JP2005007635A - 液体噴射装置 - Google Patents

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JP2005007635A JP2003171837A JP2003171837A JP2005007635A JP 2005007635 A JP2005007635 A JP 2005007635A JP 2003171837 A JP2003171837 A JP 2003171837A JP 2003171837 A JP2003171837 A JP 2003171837A JP 2005007635 A JP2005007635 A JP 2005007635A
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Masaaki Miyamoto
雅昭 宮本
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Abstract

【課題】簡単な構成で液体噴射ヘッドのノズル形成面に付着した汚れをより効率良く取り除くことが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】ワイパブレード35は、弾性材料により作製され、内部に洗浄液を保持する洗浄液保持空部40を形成し、ワイピング時に記録ヘッド3のノズル形成面3´と接触する面の先端部分に洗浄液保持空部40と連通した吐出口41を開設し、ワイピング時において、ワイパブレード35が記録ヘッド3により押圧されて変形することにより洗浄液保持空部40の容積が縮小して洗浄液保持空部40内の洗浄液が吐出口41から吐出されてノズル形成面3´に付着するように構成した。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ディスプレー製造装置、電極形成装置、或いは、バイオチップ製造装置等、液体噴射ヘッドを用いて液体を噴射する液体噴射装置に係り、特に、液体噴射ヘッドのノズル形成面をワイピング(払拭)するワイピング機構を備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体を液滴の状態で吐出可能な液体噴射ヘッドを有する液体噴射装置としては、例えば、インク滴を吐出して記録紙上に画像等を記録する画像記録装置、液状の電極材を基板上に吐出して電極を形成する電極形成装置、生体試料を吐出してバイオチップを製造するバイオチップ製造装置、或いは、所定量の試料を容器に吐出するマイクロピペットが提案されている。この種の液体噴射装置では、吐出する液体を貯留容器に貯留し、この液体を液体噴射ヘッドに供給して吐出させている。
【0003】
この種の液体噴射装置では、ノズル形成面に付着した汚れの払拭(ワイピング)を行うワイピング機構を備えるものがある。このワイピング機構は、例えばゴムやエラストマー等の弾性を有する材料で形成された板状(短冊状)のワイパブレードを具備し、液体噴射装置における液体噴射ヘッドの待機領域であるホームポジション側に配置されている。
【0004】
このワイピング機構は、通常状態では、液体噴射ヘッドに接触しない退避位置に位置しているが、液体噴射ヘッドがホームポジションから記録領域側に移動する際に、ワイパブレードの先端部(上部)が液体噴射ヘッドのノズル形成面に接触可能なワイピング位置まで移動する。そして、ワイパブレードが液体噴射ヘッドに接触すると、ブレード全体が弓状に撓み、ブレード先端部がノズル形成面に接触した状態で液体噴射ヘッドが記録領域に向けて移動する。これによりノズル形成面がワイピングされ、このノズル形成面に付着したインク等の汚れが取り除かれる。
【0005】
ところで、このワイピングにおいて汚れの除去効果を向上させるべく、ノズル形成面を液体で濡らした状態でワイピング(湿式ワイピング)する技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているものは、ワイピング中のワイパブレードの位置に応じてノズル開口からインク滴を吐出し、このインク滴でノズル形成面を湿潤させることによって拭き取り性を向上させている。
また、特許文献2に開示されているものは、ワイパブレードからノズル形成面に洗浄用薬剤を吐出してワイピングを行うように構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−166560号公報
【特許文献2】
特開2000−198214号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示のものは、ノズル開口からインク滴を吐出するので、その分インクを消費してしまう問題があった。また、上記特許文献2に開示されているものは、洗浄用液剤を循環させるためのポンプを含む循環回路が必要となり、構成が複雑となる問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で液体噴射ヘッドのノズル形成面に付着した汚れをより効率良く取り除くことが可能な液体噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズル開口から液滴を噴射する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズル形成面に接触して該ノズル形成面をワイピングするワイパブレードと、該ワイパブレードの先端部が前記ノズル形成面に接触可能な位置に移動するワイパ移動機構と、を備えた液体噴射装置において、
前記ワイパブレードは、弾性材料により作製され、内部に洗浄液を保持する洗浄液保持空部を有し、ワイピング時に前記ノズル形成面と接触する面の先端部分に前記洗浄液保持空部と連通した吐出口を開設して構成され、
ワイピング時において、前記ワイパブレードが前記液体噴射ヘッドにより押圧されて変形することにより前記洗浄液保持空部の容積が縮小して該洗浄液保持空部内の洗浄液が前記吐出口から吐出されてノズル形成面に付着するようにしたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、簡単な構成で液体噴射ヘッドのノズル形成面を洗浄液で湿潤させた状態でワイピングすることが可能となる。これにより、ノズル形成面に付着した汚れを効果的に払拭することが可能となる。また、洗浄液をワイパブレード自体からノズル形成面における払拭部位に対して直接吐出するので、必要最小限の量の洗浄液でノズル形成面を十分にワイピングすることができる。
【0011】
上記構成において、前記ワイパブレードを保持するブレード保持部材を設け、
該ブレード保持部材が、前記ワイパブレードの基端部を吐出口開設面とは反対側から支持するブレード支持部を有する構成を採った場合には、ワイパブレードが液体噴射ヘッドにより押圧されると、ワイパブレードの先端部が弓状に撓む一方、基端部はブレード支持部に押し付けられる状態となり、ワイピング時において洗浄液保持空部の容積をより大きく縮小させることができる。したがって、吐出口から洗浄液をより確実に吐出させることが可能となる。
また、前記ワイパブレードが、吐出口開設面とは反対側の面の基端部に、他の部分よりも肉厚にした肉厚部を有する構成とすることも可能である。
なお、本発明において、「先端部」とは、ワイパブレードの立設方向略中央よりも先端側の部分を意味し、「基端部」とは、同じく基端側の部分を意味する。
【0012】
また、上記構成において、吐出口開設面側から前記ワイパブレードの基端部を押圧する押圧部材を設けるのが好ましい。これにより、洗浄液保持空部の容積をさらに大きく縮小させることができ、洗浄液を吐出口から一層確実に吐出させることが可能となる。
【0013】
また、前記吐出口を、開口面積が前記洗浄液保持空部側から外側に向けて徐々に縮小する形状に構成した場合には、非ワイピング時において、洗浄液の漏出を抑制することができると共に、洗浄液保持空部内の洗浄液の蒸発を防止することが可能となる。
【0014】
上記構成において、洗浄液を貯留する洗浄液貯留部材と、該洗浄液貯留部材及び前記ワイパブレードに接続された管状の供給部材とを設け、前記洗浄液貯留部材内の洗浄液を、前記供給部材を通じて前記ワイパブレードの洗浄液保持空部内に供給する構成を採用することができる。そして、この構成において、前記ワイパブレードに、洗浄液貯留部材側から洗浄液保持空部内への洗浄液の流入を許容する一方、洗浄液保持空部内から洗浄液貯留部材側への洗浄液の流出を阻止する弁を配設するのが好ましい。これにより、ワイピング時においてワイパブレードが変形した際に、洗浄液保持空部内の洗浄液が洗浄液貯留部材側に流出(逆流)するのを抑制し、洗浄液の吐出不良を低減することができる。
【0015】
上記構成において、前記洗浄液保持空部内に多孔質体を配設し、該多孔質体によって洗浄液を保持させる構成とすることもできる。これにより、毛細管力によって洗浄液が多孔質体に吸収され、洗浄液を洗浄液保持空部内により確実に保持することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという。)を例に挙げる。このプリンタは、ノズル開口から吐出させた液体状のインクを、記録紙(印刷記録媒体の一種)の表面に着弾させることで文字や画像を記録するものであり、画像記録装置の一種でもある。
【0017】
図1に示したプリンタ1は、カートリッジ装着部2を有し、記録ヘッド3(本発明の液体噴射ヘッドの一種)が取り付けられたキャリッジ4を備えている。
記録ヘッド3は、何れも図示しないが、例えば圧電振動子等の圧力発生素子や、共通インク室から圧力室を経てノズル開口に至る一連の流路が形成された流路ユニット等を備え、圧力発生素子を駆動することにより、圧力室内に圧力変動を生じさせ、ノズル開口から圧力室内のインクをインク滴(本発明における液滴の一種)として吐出するように構成されている。
【0018】
そして、記録ヘッド3は、ノズル開口を形成したノズル形成面(ノズルプレート)3´が記録紙7と対向するように下向きにキャリッジ4に取り付けられている。なお、圧力発生素子としては、所謂縦振動モードの圧電振動子、所謂撓み振動モードの圧電振動子、又は、発熱することにより気泡を発生させて圧力室内の圧力変動を生じさせる発熱素子等を用いることができる。
【0019】
キャリッジ4のカートリッジ装着部2には、記録ヘッド3にインクを供給するブラックインクカートリッジ5Aおよびカラーインクカートリッジ5Bが着脱可能に装着されている。
そして、キャリッジ4は、ガイドロッド6に軸支された状態で、駆動プーリー8と遊転プーリー9との間に架設したタイミングベルト10に接続されている。そして、この駆動プーリー8はパルスモータ11の回転軸に接合されており、このパルスモータ11の作動によってキャリッジ4が記録紙7の幅方向(即ち、主走査方向)に移動するようになっている。
【0020】
ガイドロッド6の下方には、このガイドロッド6と平行に紙送りローラ12が配置されている。この紙送りローラ12は、紙送りモータ13からの駆動力によって回転されて、プラテン14上の記録紙7を副走査方向へ搬送するように構成されている。
【0021】
キャリッジ4の移動範囲内であって記録領域(駆動領域)よりも外側の端部領域(図1では右側)には、ホームポジションが設定されている。このホームポジション側には、記録ヘッド3のノズル形成面3´をキャッピング(封止)可能なキャッピング機構15と、ノズル形成面3´をワイピングするためのワイピング機構16とが左右隣り合わせて配設されている。
【0022】
次に、キャッピング機構15について説明する。図2は、キャッピング機構15及びワイピング機構16の要部を断面で示した模式図、図3は、キャッピング機構15及びワイピング機構16の平面図である。キャッピング機構15は、凹状の負圧空部18を有し、ノズル形成面3´を封止可能なキャップ部材19と、このキャップ部材19を上部に搭載し、プリンタ1の底面に対し斜め上下方向に移動可能なスライド機構20とにより構成されている。
【0023】
キャップ部材19は、平面から見て略矩形状の箱体、詳しくは、上面開放のトレイ状部材であり、その全体が例えばエラストマーなどの弾性素材によって作製されている。このキャップ部材19の底面には、後述する排液チューブに連通される排液口22が形成されている。また、このキャップ部材19の内部には、吸液性・保湿性を有する吸液シート23を配設している。この吸液シート23は、例えばフェルト等によって構成される。
【0024】
スライド機構20は、キャリッジ4のホームポジション側への移動に伴い、キャップ部材19を上方にせり上げるように構成されている。そして、キャリッジ4がホームポジションに位置付けられると、キャップ部材19が記録ヘッド3のノズル形成面3´を封止するキャッピング状態となる。このキャッピング状態では、ノズル形成面3´に開設されたノズル開口がキャップ部材19の負圧空部18内に臨み、且つ、キャップ部材19の上端縁とノズル形成面3´とが密着するようになっている。そして、キャップ部材19内には吸液シート23が配設されているので、負圧空部18内は高湿状態に保たれる。その結果、記録ヘッド3のノズル開口からのインク溶媒の蒸発が抑制され、インク粘度の上昇が抑制される。
【0025】
上記キャップ部材19の排液口22には、負圧空部18と排液タンク24とを連通する排液チューブ25が接続されている。また、排液チューブ25の途中には、ポンプユニット26が配置されている。このポンプユニット26は、図4に示すように、駆動モータ(図示せず)からの動力によりポンプホイル27を回転させ、このポンプホイル27の外周側に取り付けられたローラ28で排液チューブ25を押し潰してしごくことにより、排液チューブ25内に負圧を発生させる所謂チューブポンプによって構成されている。そして、上述のキャッピング状態でこのポンプユニット26を作動させると、負圧空部18内が負圧化されるのでノズル開口を通じて記録ヘッド3内のインクを排出することができる。これにより、ノズル開口付近で増粘したインクを排液チューブ25を介して強制的に排液タンク24側に排出でき、インク滴の吐出を良好に維持することができる。
【0026】
スライド機構20と記録領域(プラテン14)との間には、ワイピング機構16が設けられる。このワイピング機構16は、ワイパブレード35と、このワイパブレード35を保持するブレードホルダ36(本発明のブレード保持部材の一種に相当)とにより概略構成され、ワイパ移動機構37によって、記録ヘッド3の移動経路に重なるワイピング位置と、この移動経路から外れた退避位置とに進退可能となっている。
【0027】
図5は、ワイピング機構16の構成を示す要部断面図、図6は、ワイピング機構16の外観を示す斜視図である。ワイパブレード35は、例えばゴムやエラストマー等の弾性を有する材料で作製され、洗浄液を保持可能な洗浄液保持空部40が内部に形成された中空の板状部材である。このワイパブレード35の、ワイピング時における記録ヘッド3のノズル形成面3´と接触する側面の先端部、詳しくは先端から少し離れた部分に、洗浄液保持空部40と連通する吐出口41が副走査方向に複数開設(列設)されている。
なお、この吐出口41に関し、ワイパブレード35の形状に応じて開設位置が適宜設定される。例えば、先端部分が先細りした形状のワイパブレードの場合、この先端部分(テーパー面)に吐出口41を開設することもできる。要は、ワイピング時にノズル形成面3´と接触する部分に吐出口41を開設するのが好ましい。
【0028】
各吐出口41は、洗浄液保持空部40側から外側(外部空間側)に向けて開口面積が徐々に縮小する漏斗状に形成されており、非ワイピング時(非変形時)においては、吐出口周縁部の弾性によって外部空間側(ブレード表面側)がほぼ閉塞した状態となっている。これにより、非ワイピング時において、洗浄液保持空部40から洗浄液が漏出するのを抑制することができると共に、洗浄液保持空部40内の洗浄液の蒸発を防止することが可能となる。
【0029】
ワイパブレード35の底部には、接続口42が突設されており、この接続口42内には、上記洗浄液保持空部40と連通する導入流路42´が形成されている。そして、この接続口42には、可撓性を有する供給チューブ43の一端が接続されており、この供給チューブ43の他端は、洗浄液を貯留した洗浄液パック44(本発明の洗浄液貯留部材の一種/図3参照)に接続されている。
【0030】
洗浄液パック44は、本実施形態においては、ワイピング時におけるワイピング機構16よりも上方に配置されており、この高低差(水頭差)、即ち、位置エネルギーの差によって、洗浄液パック44内に貯留された洗浄液が供給チューブ43を通じてワイパブレード35の洗浄液保持空部40内に供給されるように構成されている。なお、洗浄液としては、純水やクリアインク等を用いることができる。また、これら以外の液体を洗浄液として用いることも可能である。
【0031】
そして、上記ワイパブレード35は、ワイピング時において記録ヘッド3により押圧されて変形する(撓む)ことにより、洗浄液貯留空部40の容積が縮小すると共に、吐出口41が開いて洗浄液保持空部40内の洗浄液が吐出されるようになっている。
【0032】
ここで、ワイパブレード35内、詳しくは、洗浄液保持空部40と導入流路42´との間には、洗浄液パック44側から洗浄液保持空部40内への洗浄液の流入を許容する一方、洗浄液保持空部40内から洗浄液パック44側への洗浄液の流出を阻止する弁45が配設されている。これにより、ワイピング時においてワイパブレード35が変形した際に、洗浄液保持空部40内の洗浄液が洗浄液パック44側へ流出(逆流)するのを抑制し、洗浄液の吐出不良を防止することができる。
【0033】
上記ブレードホルダ36は、記録領域側の縁部から上方に向けてブレード支持部36´を立設している。このブレード支持部36´は、ワイパブレード35に対して、吐出口開設面とは反対側の面(記録領域側面)の基端側からブレード立設方向の途中(略半分)に亘って隣接状態で形成されており、ワイピング時にワイパブレード35の基端部(下部)を支持するようになっている。これにより、ワイパブレード35が記録ヘッド3により押圧されると、ワイパブレード35の先端部(上部)が弓状に撓む一方、基端部はブレード支持部36´側に押し付られる状態となり、ブレード支持部36´を具備しない場合と比較して洗浄液保持空部40の容積をより大きく縮小させることができる。したがって、洗浄液を吐出口41からより確実に吐出させることが可能となる。
【0034】
また、ブレードホルダ36のブレード支持部36´とはワイパブレード35を挟んで反対側には、吐出補助機構46(本発明の押圧部材の一種に相当)が配設されている。この吐出補助機構46は、吐出補助棒47を備え、この吐出補助棒47をソレノイド(図示せず)を励磁することによってワイパブレード35に向けて突出可能に構成されている。そして、吐出補助機構46は、図示しない制御装置により制御され、ワイピング時におけるワイパブレード35の基端部を吐出補助棒47によって吐出口開口面側からブレード支持部36´側に向けて押圧するようになっている。これにより、洗浄液保持空部40の容積をさらに大きく縮小させて、洗浄液の吐出を一層確実にすることができる。
【0035】
次に、ワイピング機構16によるワイピング動作について図7を用いて説明する。
図7(a)に示すように、記録ヘッド3(キャリッジ4)がホームポジション側から記録領域側に向けて移動する際、ワイピング機構16は、ワイパ移動機構37(図3参照)によって上昇或いは副走査方向に移動して、ワイパブレード35の先端部が記録ヘッド3のノズル形成面3´に接触可能な位置に位置付けられる。
そして、記録ヘッド3がワイパブレード35に接触した状態で記録領域側に向けて進行すると、ワイパブレード35は記録ヘッド3に押圧されて徐々に変形する。
【0036】
本実施形態においては、ブレード支持部36´によってワイパブレード35の基端部が支持(固定)されているので、図7(b)に示すように、ワイパブレード35は、記録ヘッド3によってブレード支持部36´側に押し付けられる状態となり、ワイパブレード35の先端部のみが弓状に変形すると共に、この変形により吐出口41が引っ張られて開く。また、これと同時に、吐出補助機構46が、吐出補助棒47を突出させてワイパブレード35の基端部を吐出口開設面側からブレード支持部36´側に向けて押圧する。これにより、洗浄液保持空部40の容積が縮小すると共に弁45が閉じ、吐出口41から洗浄液が吐出されてノズル形成面3´に付着する。
【0037】
そして、記録ヘッド3の進行に伴い、ワイパブレード35は、洗浄液でノズル形成面3´を湿潤させた状態でワイピング(湿式ワイピング)を行う。これにより、ノズル形成面3´に付着したインク等の汚れをより効果的に払拭することができる。
【0038】
そして、図7(c)に示すように、記録ヘッド3が記録領域側にさらに進行すると、ワイパブレード35とノズル形成面3´との接触状態が解除される。これにより、ワイパブレード35は自らの弾性によって元の直立した形状に復帰すると共に吐出口41が閉じられる。また、同時に、洗浄液保持空部40の容積も元の大きさに戻ると共に、弁45が開いて洗浄液パック44からの洗浄液が洗浄液保持空部40内に補充される。
【0039】
以上のように、上記ワイピング機構16は、比較的簡単な構成でノズル形成面3´を洗浄液で湿潤させた状態でワイピングを行うことができる。これにより、ノズル形成面3´に付着した汚れを効果的に払拭することが可能となる。また、洗浄液をワイパブレード35自体からノズル形成面3´の払拭部位に対して直接吐出するので、必要最小限の量の洗浄液でノズル形成面3´を十分にワイピングすることができる。
【0040】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記ワイパブレード35に関し、上記実施形態では、洗浄液を洗浄液保持空部40内に直接保持する例を示したが、これに限らず、洗浄液保持空部40内に、例えばウレタンフォーム等の多孔質部材(本発明の多孔質体の一種)を充填する構成を採ってもよい。これにより、多孔質部材の毛細管力によって洗浄液パック44からの洗浄液が多孔質部材内に吸収され、洗浄液を洗浄液保持空部40内により確実に保持することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、ブレード支持部36´によってワイパブレード35の記録領域側の基端部を支持する例を示したが、これに限らない。例えば、ワイパブレード35の記録領域側の面の基端部の肉厚を他の部分よりも厚くして剛性を高め、この肉厚部によってワイピング時におけるワイパブレード35を支持するように構成することも可能である。
【0042】
上記吐出口41に関し、上記実施形態では、複数の吐出口41を副走査方向に一列に並べて開設した例を示したが、例えば、副走査方向に長い直線状の吐出口としても良い。
また、吐出口41の列(又は直線上の吐出口)をワイパブレード35の立設方向に複数列設けるようにしても良い。
【0043】
上記吐出補助機構46に関し、ワイピング時において、複数回に分けてワイパブレード35の押圧を繰り返す、即ち、押圧、押圧解除、押圧、押圧解除…のように押圧と押圧解除を交互に行うように動作を制御するようにしてもよい。これにより、ノズル形成面3´の上流側から下流側に亘って吐出口41から均等に洗浄液を吐出させることができると共に、押圧の解除時に洗浄液保持空部40の容積が押圧前の状態に戻るのに伴い、弁45が開弁して洗浄液パック44からの洗浄液を洗浄液保持空部40内に補充(流入)させることが可能となり、ノズル形成面全域に亘って汚れをムラ無く払拭することができる。
【0044】
また、上記実施形態においては、吐出補助機構46として、ソレノイドを用いて吐出補助棒47を突出させる構成を例示したが、これに限らず、ワイピング時に記録ヘッド3に当接可能な当接部材を設け、この当接部材が記録ヘッド3に当接すると吐出補助棒47が突出してワイパブレード35を押圧するようなリンク機構で構成してもよい。
【0045】
上記実施形態では、キャッピング機構15とワイピング機構16に関し、それぞれを別個独立の機構としたが、ワイピング機構16とキャッピング機構15を一体とする場合、例えば、上記スライド機構20上にワイパブレード35を設ける場合にも本発明を適用することができる。この場合、スライド機構20がブレードホルダ及びワイパ移動機構として機能する。
【0046】
また、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンタを例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(面発光ディスプレー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。そして、ディスプレー製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を吐出する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を吐出する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を吐出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの構成を説明する斜視図である。
【図2】ワイピング機構およびキャッピング機構の模式図である。
【図3】ワイピング機構およびキャッピング機構の平面図である。
【図4】ポンプユニットの構造を説明する図である。
【図5】ワイピング機構の要部断面図である。
【図6】ワイピング機構の外観を示す斜視図である。
【図7】ワイピング機構の動作を説明する図であり、(a)はワイピング開始時、(b)はワイピング中、(c)はワイピング終了時を示している。
【符号の説明】
1…インクジェット式プリンタ,2…カートリッジ装着部,3…記録ヘッド,3´…ノズル形成面,4…キャリッジ,5…インクカートリッジ,6…ガイドロッド,7…記録紙,8…駆動プーリ,9…遊転プーリ,10…タイミングベルト,11…パルスモータ,12…紙送りローラ,13…紙送りモータ,14…プラテン,15…キャッピング機構,16…ワイピング機構,18…負圧空部,19…キャップ部材,20…スライド機構,22…排液口,23…吸液シート,24…排液タンク,25…排液チューブ,26…ポンプユニット,27…ポンプホイル,28…ローラ,35…ワイパブレード,36…ブレードホルダ,36´…ブレード支持部,40…洗浄液保持空部,41…吐出口,42…接続口,43…供給チューブ,44…洗浄液パック,45…弁,46…吐出補助機構,47…吐出補助棒

Claims (8)

  1. ノズル開口から液滴を噴射する液体噴射ヘッドと、液体噴射ヘッドのノズル形成面に接触して該ノズル形成面をワイピングするワイパブレードと、該ワイパブレードの先端部が前記ノズル形成面に接触可能な位置に移動するワイパ移動機構と、を備えた液体噴射装置において、
    前記ワイパブレードは、弾性材料により作製され、内部に洗浄液を保持する洗浄液保持空部を有し、ワイピング時に前記ノズル形成面と接触する面の先端部分に前記洗浄液保持空部と連通した吐出口を開設して構成され、
    ワイピング時において、前記ワイパブレードが前記液体噴射ヘッドにより押圧されて変形することにより前記洗浄液保持空部の容積が縮小して該洗浄液保持空部内の洗浄液が前記吐出口から吐出されてノズル形成面に付着するようにしたことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記ワイパブレードを保持するブレード保持部材を設け、
    該ブレード保持部材は、前記ワイパブレードの基端部を吐出口開設面とは反対側から支持するブレード支持部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記ワイパブレードは、吐出口開設面とは反対側の面の基端部に、他の部分よりも肉厚にした肉厚部を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 吐出口開設面側から前記ワイパブレードの基端部を押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記吐出口は、開口面積が前記洗浄液保持空部側から外側に向けて徐々に縮小する形状に構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液体噴射装置。
  6. 洗浄液を貯留する洗浄液貯留部材と、該洗浄液貯留部材及び前記ワイパブレードに接続された管状の供給部材とを設け、
    前記洗浄液貯留部材内の洗浄液を、前記供給部材を通じて前記ワイパブレードの洗浄液保持空部内に供給するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の液体噴射装置。
  7. 前記ワイパブレードに、前記洗浄液貯留部材側から前記洗浄液保持空部内への洗浄液の流入を許容する一方、前記洗浄液保持空部内から前記洗浄液貯留部材側への洗浄液の流出を阻止する弁を配設したことを特徴とする請求項6に記載の液体噴射装置。
  8. 前記洗浄液保持空部内に多孔質体を配設し、該多孔質体によって洗浄液を保持させる構成としたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の液体噴射装置。
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