JP2008137239A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する被記録材およびインクに関わらず、常に、滲みが少なく良好な画質のカラー画像を形成することができるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録方法は、複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字する方法において、前記複数色のインクのうち最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、少なくとも1回、被記録材上のインクを乾燥させる操作を行う。インクジェット記録装置は、インクを吐出する記録ヘッド101が走査方向に沿って複数配設されているとともに、この複数の記録ヘッドのうち最初に吐出される色のインクを収容した記録ヘッド101Cと最後に吐出される色のインクを収容した記録ヘッド101Kとの間に、少なくとも1つの乾燥手段102が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数色のインクを用いてカラー印刷をする際に滲みのない高画質を確保することができるインクジェット記録方法およびその装置に関する。
インクジェット記録装置は、ノズル、スリットあるいは多孔質フィルム等から液体インクあるいは溶融固体インクを吐出し、これを紙、布、フィルム等の被記録材上に付着させて記録を行うものである。このようなインクジェット記録方式は、装置の小型化、低価格化を図ることが可能であり、記録時の騒音が少ない等の利点もあることから、近年、急速に普及している。
ところで、一般に、インクジェット記録方式で印刷を行なう場合、紙を被記録材とすることが多い。これまでから、黒色の単色印刷の場合、レポート用紙やコピー用紙等のいわゆる普通紙であっても、良好な印字品質が得られているが、カラー印刷を行なう場合には、普通紙であると、インク滲みが生じやすく、画質が低下する傾向があった。そのため、カラー印刷において高画質を得ようとする場合には、被記録材として、インク受容層となるコート剤を表面に塗布したインクジェット専用紙を用いなければならないという制限があった。
そこで、普通紙において高画質のカラー画像を印刷しうる方法として、インク処方に特定量の非イオン界面活性剤を含有させるといった方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平6−24123号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、被記録材には制限がなく、普通紙であっても良好なカラー画像を形成することができるが、一方で、インクとして前述した特定処方のインクを使用する必要があり、高画質のカラー画像を得るにはやはり制限を受けることになる。被記録材やインクは消耗品であるので、これらについて使用可能なもの(種類)が限定されると、汎用性に欠け、ランニングコストの高騰に繋がるおそれがある。したがって、どのような被記録材およびインクを使用しても常に高画質のカラー画像を形成することができるインクジェット記録装置が要望されている。
そこで、本発明の課題は、使用する被記録材およびインクに関わらず、常に、滲みが少なく良好な画質のカラー画像を形成することができるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、インクジェット記録方式によりカラー印刷を行なう場合、被記録材に複数色のインクを着弾(付着)させる必要があり被記録材上の液滴量が多くなることが、画像に滲みが生じて良好な画質を得られない要因になっていると考え、印字途中、すなわち、前記複数色のインクのうち最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、被記録材に付着しているインクを乾燥させることにより、良好な画質が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
なお、これまでから、インクジェット記録方式において、被記録材上に付着したインクを乾燥することは適宜行なわれていた。しかし、この従来行なわれていた乾燥は、印字後、すなわち全てのインク(複数色のインクを用いる場合にはその全て)を吐出、付着させた後に行なうものであり、その目的は、印字直後の未乾燥のインクによって、続いて排出された被記録材の裏面や取り扱う人の手などが汚されることを回避するためであった。これに対して、本発明における乾燥は、印字中、すなわち複数色のインクのうちの幾つかが被記録材に付着した時点(言い換えれば、各色のインクの吐出と吐出の合い間)で行なうものであり、これによってカラー印刷における滲みを防止するのである。例えば、特開2006−51759号公報には、印字終了後に乾燥時間を設定し、画質の低下や汚れを制御することが提案されているが、ここでも、乾燥は記録後(印字後)に行なうものであり、滲みの防止に関しても言及されていない。
本発明のインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置は、以下の構成を有する。
(1)複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字するインクジェット記録方法において、前記複数色のインクのうち最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、少なくとも1回、被記録材上のインクを乾燥させる操作を行う、ことを特徴とするインクジェット記録方法。
(2)インクの吐出には、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いる、前記(1)記載のインクジェット記録方法。
(3)シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクを用いる、前記(1)または(2)記載のインクジェット記録方法。
(4)複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字するインクジェット記録装置において、インクを吐出する記録ヘッドが走査方向に沿って複数配設されているとともに、この複数の記録ヘッドのうち最初に吐出される色のインクを収容した記録ヘッドと最後に吐出される色のインクを収容した記録ヘッドとの間に、少なくとも1つの乾燥手段が設けられている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
(5)前記記録ヘッドはラインヘッド方式である、前記(4)記載のインクジェット記録装置。
本発明によれば、使用する被記録材およびインクに関わらず、常に、滲みが少なく良好な画質のカラー画像を形成することができる。これによって、良好な画質を維持させながら、消耗品である被記録材やインクの選択の幅を拡げることができる、という利点も得られる。
以下に、本発明にかかるインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について詳細に説明をする。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。図1において、100はインクの記録を行う記録部であり、インクを吐出する記録ヘッド101を複数備えている。給紙カセット200に収容された用紙(被記録材)Pは、複数のローラ301からなる搬送手段300によって給紙カセット200から排紙トレイ400まで搬送され、その搬送途中の用紙Pに記録部100によって画像が印字される。
図2は、本発明のインクジェット記録装置における記録部100を示す概略構成図である。記録部100には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の記録ヘッド101C、101M、101Y、101Kが走査方向に沿って配設されている(図2中、矢印は、紙の走査方向を示す)。そして、記録ヘッド101Mと101Yの間には、乾燥手段102が設けられている。このように、複数の記録ヘッドのうち最初に吐出される色のインクを収容した記録ヘッド101Cと最後に吐出される色のインクを収容した記録ヘッド101Kとの間に、少なくとも1つの乾燥手段102が設けられていることにより、被記録紙に順次付着していくインクを印字途中で乾燥させることができ、その結果、液滴量の少ない段階から印字されたインクの乾燥を行うことで、滲みが少ない高画質の画像を形成することができる。
乾燥手段102としては、乾燥を促進するものであれば特に制限はないが、例えば、図2に示すようなファンのほか、熱風や常温風の送風機、セラミックヒータ、ハロゲンランプなどが挙げられる。また、乾燥手段として、これら複数の手段を組み合わせることもできる。
乾燥手段は、複数箇所に設けられていてもよく、例えば、記録ヘッド101Cと記録ヘッド101Mの間、記録ヘッド101Yと記録ヘッド101Kの間、もしくはこれら両方に設けることもできる。
各記録ヘッド101は、記録ヘッド101にインクを供給するインクカートリッジ(不図示)と、インクを吐出する多数のノズル103K、103C、103M、103Yと、各ノズルのインクの上流側に配設された加圧室(不図示)と、加圧室に加圧する圧電素子(不図示)とを備えている。このような構成の記録ヘッド101において、所定の圧電素子に駆動信号が与えられてその圧電素子が駆動すると、加圧室の一部を構成している振動板(不図示)が振動して加圧室内部のインクが加圧され、それによってインク滴がノズルから吐出され、用紙Pに画像が記録される。
以下、この圧電インクジェット記録ヘッド101について、さらに図面を用いて詳しく説明する。
図3は、圧電インクジェット記録ヘッドの一例において、圧電素子と振動板とを含む圧電アクチュエータを取り付ける前の状態を示す平面図である。この記録ヘッドは、1枚の基板1上に、加圧室2とそれに連通するノズル3とを含むドット形成部を複数個配列されてなる。
図4(a)は、図3に示す圧電インクジェット記録ヘッドにおいて、圧電アクチュエータを取り付けた状態で、1つのドット形成部を拡大して示す断面図であり、図4(b)は、1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。
各ドット形成部のノズル3は、図3に矢印で示す走査方向に複数列(図3に示す例では4列)並んでいる。例えば、図3に示す場合、同一列内のドット形成部間のピッチを150dpiとし、ヘッドの全体として600dpiを実現することが可能である。
各ドット形成部は、基板1の、図4(a)において上面側に形成した、矩形状の中央部の両端に半円形の端部を接続した平面形状を有する加圧室2と、上記基板1の下面側の、加圧室2の一端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成したノズル3とを、上記端部の半円と同径の、断面円形のノズル流路4で繋ぐとともに、上記加圧室2の他端側の端部の、半円の中心と重なる位置に形成した供給口5を介して、加圧室2を、基板1内に、各ドット形成部を繋ぐように形成した共通流路6(図3に破線で示す)に繋ぐことで構成されている。上記各部は、加圧室2を形成した第1基板1aと、ノズル流路4の上部4aと供給口5aを形成した第2基板1bと、ノズル流路4の下部4bと共通流路6とを形成した第3基板1cと、ノズルプレートとしての、ノズル3を形成した第4基板1dとを、この順に積層、一体化することで形成されている。
ノズル3は、図5に示すように、インク滴吐出側の先端の開口30を、基板1の下面側である第4基板1dの下側の表面1eに円形に形成してある。それとともに、ノズル3は、この先端側の開口30が、加圧室2側の開口31よりも小さくなるように、テーパー状に形成してある。
第1基板1aと第2基板1bには、図3に示すように、第3基板1cに形成した共通流路6を、基板1の上面側で、図示していないインクカートリッジからの配管と接続するためのジョイント部11を構成するための通孔11aを形成してある。
さらに、各基板1a〜1dは、例えば樹脂や金属などからなり、フォトリソグラフ法を利用したエッチングなどによって上記各部となる通孔を設けた、所定の厚みを有する板体にて形成してある。
基板1の上面側には、当該基板1と同じ大きさを有する1枚の振動板7と、少なくとも各ドット形成部を覆う大きさを有する1枚の薄膜状の共通電極8と、図3中に一点鎖線で示すように各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けた、略矩形状の平面形状を有する横振動モードの薄板状の圧電素子9と、各圧電素子9上に形成した、同じ平面形状を有する個別電極10とを、この順に積層することで圧電アクチュエータACが構成されている。
なお、圧電素子9を、いくつかのドット形成部の加圧室2にまたがる大きさに一体形成して、個別電極10のみ、図3中に一点鎖線で示すように各ドット形成部の加圧室2の中央部と重なる位置に個別に設けてもよい。
圧電素子9を、例えば横振動モードとして駆動するためには、圧電材料の分極方向を、当該圧電素子9の厚み方向、より詳しくは個別電極10から共通電極8に向かう方向に配向させる。そのためには、例えば高温分極法、室温分極法、交流電界重畳法、電界冷却法などの従来公知の分極法を採用することができる。また、分極後の圧電素子9をエージング処理してもよい。
圧電材料の分極方向を上記の方向に配向させた圧電素子9は、共通電極8を接地した状態で、個別電極10から正の駆動電圧を印加することによって、分極方向と直交する面内で収縮する。しかし、圧電素子9は、共通電極8を介して振動板7に固定されているため、結果的に、圧電素子9と振動板7とが加圧室方向に撓むことになる。このため、撓みが発生する際の力が加圧室2内のインクに圧力変化として伝えられ、この圧力変化によって、供給口5、加圧室2、ノズル流路4、およびノズル3内のインクが振動を起こす。そして、振動の速度が、結果的にノズル3の外に向かうことによって、ノズル3内のインクメニスカスが、インク滴吐出側の先端の開口30から外部へと押し出されて、インク柱が形成される。振動の速度は、やがてノズル内方向に向かうが、インク柱はそのまま外方向に運動を続けるため、インクメニスカスから切り離されて1〜2滴程度のインク滴にまとまり、それが紙面の方向に飛翔して、紙面にドットを形成する。インク滴が飛翔して減少した分のインクは、ノズル3内のインクメニスカスの表面張力によって、インクカートリッジから、当該インクカートリッジの配管、ジョイント部11、共通流路6、供給口5、加圧室2、およびノズル流路4を介してノズル3に再充てんされる。
基板1の下面側である第4基板1dの下側の表面1eには、前記のように、所定の平面形状を有する撥水処理されない領域A1を、ノズル3のインク滴吐出側の先端の、円形の開口30と重ねて設けてある。すなわち、この領域A1を除くそれ以外の表面1eに撥水層12を積層して撥水処理すると共に、領域A1内は撥水層12を形成せずに、第4基板1dの表面を露出させて、撥水処理されていない状態としてある。
第4基板1dの表面の、撥水層12が形成されずに露出された表面や、ノズル3の内周面には、第4基板1dを、金属等の、インクに濡れやすい材料によって形成することによって、本来的に親水性を付与してあるが、さらに親水処理をして親水性を高めることもできる。親水処理としては、酸素プラズマ処理、オゾン処理、レーザー処理等が挙げられる。
この圧電インクジェットヘッドは、ドット形成の直前に加圧室の容量を拡大させる方向に圧電素子を変形させることで、ノズル内のインクメニスカスを引き込み、その後、加圧室の容量を縮小させる方向に圧電素子を変形させることで、インク滴をインクメニスカスから分離させて吐出させる引き打ち式、およびドット形成時に、加圧室の容量を縮小させる方向に圧電素子を変形させることで、ノズル内のインクメニスカスを押し出し、次いで、加圧室の容量を拡大させる方向に圧電素子を変形させることで、インクメニスカスを引き込んで、インク滴をインクメニスカスから分離させて吐出させる押し打ち式のいずれの駆動方法によって駆動しても良い。
本発明においては、記録ヘッド101として、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いることが好ましい。ラインヘッド方式とは、用紙幅と同じ長さにノズルが並んだ記録ヘッドを用い、紙送りのみの動作もしくはヘッドのみの動作で印刷する方式である。これに対して、紙送り方向と直角に動く記録ヘッドを用いて、ヘッド上のノズル幅分の印刷を行ない、ヘッドの往復と紙送りとの2つの動作により用紙全体に印刷する、シリアル方式がある。ラインヘッド方式によれば、シリアル方式よりも高速に印刷が行なえるという利点が得られる。勿論、本発明においては、シリアル方式の記録ヘッドを用いることもできる。
また、本発明における記録ヘッド101は、連続噴射型の記録ヘッドであってもよいし、オンデマンド型の記録ヘッドであってもよい。オンデマンド型としては、例えば、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が挙げられる。
本発明にかかるインクジェット記録装置には、上記のほか、当技術分野に関する公知技術を適宜採用することができる。
次に、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字するものであり、前記複数色のインクのうち最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、少なくとも1回、被記録材上のインクを乾燥させる操作を行うものである。具体的には、例えば上述したような乾燥手段を備えた本発明のインクジェット記録装置を用いて、被記録材の上に順次各色のインクを吐出するにあたり、複数色のうち一部の色のインクを吐出した時点で、被記録材に付着しているインクを乾燥させる操作を、被記録材に施すのである。このように液滴量の少ない段階から印字されたインクの乾燥を行うことによって、印字された画像のにじみを抑え、良好な画質を確保することができる。
被記録材上のインクを乾燥させる操作は、最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、1回のみ行なってもよいし、複数回の行なってもよい。つまり、インクの吐出と吐出の合い間ごとに(すなわち全ての合い間において)乾燥操作を行ってもよいし、複数存在する合い間のうちの幾つかの時点で乾燥操作を行なってもよいのである。
被記録材上のインクを乾燥させる操作としては、例えば、ファン等の送風手段によってインクに風を当てたり、セラミックヒータやハロゲンランプ等の加熱手段によってインクに熱を加えたりすればよい。なお、この操作によってインクを完全に乾燥させる必要はなく、乾燥の程度については、用いるインクの数などに応じて適宜設定すればよい。
被記録材上のインクを乾燥させる操作を行なう際の条件(送風時間、送風量、加熱時間、加熱温度など)は、所望の乾燥程度となるように任意に設定すればよい。
インクの吐出には、上述したように、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いることが望ましい。
インクとしては、通常、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色が用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色を基本として、これらにオレンジ、グリーンを加えた6色、さらには、ライトマゼンタ、ライトブルーを加えた8色のインクを用いて、カラー画像を印字するようにしてもよい。
本発明において用いることのできるインクは、特に制限されるものではく、通常、インクジェット記録に用いられているインクを用いることができる。例えば、分散剤の存在下で水溶性有機溶剤中に顔料を分散させてなる水性インク等が挙げられる。
前記顔料としては、一般のインクジェット記録用インクで使用できる各種の無機顔料および有機顔料が使用可能であるが、とくに有用なものとして、C.I.ピグメントイエロー93,95,109,110,120,128,138,139,151,154,155,173,180,185,193,C.I.ピグメントオレンジ34,36,43,61,63,71,C.I.ピグメントレッド122,202,C.I.ピグメントブルー15,C.I.ピグメントバイオレット19,23,33,C.I.ピグメントブラック7等を挙げることができる。
前記顔料の粒径は、インクの色濃度、色相、インク安定性などの観点から、平均粒径で200nm以下、好ましくは100〜200nmであるのがよい。200nmを超えると、特にノズルおよびノズル供給部での目詰まりが発生しやすくなり、また吐出性が悪くなる。
前記顔料の使用量は、少なくなりすぎるとインクの色濃度が低下し、一方、多くなりすぎるとインク粘度や流動性の面から印刷が困難となる傾向がある。これらの点から、顔料の好適な使用量は、インクジェット記録用インク組成物全量中に1〜15重量%程度であり、より好適には5〜10重量%程度であるのがよい。
前記水溶性有機溶剤として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、そしてエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド等が挙げられる。
前記分散剤としては、溶剤に可溶可能な各種顔料分散剤が使用できる。中でも好適な分散剤は、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソステアレート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)などのノニオン活性剤が適している。さらに、必要に応じて、ノニオン活性剤に加えて、アニオン活性剤あるいはカチオン活性剤として一般に知られている活性剤(分散剤を使用することもできる。
前記分散剤の添加量は、インク全量に対して0.01〜1重量%添加することが好ましい。0.01重量%未満であると顔料の十分な分散ができず、一方、1重量%を超えるとインクジェットノズルからの吐出安定性が悪化するおそれがある。
前記インクには、必要に応じて、各種染料、目詰り防止剤(尿素及びその誘導体、スルホン酸アミド等)、酸化防止剤、粘度調整剤(ポリビニルアルコール、セルロース類、水溶性樹脂等)、pH調整剤(ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、緩衝液等)、防カビ剤等の種々の添加剤を、本発明の目的を妨げない範囲において添加することができる。
本発明において用いることのできる被記録材は、特に制限されるものではなく、通常の各種の紙材(インク受容層なるコート剤を塗布したインクジェット専用紙のみならず、例えば、普通紙、上質紙、再生紙などを含む)、フィルム、布等が挙げられる。本発明においては、被記録材の種類等に拘わらず、常に高画質のカラー画像を形成することができるので、特に、インク受容層が設けられていない紙材などのインク浸透性が高い被記録材に好適である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明のインクジェット記録方法およびその装置をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例)
まず、下記に占めす処方に基づき、粘度3.0mPa・sのインクを各色ごとに作成した。
<インク処方>
・界面活性剤(アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物:日信化学工業(株)製「オルフィンE1010」)・・・0.5重量%
・ヘキシレングリコール ・・・5.0重量%
・2−ピロリドン ・・・5.0重量%
・グリセリン ・・10.0重量%
・顔料分散液*1 ・・20.0重量%
・水 ・・・・・・・残量
*1;顔料分散液は、各顔料30重量%、アクリルースチレン系樹脂(ジョンソン社製「ジョンクリル61」)15重量%、グリセリン10重量%、およびイオン交換水45重量%を混合して分散することにより、別途作成したものである。なお、顔料としては下記のものを用いた。
シアン用顔料(ピグメントブルー15:3)
マゼンタ用顔料(ピグメントレッド122)
イエロー用顔料(ピグメントイエロー74)
ブラック用顔料(カーボンブラック)
次に、上記で得た4色のインクおよび、図2に示す構成の記録部100(すなわち、走査方向の上流側から順に、記録ヘッド101C(シアン)・記録ヘッド101M(マゼンタ)・乾燥ファン102・記録ヘッド101Y(イエロー)・記録ヘッド101K(ブラック))を搭載したインクジェット記録装置を用い、カラー画像を印字した。印字された画像の写真を図6(a)に示す。図6から、得られたカラー画像は、印字ドットの滲みもなく良好な画質を保持していることがわかった。
(比較例1)
実施例において用いたインクジェット記録装置の記録部100から乾燥ファン102を取り去った装置を用い、他の条件等は実施例と同様にして、カラー画像を印字した。印字された画像の写真を図6(b)に示す。図6から、得られたカラー画像は、実施例と比べ印字ドットに滲みが認められることが明らかであった。
(比較例2)
実施例において用いたインクジェット記録装置の記録部100における乾燥ファン102の取り付け位置を、記録ヘッド101Mと記録ヘッド101Yの間から、記録ヘッド101Kの後に変更した装置を用い(すなわち、全てのインクの吐出が終わってから乾燥操作を行なうようにし)、他の条件等は実施例と同様にして、カラー画像を印字した。印字された画像は、図6(a)に示す写真に比べてやや滲みがあった。(図示せず)
本発明にかかるインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。 本発明にかかるインクジェット記録装置の記録部を示す概略構成図である。 本発明にかかるインクジェット記録装置の記録ヘッドの一例において、圧電素子と振動板とを含む圧電アクチュエータを取り付ける前の状態を示す平面図である。 (a)は、図3に示す圧電インクジェット記録ヘッドにおいて、圧電アクチュエータを取り付けた状態で、1つのドット形成部を拡大して示す断面図である。(b)は、1つのドット形成部を構成する各部の重なり状態を示す透視図である。 図3に示す圧電インクジェット記録ヘッドにおけるノズル部分を拡大して示す断面図である。 (a)は実施例で得られた印字画像を示す写真であり、(b)は比較例1で得られた印字画像を示す写真である。
符号の説明
100 記録部
101 記録ヘッド
200 給紙カセット
300 搬送手段
301 ローラ
400 排紙トレイ
1 基板
2 加圧室
3 ノズル
4 ノズル流路
5 供給口
6 共通流路
7 振動版
8 共通電極
9 圧電素子
10 個別電極
11 ジョイント部
12 撥水層
30 開口
A1 領域
AC 圧電アクチュエータ

Claims (5)

  1. 複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字するインクジェット記録方法において、
    前記複数色のインクのうち最初に吐出される色のインクが被記録材に付着してから最後に吐出される色のインクが被記録材に付着するまでの間に、少なくとも1回、被記録材上のインクを乾燥させる操作を行う、ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. インクの吐出には、ラインヘッド方式の記録ヘッドを用いる、請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクを用いる、請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
  4. 複数色のインクをそれぞれ吐出して被記録材に付着させることによりカラー画像を印字するインクジェット記録装置において、
    インクを吐出する記録ヘッドが走査方向に沿って複数配設されているとともに、この複数の記録ヘッドのうち最初に吐出される色のインクを収容した記録ヘッドと最後に吐出される色のインクを収容した記録ヘッドとの間に、少なくとも1つの乾燥手段が設けられている、ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 記録ヘッドはラインヘッド方式である、請求項4記載のインクジェット記録装置。
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