JP2005231309A - 液吐出装置及び画像形成装置並びに気泡処理方法 - Google Patents

液吐出装置及び画像形成装置並びに気泡処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印字ヘッド内のインクに発生する気泡を効果的に除去することができる液吐出装置及び画像形成装置並びに気泡処理方法を提供する。
【解決手段】脱気インクが供給されている印字ヘッド50の吐出異常が検出されると印字ヘッド50の外部に設けられた振動発生手段102は移動手段を用いて気泡が発生しているインク室ユニット53Aの形成領域に移動され、インク室ユニット53Aの形成領域には振動発生手段102を用いてインク吐出方向と略平行な方向の超音波振動が与えられる。この超音波振動がインク室ユニット53A内のインクに作用すると気泡をインク内に溶け込ませて気泡を消滅させることができる。振動発生手段102はインク吐出用アクチュエータや吐出異常検出用圧電素子と兼用可能である。気泡発生領域に集中的に超音波振動を与えることで効率よく気泡を消滅させることができる。
【選択図】 図11

Description

本発明は液吐出装置及び画像形成装置並びに気泡処理方法に係り、特に吐出ヘッドから吐出される液に発生した気泡を効果的に除去することが可能な気泡除去技術に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェットプリンターが普及している。インクジェットプリンターは記録ヘッドに備えられたノズル等の記録素子をデータに応じて駆動させ、該ノズルから吐出されるインクによって記録紙などの被記録媒体上にデータを形成することができる。また、インクジェットプリンターには、インクを吐出させる吐出手段としてノズルに連通される圧力室に圧力波を与えるPZT アクチュエータ等を用いるものや、インク室(圧力室)内のインクを加熱してバブルを発生させる熱源を用いるものなどがある。これらの吐出手段を動作させることによって加圧されたインクがノズルから吐出され、被記録媒体上へ画像などのデータが形成される。
インクジェットプリンターでは、記録ヘッドの圧力室内に気泡が発生すると、アクチュエータからインクに与えられる圧力の損失が大きくなり、インクの吐出量異常、吐出方向異常、不吐出などの吐出異常を発生させることになる。かかる吐出異常は記録画像に影響を及ぼし、結果として画像品質を著しく低下させてしまう。したがって、吐出異常を遅滞なく検出して該吐出異常の原因を取り除くことによって記録画像の品質を維持することができる。
記録ヘッド内に気泡が発生する原因は、インク供給路からの気泡侵入及びインク内の溶存気体インクの温度上昇などによって気泡化することがある。また、ノズルが汚れる等の理由によってノズルからインクが正常に吐出されないときに実行されるメニスカス振動時に気泡を巻き込んでしまうなど、記録ヘッドの外部からノズルを介して気泡が浸入することも考えられる。
上述した気泡の発生のうち、インク内の溶存気体が気泡化する場合には、記録ヘッドに供給されるインクを予め脱気しておくことで気泡発生を回避することが可能である。また、インク供給路内で強制的に気泡を消滅させる方法や、実用化されている多くの装置で行われているようにノズルからインクを吸引して、インクと共に気泡を記録ヘッドの外部に排出させる方法が用いられる。
一方、ノズルから浸入する気泡に対しては、ノズルの吸引を行い、ノズル内のインクと共に記録ヘッドの外部へ気泡を排出させる方法が有効である。
記録ヘッドを被記録媒体幅方向に走査させて記録を行うシャトルヘッド方式では、記録ヘッドが往復運動を行うので、その際にインク内の気泡はインク内に溶けて消滅することがある。一方、被記録媒体の幅対応したページワイドの記録ヘッドでは、前記シャトルヘッド方式のように往復運動による振動がないので、一度インク内に発生した気泡は再度インク内に溶け込む可能性は極めて低い。
特許文献1に記載された記録装置では、インクタンクと記録ヘッドとの間のインク供給路に超音波発生手段を設けてインクを振動させ、インクに混入した気泡を破壊消滅させるように構成されている。また、超音波発生手段よりも記録ヘッド側にあるインク供給路にインクに混入した気泡を検出する気泡検出手段を備え、その検出結果によって超音波発生手段を制御するように構成されている。
特開平9−39261号公報
インク内の溶存気体や気泡化した気泡化した気体に対する処理として、気泡化したまま記録ヘッドの外部に排出させる処理と、インクの中に気泡を溶け込ませて、インクの中に気泡を溜めておく処理がある。
インク供給路及び共通流路を含んだインク流路では、インクを循環させてフィルタなどにより気泡をトラップさせたり、気泡を含んだインクを脱気装置に送出して、脱気装置によってインクに含まれた気泡を除去したりするなどの処理を実行することができる。
このように、循環可能な流路内では、気泡のまま記録ヘッドの外部に取り出す方法は効果的であるが、循環させることができない記録ヘッドの圧力室内では気体を回収する方法が実質的にないために気泡をインクに溶け込ませることによってインク内の気泡を除去するしかない。また、インクの消費量を抑えるためにも気泡をインク内に溶け込ませることが好ましい。
特許文献1に開示された記録装置では、インク供給路を超音波発生手段によって振動させることで、気泡が消滅したとしても、記録ヘッドからインクが吐出されるまでに、再度気泡化してしまうことが考えられる。一方、記録ヘッドの外部からノズルを介して記録ヘッド内に侵入する気泡に対しては効果がない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、吐出ヘッド内のインクに発生する気泡を効果的に除去することができる液吐出装置及び画像形成装置並びに気泡処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、脱気された液を供給する液供給手段と、前記液供給手段から前記脱気された液を供給され、被吐出媒体上に液を吐出させる吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに該液の吐出方向と略平行な方向から同方向成分の振動を与えることで前記吐出ヘッド内の該液に発生した気泡を該液に溶け込ませる振動発生手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、振動発生手段を用いて吐出ヘッド内の液に振動を与えることによって、吐出ヘッドの液流路発生した気泡を液内に溶け込ませて消滅させることができる。また、脱気された液を用いることで、液内に溶け込ませることができる気体量に余裕を持たせることができる。
被吐出媒体は、吐出ヘッドから液滴を吐出される媒体であり、連続用紙やカット紙、シール用紙などの紙類、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
また、液には、水、薬液、処理液、インクなどが吐出ヘッドから吐出可能な様々な液体が含まれる。
振動発生手段は吐出ヘッドの外部に備えられてもよいし、吐出ヘッドの内部に備えられてもよい。また、振動発生手段から吐出ヘッドに与えられる振動は、吐出ヘッド内のインクに振動発生手段の振動を作用させることができればよく、様々な周波数帯の振動を適用することができる。
振動発生手段を吐出ヘッドに接触させて直接的に吐出ヘッドを振動させてもよいし、空気を介して間接的に振動を伝達させてもよい。
吐出ヘッドに振動を与える際には、該吐出ヘッドからの吐出が行われないように制御する態様が好ましい。
吐出ヘッド内の液に発生した気泡には、当該吐出ヘッドの外部から浸入した気泡を含んでいてもよい。
請求項2に示すように、請求項1記載の発明において、前記吐出ヘッドに供給される液に含まれる溶存気体の少なくとも一部を取り除く脱気手段を備えたことを特徴としている。
即ち、脱気手段を備えることで、吐出ヘッド内には溶存気体量が一定量以下になるように脱気された液を供給することができる。
脱気装置は吐出ヘッドの液流方向上流側に備える態様が好ましい。
また、請求項3に示すように、請求項1又は2記載の発明において、前記吐出ヘッド内の液に発生する気泡を検出する気泡検出手段を備えたことを特徴としている。
即ち、気泡検出手段によって吐出ヘッド内に気泡が存在すると検出されると、該吐出ヘッドに振動を与えて、該気泡をインク内に溶け込ませるように構成したので、必要に応じて吐出ヘッドに振動を与えることができる。
気泡検出手段は吐出ヘッドの内部に備えてもよいし、吐出ヘッドに液を供給する液供給路に備えてもよい。
また、請求項4に示すように、請求項3記載の発明において、前記吐出ヘッドが有する液滴吐出孔の吐出異常を検出する吐出異常検出手段を備え、前記気泡検出手段は前記吐出異常検出手段と兼用されることを特徴としている。
即ち、吐出ヘッド内の液に気泡が発生すると吐出異常の原因となり得るので、吐出異常を検出した際に吐出ヘッドを振動させ液内に気泡を溶け込ませることで吐出異常を改善させることができる。
吐出異常検出手段は、吐出ヘッド内にセンサを備え、該センサの検出信号に基づいて記録ヘッド内の液の状態を判断する態様や、吐出結果を撮像してその結果画像から吐出異常を判断する態様がある。
また、請求項5に示すように、請求項3又は4記載の発明において、前記振動発生手段を移動させる移動手段と、前記気泡検出手段によって気泡の発生位置が特定されると前記気泡の発生位置に前記移動手段を用いて前記振動発生手段を移動させるように制御する移動制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、気泡検出手段によって気泡が発生している位置を含んだ領域を特定し、該領域を集中的に振動させることで効率よく気泡を消滅させることができる。
特に、被吐出媒体の全幅に対応した長さを有するラインヘッドではヘッドが大型化しているために吐出ヘッド全体に振動を与えても振動伝播にムラが生じることがある。気泡が発生した位置(領域)を特定して、そこに集中的に振動を与えると効果的である。
また、多数の吐出孔を有する吐出ヘッドにおいて、二次元的に液吐出孔及び液吐出孔に対応した液室が配列されているマトリクス型の吐出ヘッドでは、気泡が発生した液室を特定してその液室に振動を与えることで、より効果的に振動エネルギーを使うことができる。
振動発生手段は吐出孔形成面側を移動させるように構成してもよいし、吐出孔形成面と反対面側を移動させるように構成してもよい。
また、請求項6に示すように、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の発明において、前記振動発生手段は超音波振動発生手段を含むことを特徴としている。
即ち、吐出ヘッドに超音波振動を与えることができるので、該吐出ヘッド内の液に発生した気泡を効率よくインク内に溶け込ませることが可能になる。
また、請求項7に示すように、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の発明において、前記吐出ヘッドの液の温度を調節する温度調節手段と、前記振動発生手段から与えられた振動によって前記吐出ヘッド内の気泡を液の中に溶け込ませると前記吐出ヘッド内の液の温度を下げるように前記温度調節手段を制御する温度調節制御手段と、を備えたことを特徴としている。
即ち、液に気泡を溶解させた後に液の温度を下げることで、液内に溶解させた気泡が再気泡化することを防止できる。また、吐出ヘッド内の液の温度を可変可能にすることで、より多くの気泡を液に溶解させることが可能になる。
また、請求項8に示すように、請求項7記載の発明において、前記吐出ヘッドから吐出される液滴に吐出力を与える圧電素子に印加する駆動信号を制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、前記吐出ヘッド内の液の温度が下げられることで高粘度化した液を吐出できるように前記圧電素子に印加する駆動信号を変更することを特徴としている。
例えば、ピエゾ型圧電素子では、該圧電素子に印加される電圧に比例した吐出力を発生させるので、高粘度液を吐出させるためには印加電圧を高くすればよい。
また、請求項9に示すように、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の発明において、前記吐出ヘッドに液を供給する供給路に前記吐出ヘッドに供給される液の溶存気体量を計測する溶存気体計測手段を備えたことを特徴としている。
即ち、吐出ヘッドに供給される液の溶存気体量を把握して、液の溶存気体量が予め定められたしきい値を超えて気泡化する可能性がある場合には吐出ヘッドに振動を与えることで気泡化を予防することができる。
溶存気体測定手段には、液内の酸素量を計測する溶存酸素計が含まれていてもよい。
また、請求項10に示すように、請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の発明において、前記振動発生手段を前記記録ヘッドの内部に備えたことを特徴としている。
振動発生手段を記録ヘッドの内部に備えることで、記録ヘッド周辺の省スペース化に寄与する。
また、請求項11に示すように、請求項10記載の発明において、前記吐出ヘッドの内部に備えられた振動発生手段は、前記吐出ヘッドから吐出される液滴に吐出力を与える吐出用圧電素子或いは前記吐出ヘッド内の気泡を検出する気泡検出手段に用いられる圧電素子のうち少なくとも何れか一方と兼用されることを特徴としている。
即ち、振動発生手段を吐出用の圧電素子や気泡検出手段として用いられる圧電素子と兼用することで、吐出ヘッド内の省スペース化に寄与する。
また、請求項12に示すように、請求項5乃至11のうち何れか1項に記載の発明において、前記吐出ヘッドは、被吐出媒体の記録可能幅に対応した幅を有するフルライン型の吐出ヘッドを含むと共に、マトリクス状に配列された液滴を吐出させる吐出孔と、前記吐出孔から吐出される液を蓄える液室と、を備え、前記移動制御手段は、前記吐出異常検出手段によって吐出異常が検出された吐出孔に対応した液室の形成領域へ前記移動手段を用いて前記振動発生手段を移動させ、振動発生手段は当該液室の形成領域を含んだ領域に振動を与えて当該液室内の液に気泡を溶け込ませることを特徴としている。
即ち、複数の吐出孔に対応する液室をマトリクス状に配列させ、被吐出媒体の記録可能幅に対応した長さを有するフルライン型の吐出ヘッドにおいて、気泡が発生した液室を特定し、該液室に振動を与えて該液室内の気泡を液内に溶け込ませることができる。
気泡が発生した液室が複数ある場合、該液室が近隣の液室であれば、複数の液室に同時に振動を与えればよいし、該液室が離れた位置にある場合には、振動発生手段を移動させて複数回に分けて振動付加を行えばよい。
また、前記目的を達成するために請求項13に係る発明は、被記録媒体上にインク滴を吐出させる記録ヘッドを備えた画像形成装置であって、脱気されたインクを前記記録ヘッドに供給する供給部と、前記記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出方向と略平行な方向から同方向成分の振動を前記記録ヘッドに与えることで前記記録ヘッド内のインクに発生した気泡を該インク内に溶け込ませる振動発生手段と、を備えたことを特徴としている。
また、前記目的を達成するために請求項14に係る発明は、被記録媒体上に液滴を吐出させる吐出ヘッドを備えた液吐出装置の気泡処理方法であって、脱気処理を施された液が供給された前記吐出ヘッドに振動発生手段を用いて振動を与えて、前記吐出ヘッド内の液に発生した気泡を該液に溶け込ませることを特徴としている。
また、請求項15に示すように、請求項14に係る発明は、請求項14に記載した気泡処理方法を前記液吐出装置の電源オン時に実行することを特徴としている。
即ち、装置の電源オン時(装置立ち上げ時)に気泡処理を行うことで、吐出動作中に吐出ヘッド内に気泡が発生したことにより吐出動作を停止することを予防できる。
電源オン時には該装置が非常停止した場合の電源再立ち上げ(イニシャライズ動作)や、オペレータによるリセット動作など、装置の初期化動作を含んでいてもよい。
また、請求項16に示すように、請求項14又は15に係る発明は、前記吐出ヘッドの外部に備えられた振動発生手段と同期して前記吐出ヘッド内部に備えられた前記吐出ヘッドから吐出される液に吐出力を与える吐出用圧電素子及び前記吐出ヘッドの吐出異常を検出する吐出異常検出用圧電素子を動作させることを特徴としている。
即ち、外部に設けられた振動発生手段に同期して吐出用圧電素子や吐出異常検出用圧電素子を動作させると、吐出ヘッドを効果的に振動させることができ、気泡の溶解効率を高めることができる。
本発明によれば、脱気されたインクが供給される吐出ヘッドに液吐出方向と略平行な方向から同方向成分を有する振動を与える振動発生手段を備えたので、記録ヘッド内の液に発生した気泡を該液内に溶け込ませることができる。したがって、吐出ヘッド内に気泡が発生することを防止できると共に、該気泡を原因とする吐出異常を防止することができる。また、吐出ヘッド内の液に発生した気泡を検出する気泡検出手段を備えたので、該吐出ヘッド内の液に気泡が検出されると吐出ヘッドに振動を与え、気泡を消滅させることができる。該振動発生手段から吐出ヘッドに与えられる振動は超音波振動を適用するとよい。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図8中符号88として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが(図3乃至図5)、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、記録紙搬送方向と記載)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yには、該印字ヘッド内のインクの温度を一定に保つようにヘッド温調(図1には不図示、図7に符号112として図示)を備えている。該ヘッド温調手段は、印字ヘッド12K,12C,12M,12Y内のインク温度を計測する温度センサと該インクを加熱するヒータなどの加熱手段及び該インクを冷却する冷却ファンなどの冷却手段を備えている。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。吐出検出の詳細については後述する。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a) 中の4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3(a) 〜(c) 及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態における印字ヘッド50は、図3(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口(不図示)が設けられている。各圧力室52は供給口を介して共通流路(不図示)と連通されている。
図4に示すように圧力室52の天面を構成している加圧板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
なお、図4に示したインク室ユニット53の構造はPZT (ピエゾ)型アクチュエータを備えたインク室ユニットの基本的な構造を示しており、これ以外にも様々な構造を有するインク室ユニットを適用することができる。
かかる構造を有する多数のインク室ユニット53を図5に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル51が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(記録紙搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクスに配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図6に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、サブタンク61、異物や気泡を除去するためにフィルタ62、印字ヘッド50に供給されるインクから溶存気体を除去する脱気処理を行う脱気装置63が設けられている。
サブタンク61は、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有している。
また、フィルタ62のフィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
脱気装置63には気体透過性を有する中空繊維束から成るインク流路の周囲を真空ポンプ等の減圧手段によって減圧することで、インク内に溶存している気体を分離して大気中に排出する減圧脱気方式が用いられる。なお脱気装置63には前記減圧脱気方式の他に、超音波振動式、遠心分離方式、また、これ以外の方式を適用してもよい。
印字ヘッド50近傍のインク流路にインクの溶存気体量を計測する溶存酸素計(不図示)を備え、該溶存酸素計によってインク内の溶存気体量を監視し、溶存気体量が所定の値を超えた場合に脱気装置63を用いて印字ヘッド50に供給されるインクに脱気処理を施す態様が好ましい。
なお、印字ヘッド50に供給されるインクに、溶存気体量が所定量以下になるように予め脱気処理が施された脱気インクを用いる場合には、脱気装置63を省略することもできる。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き、ダミー吐出)が行われる。
また、印字ヘッド50内(圧力室52内)のインクに気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。
この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
なお、本インクジェット記録装置10には振動発生手段(図6には不図示、図7及び図8に符号102として図示)によって印字ヘッド50に振動を与えて印字ヘッド50内に発生した気泡をインク内に溶解させ気泡を消滅させる気泡処理機能を備えている。該気泡処理機能の詳細は後述する。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル51内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ74に記憶される。メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して一つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
なお、図1に示した例では、印字検出部24が印字面側に設けられており、ラインセンサの近傍に配置された冷陰極管などの光源(不図示)によって印字面を照明し、その反射光をラインセンサで読み取る構成になっているが、本発明の実施に際しては他の構成でもよい。
本インクジェット記録装置10には、印字ヘッド50内のインクに含まれる気泡を検出する気泡検出手段100を備え、気泡検出手段100による検出結果に基づいて該気泡をインク内に溶け込ませるために、印字ヘッド50(インク室ユニット53)に振動を与える振動発生手段102を備えている。
該振動発生手段102の詳細は後述するが、振動発生手段102はシステムコントローラ72から送られる指令信号で制御される振動発生手段用ドライバ104によって駆動される。
また、気泡が検出されたインク室ユニットへ振動発生手段102を移動させる移動手段106が備えられている。移動手段106はボールねじ、リニアガイド等(不図示)の機構部材やモータ、アクチュエータ等 (不図示)の駆動部材、及びセンサ等 (不図示)の検出部材などを有する構成であり、システムコントローラ72から制御される移動手段用ドライバ108によって該駆動部材が駆動される。
図6に示したインク供給系に溶存酸素計110を備える態様では、溶存酸素計110による計測結果がシステムコントローラ72に送られ、この計測結果に基づいて脱気装置63や振動発生手段102が駆動される。
印字ヘッド50には、内部に貯留されるインクの温度を一定に保つためにヘッド温調手段112を備えている。ヘッド温調手段112は記録ヘッド内のインクの温度を測る温度センサ等の温度検出手段を含む構成になっており、該温度センサの計測値がシステムコントローラ72に送られ、システムコントローラ72によってインク温度が設定値になるように制御が行われる。
〔気泡処理〕
次に、本インクジェット記録装置10に備えられた気泡処理機能について詳説する。
図8に示すように、印字ヘッド50には外部に設けられた振動発生手段102によって超音波振動が与えられる。
振動発生手段102はインク吐出側と反対側、即ち、印字ヘッド50の上面側に備えられており、印字ヘッド50の上面側から印字ヘッド50に超音波振動を与えることができる。なお、振動発生手段を印字ヘッド50のインク吐出面側に設けてもよい。
振動発生手段102は振動発生源である振動子120と該振動子120が発生させる振動を被振動物である印字ヘッド50に伝達させるホーン122を備えた構造を有している。ホーン122を介して印字ヘッドに振動を与える態様は、ホーン122を印字ヘッド50に接触させて直接的に振動を伝達させてもよいし、空気を介して被接触の状態で印字ヘッド50を振動させてもよい。
また、印字ヘッド50に与える振動の方向は少なくともインクの吐出方向と略平行な成分を有する振動であればよい。インク室ユニット53がマトリクス状に配列されている場合、記録紙搬送方向に略平行な方向の振動や、記録紙搬送方向と略直交する方向に平行な振動を印字ヘッド50の端部から与えても、印字ヘッド50の中央部周辺のインク室ユニットには効率よく振動が伝搬されない可能性がある。したがって、印字ヘッド50の上方側及び下方側からインク吐出方向に略平行な方向に同方向の振動を与えるように構成すると、印字ヘッド50内の全てのインク室ユニット53に効率よく振動を与えることが可能になる。
更に、超音波振動を与える際に気泡がインクの中に溶け込みやすいように、インクに流れを与えて攪拌させるとより効果的に気泡を溶け込ませることができる。
インク供給タンク60及びサブタンク61を含んだインク供給系や印字ヘッド50には、脱気されたインクが供給されている。脱気されたインクは溶存させることができる気体量に余裕があるので、図8に示した振動発生手段を用いて印字ヘッド50に超音波振動を与えることで、印字ヘッド50内の気泡をインク内に溶け込ませることができる。
本インクジェット記録装置10では、図7に示した、気泡検出手段100によって印字ヘッド内に気泡が検出されると、振動発生手段102を用いて印字ヘッド50に超音波振動が与えられる。
図9(a) 、(b) には気泡検出手段100の一例を示す。図9(a) は印字ヘッド50内に気泡検出手段100を備えた態様を示し、図9(b) は、図8に示したサブタンク61から印字ヘッド50へインクを供給する供給ホース130に気泡検出手段100を備えた態様を示している。
図9(a) では、気泡検出手段100を印字ヘッド50のインク吐出側面と反対側になる上面に備える態様を例示しているが、気泡検出手段100は印字ヘッド50の内部に備えてもよいし、もちろん、他の位置に備えてもよい。
また、図9(b) に示した、気泡検出手段100を供給ホース130に備える態様では、例えば、供給ホース130の少なくとも一部を透明或いは半透明部材で構成し、該透明部分に光を透過させて、その透過光を検出するように構成してもよい。
気泡検出手段100による気泡の検出方式の一例を図10に示す。図9(a) に示した、印字ヘッド50内に気泡検出手段100を備える態様では、X線を用いて印字ヘッド50
内を透過させて気泡を検出する方法や、図10のインク室ユニット53の断面構造に示すように、インク室ユニット53の少なくとも一部の壁面は透明部材を含んだキャビティプレート140、142で構成してインク室ユニット53内をCCD146や光学式センサ148などを用いて光学的に気泡を検出する方法などを適用することができる。
図10に示した態様では、圧力室52のノズル形成面側(加圧板56)に吐出用のアクチュエータ58を備え、ノズル形成面と対向する圧力室上面は透明部材を含んだキャビティプレート142で構成する。キャビティプレート142の圧力室52の反対側面には発光部及び受光部を含んだ光学式センサ148が備えられている。センサ148の発光部から出された光(赤外線、紫外線及び可視光等)を受光部で検出して圧力室52内の気泡を検出する構成になっている。
また、共通流路55の上面壁(図10中、供給孔と対向する壁面)は透明部材を含んだキャビティプレート140で構成して、CCD146を用いて共通流路55内を撮像して、共通流路55内の気泡を検出するように構成されている。
即ち、印字ヘッド50内のインクに超音波振動を与えることで、キャビテーション(空洞現象)が発生し、これによる衝撃波で気泡を分裂させる効果を用いている。なお、この際の超音波振動の周波数は数kHzから数100MHzである。望ましくは10kHz〜1MHzである。なお、振動発生手段から印字ヘッド50へ与えられる振動は超音波振動に限定されず、振動子が発生し得るあらゆる周波数を持った振動を適用可能である。
ここで、脱気されていないインクを用いると、超音波振動により気泡が一旦消滅しても、再度気泡化することがあり得るが、脱気されたインクを用いることで再気泡化が起こりにくいと考えられている。
印字ヘッド50に超音波振動を与えるときには、印字指示がない場合や、印字を一時中断させるなど、ノズルからインク滴が吐出されない状態が好ましい。印字中等吐出が行われている状態で印字ヘッド50に超音波振動を与えると、該超音波振動によって印字ヘッド50内の内圧が変化してしまい吐出異常になることがある。これを防止するために、印字ヘッド50からインク滴の吐出が行われていないときに超音波振動が付加される。なお、この場合の吐出異常には誤って吐出されてしまう場合を含んでいる。
また、不吐出(吐出異常)が検出された場合に振動発生手段102を用いて印字ヘッド50に超音波振動を与えるように構成してもよい。不吐出が改善されない場合には印字ヘッド50に再度超音波振動を与える態様が好ましい。更に、複数回に亘って超音波振動を与えても不吐出が改善されない場合には、当該不吐出の原因はインク内の気泡以外の原因(例えば、ノズル51内のインクの乾燥、アクチュエータの動作不良等)が考えられるので、吸引などの他の回復処理を施すように制御する態様が好ましい。
本インクジェット記録装置10に適用される不吐出検出方法には、印字された結果をみて不吐出ノズルを特定する方法を適用してもよいし、圧力室52などのインク室ユニット53内にインク中の気泡を検出するセンサを備え、該センサの検出結果から気泡の存在を検出する方法を適用してもよい。更に、他の様々な不吐出検出方法を適用可能である。
振動発生手段102によって印字ヘッド50の外部から超音波振動を与える場合には、特定の供給路やインク室ユニット53へ衝撃波を効率的に照射させるために、図11に示すように、振動発生手段102を移動させる移動手段106(図11には不図示、図7に図示)が備えてられている。なお、図11中、M及びNで示した方向は振動発生手段102の移動方向であり、Pで示した方向はインクの吐出方向、Rで示した方向は記録紙搬送方向である。
該移動手段106の詳細は図示しないが、印字ヘッド50の上面側を二次元的に移動可能な構成となっている。もちろん、印字ヘッド50との干渉を避けるために、上下方向に移動可能に構成してもよい。
また、振動発生手段102を固定させ印字ヘッド50を移動させるように構成してもよいし、印字ヘッド50及び振動発生手段102を共に移動させてもよい。
図9及び図10に示した気泡検出手段100(CCD146、センサ148)を不吐出検出手段として用いて不吐出検出を行い、不吐出ノズルが検出されると、移動手段106を用いて振動発生手段102を当該ノズルに対応したインク室ユニット53Aの形成領域に移動させ、インク室ユニット53A及びその近傍に集中的に超音波振動が与えられる。
移動手段106を備えることで、振動発生手段102を小型化することができる。
また、振動発生手段102を複数備えると、不吐出が検出されたノズルが複数ある場合に同時に超音波振動を与えることができるので効率がよい。また、複数の印字ヘッドを備える場合には、ヘッドごとに振動発生手段を備えてもよいし、1つの振動発生手段102を複数の印字ヘッド間で兼用させてもよい。
また、本例では、不吐出となったノズルに対応したインク室ユニット53Aに超音波振動を与える態様を例示したが、不吐出となったノズルに隣接するノズルに対応したインク室ユニットを含んだ領域に超音波振動を与えるように構成してもよい。
例えば、図3(a) 及び図5に示したマトリクス配列されたノズル51(インク室ユニット53)のうち、記録紙搬送方向に並べられた一列のノズル (例えば、図5のノズル51-12 乃至51-16 )に対応したインク室ユニット形成領域を超音波振動させる態様がある。
即ち、不吐出ノズルが検出されると、該不吐出ノズルの近傍に位置する複数のノズルに対応したインク室ユニット形成領域に振動発生手段102によって超音波振動が与えられる。
なお、図10に示した不吐出検出手段(CCD146、センサ148)を図9に示した気泡検出手段100として適用することも可能である。即ち、インク室ユニットごと(或いは、あるエリアごと)に気泡検出手段100を備え、気泡が検出されたインク室ユニットの形成位置に振動発生手段102を移動させて、当該インク室ユニットに超音波振動を与えてもよい。
図12に、印字ヘッド50の内部に振動発生手段 (圧電素子)200を備えた態様を示す。図12は、印字ヘッド50の有するインク室ユニット53のうち、任意の1つ(符号53’)を切り出した斜視図である。
図12に示したインク室ユニット53’はノズル形成面51Aと交差する側面壁に、インク滴吐出用のアクチュエータ58を備えている。また、ノズル形成面51A及びアクチュエータ58取り付け面と交差する側面壁202には、不吐出検出用センサを兼ねた振動発生手段である圧電素子200が備えられている。なお、振動発生手段となる圧電素子200は吐出用アクチュエータ58と兼用してもよい。
不吐出検出用の圧電素子を振動発生手段として機能する圧電素子と兼用させる場合、インク内の気泡をより確実に分裂させて消滅させることができるように(気泡を分裂させるのに十分なエネルギーをもつ音波を発生することや気泡に対して音波をフォーカスすることができる)振動発生手段として機能する圧電素子を不吐出検出用の圧電素子200と独立に備えてもよい。
圧電素子200を用いて不吐出ノズルを特定して、該当するインク室ユニットの圧電素子200を動作させて、当該インク室ユニットに超音波振動を与えて、該インク室ユニット内のインクに含まれる気泡を除去することができる。
図13には、印字ヘッド50内に振動発生手段として機能する圧電素子210、212を備えた、他の態様を示す。
図13は、本態様におけるインク室ユニット53の断面構造を示している。
ノズル形成面51Aには圧力室52に超音波振動を与える圧電素子210を備え、また、共通流路55の供給口54と対向する面(共通流路55の天面)の共通流路55の外側には共通流路55を超音波振動させる圧電素子212を備えている。
なお、インク滴吐出用のアクチュエータ(圧電素子)58は圧力室52と共通流路55との間に設けられた空隙部分220に配置されている。
振動発生手段として機能する圧電素子200(210、212)をノズルごとに備えると、該圧電素子200等を移動させる移動手段を備えなくてもよい。
更に、印字ヘッド50の外部に設けられた振動発生手段(図8及び図11の符号102)の動作に同期させて、ノズルごとに設けられた振動発生手段となる圧電素子(図12の符号200及び図13の符号210、212)を駆動してもよい。このとき、インク吐出用のアクチュエータ58を併用してもよい。
このように複数の振動発生手段を用いることで、印字ヘッド50に効率よく振動を与えることもできる。一方、それぞれの振動発生手段を小型化することができるので、省スペースやコストダウンに寄与する。
本インクジェット記録装置10では、装置立ち上げ時(電源オン時)に印字ヘッド50に超音波振動を与えるように制御されている。通常電源オフ時は、図6に示したキャップ64が印字ヘッド50に装着されていれば、ノズル51からインク内へ急激に気体が浸入して気泡化することはなく、装置立ち上げ直後に印字ヘッド50を振動させて溶存気体をインク内に溶け込ませることができる。
装置立ち上げ時の他に、非常停止後の再立ち上げ時やシステムリセット時など一定時間以上吐出が行われない状態が継続された可能性がある場合にも上述した気泡処理を実行することが好ましい。
また、印字ヘッド50に振動を与えてインク内に気泡を溶け込ませた場合に、溶け込ませた気泡が再度気泡化することを防ぐために、図7に示したヘッド温調手段112を用いて、印字ヘッド50内に貯留されるインクの温度を下げるように制御される。インクの温度を下げた場合、インクの粘度が上昇して吐出しにくくなる可能性があるので、インクの温度を下げた場合にはアクチュエータ58に印加される駆動電圧波形は変更される。
駆動電圧波形を変更する態様は、印加電圧の傾きを変更せずに印加電圧の振幅の大きさを上げてもよいし、印加電圧の振幅の大きさを変更せずに印加電圧の傾きが大きくなるように変更してもよい。また、印加電圧の振幅の大きさを上げると共に、印加電圧の傾きを変更してもよい。
図7に示した溶存酸素計110をインク流路内に備えて、インク流路内のインクの溶存気体量をモニタし、該溶存気体量があるしきい値を超える場合には、印字ヘッド50に超音波振動を与えるように構成してもよい。
本実施形態では、振動発生手段102等を用いて印字ヘッド50内のインクに超音波振動を与えてインク内に気泡を溶け込ませる態様を例示したが、インク内で気泡化した気体をインク内に溶け込ませて消滅させるために印字ヘッド50を含むヘッドユニット全体に対してメカニカルな振動を与えてもよい。該振動付与手段には、図7に示したシステムコントローラによって制御されるモータや該モータによって駆動されるカムなどを含んだ構成になっている。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、印字ヘッド50に超音波振動を与える振動発生手段102を備えたので、この超音波振動が印字ヘッド50内のインクに作用して、印字ヘッド50内のインクに発生した気泡をインク内に溶け込ませて消滅させることができるので、インク吸引を行わずに気泡を消滅させることができ、無駄なインクが発生せず、インクの消費量を減らすことができる。また、ヘッドを振動させることで、ノズルから浸入する気泡に対して気泡を消滅する効果がある。
また、印字ヘッド50内及び印字ヘッド50へインクを供給する供給路内に、インク内に発生した気泡を検出する気泡検出手段100を備えたので、気泡検出手段100によって気泡が検出された際に超音波振動を与えるように構成してもよい。
更に、印字ヘッド外部に備えられた振動発生手段102を移動させる移動手段を備えたので、選択的に超音波振動を与えることができる。例えば、印字ヘッド50に備えられたノズルの不吐出を検出して、不吐出ノズルに対応したインク室ユニット53Aの形成領域に振動発生手段を移動させて、インク室ユニット53A及びその近傍に超音波振動を与えるように構成してもよい。
なお、振動発生手段は印字ヘッド50の外部に備えられてもよいし、印字ヘッド50の内部に備えられてもよい。また、振動発生手段は、吐出用素子や不吐出検出用素子と兼用可能である。
本発明はインクの溶存気体が気泡化した場合だけでなく、ノズルを介して外部から浸入した気泡にも効果を得ることができる。
本実施形態ではフルライン型の印字ヘッドを例示したが、本発明は記録紙搬送方向と略直交する方向に印字ヘッドを走査させて印字を行うシャトルスキャン型の印字ヘッドにも適用可能である。但し、本発明は印字ヘッドが固定されるフルライン型の印字ヘッドにより効果を発揮する。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 図1に印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3中4−4線に沿う断面図 図3(a) に示した印字ヘッドのノズル配列を示す拡大図 本実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインク供給部の構成を示した概要図 本実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本インクジェット記録装置の有する気泡処理機能を説明する図 本インクジェット記録装置に備えられた気泡検出手段の配置を示す図 不吐出検出手段を備えたインク室ユニットの構造例を示す断面図 図8に示した振動発生手段を移動させて気泡発生位置に振動を付加する様子を示す図 振動発生手段をインク室ユニット内に備えた態様を示す平面斜視図 図12の他の態様に係る振動発生手段を備えたインク室ユニットの構造例を示す断面図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、58…アクチュエータ、63…脱気装置、100…気泡検出手段、102…振動発生手段、200,210,212…圧電素子、106…移動手段、110…溶存酸素計、112…ヘッド温調手段、120…振動子、122…ホーン、130…供給ホース、146…CCD、148…センサ

Claims (16)

  1. 脱気された液を供給する液供給手段と、
    前記液供給手段から前記脱気された液を供給され、被吐出媒体上に液を吐出させる吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドに該液の吐出方向と略平行な方向から同方向成分の振動を与えることで前記吐出ヘッド内の該液に発生した気泡を該液に溶け込ませる振動発生手段と、
    を備えたことを特徴とする液吐出装置。
  2. 前記吐出ヘッドに供給される液に含まれる溶存気体の少なくとも一部を取り除く脱気手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の液吐出装置。
  3. 前記吐出ヘッド内の液に発生する気泡を検出する気泡検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の液吐出装置。
  4. 前記吐出ヘッドが有する液滴吐出孔の吐出異常を検出する吐出異常検出手段を備え、
    前記気泡検出手段は前記吐出異常検出手段と兼用されることを特徴とする請求項3記載の液吐出装置。
  5. 前記振動発生手段を移動させる移動手段と、
    前記気泡検出手段によって気泡の発生位置が特定されると前記気泡の発生位置に前記移動手段を用いて前記振動発生手段を移動させるように制御する移動制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の液吐出装置。
  6. 前記振動発生手段は超音波振動発生手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  7. 前記吐出ヘッドの液の温度を調節する温度調節手段と、
    前記振動発生手段から与えられた振動によって前記吐出ヘッド内の気泡を液の中に溶け込ませると前記吐出ヘッド内の液の温度を下げるように前記温度調節手段を制御する温度調節制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  8. 前記吐出ヘッドから吐出される液滴に吐出力を与える圧電素子に印加する駆動信号を制御する駆動制御手段を備え、
    前記駆動制御手段は、前記吐出ヘッド内の液の温度が下げられることで高粘度化した液を吐出できるように前記圧電素子に印加する駆動信号を変更することを特徴とする請求項7記載の液吐出装置。
  9. 前記吐出ヘッドに液を供給する供給路に前記吐出ヘッドに供給される液の溶存気体量を計測する溶存気体計測手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  10. 前記振動発生手段を前記吐出ヘッドの内部に備えたことを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  11. 前記吐出ヘッドの内部に備えられた振動発生手段は、前記吐出ヘッドから吐出される液滴に吐出力を与える吐出用圧電素子或いは前記吐出ヘッド内の気泡を検出する気泡検出手段に用いられる圧電素子のうち少なくとも何れか一方と兼用されることを特徴とする請求項10記載の液吐出装置。
  12. 前記吐出ヘッドは、被吐出媒体の記録可能幅に対応した幅を有するフルライン型の吐出ヘッドを含むと共に、マトリクス状に配列された液滴を吐出させる吐出孔と、前記吐出孔から吐出される液を蓄える液室と、を備え、
    前記移動制御手段は、前記吐出異常検出手段によって吐出異常が検出された吐出孔に対応した液室の形成領域へ前記移動手段を用いて前記振動発生手段を移動させ、振動発生手段は当該液室の形成領域を含んだ領域に振動を与えて当該液室内の液に気泡を溶け込ませることを特徴とする請求項5乃至11のうち何れか1項に記載の液吐出装置。
  13. 被記録媒体上にインク滴を吐出させる記録ヘッドを備えた画像形成装置であって、
    脱気されたインクを前記記録ヘッドに供給する供給部と、
    前記記録ヘッドから吐出されるインク滴の吐出方向と略平行な方向から同方向成分の振動を前記記録ヘッドに与えることで前記記録ヘッド内のインクに発生した気泡を該インク内に溶け込ませる振動発生手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 被記録媒体上に液滴を吐出させる吐出ヘッドを備えた液吐出装置の気泡処理方法であって、
    脱気処理を施された液が供給された前記吐出ヘッドに振動発生手段を用いて振動を与えて、前記吐出ヘッド内の液に発生した気泡を該液に溶け込ませることを特徴とする気泡処理方法。
  15. 請求項14に記載した気泡処理方法を前記液吐出装置の電源オン時に実行することを特徴とする請求項14記載の気泡処理方法。
  16. 前記吐出ヘッドの外部に備えられた振動発生手段と同期して前記吐出ヘッド内部に備えられた前記吐出ヘッドから吐出される液に吐出力を与える吐出用圧電素子及び前記吐出ヘッドの吐出異常を検出する吐出異常検出用圧電素子を動作させることを特徴とする請求項14又は15記載の気泡処理方法。
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