JP2008229932A - 液体吐出装置及びヘッドアセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】吐出口近傍における液体の乾燥を防ぎつつ、吐出口の目詰まりを防止する。
【解決手段】プリンタ1のメンテナンスユニット70は、インクジェットヘッド2の吐出面2aにおける複数のインクノズルが配置された領域を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起76aが形成されたキャップ76を含んでいる。キャップ76の環状突起76aの先端は、樹脂製のフィルム77によって覆われている。フィルム77は、環状突起76aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部77aを画定しており、当該凹部77a内には、保湿液が貯留されている。インクジェットヘッド2は、フレーム移動機構によって上下方向に移動可能なフレームに固定されており、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77が、吐出面2aに接触する位置と、吐出面2aから離隔する位置とを選択的に取り得る。
【選択図】図10
【解決手段】プリンタ1のメンテナンスユニット70は、インクジェットヘッド2の吐出面2aにおける複数のインクノズルが配置された領域を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起76aが形成されたキャップ76を含んでいる。キャップ76の環状突起76aの先端は、樹脂製のフィルム77によって覆われている。フィルム77は、環状突起76aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部77aを画定しており、当該凹部77a内には、保湿液が貯留されている。インクジェットヘッド2は、フレーム移動機構によって上下方向に移動可能なフレームに固定されており、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77が、吐出面2aに接触する位置と、吐出面2aから離隔する位置とを選択的に取り得る。
【選択図】図10
Description
本発明は、吐出口から液体を吐出する液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドを備えたヘッドアセンブリに関する。
インクを吐出する複数のノズルが形成されたインクジェットヘッドを備えており、用紙に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェット記録装置が知られている。かかるインクジェット記録装置を長期間使用しなかった場合には、乾燥によりノズル近傍のインク(メニスカス)の粘度が増加し、目詰まり等が生じてしまう。特許文献1には、インクジェットヘッドにおける複数のノズルが配置されたノズル面を覆う、ゴム製のキャップを備えたインクジェット記録装置が開示されている。該キャップは、インク吐出面に密着し、気密を保つことができるようになっている。したがって、印刷が行われていない間、該キャップでインク吐出面を覆うことによって、メニスカスの乾燥を防ぎ、ノズルの目詰まり等の発生を防止することができる。
特開2006−247844号公報(図13)
一般に、インクジェットヘッドのインク吐出面には、インク滴が付着しないよう、撥水膜が形成されている。しかしながら、上述のインクジェットヘッドのように、インク吐出面にゴム製のキャップを直接接触させる場合には、インク吐出面におけるキャップの接触部分にゴム成分が析出し、キャップの跡が付いてしまうことがある。このキャップ跡が付着した箇所は撥水性が低下するので、インク吐出面をワイパーで払拭した際に、当該箇所にインク滴が付着する。このようにしてインク吐出面に付着し乾燥したインクかすが、ノズルに入り込み、目詰まりが生じるという問題が生じる。
また、インクジェットヘッドを輸送、保管する際の形態であり、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドのインク吐出面を覆うゴム製のキャップとを備えたヘッドアセンブリにおいても、インク吐出面とキャップとの接触部分において、上記と同様の問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、吐出口近傍における液体の乾燥を防ぎつつ、吐出口の目詰まりを防止することができる液体吐出装置及びヘッドアセンブリを提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、前記キャップが、前記液体吐出ヘッドに対して、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲む近接位置、及び、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面から離隔した離隔位置の2つの相対位置のいずれかを選択的に取り得るように、前記液体吐出ヘッド及び前記キャップの少なくともいずれか一方を移動させる移動機構とを備えている。
この構成によると、ゴム製の環状突起が樹脂製のキャップ被覆部材を介して吐出面に接触する、すなわちゴム製の環状突起が吐出面に直接接触することがない。したがって、吐出面へのゴム成分の析出により吐出面の撥水性が低下し、吐出面に付着したインクかすによって吐出口が目詰まりするのを防ぐことができる。また、キャップ被覆部材に形成された凹部に保湿液を貯溜させておくことができるので、キャップが近接位置にあるときに、凹部と吐出面とに包囲された閉空間の湿度を調節することができる。そのため、メニスカスが乾燥するのを防止することができる。
本発明の液体吐出装置は、前記凹部内に保湿液を供給する保湿液供給機構をさらに備えていることが好ましい。この構成によると、凹部に貯溜させる保湿液が蒸発等により減少した際に、適宜補充することができる。
本発明の液体吐出装置では、前記保湿液供給機構が、前記液体吐出ヘッドに設けられて前記吐出面から前記キャップ被覆部材に向けて保湿液を噴射する保湿液噴射ノズルを含んでいてもよい。この構成によると、キャップ被覆部材に保湿液を供給する部材を別途設ける必要がないので、装置構成を簡易化することができる。
本発明の液体吐出装置は、前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが常に前記環状突起の前記先端よりも低くなるように前記保湿液供給機構を制御する保湿液供給制御手段をさらに備えていることが好ましい。凹部に貯留された保湿液が吐出面に接触する場合には、当該保湿液が吐出面に付着し、また吐出口内に浸入する。したがって、印字前にパージ及びワイプ処理を行う必要がある。この構成によると、凹部に貯溜された保湿液が吐出面に接触しないので、印字前にパージ及びワイプ処理を行う必要がなくなる。
本発明の液体吐出装置では、前記キャップ被覆部材が、可撓性を有するフィルムであって、下方に撓んでいることが好ましい。この構成によると、フィルムがダンパーとして機能する。したがって、例えば、キャップが近接位置にある状態で液体吐出装置を空輸する場合等に生じる気圧変化によって、吐出口から液体が漏れ出すのを防止することができる。
本発明のヘッドアセンブリは、液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、前記キャップを支持する支持部材とを備えている。そして、前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端よりも低く、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面から離隔しており、前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲むように前記キャップを支持している。
この構成によると、ゴム製の環状突起が樹脂製のキャップ被覆部材を介して吐出面に接触する、すなわちゴム製の環状突起が吐出面に直接接触することがない。したがって、吐出面へのゴム成分の析出により吐出面の撥水性が低下し、吐出面に付着したインクかすによって吐出口が目詰まりするのを防ぐことができる。また、キャップ被覆部材に形成された凹部に貯留された保湿液によって、凹部と吐出面とに包囲された閉空間の湿度を調節することができる。そのため、メニスカスが乾燥するのを防止することができる。
別の観点において、本発明のヘッドアセンブリは、液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定するキャップ被覆部材と、前記キャップを支持する支持部材とを備えている。そして、前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端以上であり、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面に接触しており、前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触しないように前記キャップを支持している。
この構成によると、ゴム製の環状突起が吐出面に接触することがないので、吐出面へのゴム成分の析出により吐出面の撥水性が低下することがない。したがって、吐出面に付着したインクかすによって吐出口が目詰まりするのを防ぐことができる。また、凹部に貯溜された保湿液が吐出面に接触しているので、吐出口近傍における液体の乾燥を防止することができる。
また、別の観点において、本発明のヘッドアセンブリは、液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、前記キャップを支持する支持部材とを備えている。そして、前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端以上であり、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面に接触しており、前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲むように前記キャップを支持している。
この構成によると、ゴム製の環状突起が樹脂製のキャップ被覆部材を介して吐出面に接触する、すなわちゴム製の環状突起が吐出面に直接接触することがない。したがって、吐出面へのゴム成分の析出により吐出面の撥水性が低下し、吐出面に付着したインクかすによって吐出口が目詰まりするのを防ぐことができる。また、凹部に貯溜された保湿液が吐出面に接触しているので、吐出口近傍における液体の乾燥を防止することができる。
本発明のヘッドアセンブリでは、前記キャップ被覆部材が、可撓性を有するフィルムであって、下方に撓んでいることが好ましい。この構成によると、フィルムがダンパーとして機能する。したがって、例えば、アセンブリを空輸する際等に生じる気圧変化によって、吐出口から液体が漏れ出すのを防止することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの要部の概略平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの概略側断面図である。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるプリンタの要部の概略平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
図1に示すように、プリンタ1は、4つのインクジェットヘッド2を有するカラーインクジェットプリンタである。そして、プリンタ1には、用紙トレイ15に収容された用紙を送り出す給紙機構11、及び給紙機構11によって送り出された用紙を、インクジェットヘッド2の吐出面2aと対向させつつ搬送する搬送機構12とが設けられている。また、図2及び図3に示すように、プリンタ1には、インクジェットヘッド2に対してメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット70が設けられている。さらに、プリンタ1には、プリンタ1の動作を制御する制御装置20が備えられている。
給紙機構11は、用紙トレイ15内に収納された複数の用紙のうち、最も上方に位置する用紙を送り出すピックアップローラ16を備えている。ピックアップローラ16によって用紙は図1中左方から右方へ送られる。
搬送機構12は、二つのベルトローラ6、7と、両ベルトローラ6、7間に架け渡されたエンドレスの搬送ベルト8とを備えている。図1に示すように、用紙の搬送方向(矢印B方向)の下流側、すなわち図中右方に位置するベルトローラ6は、図示しない駆動モータにより、図中時計回り(矢印A方向)に回転駆動される。搬送ベルト8によって囲まれた領域内には、搬送ベルト8を内周面側から支持する略直方体形状のプラテン9が配置されている。また、給紙機構11のすぐ下流側には、搬送ベルト8と対向する位置に押さえローラ5が配置されており、給紙機構11から送り出された用紙を搬送ベルト8の搬送面8aに押さえ付けている。
用紙の搬送方向に沿って搬送機構12の下流側には、排紙部13が設けられている。また、搬送ベルト8と排紙部13との間には、剥離部材14が設けられている。剥離部材14は、搬送ベルト8の搬送面8aに保持されている用紙を搬送面8aから剥離して、排紙部13へ向けて導くように構成されている。
4つのインクジェットヘッド2は、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応しており、図1及び図2に示すように、用紙の搬送方向(矢印B方向)に沿って互いに隣接された状態で、枠状のフレーム4に固定されている。つまり、このプリンタ1は、ライン式プリンタである。
フレーム4は、フレーム移動機構51により、上下に移動可能に支持されている。フレーム移動機構51は、図2に示すように、用紙の搬送方向(矢印B方向)に沿ってフレーム4の両側にそれぞれ配設されている。各フレーム移動機構51は、上下移動の駆動源である駆動モータ52と、各駆動モータ52の軸に固定されたピニオンギア53と、各ピニオンギア53と噛合されたラックギア54と、ピニオンギア53とでラックギア54を挟む位置に配置されたガイド55とを含んでいる。このうち、駆動モータ52は、プリンタ1の本体フレーム1aに固定され、ラックギア54はフレーム4に立設され、ガイド55は本体フレーム1aに固定されている。
この構成において、2つの駆動モータ52を同調させて各ピニオンギア53を正及び逆方向に回転させると、ラックギア54が上下方向に移動する。このラックギア54の上下動に伴ってフレーム4及び4つのインクジェットヘッド2が上下方向に移動する。
通常、フレーム4は、4つのインクジェットヘッド2が用紙に対してインクを吐出し印刷する印刷位置(図1及び図3に示す位置)に配置される。このとき、インクジェットヘッド2の吐出面2aと搬送ベルト8の搬送面8aとの間には、用紙搬送経路の一部となる僅かなすきまが形成される。そして、搬送ベルト8で搬送される用紙が吐出面2aのすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙の上面に向けてインクノズル108(図7参照)から各色のインク滴が吐出されることで、用紙上に所望のカラー画像が形成される。フレーム4は、インクジェットヘッド2の後述するメンテナンス時にだけ、フレーム移動機構51によって移動され、印刷位置よりも上方に配置される。
各インクジェットヘッド2は、図2に示すように、用紙の搬送方向(矢印B方向)と直交する方向である主走査方向(図中左右方向)に長尺な矩形の平面形状を有している。インクジェットヘッド2は、後で詳述するように、流路ユニット104及びアクチュエータユニット121(図6及び図7参照)を含むヘッド本体3を有している。ヘッド本体3の上面には、ヘッド本体3にインクを供給するリザーバユニット10が固定されている。なお、図3に示すようにサイドカバー17a及びヘッドカバー17bで構成されるカバー部材17は、アクチュエータユニット121を駆動するための基板及び配線部材(図示せず)を覆っている。
ここで、図4及び図5を参照しつつ、リザーバユニット10の構成について説明する。図4は、リザーバユニット10の長手方向(主走査方向)に沿った断面図である。図4では説明の都合上、上下方向の縮尺を拡大し、且つ、同一線に沿った断面では通常描かれない流路をも適宜に示している。また、図5は、リザーバユニット10の一部を構成する4枚のプレート36〜39の分解平面図である。
図4に示すように、リザーバユニット10は、主走査方向に延在する上部リザーバ形成体31と、主走査方向に延在する4枚のプレート36〜39とが積層された積層構造となっている。ここで、プレート36〜39は、例えば、ステンレス鋼等の金属プレートとなっている。なお、互いに積層されたプレート36〜39によって下部リザーバ形成体35が構成されている。
上部リザーバ形成体31には、図4に示すように、その長手方向一端部(図中左側端部)近傍に位置しており上方の空間と連通するインク入口41と、その長手方向中央に位置しており下方の空間と連通するインク出口42とが形成されている。そして、上部リザーバ形成体31の内部には、インク入口41とインク出口42との間を繋ぐ上部インク流路45が形成されている。すなわち、上部インク流路45は、上部リザーバ形成体31の長手方向に関して中央から一方の端部までの間にのみ形成されている。
一方、上部リザーバ形成体31における上部インク流路45が形成されていない箇所、すなわち、上部リザーバ形成体31の長手方向に関する中央から他方の端部(図4中右側端部)までの間には、上部保湿液流路49が形成されている。より詳細には、上部リザーバ形成体31の長手方向他端部(図中右側端部)近傍には、上方の空間と連通する保湿液入口46が形成されており、その長手方向中央近傍には、下方の空間と連通する保湿液出口47が形成されている。そして、上部保湿液流路49は、保湿液入口46と保湿液出口47とを繋ぐように形成されている。
なお、保湿液とは、インクノズル108(図7参照)に形成されたメニスカスの乾燥を防ぐためのものであり、後で詳述するように、メンテナンスユニット70によってキャップ動作が行われ、吐出面2aがキャップ76(図2及び図3参照)で覆われている際に、保湿液ノズル109(図6参照)から噴射される。本実施の形態では、保湿液は、インクから着色剤を除いた無色の液体を用いる。
上部リザーバ形成体31の上面には、インク入口41を取り囲みつつ上方に向かって突出した筒状のジョイント部41aが形成されている。ジョイント部41aには、図3に示すインクタンク57に接続されたインク供給チューブ56の端部に繋がれた接続部材(不図示)が接続される。こうして、ジョイント部41aを介して上部インク流路45にインクが供給される。なお、図3に示すように、インクタンク57には、ポンプ57bから空気が供給されることによって所定の圧力を有する空気を貯留する空気タンク57aが接続されている。これにより、空気タンク57a内の加圧された空気をインクタンク57に供給し、インクタンク57内のインクを、リザーバユニット10内に強制的に送ることが可能となっている。
また、上部リザーバ形成体31の上面における保湿液入口46の周囲には、保湿液入口46を取り囲みつつ上方に向かって突出した筒状のジョイント部46aが形成されている。ジョイント部46aには、図3に示す保湿液タンク59に接続された保湿液供給チューブ58の端部に繋がれた接続部材(不図示)が接続される。こうして、ジョイント部46aを介して上部保湿液流路49に保湿液が供給される。なお、図3に示すように、保湿液供給チューブ58には、ポンプ59aが設けられており、ポンプ59aの駆動を制御することにより、保湿液の供給量を調整することが可能となっている。
図4に示すように、プレート36〜39で構成される下部リザーバ形成体35の内部には、上部インク流路45内のインクをヘッド本体3の流路ユニット104に供給する流路(図中実線で描かれている流路)、及び上部保湿液流路49内の保湿液を流路ユニット104に供給する流路(図中破線で描かれている流路)が形成されている。
図5に示すように、プレート36〜39のうち、最上層のプレート36、及びその下方に位置するプレート37の中央には、インク出口42を介して上部インク流路45と連通する落込流路36a、37aとなる貫通孔がそれぞれ形成されている。さらに、最下層のプレート39には、後述するようにヘッド本体3の流路ユニット104に形成されたインク供給口106(図6参照)に連通する10個のインク供給流路39aとなる貫通孔が形成されている。そして、プレート37とプレート39との間に位置するプレート38には、落込流路37aと10個のインク供給流路39aとを連通させるリザーバ38aとなる孔が形成されている。これら落込流路36a、37a、リザーバ38a及びインク供給流路39aにより、下部インク流路43(図4参照)が形成されている。
また、最上層のプレート36の中央近傍には、保湿液出口47を介して上部保湿液流路49と連通する落込流路36bとなる貫通孔が形成されている。さらに、上から3番目のプレート38、及び最下層のプレート39には、後述するように流路ユニット104に形成された保湿液供給口107(図6参照)に連通する2個の保湿液供給流路38b、39bとなる貫通孔がそれぞれ形成されている。そして、プレート36とプレート38との間に位置するプレート37には、落込流路36bと連通する主流路37bとなる上方に開口した凹部と、主流路37bと保湿液供給流路38bとを連通させる連絡流路37cとなる貫通孔が形成されている。これら落込流路36b、主流路37b、連絡流路37c、及び保湿液供給流路38b、39bより、下部保湿液流路48(図4参照)が形成されている。
なお、最上層のプレート36の長手方向における長さは、その他のプレート37〜39の長手方向における長さよりも長い。したがって、プレート36〜39を積層し下部リザーバ形成体35を構成した状態では、プレート36の両端が、プレート37〜39の両端よりも外側に突出している。このプレート36の突出した部分には、貫通孔36cがそれぞれ形成されている。本実施の形態においては、当該貫通孔36cは、図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド2をネジ50によってフレーム4に固定するために使用される。
上述のように、リザーバユニット10内には、上部インク流路45、及び下部インク流路43というような一連のインク流路、並びに上部保湿液流路49、及び下部保湿液流路48というような一連の保湿液流路が形成されている。なお、このインク流路がインクを一時的に貯留するインクリザーバとなる。
次に、ヘッド本体3の詳細について図6及び図7を用いて説明する。図6は、図1に示すヘッド本体3の平面図である。図7は、ヘッド本体3の部分断面図である。ヘッド本体3は、図6及び図7に示すように、平面視矩形状を有する流路ユニット104、及び、流路ユニット104の上面に千鳥状に配置された4つの台形形状のアクチュエータユニット121を含んでいる。
流路ユニット104の下面、すなわち吐出面2aにおけるアクチュエータユニット121に対応する部分は、多数のインクノズル108が形成されたインク吐出領域となっている。流路ユニット104の上面には各インクノズル108に連通する圧力室110が多数形成されており、1のアクチュエータユニット121は多数の圧力室110を覆うように配置されている。
流路ユニット104の内部には、流路ユニット104の上面に形成されたインク供給口106に連通するマニホールド流路105、及びマニホールド流路105が分岐した副マニホールド流路105a、そして図7に示すように、副マニホールド流路105aから圧力室110を経てインクノズル108に至る個別インク流路101が形成されている。これにより、リザーバユニット10からのインクは、インク供給口106を介してマニホールド流路105に供給され、さらに各圧力室110に分配される。そして、アクチュエータユニット121により圧力室110に選択的に圧力が付与されると、圧力室110内のインクの圧力が上昇し、当該圧力室110に連通するインクノズル108からインクが吐出される。
また、流路ユニット104の上面における長手方向の両端部と、4つのアクチュエータユニット121が配置される領域との間には、保湿液供給口107がそれぞれ形成されている。吐出面2aにおける保湿液供給口107と対向する位置には保湿液ノズル109が形成されており、保湿液供給口107と保湿液ノズル109とは、吐出面2aと直交する方向に流路ユニット104を貫通する噴射流路103によって繋がれている。よって、リザーバユニット10からの保湿液は、保湿液供給口107を介して噴射流路103に流れ込み、保湿液ノズル109から噴射される。
すなわち、プリンタ1においては、保湿液タンク59に接続された保湿液供給チューブ58と、保湿液供給チューブ58に設けられたポンプ59aと、保湿液供給チューブ58から送られた保湿液が流れ込む上部保湿液流路49、下部保湿液流路48、及び噴射流路103と、保湿液が噴射される保湿液ノズル109とによって、後で詳述するように、メンテナンスユニット70におけるフィルム77の凹部77a内に保湿液を供給する保湿液供給機構60が構成されている。
流路ユニット104は、図7に示すように、上から、キャビティプレート122、ベースプレート123、アパーチャプレート124、サプライプレート125、マニホールドプレート126、127、128、カバープレート129及びノズルプレート130が積層された積層構造を有している。すなわち、ノズルプレート130の下面が、多数のインクノズル108、及び2つの保湿液ノズル109が形成された吐出面2aとなっている。各プレート122〜130は、ステンレス鋼等の金属プレートから構成されている。また、吐出面2aには、例えばフッ素系樹脂等によって撥水膜が形成されており、インク滴が付着しにくくなっている。
これらプレート122〜130は、マニホールド流路105、副マニホールド流路105a、及び副マニホールド流路105aの出口から、絞りとして機能するアパーチャ112及び圧力室110を経てインクノズル108に至る、図7に示すような多数の個別インク流路101、及び保湿液の噴射流路103が形成されるように、互いに位置合わせしつつ積層される。
次に、図2及び図3に戻って、メンテナンスユニット70について説明する。プリンタ1には、メンテナンスユニット70が、インクジェットヘッド2の長手方向(主走査方向)に関してインクジェットヘッド2と隣り合うように配置されている。
メンテナンスユニット70は、水平移動可能な2つのトレイ71、75を有している。トレイ71、75は、主走査方向に延びた一対のガイド軸96a、96bの間に位置しており、トレイ71には、ガイド軸96a、96bにそれぞれ係合する軸受け部材97a、97bが、トレイ75には、ガイド軸96a、96bにそれぞれ係合する軸受け部材98a、98bが設けられている。これにより、メンテナンスユニット70は、後述するメンテナンスを行う際には、インクジェットヘッド2から離れた「退避位置」(図2及び図3に示す位置)から、インクジェットヘッド2の吐出面2aに対向する「メンテナンス位置」まで、主走査方向に沿ってインクジェットヘッド2側(図2及び図3中右側)にスライド可能となっている。
ここで、メンテナンスユニット70のトレイ71、75を移動させるトレイ移動機構91について説明する。トレイ移動機構91は、トレイモータ92と、トレイモータ92に接続されたモータプーリ93と、アイドルプーリ94と、モータプーリ93とアイドルプーリ94との間に架け渡されたタイミングベルト95とを備えている。タイミングベルト95は、ガイド軸96aと平行に配設されていると共に、トレイ71の軸受け部材97aが接続されている。したがって、トレイモータ92の駆動によりモータプーリ93を正又は逆方向に回転させ、タイミングベルト95を走行させることで、トレイ71が主走査方向に沿って平行移動する。なお、トレイ75には、トレイ71に設けられた溝部65に係合する引掛け部材66が設けられている。これにより、トレイ71は、単独で又はトレイ75と一緒にスライド可能となっている。
トレイ71は、上方に開口したほぼ方形の箱形状を有し、トレイ75を内包可能に構成されている。また、トレイ71は、図3に示すように、インクジェットヘッド2とは反対側(図中左側)の側面が開放されている。これにより、トレイ75を残してトレイ71が単独でスライドできるようになっている。
なお、メンテナンスユニット70がスライドする際には、4つの吐出面2aと搬送面8aとの間に、メンテナンスユニット70用のスペースを確保すべく、印刷位置に配置されているフレーム4が、上方に移動される。
また、メンテナンスユニット70のすぐ下方には、廃インク受けトレイ78が配置されている。この廃インク受けトレイ78は、平面視でトレイ71を内包するサイズを有し、トレイ71がインクジェットヘッド2側へスライドしたときでも、トレイ71のインクジェットヘッド2と反対側(図2及び図3中左側)の辺縁部が重なる形状を有している。廃インク受けトレイ78のインクジェットヘッド2側(図2及び図3中右側)の端部近傍には、上下方向に貫通したインク排出孔78aが形成されている。インク排出孔78aは、廃インク受けトレイ78上に流れ込んだインクを図示しない廃インク溜めに流通させる。
トレイ71内には、インクジェットヘッド2に近い側から順に、ワイパー72、インク受取部材73及びトレイ75が配置されている。ワイパー72及びインク受取部材73は、トレイ71に固定された保持部材74に保持されている。ワイパー72は、ゴムなどの弾性材料からなり、図2に示すように、並列した4つのインクジェットヘッド2全体の幅より若干長く、その長手方向が用紙の搬送方向(矢印B方向)に平行となるように配置されている。インク受取部材73は、ワイパー72と同様に、並列した4つのインクジェットヘッド2全体の幅よりも若干長い複数の薄板73aを有している。各薄板73aは、ステンレス製であり、インクを吸い取る毛管力が生じる間隔で互いに平行に配置されている。
トレイ75内には、図2に示すように、各インクジェットヘッド2に対応して、矩形の平面形状を有した4つのキャップ76が並べて設けられている。各キャップ76は、その長手方向をインクジェットヘッド2の長手方向に平行とされ、用紙の搬送方向(図2中矢印B方向)にインクジェットヘッド2と同じピッチで配置されている。
キャップ76は、図3に示すように、矩形の平面形状を有する板状部材76bと、板状部材76bの周縁部から上方に突出したゴム製の環状突起76aとからなる。環状突起76aは、流路ユニット104の下面である吐出面2aと対向した状態で、ノズルプレート130の複数のインクノズル108及び2つの保湿液ノズル109が配置された領域を取り囲む寸法を有している。なお、各キャップ76は、2つのバネ88によってトレイ75の底面に支持されつつ上方に付勢されている。
また、キャップ76には、環状突起76aの先端を覆う樹脂製のフィルム77が固定されている。フィルム77は、可撓性を有しており下方に撓んでいる。これにより、フィルム77は、環状突起76aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部77aを画定している。凹部77aには、後述するように、キャップ76が吐出面2aと対向している状態で保湿液ノズル109から噴射された保湿液が貯留されている。なお、後述する保湿液供給制御部28(図8参照)の制御により、凹部77aに貯留される保湿液の液面レベルが、環状突起76aの先端よりも低くなるように保たれている。
なお、引掛け部材66によってトレイ71とトレイ75とが連結されているときは、トレイ71内のワイパー72及びインク受取部材73と、トレイ75内のキャップ76とが一緒にメンテナンス位置又は退避位置に移動する。一方、引掛け部材66によってトレイ71とトレイ75とが連結されていないときは、トレイ71内のワイパー72及びインク受取部材73がメンテナンス位置又は退避位置に移動する。
ここで、制御装置20について説明する。制御装置20は、例えば汎用のパーソナルコンピュータによって構成されている。かかるコンピュータは、CPU、ROM、RAM、ハードディスクなどのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、プリンタ1の全体の動作を制御する為のプログラムを含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の各部22〜28(図8参照)が構築されている。
制御装置20の概略構成を示すブロック図である図8に示すように、制御装置20は、ヘッド制御部22、トレイ制御部24、パージ制御部26、及び保湿液供給制御部28を備えている。ヘッド制御部22は、フレーム移動機構51を制御することによって、インクジェットヘッド2が固定されたフレーム4の上下方向の位置を制御する。トレイ制御部24は、メンテナンスユニット70のトレイ71とトレイ75とを連結させる引掛け部材66を駆動する図示しない機構、及びトレイ71を移動させるトレイ移動機構91を制御する。パージ制御部26は、インクタンク57に加圧された空気を供給し、インクをリザーバ内に強制的に送るべく、空気タンク57aの図示しないバルブの開閉を制御する。保湿液供給制御部28は、保湿液タンク59に接続される保湿液チューブ58に設けられたポンプ59aの駆動を制御し、保湿液ノズル109から所定量の保湿液を噴射させる。
次に、図9及び図10を参照しつつ、プリンタ1で行われるメンテナンス動作について説明する。本実施の形態におけるメンテナンスとは、インクノズル108が吐出不良などに陥ったインクジェットヘッド2を回復させる際に行う回復動作と、プリンタ1で用紙に対する印刷などが長時間行われない休止時に、吐出面2aをキャップ76で覆うキャップ動作とがある。図9は、回復動作を行う際のメンテナンスユニット70の動きを示しており、図10は、キャップ動作を行う際のメンテナンスユニット70の動きを示している。
まず、回復動作を行う際には、ヘッド制御部22の制御により、印刷位置に配置されているフレーム4を上昇させる。より詳細には、インクジェットヘッド2の吐出面2aが、メンテナンスユニット70のワイパー72、インク受取部材73、及びキャップ76のいずれの高さレベルよりも上方となる、すなわち、メンテナンスユニット70がメンテナンス位置に移動できるように、吐出面2aが、ワイパー72、インク受取部材73、及びキャップ76と接触しない位置までフレーム4を上昇させる。
次に、図9(a)に示すように、トレイ制御部24の制御により、トレイ75との連結が解除された状態でトレイ71をメンテナンス位置に移動させる。そして、パージ制御部26の制御により、インクノズル108からトレイ71内にインクを吐出してパージを行う。パージによって、インクノズル108の詰まりやインクノズル108内のインクの増粘が解消される。トレイ71内に吐出されたインクは、廃インク受けトレイ78に流れ込み、インク排出孔78aから排出される。このとき、一部のインクは、インク滴となって吐出面2aに残留する。
続いて、ヘッド制御部22の制御により、インクジェットヘッド2を若干下方に移動させる。すなわち、図9(b)に示すように、メンテナンス位置にあるトレイ71が退避位置に移動する際に、ワイパー72の先端が吐出面2aに接触する位置であり、且つインク受取部材73の薄板73aと吐出面2aとの間に、例えば、0.5mm程度の微小なすきまが形成されるような位置まで、インクジェットヘッド2を降下させる。そして、トレイ制御部24の制御により、メンテナンス位置にあるトレイ71を退避位置に移動させて、ワイプを行う。このとき、吐出面2aに付着しているインク滴のうち比較的大きなものは、インク受取部材73の各薄板73a間に毛管現象によって移動する。また、インク受取部材73の各薄板73aの間に移動しないような比較的小さなインク滴は、ワイパー72によって拭き取られる。
次に、キャップ動作を行う際について説明する。まず、回復動作を行う際と同様に、ヘッド制御部22の制御により、フレーム4を上昇させる。そして、トレイ制御部24の制御により、トレイ75と連結された状態のトレイ71をメンテナンス位置に移動させる。すなわち、図10(a)に示すように、トレイ75内に設けられており、凹部77aに保湿液が貯留されたフィルム77が固定された状態のキャップ76が、吐出面2aと対向する位置まで移動する。このとき、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77は、吐出面2aから離隔している。
続いて、図10(b)に示すように、ヘッド制御部22の制御により、インクジェットヘッド2を若干下方に移動させ、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77を吐出面2aに近接させる。
保湿液供給制御部28は、上述のように、吐出面2aがキャップ76で覆われている際に、保湿液ノズル109から保湿液を噴射させ、蒸発等によって減少した凹部77a内の保湿液を補充する。この後、フィルム77を吐出面2aに接触させる。これによって、環状突起76aは、吐出面2aにおける複数のインクノズル108及び2つの保湿液ノズル109が配置された領域を取り囲む。そして、キャップ76は、バネ88によって吐出面2a側に付勢されているので、吐出面2aのインクノズル108及び保湿液ノズル109が配置された領域とフィルム77とで囲まれた気密空間が形成される。このとき、保湿液供給制御部28は、例えば記録媒体への印字処理枚数等に基づいて、凹部77a内に貯留される保湿液の液面レベルが、環状突起76aの先端よりも低くなるように制御する。具体的には、保湿液供給制御部28は、前回保湿液を噴射してからの印字処理枚数をカウントし、カウント数が所定数に達した時に、蒸発等による保湿液の減少量が所定量に達したと判断し、その後にキャップ動作が行われた際に、所定量の保湿液を保湿液ノズル109から噴射する。このように貯留されている保湿液の量が制御されているので、保湿液が吐出面2aに接触することはない。
以上のように、本実施の形態のプリンタ1のメンテナンスユニット70は、インクジェットヘッド2の吐出面2aにおける複数のインクノズル108が配置された領域を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起76aが形成されたキャップ76と、環状突起76aの先端を覆うようにキャップ76に固定されている樹脂製のフィルム77とを含んでいる。そして、フィルム77は、環状突起76aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部77aを画定している。また、インクジェットヘッド2を固定しているフレーム4は、フレーム移動機構51によって上下方向に移動可能となっている。
これにより、インクジェットヘッド2は、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77が、吐出面2aに接触する位置と、吐出面2aから離隔する位置とを選択的に取り得る。したがって、ゴム製の環状突起76aが樹脂製のフィルム77を介して吐出面2aに接触する、すなわちゴム製の環状突起76aが吐出面2aに直接接触することがないので、吐出面2aへのゴム成分の析出により吐出面2aの撥水性が低下することがない。よって、吐出面2aに付着したインクかすによるインクノズル108が目詰まりを防ぐことができる。さらに、フィルム77の凹部77aに保湿液を貯溜させておくことができるので、凹部77aと吐出面2aとによって包囲された閉空間の湿度を調節することができる。そのため、インクノズル108に形成されたメニスカスが乾燥するのを防止することができる。
これにより、インクジェットヘッド2は、キャップ76の環状突起76aにおける先端上のフィルム77が、吐出面2aに接触する位置と、吐出面2aから離隔する位置とを選択的に取り得る。したがって、ゴム製の環状突起76aが樹脂製のフィルム77を介して吐出面2aに接触する、すなわちゴム製の環状突起76aが吐出面2aに直接接触することがないので、吐出面2aへのゴム成分の析出により吐出面2aの撥水性が低下することがない。よって、吐出面2aに付着したインクかすによるインクノズル108が目詰まりを防ぐことができる。さらに、フィルム77の凹部77aに保湿液を貯溜させておくことができるので、凹部77aと吐出面2aとによって包囲された閉空間の湿度を調節することができる。そのため、インクノズル108に形成されたメニスカスが乾燥するのを防止することができる。
また、本実施の形態のプリンタ1は、キャップ76に固定されたフィルム77の凹部77a内に保湿液を供給する保湿液供給機構60を備えている。したがって、凹部77aに貯留される保湿液が蒸発等によって減少した際に、適宜補充することができる。
さらに、本実施の形態のプリンタ1では、保湿液供給機構60は、インクジェットヘッド2の吐出面2aに設けられており、保湿液を噴射する保湿液ノズル109を含んでいる。したがって、フィルム77の凹部77aに保湿液を供給する部材を別途設ける必要がないので、プリンタ1の装置構成を簡易化することができる。
加えて、本実施の形態のプリンタ1では、保湿液供給制御部28の制御により、凹部77a内に貯留される保湿液の液面レベルが、常に環状突起76aの先端よりも低くなっており、保湿液が吐出面2aに接触することがない。したがって、保湿液が吐出面2aに付着し、またインクノズル108内に浸入することがない。よって、印字前に、保湿液を排除するためのパージ及びワイプを行う必要がない。
さらに、本実施の形態のプリンタ1では、可撓性を有するフィルム77の凹部77aに保湿液が貯留されている。ここで、例えば、図10(b)に示すように、環状突起76aの先端上のフィルム77が吐出面2aに接触した状態のプリンタ1を空輸する際に、航空機が離陸するとインクジェットヘッド2の周囲の気圧は大気圧よりも低下する。このとき、フィルム77と吐出面2aとの間のわずかなすきまから、フィルム77と吐出面2aとによる閉鎖空間内の空気が外部に漏れ出し、当該閉鎖空間内の気圧が低下する。通常では、その後、航空機が着陸すると、周囲の気圧は大気圧に戻るが、上記閉鎖空間内の気圧はすぐには戻らないために、周囲の圧力と閉鎖空間の圧力(吐出面2a近傍の圧力)とに差が生じる。その差がインクノズル108に形成されたメニスカスの耐圧を超えると、メニスカスが壊れてインクジェットヘッド2内の液体がフィルム77の凹部77a内に漏れ出すと共に、インク流路内に空気が侵入する。しかしながら、本実施の形態では、フィルム77がダンパーとして機能するので、インクノズル108から液体が漏れ出すのを防止することができる。
<第2の実施の形態>
次に、図11を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態にかかるヘッドアセンブリの概略構成図である。本実施の形態のヘッドアセンブリは、インクジェットヘッドを輸送、保管する際の形態であり、第1の実施の形態で述べたインクジェットヘッド2と、インクジェットヘッド2の吐出面2aを保護する保護ユニット210とを備えている。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
次に、図11を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、本実施の形態にかかるヘッドアセンブリの概略構成図である。本実施の形態のヘッドアセンブリは、インクジェットヘッドを輸送、保管する際の形態であり、第1の実施の形態で述べたインクジェットヘッド2と、インクジェットヘッド2の吐出面2aを保護する保護ユニット210とを備えている。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
ヘッドアセンブリ201においては、インクジェットヘッド2のリザーバユニット10及び流路ユニット104における各インク流路内に、例えば、金属錆防止剤、乾燥防止剤及び界面活性剤を含む出荷液がインクの代わりに充填されている。出荷液に金属錆防止剤が含まれていることにより、インク流路を構成する金属部材の錆びを防ぐことができる。また、出荷液に乾燥防止剤が含まれていることにより、出荷液が蒸発しにくく、インク流路内が空気や異物の侵入から保護された状態となる。さらに、出荷液に界面活性剤が含まれていることにより、出荷液の表面張力が小さくなり、インク流路内に出荷液を充填する際に気泡が残留しにくくなる。本実施の形態においては、インクから着色剤を除いた無色の液体を出荷液として用いる。
保護ユニット210は、図11に示すように、インクジェットヘッド2の長手方向(図中左右方向)に延びるベース体221、及び円筒形状を有していると共にベース体221に立設された2つの柱体223で構成された支持部材220と、2つのバネ211によってベース体221の上面に支持されつつ上方に付勢されるキャップ230とを主に備えている。そして、インクジェットヘッド2は、プレート36に形成された貫通孔36cに嵌め込まれたネジ250によって、柱体223の上端に固定される。
キャップ230は、矩形の平面形状を有する板状部材230bと、板状部材230bの周縁部から上方に突出したゴム製の環状突起230aとからなる。環状突起230aは、インクジェットヘッド2の下面である吐出面2aと対向した状態で、ノズルプレート130の複数のインクノズル108が配置された領域を取り囲む寸法を有している。
また、キャップ230には、環状突起230aの先端を覆う樹脂製のフィルム231が固定されている。フィルム231は、可撓性を有しており下方に撓んでいる。これにより、フィルム231は、環状突起230aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部231aを画定している。そして、凹部231a内には、保湿液が貯留されている。なお、保湿液としては、出荷液と同様、インクから着色剤を除いた無色の液体を用いる。
支持部材220は、環状突起230aの先端上のフィルム231がインクジェットヘッド2の吐出面2aに接触し、環状突起230aが吐出面2aにおける複数のインクノズル108が配置された領域を取り囲むように、キャップ230を支持している。ここで、キャップ230は、バネ211によって吐出面2a側に付勢されているので、吐出面2aのインクノズル108が配置された領域とフィルム231とで囲まれた気密空間が形成される。なお、図11に示すように、凹部231aに貯留される保湿液の液面レベルは、環状突起230aの先端よりも低くなっている。したがって、保湿液の液面は、インクジェットヘッド2の吐出面2aから離隔している。
以上のように、本実施の形態のヘッドアセンブリ201は、インクジェットヘッド2の吐出面2aにおける複数のインクノズル108が配置された領域を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起230aが形成されたキャップ230と、環状突起230aの先端を覆うようにキャップ230に固定されている樹脂製のフィルム231とを含んでいる。そして、フィルム231は、環状突起230aで囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部231aを画定しており、当該凹部231a内には、液面レベルが環状突起230aの先端よりも低くなるように、保湿液が貯留されている。また、キャップ230は、環状突起230aの先端上のフィルム231が吐出面2aに接触するように、支持部材220に支持されている。したがって、第1の実施の形態と同様に、ゴム製の環状突起230aが吐出面2aに直接接触することがないので、吐出面2aの撥水性の低下を防ぐことができる。よって、インクかすによってインクノズル108が目詰まりするのを防ぐことができる。また、フィルム231に形成された凹部231aに保湿液を貯溜させておくことができるので、凹部231aと吐出面2aとによって包囲された閉空間の湿度を調節することができる。そのため、インクノズル108に形成されたメニスカスが乾燥するのを防止することができる。
また、本実施の形態のアセンブリ201では、可撓性を有するフィルム231の凹部231aに保湿液が貯留されている。したがって、第1の実施の形態と同様に、フィルム231がダンパーとして機能するので、気圧変化によってインクノズル108から出荷液が漏れ出すのを防止することができる。
(第1の変形例)
ここで、図12を参照しつつ、第2の実施の形態の第1の変形例について説明する。図12は、本変形例のヘッドアセンブリの概略構成図である。本変形例のヘッドアセンブリ301は、第2の実施の形態におけるフィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルを変更したものである。なお、第2の実施の形態と同様の構成を有するものには、同一の符号を付している。
ここで、図12を参照しつつ、第2の実施の形態の第1の変形例について説明する。図12は、本変形例のヘッドアセンブリの概略構成図である。本変形例のヘッドアセンブリ301は、第2の実施の形態におけるフィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルを変更したものである。なお、第2の実施の形態と同様の構成を有するものには、同一の符号を付している。
第2の実施の形態においては、フィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルは、環状突起230aの先端よりも低いが、本変形例における保湿液の液面レベルは、環状突起230aの先端以上である。そして、支持部材220は、環状突起230aの先端上のフィルム231がインクジェットヘッド2の吐出面2aに接触するように、キャップ230を支持している。したがって、本変形例のヘッドアセンブリ301では、フィルム231の凹部231aに貯留された保湿液が、インクジェットヘッド2の吐出面2aに接触している。
本変形例によると、第2の実施の形態と同様に、ゴム製の環状突起230aが吐出面2aに直接接触することがないので、吐出面2aの撥水性の低下を防ぐことができる。また、フィルム231の凹部231aに貯留された保湿液が吐出面2aに接触しているので、インクノズル108近傍における出荷液の乾燥を防止することができる。
(第2の変形例)
続いて、図13及び図14を参照しつつ、第2の実施の形態の第2の変形例について説明する。図13は、本変形例のヘッドアセンブリの概略構成図である。図14は、図13の破線で囲まれた領域の拡大図である。本変形例のヘッドアセンブリ401は、第2の実施の形態における支持部材220によるキャップ230の支持状態、及びフィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルを変更したものである。なお、第2の実施の形態と同様の構成を有するものには、同一の符号を付している。
続いて、図13及び図14を参照しつつ、第2の実施の形態の第2の変形例について説明する。図13は、本変形例のヘッドアセンブリの概略構成図である。図14は、図13の破線で囲まれた領域の拡大図である。本変形例のヘッドアセンブリ401は、第2の実施の形態における支持部材220によるキャップ230の支持状態、及びフィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルを変更したものである。なお、第2の実施の形態と同様の構成を有するものには、同一の符号を付している。
第2の実施の形態においては、支持部材220は、環状突起230aの先端上のフィルム231がインクジェットヘッド2の吐出面2aに接触するように、キャップ230を支持しているが、本変形例における支持部材420は、環状突起430aの先端上のフィルム431がインクジェットヘッド2の吐出面2aに接触しないように、キャップ430を支持している。すなわち、図14に示すように、フィルム431と吐出面2aとの間には僅かなすきまが形成されている。なお、第2の実施の形態では、キャップ230はバネ211によってベース体221の上面に支持されているが、本変形例のキャップ430は、支持柱411によってベース体421の上面に支持されている。これにより、フィルム431と吐出面2aとの間の上記隙間を常に維持することができるようになっている。
また、第2の実施の形態においては、フィルム231の凹部231aに貯留された保湿液の液面レベルは、環状突起230aの先端よりも低いが、本変形例における保湿液の液面レベルは、環状突起430aの先端以上である。そして、図14に示すように、フィルム431の凹部431aに貯留された保湿液の液面は、表面張力により環状突起430aの先端上のフィルムよりも上方に膨らんでおり、吐出面2aに接触している。
本変形例によると、ゴム製の環状突起430aが吐出面2aに接触することがないので、第2の実施の形態と同様に、吐出面2aの撥水性が低下することがない。また、フィルム431の凹部431aに貯留された保湿液が吐出面2aに接触しているので、インクノズル108近傍における出荷液の乾燥を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の第1及び第2の実施の形態、並びに、第2の実施の形態の第1及び第2の変形例では、キャップ76(230、430)に固定されたフィルム77(231、431)が、可撓性を有しており下方に撓んでいる場合について説明したが、フィルム77(231、431)は、可撓性を有していなくてもよい。
また、上述の第1の実施の形態では、インクジェットヘッド2を固定しているフレーム4が、フレーム移動機構51によって上下方向に移動可能となっており、インクジェットヘッド2を移動させることによって、環状突起76aの先端上のフィルム77が吐出面2aに接触する位置と、吐出面2aから離隔する位置との2つの相対位置を選択的に取り得る場合について説明したが、これに限らず、キャップ76を移動させることによって、上記2つの相対位置を取るようにしてもよい。
さらに、上述の第1の実施の形態では、フィルム77の凹部77a内に保湿液を供給する保湿液供給機構60を備えている場合について説明したが、保湿液供給機構60はなくてもよい。
加えて、上述の第1の実施の形態では、保湿液供給機構60が、インクジェットヘッド2の吐出面2aに設けられており、保湿液を噴射する保湿液ノズル109を含んでいる場合について説明したが、これには限られない。例えば、保湿液ノズル109は、インクジェットヘッド2とは別の部材に設けられていてもよい。
また、上述の第1の実施の形態では、保湿液供給機構60を制御する保湿液供給制御部28を備えている場合について説明したが、これには限られない。例えば、保湿液供給制御部28がなく、プリンタ1の使用者の操作によって、保湿液供給機構60による保湿液の供給が行われてもよい。
1 プリンタ(液体吐出装置)
2 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
2a 吐出面
28 保湿液供給制御部(液体供給制御手段)
51 フレーム移動機構(移動機構)
60 保湿液供給機構(液体供給機構)
76、230、430 キャップ
76a、230a、430a 環状突起
77、231、431 フィルム(キャップ被覆部材)
77a、231a、431a 凹部
109 保湿液ノズル(洗浄液噴射ノズル)
201、301、401 ヘッドアセンブリ
220 支持部材
2 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
2a 吐出面
28 保湿液供給制御部(液体供給制御手段)
51 フレーム移動機構(移動機構)
60 保湿液供給機構(液体供給機構)
76、230、430 キャップ
76a、230a、430a 環状突起
77、231、431 フィルム(キャップ被覆部材)
77a、231a、431a 凹部
109 保湿液ノズル(洗浄液噴射ノズル)
201、301、401 ヘッドアセンブリ
220 支持部材
Claims (9)
- 液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、
前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんだ凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、
前記キャップが、前記液体吐出ヘッドに対して、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲む近接位置、及び、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面から離隔した離隔位置の2つの相対位置のいずれかを選択的に取り得るように、前記液体吐出ヘッド及び前記キャップの少なくともいずれか一方を移動させる移動機構とを備えていることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記凹部内に保湿液を供給する保湿液供給機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記保湿液供給機構が、前記液体吐出ヘッドに設けられて前記吐出面から前記キャップ被覆部材に向けて保湿液を噴射する保湿液噴射ノズルを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが常に前記環状突起の前記先端よりも低くなるように前記保湿液供給機構を制御する保湿液供給制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記キャップ被覆部材が、可撓性を有するフィルムであって、下方に撓んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、
前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、
前記キャップを支持する支持部材とを備えており、
前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端よりも低く、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面から離隔しており、
前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲むように前記キャップを支持していることを特徴とするヘッドアセンブリ。 - 液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、
前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定するキャップ被覆部材と、
前記キャップを支持する支持部材とを備えており、
前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端以上であり、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面に接触しており、
前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触しないように前記キャップを支持していることを特徴とするヘッドアセンブリ。 - 液体を吐出する複数の吐出口が所定範囲内に形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記所定範囲を取り囲む寸法を有するゴム製の環状突起が形成されたキャップと、
前記環状突起の先端を覆うように前記キャップに固定されていると共に、前記環状突起で囲まれた範囲内に下方に向かって膨らんで保湿液が貯溜された凹部を画定する樹脂製のキャップ被覆部材と、
前記キャップを支持する支持部材とを備えており、
前記凹部に貯溜された保湿液の液面レベルが前記環状突起の前記先端以上であり、前記凹部に貯溜された前記保湿液が前記吐出面に接触しており、
前記支持部材は、前記環状突起の前記先端上の前記キャップ被覆部材が前記吐出面に接触して前記環状突起が前記所定範囲を取り囲むように前記キャップを支持していることを特徴とするヘッドアセンブリ。 - 前記キャップ被覆部材が、可撓性を有するフィルムであって、下方に撓んでいることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のヘッドアセンブリ。
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