JP2007216582A - 液体吐出装置および液体回復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体温度が変動する場合であっても、溶存気体の気泡化に因る吐出異常の発生を確実に低減すること。
【解決手段】 液体吐出ヘッド50内の液体の飽和溶存酸素量を特定する手段と、液体吐出ヘッド50内の液体の溶存酸素量を特定する溶存酸素計74と、液体吐出ヘッド50内の液体の溶存気体量を低減する液体回復処理を行う脱気装置62等と、飽和溶存酸素量と溶存酸素量との差分に基づいて、脱気装置62等による液体回復処理の実行及び非実行を制御する液体回復制御手段を備えた。
【選択図】 図8

Description

本発明は液体吐出装置および液体回復方法に係り、特に液体の溶存気体量を管理して、液体の好ましい状態を維持できる液体吐出装置および液体回復方法に関する。
近年、インクジェットプリンタが普及している。インクジェットプリンタは、紙等の被吐出媒体に向けてノズルからインクを吐出することにより、被吐出媒体上に画像を形成する。また、インクを吐出する吐出手段としては、ノズルに連通する圧力室内のインクに圧力波を与えるいわゆるピエゾ方式のアクチュエータを用いるインクジェットヘッドや、圧力室内のインクを加熱してバブルを発生させるいわゆるサーマルジェット方式のアクチュエータを用いるインクジェットヘッド等が知られている。これらの吐出手段を動作させることによってノズルからインクが吐出され、被吐出媒体上には画像が形成される。
このようなインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッド内のインクに意図しない不要な気泡が生じると、アクチュエータからインクに与える圧力に損失が発生し、インクの吐出量異常、吐出方向異常、不吐出等の吐出異常を発生させることになる。かかる吐出異常は、画像品質を著しく低下させてしまうことになる。
特許文献1には、インクジェットヘッドから吐出される液体として使われずにインクジェットヘッドから排出された液体中の溶存気体量を測定し、測定された溶存気体量の測定値を基に、インクジェットヘッド内の液体中の溶存気体量が所定の値以下となるようにインクジェットヘッド内の液体中の溶存気体量を管理するようにしたものが記載されている。具体的には、インクジェットヘッドから排出された液体中の溶存気体量の測定値が所定の値を超えたとき、インクジェットヘッドへの液体の供給を停止して、タンク内の液体中の溶存気体を除去した後に、タンク内の液体をインクジェットヘッドに供給する。
特開2000−190529号公報
しかしながら、インクジェットヘッドやインク供給系における環境変動、特に温度変動に伴って、インクの飽和溶存気体量が変動すると、その飽和溶存気体量と実際の溶存気体量との差分(気体溶解能力)が変化する。すなわち、インクジェットヘッドから吐出されるべきインクに溶解している溶存気体の気泡化し易さの程度が、インク温度の変動等に左右されてしまう。
したがって、脱気装置等を用いてインクジェットヘッド内のインク中の溶存気体量が所定の値を超えないようにインクジェットヘッド内のインク中の溶存気体量を管理したとしても、インクジェットプリンタの起動後にインクの温度が上昇すると、インクジェットヘッド内のインク中に溶解している溶存気体が気泡化して吐出圧力の損失を招き、これに因り不吐出等の吐出異常が発生するという課題がある。
また、溶存気体量が所定値よりも大きいときには、プリントを中断して脱気装置等を用いて溶存気体を除去する必要があるので、溶存気体量が所定値以下となるまでプリントを行うことができず、無駄な待ち時間が発生してしまうという課題もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液体温度が変動する場合であっても、溶存気体の気泡化に因る吐出異常の発生を確実に低減することができる液体吐出装置および液体回復方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体を吐出する液体吐出手段と、前記液体吐出手段に液体を供給する液体供給手段と、前記液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量を特定する飽和溶存気体量特定手段と、前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を特定する溶存気体量特定手段と、前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を低減する液体回復処理を行う液体回復手段と、前記飽和溶存気体量特定手段によって特定された前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量特定手段によって特定された前記溶存気体量との差分に基づいて、前記液体回復手段による前記液体回復処理の実行及び非実行を制御する液体回復制御手段を備えたことを特徴とする液体吐出装置を提供する。
この発明によれば、飽和溶存気体量特定手段によって特定された液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量と溶存気体量特定手段によって特定された液体吐出手段内の液体の溶存気体量との差分に基づいて、液体吐出手段内の液体の溶存気体量を低減する液体回復処理の実行及び非実行が制御されるので、液体温度の変動等の環境変動に伴って液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量が変動しても、気泡化し易さの程度を正確に把握して液体回復処理を実行することにより、溶存気体の気泡化に因る吐出異常の発生を確実に低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記飽和溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内における液体の温度、前記液体供給手段内における液体の温度、前記液体吐出手段の温度、及び、前記液体供給手段の温度のうちで、少なくとも何れかの温度に基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
このように、前記液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量は、前記液体吐出手段内における液体の温度に基づいて直接的に特定するか、前記液体供給手段内における液体の温度、前記液体吐出手段の温度、または、前記液体供給手段の温度に基づいて間接的に特定してもよい。言い換えると、液体吐出手段内の液体に係る温度に基づいて、液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量を特定する。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内または前記液体供給手段内において前記溶存気体量を検出することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
このように、前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量は、前記液体吐出手段内において直接的に検出するか、前記液体供給手段内において間接的に検出する。言い換えると、液体吐出手段内の液体に係る溶存気体量を検出する。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の発明において、前記飽和溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内の液体の温度のみでなく前記液体吐出手段内の液体の圧力にも基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
このように、液体吐出手段内の圧力が変動する場合には、液体吐出手段内の液体の温度のみでなく液体吐出手段内の液体の圧力にも基づいて飽和溶存気体量が特定される。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の発明において、前記飽和溶存気体量特定手段は、過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る温度変動履歴に基づいて、今後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定し、該最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
なお、温度変動履歴は、液体吐出手段の液体に係る温度の変動履歴であれば、液体吐出手段内における液体の温度の変動履歴、前記液体供給手段内における液体の温度の変動履歴、前記液体吐出手段の温度の変動履歴、および、前記液体供給手段の温度の変動履歴のうち、何れを用いてもよい。大気の温度(気温)に大きく依存する環境条件下であれば、大気の温度の変動履歴を用いてもよい。
この発明によれば、液体吐出手段内の液体に係る温度の変動履歴に基づいて、今後の使用状態における気泡化し易さの程度を、予測できる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記飽和溶存気体量特定手段は、該液体吐出装置の過去の各起動時における前記液体吐出手段内の液体に係る温度と過去の各起動後の使用状態における前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度との差分のうちで最大値を抽出し、該差分の最大値を該液体吐出装置の今回の起動時における前記液体吐出手段内の液体に係る温度に加算して、今回の起動後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定し、該最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
この発明によれば、装置を使用する時期によって温度上昇幅が異なっても、気泡化し易さの程度を装置の起動時等に的確に予測できる。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記飽和溶存気体量特定手段は、過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度に基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
この発明によれば、気泡化し易さの程度を、簡単に予測できる。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7の何れか1項に記載の発明において、前記液体回復制御手段は、該液体吐出装置の起動時であって前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記液体回復手段による前記液体回復処理を実行することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
この発明によれば、プリントに移行する前に液体の状態を回復でき、しかも、今回の使用状態で気泡化が発生する可能性がある場合のみ液体の状態を回復できる。したがって、プリント中に液体回復処理を行うことによるプリント中断を防止でき、しかも、起動時の液体回復処理も必要最小限にすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の発明において、前記液体吐出手段と前記液体供給手段との間には、前記液体吐出手段内の未吐出の液体を前記液体供給手段へ戻すための液体還流路が設けられているとともに、該液体還流路には、前記液体吐出手段の液体を前記液体供給手段へ送液する送液手段が設けられ、前記液体回復制御手段は、前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記送液手段により前記液体吐出手段内の液体を前記液体供給手段へ送液することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の発明において、前記液体吐出手段と前記液体供給手段との間には、前記液体吐出手段内の未吐出の液体を前記液体供給手段へ戻すための液体還流路が設けられているとともに、該液体還流路には、該液体還流路中の液体から溶存気体を除去する脱気装置が設けられ、前記液体回復制御手段は、前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記脱気装置により前記液体還流路中の液体から溶存気体を除去することを特徴とする液体吐出装置を提供する。
請求項11に記載の発明は、液体を吐出する液体吐出手段内の液体の状態を回復する液体回復方法において、前記液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量を特定するステップと、前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を特定するステップと、前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分に基づいて、前記液体の溶存気体量を低減する液体回復処理を実行するか否かを判定するステップと、前記判定の結果に基づいて前記液体回復処理を実行するステップとを含むことを特徴とする液体回復方法を提供する。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、前記液体吐出手段内の液体に係る温度を取得するステップをさらに含み、前記飽和溶存気体量を特定するステップは、前記液体吐出手段内の液体に係る温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体回復方法を提供する。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る温度変動履歴に基づいて、今後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定するステップをさらに含み、前記飽和溶存気体量を特定するステップは、前記最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする液体回復方法を提供する。
本発明によれば、液体温度が変動する場合であっても、溶存気体の気泡化に因る吐出異常の発生を確実に低減できる。
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体としての記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方に不図示のモータの動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。なお、ベルト33の詳細は後述する。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせ等がある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向 (記録紙搬送方向)と直交方向に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2R>2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録媒体搬送方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、記録媒体搬送方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(即ち1回の記録媒体搬送方向への走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、液体吐出ヘッドが記録媒体搬送方向と略直交する方向に往復動作するシリアル(シャトルスキャン)型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する液体吐出ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターン(或いは実画像)を読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。また、印字検出部24には、打滴されたドットに光を照射させる光源(不図示)を備えている。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合等では、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾン等、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、液体吐出ヘッド50の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各液体吐出ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって液体吐出ヘッドを示すものとする。
図3 (a) は液体吐出ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3 (b) はその一部の拡大図である。また、図3 (c) は液体吐出ヘッド50の他の構造例(液体吐出ヘッド50’)を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3 (a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、液体吐出ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の液体吐出ヘッド50は、図3 (a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における液体吐出ヘッド50は、図3 (a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が記録媒体搬送方向と略直交する方向に記録媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3 (c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して図示しない共通流路と連通されている。
圧力室52の天面を構成している振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、前記共通流路から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53は、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
また、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されている。本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ヒータ等の発熱体によってインクを加圧して気泡を発生させ、その圧力でインクを飛ばすサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
図5は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の一例の構成を示した概要図である。
液体タンク60はインクを供給源たる基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。液体タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
また、液体タンク60と液体吐出ヘッド50との間に不図示のサブタンクを設けてもよい。サブタンクは、液体吐出ヘッド50の内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。サブタンクにより内圧を制御する態様には、大気開放されたサブタンクと液体吐出ヘッド50内のインク室ユニット53とのインク水位の差によりインク室ユニット53内の内圧を制御する態様や、密閉されたサブタンクに接続されたポンプによりサブタンク及びインク室の内圧を制御する態様等があり、何れの態様を適用してもよい。
液体タンク60内のインクは、液体タンク60から液体吐出ヘッド50へ至る液体供給路605を通じて、液体吐出ヘッド50へ送られる。
また、液体吐出ヘッド50内の未吐出インクは、液体吐出ヘッド50から液体タンク60へ至る液体還流路650を通じて、一旦、液体タンク60へ送られた後、再び液体供給路605を通じて、液体吐出ヘッド50へと送られる。
インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル51近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって液体吐出ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から液体吐出ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって液体吐出ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時やプリント待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、液体吐出ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、液体吐出ヘッド50(圧力室52)内のインクに気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には液体吐出ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード66は、ゴム等の弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により液体吐出ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
以上説明したキャップ64、クリーニングブレード66、吸引ポンプ67、回収タンク68は、液体吐出ヘッド50内のインク中の溶媒濃度を回復する手段(言い換えるとインクの粘度状態を回復する手段)の一部を構成する。
また、本実施形態におけるインクジェット記録装置10は、インクの気体溶解能力(インクに対して更に溶解可能な気体の量)を回復する手段を備える。このような気体溶解能力の回復手段については、後に各実施形態ごとに詳説する。
図6は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示すブロック図である。
図6において、インクジェット記録装置10は、主として、液体吐出ヘッド50、液体タンク60、通信インターフェース110、システムコントローラ112、メモリ(第1のメモリ114および第2のメモリ152)、搬送部116、搬送駆動部118、液体供給部122、プリント制御部150、吐出駆動部154、液体回復部162、液体温度検出部172、および、溶存気体量特定部174を含んで、構成されている。
本例では、K(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)及びY(イエロ)の各色のインクをそれぞれ吐出する4つの液体吐出ヘッド50を備えている。
通信インターフェース110は、ホストコンピュータ300から送信される画像データを受信する画像データ入力手段である。通信インターフェース110には、有線、又は、無線のインターフェースを適用することができる。通信インターフェース110によってインクジェット記録装置10に取り込まれた画像データは、画像データ記憶用の第1のメモリ114に一旦記憶される。
システムコントローラ112は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する。すなわち、システムコントローラ112は、通信インターフェース110、搬送駆動部118、プリント制御部150等の各部を制御する。
搬送部116は、紙等の記録媒体を搬送するための図1のローラ31、32やベルト33等を含んで構成されている。搬送部116によって、液体吐出ヘッド50と記録媒体とが相対的に移動する。
搬送駆動部118は、システムコントローラ112からの指示に従って搬送部116を駆動するモータおよびその駆動回路を含んで構成されている。
液体供給部122は、液体タンク60および管路(図5の液体供給路605、液体還流路650等)を含んで構成されており、液体タンク60内のインクを液体吐出ヘッド50に対して供給する。
プリント制御部150は、マイクロコンピュータ及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って、液体供給部122、吐出駆動部154、液体回復部162、液体温度検出部172、溶存気体量特定部174等の各部を制御する。
プリント制御部150は、インクジェット記録装置10に入力される画像データに基づいて、各液体吐出ヘッド50が記録媒体に向けて液滴吐出(打滴)を行って記録媒体上にドットを形成するために必要なドットデータを生成する。すなわち、プリント制御部150は、システムコントローラ112の制御に従い、第1のメモリ114内の画像データから打滴用のドットデータを生成するための各種の加工、補正等の画像処理を行う画像処理手段として機能し、生成したドットデータを吐出駆動部154に供給する。
プリント制御部150には第2のメモリ152が付随しており、プリント制御部150における画像処理時にドットデータ等が第2のメモリ152に一時的に格納される。
なお、図6において第2のメモリ152はプリント制御部150に付随する態様で示されているが、第1のメモリ114と兼用することも可能である。また、プリント制御部150とシステムコントローラ112とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
吐出駆動部154は、プリント制御部150から与えられるドットデータ(実際には第2のメモリ152に記憶されたドットデータである)に基づき、各液体吐出ヘッド50に対して吐出用の駆動信号を出力する。詳細には、吐出駆動部154は、ノズル51からの液滴吐出の一回ごとに、液体吐出ヘッド50内の複数のアクチュエータ(図1(b)の58)に対してそれぞれ独立に、液滴吐出用の駆動波形を与える。
液体回復部162は、プリント制御部150の制御により、液体吐出ヘッド50内のインクの溶存気体量を低減する液体回復処理を行って、液体吐出ヘッド50内のインクの気体溶解能力を回復する。
ここで、インクの気体溶解能力(気体溶解キャパシティ)は、インクに対して更に溶解可能な気体の量であり、具体的には、「飽和溶存気体量―現在の溶存気体量」である。この気体溶解能力は、気泡化のし易さを判定するための指標として用いられる。
液体回復部162による液体回復処理の具体的な態様には各種ある。第1に、インクから溶存気体を除去(脱気)することによりインクの溶存気体量を直接的に低減する態様、第2に、インクジェット記録装置10内の全てのインクのうちで溶存気体をより多く含むインクを部分的に排除する態様(例えば図5の吸引ポンプ67を用いて液体吐出ヘッド50からインクを吸引する態様)、第3に、比較的に溶存気体が多く小容量の液体吐出ヘッド50内のインクを、比較的に溶存気体が少なく大容量の液体タンク60へ戻すことによりインクの単位体積当たりの溶存気体量を低減する態様、等がある。
液体温度検出部172は、液体吐出ヘッド50内におけるインクの温度、液体供給部122内におけるインクの温度、液体吐出ヘッド50の温度、及び、液体供給部122の温度のうちで、少なくとも何れかひとつの温度を検出するものである。すなわち、液体吐出ヘッド50内のインクの温度を直接的に特定するか、あるいは、液体供給部122内のインクの温度、液体吐出ヘッド50の温度、液体供給部122の温度などを検出することにより、液体吐出ヘッド50内のインクの温度を間接的に特定する。
以下では、液体温度検出部172が、図4に示す液体吐出ヘッド50内のインクの温度を検出する場合を例に説明する。例えば、サーミスタ(温度計)を共通流路55内に配置し、共通流路内55のインクの温度を検出する。
溶存気体量特定部174は、液体吐出ヘッド50内のインクの溶存気体量、および、液体供給部122内のインクの溶存気体量のうちで、少なくとも何れかの溶存気体量を特定するものである。
例えば、図4に示す液体吐出ヘッド50の共通流路55内に溶存酸素計を配置し、この溶存酸素計によって検出した共通流路内55の溶存酸素量を、インクの溶存気体量として扱う。また、図5に示す液体供給路605内に溶存酸素計を配置し、この溶存酸素計によって検出した液体供給路605内の溶存酸素量を、液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクの溶存気体量として扱うようにしてもよい。ここで、インク中に溶存する気体は、一般に空気であり、この空気の成分中で最も測定が容易な酸素を、溶存気体量特定部174としての溶存酸素計によって計測する。
なお、インク中の溶存気体量を実際に計測する場合に限定されず、推定処理によってインク中の溶存気体量を推定するようにしてもよい。
以下では、溶存気体量特定部174が、液体吐出ヘッド50内のインクの溶存酸素量を検出する場合を例に説明する。
ところで、インク中の溶存気体は、環境の変動、主として、インク温度の変動、および、インクの圧力の変動に因って、気泡化のし易さが変化する。そして、液体吐出ヘッド50内のインクに意図しない不要な気泡が生じると、圧力室52内の吐出圧力が損失し、不吐出等の吐出異常が発生する。
プリント制御部150は、液体温度検出部172によって検出された液体吐出ヘッド50内のインクの温度に基づいて、液体吐出ヘッド50内のインクの飽和溶存酸素量を特定する。ここで、飽和溶存酸素量は非吐出状態で特定されるものとして、すなわち飽和溶存酸素量は圧力がほぼ一定であるという条件下で特定されるものとして、液体吐出ヘッド50内のインクの圧力の変動は無視している。ただし、圧力の変動を無視できない場合には、液体吐出ヘッド50内のインクの温度のみでなく、液体吐出ヘッド50内のインクの圧力にも基づいて、インクの飽和溶存酸素量を特定することが、好ましい。
液体温度と飽和溶存酸素量の関係を図7に示す。図7において、第1の特性曲線701は、インク温度とインク中の飽和溶存酸素量との関係を示しており、第2の特性曲線702は、水温と水中の飽和溶存酸素量との関係を示している。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、図7の第1の特性曲線701に示されているようなインク温度とインク中の飽和溶存酸素量との関係を、変換テーブルとして、第2のメモリ152に予め記憶している。
プリント制御部150は、第2のメモリ152に予め記憶されている変換テーブルを参照して、液体温度検出部172によって検出されたインク温度に対応する飽和溶存気体量を特定する。なお、プリント制御部150がインク温度に基づいて飽和溶存気体量を取得する態様には、各種あり、後に詳細に説明する。
また、プリント制御部150は、プリント制御部150で特定された飽和溶存気体量と、溶存気体量特定部174によって特定された溶存気体量との差分を算出する。すなわち、プリント制御部150は、既に気体が溶存しているインクに対して更に溶解可能な気体の量(気体溶解能力)を算出する。
そして、プリント制御部150は、プリント制御部150で算出された気体溶解能力に基づいて、液体回復部162による液体回復処理の実行及び非実行を制御する。
なお、図6に示す例では、プリント制御部150によって、本発明における飽和溶存気体量特定手段および液体回復制御手段が構成されている。
以下では、各実施形態に分けて、液体吐出ヘッド50内の液体の気体溶解能力の回復(以下では単に「液体回復」という)について、詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図8は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置10における液体回復に関する要部を示すブロック図である。図8において、図5のインク供給系のブロック図で既に示した構成要素には同じ符号を付してあり、既に説明した内容については以下ではその説明を省略する。なお、図8中、矢印で示した方向はインクの流れる方向を示している。
図8に示すように、本実施形態において、液体吐出ヘッド50から液体タンク60へ至る液体還流路650には、バルブ622、送液ポンプ624、および、脱気装置62が設けられている。言い換えると、液体供給路605の上流側から液体還流路650の下流側へ向けて、液体タンク60、液体吐出ヘッド50、バルブ622、送液ポンプ624、脱気装置62の順に配置されている。
また、液体吐出ヘッド50の共通流路55内には、図6の液体温度検出部172としての温度計72と、図6の溶存気体量特定部174としての溶存酸素計74が配置されている。
図9は、図8に示した脱気装置62の概略構成図である。
脱気装置62は、脱気領域62Aに気体透過性を有する中空繊維束、例えば、フッ素系のチューブやシリコン系のチューブから成る内部液体流路62Bを備える。液体吐出ヘッド50から送られてきたインクは、内部液体流路62Bを通過する際に減圧脱気処理を施された後に液体タンク60へ供給される。
前記減圧脱気処理では、脱気領域62Aを真空ポンプ62Cによって減圧させると、内部インク流路62Bの外周から作用している負圧の作用を受けてインク内に溶存している気体が分離され、この分離された気体は真空ポンプ62Cを介して大気中に排出される。また、脱気装置62は脱気領域内の圧力(真空度)を管理するために真空計62Dを備えている。
なお、脱気装置62におけるインクの脱気方式は、上述した真空(減圧脱気)方式等公知の技術を適用可能であり、更に、超音波振動方式や遠心分離方式等の様々な方法を適用可能である。
図8のバルブ622は、液体還流路650を開閉する。
図8の送液ポンプ624は、液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクを液体タンク60へ送液する。
図8に示した脱気装置62、バルブ622、及び、送液ポンプ624は、図6の液体回復部162を構成し、図6のプリント制御部150によって制御される。
図6のプリント制御部150は、液体回復処理を実行する場合、液体還流路650上のバルブ622を開状態に設定して送液ポンプ624を駆動することにより液体還流路650を介して液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクを液体タンク60へ送液するとともに、脱気装置62を駆動することにより液体還流路650中のインクから溶存気体(酸素だけでなくそれ以外の気体も含む)を除去する。
液体タンク60は、アルミ蒸着などの処理が施された、遮気性の高い部材で形成された可塑性を有する袋状のもの(可塑性袋)であることが、好ましい。また、液体タンク60内のインクは、予め脱気された脱気インクであることが、好ましい。
次に、第1実施形態に係るインクジェット記録装置10の液体回復処理例について説明する。
図10は、液体回復処理の一例の流れを示すフローチャートである。この液体回復処理は、所定のプログラムに従って、図6のプリント制御部150によって実行される。
図10において、まず、温度計72によって液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクの温度を検出する(ステップS2)。
次に、図6のプリント制御部150は、図6のメモリ152に予め記憶されているインク温度対飽和溶存酸素量の変換テーブルに基づいて、ステップS2で検出されたインク温度に対応する飽和溶存酸素量Aを特定する(ステップS10)。
次に、溶存酸素計74によって、液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクに実際に溶存している酸素量(溶存酸素量B)を検出する(ステップS12)。
次に、プリント制御部150は、ステップS10で特定した飽和溶存酸素量AとステップS12で検出したインクの溶存酸素量Bとの差分(A−B)すなわち気体溶解能力を算出して、この差分(A−B)が、予め決められた閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS14)。
ここで、閾値は、気体の溶解速度が遅くなる気体溶解能力、例えば溶存酸素量に換算して「1.5mg/l」とすることが、適度の液体回復を実施する上で、好ましい。
飽和溶存酸素量とインクの溶存酸素量との差分(A−B)が、閾値以下であるときには、液体回復処理を実行する(ステップS16)。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、液体回復処理(ステップS16)において、液体還流路650上のバルブ622を開き、液体吐出ヘッド50の共通流路55内の未吐出インクを、送液ポンプ624によって液体還流路650を通じて液体タンク60へ送液しながら、液体還流路650上の脱気装置62によって液体還流路650中の液体から溶存気体を除去する。
その後、液体吐出ヘッド50を用いたプリントが行われる(ステップS18)。
図11は、液体回復処理の他の例の流れを示すフローチャートである。この液体回復処理は、所定のプログラムに従って、図6のプリント制御部150によって実行される。
なお、本例では、現在に直近の過去の所定期間分(例えば過去1週間分)のインク温度の変動を示すデータ(温度変動履歴)が、プリント制御部150の制御によって、図6のメモリ152に記憶されている。この温度変動履歴には、詳細には、インクジェット記録装置10の過去の各起動時における液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインク温度(「起動時インク温度」と称する)と、インクジェット記録装置10の過去の各起動後の使用状態における液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクの最高温度(「使用時最高インク温度」と称する)と、インクジェット記録装置10の過去の各起動ごとの使用時最高インク温度と起動時インク温度との差分(「インク温度上昇幅」と称する)と、が登録されている。
図11において、インクジェット記録装置10が起動されると、温度計72によって液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインク温度(今回の起動時インク温度)が検出される(ステップS22)。検出された起動時インク温度は、前述の温度変動履歴の一部として、図6のメモリ152に記憶される(ステップS24)。
次に、図6のプリント制御部150は、図6のメモリ152に予め記憶されている温度変動履歴を参照し、過去の所定期間(例えば過去1週間)における各起動時インク温度と各起動後の使用時最高インク温度との差分Δti(すなわち各起動ごとのインク温度上昇幅)から、最大値を抽出する(ステップS26)。
例えば、図12は、過去1週間のうちで最初の3日間分のインク温度上昇幅(△t1、△t2、△t3)、すなわち、7日前(第1日)の使用時最高インク温度tmx1−起動時インク温度ts1、6日前(第2日)の使用時最高インク温度tmx2−起動時インク温度ts2、および、5日前(第3日)の使用時最高インク温度tmx3−起動時インク温度ts3を、示している。これらのインク温度上昇幅(△t1、△t2、△t3)は温度変動履歴に登録されている。同様に、4日前から1日前までのインク温度上昇幅(△t4、△t5、△t6、△t7)についても温度変動履歴に登録されている。これらのインク温度上昇幅△ti(i=1〜7)のうちで、もしも5日前(第3日)のインク温度上昇幅△t3が最大であれば、この△t3を抽出する。なお、インクジェット記録装置10が起動されなかった日のインク温度上昇幅は温度変動履歴に登録されておらず除外される。
次に、プリント制御部150は、ステップS26で抽出した最大値(例えばΔt3)をステップS22で検出した今回の起動時インク温度に加算することにより、今回の起動後の使用状態で生じ得るインク最高温度(今回の使用時最高インク温度)を推定する(ステップS28)。
次に、プリント制御部150は、推定された今回の使用時最高インク温度に対応する飽和溶存酸素量Aを、メモリ152に予め記憶されているインク温度対飽和溶存酸素量の変換テーブルに基づいて特定する(ステップS30)。
次に、溶存酸素計74によって、液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクに実際に溶存している酸素量(溶存酸素量B)を検出する(ステップS32)。
次に、プリント制御部150は、ステップS30で特定した飽和溶存酸素量AとステップS32で検出したインクの現在の溶存酸素量Bとの差分(A−B)を算出して、この差分(A−B)すなわち気体溶解能力が予め決められた閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップS34)。
ここで、閾値は、気体の溶解速度が遅くなる気体溶解能力、例えば溶存酸素量に換算して「1.5mg/l」とすることが、適度の液体回復を実施する上で、好ましい。
飽和溶存酸素量とインクの溶存酸素量との差分(A−B)が、閾値以下であるときには、液体回復処理を実行する(ステップS36)。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、液体回復工程(ステップS36)において、液体還流路650上のバルブ622を開き、液体吐出ヘッド50の共通流路55内の未吐出インクを、送液ポンプ624によって液体還流路650を通じて液体タンク60へ送液しながら、液体還流路650上の脱気装置62によって液体還流路650中の液体から溶存気体を除去する。
その後、画像データの入力を待って(ステップS38)、プリントが行われる(ステップS40)。
プリントを行うごとに、温度計72によって今回の使用時インク温度を検出する(ステップS42)。検出された今回の使用時インク温度は、温度変動履歴の一部として、プリント制御部150によってメモリ152に記憶される。今回のインク温度上昇幅(今回の「使用時最高インク温度」―今回の「起動時インク温度」)については、ステップS42で登録および更新を行うようにしてもよいし、インクジェット記録装置10の稼働終了時に登録するようにしてもよい。
本例では、インクジェット記録装置10の過去の各起動時における液体吐出ヘッド50の共通流路50内のインク温度(過去の起動時インク温度)とインクジェット記録装置10の過去の各起動後の使用状態における液体吐出ヘッド50の共通流路50内の最高インク温度(過去の使用時最高インク温度)との差分(過去のインク温度上昇幅)のうちで最大値を抽出し、この最大値(過去のインク温度上昇幅の最大値)をインクジェット記録装置10の今回の起動時における液体吐出ヘッド50内のインク温度(今回の起動時インク温度)に加算して、今回の起動後の使用状態で生じ得る液体吐出ヘッド50内の最高インク温度(今回の使用時最高インク温度)を推定し、この推定された今回の使用時最高インク温度に基づいて液体吐出ヘッド50の共通流路50内のインクの飽和溶存気体量を特定するようになっているので、インクジェット記録装置10を使用する季節によってインク温度上昇幅が異なっても、気泡化し易さの程度をインクジェット記録装置10の起動時に的確に予測できる。例えば、冬場などの急激な温度変動を事前に予測して液体回復動作を実行できるので、気泡化を的確に防止できる。
なお、本発明はこのような場合に特に限定されない。例えば、プリント制御部150が、過去の所定期間内(例えば過去1週間)における液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクの最高温度(例えば過去1週間のうちで最高のインク温度)に基づいて、飽和溶存気体量を特定するようにしてもよい。
また、インクジェット記録装置10の「起動時」とは、電源投入時に特に限定されない。例えば、プリントを長時間停止した後の画像データ入力時など、インクジェット記録装置10の稼働開始時を前記「起動時」として、図11のフローチャートに示す処理を行ってもよい。
〔第2実施形態〕
図13は、第2実施形態に係るインクジェット記録装置10における液体回復に関する要部を示すブロック図である。図10において、図5のインク供給系のブロック図で既に示した構成要素には同じ符号を付してあり、既に説明した内容については以下ではその説明を省略する。また、図10中、矢印で示した方向はインクの流れる方向を示している。
図13に示すように、本実施形態において、液体吐出ヘッド50から液体タンク60へ至る液体還流路650には、バルブ622、および、送液ポンプ624が設けられている。すなわち、液体供給路605の上流側から液体還流路650の下流側へ向けて、液体タンク60、液体吐出ヘッド50、バルブ622、送液ポンプ624の順に配置されている。
また、液体吐出ヘッド50の共通流路55内には、図6の液体温度検出部172としての温度計72と、図6の溶存気体量特定部174としての溶存酸素計74が配置されている。
バルブ622は、液体還流路650を開閉する。送液ポンプ624は、液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクを液体タンク60へ送液する。これらのバルブ622、及び、送液ポンプ624は、図6の液体回復部162を構成し、図6のプリント制御部150によって制御される。
図6のプリント制御部150は、液体回復処理を実行する場合、液体還流路650上のバルブ622を開状態に設定して送液ポンプ624を駆動することにより液体還流路650を介して液体吐出ヘッド50の共通流路55内のインクを液体タンク60へ送液する。
液体タンク60は、アルミ蒸着などの処理が施された、遮気性の高い部材で形成された可塑性を有する袋状のもの(可塑性袋)であることが、好ましい。また、液体タンク60内のインクは、予め脱気された脱気インクであることが、好ましい。
第2実施形態に係るインクジェット記録装置10の液体回復処理としては、図10に示す液体回復処理、および、図13に示す液体回復処理を適用できる。
ここで、第2実施形態のインクジェット記録装置10では、液体回復工程(図10のステップS16、または、図13のステップS36)において、液体還流路650上のバルブ622を開き、液体吐出ヘッド50の共通流路55内の未吐出インクを、送液ポンプ624によって液体還流路650を通じて液体タンク60へ送液する。すなわち、液体吐出ヘッド50内の溶存気体を多く含むインクを、大容量の液体タンク60へ戻すことにより、液体吐出ヘッド50内におけるインクの単位体積当たりの溶存気体量を低減する。
図14は、環境温度25℃で飽和溶存酸素量Aが7.0mg/lのインクを使用した場合における、吐出液の気体溶解能力(A−B)と、実験により得られた液体吐出ヘッド50の吐出状態(気泡溶解状態)との関係を示す。
図14において、溶存酸素量Bが3.5mg/lのインクを液体吐出ヘッド50に充填して吐出状態を観察したところ、すなわち吐出液の気体溶解能力A−B=7.0−3.5=3.5mg/lにおいて、液体吐出ヘッド50のアクチュエータ58に吐出駆動波形を2回繰り返し与えたとき、不吐出ノズルの発生率は0%であった。すなわち、吐出状態(気泡溶解状態)は良好(「○」)であった。
また、溶存酸素量Bが5.5mg/lのインクを液体吐出ヘッド50に充填して吐出状態を観察したところ、すなわち吐出液の気体溶解能力A−B=7.0−5.5=1.5mg/lにおいて、液体吐出ヘッド50のアクチュエータ58に吐出駆動波形を4回繰り返し与えたとき、不吐出ノズルの発生率は0%であった。すなわち、吐出状態(気泡溶解状態)は良好(「○」)であった。
その一方で、溶存酸素量Bが6.5mg/lのインクを液体吐出ヘッド50に充填して吐出状態を観察したところ、すなわち吐出液の気体溶解能力A−B=7.0−6.5=0.5mg/lにおいて、液体吐出ヘッド50のアクチュエータ58に吐出駆動波形を6回繰り返し与えたとき、不吐出ノズルの発生率は5%であった。すなわち、吐出状態(気泡溶解状態)は不良(「×」)であった。
このような実験結果により、気体溶解能力(A−B)が1.5mg/l以上であれば、不吐出防止に有効であることが確認された。
なお、前述の第1実施形態および第2実施形態において、液体吐出ヘッド50の共通流路55内に配置した温度計72によって液体吐出ヘッド50の共通流路55内の液体温度を検出する場合を例に説明したが、本発明はこのような場合に特に限定されず、液体吐出ヘッド50へ液体を供給する液体供給手段内に配置した温度計によって液体温度を検出するようにしてもよい。例えば、図5に示す液体供給路605において液体吐出ヘッド50の近傍において液体温度を検出する。また、液体吐出ヘッド50の温度を検出し、その温度を液体温度として扱うようにしてもよい。また、液体吐出ヘッド50へ液体を供給する液体供給手段の温度を検出し、その温度を液体温度として扱うようにしてもよい。例えば、図5に示す液体供給路605において液体吐出ヘッド50の近傍において液体供給路605の温度を検出する。
また、前述の第1実施形態および第2実施形態において、液体吐出ヘッド50の共通流路55内に配置した溶存酸素計74によって液体吐出ヘッド50の共通流路55内の液体の溶存酸素量を検出する場合を例に説明したが、本発明はこのような場合に特に限定されず、液体吐出ヘッド50へ液体を供給する液体供給手段内に配置した溶存酸素計によって溶存酸素量を検出するようにしてもよい。例えば、図5に示す液体供給路605において液体吐出ヘッド50の近傍において溶存酸素量を検出する。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよい。
本発明に係る液体吐出装置を適用したインクジェット記録装置の全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の液体吐出ヘッド周辺の要部平面図である。 液体吐出ヘッドの構造例を示す平面透視図である。 図3中の4−4線に沿う断面図である。 図1に示したインクジェット記録装置の液体供給系の基本構成を示す要部ブロック図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 温度対飽和溶存気体量の変換テーブルの説明に用いる説明図である。 第1実施形態における液体回復に関する要部を示すブロック図である。 脱気装置の一例を示す構成図である。 液体回復処理の一例を示すフローチャートである。 液体回復処理の他の例を示すフローチャートである。 インクジェット記録装置の起動後の使用状態で生じ得る液体の最高温度の推定の説明に用いる説明図である。 第2実施形態における液体回復に関する要部を示すブロック図である。 吐出液の気泡溶解能力(A:飽和溶存気体量―B:溶存気体量)と吐出状態との関係について実験結果を示す説明図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…液体吐出ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、55…共通流路、60…液体タンク、62…脱気装置、72…温度計(温度検出手段)、74…溶存酸素計(溶存気体量特定手段)、114、152…メモリ、112…システムコントローラ、116…搬送部、122…液体供給部、150…プリント制御部(飽和溶存気体量特定手段、液体回復制御手段)、162…液体回復部、172…液体温度検出部、174…溶存気体量特定部、605…液体供給路、622…バルブ、624…送液ポンプ、650…液体還流路

Claims (13)

  1. 液体を吐出する液体吐出手段と、
    前記液体吐出手段に液体を供給する液体供給手段と、
    前記液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量を特定する飽和溶存気体量特定手段と、
    前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を特定する溶存気体量特定手段と、
    前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を低減する液体回復処理を行う液体回復手段と、
    前記飽和溶存気体量特定手段によって特定された前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量特定手段によって特定された前記溶存気体量との差分に基づいて、前記液体回復手段による前記液体回復処理の実行及び非実行を制御する液体回復制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記飽和溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内における液体の温度、前記液体供給手段内における液体の温度、前記液体吐出手段の温度、及び、前記液体供給手段の温度のうちで、少なくとも何れかの温度に基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内または前記液体供給手段内において前記溶存気体量を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記飽和溶存気体量特定手段は、前記液体吐出手段内の液体の温度のみでなく前記液体吐出手段内の液体の圧力にも基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記飽和溶存気体量特定手段は、過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る温度変動履歴に基づいて、今後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定し、該最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記飽和溶存気体量特定手段は、該液体吐出装置の過去の各起動時における前記液体吐出手段内の液体に係る温度と過去の各起動後の使用状態における前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度との差分のうちで最大値を抽出し、該差分の最大値を該液体吐出装置の今回の起動時における前記液体吐出手段内の液体に係る温度に加算して、今回の起動後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定し、該最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記飽和溶存気体量特定手段は、過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度に基づいて、前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体回復制御手段は、該液体吐出装置の起動時であって前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記液体回復手段による前記液体回復処理を実行することを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記液体吐出手段と前記液体供給手段との間には、前記液体吐出手段内の未吐出の液体を前記液体供給手段へ戻すための液体還流路が設けられているとともに、該液体還流路には、前記液体吐出手段の液体を前記液体供給手段へ送液する送液手段が設けられ、
    前記液体回復制御手段は、前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記送液手段により前記液体吐出手段内の液体を前記液体供給手段へ送液することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記液体吐出手段と前記液体供給手段との間には、前記液体吐出手段内の未吐出の液体を前記液体供給手段へ戻すための液体還流路が設けられているとともに、該液体還流路には、該液体還流路中の液体から溶存気体を除去する脱気装置が設けられ、
    前記液体回復制御手段は、前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分が所定の規定値よりも小さいとき、前記脱気装置により前記液体還流路中の液体から溶存気体を除去することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 液体を吐出する液体吐出手段内の液体の状態を回復する液体回復方法において、
    前記液体吐出手段内の液体の飽和溶存気体量を特定するステップと、
    前記液体吐出手段内の液体の溶存気体量を特定するステップと、
    前記飽和溶存気体量と前記溶存気体量との差分に基づいて、前記液体の溶存気体量を低減する液体回復処理を実行するか否かを判定するステップと、
    前記判定の結果に基づいて前記液体回復処理を実行するステップと、
    を含むことを特徴とする液体回復方法。
  12. 前記液体吐出手段内の液体に係る温度を取得するステップをさらに含み、
    前記飽和溶存気体量を特定するステップは、前記液体吐出手段内の液体に係る温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項11に記載の液体回復方法。
  13. 過去の所定期間内における前記液体吐出手段内の液体に係る温度変動履歴に基づいて、今後の使用状態で生じ得る前記液体吐出手段内の液体に係る最高温度を推定するステップをさらに含み、
    前記飽和溶存気体量を特定するステップは、前記最高温度に基づいて前記飽和溶存気体量を特定することを特徴とする請求項11に記載の液体回復方法。
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