JP2007331127A - 液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents

液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高浸透性のインクを用いてもノズルプレート表面近傍に浮遊するインクミストの付着が防止され、ノズル詰まりの起きない液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法を提供する。
【解決手段】液滴を吐出する吐出口であるノズルが配列された吐出口部材のノズルプレートを有する液滴吐出装置であって、前記ノズルプレートのノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部分と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部分とを備え、前記非撥水処理部分は前記撥水処理部分と電位差を持つように少なくとも一方に電圧を印加するかまたは一方を接地する。
【選択図】図8

Description

本発明は、安定したインクの吐出状態を達成できる改善された吐出口面をもつインクジェットヘッドを備えた液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法に関する。
インクジェット記録方式で記録を行った場合、記録信号に応答して吐出される主インク滴に付随して、この主インク滴に遅れて吐出口から飛翔する微小インクが発生する場合がある。こうした微小インク(以下、インクミストという)は、吐出口から飛翔した直後に吐出速度が急激に減速し、記録紙に到達せずにノズル近傍に浮遊することがある。このような浮遊したインクミストはインクジェットヘッドの吐出口面に付着し、インクの液溜りが生じることがしばしばある。こうした液溜りの発生は、吐出口からのインク滴の吐出を不安定にしたり、インク不吐出を引き起こす等の問題の発生につながることが知られている。
従来、こうした液溜りの問題を解決するために、吐出口が設けられた吐出口面に撥水処理を施すことが行われていた(例えば特許文献1参照)。このように吐出口面のほぼ全面に撥水膜を形成した場合、吐出口の周辺部分におけるインクの滞留が少なくなり、前述したインクの不安定吐出等の問題はある程度改善される。しかしながら、連続した長期間の高周波駆動で、高印字スピード、高デューティーの記録を行う場合には、発生するインクミストの量が多く、吐出口面にインクの滴が次第に滞留するようになる。
以下に、吐出口面に付着したインクミストがどのようにしてインク吐出状態に変化をもたらすかを簡単に説明する。
ノズル形成面のほぼ全面に撥水処理を行った構成では、ノズルプレート近傍に浮遊するインクミストはランダムに付着するが、付着したミストの近傍もしくは付着したミストに重なって、次第に大型のインクミスト集合体に成長する。撥水処理されたノズルプレート面では水(インク)に対する接触角が大きいため、直径が300μmから500μm程度に成長したインクミスト集合体は流動性が大きく、水に対する接触角が80度を越えると、その流動性は一層顕著なものとなる。特に、記録ヘッド自体を記録される領域に往復走査させる装置構成の場合には、往復動から生ずる慣性力を起源としてあるいは自重によって、インクミスト集合体は容易に移動し始めて近傍のインクミスト集合体と合体を繰り返し、さらに巨大なインク滴に成長する。するとインクミスト集合体の移動も容易となり、ついに吐出口に到達することになり、このように成長したインクミストは部分的に対応する1〜2のノズルの吐出口に引き込まれ、不吐出さえも発生させる現象を生み出すこととなる。
このような現象を解決する技術として、複数の吐出口を備えた領域を含む中央撥水領域と、前記複数の吐出口から所定距離離れた箇所で、前記中央撥水領域の少なくとも一方側に、吐出口面に付着して増大したインク滴を捕獲するように間欠的に複数配置された親水部分を有する部分親水領域と、を備えたインクジェットヘッドの発明が知られている(特許文献2参照)。この発明には、ノズル表面全域が撥水された場合、連続印刷時等にインクミストが集積しインク滴となり吐出口に引き込まれることで不吐出となることが示されている。また、ノズル表面に部分的に親水部を設けた場合は、インクミストが親水部に集まり、ノズル近傍でのインク滴への成長が防止されることが示されている。
また、ノズル周辺に凹部を形成し、該凹部の側面を除くカバープレート表面およびノズルプレート表面に撥インク処理を施したインクジェットヘッドが提案されており(特許文献3参照)、インクミストを凹部の側面の親水性部に貯める技術が記載されている。
また、ヘッドのノズル板表面のインク吐出口周辺が撥インク処理され、更にその周縁が親インク処理されたインクジェットプリンタと、25℃における粘度が4cp以上であるインクを用いて、前記撥インク処理面に対する該インクの前進接触角を80〜110°、後退接触角を40°以上とし、前記親インク処理面に対する同インクの前進接触角および後退接触角を30°以下として画像を形成するインクジェット方式の画像形成方法が提案されている(特許文献4参照)。ここでは、ノズル周辺部の撥インク処理部が、インクとの接触角が高い場合に、インクの移動が起こりやすく、親水部分へのインク移動を促進して、ノズル周辺部のインクを除去しようとされている。
ところで、近年、普通紙への高速印字および高画質化を達成するため、普通紙に対して高浸透性のインクを用いることが多くなってきた。本出願人が開発したこうした高浸透性のインクは、サイジングされた普通紙への浸透性を高める設計がなされていることから、より親油性となっており、ノズルプレート表面の撥水処理膜に対する接触角も小さく(80°以下)なっていることが多い。このようなインクを用いた場合には、一旦ノズルプレート表面に付着したインクは、ノズル面を移動して親水性部分に集まる作用が起こりにくく、前記したような部分的に親水部を設けたノズルプレートを用いてもその効果は小さく、全面に撥水処理を施した場合と同様、ノズル近傍に付着したインクミストが成長してノズル内部に入り込むことによってメニスカスを破壊しインク非吐出となることがある。
特許第2763410号公報 特許第3332503号公報 特開2005−7789号公報 特開平11−268248号公報
上記の課題に鑑み、本発明は、ノズルプレートのノズル面に撥水処理された撥水処理部および撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、撥水処理部と非撥水処理部とで電位差を持たせる液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、液滴を吐出する吐出口であるノズルが配列された吐出口部材のノズルプレートを有する液滴吐出装置であって、前記ノズルプレートのノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記非撥水処理部は前記撥水処理部と電位差を持つように少なくとも一方に電圧を印加するか、または、一方を接地することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液滴吐出装置において、前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、ノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置であって、前記ノズルプレートのノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記撥水処理部の接触角が80°以下の液滴を用い、前記ノズルから液滴を吐出する際に、前記非撥水処理部に前記液滴が持つ電荷と逆極性の電位を印加して印字することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液滴吐出装置において、前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置を搭載した画像形成装置であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、ノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置のノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記撥水処理部の接触角が80°以下の液滴を用い、前記ノズルから前記液滴を吐出する際に、前記非撥水処理部に、前記液滴が持つ電荷と逆極性の電位を印加する画像形成方法であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成方法において、前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、液滴を吐出するノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置の製造方法であって、ウエハ上に、接着剤を介して樹脂部材を接合して導電性のノズル形成部材を形成する工程と、撥水材料で一部撥水処理しない部分を形成するためのマスクを、前記樹脂部材の表面に形成する工程と、前記マスクの面に結合剤を介して絶縁性の撥水材料による撥水処理層を形成する工程と、前記撥水処理層を形成した面とは反対の面からエキシマレーザを照射してノズルを形成する工程と、前記マスクを除去する工程とを有することを特徴とする。
このように、本発明によれば、ノズルプレートのノズル面に撥水処理された撥水処理部および撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、撥水処理部と非撥水処理部とで電位差を持たせる液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法を提供することができる。
本実施形態の液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法では、高浸透性のインクを用いてもノズルプレート表面近傍に浮遊するインクミストの付着が防止され、ノズル詰まりの起きない液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的としている。
以下に、本実施形態の液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
本実施形態に係る液滴吐出装置の第1実施形態について、図1ないし図5を参照して説明する。なお、図1は、液滴吐出装置のインクヘッドの分解斜視説明図である。また図2は、液滴吐出装置のインクヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図である。また図3は、図2に示す液滴吐出装置の要部拡大図である。さらに図4および図5は、液滴吐出装置のインクヘッドの液室短手方向の異なる例を示す断面説明図である。
図1〜3に示すように、液滴吐出装置は、例えば単結晶シリコン基板で形成した流路板1と、この流路板1の下面に接合した振動板2と、流路板1の上面に接合したノズル板(以下ノズルプレートともいう)3とを有し、これらによってインク滴を吐出するノズル4が連通路5を介して連通する加圧液室6、流体抵抗部7を介して加圧液室6と連通する連通部9を形成し、連通部9に振動板2に形成した供給口10を介して後述するフレーム部材17に形成した共通液室8から記録液(例えばインク)を供給する。
そして図3に示すように、加圧液室6の壁面を形成する振動板2の面外側(加圧液室6と反対面(ノズル面と反対の面)側)に、各加圧液室6に対応して、振動板2に形成した連結部11を介して圧力発生手段である積層型圧電素子12の上端部を接合し、この積層型圧電素子12の下端部は支持基板13に接合して固定している。なお、支持基板13は圧電素子12の各列毎に分割した構成とすることもできる。
圧電素子12は、圧電材料層14と内部電極15a、15bとを交互に積層したものである。この場合、圧電素子12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内のインクを加圧する構成とすることもでき、また、圧電素子12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。
また、流路板1および振動板2の周囲は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイドで射出成形により形成したフレーム部材17に(接着)接合し、このフレーム部材17と支持基板13とを、図示しない部分を接着剤などで相互に固定する。そして、このフレーム部材17には前述した共通液室8を形成するとともに、この共通液室8に外部から記録液を供給するための図示しない供給路(連通管)を形成し、この供給路は更に図示しないカートリッジなどの記録液供給源に接続される。
さらに、圧電素子12には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル18を接続し、このFPCケーブル18には各圧電素子12に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)19が実装される。
流路板1は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、連通路5、加圧液室6となる貫通穴、流体抵抗部7、連通部9などを構成する溝部をそれぞれ形成している。
例えば図3に示すように、振動板2はニッケルの金属プレートから形成でき、たとえばエレクトロフォーミング法で製造される。この振動板2は、加圧液室6に対応する部分の変形を容易にするため薄肉部にし、中央部に圧電素子12を連結するため振動板2側の第1層11aと圧電素子12側の第2層11bからなる2層構造の連結部11が設けられている。
なお、液室短手方向(ノズル4の並び方向)では、図4に示すように、圧電素子12と支柱部22とが交互に配置されたバイピッチ構造を採用することもでき、あるいは、図5に示すように、支柱部22を設けないノーマルピッチ構造を採用することもできる。
このように構成した液滴吐出装置は、例えば押し打ち方式で駆動する場合には、図示しない制御部から記録する画像に応じて複数の圧電素子2に20〜50Vの駆動パルス電圧を選択的に印加する。これによって、パルス電圧を印加して圧電素子12を変位させて振動板2をノズル板3方向に変形させ、加圧液室6の容積(体積)変化によって加圧液室6内の液体を加圧する。このようにすることで、ノズル板3のノズル4から液滴が吐出される。そして、液滴の吐出に伴って加圧液室6内の圧力が低下し、このときの液流れの慣性によって加圧液室6内に負圧が発生する。この状態下において、圧電素子12への電圧の印加をオフ状態にすることによって、振動板2が元の位置に戻って加圧液室6が元の形状になるため、さらに負圧が発生する。これによって図示しない液タンクに通じる液供給パイプから入った液は加圧液室6内に充填され、次の駆動パルスが印加される印加パルスに応じて、液滴がノズル4から吐出される。
本実施形態は、前記した課題を解決するため、まず、以上に述べたような液滴吐出装置におけるノズルプレートのノズル面の電気絶縁性の撥水材料で撥水処理することによって撥水性を有する撥水処理部分と、該ノズル面の一部が前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水部分とを備えたヘッドとする。
上記ノズルプレート表面の撥水処理された部分と撥水処理されていない部分では電位差があり、この電位差によって電界が発生している。一方、インクミストはインクの極性やノズル液室からの剥離作用等により電荷を帯びるため、ノズルプレート表面近傍に浮遊しているインクミストは、ノズルプレート面の電気力線と接する方向に作用する力によって誘導される。
本実施形態は、前記した撥水材料で撥水処理されていない部分と撥水処理されている部分とが、より電位差を持つように、少なくとも一方に電圧印加するかもしくは接地する。これにより電気力線が更に増加し、ノズルプレート近傍に浮遊する電荷を帯びたインクミストがノズル面に付着し、付着したインクミストは集合体となると同時に、より親水性の高い非撥水処理部分に移動するため、該インクミストから生成したインク滴がノズル内に引き込まれることはない。
図8は、上述したノズルプレート面の電気力線によるインクミストの誘導作用を説明する説明図である。
図8(a)において、31は例えばSiなどで形成される流路板部材であり、32は接着剤であり、33は樹脂などで形成されるノズルプレート部材であり、34は例えばSiO2などの撥水層とノズル形成部材33との密着性を上げるための結合層であり、35は撥水層である。
また、図8(b)に示すように、ノズルプレート部材33に+の電位を与えると、比較的電気伝導度の高いノズルプレート部材33は+電荷を帯び、電気絶縁性の高い撥水処理面は相対的に−となるような電位差を生じ、図に示したような電気力線が発生する。すると、図8(c)に示すように、ノズルから吐出されるインクは、ノズル壁または撥水層から離れる際に、ノズルプレート部材33とは相対的に−の電荷を帯びた液滴となる。
そして、図8(d)に示すように、吐出した液滴中の主滴は、吐出エネルギーによってノズル面から直ちに離れ印刷に付されるが、体積の小さいサテライト滴は、空気抵抗によって失速し、ノズル面に近いところに浮遊する。その際に、相対的に−に帯電したインク滴は、ノズル面の撥水処理剤が付着していない相対的に+に帯電している部分に静電的力により引き寄せられて付着する。よって、撥水処理剤の付着しているノズル出口周辺部へはインクミストが付着せず、メニスカスが破壊されることがない。
また、本実施形態では、前記撥水材料で撥水処理した部分に対する接触角が80°以下のインクを用い、ノズルからインクを吐出した際に、前記撥水材料で撥水処理されていない部分が、インク滴が持つ電荷と逆極性の電位をもつよう前記撥水材料で撥水処理されていない部分すなわち相対的に導電性を有する部分に印加して印字することを特徴とする。
乾燥速度の速い高浸透性のインクは比較的親油性であり、ノズル形成部材(ノズルプレート)を撥水処理してもこの処理した部分との接触角が低い。このような場合、従来はインクミストによるノズル詰まりを解消することはできなかった。また、インクがノズルから吐出される際には、インクとノズル材料との摩擦帯電系列に応じた帯電が起こり、重力の小さいインクミストは帯電の影響による移動度が大きい。ここで、インクの帯電極性は材料によるが、それに応じてその帯電極性とは逆極性の電荷を、撥水処理をしていない部分に印加することで、浮遊しているインクミストを静電気力で撥水処理されているノズルから遠方の部分に引きつけることが可能となる。
次に、液滴吐出装置のノズルプレート3およびその製造方法について、図6および図7を参照して説明する。図6は、本実施形態を適用したノズルプレートのノズル部分の拡大断面図を示す。また図7は、本実施形態によるノズルプレートの製造工程の一例を示す図である。
ノズルプレート3は、通常、図6に示すように、シリコンウエハなど高剛性部材31上にポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムからなる樹脂部材(ノズルプレート部材)33を、接着剤32を介して接合してノズル形成部材30を形成し、このノズル形成部材30を構成するノズルプレート部材33の表面(液滴吐出面側表面)にSiO2薄膜で形成される結合層34を形成し、続いてフッ素系の撥水層35を形成する。このとき、SiO2薄膜層で形成された結合層34は、ノズルプレート部材33と最初の撥水処理層35とを結合し、また、撥水層35と次層の撥水層処理35とを結合する。なお、結合層(ここではSiO2薄膜層)34と撥水層(ここでは1層以上のフッ素系の撥水層)35の構造部分全体を「撥水処理層40」と称する。
そして、ノズル形成部材30を構成する樹脂部材で形成されたノズルプレート部材33には、エキシマレーザ加工によって所要径のノズル孔4を形成し、高剛性の流路板部材31にはノズル孔4に連通するノズル連通口44を形成する。
本実施形態のノズルプレートの製造方法は、図7に示すようにノズル形成部材30を作製した後、ノズル形成部材30のノズルプレート部材33の表面に撥水材料で撥水処理しない非撥水処理部分を形成するためのマスク51を形成する(図7(a))。次に、このマスク51を形成した上に、結合層(SiO2薄膜層)34を介して絶縁性の撥水材料で撥水処理した撥水層35を形成する(図7(b))。次に撥水材料で撥水処理した面とは反対の面方向からエキシマレーザを照射してノズルを形成する(図7(c))。次にマスク51を除去し、一部に撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部分を持つノズルプレートを形成する(図7(d))。
また、前記撥水処理により撥水層を形成するときにマスク51を形成せず、全面に均一に撥水処理し、エキシマレーザによるノズル加工を施した後、撥水処理面からエキシマレーザを照射し、表面の撥水処理剤を除去することによって一部に撥水処理されていない非撥水処理部分を持つノズルプレートを形成してもよい。
ここで、上記SiO2薄膜層での結合層34の形成は、比較的熱のかからない、すなわち、ノズルプレート部材33に熱的影響の発生しない範囲の温度で行うことが好ましく、その際に成膜可能な方法で形成することが好ましい。具体的な方法としては、スパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)、P−CVD(プラズマ蒸着法)などが適しているといえる。
また、SiO2薄膜層で形成される結合層34の膜厚は、密着力が確保できる範囲で必要最小限の厚さにすると、工程時間の短縮、材料コストの削減が図れる。結合層(SiO2薄膜層)34の膜厚が厚くなりすぎると、エキシマレーザでのノズル孔加工に支障をきたすおそれがある。すなわち、ノズルプレート部材(樹脂部材)33はきれいにノズル孔形状に加工されても、結合層(SiO2薄膜層)34の一部が十分に加工されず、加工残りを生じることがある。
したがって、具体的には密着力が確保でき、エキシマレーザ加工時に結合層(SiO2薄膜層)34が残らないように、結合層34の膜厚は1〜300Å(0.1〜30nm(1Å=0.1nm))の範囲内にすることが好ましく、より好ましくは、10〜100Å(1〜10nm)の範囲内にする。実験結果では、結合層(SiO2薄膜層)34の膜厚が30Å(3nm)程度でも密着性は十分であり、エキシマレーザによる加工性についてはまったく問題がなかった。また、300Åでは僅かな加工残りが観察されたが、使用可能範囲であり、5000Åを超えるとかなり大きな加工残りが発生し、使用不可能なほどのノズル異形が発生することが確認された。
フッ素系の撥水層35に使用される撥水材料は、種々の材料が知られているが、例えば、フッ素原子を有する有機化合物、特にフルオロアルキル基を有する有機物、ジメチルシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物等が使用できる。
フッ素原子を有する有機化合物としては、フルオロアルキルシラン、フルオロアルキル基を有するアルカン、カンボン酸、アルコール、アミン等が望ましい。具体的には、フルオロアルキルシランとしては、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロトリクロオシラン;フルオロアルキル基を有するアルカンとしては、オクタフルオロシクロブタン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−n−ヘキサン、パーフルオロ−n−へプタン、テトラデカフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロドデカン、パーフルオロオイコサン;フルオロオアルキル基を有するカルボン酸としては、パーフルオロデカン酸、パーフルオロオクタン酸;フルオロアルキル基を有するアルコールとしては、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール;フルオロアルキル基を有するアミンとしては、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラハイドロデシルアミン等が挙げられる。ジメチルシロキサン骨格を有する有機ケイ素化合物としては、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(ビニル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
また、別の撥水材料として、シリコン原子を有する有機化合物、特にアルキルシロキサン基を有する有機化合物が使用できる。
アルキルシロキサン基を有する有機化合物としては、含アルキルシロキサンエポキシ樹脂組成物を構成する分子中にアルキルシロキサン基、及び環状脂肪族エポキシ基を2個以上有する含アルキルシロキサンエポキシ樹脂としては、例えば、下記の一般式(a)および(b)で表される構造単位を含む高分子化合物(A)が挙げられる。
Figure 2007331127
上記のような構造を有する化合物は、他の撥水性化合物と併用する際にバインダーとしての機能も果たす。つまり、撥インク性の組成物の塗布適性を高め、溶剤蒸発後の乾燥性を高める乾燥塗膜としての作業性を向上させる機能も与える。
本実施形態でもっとも好ましい撥水剤としては、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業製、商品名:オプツールDSX)であり、これを10〜300Å(1〜30nm)の厚さに蒸着することで必要な撥水性を得ている。実験結果では、オプツールDSXの厚さは、10Åでも100Å(10nm)、300Å(30nm)でも撥水性、ワイピング耐久性能に差は見られなかった。よって、コストなどを考慮すると、より好適には、10〜100Å(1〜10nm)がよい。
このように、本実施形態で使用されるノズルプレートは、ノズル形成部材30と撥水層35との間に結合層34を介在させることで、撥水層35とノズル形成部材30とが強固に密着するとともに、耐液性及び耐ワイピング性が格段に向上し、高い撥水性(撥インク性)を維持することができ、持続することができることから、滴吐出方向曲がりを発生することなく安定した滴吐出特性(噴射特性)を得ることができる。
そしてこの場合、ノズル形成部材30を樹脂性のフィルムを用いて形成することにより、ノズル孔の加工の選択範囲が広くなり、後述するように紫外光レーザ加工(エキシマレーザ加工を含む)での精度の高いノズル孔加工を、効率的に、且つ、低コストで行うことができる。この樹脂フィルムとしてポリイミド樹脂フィルムを使用することにより、ノズル孔の加工の選択範囲が広くなるとともに、強靭性、耐薬品性、耐熱性が優れ、接着剤硬化等加工時の熱・機械的ストレスよる変形が減少し、精度の高いノズル孔加工を行うことができる。
また、撥水層35をフッ素系の撥水剤で形成し、この撥水層の膜厚を、10Å以上100Å以下(1nm以上、10nm以下)とすることにより、高い撥水性が得られる。そして。フッ素系撥水膜を非常に薄くすることが可能になって必要材料が低減できてコストダウンを図れる。このフッ素系撥水剤として、パーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンまたは双方の混合物を使用することで、撥水膜を真空蒸着法で形成することが可能となり、100Å(10nm)以下の非常に薄い膜を簡単に形成することが可能となり、撥水性能も極めて高く、撥水膜のワイピング耐久性の向上と紫外光レーザによる加工性の向上を両立することができる。
さらに、ノズル形成部材と撥水層、撥水層同士を結合する結合層としてSiO2膜を用いて、SiO2膜の膜厚を、10Å以上100Å以下とすることにより、撥水層の密着性が非常に向上し、特にSiO2膜とフッ素系撥水剤が化学的結合により密着するため、フッ素系撥水膜を非常に薄くすることが可能になり、必要材料を低減でき、且つ、処理時間も短縮できるので、コストダウンが図れる。
このように、本実施形態の液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法によれば、インクジェットプリンタ、すなわち画像形成装置の一例によってインクが吐出される際、速度エネルギーをもった主滴は直ちに記録紙に着弾し、画像が形成されるが、サテライトとして発生した微小なインク滴は飛翔速度が急速に低下し、記録紙に到達せずにノズルプレート面近傍に浮遊する。そしてその一部はノズルプレート面に付着する。そのとき、ノズルプレート面の撥水処理された部分と撥水処理されていない部分では電位差があり、図8に電気力線で示したような電界が発生している。一方、インクミストはインクの極性や、ノズル液室からの剥離作用(インクがノズル内壁から引き離されるときの摩擦)等の影響で電荷を帯びている。そのため、ノズルプレート表面近傍に浮遊しているインクミストは、ノズルプレート面の電気力線によって誘導される。本実施形態においては、インクの帯電極性に応じてノズルプレート面の撥水材料で撥水処理されていない親水性の部分に誘導されるよう、適宜電圧を印加するので、インクミストは撥水処理されているノズル近傍には付着せず、付着したインクミストによるメニスカス破壊によるノズル詰まりは回避される。そしてノズルプレート面の親水性部分に付着したインクミストはワイパーによる定期的なクリーニング操作により除去される。
本実施形態の画像形成装置によれば、ノズルプレート面の電気絶縁性の撥水材料で撥水処理していない部分が該撥水材料で撥水処理されていない部分と電位差を持つように少なくとも一方に電圧を印加もしくは一方を接地することから、電気力線が発生し、ノズルプレート近傍に浮遊する相対的にマイナスに帯電したインクミストは、ノズル面の相対的にプラスに帯電している該撥水材料で撥水処理されていない部分に静電気力により引き寄せられ、該撥水材料で撥水処理されているノズル周辺にはインクミストが付着しないのでインクミストから生成したインク滴がノズル内に引き込まれることはない。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている部分に対する接触角が80°以下の液滴を用い、ノズルからインクを吐出する際に、前記撥水材料で撥水処理されていない部分が、液滴が持つ電荷とは逆極性の電位を持つように、前記撥水材料で撥水処理されていない部分、すなわち相対的に導電性を有する部分に印可して印字することから、浮遊しているインクミストを静電気力で引きつけることが可能となり、インクミストをノズルから離れた前記導電性を有する部分に引き付け、これによりノズル詰まりの発生しない画像形成装置を得ることができる。
また、本実施形態の画像形成方法によれば、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている部分に対する接触角が80°以下の液滴を用い、ノズルからインクを吐出する際に、前記撥水材料で撥水処理されていない部分が、液滴が持つ電荷とは逆極性の電位を持つように、前記撥水材料で撥水処理されていない部分、すなわち相対的に導電性を有する部分に印可して印字することから、浮遊しているインクミストを静電気力で引きつけることが可能となり、インクミストをノズルから離れた前記導電性を有する部分に引きつけ、ノズル詰まりの発生を防ぐことができる。
さらに本実施形態における液滴吐出装置の製造方法によれば、導電性のノズルプレート材料を用い、そこに電気絶縁性の撥水材料で撥水処理することから、電位差がつきやすく、また、上述のノズルプレートを接地もしくは電圧印加する場合も、電気力線が強くなり、インクミストを引きつける力が強化され、ノズルから離れた部分にインクミストを引きつけてノズル詰まりの解消された液滴吐出装置を製造するのに有効である。
以下、本実施形態の液滴吐出装置、画像形成装置、画像形成方法および液滴吐出装置の製造方法を、実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、以下に述べる実施例により本実施形態が限定されて解釈されるものではない。
[実施例1]
・ノズルプレートの作製
インク流路を形成するSiの高剛性部材31に接着剤32を塗布し、ポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレックス;厚さ25μm)33を貼り合わせた。さらにポリイミドフィルム上に、図7(a)の51に示す様なマスクを形成し、真空チャンバ中でSiをスパッタした後、O2イオン処理を行ってSiO2層34を形成した。その後フッ素系撥水処理剤(ダイキン製;オプツールDSX)を蒸着して撥水処理部分35を形成し、真空チャンバから取り出し撥水処理を完了した(図7(b))。
この真空チャンバ内で、高剛性部材31をスパッタし、高剛性部材31表面にO2イオンを照射してSiO2薄膜34を形成し、このSiO2薄膜34上への撥水層35の蒸着は、いずれも図9に示すような成膜装置を用いて行った。図中の302〜304は、ドラム301の周囲に配置された各ステーションである。
次に、撥水処理した面と反対の面から、エキシマレーザによりノズル加工を行ってノズル孔を形成した(図7(c))。マスク51を除去して、部分的に撥水処理されていない非撥水処理部分を残したノズルプレートを作製した(図7(d))。
このノズルプレートを用いて図1に示すように記録ヘッドを組み上げ、IPSiO G−707(リコー製インクジェット記録装置)用のヘッドを作製した。
作製したヘッドを用い、IPSiO G−707に装着し、ノズルプレートに正の電荷を印加してプリントテストを実施した。
実施したプリントテストは、A4サイズの記録紙に対して全吐出口からインクを吐出させるベタ印字を連続で行い、インクミストから生成したインク滴がノズル内に引き込まれて不吐出が発生するかを観察した。なお、不吐出の観察は、ベタ印字の白スジ(不吐出)を目視確認することで行った。
[実施例2]
実施例1のプリントテストにおいて、ノズルプレートに負に印加した状態で同様に印字テストを行い、白筋の発生を評価した。なお、この印字評価はインクミストを過剰に発生させる条件で行った。
本実施例2では20枚目にノズル近傍にミストが付着してインクが不吐出となり、白筋が若干観察されたが、通常の5%Dutyのプリントにおいては、インク不吐出が発生する前に自動クリーニングによってノズル面がワイピングされるため、連続印字において白筋は発生しないことが確認された。
また、実施例1と比較して、ノズル近傍にミストが付着しやすかったのは、本実験で用いたインクミストは負電荷を帯びていたため、ノズルプレートの撥水処理部分と非撥水処理部分との電位差において、撥水処理されているノズル近傍は相対的に正電荷であったため、インクミストが静電的に引き寄せられやすかったものと考えられる。
また、付着したミストは成長して大きくなると同時に撥水処理面を移動しやすくなり、より親水性である非撥水処理部分に徐々に移動するため、即座にノズルのエッジにかかることはなかった。
[実施例3]
実施例1のプリントテストにおいて、ノズルプレートを接地した状態で同様に印字テストを行い、白筋の発生を評価した。
[比較例1]
実施例1のプリントテストにおいて、ノズルプレートを電気的に絶縁した状態で同様に印字テストを行い、白筋の発生を評価した。
[比較例2]
実施例1のノズルプレートの作製において、撥水処理時にマスクをせず、全面に均一に撥水処理したノズルを用い、同様にノズル加工してヘッドを作製した。
そのヘッドを用いて実施例1と同様に印字テストを行い、白筋の発生を評価した。
[比較例3]
実施例1のノズルプレートの作製において、撥水処理時にマスクをせず、全面に均一に撥水処理したノズルを用い、同様にノズル加工してヘッドを作製した。
このヘッドを用いてノズルプレートを電気的に絶縁した状態で実施例1と同様に印字テストを行い、白筋の発生を評価した。
[実施例4]
実施例1のノズルプレートの作製において、撥水処理時にマスク51を形成せず、全面に均一に撥水処理を行い、ノズル加工後、撥水処理面側からエキシマレーザを照射し、表面の撥水処理剤を除去して、同様に非撥水処理部分としたノズルプレートを作製した。
このノズルプレートを用い実施例1と同様にヘッドを組み上げ、印字テストを行って白筋の発生を評価した。
上記の実施例1〜4および比較例1〜3における評価結果を表1に示す。
Figure 2007331127
本実施形態の液滴吐出装置の一例を示す分解斜視図である。 本実施形態の液滴吐出装置のヘッド部分の液室長手方向に沿う断面説明図である。 本実施形態の液滴吐出装置のヘッド部分の要部拡大図である。 本実施形態の液滴吐出装置のヘッド部分の液室短手方向に沿うバイピッチ構造の断面説明図である。 本実施形態の液滴吐出装置のヘッド部分の液室短手方向に沿うノーマルピッチ構造の断面説明図である。 本実施形態の液滴吐出装置のノズル板の拡大断面説明図である。 本実施形態のノズルプレートの製造工程の一例を示す工程図である。 本実施形態におけるインク液飛まつのノズルへの再帰を阻止した効果を説明するための図である。 実施例で用いたSiO2膜と撥水膜の成膜装置の構成図である。
符号の説明
1 流路板
2 振動板
3 ノズル板又はノズルプレート
4 ノズル
6 加圧液室
12 圧電素子
30 ノズル形成部材
31 流路板部材
32 接着剤
33 ノズルプレート部材
34 結合層(SiO2薄膜)
35 撥水層
40 撥水処理層
51 マスク
301 ドラム
302 Siスパッタ
303 O2イオンガス
304 オプツールDSX(ダイキン工業株式会社製のフッ素系樹脂)の蒸着

Claims (8)

  1. 液滴を吐出する吐出口であるノズルが配列された吐出口部材のノズルプレートを有する液滴吐出装置であって、
    前記ノズルプレートのノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記非撥水処理部は前記撥水処理部と電位差を持つように少なくとも一方に電圧を印加するか、または、一方を接地することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. ノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置であって、
    前記ノズルプレートのノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記撥水処理部の接触角が80°以下の液滴を用い、前記ノズルから液滴を吐出する際に、前記非撥水処理部に前記液滴が持つ電荷と逆極性の電位を印加して印字することを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置を搭載した画像形成装置。
  6. ノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置のノズル面が、電気絶縁性の撥水材料で撥水処理されている撥水処理部と、前記撥水材料で撥水処理されていない非撥水処理部とを備え、前記撥水処理部の接触角が80°以下の液滴を用い、前記ノズルから前記液滴を吐出する際に、前記非撥水処理部に、前記液滴が持つ電荷と逆極性の電位を印加することを特徴とする画像形成方法。
  7. 前記非撥水処理部が、前記ノズルの配列された領域から離間した該領域の両側に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
  8. 液滴を吐出するノズルが配列されたノズルプレートを有する液滴吐出装置の製造方法であって、
    ウエハ上に、接着剤を介して樹脂部材を接合して導電性のノズル形成部材を形成する工程と、
    撥水材料で一部撥水処理しない部分を形成するためのマスクを、前記樹脂部材の表面に形成する工程と、
    前記マスクの面に結合剤を介して絶縁性の撥水材料による撥水処理層を形成する工程と、
    前記撥水処理層を形成した面とは反対の面からエキシマレーザを照射してノズルを形成する工程と、
    前記マスクを除去する工程とを有することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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