JP2015098093A - 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 Download PDF

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Tomohiro Sayama
朋裕 狭山
真子 福田
Masako Fukuda
真子 福田
信也 百瀬
Shinya Momose
信也 百瀬
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Abstract

【課題】着弾対象等の汚染や液滴の飛翔曲りを抑制しつつ、ノズルにおける液体の増粘を抑制することが可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供する。【解決手段】ノズルプレート19のノズル形成面は、ノズル23の開口縁に沿って形成された第1の撥液部31と、当該第1の撥液部を間に挟んでノズルの開口を囲繞するように形成され、第1の撥液部よりも撥液性が低い非撥液部32と、当該非撥液部よりも外側の領域に形成された第2の撥液部33と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッドなどの液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置に関し、特に、ノズルが開設されたノズル形成面を有し、当該ノズルから液体を噴射させる液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
このような液体噴射装置では、液体噴射動作中においてはノズルが大気に晒される。このため、ノズルに露出した液面(メニスカス)から液体の溶媒成分が揮発する。その結果、ノズル付近で液体の粘度が上昇し、これにより、噴射されるインクの量や飛翔速度が変動する等の不具合が生じる虞がある。特に、液体噴射時に液体の着弾対象(記録媒体)を加熱手段(プラテンヒーター)によって加熱することにより、着弾対象に着弾したインク等の液体の乾燥・定着を促す構成の液体噴射装置では、上記不具合が生じやすい。このような液体の増粘による不具合を抑制すべく、液体噴射装置では、種々の対策が講じられている。例えば、ノズル形成面におけるノズル同士の間に他の部分よりも親水性が高い溝を設け、当該溝に液体(液体噴射時に生じたミストがノズル形成面に付着したものや、ノズル形成面に結露したもの)を保持させることで保湿効果を発揮させて、ノズルから液体が蒸発することを抑制する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ノズル形成面に当該ノズルに対応する部分に当該ノズルよりも少し大きい穴が開設された板材(保護板)を取り付けることで、ノズル周囲に段差を設け、当該段差の内周面(側壁)に液体を保持する構成も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許第3768645号公報 特開2006-231601号公報
一般的な液体噴射装置では、液体噴射ヘッドのノズル形成面に付着した液体を除去するために、液体噴射処理後やメンテナンス処理後などにノズル形成面を払拭部材(ワイパー)によって払拭する。ところが、上記のようにノズルの周囲に段差や溝等を設けた場合、段差等に液体の拭き残しが生じたり、払拭部材が段差や溝を乗り越える際の衝撃で液体を弾き飛ばして装置内を汚染したりする虞があった。また、段差部分等に溜まった液体が記録媒体等の着弾対象に落下した場合には、着弾対象を汚染する虞もあった。さらに、段差等に溜まった液体の表面張力によってノズルから液滴を噴射させたときに液滴が引っ張られ、その結果、飛翔曲がりが発生する虞もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着弾対象等の汚染や液滴の飛翔曲りを抑制しつつ、ノズルにおける液体の増粘を抑制することが可能な液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射ヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルが開口したノズル形成面を有し、前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドであって、
前記ノズル形成面は、前記ノズルの開口縁に沿って形成された第1の撥液部と、当該第1の撥液部を間に挟んで前記ノズルの開口を囲繞するように形成され、前記第1の撥液部よりも撥液性が低い非撥液部と、当該非撥液部よりも外側の領域に形成された第2の撥液部と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、ノズル形成面は、前記ノズルの開口縁に沿って形成された第1の撥液部と、当該第1の撥液部を間に挟んで前記ノズルの開口を囲繞するように形成され、前記第1の撥液部よりも撥液性が低い非撥液部と、当該非撥液部よりも外側の領域に形成された第2の撥液部と、を有することで、ノズルから着弾対象に向けて液体(液滴)を噴射する噴射処理中に蒸発した液体の溶媒成分や、着弾対象に着弾せずにミスト化した液体が、ノズル形成面の非撥液部に捕集・保持される。これにより、ノズルから液体が増粘しやすい状況下においても、ノズル形成面の非撥液部に保持された液体によりノズル近傍の雰囲気が加湿される。このため、ノズルからの液体の溶媒の蒸発が抑制され、液体噴射ヘッド内の液体の粘度の上昇が抑制される。その結果、液体の増粘に起因する噴射不良、即ち、ノズルから噴射される液体の量あるいは飛翔速度が設計上目標とする値から著しく低下したり、またはノズルから液体が噴射されなかったりする等の不具合を抑制することができる。また、着弾対象に対する液体噴射処理の終了後や、増粘液体等の排出を目的として行われるいわゆるフラッシング処理あるいは吸引処理などのメンテナンス処理後などに払拭手段によりノズル形成面が払拭される際に、非撥液部に保持された付着液体を容易に除去することができる。これにより、非撥液部に付着液体が過度に溜まることが低減され、液体噴射処理中に非撥液部の付着液体が着弾対象上に落下して汚染する不具合を抑制することが可能となる。そして、ノズルの開口部と非撥液部との間には、第1の撥液部が設けられているので、非撥液部に保持されている液体がノズル内部に侵入したり、ノズル開口縁に付着したりして当該ノズルからの液体の噴射に支障をきたすことが抑制される。
また、上記構成において、前記第1の撥液部、前記非撥液部、および前記第2の撥液部は、前記ノズル形成面において同一面上に揃っている構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、第1の撥液部、非撥液部、および第2の撥液部が、ノズル形成面において同一面上に揃っているので、非撥液部に保持された付着液体をより確実に除去することができ、また、段差や溝などが無いので、払拭時に液体を弾いたり、払拭手段が損傷したりするなどの不具合が生じにくい。
また、上記構成において、前記第1の撥液部は、前記ノズルの内周面に部分的に入り込んだノズル内撥液部を有する構成を採用することが望ましい。
この構成によれば、第1の撥液部は、前記ノズルの内周面に部分的に入り込んだノズル内撥液部を有することで、比較的高い周波数でより多くの液体をノズルから噴射するような状況においてもノズル内の液体がノズル形成面側に漏れ出すことがノズル内撥液部により阻止される。また、ノズルの開口近傍に液体が不用意に付着することがより確実に抑制されるので、当該付着液体に起因する液体の飛翔曲り等の不具合を低減することができる。
また、上記構成において、前記ノズルの内周面において、前記ノズル内撥液部よりも前記圧力室側の部分は、当該ノズル内撥液部よりも撥液性が低い構成を採用することが望ましい。
また、本発明の液体噴射装置は、上記何れかの構成の液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドのノズルから噴射された液滴が着弾する着弾対象を加熱する加熱手段と、
前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭手段と、
を備えることを特徴とする。
プリンターの内部構成を説明する側方図である。 プリンターの内部構成を説明する正面図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 ノズルプレートの構成を説明する平面図である。 ノズルプレートにおけるノズル近傍の拡大図である。 図5におけるA−A線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を搭載したインクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の内部構成を説明する側方図、図2は、プリンター1の内部構成を説明する正面図である。なお、図1においてプラテン7を断面で示してある。このプリンター1において、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2は、キャリッジ4に搭載されて筐体内部において主走査方向(図2における左右方向)に往復移動可能にガイドロット6に取り付けられている。このプリンター1は、プラテン7上に載置される記録用紙、布帛、あるいは、透明な樹脂シート等の記録媒体S(液体の着弾対象)に対して記録ヘッド2を主走査方向に相対移動させながら当該記録ヘッド2のノズルからインク(液体の一種)を噴射させて、記録媒体S上に当該インクを着弾させることにより文字や画像等の着弾パターンを形成(記録・印刷)する。インクとしては周知の種々の組成のものを用いることができるが、本実施形態においては、従来の水系のインクよりも耐候性を高めた有機溶剤系(エコソルベント系)インクが使用される。インクが貯留されたインクカートリッジ5は、キャリッジ4に装着されて、記録ヘッド2にインクを供給する。
プラテン7に対して主走査方向の一端側に外れた位置には、記録ヘッド2の待機位置であるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、キャッピング機構11およびワイピング機構13(払拭手段の一種)が設けられている。また、ホームポジションとはプラテン7を挟んで主走査方向の他端部(図2中、左側)には、フラッシング領域としてフラッシングボックス14が設けられている。キャッピング機構11は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性部材からなるキャップ15を有しており、当該キャップ15を記録ヘッド2のノズル形成面(印刷処理時に記録媒体Sと対向する側の面。具体的にはノズルプレート19。)に対して当接させて封止した状態(キャッピング状態)あるいは当該ノズル形成面から離隔した待避状態に変換可能に構成されている。キャップ15は、記録ヘッド2のノズル形成面と当接する側の面が開口したトレイ状に形成されており、記録ヘッド2のノズル形成領域の全体を被覆可能な大きさに設計されている。つまり、キャップ15は、記録ヘッド2が有する全ノズル23を被覆することが可能に構成されている。そして、プリンター1の電源オフ時などの待機時には、記録ヘッド2のノズル形成面がキャッピング状態とされ、これにより、ノズル23からのインク溶媒の蒸発が抑制される。また、キャッピング機構11は、上記のキャッピング状態で吸引ポンプを作動させることで、キャップ15の封止空部内を負圧化させる。これにより、ノズル23から増粘インクや気泡などを排出させる所謂クリーニング処理を行うように構成されている。
ワイピング機構13は、ワイパーブレード17を主走査方向に対して交差する方向、換言すると記録ヘッド2のノズル列方向に沿って移動可能に有しており、当該ワイパーブレード17を記録ヘッド2のノズル形成面に対して当接した状態あるいは当該ノズル形成面から離隔した待避状態に変換可能に構成されている。ワイパーブレード17は、例えば、弾性を有するブレード本体の表面が布で覆われたものからなる。そして、ワイピング機構13は、当該ワイパーブレード17をノズル形成面に当接させた状態で、ノズル列の一方から他方に向けて摺動させることでノズル形成面を払拭する。
フラッシングボックス14は、記録媒体Sに対する記録動作とは別に記録ヘッド2のノズルからインクを強制的に噴射させるフラッシング処理の際に噴射されたインクを受けるトレイ状のインク受部18を有する。このインク受部18の位置は固定されている。インク受部18には、図示しない排液チューブの一端が接続されており上記の排液タンクに連通されている。また、排液チューブの途中には吸引ポンプが設けられており、この吸引ポンプを作動させることで、インク受部18内のインクが、排液チューブを通じて排液タンクに排出される。
図1に示すように、本実施形態におけるプリンター1のプラテン7(支持部材の一種)は、記録媒体Sの搬送方向(副走査方向)に3つの部位に分かれている。具体的には、記録媒体Sに対してインクを噴射する際の記録ヘッド2のノズル形成面に対向する位置に配置されたメインプラテン7aと、メインプラテン7aよりも副走査方向の上流側(給紙側)に配置された上流側プラテン7bと、メインプラテン7aよりも副走査方向の下流側(排紙側)に配置された下流側プラテン7cと、により構成されている。そして、各プラテン6の内部にはプラテンヒーター8が設けられている。具体的には、メインプラテン7aの内部にはメインヒーター8aが、上流側プラテン7bの内部にはプレヒーター8bが、下流側プラテン7cの内部にはアフターヒーター(ポストヒーター)8cが、それぞれ設けられている。これらのヒーター8a〜8cは、記録媒体Sを加熱することで当該記録媒体S上に着弾したインクの硬化・定着を促進する加熱手段或いは硬化手段の一種である。
図3は、記録ヘッド2の内部構成を説明する要部断面図である。また、図4は、ノズルプレート19の構成を説明する平面図である。本実施形態における記録ヘッド2は、ノズルプレート19、流路基板20、および、圧電素子21等から構成され、これらの部材を積層した状態でケース22に取り付けられている。ノズルプレート19は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル23を副走査方向に沿って列状に開設した板状の部材である。本実施形態では、複数のノズル23から構成されるノズル列24a〜24d(ノズル群の一種)がノズルプレート19に主走査方向に4条並設されている。そして、このノズルプレート19のインクが噴射される側の面が、ノズル形成面に相当する。
流路基板20は、複数の隔壁で区画された圧力室25が各ノズル23に対応して複数形成されている。この流路基板20における圧力室25の列の外側には、各圧力室25に共通な空部である共通液室26が形成されている。この共通液室26は、インク供給口27を介して各圧力室25とそれぞれ連通している。また、共通液室26には、インクカートリッジ5側からのインクがケース22のインク導入路28を通じて導入される。
流路基板20のノズルプレート19側とは反対側の上面には、弾性膜29を介して圧電素子21(圧力発生手段の一種)が形成されている。圧電素子21は、金属製の下電極膜と、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜(何れも図示せず)とを順次積層することで形成されている。この圧電素子21は、所謂撓みモードの圧電素子であり、圧力室25の上部を覆うように形成されている。本実施形態において、2列のノズル列に対応して2列の圧電素子列が、ノズル列方向で見て圧電素子21が互い違いとなる状態でノズル列に直交する方向に並設されている。各圧電素子21は、配線部材41を通じて駆動信号が印加されることにより変形する。これにより、当該圧電素子21に対応する圧力室25内のインクに圧力変動が生じ、このインクの圧力変動を制御することによりノズル23からインクが噴射される。なお、圧力発生手段としては、所謂撓みモードの圧電素子21には限られず、例えば、所謂縦振動型の圧電素子を採用することも可能である。また、圧電素子には限らず、圧力室内に気泡を発生させる発熱素子や静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種圧力発生手段を用いることができる。
本実施形態におけるプリンター1は、上述した有機溶剤系のインクを、記録ヘッド2のノズル23から記録媒体Sに対して噴射して画像等の印刷処理(または記録処理。液体噴射処理の一種。)を行う。この際、記録媒体Sは、プラテン7に設けられたヒーター8により温められる。これにより、当該記録媒体S上のインクの溶媒成分が蒸発してインクの色材成分の固化・定着が促進される。ところで、本実施形態のように、記録媒体Sを加熱して印刷処理を行う構成においては、プラテンヒーター8の熱により記録媒体S上のインクの溶媒成分が蒸発してプリンター内の雰囲気中に漂い、印刷処理後に記録ヘッド2のノズル形成面の温度が低下した際に雰囲気中の溶媒成分がノズル形成面に接触すると結露する。そして、ノズル形成面に付着した溶媒成分やインクミスト等が凝集して大きくなった場合(以下、これらのノズル形成面に付着している液体を、適宜、付着液体と称する。)、ノズル形成面の付着液体が印刷処理中に記録媒体S上に落下して汚染する虞がある。また、この付着液体がノズル23の開口部分に付着したりノズル23の内部に入り込んだりした場合には、ノズル23からインクを噴射させたときに付着液体により飛翔曲がり等の不具合が発生する虞もある。このため、本発明に係るプリンター1では、ノズル形成面における付着液体を積極的に捕集・保持し、保持した付着液体によりノズル23の周囲の雰囲気の加湿に利用して当該ノズル23からのインクの蒸発を低減するとともに、ワイピング機構13によるワイピングにより容易に付着液体をより確実に除去できるように構成されている点に特徴を有している。以下、この点について説明する。
図5は、上記ノズルプレート19のノズル23近傍の拡大図、図6は、図5におけるA−A線断面図である。なお、図6において、上側が圧力室25側、下側が噴射側(印刷処理中における記録媒体S側)となっている。
本実施形態におけるノズルプレート19は、シリコン単結晶基板から作製されており、ノズル23は、ドライエッチングにより形成されている。ノズル23は、圧力室25側の第1のノズル部23aと、噴射側の第2のノズル部23bとにより2段構造となっており、第1のノズル部23aの内径は、第2のノズル部23bの内径よりも大きく設定されている。なお、ノズルプレート19としては、シリコン単結晶基板に限られず、例えばステンレス鋼等の金属板より構成することもできる。この場合のノズル23は、パンチによる塑性加工により形成される。
上記ノズルプレート19の噴射側の面(ノズル形成面)には、撥液加工が施された撥液部と、当該撥液部よりも撥液性が低い(すなわち、接触角が小さい)非撥液部が設けられている。具体的には、ノズル23の開口周縁部には、第1の撥液部31が、平面視で所定の幅を持った円環状に形成されている。すなわち、第1の撥液部31は、ノズル23の開口縁の全周に渡って形成されている。また、図6に示すように、第1の撥液部31は、ノズルプレート19の噴射側の面のみならず、ノズル23の内周面にも部分的に僅かに入り込んだ状態に形成されている。この部分は、ノズル内撥液部31′である。また、これよりも奥(圧力室25側)のノズル23の内周面は、第1の撥液部31(ノズル内撥液部31′)よりも撥液性が低い親水部34(ノズル内非撥液部)となっている。このように構成することで、ノズル23内のインクが、ノズル23の開口からノズルプレート19の噴射側の面に漏れ出すことが第1の撥液部31(ノズル内撥液部31′)により阻止される。これにより、ノズル23の開口近傍に液体(インク)が不用意に付着することが抑制されるので、当該付着液体に起因するインクの飛翔曲り等の不具合を低減することができる。
また、ノズル形成面において、第1の撥液部31の外側には、所定の幅を持った円環状の非撥液部32が当該第1の撥液部31の周囲を囲繞するように設けられている。すなわち、非撥液部32は、第1の撥液部31の円環の幅の分だけノズル23の開口から離れた位置に、当該第1の撥液部31を間に挟んでノズル23を囲むように形成されている。この非撥液部32は、印刷処理時にインクの溶媒成分が揮発してノズルプレート19のノズル形成面に結露した液体や、同じく印刷処理時に記録媒体Sに着弾することなくミスト化したインクがノズル形成面に付着した液体を保持する液体保持部として機能する。そして、ノズル形成面において非撥液部32よりも外側の領域には、第2の撥液部33が形成されている。すなわち、ノズル形成面において、ノズル23の開口周縁部以外のノズル23の開口内および非撥液部32を除く、ノズル形成面の大部分の領域は撥液部となっている。そして、ノズル形成面における第1の撥液部31、非撥液部32、および第2の撥液部33は、同一面上に揃っている。
撥液部31,33は、フッ素を含む撥液剤が塗布されることで形成されている。撥液部31,33における接触角は、90°超となることが望ましい。撥液剤としては、フルオロアルキル基を含むシラン化合物、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシランが用いられる。また、塗布(ディップコート)によるものではなく、例えば、蒸着あるいはスピンコートなどによるものであってもよい。さらに、共析メッキにより撥液部31,33を形成してもよい。共析メッキの被覆方法は、ニッケルイオン等の金属イオンとポリテトラフルオロエチレン等の撥液性高分子樹脂の粒子を含む電解質溶液を用いることができる。
非撥液部32は、撥液部31,33よりも撥水性が低いものであればよく、本実施形態においては親水剤が塗布されて形成されている。非撥液部32における接触角は、40°未満となることが望ましい。親水剤としては、例えば、化学式XSi(OR)で表されるシランカップリング剤であって、Xにアミノ基が存するもの(ORはエトキシ基、メトキシ基などの加水分解可能な官能基)、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが用いられる。
上記構成のプリンター1では、印刷処理中に蒸発した溶媒成分や、記録媒体Sに着弾せずにミスト化したインクが、記録ヘッド2のノズル形成面の非撥液部32に捕集・保持される(図6中のFで示す付着液体。)。これにより、ノズル形成面がキャッピングから開放された状態でしかも比較的高温下あるいは乾燥下のようにノズル23内のインクが増粘しやすい状況であっても、ノズル形成面の非撥液部32に保持された付着液体Fが、プラテンヒーター8の熱により再蒸発して雰囲気に加湿されることにより、ノズル23の近傍の湿度をより高い状態に維持することが可能となる。これにより、ノズル23からのインク溶媒の蒸発が抑制され、記録ヘッド2内のインク粘度の上昇が抑制される。その結果、インクの増粘に起因する噴射不良、即ち、ノズル23から噴射されるインクの量や飛翔速度が設計上目標とする値から著しく低下したり、或いはノズル23からインクが噴射されなかったりする等の不具合を抑制することができる。その結果、フラッシング処理や吸引処理等のメンテナンス処理を実行する頻度が低減されるので、プリンター1のスループットの向上に寄与する。また、印刷処理の終了後や、増粘インクや気泡の排出を目的として行われるフラッシング処理あるいは吸引処理などのメンテナンス処理後などに、ワイピング機構13によりノズル形成面が払拭される際に、非撥液部32に保持された付着液体を容易に除去することができる。これにより、非撥液部32に付着液体が過度に溜まることが低減され、印刷処理中に非撥液部32の付着液体が記録媒体S上に落下して汚染する不具合を抑制することが可能となる。特に、ノズル形成面における第1の撥液部31、非撥液部32、および第2の撥液部33は、同一面上に揃っているので、非撥液部32に保持された付着液体をより確実に除去することができ、また、段差や溝などが無いので、払拭時に液体を弾いたり、ワイパーブレードが損傷したりするなどの不具合が生じにくい。さらに、ノズル23の開口部と非撥液部32との間には、第1の撥液部31が設けられているので、非撥液部32に保持されている付着液体がノズル23の内部に侵入したり、ノズル23の開口縁に付着したりして当該ノズル23からのインクの噴射に支障をきたすことが抑制される。
なお、本実施形態においては、非撥液部32に親水剤を塗布した構成を例示したが、これには限られず、ノズルプレート19の素材自体がある程度の親水性を有する(例えば、接触角が90°未満である)場合、撥水部31,33が形成されていないノズルプレート19の素地の部分を残して当該部分を非撥液部32とすることもできる。また、親水部34も同様である。
また、上記実施形態では、有機溶剤系のインクを噴射する構成を例示したが、これには限られず、一般的な水系のインクなど、熱などによって揮発する成分を含む液体を用いる構成であれば、同様の作用効果が得られる。
さらに、上記実施形態では、加熱手段として、プラテンヒーター8を例示したが、これには限られない。記録媒体S上の液体を加熱可能なものであれば、例えば、赤外線ヒーターを用いてプラテン7上の記録媒体Sの上方等から加熱する構成にも本発明を適用することができる。
また、必ずしも加熱手段を有していなくてもよい。
そして、以上では、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド2を備えたプリンター1を例に挙げて説明したが、ノズル形成面を有し、当該ノズル形成面のノズルから液体を噴射する他の液体噴射ヘッド、およびこれを備える液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置に搭載される色材噴射ヘッド,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置に搭載される電極材噴射ヘッド等にも適用することができる。
1…プリンター,2…記録ヘッド,7…プラテン,8…プラテンヒーター,11…キャッピング機構,13…ワイピング機構,17…ワイパーブレード,19…ノズルプレート,21…圧電素子,23…ノズル,25…圧力室,31…第1の撥液部,32…非撥液部,33…第2の撥液部,34…親水部

Claims (5)

  1. ノズルが開口したノズル形成面を有し、前記ノズルから液滴を噴射可能な液体噴射ヘッドであって、
    前記ノズル形成面は、前記ノズルの開口縁に沿って形成された第1の撥液部と、当該第1の撥液部を間に挟んで前記ノズルの開口を囲繞するように形成され、前記第1の撥液部よりも撥液性が低い非撥液部と、当該非撥液部よりも外側の領域に形成された第2の撥液部と、を有することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記第1の撥液部、前記非撥液部、および前記第2の撥液部は、前記ノズル形成面において同一面上に揃っていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第1の撥液部は、前記ノズルの内周面に部分的に入り込んだノズル内撥液部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記ノズルの内周面において、前記ノズル内撥液部よりも前記圧力室側の部分は、当該ノズル内撥液部よりも撥液性が低いことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドのノズルから噴射された液滴が着弾する着弾対象を加熱する加熱手段と、
    前記液体噴射ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭手段と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
JP2013237653A 2013-11-18 2013-11-18 液体噴射ヘッド、および、液体噴射装置 Pending JP2015098093A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015147358A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
CN106183420A (zh) * 2016-08-04 2016-12-07 纳晶科技股份有限公司 一种液体喷头、用于液体喷头的喷嘴板及该喷嘴板的制作方法
US10730303B2 (en) 2017-10-26 2020-08-04 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus

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