JP2005271299A - インクジェット記録ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルプレートのノズル周辺に付着したインクを効果的に除去する。
【解決手段】インクを吐出するノズル51を備えたインクジェット記録ヘッドであって、前記ノズル51が形成されている吐出面63に、同一材質から構成された所定の表面粗さを有する平滑面部91と、前記平滑面部91よりも表面粗さの粗い粗面部92と、を設けたインクジェット記録ヘッド及び画像形成装置を提供する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッド及び画像形成装置に係り、特にノズルよりインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録ヘッド及び画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置(インクジェッド記録装置)は、記録ヘッドに備えられるノズルよりインクを吐出して記録媒体に記録を行う。すなわち、インクジェット記録装置により印刷を行う場合、記録ヘッドを記録媒体と相対的に移動させながら、印字信号に応じてノズルから記録媒体に向かってインクを吐出させる。そして記録媒体上にインク滴を着弾させ、そのインクドットによって記録媒体上に画像を形成する。従って、品質のよい印刷結果を得るためには、ノズルから安定したインク吐出が行われることが必要である。
ところで、ノズルは記録媒体に向かってインクを吐出するので、インク滴が記録媒体からノズルに向かって跳ね返る場合がある。この結果、記録ヘッドのノズルが形成されている吐出面(ノズルプレートの表面)にはインク滴が付着する。またノズルからのインク漏れ等によっても、ノズルプレートの表面にインクが付着する。
このようにノズルプレートの表面、特にノズル周辺部に付着したインク滴が、ノズルから吐出されるインクと接触すると、記録媒体に向かって吐出されるインク滴が所望の方向に飛翔しない現象が生じる。すなわち、ノズルから安定したインク吐出が行われなくなる。
そこでノズルから安定したインク吐出を行うようにするため、ノズルプレートの表面に対して撥液処理等が行われている。すなわち、ノズルプレートの表面に撥液処理を行い、ノズルプレートの表面に付着したインクをワイピング動作等により除去しやすくしている。しかしながら、撥液性領域ではインクに対する接触角が大きいために流動性が大きく、記録ヘッドの印字動作等の振動により、ノズル周辺部に付着したインク滴は他のインク滴と結合し大きくなる傾向がある。すなわち、ワイピング動作を頻繁に行わないと、ノズルの開口部にノズル周辺部に付着したインクが到達し、ノズルからのインク吐出を不安定にさせる。
そこで、ノズルプレートの表面に撥液性領域と親液性領域を設けたインクジェット記録ヘッド等が提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1には、同一色のインクを吐出するノズル群の領域と、前記ノズル群間の領域の撥液処理が異なるインクジェット記録装置が開示されている。同文献によれば、ノズル群内を撥液処理し、ノズル群間を親液処理する方法等が例示される。また親液処理の方法として、酸処理、プラズマ処理等によってプラスチック性樹脂表面に極性基を精製させて表面を親液化させる方法や、酸化物微粒子が分散したゾルを塗布し表面に酸化物層を形成させる方法等が例示される。さらに撥液処理の方法として、ノズルプレートにフッ素系の撥液材を塗布する方法や、フッ素系高分子粒子(PTFE)等の撥水材を真空中で蒸着し表面に薄層を形成する方法等が例示される。
特許文献2には、ノズルプレート上に、ノズル列を含む撥液性領域と、撥液性領域に隣接し、ノズル列と平行の溝状の親液性領域をもつインクジェット記録ヘッドが開示されている。同文献によれば、撥液膜を形成後に、レーザーで撥水膜を除去することにより、溝状の親液性領域を形成している。
特許文献3には、ノズル列近傍領域を撥液処理し、ノズル列間を親液処理したインクジェット記録ヘッドが開示されている。同文献によれば、ノズルプレートの表面全体を撥液性材料でコーティングして撥液膜を形成した後、撥液膜をエッチングする方法が例示される。
特開平6−122210号公報 特開平6−210859号公報 特開2001−38917号公報
しかしながら、前記従来のインクジェット記録ヘッドは、ノズルプレートの表面に撥液性領域と親液性領域を設けるための処理工数がかかるものとなっていた。
特許文献1に記載されたインクジェット記録装置は、前述のとおり、撥液処理と親液処理を異なる方法で処理しなければならない。すなわちノズルプレートの表面加工するための処理工数がかかる。
また前記インクジェット記録装置は、同一色のインクを吐出するノズル群の領域と、前記ノズル群間の領域の撥液処理を異なるように構成する。すなわち、ノズルプレート上に付着したインクが他色のインクと混色するのを防止するには有効であるが、そもそもノズルプレート上に付着したインクの除去のしやすさは考慮されていない。
特許文献2に記載されたインクジェット記録ヘッドでは、ノズルプレート上に撥液膜を形成後、レーザーにより撥液膜を完全に除去しなければならない。
前記特許文献3に記載されたインクジェット記録ヘッドでは、ノズルプレート上に撥液膜を形成後、エッチングにより撥水膜を完全に除去しなければならない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、インク吐出面のノズル周辺に付着したインクを効果的に除去することのできるインクジェット記録ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、インクを吐出するノズルを備えたインクジェット記録ヘッドであって、前記ノズルが形成されている吐出面に、同一材質から構成された所定の表面粗さを有する平滑面部と、前記平滑面部よりも表面粗さの粗い粗面部とを設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘッドを提供する。
これによれば、吐出面に付着したインクは平滑面部から粗面部に流れやすくなるので、ノズル周辺に付着したインクを効果的に除去することが可能となり、ノズルからのインク吐出が安定する。
また平滑面部と粗面部とを同一材質により構成したので、別々に撥液処理と親液処理を行ったり、撥液膜を完全に除去したりする従来の方法と比べて、吐出面に対する処理工数が低減する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記平滑面部は撥液性を有するとともに、前記粗面部は親液性を有し、前記平滑面部は、前記ノズルの開口部と接する領域に形成され、前記粗面部は、前記平滑面部の外側の領域の少なくとも一部に前記平滑面部に接して形成されることを特徴とする。
このように、ノズル開口部周辺を撥液性を有する平滑面部で形成し、その外側に親液性を有する粗面部を形成したため、ノズル周辺に付着したインクは平滑面部から粗面部に流れやすくなる。その結果、ノズル周辺に付着したインクを効果的に除去することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記ノズルの開口端と前記粗面部の一端までの距離が、1μm以上10μm以下であることを特徴とする。
ノズルの開口端と粗面部の一端までの距離を1μm以上10μm以下にすることによって、ノズル開口部周辺に形成される平滑面部に付着したインクは粗面部に流れやすくなる。インク吐出後のノズル周辺部を観察した結果、ノズル周辺部に付着したインク滴は小さいもので幅10μm程度だからである。その結果、ワイピング動作によって平滑面部に付着したインクを除去することが不要となる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記粗面部は、その表面が隣接する前記平滑面部の表面に対し、少なくとも10μm以下低くなるような高低差を有することを特徴とする。
このような高低差を設けたことにより、ワイピングブレードが粗面部を通過するとき、ワイピングブレードが粗面部の表面と接触し、粗面部がダメージを受けるのを低減する。
また、このような高低差により、ノズル周辺に付着したインクは側壁面を介して粗面部に流れやすくなる。従って、ワイピング動作によって粗面部に流れたインクを効率よく除去することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記ノズルの開口端と前記粗面部の一端との距離は、前記高低差より大きいことを特徴とする。
ノズルの開口端と粗面部の一端との距離が、前記高低差より小さい場合に比べて、ノズル周辺部の構造が強くなり、ワイピング動作時にノズル周辺部が変形するのを防止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記粗面部が、ワイピング方向に並んだ2つのノズル間において、前記2つのノズル間の中心よりも前記ワイピング方向下流側にずらして形成されたことを特徴とする。
このように粗面部をワイピング方向下流側にずらして形成することにより、ワイピング動作時にワイピング方向下流側の領域に付着しているインクを除去しやすくする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記粗面部が、ワイピング方向に対して、略平行な方向又は略斜めの方向に延在する形状に形成されたことを特徴とする。
このように粗面部を、ワイピング方向に対して、略平行な方向又は斜めの方向に延在する形状に形成したことにより、吐出面に付着したインクはワイピングブレードの移動とともにワイピング方向下流側に排除される。その結果、吐出面に付着したインクを効率よく排除することができ、ノズルからのインク吐出が安定する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記粗面部は、前記ノズルの開口部と接する領域に形成された前記平滑面部と接する領域から前記吐出面の端部まで連続して形成されていることを特徴とする。
このように粗面部を吐出面の端部まで連続して形成したことにより、ワイピング動作により吐出面の端部までインクが流れる。そのため、端部に集まったインクを回収すれば良いので、インクの回収が容易になる。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録ヘッドであって、前記粗面部は、溝状の形状を有する溝状粗面部であることを特徴とする。
このように粗面部を溝状とすることにより、ワイピング動作によって下流側に除去されるインクの量が多くなる場合でも、粗面部からインクが溢れることがない。従って、効率よくインクを除去することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
本発明に係るインクジェット記録ヘッド及び画像形成装置によれば、インク吐出面のノズル周辺に付着したインクを効果的に除去することが可能となる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のインク吐出面に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示省略)が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラーが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを、記録紙16の搬送方向(副走査方向)に対して直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが(図3及び図4)、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン又は1個の帯状ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンダなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を通知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサー(ラインセンサー等)を含み、該イメージセンサーによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサーで構成される。このラインセンサーは、赤(R)の色フィルターが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサー列と、緑(G)の色フィルターが設けられたGセンサー列と、青(B)の色フィルターが設けられたBセンサー列と、からなる色分解ラインCCDセンサーで構成されている。なお、ラインセンサーに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサーを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソータが設けられている。
次に、印字ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a)は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。また、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板(共通電極)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57と共通電極56に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方法が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾ方式に代えて、ヒーター等の発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク60はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を代える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク60と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルター62が設けられている。フィルター・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51(図5では図示省略)の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル51が形成されるインク吐出面63の清掃手段としてのワイピングブレード(クリーニングブレード)66とが設けられている。
メンテナンス位置において、ワイピングブレード66は、印字ヘッド50のインク吐出面63上を図5に矢印で示すように往復運動するが、このときインク吐出面63に接触しながら移動してインク吐出面63上に付着したインクを除去する、いわゆるワイピング動作を行う。
これらキャップ64及びワイピングブレード66を含むメンテナンスユニットは、移動機構(図示省略)によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変異される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、アクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(アクチュエータ58の動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)アクチュエータ58を動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ64(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、アクチュエータ58が動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室52内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータードライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータードライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータードライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yのアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサー(図示省略)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
図7は、本発明に係る第1の実施形態のノズル51周辺を示す断面図である。図7に示すように、ノズル(インク吐出口)51は、ノズルプレート59と、ノズルプレート59の表面59aに形成される撥液膜90によって構成される。撥液膜90の表面はインク吐出面63を形成し、ワイピングブレード66(図5参照)により図7の矢印方向にワイピングされる。
撥液膜90の表面には、面粗さの異なる平滑面部91と粗面部92が形成される。平滑面部91はノズル51の開口部と接する周辺部の領域に設けられ、さらにその外側の領域に平滑面部91に接して粗面部92が設けられる。なお粗面部92は、平滑面部91の全周に接して形成されるのではなく、一部のみ接して形成されてもよい。
図8(a)〜(c)は、第1の実施形態における平滑面部91と粗面部92の形成手順を示す説明図である。図8(a)〜(c)中、図7と共通する部分には同一の符号を付してある。図8(a)は,ノズルプレート59の表面59aに撥液膜90が形成される前の状態を示す。平滑面部91と粗面部92を形成するためには、図8(b)に示すように、まずノズルプレート59の表面59aに、インクに対し撥液性を有する平滑な撥液膜90を形成する。撥液膜90の形成方法として、スパッタ、蒸着、スピンコート、めっき、ラミネート等が用いられる。続いて、図8(c)に示すように、撥液膜90の一部の表面を荒らす。撥液膜90の表面を荒らす方法として、機械的研磨、サンドブラスト、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザ加工、放電加工等が用いられる。これにより、平滑面部91と粗面部92が形成される。
なお図8(a)〜(c)に示した平滑面部91と粗面部92の形成手順では、ノズルプレート59の表面59aに撥液膜90が形成される前の段階でノズル51は形成されているが、撥液膜90を形成し、そして平滑面部91と粗面部92を形成した後に、ノズル51を形成することも可能である。
ところで表面の形状効果により、材質の表面を粗し、表面積を大きくすることで、表面に付着する液体の接触角が変わることが知られている。例えば、水で接触角が90度以上の材質の表面を粗すと、より接触角が大きくなる(超撥水)。また、水で接触角が90度以下の材質の表面を粗すと、より接触角が小さくなる(超親水)。
しかし、ノズルプレート59の表面59a上に撥液膜90を形成しても、通常インクは水より表面張力が小さく、水で接触角が90度以上となる膜でもインクでは90度以下となることが多い。そのため撥液膜90の表面を粗すと、表面の形状効果により、インクに対する接触角は小さくなる。従って、表面の粗された粗面部92はインクに対する濡れ性が良くなり、粗面部92は親液性を有することになる。そのため、インクは優先的に粗面部92に流れることになる。これにより、ノズル周辺にインクが付着するのを防止できるので、ノズルのインク吐出方向が安定する。
なお平滑面部91と粗面部92の別の形成方法として、まず凹凸状の表面を有する膜をノズルプレート59の表面59aに形成し、続いて、形成された膜の一部の表面を加工して平滑面部91を形成する方法でもよい。この結果、前述と同様に、撥液性を有する平滑面部91と、親液性を有する粗面部92が形成される。
本実施形態におけるノズルプレート59の表面59aは、前述の形成方法によって、撥液性を有する平滑面部91と親液性を有する親液部92とが同一材質で構成される。すなわち、撥液性を有する撥液膜90の表面を単に粗すだけで、親液性を有する粗面部92が形成される。従って、別々に撥液処理と親液処理を行ったり、撥液膜を完全に除去したりする従来の方法と比べて、ノズルプレート59の表面59aに対する処理工数を低減することができる。
図9は、第1の実施形態において平滑面部91に付着したインク滴が粗面部92に流れる様子を示した説明図である。図9中、図7と共通する部分には同一の符号を付してある。図9において、平滑面部91は撥液性を有し、粗面部92は親液性を有する。平滑面部91に付着したインク滴98が粗面部92の一端に触れると、インク滴98は親液性を有する粗面部92に流れやすくなる。すなわち、図9の矢印で示す方向にインク滴は流れやすくなる。
特に本実施形態においては、ノズル51の開口端から粗面部92の一端までの距離Wは10μm以下となるように構成されることが望ましい。なお前記ノズルの開口端と前記粗面部の一端までの距離Wとは、図9に示すように、インク吐出面63と略平行な方向を水平方向とした場合の水平距離をいう。
インク吐出後のノズル51の周辺部を観察した結果、ノズル51の周辺部に付着するインク滴98は小さいもので幅10μm程度である。そのため、前記距離Wが10μm以下であれば、平滑面部91に付着したインク滴98は粗面部92の一部に触れるので、インク滴98が平滑面部91から粗面部92に優先的に流れるからである。従って、ワイピング動作を行わなくても、小さなインク滴98を効果的にノズル51の周辺部から除去することができる。
図10は、第1の実施形態においてワイピングブレード66がインク吐出面63を移動する様子を示した説明図である。図10中、図7と共通する部分には同一の符号を付してある。ワイピングブレード66は、インク吐出面63を図10の矢印で示す方向に移動する。インク吐出面63に付着したインク滴98a、98bは、ワイピングブレード66の移動によって除去される。
本実施形態において、粗面部92は、図10に示すように、平滑面部91と高低差(深さ)Hを有することが望ましい。ワイピングブレード66が粗面部92を通過するとき、ワイピングブレード66と粗面部92の表面が接触し、粗面部92がダメージを受けるのを低減することができる。
特に本実施形態において、前記高低差Hは10μm以下となるように構成されることが望ましい。平滑面部91に付着したインク滴98bは、ワイピング動作等により平滑面部91の側壁面93に流れこむ。ノズル51の周辺部に付着するインク滴は、前述のとおり、小さいもので直径10μm程度である。従って、前記高低差Hが10μm以下であればインク滴は粗面部92に触れ、粗面部92に流れる。そのため、インク滴98bが小さい場合でも、粗面部92に流れたインクをワイピング動作によって効果的に除去することができる。
さらに本実施形態においては、ノズル51の開口端から粗面部92の一端までの距離Wは、平滑面部91と粗面部92の高低差Hより大きくなるように構成されることが望ましい。このようにすることにより、高低差Hが距離Wより大きい場合に比べてノズル51の周辺部の構造が強くなり、ワイピング時にノズル51の周辺部が変形するのを防止することができる。
図11は、本発明に係る第2の実施形態のノズル51周辺を示す断面図である。図11中、図7と共通する部分には同一の符号を付してある。本実施形態においては、図11に示すように、ノズル51は撥液性を有する材質からなるノズルプレート59によって構成される。
ノズルプレート59の表面59aには、平滑面部91がノズル51の開口部と接する周辺部の領域に設けられ、さらにその外側の領域に平滑面部91に接して粗面部92が設けられる。粗面部92は、ノズルプレート59の撥液性を有する表面59aをエッチング等により加工して形成される。すなわち、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、平滑面部91と粗面部92は同一材質により構成される。
平滑面部91は、ノズルプレート59が撥液性を有する材質からなるので、撥液性領域となる。粗面部92は、前述と同様に、表面の形状効果により親液性領域となる。
本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、さらに、ノズルプレート59自体を撥液性を有する材質で形成するため、第1の実施形態のように最初に撥液膜を形成するという工程が不要となり、単にノズルプレート59の表面59aを粗せばよいので、ノズルプレート59に対する処理工数を削減することができる。
図12は、本発明に係る第3の実施形態の印字ヘッド50の平面図を示す。印字ヘッド50は、図12に示すように、千鳥の2次元マトリクス状に配列された複数のノズル51を有する。
印字ヘッド50に対するワイピング動作は、図12における矢印で示すように、印字ヘッド50の長手方向と略平行に行われる。なおワイピング動作は、本実施例に限定されるものでなく、例えば印字ヘッド50の短手方向と略平行に行われるものであってもよい。。
印字ヘッド50のインク吐出面63には、ワイピング方向と略平行に、溝状の粗面部92(92a、92b、・・・)が各ノズル51に近接して帯状に複数形成される。また、ノズル51の周辺部には平滑面部91が形成される。
平滑面部91と粗面部92の形成方法は、前述した第1の実施形態あるいは第2の実施形態のいずれの方法でもよい。平滑面部91は撥液性領域であり、粗面部92は親液性領域となるように形成される。
ノズル51の周辺部に付着するインク滴は、撥液性を有する平滑面部91から親液性を有する粗面部92に流れやすい。そして、粗面部92はワイピング方向と略平行な溝状に形成されており、ワイピング動作により粗面部92に流出したインクは、溝状の粗面部92に沿って印字ヘッド50の長手方向端部へ向かって排除される。その結果、効率よくインクを除去することができる。
本実施形態においては、粗面部92の溝幅は、図12に示すような均一幅に限定されるものでない。例えば粗面部92の溝幅をワイピング方向に沿って徐々に広げるように形成してもよい。この場合、ワイピング動作によって下流側に除去するインクの量が多くなる場合でも、粗面部92からインクが溢れることがない。従って、効果的にインクを除去することができる。このときワイピング方向の下流側端部において、例えばスポンジ等によってインクを吸い取るようにすることが好ましい。
また粗面部92の溝の深さは、一定である必要はない。例えば粗面部92の溝の深さがワイピング方向に沿って徐々に深くなるように形成してもよい。この場合、ワイピング動作によって下流側に除去するインクの量が多くなる場合でも、粗面部92からインクが溢れることがない。従って、前述と同様に、効果的にインクを除去することができる。
図13は、本発明に係る第4の実施形態の印字ヘッド50の平面図を示す。図13中、図12と共通する部分には同一の符号を付してある。図13に示すように、印字ヘッド50に備えられるノズル51の配列及びワイピング方向は第3の実施形態と同様である。
インク吐出面63は、図13に矢印で示すワイピング方向に対し斜めの方向に、溝状の粗面部92が帯状に複数形成される。すなわち、溝状の粗面部92が印字ヘッド50の短手方向の略中央部からワイピング方向に進むに従い印字ヘッド50の短手方向の両端部に向かって広がっていく逆ハの字状に、略等間隔で、ワイピング方向の下流側端部まで形成される。
このように本実施形態では、印字ヘッド50の短手方向の略中央部から両端部に向かう粗面部92を設けている。これにより長尺ヘッドの場合であっても、ワイピング動作時にワイピング方向の下流側に大量のインクが流出することなく、各粗面部92から印字ヘッドの50の短手方向の端部に向かってインクが適宜流れる。そのため、効率よくインクを除去することができる。なお印字ヘッド50の短手方向端部でのインクの回収は、スポンジ等によりインクを吸い取るようにすることが好ましい。
図14は、本発明に係る第5の実施形態の印字ヘッド50の断面図を示し、図15は、その平面図を示す。図14及び図15中、図7と共通する部分には同一の符号を付してある。本実施形態においては、ノズル列の間に形成される粗面部92の位置が異なる以外は、図7に示した第1の実施形態と共通する。
図14及び図15において、ノズル51aの開口端から粗面部92cの一端までの距離Waは、ノズル51bの開口端から粗面部92cの一端までの距離Wbより大きい。すなわち粗面部92cは、ノズル列間の中心に対して、図14及び図15の矢印で示すワイピング方向の下流側にずれて形成される。
このように粗面部92をワイピング方向下流側にずらして形成することにより、ノズル51の周辺部に付着するインクをノズル51に入れることなく、粗面部92に流出させ除去することができる。
また粗面部92の面積を大きくすると、ワイピングブレードが粗面部92に当たったり、記録紙16(図14及び図15において不図示、図1に符号16として表示)が詰まったり(ジャム等)したときに粗面部92に記録紙16が当たりやすくなったりして、粗面部92が壊れやすくなる。そのため、ノズル列間に粗面部92を設ける場合には、粗面部92の幅に限界がある。その場合、ワイピング方向の下流側に粗面部92を配置すると、ワイピング時に、特に平滑面部91のノズル51a、51bのワイピング方向下流側の領域91aに付着しているインクを粗面部92に流しやすくなる。
以上、本発明のインクジェット記録ヘッド及び画像形成装置について詳説に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図である。 図3中4−4線に沿う断面図である。 図1に示したインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示した概略図である。 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本発明に係る第1の実施形態のノズル周辺を示す断面図である。 第1の実施形態における平滑面部と粗面部の形成方法を示した説明図である。 第1の実施形態において平滑面部に付着したインク滴が粗面部に流れる様子を示した説明図である。 第1の実施形態においてノズルプレートがインク吐出面を移動する様子を示した説明図である。 本発明に係る第2の実施形態のノズル周辺を示す断面図である。 本発明に係る第3の実施形態の印字ヘッドの平面図である。 本発明に係る第4の実施形態の印字ヘッドの平面図である。 本発明に係る第5の実施形態の印字ヘッドの断面図である。 図14に示した印字ヘッドの平面図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、51…ノズル、59…ノズルプレート、91…平滑面部、92…粗面部

Claims (10)

  1. インクを吐出するノズルを備えたインクジェット記録ヘッドであって、
    前記ノズルが形成されている吐出面に、同一材質から構成された所定の表面粗さを有する平滑面部と、
    前記平滑面部よりも表面粗さの粗い粗面部と、
    を設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記平滑面部は撥液性を有するとともに、前記粗面部は親液性を有し、
    前記平滑面部は、前記ノズルの開口部と接する領域に形成され、
    前記粗面部は、前記平滑面部の外側の領域の少なくとも一部に前記平滑面部に接して形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記ノズルの開口端と前記粗面部の一端までの距離が、1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記粗面部は、その表面が隣接する前記平滑面部の表面に対し、少なくとも10μm以下低くなるような高低差を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記ノズルの開口端と前記粗面部の一端との距離は、前記高低差より大きいことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記粗面部が、ワイピング方向に並んだ2つのノズル間において、前記2つのノズル間の中心よりも前記ワイピング方向下流側にずらして形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記粗面部が、ワイピング方向に対して、略平行な方向又は略斜めの方向に延在する形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記粗面部は、前記ノズルの開口部と接する領域に形成された前記平滑面部と接する領域から前記吐出面の端部まで連続して形成されていることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 前記粗面部は、溝状の形状を有する溝状粗面部であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の前記インクジェット記録ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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