JP2006137080A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッドの吐出口面と該吐出口面に当接するキャップとの間の張り付きを防止するとともに、無駄な記録ヘッドの包装材を廃止することでコストダウンと環境保護を実現できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッド3の吐出口面51に密着されることで吐出口を密閉するキャップ53と、記録装置に装着された記録ヘッド3を所定位置に固定する固定手段と、を備え、記録装置の物流時に、記録ヘッド3を固定した状態で吐出口面51とキャップ53との間にシート部材59を介在させて該吐出口面51をキャッピングする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、記録時に騒音がほとんど生じず、高速な記録と様々な記録媒体に対する記録とが可能であるという特徴を有している。このようなことから、インクジェット記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、ワードプロセッサ等の記録機構を担う装置として広く採用されている。このようなインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドにおける代表的なインク吐出方式としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いたもの、レーザー等の電磁波を照射してインクを発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させるものなどが知られている。
これらのうち、電気熱変換素子を用いたインクジェット記録ヘッドは、電気熱変換素子をインク流路内に設け、これに記録信号である電気パルスを供給して発熱させることによりインクに熱エネルギーを与え、そのときのインクの相変化により生じる発泡時(沸騰時)の気泡圧力を利用して、微小な吐出口からインク滴を吐出させて記録紙等の記録媒体に記録を行うものである。電気熱変換素子を用いたインクジェット記録ヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための吐出口が開口しているノズルと、このノズルにインクを供給するインク流路および共通液室とを有している。以上の構成を有するインクジェット記録装置においては、製造元から消費者へ出荷される物流時及び輸送時の梱包形態では、装置本体と記録ヘッドは別々に包装されており、多くの記録装置では、消費者に着荷した際の初期操作として装置本体に記録ヘッドを装着することが行われている。
このような梱包の形態をとる理由は様々あるが、例えば、使用するインクを記録ヘッド内に充填したまま、高温多湿に長期物流保管された場合の化学的反応による信頼性の課題や、記録ヘッドからのインク漏れといった課題がある。これに対しては記録ヘッドの吐出口及びインク流路を保護する物流専用のインクを記録ヘッドに充填し、インクを供給するインクタンクと記録ヘッドを別々に梱包する形態が採用されている。また、記録ヘッドの梱包形態においては、記録ヘッドの吐出口を保護するための物流専用のインクが長期物流環境で蒸発してインク吐出の信頼性低下を防ぐために、アルミや多層構造フィルムを使用した保湿に優れた包装材を使用することも行われている。
これらの包装形態は品質及び信頼性の確保には有利であるが、消費者にとって不要となる包装材にコストがかかり、不要物を生じる点で環境面でも不利である。よって、記録ヘッドを装置本体に装着した状態で記録装置を梱包することで、記録装置を使用するにあたっては不要となる記録ヘッドの包装材を廃止することが検討されている。
一方、インクジェット記録装置においては、記録ヘッドの吐出口からのインク蒸発を防止したり、吐出口が形成された吐出口面を保護するために、該吐出口面に対してキャップを密着離間する構成のキャッピング機構が設けられている。
特開2002−283590
しかしながら、記録ヘッドの包装材を廃止するに際しては、次のような解決すべき技術的課題がある。すなわち、記録ヘッドの吐出口面は電気配線フィルムで覆われており、このフィルム面とゴム等で形成されたキャッピング部材(キャップ)とが当接したキャッピング状態で高温環境のもとに長期保存を行った場合に、キャップを形成するゴム部材が吐出口面上の電気配線フィルム面に張り付くことがある。そして、このキャップ部材の張り付きの強さは、キャッピング機構によっては剥がすことが困難になるほど強くなる場合もある。このようなキャップ部材の張り付きは、記録ヘッド及びキャップとも未使用で部品表面がインクなどで汚れていないときほど発生しやすいこともある。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、記録ヘッドの吐出口面と該吐出口面に当接するキャップとの間の張り付きを防止することができ、無駄な記録ヘッドの包装材を廃止することでコストダウンと環境面への配慮を実現できるインクジェット記録装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するため、記録ヘッドの吐出口面に形成された吐出口から記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、前記吐出口面に密着されることで吐出口を密閉するキャップと、記録装置に装着された前記記録ヘッドを所定位置に固定する固定手段と、を備え、記録装置の物流時に、前記記録ヘッドを固定した状態で前記吐出口面と前記キャップとの間にシート部材を介在させて該吐出口面をキャッピングすることを特徴とする。
本発明によれば、記録ヘッドの吐出口面と該吐出口面に当接するキャップとの間の張り付きを防止することができ、無駄な記録ヘッドの包装材を廃止することでコストダウンと環境面への配慮を実現できるインクジェット記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態を示す模式的斜視図であり、図2は図1中の記録ヘッドの模式的斜視図であり、図3は図1中の回復機構部の模式的斜視図である。図1において、インクジェット記録装置1は、駆動源であるキャリッジモータ(「駆動モータ」ともいう)M1と、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2と、キャリッジモータM1によりキャリッジ2を両矢印Aの主走査方向に往復移動させる伝動機構4と、記録紙等の記録媒体Pを1枚ずつ分離給送する給紙機構5と、記録ヘッド3のインク吐出性能を回復させるための処理を行う回復機構部10と、を備えている。このようなインクジェット記録装置において、記録媒体Pは、給紙機構5によって記録装置の本体内に送り込まれ、記録ヘッド3によって所定の記録が行なわれる。
記録ヘッド3はキャリッジ2に対して着脱自在に装着され、記録ヘッド3に対してはカートリッジタイプのインクタンク6が着脱自在に装着されている。インクタンク6内に収容されたインクが記録ヘッド3に供給される。記録ヘッド3とインクタンク6とによってインクジェットカートリッジが構成されている。本実施形態における記録ヘッド3には、後述するように、使用される複数種類のインクに対応する複数の吐出口列が形成されており、複数のインクを個別に収容する複数のインクタンク6からそれぞれの吐出口列へインクが供給される。キャリッジ2と記録ヘッド3は、それらの接合面が適正に接触することによって、所要の電気的接続が達成維持されている。記録ヘッド3は、記録信号に応じたパルス電圧が印加されることにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録媒体Pに画像を記録する。
図1において、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝動機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って移動自在に案内支持されている。キャリッジ2はキャリッジモータM1の正転及び逆転によって往復移動する。記録装置には、キャリッジ2の主走査方向における絶対位置を示すためのスケール8がガイドシャフト13と平行に設置されている。スケール8としては、透明なPETフィルムに所定ピッチの黒色のバーが印刷されたものが使用されており、その一方の端部はシャーシ9に固定され、他方の端部は不図示の板バネに連結されている。
記録ヘッド3の吐出口は記録媒体Pと対向する吐出口面51に形成されており、該吐出口面51と対向する領域には記録媒体Pの搬送を案内支持するためのプラテンが配設されている。該プラテンの搬送方向上流側には搬送ローラ14が配置されており、給紙機構5から給送された記録媒体Pは搬送ローラ14により上記プラテン上の記録領域を通して搬送される。搬送ローラ14は搬送モータM2によって駆動される。搬送ローラ14に対しては、記録媒体Pの搬送力を得るためのピンチローラ15が不図示のバネにより圧接されている。ピンチローラ15は、ピンチローラホルダ16に回転自在に軸支されている。そこで、キャリッジモータM1によってキャリッジ2を主走査移動させると同時に、キャリッジ2上の記録ヘッド3を記録情報に基づいて駆動することにより、プラテン上に搬送された記録媒体Pに対してインクを吐出して1ライン分の記録が行われる。以降、この1ライン分の記録と記録媒体Pの所定ピッチの搬送を繰り返すことにより、該記録媒体の全体に対する記録が行われる。
搬送ローラ14の一端には搬送ローラギア17が固着されており、搬送ローラギア17に伝達された搬送モータM2の回転力により搬送ローラ14が駆動される。記録ヘッド3によって画像記録された記録媒体Pは排出ローラ19の駆動により装置本体外ヘ排出される。排出ローラ19は、搬送モータM2の駆動を不図示の排出ローラギアに伝達することにより、搬送モータ14と同期して駆動される。排出ローラ19に対しては、搬送力を得るための拍車ローラ21が不図示のバネの付勢力により圧接されている。拍車ローラ21は拍車ホルダ22に回転自在に支持されている。
図2において、記録ヘッド3は、部品点数の削減、コストダウン及び省スペース化のために1つの支持基板41に装着され、1つの電気配線基板42もしくは1つの電気配線テープ43にインク吐出エネルギー発生のための電気熱変換体、電気配線及びドライバーを含む複数のチップ44が接続されている。1つの支持基板41上に複数のチップ44を配置することにより、チップを非常に精度良く配置することが可能となり、記録媒体へのインクの着弾精度を向上させることができる。
図1及び図3において、記録装置1におけるキャリッジ2の移動範囲内であって、記録媒体が通紙される記録領域を外れた位置には、記録ヘッド3の吐出状態を良好に維持回復するための回復機構部10が配設されている。回復機構部10の位置は、例えばキャリッジ2のホームポジションに対応する位置が選定される。回復機構部10には、キャッピング手段11、ワイピング手段12、ワイパークリーニング手段18、吸引手段20などの回復手段が設けられている。キャッピング手段11は記録ヘッド3の吐出口面51にゴム状弾性体で形成されたキャップ(キャップ部材)53を密着させて吐出口をキャッピングするものである。ワイピング手段12は、吐出口面51に摺擦可能なワイパーを矢印F及びR方向に移動させることで、該吐出口面51に付着したインクやほこり等の異物を拭き取り除去するものである。ワイパークリーニング手段18はワイパーの汚れを除去清掃するものである。
前記吸引手段20はキャッピング状態でキャップ53内に負圧を発生させて吐出口から劣化インクを吸引したり、予備吐出でキャップ53内に受容されたインクを回収したりするものであり、一般に、吸引ポンプで構成されている。このようなインクの吸引排出によって、記録ヘッド3の吐出口内(インク流路)の増粘インクや気泡等を除去することでインクをリフレッシュすることができる。また、前記の予備吐出は、画像記録に寄与しないインクをキャップ内に向かって吐出することで、記録ヘッド3のインク吐出状態を良好に保つための回復処理である。さらに、保管時や待機時など記録をしないときには、キャッピング手段11によって記録ヘッド3の吐出口面にキャップ53を密着させて吐出口を密閉することにより、記録ヘッド3を保護するとともに、吐出口内のインクの乾燥を防止することができる。
図3において、キャップ53を記録ヘッド3に当接、離間させるための昇降動作は、回復機構部10の駆動源であるPGモータM3によって行われる。PGモータM3は、PGギア24、25、26等を経由してキャップ53の昇降動作を行うためのカムに連係されており、ワンウェイクラッチギアを介して該モータM3のいずれか一方向の回転駆動が伝達される。なお、図3中の29は、記録装置が休止している状態又は電源オフの状態で、キャッピングと同時に記録ヘッドを定位置に固定するためのロックレバーを示す。
図4は本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態における記録ヘッド3のチップ44に形成された吐出口面51と、該吐出口面51と対向する位置にあるキャップ53と、これらの間に介在させられるシート部材59との位置関係を示す模式的斜視図である。図4において、記録ヘッド3のチップ44(図2)に形成された吐出口面51には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのインクを吐出する複数の吐出口列52が設けられている。各吐出口列52は、複数の吐出口を記録媒体搬送方向に所定ピッチで配置して構成されている。記録装置からの電気信号は、図2に示すように、記録ヘッド3の電気配線基板42に伝達され、吐出口面51に接続された電気配線テープ43を通して記録チップ44送られる。
キャップ53の吐出口面51との当接部54は、キャッピング手段11の昇降機構によって、吐出口面51に開口する複数の吐出口からなる吐出口列52の周囲に配される電気配線テープ43の表面に密着させられることにより、該吐出口面51を被覆する。これがキャッピング状態である。キャップ53には吐出口面51に密着させられる当接部54と該当接部によって囲まれた凹部55とが形成されている。そして、吐出口面51に開口する吐出口は、キャッピング状態でも、キャップ53の凹部55とは接触しないように構成されている。なお、図4では、部品構成を示すため、キャップ53が吐出口面51から離れたキャップ開放の状態が示されている。本実施形態によれば、記録ヘッド3が待機状態もしくは休止状態となるホームポジションにおいて、吐出口面51と対向するキャップ53の当接部54は、キャップ53を支持する昇降機構56によって吐出口面51に密着させられる。
図5は本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態において記録ヘッド3の吐出口面51とキャッピング手段11のキャップ53との間にシート部材59を介在させて吐出口を密閉したキャッピング状態を示す模式的縦断面図である。この状態では、記録ヘッド3の吐出口52からのインクの蒸発を防ぐことができ、かつ異物などの混入を防ぐ記録ヘッド3の保護機能が働いている。図6は図5中のシート部材59を示す模式的斜視図である。図7は図5の状態からキャップ53を吐出口面51から離間させたキャップ開放の状態を示す模式的縦断面図であり、図8は図7の状態からシート部材59を取り外すのに適した位置へ移動させた記録ヘッド3を示す模式的正面図である。
次に、物流のときだけキャッピング状態の吐出口面51とキャップ当接部54との間に介在させるシート部材59の構成及び作用について、図5〜図8を用いて説明する。ここで、図5、図7及び図8は、記録ヘッド3の吐出口面51と、該吐出口面に当接するキャップ53の当接部54と、その間に介在するシート部材59との位置及び構成を示すために記録装置の正面から記録ヘッド3を透視した図である。図6はシート部材59の形状が判別し易いように該シート部材のみを示す図である。なお、本実施形態に係るインクジェット記録装置においては、記録装置に装着された記録ヘッド3を所定位置に固定する固定手段が設けられており、記録装置の物流時に、記録ヘッド3を前記所定位置に固定した状態で前記吐出口面51と前記キャップ53との間にシート部材59を介在させて該吐出口面をキャッピングした状態に保持されている。
物流のときだけキャッピング状態で吐出口面51とキャップの当接部54との間に介在させるシート部材59には、図6に示すような肉抜きされて薄くされた肉抜き部58が形成されている。この肉抜き部58は、シート部材59の使用状態において、吐出口面51に形成された吐出口を保護するために該シート材が該吐出口に接触しないようにするためのものである。このように、シート部材59が吐出口に接触しない状態で、該シート部材を挟んで吐出口面51にキャップ53の当接部54を押し付けてキャッピングすることにより、ゴムからなる当接部54の弾性変位による吐出口面51の密封性を保ちつつ、該当接部54の物性変化による張り付きを防止するように構成されている。
シート部材59は、図6に示すように、肉抜き部58の周囲の通常厚み領域から曲げ部もしくは折りたたみ部を経て、記録ヘッド3の側面又は背面に設けられた電気接点部50を覆うような形状及び広さを有している。前記電気接点部50は、記録ヘッド3を装置本体の電気基板部に電気的に接続するためのものである。また、シート部材59は、図5に示すように、記録ヘッド3の吐出口面51とキャップ53の当接部54との間に圧着状態で介在し、かつその一部である上方への折り曲げ領域60等で記録ヘッド3の背面(又は側面)上の電気接点部50を覆うようにして、記録ヘッド3の背面(又は側面)に固着(固定)されている。なお、シート部材59の前記折り曲げ領域60等の一部位は、上記 記録ヘッド3に代えて、もしくは記録ヘッド3とともにキャリッジ2に固定(固着)するように構成しても良い。
また、シート部材59の端部(図示の例では上方への折り曲げ部60の先端部)は、記録装置の着荷時に該シート部材59を記録ヘッド3から分離除去する際のつまみ部となるはみ出し部57となっている。このはみ出し部57は、記録ヘッド3の上端部から上方へ所望の長さだけはみ出すように形成されている。このように、記録装置の物流時などのキャッピング状態で吐出口面51とキャップ当接部54との間に圧着状態で介在させられるシート部材59は、記録ヘッド3の電気接点部50を覆う部分とつまみ部として利用可能なはみ出し部57とを有する1枚のシート材で形成されている。
物流時などにおいてシート部材59を吐出口面51とキャップ53との間で圧着される使用状態に固定する方法は、図5に示すような構成に限定されるものではなく、別の方法で適宜実施することができる。例えば、シート部材59の固定は、前述のような記録ヘッド3の背面への固着に限定されるものではなく、記録ヘッド3を記録装置に装着する姿勢や構造などに応じて適宜選定することができる。本実施形態では、物流時などにおいてシート部材59を使用する際には、該シート部材59によりキャップ53の当接部54と同時に記録ヘッド3の電気接点部50を被覆するように構成されている。
シート部材59としては、例えば、プラスチックシート、あるいはプラスチックシートの表層にテフロン(登録商標)加工を施したものなど、剥離性に優れ、かつ耐アルカリ性及び耐酸性にも優れた特性を有する材料のものを使用することが好ましい。このシート部材59の材質は、所望の効果が得られるものであれば、前述の材質に限定されることなく、種々の材料を使用することができる。本実施形態の実施例では、テフロン(登録商標)製のシート部材59が使用されている。
次に、記録装置が着荷した際にシート部材59を取り外すときの操作について説明する。記録装置が着荷した際には、吐出口面51とキャップの当接部54との間に圧着固定されたシート部材59は、電源オンとともに回復機構部10のキャッピング手段11の昇降機構によるキャップ53の開放動作に連動して取り外される。図5中の矢印56は、この昇降機構のキャップ53を開放するための動作方向を示す。
図7はキャップの当接部54が吐出口面51から離間されたキャップ開放の状態を示す。この際、シート部材59は吐出口面51及びキャップ当接部54のいずれかに接触することはあるが、吐出口面51のキャップ開放は問題なく行われる。ここで、記録装置の使用に際して不要となるシート部材5のを取り外し除去は、記録ヘッド3をホームポジションから他の所望位置へ退避させて行う必要がある。このシート部材59のホームポジションからの退避は、本実施形態では、電源オンと同時に記録ヘッド3をホームポジションから記録領域へ移動させるときの当該記録ヘッドの動きを利用して行われる。
すなわち、図7に示すように、記録ヘッド3がキャリッジ2とともに矢印61の方向へ移動することで、記録ヘッド3はホームポジションから退避する。ホームポジションから退避させられた記録ヘッド3は、記録装置着荷時におけるユーザーの操作ポジションへ移動させられ、この操作ポジションでユーザーによるインクタンクの装着操作が行われる。このインクタンクの装着操作を行う際にユーザーへ操作指示が発せられ、この操作指示に応じて、シート部材59のはみ出し部57をつまみ、図8中の矢印62の方向へシート部材59を引き抜くことにより、当該シート部材59は記録装置外へ除去される。
この際、ユーザーによるシート部材59の除去が適正に行われないような誤操作が生じたとしても、シート部材59の電気接点部50を被覆する部分60が存在するため、装置本体と記録ヘッドとの間の電気接続の有無を自己診断することにより、シート部材59の除去が適正に行われない誤操作を判別することができる。つまり、シート部材59の除去が適正に行われない誤操作が生じた場合には、これを検知し、ユーザーに対しシート部材59の除去を適正に行うように警告することができる。これによって、シート部材59を除去する際の誤操作を確実に防止することができる。
以上の第1の実施形態によれば、記録装置の物流過程においてはシート部材59によって記録ヘッド3とキャップ当接部54との間の張り付きを防止することが可能となる。また、記録ヘッド3を単独で包装する必要がないので、コストダウンと環境配慮を両立させることが可能になる。さらに、消費者においては、記録ヘッド単独の包装材の開梱作業、並びに記録ヘッドの記録装置への取り付け操作が不要となり、着荷時の初期操作の簡易化を実現することも可能である。
さらに、記録装置着荷時の初期動作によってキャップ53を吐出口面51から離間するとともにシート部材59を吐出口面51及びキャップ53から取り外し除去する構成、あるいは、シート部材59の一部が記録ヘッド3又はキャリッジ2に固定され、記録ヘッド3の移動を利用してシート部材59をキャップ53から取り外すように構成したので、記録装置の着荷時の初期動作によって、記録ヘッド3とキャップ53の張り付きを防止したシート部材59の退避と、該シート部材の記録動作に影響のない部位への除去を自動的に行うことができ、記録装置の着荷時におけるユーザーの初期操作の一層の簡易化を図ることができる。
また、シート部材59は記録装置の物流時にその一部が記録ヘッド3の電気接点部50を覆った状態で固定され、電気接点部50の導通状態によってシート部材59の有無を判断する構成としたので、記録装置の着荷時におけるシート部材の取り外しを自己診断することができ、一層効率よく上記効果を奏することができる。また、シート部材59はフッ素樹脂等の樹脂材料で形成される構成、あるいは、シート部材59の表面に撥水処理を施した構成とすることにより、一層効率よく上記効果を奏することができる。シート部材59は薄肉部58を設けることで記録ヘッド3の吐出口面51と接触しない構成としたので、上記効果に加えて、一層確実に記録ヘッド3とキャップ当接部54との間の張り付きを防止することが可能となる。
図9は本発明によるインクジェット記録装置の第2の実施形態において記録ヘッド3の吐出口面51とキャッピング手段11のキャップ当接部54との間に介在させたシート部材59を圧着していたキャップ53を離間させる直前の状態を示す模式的縦断面図であり、図10は図9の状態からキャップ53が吐出口面51から離間され、記録ヘッド3を記録領域へ向けて若干移動させたときの状態を示す模式的縦断面図であり、図11は図10の状態からシート部材59を巻き取って回収した状態を示す模式的縦断面図である。
本実施形態においては、記録ヘッド3の吐出口面51とキャッピング手段11のキャップ当接部54との張り付きを防止するためのシート部材59は、その一端部で、巻き取り機構である回転支持部材63に連結(固定)されている。この回転支持部材63は、例えば、キャッピング手段11を有する回復機構部10からの動力伝達により駆動される。記録装置の物流から着荷時までの間、記録ヘッド3の吐出口面51はシート部材59を介在させてキャップ53を圧着した状態でキャッピングされている。そして、記録装置の着荷時などにおいて、回転支持部材63が回転駆動されることにより、シート部材59を吐出口面51とキャップ当接部54との間から退避、除去するように構成されている。
すなわち、記録装置の物流から着荷時までの間は図9に示すように吐出口面51はシート部材59を介在させてキャッピングされており、記録装置が着荷したときにユーザーの着荷時の初期動作により、図10に示すように吐出口面51からキャップが離間されるとともに、記録ヘッド3が記録領域へ向けて矢印60の方向へ若干移動する。それと同時に、吐出口面51とキャップ当接部54との間に介在していたシート部材59は、吐出口面51又はキャップ当接部54に一部が密着した状態で介在状態から解放される。
図10の状態から、回復機構部10からの動力伝達により巻き取り機構である回転支持部材63を巻き取り方向に回転駆動することで、シート部材59は記録ヘッド3の記録動作の妨げとならない記録装置内の所望個所に格納される。この際、シート部材59がキャップ当接部54に密着していても、該シート部材の材質がテフロン(登録商標)などの剥離性に優れた材質であれば、上記巻き取り機構63により容易に引き剥がすことができる。図11は、このようにしてシート部材59を回転支持部材63上に巻き取って格納した状態を示す。なお、以上の巻き取り動作の駆動機構は、回復機構部10の不図示のクラッチ機構を利用することにより、通常の記録動作あるいは回復機構部10の吸引回復処理やワイピング動作の際には作動しないように制御したり、シート部材59の巻き取り方向の回転のみを伝達するように構成される。
図9〜図11で説明した第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態の構成に加えて、シート部材59の端部が巻き取り機構である回転支持部材63に連結され、シート部材59は巻き取られることにより吐出口面51及びキャップ53から取り外し除去される構成としたので、前述の第1の実施形態の場合と同様の作用効果が得られることに加え、記録ヘッド3とキャップ53の張り付きを防止したシート部材59の退避と、該シート部材の記録動作に影響のない部位への除去が、記録装置の着荷時の初期動作によって自動的に行われるため、記録装置の着荷時におけるユーザーの初期操作を更に簡易化することができる。
また、以上説明した各実施形態によれば、着荷以後のキャッピング状態並びに記録動作に影響を生じることなく記録装置の機能を適正に維持しながら、物流時のキャップ53と吐出口面51との張り付きを防止し、記録ヘッド3の梱包の省くことができ、着荷時のユーザー操作工程の簡易化及び環境面への配慮を実現することができ、着荷時の初期動作によりシート部材59の記録動作に影響しない部位への移動並びに記録装置外への除去をほぼ自動化することができるインクジェット記録装置が提供される。
本発明によるインクジェット記録装置の一実施形態を示す模式的斜視図である。 図1中の記録ヘッドの模式的斜視図である。 図1中の回復機構部の模式的斜視図である。 本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態における記録ヘッドの吐出口面及び該吐出口面と対向するキャップ、並びにこれらの間に介在させられるシート部材の位置関係を示す模式的斜視図である。 本発明によるインクジェット記録装置の第1の実施形態において吐出口面とキャップとの間にシート部材を介在させて吐出口を密閉したキャッピング状態を示す模式的縦断面図である。 図5中のシート部材を示す模式的斜視図である。 図5の状態からキャップを吐出口面から離間させたキャップ開放の状態を示す模式的縦断面図である。 図7の状態からシート部材を取り外すのに適した位置へ移動させた記録ヘッドを示す模式的正面図である。 本発明によるインクジェット記録装置の第2の実施形態において吐出口面とキャップ当接部との間に介在させたシート部材を圧着していたキャップを離間させる直前の状態を示す模式的縦断面図である。 図9の状態からキャップが吐出口面から離間され、記録ヘッドを記録領域へ向けて若干移動させたときの状態を示す模式的縦断面図である。 図10の状態からシート部材を巻き取って回収した状態を示す模式的縦断面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 伝動機構
5 給紙機構
6 インクタンク
7 駆動ベルト
8 スケール
9 シャーシ
10 回復機構部
11 キャッピング手段
12 ワイピング手段
13 ガイドシャフト
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
19 排出ローラ
20 吸引手段
21 拍車ローラ
41 支持基板
42 電気配線基板
43 電気配線テープ
44 チップ
51 吐出口面
52 吐出口列
53 キャップ
54 キャップの当接部
55 キャップの凹部
56 キャップ密着離間方向
57 はみ出し部
58 肉抜き部
59 シート部材
60 折り曲げ部
61 記録ヘッドの移動方向
62 シート部材の引き抜き方向
63 回転支持部材(巻き取り機構)
A 主走査方向
B ワイパーの退避方向
F ワイパーの侵入方向
M1 キャリッジモータ
M2 搬送モータ
M3 PGモータ(回復モータ)
P 記録媒体

Claims (9)

  1. 記録ヘッドの吐出口面に形成された吐出口から記録媒体へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、
    前記吐出口面に密着されることで吐出口を密閉するキャップと、記録装置に装着された前記記録ヘッドを所定位置に固定する固定手段と、を備え、
    記録装置の物流時に、前記記録ヘッドを固定した状態で前記吐出口面と前記キャップとの間にシート部材を介在させて該吐出口面をキャッピングすることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録装置着荷時の初期動作によって前記キャップを前記吐出口面から離間するとともに前記シート部材を前記吐出口面及び前記キャップから取り外し除去することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記シート部材の一部が記録ヘッド又はキャリッジに固定され、記録ヘッドの移動を利用して前記シート部材を前記キャップから取り外すことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記シート部材の端部が巻き取り機構に連結され、該シート部材は巻き取られることにより前記吐出口面及び前記キャップから取り外し除去されることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記シート部材は記録装置の物流時にその一部が記録ヘッドの電気接点部を覆った状態で固定され、前記電気接点部の導通状態によって前記シート部材の有無を判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記シート部材は樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記シート部材はフッ素樹脂材料で形成されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記シート部材の表面に撥水処理を施したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記シート部材は前記記録ヘッドの吐出口面と接触しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008229932A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Brother Ind Ltd 液体吐出装置及びヘッドアセンブリ

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