、前記ヘッド温度検出手段により検出された温度に応じて電圧振幅及び電圧印加時間の少なくとも一方が補正された駆動信号によって前記記録ヘッドにより前記記録動作を行わせる
     ことを特徴とする請求項5又は6に記載のインクジェット記録装置。
  8.  前記送液制御手段は、前記第1のインク温度検出手段により検出された温度と前記所定の目標温度との差分が大きくなるに従い所定時間当たりのインクの送液量が漸増するように前記送液手段により前記送液動作を行わせることを特徴とする請求項3~7の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9.  前記インク循環経路は、前記第1のインク流路部を通ることを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10.  前記インク循環経路は、前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記インク貯留部までの間に設けられ前記第1のインク流路部を通って前記第2のインク流路部と前記インク貯留部とを連通させる第1の分岐流路部、及び前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記インク貯留部までの間に設けられ前記第1のインク流路部を通らずに前記第2のインク流路部と前記インク貯留部とを連通させる第2の分岐流路部を有し、
     当該インクジェット記録装置は、
     前記送液方向について前記第2のインク流路部から前記記録ヘッドまでの範囲内に設けられて前記第1の分岐流路部を開放させ又は閉止させる切替手段と、
     前記送液動作による前記インク循環経路におけるインクの循環が行われているときに前記切替手段により前記第1の分岐流路部を閉止させる切替制御手段と、
     を備えることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  11.  前記インク循環経路に設けられ、インク中の気体を当該インクから脱離させる脱気手段を備えることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12.  前記第2のインク流路部の前記少なくとも一部を構成する部材及び前記取付部材は、金属であることを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13.  前記インク循環経路を構成する部材は、金属であることを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14.  前記第2のインク流路部の前記少なくとも一部は、前記取付部材の表面に設けられた凹部に接触していることを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
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