JP2018001663A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】払拭により液体噴射ヘッドから飛散した液体による汚染を抑制することができる液体噴射装置を提供する。【解決手段】液体噴射装置11は、媒体Sに向けて液体を噴射するノズル及びノズルが開口する開口面13bを有する液体噴射ヘッド13と、ノズルから排出される液体を受容する受容キャップ40と、ノズルから液体を噴射しないときに、開口面13bとの間に閉空間を形成する保湿キャップ50と、液体噴射ヘッド13に対する相対移動に伴って開口面13bの払拭を行う払拭部材32と、を備える。払拭部材32は、相対移動方向において受容キャップ40と保湿キャップ50の間に配置され、液体噴射ヘッド13が受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動するように払拭部材32に対して相対移動することにより、払拭を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、プリンターなどの液体噴射装置に関する。
液体噴射装置の一例として、液滴を吐出する記録ヘッドを払拭するワイパ部材と、記録ヘッドから液体を排出させる吸引キャップと、液滴を吐出しないときに記録ヘッドの乾燥を抑制するための保湿キャップと、を備えたインクジェット式のプリンターがある(例えば、特許文献1)。
特開2013−39723号公報
ところで、記録ヘッドがワイパ部材に対して相対移動することで払拭を行った後には、ワイパ部材が記録ヘッドから離れるときの勢いで、払拭により掻き集めた液体等が払拭方向に飛散してしまうことがある。このように飛散した液体が保湿キャップに付着すると、保湿キャップを介して液体が記録ヘッドに付いてしまったり、さらにその記録ヘッドに用紙が接触して汚れてしまったりする、という課題がある。なお、このような課題は、インクを噴射して印刷を行うプリンターに限らず、払拭に伴って液体が飛散することのある液体噴射装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、払拭により液体噴射ヘッドから飛散した液体による汚染を抑制することができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に向けて液体を噴射するノズル及び前記ノズルが開口する開口面を有する液体噴射ヘッドと、前記ノズルから排出される前記液体を受容する受容キャップと、前記ノズルから前記液体を噴射しないときに、前記開口面との間に閉空間を形成する保湿キャップと、前記液体噴射ヘッドに対する相対移動に伴って前記開口面の払拭を行う払拭部材と、を備え、前記払拭部材は、前記相対移動方向において前記受容キャップと前記保湿キャップの間に配置され、前記液体噴射ヘッドが前記受容キャップ側から前記保湿キャップ側に移動するように前記払拭部材に対して相対移動することにより、前記払拭を行う。
この構成によれば、開口面を払拭するときには、液体噴射ヘッドが受容キャップ側から保湿キャップ側に移動するように払拭部材に対して相対移動するので、払拭部材が払拭を終えて液体噴射ヘッドから離れるときに、その払拭方向の先には受容キャップがある。そのため、払拭を行った後に、払拭部材が液体噴射ヘッドから離れるときの勢いで、払拭により掻き集めた液体等が払拭方向に飛散したとしても、その飛散した液体は、液体を受容するための受容キャップに受容される。そして、保湿キャップの方には払拭した液体が飛散しにくいので、保湿キャップに液体が付いたり、保湿キャップを介して液体が液体噴射ヘッドに付いたり、その液体噴射ヘッドを介して媒体が汚れたりもしにくい。したがって、払拭により液体噴射ヘッドから飛散した液体による汚染を抑制することができる。なお、払拭方向とは、開口面において払拭が進行する方向であり、払拭時に液体噴射ヘッドが移動しない場合には払拭部材の移動方向であり、払拭時に払拭部材が移動しない場合には、液体噴射ヘッドの移動方向の反対方向である。
上記液体噴射装置は、前記媒体を支持する支持部と、前記液体噴射ヘッドを、前記支持部と対向する第1位置と、前記払拭を行う第2位置とに変位させる変位機構と、を備え、前記保湿キャップは前記受容キャップよりも前記支持部に近い位置に配置される。
この構成によれば、保湿キャップは受容キャップよりも支持部に近い位置に配置されるので、液体噴射ヘッドの払拭に伴って液体が飛散したとしても、その飛散した液体は支持部から離れる方向に飛ぶ。そのため、払拭により液体噴射ヘッドから飛散した液体による支持部の汚染を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記変位機構は、回動により前記液体噴射ヘッドを前記第1位置と前記第2位置とに変位させる。
この構成によれば、変位機構が液体噴射ヘッドを回動させることにより、液体噴射ヘッドの姿勢をスムーズに変化させることができる。
上記液体噴射装置は、前記受容キャップ内を吸引する吸引機構と、前記受容キャップ内から吸引された前記液体を廃液として収容する廃液収容部と、前記廃液収容部と前記保湿キャップとを接続する保湿流路と、を備える。
この構成によれば、廃液収容部と保湿キャップとが保湿流路を介して連通することにより、廃液収容部に収容された廃液から気化した成分を保湿キャップ内に導入することができる。これにより、保湿キャップが形成する閉空間を加湿して、この閉空間に開口するノズルを効果的に保湿することができる。
上記液体噴射装置は、前記保湿流路を開閉する開閉弁を備え、前記開閉弁は、前記保湿キャップが前記閉空間を形成するときに開弁し、前記保湿キャップが前記閉空間を形成しないときに閉弁する。
この構成によれば、保湿キャップが閉空間を形成するときに開閉弁が開弁することで、廃液収容部内で気化した廃液の成分を閉空間に導入し、加湿することができる。また、保湿キャップが閉空間を形成しないときには、開閉弁が閉弁することで、廃液収容部に収容された廃液の蒸発を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記廃液収容部は、その内部空間を外部空間と連通させる大気連通路を有し、前記大気連通路は経路を延長するための蛇行流路を含む。
この構成によれば、廃液収容部は大気連通路として蛇行流路を有するので、廃液収容部に収容された廃液の蒸発を抑制しつつ、廃液収容部の内部空間を大気開放することができる。
液体噴射装置の一実施形態を模式的に示す断面図。 図1の液体噴射装置が備える液体噴射ヘッドの底面図。 図2の液体噴射ヘッドの断面図。 図1の液体噴射装置が備えるメンテナンス装置の構成を示す平面図。 図4のメンテナンス装置の断面図。 液体噴射装置の第1変更例を模式的に示す断面図。 液体噴射装置の第2変更例を模式的に示す断面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。液体噴射装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを噴射することによって記録(印刷)を行うインクジェット式のプリンターである。以下の説明において、鉛直下方を重力方向Zとし、水平な方向であって互いに異なる2方向を第1方向X、第2方向Yとする。
図1に示すように、液体噴射装置11は、筐体12と、筐体12内で液体を噴射する液体噴射ヘッド13と、液体噴射ヘッド13のメンテナンスを行うメンテナンス装置31と、液体噴射ヘッド13を変位させる変位機構14と、複数の媒体Sを収容するカセット17と、カセット17から給送された媒体Sを支持する支持部18と、備える。また、液体噴射装置11は、メンテナンス装置31を第2方向Yに沿って移動させる移動機構34と、液体噴射ヘッド13、変位機構14、メンテナンス装置31及び移動機構34の動作を制御する制御部100と、を備える。なお、図1、図4及び図5において破線で示す構成要素は、その存在を示すために模式的に図示している。
筐体12の内側または外側(本実施形態では筐体12の内側)には、液体噴射ヘッド13に供給する液体を収容する1または複数(本実施形態では4つ)の液体収容体19が装着される装着部20が設けられる。また、液体噴射装置11は、液体噴射ヘッド13に液体を供給する液体供給路21と、液体を加圧するための加圧機構22とを備える。加圧機構22が液体収容体19に収容された液体を加圧すると、加圧された液体が液体供給路21を通じて液体噴射ヘッド13に供給される。なお、加圧機構22は、液体供給路21内の液体を直接加圧する構成を採用してもよい。
変位機構14は、液体噴射ヘッド13を保持する保持部材15を備え、回動軸16を中心に保持部材15を矢印で示すように回動させることにより、液体噴射ヘッド13を図1に実線で示す第1位置と、図1に二点鎖線で示す第2位置とに変位させる。液体噴射ヘッド13は、第2位置のときに鉛直下方を向く開口面13bを有する。
液体噴射ヘッド13が第1位置にあるとき、開口面13bは水平に対して傾いた状態になる。液体噴射ヘッド13が第2位置にあるとき、開口面13bの水平に対する傾きは第1位置にあるときよりも小さくなる。本実施形態において、液体噴射ヘッド13が第2位置にあるときに開口面13bは水平になるが、必ずしも水平でなくてもよく、第1位置にあるときよりも開口面13bが水平に近くなればよい。すなわち、「開口面13bの水平に対する傾きが第1位置にあるときよりも小さくなる」とは、開口面13bの水平に対する傾きがゼロになって、開口面13bが水平になることを含む。
液体噴射ヘッド13は、第1位置にあるときに、支持部18に支持された媒体Sに液体を液滴として噴射することで、印刷処理を行う。本実施形態において、支持部18上において媒体Sが進む方向を搬送方向Fとし、第1位置において液体噴射ヘッド13が液体を噴射する方向を噴射方向Jとする。また、搬送方向F及び噴射方向Jの双方と異なる方向を幅方向Wとする。
図2に示すように、液体噴射ヘッド13は、媒体Sに向けて液体を噴射方向Jに噴射する複数のノズル23と、ノズル23が開口する開口面13bとを有する。本実施形態の液体噴射ヘッド13は、幅方向Wの印刷範囲が媒体Sの幅以上になるように配置された多数のノズル23を有するラインヘッドを構成する。
液体噴射ヘッド13は、ノズル23が形成されたノズルプレート24と、ノズル23を露出させる開口25aを有する保護部材25とを有する。本実施形態においては、ノズルプレート24のノズル23が開口する下面と保護部材25の下面とを合わせて、ノズル23が開口する開口面13bとする。
本実施形態において、複数のノズル23は幅方向Wに並んでノズル列を形成している。本実施形態では、4種の液体(例えば、4色のインク)に個別に対応するように、搬送方向Fに4列のノズル列N1,N2,N3,N4が並ぶ。ノズル列N1とノズル列N2は隣接して組をなし、ノズル列N3とノズル列N4は隣接して組をなす。その2列ずつ2組のノズル列は、それぞれが幅方向Wに分割されるとともに、分割された部分が搬送方向Fに交互に位置がずれるように配置されることで、搬送方向F及び幅方向Wに位置をずらしつつ並ぶ複数のノズル群を構成している。
このように、搬送方向F及び幅方向Wに位置をずらしつつ並ぶ複数のノズル群の配置を「スタッガー配置」という。ノズルプレート24及び保護部材25の開口25aは、ノズル群毎に設けられる。また、スタッガー配置されたノズル群は、ノズル23による液滴の噴射範囲に隙間が生じないように、幅方向Wにおける端部が搬送方向Fに重なっている。
図3に示すように、液体噴射ヘッド13は、液体供給路21を通じて液体が供給される共通液室61と、共通液室61とノズル23に連通する液室であるキャビティ62と、を備える。共通液室61は、例えば、ノズル列毎に(すなわち、液体の種類毎に)、1のノズル群に含まれる複数のノズル23に液体を供給するべく、複数のキャビティ62に連通している。
また、液体噴射ヘッド13は、キャビティ62の内容積を増減させる方向に撓み変位可能な振動板63と、振動板63を介してキャビティ62と区画された収容室64に収容されたアクチュエーター65と、を備える。アクチュエーター65は、例えば、通電により圧縮変形する圧電素子66を備える静電アクチュエーターである。圧電素子66は振動板63に取り付けられる。
駆動電圧が印加されることによって圧電素子66が収縮変形すると、振動板63がキャビティ62の内容積を拡大する方向に撓み変位する。キャビティ62の内容積が拡大すると、共通液室61に貯留された液体がキャビティ62内に導入される。その後通電を停止すると、圧電素子66の収縮が解除される反動で、振動板63がキャビティ62の内容積を減少させる方向に撓み変位する。すると、内容積が急激に減少することによって、キャビティ62内の液体がノズル23内に押し出され、その押し出された液体がノズル23から液滴として噴射される。振動板63は、圧電素子66に対して駆動電圧が印加された後、次の駆動電圧が印加されるまでの間に減衰振動する。この減衰振動を、振動板63の残留振動という。
ここで、ノズル23に気泡が混入したり目詰まりが生じたりすると、ノズル23の状態が良好である場合とは異なるパターンで振動板63が減衰振動する。そのため、アクチュエーター65を振動板63の変位から電圧を得るセンサーとして機能させ、圧電素子66の駆動に伴う振動板63の残留振動を検出することで、ノズル23の状態が不良なノズル23、すなわち不良ノズルを検出することが可能となる。
このとき、アクチュエーター65は、ノズル23の状態が良好か不良かをノズル23毎に検出可能な検出部として機能する。アクチュエーター65がノズル23の状態が良好か不良かを検出することを、「ノズルチェック」ともいう。ノズルチェックは、印刷処理の途中に行うこともできるし、印刷処理を行わないときに、液滴を噴射しない程度に振動板63を変位させて行うこともできる。
次に、メンテナンス装置31の構成について詳述する。
図4に示すように、メンテナンス装置31は、液体噴射ヘッド13に対する相対移動に伴って開口面13bを払拭する払拭部材32と、ノズル23から排出される液体を受容する受容キャップ40と、ノズル23が液体を噴射しないときに、開口面13bとの間に閉空間を形成する保湿キャップ50と、を備える。
受容キャップ40は、ノズル群を個別に囲むように環状に形成された複数のリップ部41を有する。リップ部41はノズル群の配置に合わせてスタッガー配置される。また、第2方向Yに並ぶ2つのリップ部41は、接続部42を介して接続されることにより、平面視において略H型のキャップ部材49を構成する。
環状のリップ部41が囲む部分には吸引口43が設けられ、吸引口43には、吸引流路35の上流端が接続されている。吸引流路35は、ノズル列N1,N2に対応するリップ部41に囲まれる吸引口43に個別に接続される複数の分岐流路35cと、ノズル列N3,N4に対応するリップ部41に囲まれる吸引口43に個別に接続される複数の分岐流路35dと、を含む。複数の分岐流路35cは合流して合流流路35aとなり、複数の分岐流路35dは合流して合流流路35bとなる。
合流流路35a,35bは、受容キャップ40内(本実施形態ではリップ部41で囲まれる領域)を吸引する吸引機構36に接続されている。また、吸引機構36から延びる吸引流路35の下流端は、受容キャップ40から吸引された液体を廃液として収容する廃液収容部37に接続されている。合流流路35a,35bには、それぞれ開閉弁46,47を設けてもよい。廃液収容部37には、廃液を吸収する吸収材38を収容してもよい。
本実施形態の保湿キャップ50は、すべてのノズル23を覆う態様で設けられる単一のキャップ部材である封止部材51と、封止部材51を開口面13bに向けて付勢する付勢部材52(図5参照)と、を備える。封止部材51は、保湿流路53を介して廃液収容部37に接続しておくことで、封止部材51の内部空間と廃液収容部37の内部空間と(特に、内部空間の上部)とを連通可能とすることが好ましい。保湿流路53には、開閉弁54を設けて、封止部材51の内部空間と廃液収容部37の内部空間の連通状態を切り替えられるようにするとよい。
廃液収容部37は、その内部空間を密閉しておくよりも大気に連通させておいた方が廃液をスムーズに導入することができる。そのため、廃液収容部37には、吸収材38から離れた位置などに、廃液を収容する内部空間を外部空間と連通させる大気連通路37aを有することが好ましい。大気連通路37aは、経路を延長するための蛇行流路を含むことが好ましい。
払拭部材32は、第2方向Yに並ぶ受容キャップ40と保湿キャップ50の間に、第1方向Xに延びる態様で配置される。払拭部材32は、例えばゴム部材やエラストマーなど、弾性変形可能な板状部材から構成することが好ましいが、不織布等、液体を吸収可能な布や多孔質材などで構成してもよい。保湿キャップ50、払拭部材32及び受容キャップ40の3つの構成要素は、支持部18(図1参照)に近い方から順に、第2方向Yに並ぶように配置することが好ましい。この場合、支持部18、保湿キャップ50、払拭部材32及び受容キャップは第2方向Yに沿って並び、保湿キャップ50は受容キャップ40よりも支持部18に近い位置に配置される。
図5に示すように、メンテナンス装置31は、受容キャップ40を昇降移動させる昇降機構45と、封止部材51を昇降移動させる昇降機構55と、備える。メンテナンス装置31は、液体噴射ヘッド13が図5に二点鎖線で示す第2位置にあるときに、クリーニング、ワイピング(払拭)及びキャッピングを含む各種のメンテナンス動作を行う。
次に、メンテナンス装置31が行うメンテナンス動作について説明する。
クリーニングの一種である吸引クリーニングは、メンテナンス装置31が図1に二点鎖線で示す位置にあるときに実行される。吸引クリーニングの実行にあたっては、まず、昇降機構45により受容キャップ40が上昇移動してリップ部41がノズル群を囲むように開口面13bに接触する。そして、キャップ部材49が開口面13bとの間に閉空間を形成した状態で吸引機構36が駆動すると、液体噴射ヘッド13内にある気泡等の異物が液体とともにノズル23から排出される。
吸引クリーニングは、クリーニングによる液体消費量を抑えるために、開閉弁46,47の開閉により、ノズル列N1,N2とノズル列N3,N4とを別々に行ってもよい。あるいは、1または複数のノズル群に対応する吸引流路35毎に開閉弁を設け、そのノズル群単位で吸引クリーニングを行うようにしてもよい。また、クリーニング時間を短縮するために、全てのノズル列について同時に行ってもよい。
ここで、吸引機構36の駆動により吸引を行うと、閉空間に生じる負圧により、リップ部41が内側に倒れて、閉空間が外気と連通してしまうことがある。特に、リップ部41のように第1方向Xに細長いと、負圧によって長手方向に延びる部分が内側に倒れやすくなる。その点、本実施形態のキャップ部材49は、第2方向Yに並ぶ2つのリップ部41の長手方向に延びる部分を接続部42で接続しているので、リップ部41が内側に倒れにくい、という利点がある。
なお、他のクリーニングとして、加圧機構22(図1参照)の加圧により液体噴射ヘッド13からキャップ部材49内に液体を排出させる加圧クリーニングを行うようにしてもよい。クリーニングは、受容キャップ40が液体噴射ヘッド13の下方にあるときに行われる。クリーニングを行うときのメンテナンス装置31の位置(図1に二点鎖線で示す位置)を受容位置という。クリーニングは、印刷処理の開始前、印刷処理の終了後、またはノズルチェックにより不良ノズルが検出された場合などに実行される。
ワイピングは、液体噴射ヘッド13が受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動するように、払拭部材32に対して相対移動することで、実行される。本実施形態では、移動機構34が、払拭部材32を含むメンテナンス装置31を支持部18(図1参照)から遠ざかる第2方向Yに移動させて、払拭部材32の先端部分で開口面13bを払拭する。本実施形態において、払拭時の液体噴射ヘッド13と払拭部材32の相対移動方向は、第2方向Yに沿う方向となる。図1,図4〜図7において、ワイピング時の払拭方向を白抜き矢印で示す。なお、払拭方向とは、開口面13bにおいて払拭が進行する方向であり、払拭時に液体噴射ヘッド13が移動しない場合には払拭部材32の移動方向であり、払拭時に払拭部材32が移動しない場合には、液体噴射ヘッド13の移動方向の反対方向である。
ワイピングは、液体噴射ヘッド13に液体などの汚れが付着したときに行うことが好ましい。例えば、クリーニングの後には、開口面13bにノズル23から排出された液体が付着しているので、ワイピングを行うとよい。また、液体噴射ヘッド13が媒体Sに向けて液体を噴射していると、その噴射に伴って微細なミストが発生し、開口面13b等に付着していく。その付着量が多くなると、付着した液体が液滴となって垂れ落ち、媒体Sや周辺の部材を汚してしまうことがある。そのため、印刷処理が長時間に及ぶ場合などには、液体が垂れ落ちないように、所定のタイミングで印刷処理の途中にワイピングを行ってもよい。
キャッピングは、図1に実線で示すように、保湿キャップ50が液体噴射ヘッド13の下方にあるときに実行される。キャッピングを実行する際には、昇降機構55が封止部材51を上昇移動させて、開口面13bとの間に閉空間を形成する。キャッピングを行うときのメンテナンス装置31の位置をキャッピング位置という。キャッピングは、電源オフ時を含め、液体噴射ヘッド13が液体の噴射動作を休止するときに、ノズル23の乾燥を抑制するために行う。
そのため、封止部材51と廃液収容部37を接続する保湿流路53に設けた開閉弁54は、封止部材51が閉空間を形成するとき(キャッピングをするとき)には開弁し、廃液収容部37内に収容された廃液から気化した液体成分(液体が水溶性のインクの場合、水分)により、閉空間を加湿するとよい。一方、封止部材51が閉空間を形成しないとき(キャッピングをしないとき)には、開閉弁54を閉弁して、廃液収容部37内に収容された廃液の気化を抑制するとよい。なお、大気連通路37aが蛇行流路を含むようにしておくと、廃液収容部37内を大気に連通させつつ、廃液の気化を抑制することができる。
その他、液体噴射ヘッド13は、メンテナンス動作として、軽微な噴射不良が生じたときやワイピングの後などに、液体を噴射して吐き捨てるフラッシングを行う。液体噴射ヘッド13が第2位置にあるときには、移動機構34がメンテナンス装置31を受容位置に移動させてフラッシングを行い、フラッシングにより吐き捨てられた液体をキャップ部材49で受容するとよい。この場合、キャップ部材49は上昇移動させず、液体噴射ヘッド13から離れた位置に配置しておく方がよい。また、キャップ部材49で受容した液体は、吸引機構36の駆動により、廃液収容部37に収容するとよい。
その他、図1に示すように、支持部18に、媒体Sを支持するリブ18aと、リブ18aの周囲に設けられた凹状の液体受容部18bとを設け、支持部18上に媒体Sがないときに液体受容部18bに向けてフラッシングを行うようにしてもよい。この場合、液体噴射ヘッド13は、第1位置においてフラッシングを行うことになる。
支持部18に液体受容部18bを設けておくと、例えば複数の媒体Sに印刷処理を行う場合に、搬送される媒体Sと媒体Sとの間(紙間)に、液体噴射ヘッド13を第1位置に配置したままでフラッシングを行うことができる。そのため、液体噴射ヘッド13が印刷処理の途中に第2位置に変位してキャップ部材49に向けてフラッシングを行うより、メンテナンス動作の時間を短縮できる。また、紙間に行うフラッシングの際に、その液体噴射に伴って生じる残留振動を利用してノズルチェックを行うようにしてもよいし、紙間に液滴を噴射しない程度に振動板63を変位させてノズルチェックを行うようにしてもよい。
なお、液体受容部18bで受容した液体を、図示しない廃液チューブ等を通じて廃液収容部37に収容してもよい。この構成によれば、液体受容部18bで受容可能な液体の量を多くすることができ、また、その受容した液体を容易に処理することができる。さらに、液体受容部18bで受容した液体により、廃液収容部37内や封止部材51が形成する閉空間を加湿することができる。
上述のように、メンテナンス装置31は、液体噴射ヘッド13の状況に応じて異なるメンテナンス動作を行う。また、メンテナンス装置31は、クリーニング、ワイピングまたはキャッピングを行う場合に、それぞれ異なる場所に移動する必要がある。そのため、移動機構34は、液体噴射ヘッド13の状況に応じて、メンテナンス装置31を移動させることが好ましい。
例えば、印刷処理の開始前にキャッピングが行われている場合、液体噴射ヘッド13は第2位置にあって、メンテナンス装置31はキャッピング位置にある。そして、印刷処理を開始するときには、封止部材51が液体噴射ヘッド13から離れるように下降移動してキャッピングを解除し、液体噴射ヘッド13が第1位置に移動して、媒体Sに対する印刷処理(液体噴射動作)を行う。
この印刷処理において、その処理量(印刷枚数、噴射する液滴数または噴射時間など)が所定の閾値より小さい間は、メンテナンス装置31はキャッピング位置に留まっておくことが好ましい。これにより、少量の印刷処理を終えて、液体噴射ヘッド13が第1位置から第2位置に変位した場合には、キャッピング位置にある保湿キャップ50により速やかにキャッピングを行うことができる。
一方、処理量が前述の閾値以上になる場合、印刷処理が終わるまでの間に、移動機構34がメンテナンス装置31をキャッピング位置から受容位置に移動させておくことが好ましい。そうすると、多量の印刷処理を終えて、液体噴射ヘッド13が第1位置から第2位置に変位した後、移動機構34がメンテナンス装置31を受容位置から払拭方向(第2方向Y)に移動させることで、払拭部材32によって開口面13bに付着したミストを速やかに払拭することができる。さらに、払拭部材32が開口面13bを払拭した後、すぐに保湿キャップ50によりキャッピングを行うこともできる。
さらに、印刷処理の間または紙間にノズルチェックを行って不良ノズルを検出した場合にも、その印刷処理が終わるまでの間に、移動機構34がメンテナンス装置31を受容位置に移動させておくとよい。そうすると、印刷処理を中断して、あるいは、印刷処理を終えて液体噴射ヘッド13が第1位置から第2位置に変位した後、払拭部材32による払拭、フラッシングまたはクリーニング等のメンテナンス動作を速やかに開始することができる。
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
ワイピング(払拭)においては、払拭部材32が開口面13bに付着した液体を掻き寄せるため、払拭を終えた払拭部材32が液体噴射ヘッド13から離れるときに、掻き寄せられた液体が払拭方向に飛び散ってしまうことがある。特に、払拭部材32を弾性体で構成し、弾性変形させつつ開口面13bの汚れを掻き取る場合には、払拭部材32が液体噴射ヘッド13から離れるときに、その先端が払拭方向に向けて勢いよく撓み変位することにより、液体が払拭方向に飛び散り易い。
このように飛び散った液体が封止部材51に付着すると、その液体がキャッピングに伴って液体噴射ヘッド13に付着してしまうことがある。そうすると、液体噴射ヘッド13が汚れてノズル23に噴射不良が生じたり、印刷処理のときに媒体Sが液体噴射ヘッド13に接触して汚れてしまったりする。
また、この液体がグリセリン等を保湿剤として含む水性インクである場合、封止部材51内に入ったインクに含まれる保湿剤の吸湿力により、キャッピングをしている間にノズル23内のインクに含まれる水分が奪われてしまうことがある。そして、ノズル23内のインクから水分が失われると、インクの粘度が増して、噴射不良の原因となってしまうおそれがある。
その点、本実施形態の液体噴射装置11では、液体噴射ヘッド13が受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動するように払拭部材32に対して相対移動することで払拭を行うので、液体が飛ぶ先には、受容キャップ40がある。そのため、保湿キャップ50の方にはほとんど液体が飛ばず、飛散した液体が封止部材51に付着しにくい。そして、受容キャップ40は本来、液体を受容するための構成を備えるので、飛散した液体が付着したとしても、大きな問題は生じない。なお、飛散した液体を効率よく受容するため、受容キャップ40が封止部材51のような単一のキャップ部材を備えてもよい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)開口面13bを払拭するときには、液体噴射ヘッド13が受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動するように払拭部材32に対して相対移動するので、払拭部材32が払拭を終えて液体噴射ヘッド13から離れるときに、その払拭方向の先には受容キャップ40がある。そのため、払拭を行った後に、払拭部材32が液体噴射ヘッド13から離れるときの勢いで、払拭により掻き集めた液体等が払拭方向に飛散したとしても、その飛散した液体は、液体を受容するための受容キャップ40に受容される。そして、保湿キャップ50の方には払拭した液体が飛散しにくいので、保湿キャップ50に液体が付いたり、保湿キャップ50を介して液体が液体噴射ヘッド13に付いたり、その液体噴射ヘッド13を介して媒体Sが汚れたりもしにくい。したがって、払拭により液体噴射ヘッド13から飛散した液体による汚染を抑制することができる。
(2)保湿キャップ50は受容キャップ40よりも支持部18に近い位置に配置されるので、液体噴射ヘッド13の払拭に伴って液体が飛散したとしても、その飛散した液体は支持部18から離れる方向に飛ぶ。そのため、払拭により液体噴射ヘッド13から飛散した液体による支持部18の汚染を抑制することができる。
(3)変位機構14が液体噴射ヘッド13を回動させることにより、液体噴射ヘッド13の姿勢をスムーズに変化させることができる。
(4)廃液収容部37と保湿キャップ50を構成する封止部材51とが保湿流路53を介して連通することにより、廃液収容部37に収容された廃液から気化した成分を封止部材51内に導入することができる。これにより、封止部材51が形成する閉空間を加湿して、この閉空間に開口するノズル23を効果的に保湿することができる。
(5)保湿キャップ50が閉空間を形成するときに開閉弁54が開弁することで、廃液収容部37内で気化した廃液の成分を閉空間に導入し、加湿することができる。また、保湿キャップ50が閉空間を形成しないときには、開閉弁54が閉弁することで、廃液収容部37に収容された廃液の蒸発を抑制することができる。
(6)廃液収容部37は大気連通路37aとして蛇行流路を有するので、廃液収容部37に収容された廃液の蒸発を抑制しつつ、廃液収容部37の内部空間を大気開放することができる。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のように変更してもよい。また、上記実施形態に含まれる各構成と下記変更例に含まれる各構成とは、任意に組み合わせてもよい。
・変位機構14は、液体噴射ヘッド13を回動させるものに限らず、例えば第2方向Yに沿って移動させることにより、支持部18と開口面13bが対向する第1位置と、メンテナンス動作を行う第2位置とに液体噴射ヘッド13を変位させてもよい。この場合には、液体噴射ヘッド13を第2方向Yに沿って受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動することで、受容キャップ40と保湿キャップ50の間にある払拭部材32で払拭を行うようにしてもよい。また、液体噴射ヘッド13と払拭部材32の両方が互いに反対方向に移動することで払拭を行うようにしてもよい。
・図6に、第1変更例の液体噴射装置11Aを示す。図6においては、液体を噴射する方向を噴射方向Z、印刷処理を行うときに媒体Sが搬送される方向を搬送方向Y、噴射方向Zと搬送方向Yの双方と異なる方向を移動方向Xとする。
液体噴射装置11Aは、筐体12と、筐体12内に架設されるガイド軸26と、ガイド軸26に案内されて移動方向Xに沿って往復移動するキャリッジ27とを備え、このキャリッジ27が液体噴射ヘッド13を保持するシリアルタイプのプリンターである。液体噴射装置11Aは、液体噴射ヘッド13に供給される液体を収容した液体収容体19をキャリッジ27に保持するオンキャリッジタイプでもよいし、液体収容体19をキャリッジ27上でない位置に配置するオフキャリッジタイプでもよい。
筐体12内には、キャリッジ27の移動方向Xの一端(図6では右端)から順に、受容キャップ40、払拭部材32、保湿キャップ50、支持部18を配置するとよい。なお、本変更例の受容キャップ40は、すべてのノズル23を覆う態様で設けられる単一のキャップ部材49を備える。また、メンテナンス装置31は、払拭部材32を昇降移動させる昇降機構33を備え、ワイピングを行わないときには、移動方向Xに沿って移動する液体噴射ヘッド13と接触しない低い位置に払拭部材32を下降させておく。
そして、本変更例では、液体噴射ヘッド13がキャリッジ27とともに受容キャップ40側から保湿キャップ50側に移動するときに、受容キャップ40と保湿キャップ50の間にある払拭部材32がワイピング(払拭)を行う。
・図7に、第2変更例の液体噴射装置11Bを示す。液体噴射装置11Bは、図6に示す第1変更例と同様のシリアルタイプのプリンターであるが、移動機構34が搬送方向Yに延びるガイドレール34aを備え、メンテナンス装置31をガイドレール34aに沿って搬送方向Yに移動させてワイピングを行う点が第1変更例と異なる。また、第2変更例のメンテナンス装置31は、搬送方向Yの上流側から下流側に向けて順番に配置された保湿キャップ50、払拭部材32及び受容キャップ40を備える。
そして、液体噴射ヘッド13が印刷処理を行うときには、移動機構34が液体噴射ヘッド13の移動経路上に受容キャップ40を配置し、記録処理の合間などに液体噴射ヘッド13が受容キャップ40に向けてフラッシングを行う。このとき、払拭部材32は、液体噴射ヘッド13に接触しないように、液体噴射ヘッド13の移動経路の外側に配置される。
液体噴射装置11Bにおいてワイピングを行うときには、まず、液体噴射ヘッド13をメンテナンス装置31の移動経路上に移動させておく。その後、移動機構34がメンテナンス装置31を搬送方向Yに移動させて、払拭部材32を開口面13bに摺接させる。なお、ワイピングは、移動機構34がメンテナンス装置31を搬送方向Yの反対方向に移動させて行うこともできる。この場合、メンテナンス装置31は、搬送方向Yの下流側から上流側に向けて順番に配置された保湿キャップ50、払拭部材32及び受容キャップ40を備えるとよい。
・封止部材51に保湿剤を導入する機構を備えてもよい。この構成によれば、キャッピング時に封止部材51内にある保湿剤によって、閉空間を加湿して、ノズル23をより長時間保湿することができる。
・封止部材51に付着した液体を除去するための除去部材を備えてもよい。例えば、封止部材51内に液体を吸収する吸収部材を収容して、封止部材51内に入った液体を吸収部材が吸収するようにすれば、キャッピング時にその液体が液体噴射ヘッド13に付着しにくくなる。あるいは、液体噴射ヘッド13の開口面13bより外側に、保湿キャップ50の封止部材51と接触可能な吸収部材を設けてもよい。このようにすることで、封止部材51に液体が付着した場合でもその液体を除去することができるため、液体による汚染を抑制することができる。またこの場合、封止部材51に付着した液体を吸収部材に転写させやすくするために、封止部材51に撥水処理を施してもよい。
・受容キャップ40、保湿キャップ50または払拭部材32は、それぞれ別の移動機構により移動する構成にしてもよい。あるいは、これら3つのうちの何れか2つを1つの移動機構で移動させ、残る1つを別の移動機構で移動させるようにしてもよい。
・メンテナンス装置31を交換可能なユニットにしてもよい。あるいは、保湿キャップ50または払拭部材32を交換可能なユニットにしてもよい。この構成によれば、保湿キャップ50または払拭部材32等の部材が液体で汚れてしまったとしても、交換によりその汚れをリセットできる。また、ユニット単位で部材等を交換することで、他の部材を引き続き使用することができる。
・液体噴射ヘッド13が噴射する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して印刷を行う構成にしてもよい。
・媒体Sは用紙に限らず、プラスチックフィルムや薄い板材などでもよいし、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。また、媒体Sは所定のサイズに切断された単票でなくてもよく、例えば円筒状に巻かれたロール状の媒体であってもよいし、Tシャツなど、任意の形状の衣類等であってもよいし、食器または文具のような任意の形状の立体物であってもよい。
11…液体噴射装置、12…筐体、13…液体噴射ヘッド、13b…開口面、14…変位機構、15…保持部材、16…回動軸、17…カセット、18…支持部、18a…リブ、18b…液体受容部、19…液体収容体、20…装着部、21…液体供給路、22…加圧機構、23…ノズル、24…ノズルプレート、25…保護部材、31…メンテナンス装置、32…払拭部材、33…昇降機構、34…移動機構、35…吸引流路、36…吸引機構、37…廃液収容部、38…吸収材、40…受容キャップ、41…リップ部、42…接続部、43…吸引口、45…昇降機構、46…開閉弁、47…開閉弁、49…キャップ部材、50…保湿キャップ、51…封止部材、52…付勢部材、53…保湿流路、54…開閉弁、55…昇降機構、61…共通液室、62…キャビティ、63…振動板、64…収容室、65…アクチュエーター、66…圧電素子、100…制御部、S…媒体。

Claims (6)

  1. 媒体に向けて液体を噴射するノズル及び前記ノズルが開口する開口面を有する液体噴射ヘッドと、
    前記ノズルから排出される前記液体を受容する受容キャップと、
    前記ノズルから前記液体を噴射しないときに、前記開口面との間に閉空間を形成する保湿キャップと、
    前記液体噴射ヘッドに対する相対移動に伴って前記開口面の払拭を行う払拭部材と、
    を備え、
    前記払拭部材は、前記相対移動方向において前記受容キャップと前記保湿キャップの間に配置され、
    前記液体噴射ヘッドが前記受容キャップ側から前記保湿キャップ側に移動するように前記払拭部材に対して相対移動することにより、前記払拭を行う
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記媒体を支持する支持部と、
    前記液体噴射ヘッドを、前記支持部と対向する第1位置と、前記払拭を行う第2位置とに変位させる変位機構と、
    を備え、
    前記保湿キャップは前記受容キャップよりも前記支持部に近い位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記変位機構は、回動により前記液体噴射ヘッドを前記第1位置と前記第2位置とに変位させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記受容キャップ内を吸引する吸引機構と、
    前記受容キャップ内から吸引された前記液体を廃液として収容する廃液収容部と、
    前記廃液収容部と前記保湿キャップとを接続する保湿流路と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記保湿流路を開閉する開閉弁を備え、
    前記開閉弁は、前記保湿キャップが前記閉空間を形成するときに開弁し、前記保湿キャップが前記閉空間を形成しないときに閉弁する
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記廃液収容部は、その内部空間を外部空間と連通させる大気連通路を有し、
    前記大気連通路は経路を延長するための蛇行流路を含む
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の液体噴射装置。
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