JP2007021996A - 液体吐出ヘッド、画像形成装置及び圧力調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インク吐出ヘッドの内圧の変動を小さくして、画像の品質を向上させること。
【解決手段】 インクを吐出するノズル51と、ノズル51に連通する圧力室52と、圧力室52内のインクに圧力を付与する圧電素子58と、圧力室52にインクを供給する共通液室55であって、壁面の一部が可撓性シート72によって形成されている共通液室55と、共通液室55の内圧を検出する内圧検出センサ74と、共通液室55のインク供給口552に配置され、共通液室55内へインクが供給される開状態と共通液室55を共通液室55よりも上流のインク供給管路650から遮断する閉状態とを有し、共通液室55内へのインクの供給を調整するインク供給調整バルブ76を備えた構成とした。
【選択図】 図6
【解決手段】 インクを吐出するノズル51と、ノズル51に連通する圧力室52と、圧力室52内のインクに圧力を付与する圧電素子58と、圧力室52にインクを供給する共通液室55であって、壁面の一部が可撓性シート72によって形成されている共通液室55と、共通液室55の内圧を検出する内圧検出センサ74と、共通液室55のインク供給口552に配置され、共通液室55内へインクが供給される開状態と共通液室55を共通液室55よりも上流のインク供給管路650から遮断する閉状態とを有し、共通液室55内へのインクの供給を調整するインク供給調整バルブ76を備えた構成とした。
【選択図】 図6
Description
本発明は液体吐出ヘッド、画像形成装置及び圧力調整方法に係り、特に液体の吐出口にそれぞれ連通する複数の圧力室とこれらの複数の圧力室に液体を供給する共通液室を備えた液体吐出ヘッド、その液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置、及び、その液体吐出ヘッド内の圧力を調整する圧力調整方法に関する。
従来、インクを吐出するインク吐出ヘッドにインクを供給する副インクタンクと、この副インクタンクに液体を補給する主インクタンクとを備え、副インクタンクに設けられた負圧検出手段により副インクタンク内の負圧を検出して、副インクタンク内が予め設定した負圧よりも大きな負圧になったとき、副インクタンクの負圧検出手段の検出信号に基づいて、主インクタンクの出口に設けられている開閉自在な弁を開くことにより、主インクタンクから副インクタンクにインクを補給するようにしたものが知られている(特許文献1を参照)。
特開2002−1978号公報(特に図3)
しかしながら、副インクタンクに設けられた負圧検出手段と、主インクタンクに設けられたインク供給調整手段としての弁との距離が長いので、時定数が大きくなり、その結果として圧力制御性が悪い(的確なインク補給ができない)という課題があった。
また、インク吐出ヘッドがそのインク吐出ヘッドの上流側の流路抵抗(圧力損失)の影響を受けてしまうという課題もある。
具体的には、媒体搬送方向(副走査方向)に直交する方向(主走査方向)においてインク吐出ヘッドが往来するシャトル方式のインク吐出ヘッドでは、一般に、インク吐出ヘッドにインクを供給するためのチューブ(インク供給管路)の変形により、インク吐出ヘッド内の圧力変動が引き起こされてしまうことになる。
また、シャトル方式のインク吐出ヘッドに限らず、インク吐出ヘッドへ至るチューブ内において、インクの粘性抵抗により流路抵抗(圧力損失)が発生することにより、連続吐出時、吐出量が多いほどインク吐出ヘッド内の負圧が増大してしまうという課題もある。
また、多数の毛細管からなるインク吸収部材を設けたインクカートリッジをインクタンクとして用いて、その毛細管で負圧が発生することによりインク吐出ヘッド内が負圧に設定されている場合には、インクカートリッジ内のインクの残量によってインク吐出ヘッドの内圧が左右されてしまうという課題もある。
これらのようにインク吐出ヘッドの内圧変動が大きくなると、インク吐出ヘッドのインクの吐出量に不測の変動が発生して濃度ムラ等の画像欠陥の原因となるので、インク吐出ヘッドを用いて形成される画像の品質が劣化することになる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液体吐出ヘッドの内圧の変動を小さくして、安定して液体を吐出することができる液体吐出ヘッド、画像形成装置及び圧力調整方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を吐出する複数の吐出口と、前記複数の吐出口に連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室内の液体に圧力を付与する複数のアクチュエータと、前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室であって、壁面の一部が可撓性の薄膜によって形成されている共通液室と、前記共通液室の内圧を検出する内圧検出手段と、前記共通液室よりも上流の流路から前記共通液室内に液体が供給される前記共通液室の液体供給口に配置され、前記共通液室内へ液体が供給される開状態と前記共通液室を該共通液室よりも上流の前記流路から遮断する閉状態とを有し、前記共通液室内への液体の供給を調整する液体供給調整手段を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
この発明によれば、液体吐出ヘッドよりも上流(すなわち共通液室の液体供給口よりも上流)の液体供給路の圧力と液体吐出ヘッドの内圧とが切り離されて、液体吐出ヘッド内でクローズして圧力調整することができるので、液体吐出ヘッドの上流の液体供給系の圧力変動や圧力損失に関わらず液体吐出ヘッド内の圧力を安定して調整することができることになり、液体吐出ヘッドの内圧の変動が小さくなって、液体吐出ヘッドによって形成される画像の品質が安定することになる。
また、液体吐出ヘッドよりも上流の液体供給系の自由度が高くなる。例えば、液体吐出ヘッドよりも上流の液体供給系の負圧発生部材は省略することもできる。
なお、「液体」は、インクに限定されるものではなく、他の液体を吐出する場合にも本発明の液体吐出ヘッドを適用できることは言うまでもない。例えば、配線を形成する際に用いる液体や、接着剤として用いる液体を吐出するなどの各種産業用途に本発明を適用することができる。
また、前記可撓性の薄膜としては、例えば、第1に、請求項2に記載した、弾性膜、第2に、請求項3に記載した、可塑性の材料からなり弾性の板材が接合されているものを用いることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、前記薄膜は、一方の面が前記共通液室内の液体に接液し、他方の面が大気に開放されていることを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
この発明によれば、大気圧を利用して、簡単な構成で共通液室の内圧を調整可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の発明において、前記内圧検出手段は、前記薄膜の変形量を検出することにより前記共通液室の内圧を検出することを特徴とする液体吐出ヘッドを提供する。
この発明によれば、簡単な構造で共通液室の内圧を検出可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの前記吐出口から前記液体吐出ヘッド内の液体及び気体を吸引する吸引手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置を提供する。
この発明によれば、吸引手段を用いて共通液室の内圧を調整可能となる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記液体供給調整手段を開状態に設定するとともに、前記吸引手段による吸引を行って、前記液体吐出ヘッド内に液体を充填後、前記液体供給調整手段を閉状態に設定するとともに、前記吸引手段による吸引又は前記吐出口からの空吐出を行って、前記共通液室の内圧を予め決められた圧力に初期設定する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
この発明によれば、液体吐出ヘッドの上流の液体供給路から共通液室が遮断された状態で共通液室の内圧の初期設定が行われるので、結果として精密に初期設定されることになる。
請求項9に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する画像形成中に、前記内圧検出手段により検出された前記共通液室の内圧に基づいて前記液体供給調整手段を開閉させて前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
この発明によれば、画像形成中の圧力変動を最小限に抑えて共通液室の内圧を維持することができることになり、画質を十分に向上させることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明において、前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する際、各ページごとの吐出終了時点で前記共通液室の内圧が目標の範囲の下限値よりも低いときには次ページの吐出を開始しないで前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
この発明によれば、液体吐出ヘッド内における累積的な圧力変動や気泡の流入等による圧力変化を各ページごとにリセットすることができるので、画質の低下が十分に防止されることになる。
請求項11に記載の発明は、請求項6乃至10の何れか1項に記載の発明において、液体温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段による液体温度の検出結果に基づいて、液体粘度を特定する粘度特定手段と、前記粘度特定手段による液体粘度の特定結果に基づいて、前記共通液室の内圧の目標範囲を可変設定する可変設定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
この発明によれば、液体温度の変動に伴う圧力損失の変動に対応して適正な目標範囲に液体吐出ヘッドの内圧が調整されることになり、液体吐出ヘッドによって形成される画像の品質が更に安定することになる。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、前記液体供給調整手段を開状態に設定するとともに、前記吐出口の吸引を行って、前記液体吐出ヘッド内に液体を充填後、前記液体供給調整手段を閉状態に設定するとともに、前記吐出口の吸引又は前記吐出口からの空吐出を行って、前記共通液室の内圧を予め決められた圧力に初期設定することを特徴とする圧力調整方法を提供する。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する画像形成中に、前記内圧検出手段により検出された前記共通液室の内圧に基づいて前記液体供給調整手段を開閉させて前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法を提供する。
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する際、各ページごとの吐出終了時点で前記共通液室の内圧が目標の範囲の下限値よりも低いときには次ページの吐出を開始しないで前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法を提供する。
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、液体温度を検出し、前記液体温度の検出結果に基づいて、液体粘度を特定し、前記液体粘度の特定結果に基づいて、前記共通液室の内圧の目標範囲を可変設定し、前記内圧検出手段によって検出された前記共通液室の内圧が前記目標範囲の下限値よりも低いときは前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を前記目標範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法を提供する。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの内圧の変動を小さくして、安定して液体を吐出することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例の概略を示す全体構成図である。
図1において、画像形成装置10は、インクの各色別に設けられた複数のインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yを有するインク吐出部12と、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、インク吐出部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送するベルト搬送部22と、インク吐出部12によるプリント結果を読み取るプリント検出部24と、プリント済みの記録紙を外部に排出する排紙部26とを備えている。
なお、図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)を給紙するものを示しているが、予めカットされているカット紙を給紙するものを用いてもよい。ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッタ28が設けられる。カッタ28は、固定刃28Aと、この固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されている。ところで、給紙部18から送り出される記録紙16は一般に巻き癖が残りカールする。このカールを除去するために、デカール処理部20において巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。デカール処理後、カット済の記録紙16は、ベルト搬送部22へと送られる。
ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくともインク吐出部12のノズル面及びプリント検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。ベルト33は、記録紙16幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したように、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側においてインク吐出部12のノズル面及びプリント検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト上の記録紙16が吸着保持される。ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。なお、縁無しプリント等を形成するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(プリント領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上においてインク吐出部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、プリント前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。プリント直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
図2は、画像形成装置10のインク吐出部12周辺を示す要部平面図である。
図2に示すように、インク吐出部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを媒体搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。具体的には、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本画像形成装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってノズル(吐出口)が複数配列されたライン型ヘッドで構成 されている。
記録紙16の搬送方向(媒体搬送方向)に沿って、上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の順に各色インクに対応したインク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色別に設けられてなるインク吐出部12によれば、媒体搬送方向(副走査方向)について記録紙16とインク吐出部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、インク吐出ヘッドが媒体搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速プリントが可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)のプリントをするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットからなるライン)のプリントを繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また、本実施形態では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インクの色数や色の組み合わせについては本実施形態に示す例には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出するインク吐出ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各インクタンクは図示を省略した管路を介して各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。
プリント検出部24は、インク吐出部12の吐出結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
プリント検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、プリントされた画像面を乾燥させる手段であり、例えば加熱ファンが用いられる。後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の凹凸形状の表面を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テストプリントのプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテストプリントとを同時に並列に形成する場合は、カッタ(第2のカッタ)48によってテストプリントの部分を切り離す。カッタ48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテストプリントを行った場合に、本画像とテストプリント部を切断するものである。カッタ48の構造は、前述した第1のカッタ28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
なお、図1においてインク色毎に設けられている各インク吐出ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってインク吐出ヘッドを表すものとする。
図3は、本発明に係るインク吐出ヘッドの全体構造の一例について概略を示す平面透視図である。
図3において、インク吐出ヘッド50は、紙などの記録媒体に向けてインクを吐出するノズル51(吐出口)と、ノズル51に連通し、ノズル51からインクが吐出される際にインクに圧力を付与する圧力室52と、圧力室52にインクが供給される開口部としてのインク供給口53とを含んでなる複数の圧力室ユニット54が、2次元配列されて構成されている。なお、図3は、図示の便宜上、一部の圧力室ユニット54を省略して描かれている。
複数のノズル51は、主走査方向(本実施形態では記録媒体の搬送方向と略直交する方向である)と、主走査方向に対して所定の角度θをなす斜め方向との2方向に沿って、2次元マトリクス状に配列されている。具体的には、主走査方向に対して角度θをなす斜め方向に沿ってノズル51が一定のピッチdで複数配列されていることにより、各ノズル51が主走査方向に沿った一直線上にドットピッチ「d×cosθ」で配列されたものと等価に取り扱うことができる。これにより、主走査方向に沿って例えば1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)に及ぶような高密度のノズル配列と実質的に同等の構成となる。このような構成により、インク吐出ヘッド50の長手方向(主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。図3に示すように2方向に沿ったノズル配列を、2次元マトリクス状のノズル配列と呼ぶことにする。
すなわち、インク吐出ヘッド50は、多数のノズル51が2次元配列されており、これらのノズル51に1対1で連通する多数の圧力室52もノズル51と同様に2次元配列されている。
なお、本発明の実施に際してノズル51等の配置構造は図3に示した例に特に限定されない。例えば、図4に示すように、複数のノズル51が2次元的に配列された短尺のインク吐出ヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を有するインク吐出ヘッドを構成してもよい。図4に示すようなノズル配列も2次元マトリクス状のノズル配列である。
図3に示すノズル配列であっても、図4に示すノズル配列であっても、主走査方向(記録媒体の搬送方向と略直交する方向)に記録媒体の全幅に対応する長さにわたるノズル列を備えるフルライン型のインク吐出ヘッドを構成することができる。
なお、インク吐出ヘッド50の詳細な内部構造については、インク供給系について説明した後に詳細に説明する。
図5は、画像形成装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インクタンク60は、インク吐出ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14を構成している。インクタンク60の態様には、インク残量が少なくなった場合に補充口(図示を省略)からインクを補充する方式と、インクタンク60ごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインクの種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類をバーコードなどで識別して、インクの種類に応じた吐出制御を行うことが望ましい。
図5に示されるように、インクタンク60とインク吐出ヘッド50を繋ぐ管路650(インク供給管路)の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ62のメッシュサイズは、インク吐出ヘッド50のノズル51の径と同等若しくはノズル径以下とすることが好ましい。
また、画像形成装置10には、ノズル51のメニスカスの乾燥を防止又はメニスカス近傍のインク粘度の上昇を防止する手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aを清掃する手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらのキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によってインク吐出ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からインク吐出ヘッド50の下方のメンテナンス位置に移動されるようになっている。
また、キャップ64は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降される。昇降機構は、キャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、インク吐出ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aの少なくともノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したクリーニングブレード用の移動機構によりインク吐出ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)において摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aにおいて摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄するようになっている。
吸引ポンプ67は、インク吐出ヘッド50のノズル面50Aをキャップ64が覆った状態で、そのインク吐出ヘッド50のノズル51からインクを吸引し、吸引したインクを回収タンク68へ送液する。
このような吸引動作は、画像形成装置10にインクタンク60が装填されてインクタンク60からインク吐出ヘッド50へインクを充填するとき(初期充填時)のほか、長時間停止して粘度が上昇したインクを除去するとき(長時間停止の使用開始時)にも行われる。
ところで、インク吐出ヘッド50は、吐出しない状態が続くと、ノズル51近傍のインク溶媒が蒸発してそのノズル51近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ(後述する図6の圧電素子58である)が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(吐出駆動用のアクチュエータの動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、ノズル51近傍の粘度が上昇したインクをキャップ64に向けて吐出させる空吐出が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパーの摺動動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも空吐出が行われる。なお、空吐出は、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。特に、前述のようにプリントを行う前に行う空吐出は、「予備吐出」と呼ばれる。
ここで、ノズル51からの吐出について整理しておくと、第1に、紙などの記録媒体に画像形成するために記録媒体に向けて行う通常の吐出があり、第2に、キャップ64をインク受けとしてそのキャップ64に向けて行う空吐出がある。また、後者の空吐出には、前述のようにインクの粘度維持のために行う吐出のほかに、後に詳述するように、インク吐出ヘッド50の内圧が目標の範囲内となるように調整するために行う吐出(「内圧調整吐出」と称する)がある。
また、インク吐出ヘッド50のノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、前述の空吐出ではインクをノズル51から吐出できなくなるので、インク吐出ヘッド50のノズル面50Aにキャップ64を当ててインク吐出ヘッド50の圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘したインクを吸引ポンプ67で吸引する動作が行われる。
ここで、吸引ポンプ57によるインク吐出ヘッド50のノズル51からの吸引には、前述の増粘インク等の不要成分を除去するために行う吸引のほかに、後に詳述するように、インク吐出ヘッド50の内圧が目標の範囲内となるように調整するために行う吸引(「内圧調整吸引」と称する)がある。
[インク吐出ヘッドの内部構造]
図6は、インク吐出ヘッド50の内部構造の詳細説明に用いるインク吐出ヘッド50の断面図である。
図6は、インク吐出ヘッド50の内部構造の詳細説明に用いるインク吐出ヘッド50の断面図である。
図6において、インク吐出ヘッド50は、主として、インクを吐出する複数のノズル51(吐出口)と、複数のノズル51にそれぞれ連通する複数の圧力室52と、複数の圧力室52の容積をそれぞれ変化させて圧力室52内のインクに圧力を付与する圧力発生手段としての複数の圧電素子58と、圧力室52の一壁面を構成し、圧電素子58が取り付けられている振動板56と、複数の圧力室52に連通する共通液室55と、共通液室55の一壁面を構成する可撓性の薄膜72(「可撓性シート」と称する)と、共通液室55の内圧を検出する内圧検出センサ74と、共通液室55よりも上流の流路650から共通液室55内へのインクの供給を調整するインク供給調整バルブ76を含んで構成されている。
なお、ノズル51及び圧力室52は、図3に示したものと同一である。
また、図6のインク吐出ヘッド50は、積層構造で形成されており、図6において下から順に、ノズル51が形成されているノズル形成プレート510、圧力室52が形成されている圧力室形成プレート520、振動板56、共通液室55が形成されている共通液室形成プレート550が積層されて構成されている。
振動板56は、圧力室形成プレート520をノズル形成プレート510と挟むようにして、ノズル形成プレート510とは反対側に配置されている。言い換えると、圧力室52に対してノズル51を下として見たとき、振動板56は、圧力室52の上に配置されている。
振動板56上には圧力発生用のアクチュエータとしての圧電素子58が形成されている。なお、本実施形態における振動板56は、複数の圧力室52に共通のものとし1枚のプレートで形成されているが、このような場合に特に限定されず、圧力室52ごとに形成されている場合もある。
圧電素子58は、例えばピエゾからなり、所定の電気信号(駆動信号)が与えられると変位(歪み)が発生し、振動板56を介して圧力室52の容積を変化させる。
共通液室55は、その上流側のインク供給管路650を介して図5のインクタンク60に連通しており、そのインクタンク60から供給されたインクを、複数の圧力室52に対してそれぞれ供給する。
共通液室55は、圧力室形成プレート520、振動板56及び圧電素子58を、ノズル形成プレート510と挟むようにして、ノズル形成プレート510とは反対側に配置されている。言い換えると、圧力室52に対してノズル51を下として見たとき、共通液室55は、複数の圧力室52の上にあって、これらの複数の圧力室52の全てを覆うように、ひとつの共通の空間をなす流路(共通流路)として形成されている。
なお、共通液室55は、全ノズル51に対して共通の流路ということもできる。一方で、圧力室52は、各ノズル51ごとの個別の流路ということもできる。
なお、共通液室55の壁面の一部は、可撓性を有する薄板72(可撓性シート)によって構成されている。
具体的には、可撓性シート72は、図6に示されるように共通液室55の天板を構成しており、一方の面が共通液室55内のインクに接液する一方で、他方の面が大気に対して開放されている。すなわち、可撓性シート72は、共通液室55内のインク量の増減に伴って撓み量が変化する。
なお、図6に示した可撓性シート72は、共通液室55の天板を構成している場合を例として示しているが、特に共通液室55の天板を構成している場合に特に限定されない。例えば、共通液室55の側壁の一部を構成している場合であってもよい。
可撓性シート72の形態には各種ある。
第1に、図7(a)に示されるように、可塑性のフイルム721であって、弾性を有する板バネ722が接合されたものがある。
例えば、可撓性シートとして、ポリイミドなどの可塑性の樹脂フイルム721にSUSなどの金属板からなる板バネ722を接合して用いる。なお、板バネ722には、必要に応じて耐インク性のコーティング処理を施しておく。
第2に、それ自身が弾性を有する膜(弾性膜)からなる可撓性シート72がある。例えば、ゴム体からなる弾性膜を可撓性シート72として用いたものがある。
なお、以下では、可撓性シート72は、可塑性の樹脂フイルム721に弾性の板バネ722が接合されているものとして説明する。
図8は、図7(a)に示した可撓性シート72の一部を示す平面図である。
板バネ722は、十字(又は格子状)に形成されている。なお、板バネ722の形状は、特に十字や格子状に限定されるものではない。
内圧検出センサ74は、可撓性シートの変形量(撓み量)を検出することにより共通液室55の内圧を検出するものである。
このような内圧検出センサ74の態様には各種ある。
第1の態様として、可撓性シート72の変形量を歪ゲージで電気信号に変換するものがある。具体的には、可撓性シート72に取り付けられた歪ゲージによって内圧検出センサ74が構成されており、内圧に応じた変形応力により歪ゲージの抵抗値が変化するので、その抵抗値の変化に応じた電気信号を出力する。
第2の態様として、可撓性シート72の変形量を光学的に検出するものがある。
第3の態様として、可撓性シート72の変形量をアクチュエータで拡大して検出するものがある。
インク供給調整バルブ76は、共通液室55のインク供給口552に配置され、そのインク供給口552を閉鎖して、インク吐出ヘッド50よりも上流側のインク供給管路650(具体的には共通液室55のインク供給口552よりも上流の流路)から共通液室55を遮断する閉状態と、インク吐出ヘッド50よりも上流側のインク供給管路650と共通液室55との間のインク供給口552を開放して共通液室55へインクが供給される状態(開状態)とを有する。
また、インク供給調整バルブ76は、共通液室55に流入するインクの流量を微細に、例えば数μl(マイクロリットル)単位で、調整する。
以上、共通液室55をその上流側のインク供給管路650から遮断可能なインク供給調整手段として、バルブ(インク供給調整バルブ76)を用いた態様について説明したが、本発明におけるインク供給調整手段は、特にバルブに限定されるものではなく、例えば、図9に示すような羽根式ポンプ(インペラポンプ)760を共通液室55のインク供給口552に配置してもよい。
図9の羽根式ポンプ760は、羽根762の回転が抑止された状態において共通液室55が上流側のインク供給管路650から遮断され、羽根762の回転抑止が解除されて回転している状態においてインクタンク60のインクがインク供給管路650を介して共通液室55内へ供給される。すなわち、羽根762の回転が抑止された状態が閉状態であり、羽根762の回転抑止が解除されて回転している状態が開状態である。
羽根式ポンプ760は、共通液室55に流入するインクの流量を微細に、例えば数μl(マイクロリットル)単位で、調整する。
図10(a)に示されるように、インク供給調整バルブ76を共通液室55のインク供給口552に配置した態様では、インクタンク60は一般にノズル面50Aよりも高い位置に配置され、インクタンク60及びインク供給管路650の内部は大気圧を基準にして正圧に設定される。
図10(b)に示されるように、インク供給調整ポンプ760を共通液室55のインク供給口552に配置した態様では、インクタンク60をノズル面50Aより低い位置に設置可能である。
以上説明したように、本実施形態では、共通液室55の内圧を検出する内圧検出センサ74、共通液室55へのインクの供給を調整するインク供給調整バルブ76(又はインク供給調整ポンプ760)、及び、共通液室55を密閉して共通液室55内のインク量に応じて撓むことにより共通液室55の負圧を発生する負圧発生手段としての可撓性シート72が、インク吐出ヘッド50の共通液室55に形成されている。
ここで、図7(a)及び(b)を用いて、インク供給調整バルブ76の開閉と、可撓性シート72の撓み状態及び共通液室55の内圧との対応関係について説明する。
図7(a)は、インク供給調整バルブ76が開放されて共通液室55にインクが充填された後にインク供給調整バルブ76が閉鎖された状態を示している。
図7(a)において、矢印701は、ノズル51からのインク吐出により共通液室55内のインクが圧力室52に供給されて共通液室55内のインク量が減少していく時の可撓性シート72の変形方向を示している。すなわち、共通液室55内のインク量が減少していくにつれて、可撓性シート72は、共通液室55の内側に向けて撓みが大きくなっていき、共通液室55内の内圧は低下していく。すなわち、共通液室55の内圧は、初期負圧よりも負圧が強くなっていく。
図7(b)は、インク供給調整バルブ76が開放されて共通液室55にインクが補給されている状態を示している。
図7(b)において、矢印702は、インク供給調整バルブ76が開放されたときに共通液室55内へ流入するインクの流入方向を示している。また、矢印703は、共通液室55内へのインクの流入により共通液室55内のインク量が増加していく時の可撓性シート72の変形方向を示している。すなわち、共通液室55内のインク量が増加していくにつれて、共通液室55内の内圧を大気圧に近づけるように、可撓性シート72は撓みが小さくなって、共通液室55内の内圧は高くなっていく。すなわち、共通液室55の内圧は、負圧が弱くなっていく。
[画像形成装置の機能的な構成]
図11は、画像形成装置10の機能的な構成例を示すブロック図である。
図11は、画像形成装置10の機能的な構成例を示すブロック図である。
図11に示す画像形成装置10は、主として、インク吐出ヘッド50、キャップ64、吸引ポンプ67、システム制御部110、通信インターフェース111、メモリ112、152、搬送部114、搬送制御部115、乾燥部116、乾燥制御部117、ヘッド制御部150、ヘッドドライバ154、吸引制御部160、キャップ制御部162、内圧調整部170、内圧検出部174、インク供給調整部176、温度検出部182、粘度特定部184、圧力損失特定部186、目標可変設定部188、を含んで構成されている。
通信インターフェース111は、ホストコンピュータ300から送られてくる画像データを受信する画像データ入力手段である。通信インターフェース111には、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394などの有線、又は、無線のインターフェースを適用することができる。
ホストコンピュータ300から送出された画像データは通信インターフェース111を介して画像形成装置10に取り込まれ、システム制御用のメモリ112に一旦記憶される。
なお、画像データの入力態様は、ホストコンピュータ300との通信により画像データが入力される場合に特に限定されるものではない。例えば、メモリカードや光ディスクなどのリムーバブルメディアから画像データを読み込むことにより画像データが画像形成装置10に入力されるようにしてもよい。
システム制御部110は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って画像形成装置10の全体を制御する主制御手段である。すなわち、システム制御部110は、通信インターフェース111、搬送制御部115、乾燥制御部117、ヘッド制御部150、吸引制御部160、キャップ制御部162、内圧調整部170、粘度特定部184、圧力損失特定部186、目標可変設定部188等の各部を制御する。
搬送部114は、搬送制御部115により制御され、紙などの記録媒体とインク吐出ヘッド50とを、記録媒体の搬送方向(副走査方向)において、相対的に移動させる。
乾燥部116は、乾燥制御部117により制御され、記録媒体(特に画像面)を乾燥させるものである。
ヘッド制御部150は、システム制御部110の指示に従い、ホストコンピュータ300から受信されてメモリ112に記憶されている画像データからインク吐出ヘッド50でインクを吐出するための信号を生成するための各種の加工、補正処理を行う機能を有し、生成された吐出用の信号(ドットパターンデータ)をヘッドドライバ154に与える制御を行う。
ヘッド制御部150には、画像バッファ用のメモリ152が備えられている。このメモリ152は、システム制御用のメモリ112と兼用することも可能である。
また、ヘッド制御部150は、空吐出時にヘッドドライバ154に与える空吐出用の信号(空吐出データ)をヘッドドライバ154に与える制御を行う。
キャップ64は、キャップ制御部162により制御され、空吐出時のインク受けとなる。
吸引ポンプ67は、吸引制御部160により制御され、インク吐出ヘッド50のノズル51から、キャップ64を介して、インクを吸引する。
内圧検出部174は、インク吐出ヘッド50の共通液室50の内圧を検出する。例えば、図6に示す内圧検出センサ74(例えば歪みゲージ)によって構成される。
インク供給調整部176(インク供給調整弁76又はインク供給調整ポンプ760)は、共通液室55よりも上流のインク供給管路650から共通液室55内にインクが供給される共通液室55のインク供給口552に配置され、共通液室55内へインクが供給される開状態と、共通液室55を共通液室55よりも上流のインク供給管路650から遮断する閉状態とを有し、共通液室55内へのインクの供給を調整する。また、インク供給調整部176は開状態において、共通液室55内へ供給されるインクの流量を微細に調整する。
内圧調整部170は、初期負圧設定処理、及び、プリント中の内圧調整処理を行う。
初期負圧設定処理は、共通液室55の内圧を予め決められた初期の圧力(初期設定負圧)に設定する制御処理である。この初期負圧設定処理については、後に詳細に説明する。
プリント中の内圧調整処理は、ノズル51から記録媒体に向けてインクを吐出して記録媒体上に画像を形成するプリント中に、内圧検出部174により検出された共通液室55の内圧に基づいてインク供給調整部176を開閉させて共通液室55の内圧を目標の範囲内の圧力に設定する処理である。この内圧調整処理については、後に詳細に説明する。
温度検出部182は、インクの温度を検出するものである。温度検出部182としては、具体的には、温度に応じた電気信号を出力する公知の温度センサを用いることができる。このような温度センサによってインクの温度を検出する場合、第1に、インクの温度を直接的に検出する態様があり、第2に、外気温を検出して当該外気温によりインク温度を近似する態様がある。
粘度特定部184は、インク温度とインク粘度との対応関係を記述したテーブルデータを参照して、温度検出部182によって検出されたインク温度に対応するインク粘度を特定する。或いは、テーブルデータに代えて、インク温度をパラメータとしてインク粘度を求める演算式を用い、インク温度に対応するインク粘度を算出する。
図12は、インクの粘度と温度との関係の一例を示すグラフである。インクの粘度は温度に依存しており、インク粘度μとインク温度Tとの間には、μ=f(T)という関係がある。具体的な関数fはインクごとに様々であるが、定性的には、図12に示すようにインクの温度Tが高くなるとインクの粘度μは小さくなる傾向を有する。
なお、常温(25℃)で数cP(1cP=0.001Pa.s)程度の一般的な水性インク(「低粘度インク」に分類されるインク)は、温度に対する粘度の変化が比較的小さく、近似的には略一定の値として取り扱うことができる。
これに対し、常温(25℃)で10cP以上(インクジェット方式による吐出を考慮すると、上限は概ね40cP)を示すようなインク(「高粘度インク」に分類されるインク)は、図12で例示したように、温度に対する粘度の変化が比較的大きい。したがって、高粘度インクを取り扱う系において、インク温度を検出して、インク温度とインク粘度との相関からインク粘度を特定する構成が有益である。
圧力損失特定部184は、粘度特定部184によって特定されたインク粘度に対応するインク吐出ヘッド50内の圧力損失を特定する。
なお、圧力損失の特定態様には各種ある。
第1に、インク粘度と圧力損失との対応関係を予め実験により求め、この実験により求められた対応関係が記述されたテーブルデータを予め記憶しておき、このテーブルデータを参照することにより、粘度特定部184によって特定されたインク粘度に対応する圧力損失を特定する態様がある。
第2に、粘度特定部184によって特定されたインク粘度に対応する圧力損失を算出する態様がある。例えば、下記の数1により、インク粘度μをパラメータにして、インク吐出ヘッド内の圧力損失ΔPを求める。
(数1)
ΔP=λ(128μ・l・Q)/(π・d4)
ここで、lはインク吐出ヘッド内の流路長、Qは流量、dは流路直径、λは圧力損失係数である。なお、流路長lは、主として、共通液室55から圧力室52まで至る流路の長さである。また、流路直径dは、その共通液室55から圧力室52まで至る流路の断面積が円形であって一定であると近似した場合のその流路の直径の平均である。
(数1)
ΔP=λ(128μ・l・Q)/(π・d4)
ここで、lはインク吐出ヘッド内の流路長、Qは流量、dは流路直径、λは圧力損失係数である。なお、流路長lは、主として、共通液室55から圧力室52まで至る流路の長さである。また、流路直径dは、その共通液室55から圧力室52まで至る流路の断面積が円形であって一定であると近似した場合のその流路の直径の平均である。
インクの流量が一定であってインクの粘度が変動する場合における、インク温度、インク粘度、流量Q、流路長l、流路直径d、圧力損失ΔPをの対応関係の例を図13に示す。
試算の前提条件は以下の通りである。
・ ヘッド条件:液適量2pl、ノズル数128、吐出周波数20kz、1/2Dutyで吐出
(2)インク粘度:0.0004Pa.s(25℃)
(3)圧力損失部の流路径 φ2.5mm
(4)圧力損失部の流路長 25mm
目標可変設定部188は、共通液室内の内圧を調整する際の目標となる圧力の範囲(目標範囲)を可変設定するものである。
・ ヘッド条件:液適量2pl、ノズル数128、吐出周波数20kz、1/2Dutyで吐出
(2)インク粘度:0.0004Pa.s(25℃)
(3)圧力損失部の流路径 φ2.5mm
(4)圧力損失部の流路長 25mm
目標可変設定部188は、共通液室内の内圧を調整する際の目標となる圧力の範囲(目標範囲)を可変設定するものである。
[初期負圧設定処理]
図14は、初期負圧設定処理の流れの一例の概略を示すフローチャートである。
図14は、初期負圧設定処理の流れの一例の概略を示すフローチャートである。
この初期負圧設定処理は、インクの初期充填時や、長期間未使用後のパワーオン時などに、プログラムに従って、実行される。
図14において、まず、インク供給調整部176を開放し(S102)、インク吐出ヘッド50のノズル面50Aにキャップ64を当てて、吸引ポンプ67によりノズル51の吸引を行うことにより、インク吐出ヘッド50内にインクを充填する(S104)。
すなわち、インクタンク60に至るインク供給管路650から、開放されたインク供給調整部176を介して、共通液室55にインクが流入し、そのインクが共通液室55から圧力室52及びノズル51に至るまで充填される。
次に、インク供給調整部176を閉鎖し(S106)、吸引ポンプ67でノズル51の吸引を行う(S108)。ここで、吸引ポンプ67による吸引の代わりに、空吐出を行うようにしてもよい。
内圧検出部174によって検出された共通液室55の内圧(測定値)を取得し(S110)、その内圧が初期設定用の負圧の規定範囲内であるか否か、すなわち予め決められた初期設定用の基準負圧を中心とした規定範囲内であるか否かを判定する(S112)。
ここで、「内圧」は、大気圧(1013hPa)を基準に表される。内圧が大気圧よりも低いとき、「負圧」という。「基準負圧」も、大気圧との差分で表される。例えば、大気圧よりも「300Pa」だけ低い圧力(負圧)を基準としている場合、「基準負圧」は「―300Pa」である。なお、「基準負圧」は、大気圧を基準として、一般に、―100Pa〜―500Paの範囲内で選択される。また、初期設定用の負圧の規定範囲を示す「上限値」及び「下限値」は、「基準負圧」を基準に表される。例えば、「±20Pa」とは、「上限値」が「基準負圧+20Pa」であって、「下限値」が「基準負圧―20Pa」である。
適正値でないとき、具体的には共通液室55の内圧が初期設定用の負圧の規定範囲よりも高いときには、ノズル51の吸引(又は空吐出)を継続する。
適正値であるとき、すなわち共通液室55の内圧が初期設定用の負圧の規定範囲に達したときには、共通液室55の内圧の初期設定を終了する。
[プリント中の内圧調整処理]
図15は、プリント中(画像形成中)の内圧調整処理の流れの一例を示す概略フローチャートである。
図15は、プリント中(画像形成中)の内圧調整処理の流れの一例を示す概略フローチャートである。
この内圧調整処理は、プリント中に、プログラムに従って実行される。
図15において、ページプリント(記録媒体の1ページ単位に行うプリントである)が開始されるとき、まず、インク吐出ヘッド50の共通液室55の内圧の測定値を取得する(S202)。
具体的には、内圧検出部174によって、共通液室55内に設けられた可撓性シート72の変形量を検出することにより共通液室55の内圧が検出されるので、この内圧検出部174の検出結果(共通液室55の内圧)を内圧検出部174から取得する。
次に、インク吐出ヘッド50の共通液室55の内圧が初期負圧としての適正値であるか否かを判定する(S204)。
具体的には、内圧検出部174によって検出された内圧の値と、共通液室55の初期負圧としての適正範囲内(例えば基準負圧±20Pa以内)であるか否かを示す上限値及び下限値と比較する。
ここで、「内圧」は、大気圧(1013hPa)を基準に表される。内圧が大気圧よりも低いとき、「負圧」という。「基準負圧」も、大気圧との差分で表される。例えば、大気圧よりも「300Pa」だけ低い圧力(負圧)を基準としている場合、「基準負圧」は「―300Pa」である。なお、「基準負圧」は、大気圧を基準として、一般に、―100Pa〜―500Paの範囲内で選択される。また、内圧調整の目標範囲を示す「上限値」及び「下限値」は、「基準負圧」を基準に表される。例えば、「±20Pa」とは、「上限値」が「基準負圧+20Pa」であって、「下限値」が「基準負圧―20Pa」である。
共通液室55の内圧が適正値でないと判定したとき、規定圧力よりも低いか否かを判定する(S206)。すなわち、共通液室55の内圧が、適正範囲の下限値(例えば基準負圧−20Pa)よりも低いのか、それとも、適正範囲の上限値(例えば基準負圧+20Pa)よりも高いのかによって、どのような内圧調整を行うかを判定する。ここで、基準負圧は、予め決められた理想的な負圧である。適正範囲は、インク吐出ヘッド50のノズル51のメニスカス(インク面)がノズル面から若干引き込んだ状態のまま停止するような負圧の範囲であって、インクの表面張力によって、ノズル51からインクが離脱することがなく、且つ、インクが引き込み続けることがない範囲な値である。
共通液室55の内圧が適正範囲の下限値(例えば基準負圧―20Pa)よりも低いときには、図6のインク供給調整バルブ76を開放する(S208)。そうすると、共通液室55の内圧は、大気圧に向けて、実際には適正範囲内(基準負圧±20Pa以内)となるように、徐々に、増加していく。
一方で、共通液室55の内圧が適正範囲の上限値(例えば基準負圧+20Pa)よりも高いときには、図6のインク供給調整バルブ76が閉鎖されていればその閉状態を維持する一方で開放されていれば閉鎖して、空吐出(又はノズル吸引)を行う(S210)。そうすると、共通液室55の内圧は、負圧方向に推移して、実際には適正範囲内(基準負圧±20Pa以内)となるように、徐々に、減少していく。
また、ステップS204において、共通液室55の内圧が適正値であると判定したときには、プリント用の吐出を開始する(S212)。すなわち、ページ単位のプリントが開始される。
また、ページ単位のプリント中、インク吐出ヘッド50の共通液室55の内圧の測定値を取得して(S222)、共通液室55の内圧がプリント中の適正値であるか否かを判定する(S224)。
具体的には、内圧検出部174によって検出された内圧の値と、プリント中の負圧としての適正範囲内(例えば基準負圧±50Pa以内)であるか否かを示す上限値及び下限値と比較する。
共通液室55の内圧が適正値でないと判定したとき、規定圧力よりも低いか否かを判定する(S226)。すなわち、共通液室55の内圧が、適正範囲の下限値(基準負圧−50Pa)よりも低いのか、それとも、適正範囲の上限値(基準負圧+50Pa)よりも高いのかによって、どのような内圧調整を行うかを判定する。
共通液室55の内圧が適正範囲の下限値(基準負圧―50Pa)よりも低いときには、図6のインク供給調整バルブ76を開放する(S222)。そうすると、共通液室55の内圧は、大気圧に向けて、実際には適正範囲内(基準負圧±50Pa以内)となるように、徐々に、増加していく。
一方で、共通液室55の内圧が適正範囲の上限値(基準負圧+50Pa)よりも高いときには、図6のインク供給調整バルブ76が閉鎖されていればその閉状態と維持する一方で開放されていれば閉鎖して、空吐出(又はノズル吸引)を行う(S230)。そうすると、共通液室55の内圧は、負圧方向に推移して、実際には適正範囲内(基準負圧±50Pa以内)となるように、徐々に、増加していく。
また、ステップS204において、共通液室55の内圧が適正値であると判定したときには、インク吐出ヘッド50からのインクの吐出を続行して、単位ページ(1ページ)分のプリント終了か否かを判定し(S232)、プリントする次ページの有無を判定する(S234)。
ここで、プリントする次ページが有る場合には、次ページのプリントを開始し(S200)、プリントする次ページが無い場合には、待機する(S236)。
なお、プリントする次ページがある場合、インク吐出ヘッド50の共通液室55の内圧の測定値を取得し(S202)、初期負圧としての適正値であるか否かを判定する(S204)。ここで、共通液室55の内圧が適正値でないと判定したとき、規定圧力よりも低いか否かを判定し(S206)、適正範囲の下限値(例えば基準負圧―20Pa)よりも低いときには、インク供給調整部176を開放する(S208)一方で、適正範囲の上限値(例えば基準負圧+20Pa)よりも高いときには、インク供給調整部176が閉鎖されている状態で空吐出(又はノズル吸引)を行う(S210)。
すなわち、各ページごとの吐出終了時点で共通液室55の内圧が目標の範囲の下限値よりも低いときには次ページの吐出を開始しないでインク供給調整部176を開状態に設定して共通液室55の内圧を目標の範囲内の負圧に設定する。
[目標範囲可変設定処理]
図16は、目標範囲可変設定処理の流れの一例の概略を示すフローチャートである。
図16は、目標範囲可変設定処理の流れの一例の概略を示すフローチャートである。
図16において、まず、温度検出部182によって、インク温度が検出される(S302)。ここで、インク温度は、直接的にインク温度を検出する態様に特定限定されず、間接的にインク温度を検出するようにしてもよい。間接的なインク温度検出する例として、外気温を検出し、この外気温をインク温度として用いる。
次に、粘度特定部184によって、インク温度に基づいて、インク温度とインク粘度との相関を示すテーブルデータを参照してインク粘度を特定する(S304)。なお、テーブルデータはメモリ112に予め記憶されている。
次に、特定されたインク粘度に対応する内圧調整用の目標範囲を特定する。具体的には、圧力損失特定部186によって、規定のインク粘度における流路抵抗(圧力損失)に対する流路抵抗(圧力損失)の増減を特定し(S306)、目標可変設定部188によって、インク吐出ヘッド50内の内圧調整の目標範囲を可変設定する(S308)。
例えば、図13中の「目標範囲」の欄に示したように、インク温度が25℃であるときには、基準負圧を「―300Pa」に設定する。なお、基準負圧を基準にして上限値及び下限値は「±50Pa」である。すなわち、内圧の目標範囲は、―250乃至―350Paに可変設定される。
また、インク温度が15℃であるときには、基準負圧を25℃のときよりも130Paだけ高くさせた「―170Pa」に変更する。なお、基準負圧を基準にして上限値及び下限値は「±50Pa」である。すなわち、内圧の目標範囲は、―120Pa乃至―220Paに可変設定される。
また、インク温度が35℃であるときには、基準負圧を25℃のときよりも130Pa低くさせた「―430Pa」に変更する。なお、基準負圧を基準にして上限値及び下限値は「±50Pa」である。すなわち、内圧の目標範囲は、―380Pa乃至―380Paに可変設定される。
なお、インクを吐出するインク吐出ヘッド50に本発明を適用した場合を例に説明したが、「液体」は、インクに限定されるものではなく、他の液体を吐出する場合にも本発明を適用できることは言うまでもない。例えば、配線を形成する際に用いる液体や、接着剤として用いる液体を吐出するなどの各種産業用途に本発明の液体吐出ヘッドを適用できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
10…画像形成装置、50…インク吐出ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、55…共通液室、56…振動板、58…圧電素子、60…インクタンク、64…キャップ、66…クリーニングブレード、67…吸引ポンプ、68…回収タンク、72…可撓性シート、74…内圧検出センサ(内圧検出部174)、76…インク供給調整バルブ(インク供給調整部176)、111…通信インターフェース、112、152…メモリ、150…プリント制御部、154…ヘッドドライバ、160…吸引制御部、170…内圧調整部、182…温度検出部、184…粘度特定部、188…目標可変設定部
Claims (15)
- 液体を吐出する複数の吐出口と、
前記複数の吐出口に連通する複数の圧力室と、
前記複数の圧力室内の液体に圧力を付与する複数のアクチュエータと、
前記複数の圧力室に液体を供給する共通液室であって、壁面の一部が可撓性の薄膜によって形成されている共通液室と、
前記共通液室の内圧を検出する内圧検出手段と、
前記共通液室よりも上流の流路から前記共通液室内に液体が供給される前記共通液室の液体供給口に配置され、前記共通液室内へ液体が供給される開状態と前記共通液室を該共通液室よりも上流の前記流路から遮断する閉状態とを有し、前記共通液室内への液体の供給を調整する液体供給調整手段と、
を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記薄膜は、弾性膜であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記薄膜は、可塑性の材料からなり、弾性の板材が接合されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記薄膜は、一方の面が前記共通液室内の液体に接液し、他方の面が大気に開放されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記内圧検出手段は、前記薄膜の変形量を検出することにより前記共通液室の内圧を検出することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置。
- 請求項1乃至5の何れか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドの前記吐出口から前記液体吐出ヘッド内の液体及び気体を吸引する吸引手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記液体供給調整手段を開状態に設定するとともに、前記吸引手段による吸引を行って、前記液体吐出ヘッド内に液体を充填後、前記液体供給調整手段を閉状態に設定するとともに、前記吸引手段による吸引又は前記吐出口からの空吐出を行って、前記共通液室の内圧を予め決められた圧力に初期設定する制御手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する画像形成中に、前記内圧検出手段により検出された前記共通液室の内圧に基づいて前記液体供給調整手段を開閉させて前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定する制御手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する際、各ページごとの吐出終了時点で前記共通液室の内圧が目標の範囲の下限値よりも低いときには次ページの吐出を開始しないで前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定する制御手段を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 液体温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段による液体温度の検出結果に基づいて、液体粘度を特定する粘度特定手段と、
前記粘度特定手段による液体粘度の特定結果に基づいて、前記共通液室の内圧の目標範囲を可変設定する可変設定手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、
前記液体供給調整手段を開状態に設定するとともに、前記吐出口の吸引を行って、前記液体吐出ヘッド内に液体を充填後、前記液体供給調整手段を閉状態に設定するとともに、前記吐出口の吸引又は前記吐出口からの空吐出を行って、前記共通液室の内圧を予め決められた圧力に初期設定することを特徴とする圧力調整方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、
前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する画像形成中に、前記内圧検出手段により検出された前記共通液室の内圧に基づいて前記液体供給調整手段を開閉させて前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、
前記吐出口から所定の記録媒体に向けて液体を吐出して前記記録媒体上に画像を形成する際、各ページごとの吐出終了時点で前記共通液室の内圧が目標の範囲の下限値よりも低いときには次ページの吐出を開始しないで前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を目標の範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの内圧を調整する圧力調整方法であって、
液体温度を検出し、
前記液体温度の検出結果に基づいて、液体粘度を特定し、
前記液体粘度の特定結果に基づいて、前記共通液室の内圧の目標範囲を可変設定し、
前記内圧検出手段によって検出された前記共通液室の内圧が前記目標範囲の下限値よりも低いときは前記液体供給調整手段を開状態に設定して前記共通液室の内圧を前記目標範囲内の圧力に設定することを特徴とする圧力調整方法。
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- 2005-07-20 JP JP2005210287A patent/JP2007021996A/ja active Pending
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