JP2008110585A - インクジェット記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ノズルが設けられた加圧室の壁面の一部が圧電素子で形成され、前記圧電素子を作動・変形させて前記加圧室の中のインクに圧力波を作用させて、前記ノズルからインク滴を吐出させるインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録システムであって、前記圧電素子の平均傾斜Δaが100〜1000mradであり、前記インクの粘度が2.0〜10.0mPa・sであり、且つ下記式(1)を満足することを特徴とするインクジェット記録システム。
[式中、Δaは加圧室壁面を構成する圧電素子表面の平均傾斜(rad)、θは圧電素子に対するインクの接触角(度)、ηはインクの粘度(mPa・s)である。]
(2)前記インクジェット記録ヘッドは、複数のドット形成部からなり、該ドット形成部は前記加圧室とそれに連通する前記ノズルを有し、前記加圧室は基板と内部に共通電極が形成された前記圧電素子とから構成されており、前記圧電素子に駆動電圧を印加するための個別電極が前記圧電素子の前記加圧室に対向する位置に配設されていることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録システム。
(3)前記インクは、少なくとも、水、着色剤、水溶性有機溶剤および界面活性剤からなることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録システム。
(4)前記着色剤は、顔料からなることを特徴とする前記(3)記載のインクジェット記録システム。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドはノズルを500個以上有し、前記記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に対して直交する水平方向に2個以上配置してなるインクジェット記録システムを用いたことを特徴とする記録装置。
図1は本発明に係るインクジェット記録ヘッドの実施の形態を示す平面図であり、図2(a)は図1の一部拡大縦断面図、(b)は(a)の底面図である。
また上記したように、加圧室2は供給口5からインクが充填されるが、供給口5は20〜60μmと非常に細い毛管であるために、インクの表面張力が45mN/mより高いとその部分で、初期充填時にエアーロックが起こり、インクが充填されない。
本発明によれば、圧電素子8表面の平均傾斜Δaは100〜1000mrad、好ましくは300〜950mradである。平均傾斜が1000mradより大きくなるとクラックが入りやすくなり、印加できる駆動電圧が低くなり、10m/sのインク吐出速度を得ることができない。
本発明にかかるインクは、少なくとも、水、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤からなり、その他に必要に応じてpH調整剤、防腐防カビ剤等を添加することができる。
顔料の成分としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニンブルー、イソインドリノン、キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ベリノン・ベタリンのような有機顔料、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料といった着色剤顔料成分や、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウムのような体質顔料等が挙げられる。
具体的な有機顔料としては、以下に例示する。マゼンタの顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
顔料の全液媒体に対する含有量としては、1〜10wt(質量)%が好ましく、さらに好ましくは、3〜7wt%である。
水溶性樹脂の全液媒体に対する含有量としては、0.1〜10wt%が好ましく、さらに好ましくは、1〜5wt%である。これらの水溶性樹脂は、二種類以上併用することも可能である。
本発明の顔料分散体は、分散時での異物やゴミ、粗大粒子等を除去するために遠心分離装置を使用したり、フィルターをして濾過することも好ましく行われる。
本発明のインクジェット記録ヘッドの一例において、図1に積層圧電素子8と個別電極9とを含む圧電アクチュエータを取り付ける前の状態を示す。
図の例におけるインクジェット記録ヘッドは、1枚の基板1上に、加圧室2とそれに連通するノズル3とを含むドット形成部を複数個、配列したものである。
また図2(a)は、上記例のインクジェット記録ヘッドにおいて、圧電アクチュエータを取り付けた状態での、1つのドット形成部を拡大して示す断面図、図2(b)は1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。図3は図2(a)のノズル3付近の拡大図である。
各ドット形成部は、基板1の、図2(a)において上面側に形成した、矩形部の幅方向の中央部に中心を有し、径が幅長さと等しく、かつ水平断面形状が半円形である端部を前記矩形部の長手方向の両端に備えた、平板形状を有する加圧室2と、上記基板1の下面側の、加圧室2の一端側の端部の半円と中心が同じで円錐台形のノズル3とを、前記端部の半円と中心が同じで同径の円柱形のノズル流路4を介して繋ぐと共に、上記加圧室2の他端側の端部の半円と中心が同じである円柱形の供給口5を介して、加圧室2を、基板1内に、各ドット形成部を繋ぐように形成した共通流路6(図1に破線で示す)に繋ぐ構成となっている。
またノズル3は、図3に示すように、インク滴吐出側の先端の開口30を、基板1の下面側である第4基板1dの下側の表面1eに円形に形成してある。それと共にノズル3は、この先端側の開口30が、加圧室2側の開口31よりも小さくなるように、テーパー状(円錐状)に形成してある。
インクジェット記録ヘッドへのインクの初期充填においては、図1に示すように、インクは、インクカートリッジ(図示しない)からの配管とこの配管を接続するためのジョイント部11との間に、ポンプ(図示しない)を配置しジョイント部11を介して、前記記録ヘッドに供給が行われる。ポンプは、チューブポンプやギヤポンプ、電磁ポンプなど目的に合わせて使用することができる。
本発明のインクに含有させる着色剤として、C.I.ピグメントレッド122を使用し、水溶性樹脂を使用して以下のように顔料分散液を作製した。
(顔料分散液)
C.I.ピグメントレッド122 30質量%
ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) 15質量%
グリセリン 10質量%
イオン交換水 45質量%
上記の組成で混合し、0.5mmのジルコニアビーズを使用し、ボールミルにて平均粒子径が100nmになるまで分散した。平均粒子径は、顔料分散液をイオン交換水にて5倍希釈し、動的光散乱式粒径分布測定装置(HORIBA社製、LB−550)にて確認した。
図1および図2(a)、(b)に示す構造を有し、なおかつ加圧室2の面積が0.2mm2、幅が2200μm、深さが100μm、ノズル流路4の直径が200μm、長さが800μm、供給口5の直径が30μm、長さが40μm、ノズル3の長さが30μm、インク吐出側の開口30および加圧室2側の開口31の形状がそれぞれ半径10μmおよび20μmの円形であると共に、この各部位から構成されるドット形成部が1列あたり166個、全体(4列)で664個のドット形成部が基板1上に配列された圧電インクジェットヘッドを用いた。
同一列内のドット形成部間のピッチは150dpiとし、また隣り合う各列を1/2ピッチずつずらすことで、全体として600dpiとした。
前記で得られたインクジェット用インクおよびインジェット記録ヘッド、そしてそれらを搭載した記録装置を用いて、インク液滴を連続的に吐出させ、吐出状態を調べた。評価は、以下のようにして行った。すなわち、表1に示すインクNo.1〜6のいずれかを平均傾斜Δaが383mradと922mradのいずれかの圧電素子が組み込まれたインクジェット記録ヘッドに、インクタンクからギヤポンプを使用し圧力150kPaで初期充填を行った。その後、ノズル面に対してインクタンク液面を10cm下方に位置させて、ノズルにインクメニスカスを形成させ、25℃50%RH環境下において、全ノズル同時に駆動電圧20V、駆動周波数15及び20kHzにおいて、連続的に5000発を吐出させ、光沢紙を記録ヘッドからのインク吐出方向に対して直交する面に平行に搬送して印画した。評価結果を表2に示した。
○:不吐出ノズルがなく、1発目から連続吐出している。
△:不吐出ノズルがなく、2発目以降から連続吐出している。
×:不吐出ノズルがあり、2発目以降から連続吐出している。
インクの粘度は、振動式粘度計(株式会社エー・アンド・ディ製、SV−10)を用いて測定した。
(接触角測定)
インクの接触角は、協和界面科学株式会社製接触角測定装置を用いて測定した。なお、圧電素子に対するインクの接触角は、測定により45度であった。
(平均傾斜測定)
圧電素子表面の平均傾斜Δaは、光干渉型表面粗さ測定装置(Veeco社製Wyko NT1100)を用いて測定し、平均傾斜(mrad)を求めた。
表2に示されるように、インクの粘度、圧電素子の平均傾斜および上記式(1)が本発明の範囲内であれば、連続吐出性において良好な結果を示した。
これに対して、インクの粘度が本発明の範囲外である場合、連続吐出性は悪く、不吐出ノズルが発生した(比較例1〜4)。
2 加圧室
3 ノズル
4 インク流路
5 供給口
6 共通流路
7 共通電極
8 圧電素子
9 個別電極
11 ジョイント部
12 撥水層
30 インク吐出側開口
A1 領域
AC 圧電アクチュエータ
Claims (5)
- 前記インクジェット記録ヘッドは、複数のドット形成部からなり、該ドット形成部は前記加圧室とそれに連通する前記ノズルを有し、前記加圧室は基板と内部に共通電極が形成された前記圧電素子とから構成されており、前記圧電素子に駆動電圧を印加するための個別電極が前記圧電素子の前記加圧室に対向する位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録システム。
- 前記インクは、少なくとも、水、着色剤、水溶性有機溶剤および界面活性剤からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録システム。
- 前記着色剤は、顔料からなることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録システム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドはノズルを500個以上有し、前記記録ヘッドを記録媒体の搬送方向に対して直交する水平方向に2個以上配置してなるインクジェット記録システムを用いたことを特徴とする記録装置。
Priority Applications (2)
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JP2006296546A JP2008110585A (ja) | 2006-10-31 | 2006-10-31 | インクジェット記録ヘッドおよび記録装置 |
US11/979,071 US7810913B2 (en) | 2006-10-31 | 2007-10-30 | Inkjet recording system and recording apparatus |
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CN106142841A (zh) * | 2015-03-27 | 2016-11-23 | 兄弟工业株式会社 | 压电促动器和记录头 |
Citations (3)
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JP2002127414A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-08 | Fuji Electric Co Ltd | インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 |
JP2003266689A (ja) * | 2002-03-18 | 2003-09-24 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド及びその製造方法並びにインクジェット記録装置 |
JP2005271299A (ja) * | 2004-03-23 | 2005-10-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録ヘッド及び画像形成装置 |
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2006
- 2006-10-31 JP JP2006296546A patent/JP2008110585A/ja active Pending
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