JPH04235058A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH04235058A
JPH04235058A JP3001580A JP158091A JPH04235058A JP H04235058 A JPH04235058 A JP H04235058A JP 3001580 A JP3001580 A JP 3001580A JP 158091 A JP158091 A JP 158091A JP H04235058 A JPH04235058 A JP H04235058A
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JP
Japan
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recording
ink
cap
ejection
head
Prior art date
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JP3001580A
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English (en)
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Osamu Asakura
修 朝倉
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置および該装置用吐出回復装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙,OHP用シートなどの記録媒
体(以下、記録用紙または単に紙ともいう)に対して記
録を行う記録装置は、種々の記録方式による記録ヘッド
を搭載した形態で提案されている。この記録ヘッドには
、ワイヤードット方式,感熱方式,熱転写方式,インク
ジェット方式によるものなどがある。
【0003】特に、インクジェット方式は、記録用紙に
直接インクを噴射するものであるので、ランニングコス
トが安く、静かな記録方法として、注目されている。
【0004】かかるインクジェット方式による記録装置
においては、記録ヘッドとして一般に微細な吐出口を配
列したものが用いられるので、吐出口内方への気泡や塵
埃の混入が生じた場合、あるいはインク溶剤の蒸発に伴
う増粘等によってインクが吐出ないし記録に適さない状
態となった場合等において、インクをリフレッシュする
ことによりそれら吐出不良要因を除去する処理(吐出回
復処理)がなされるようになっている。また、記録が行
われていない間、この吐出口には吐出口を大気より保護
するキャップを設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような吐出回復処
理を行う手段および吐出口のカバー手段の一形態として
、記録ヘッドの吐出口形成面を覆うことが可能なキャッ
プと、このキャップに連通し吸引力を作用するポンプと
を設けたものがある。そして、キャップを吐出口形成面
に対向させた状態で吐出内方のインク吐出エネルギ発生
素子を駆動することによりインクを吐出させ、あるいは
キャップによって吐出口形成面を覆った状態で吸引力を
作用させて吐出口より吸引を行うことによりインクを強
制排出させて、インクとともに吐出不良要因を除去せん
とするものである。
【0006】一方、装置の適宜の部位には、上記吐出回
復処理によって生じた廃インクを貯留するための廃イン
クタンクが設けられている。そして、吐出回復処理によ
ってキャップやポンプ、およびこれらを連通する廃イン
クチューブ等を含む吐出回復装置に受容されたインクを
廃インクタンクへと導く処理を行うために、キャップを
大気に開放した状態でポンプを作動させる所謂空吸引と
いう動作が行われる。この動作は、吐出回復処理によっ
て吐出回復装置内に受容されたインクを放置した場合、
残留した廃インクの固化が生じたりキャップから外方に
廃インクが漏洩するのを防止するために極めて有効な動
作である。
【0007】さらに記録状態を安定に保つ手段として吐
出口の近くに付着したインクをぬぐうためにワイパーブ
レードを設けてヘッドの吐出口形成面をワイピングする
ことが有効である。
【0008】本発明の目的は、上記のごとく前記記録ヘ
ッドのインク吐出状態を良好に保つための吐出回復処理
や、吐出口のカバーおよびワイピングの動作を、記録動
作と関連させて迅速に行い、記録に要する時間を短縮す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明イン
クジェット記録装置は、記録媒体に対して吐出口よりイ
ンクを吐出することにより記録を行うインクジェット記
録ヘッドと、前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して平
行に移動させて記録を行うキャリジとを有するとともに
、前記記録ヘッドの前記吐出口を覆うことが可能なキャ
ップ手段、前記記録ヘッドの前記吐出口よりインクを吸
引する手段、前記記録ヘッドを記録以外の目的で駆動し
てインクを吐出した際のインクを受容するためのインク
受容手段、前記インク受容手段に受容されたインクを受
容手段より排出するインク排出手段、前記記録ヘッドの
前記吐出口部をぬぐうためのワイピング手段、のうちの
少なくとも一つを前記キャリッジの記録のための移動範
囲よりも外に有し、上記手段のうち少なくとも一つの手
段を前記キャリッジの記録のための移動範囲より外側の
両端に有するインクジェット記録装置において、前記キ
ャリッジの記録のための移動範囲より外側の両端に設け
た手段を制御する制御手段であり、前記手段を用いる直
前の記録動作における前記記録ヘッドの最終記録位置に
て前記両端に設けた手段のどちらを用いるかを決定する
制御手段をさらに設けたことを特徴とする。
【0010】また、本発明の装置は、前記制御手段が、
前記手段を用いる直前の記録動作における前記記録ヘッ
ドの最終記録位置より近い方の手段を用いるように設定
されていることを特徴とする。
【0011】また、本発明の装置は、前記記録ヘッドの
前記記録媒体に対する往復両方向へ平行移動において、
記録を行うように設定されていることを特徴とする。
【0012】また、本発明の装置は、前記制御手段が、
上記手段を用いる直前の記録動作における記録ヘッドの
記録方向にて前記両端に設けた手段のどちらを用いるか
を決定するように設定されていることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の装置は、前記制御手段が
、前記手段を用いる直前の記録動作における前記記録ヘ
ッドの移動方向前方の手段を用いるように設定されてい
ることを特徴とする。
【0014】さらにまた、前記制御手段が、前記手段を
用いる直前の最終記録位置より短時間で前記記録ヘッド
を移動できる位置にある前記手段を用いるように設定さ
れていることを特徴とする。
【0015】
【作用】上記構成インクジェット記録装置によれば、回
復機構をキャリッジの記録のための移動範囲より外側の
両端に設け、記録のためのキャリッジの移動に関係させ
て使用する回復機構を選択することができ、それにより
記録に要する時間を短縮することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0017】図1は本発明を適用可能な装置として、文
書作成装置(以下ワードプロセッサという)の外観構成
例を示す。
【0018】ここで、1は入力装置であるところのキー
ボード部である。2は入力した文書等を表示する表示器
部分であり、回動可能に保持され、非使用時はキーボー
ド部1に重なるように折りたためるようになっている。
【0019】3は該記録ヘッドの動作状態を確認するた
めの視認用開口に設けた開閉可能な保護カバーであり、
透明または半透明である。4は拍車を保持するための拍
車カバーである。これらについては図6〜図8について
後述する。
【0020】5は記録用紙の給排紙時に紙の支えとする
ペーパーサポータ、6は手動にて記録用紙の給排紙を行
うためのノブである。
【0021】図2は本例に係るインクジェット記録装置
形態のプリンタ部の構成例を示す。
【0022】ここで9は、後に図3および図4につき詳
述するインクジェット記録ヘッドを有したヘッドカート
リッジ、11はこれを搭載して図中S方向に走査するた
めのキャリッジである。13はヘッドカートリッジ9を
キャリッジ11に取付けるためのフック、15はフック
13を操作するためのレバーである。19はヘッドカー
トリッジ9に対する電気接続部を支持する支持板である
。21はその電気接続部と本体制御部とを接続するため
のフレキシブル配線基板(FlexiblePrint
ed  Circuit  Board、以下FPCと
記す)である。このFPCに関連した構成については図
9〜図11について後述する。
【0023】23は、キャリッジ11をS方向に案内す
るためのガイド軸であり、キャリッジ11の軸受25に
挿通されている。27はキャリッジ11が固着され、こ
れをS方向に移動させるための動力を伝達するタイミン
グベルトであり、装置両側部に配置されたプーリ29A
,29Bに張架されている。一方のプーリ29Bには、
ギヤ等の伝導機構を介してキャリッジモータ31より駆
動力が伝達される。
【0024】33は紙等の記録媒体(以下記録紙ともい
う)の被記録面を規制するとともに記録等に際してこれ
を搬送するための搬送ローラであり、搬送モータ35に
よって駆動される。37は記録媒体を前記ペーパーサポ
ータ5(図1)側より記録位置に導くためのペーパーパ
ン、39は記録媒体の送給経路途中に配設されて記録媒
体を搬送ローラ33に向けて押圧し、これを搬送するた
めのフィードローラである。34はヘッドカートリッジ
9の吐出口に対向し記録媒体の記録面を規制するための
プラテンである。41は記録媒体搬送方向上、記録位置
より下流側に配置され、記録媒体を不図示の排紙口へ向
けて排紙するための排紙ローラである。42は排紙ロー
ラ41に対応して設けられる拍車であり、記録媒体を介
してローラ41を押圧し、排紙ローラ41による記録媒
体の搬送力を生じさせる。43は記録媒体のセット等に
際してフィードローラ39,拍車42それぞれの付勢を
解除するための解除レバーである。
【0025】プラテン34は、両端を排紙ローラ41の
軸で回転可能に支持され、左右プレート75,75の停
止位置からペーパーパン37の前面部45方向に付勢さ
れ、記録用紙がない状態では、プラテンローラ33を最
外周より小さくしている部分33Aに複数箇所に設けて
いる34Aがペーパーパンの前面部45の内側に接して
いる。
【0026】51はホームポジションにおいて記録ヘッ
ドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾性材料で
形成したキャップであり、記録ヘッドに対し当接/離脱
が可能に支持されている。このキャップ51は、非記録
時等の記録ヘッドの保護や、記録ヘッドの吐出回復処理
に際して用いられる。吐出回復処理とは、キャップ51
を吐出口形成面に対向させ、インク吐出口内方に設けら
れてインク吐出のために利用されるエネルギ発生素子を
駆動することにより全吐出口からインクを吐出させ、こ
れによって気泡や塵埃,増粘して記録に適さなくなった
インク等の吐出不良要因を除去する処理予備吐出)や、
これとは別に吐出口形成面をキャップ51で覆った状態
で吐出口よりインクを強制的に排出させることにより吐
出不良要因を除去する処理である。
【0027】53は、インクの強制排出のために吸引力
を作用するとともに、かかる強制排出による吐出回復処
理や予備吐出による吐出回復処理に際してキャップ51
に受容されたインクを吸引するために用いられるポンプ
である。55はこのポンプ53によって吸引された廃イ
ンクを貯留するための第1の廃インクタンク、57はポ
ンプ53と廃インクタンク55とを連通するチューブで
ある。また、70は第2の廃インクタンクであり、チュ
ーブ71を介して第1の廃インクタンク55と接続され
ている。
【0028】59は、記録ヘッドの吐出口形成面のワイ
ピングを行うためのブレードであり、記録ヘッド側に突
出してヘッド移動の過程でワイピングを行うための位置
と、吐出口形成面に係合しない後退位置とに移動可能に
支持されている。61はモータ、63はモータ61から
動力の伝達を受けてポンプ53の駆動およびキャップ5
1やブレード59の移動をそれぞれ行わせるためのカム
装置である。
【0029】図3には記録ヘッドの吐出回復処理に用い
る機構を右側にも設けた改良機構を示す。
【0030】図において、51R,53R,57R,5
9R,61R,63Rは、前記装置左側に設けたキャッ
プ51,ポンプ53,チューブ57,ブレード59,モ
ータ61,カム63にそれぞれ対応しており、図示して
いないが廃インクタンク55に対応する55Rも設けら
れている。
【0031】また、第2の廃インクタンク70は左右の
廃インクタンク55,55Rと接続されている。
【0032】次に、上述したヘッドカートリッジ9の詳
細について説明する。
【0033】図4は、インクジェット記録ヘッド本体を
なす吐出ユニット9aとインクタンク9bとを一体とし
たヘッドカートリッジ9の外観斜視図を示し、図におい
て、906eは、ヘッドカートリッジ9を装着する際に
キャリッジ11に設けられたフック13によって掛止さ
れるつめである。図から明らかなようにつめ906eは
記録ヘッド全延長の内側に配設される。また、ヘッドカ
ートリッジ9の前方吐出ユニット9aの近傍には、この
図には示されないが位置決め用突き当て部が設けられて
いる。906fは、キャリッジ11に立設されフレキシ
ブル基板(電気接続部)およびゴムパッドを支持するた
めの支持板が挿入されるヘッド開口部である。
【0034】図5および図6は、図4に示したヘッドカ
ートリッジの分解斜視図を示し、上述のようにインク供
給源たるインク収容部を一体としたディスポーザブルタ
イプのものとしてある。
【0035】同図5において 、911はSi基板上に
電気熱変換素子(吐出ヒータ)と、これに電力を供給す
るAl等の配線とが成膜技術により形成されて成るヒー
タボードである。921はヒータボード911に対する
配線基板であり、対応する配線は例えばワイヤボンディ
ングにより接続される。
【0036】940はインク流路を制限するための隔壁
や共通液室等を設けた天板であり、本例においてはオリ
フィスプレート部を一体に有した樹脂材料で成る。そし
て、図7に示すように、吐出口形成面は記録用紙の被記
録面と平行な平面に対して所定角度θだけ傾いており、
かつ吐出口近傍の部分で段差940aを有している。こ
れは、天板に設けた流路側からレーザビームを照射して
吐出口を加工するために、オリフィスプレート部内の流
路と、その後方の流路とが所定角度をなすことに対応し
て行われたものである。
【0037】図5において、930は、例えば金属製の
支持体、950は押えばねであり、両者間にヒータボー
ド911および天板940を挟み込んだ状態で両者を係
合させることにより、押えばね950の付勢力によって
ヒータボード911と天板940とを圧着固定する。な
お、支持体930には、配線基板921も貼着等により
設けられるとともに、ヘッドの走査を行うキャリッジ1
1への位置決め基準を有するものとすることができる。 また、支持体930は駆動に伴って生じるヒータボード
911の熱を放熱冷却する部材としても機能する。
【0038】960は供給タンクであり、インク供給源
をなすインク貯留部9bからインク供給を受け、ヒータ
ボード911と天板940との接合により形成される共
通液室にインクを導くサブタンクとして機能する。97
0は共通液室へのインク供給口付近の供給タンク960
内の部位に配置されるフィルタ、980は供給タンク9
60の蓋部材である。
【0039】900はインクを含浸させるための吸収体
であり、インクタンク本体9b内に配置される。120
0は上記各部911〜980からなる記録エレメント9
aに対してインクを供給するための供給口であり、当該
ユニットをインクタンク本体9bの部分1010に配置
する前の工程で供給口1200よりインクを注入するこ
とにより吸収体900のインク含浸を行わせることがで
きる。
【0040】1100はカートリッジ本体の蓋部材、1
300はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部
材に設けた大気連通口である。
【0041】供給口1200を介してのインクタンク9
bへのインク充填が終了すると、各部911〜980よ
りなる吐出ユニット9a(図4)を部分1010に位置
付けて配設する。このときの位置決めないし固定は、例
えばインクタンク本体9bに設けた突起1012と、こ
れに対応して支持体930に設けた穴931とを嵌合さ
せることにより行うことができ、これによって図6に示
すヘッドカートリッジ9が完成する。
【0042】そして、インクはカートリッジ内部より供
給口1200、支持体930に設けた穴932および供
給タンク960の図5中裏面側に設けた導入口を介して
供給タンク960内に供給され、その内部を通った後、
導出口より適宜供給管および天板940のインク導入口
942を介して共通液室内へと流入する。以上における
インク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチ
ルゴム等のパッキンが配設され、これによって封止が行
われてインク供給路が確保される。
【0043】図8は図2の装置の断面図であり、プラテ
ン34およびペーパーパン前面部45の構成および作用
をさらに、詳しく説明する。
【0044】ヘッドカートリッジ9の吐出口とプラテン
34の前面との距離L(ヘッドギャップ)は印字に最適
に調整されている。
【0045】上記構成のもとに、A方向から挿入された
記録用紙は、フィードローラ39によってローラ33に
向けて付勢され、その摩擦力によって送られる。記録用
紙先端は、プラテンのすくい部34Aとペーパーパン前
面部45の内側との間に、ばね82(両側に設けてある
)の力に抗してプラテン34を軸41Aを回転中心軸と
してB方向に回動させつつはいりこむ。なお、前面部4
5は吐出口形成面との間隙が適切に調整され、固定され
ている。
【0046】したがって、プラテン34上の記録用紙は
、紙厚によらずプラテン34がB方向に逃げることでヘ
ッドカートリッジ9の吐出口と最適なヘッドギャップが
保たれることになる。
【0047】そして、プラテン34の前面の延長線上に
は記録用紙厚によってB方向に逃げた場合にも排紙ロー
ラ41と拍車42の接点があり、記録用紙の先端が容易
に排紙ローラ41と拍車42との間に進入できる。また
、プラテンが傾くことによる記録部hの上下でのヘッド
ギャップの差異は、プラテンの回転中心と印字中心の距
離Hが大きいために無視できるものである。
【0048】なお、必ずしも、プラテン34はローラ4
1と同軸である必要はない。また、全面部45はペーパ
ーパン37と一体に成型されてなるものでなくてもよく
、接着やビス止めによって固定されるものでもよい。 また、別体に構成されて装置の他の部分によって固定さ
れるものでもよい。
【0049】図9はヘッドカートリッジ9を搭載し、拍
車42、拍車カバー4および視認用開口に設けた保護カ
バー3を備えたときのプリンター部の概略断面図である
。この図からわかるように、拍車カバー4は拍車固定部
を形成するためにヘッドカートリッジ9の上部にオーバ
ーハングしている。
【0050】従って、カバー3が透明または半透明であ
ればカバー状態のままヘッドカートリッジ9の動作は目
視できるが、キャッピング位置における吐出ユニット9
aのインク吐出部9a′部分も目視確認できるようにす
るのが強く望まれる。
【0051】しかし、図10に示すような構成ではこれ
を行うことができない。すなわち同図において破線部は
キャッピング状態におけるヘッドカートリッジ9の待機
位置であり、記録媒体であるところの紙の通紙位置から
は外れている。通常視認用開口3A′以外の外装部材8
5は、不透明のモールド部材で構成されるためのキャッ
ピング状態におけるヘッドカートリッジ9の位置や吐出
ユニット9a、インク吐出部9a′を目視確認すること
は不可能である。また視認用開口3A′を幅方向に広げ
ただけでもインク吐出部9a′等を目視確認することは
できない。
【0052】これに対し、本実施例で採用した図11の
構成では、視認用開口3Aを幅方向に広げるとともに、
更にインク吐出部9a′上部まで覆うL字状の形状にす
ることにより、インク吐出部9a′をも目視で確認する
ことができるようになる。
【0053】本例では、視認用開口3Aにはカバー部材
3が設けられており、非記録位置でもヘッドカートリッ
ド9等装置内部の保護を行っている。このカバー部材3
は種々の材料で構成されていてよく、そしてこれを透明
または半透明とすることにより、カバー状態のままキャ
ッピング時の目視をも行うことができる。
【0054】しかしカバー部材3を開閉もしくは簡易に
着脱可能な構成とし、必要に応じて直ちに開口3Aを開
放可能であれば、必ずしも透明または半透明でなくても
よい。
【0055】次に、上記FPC21に関連した構成を具
体的に説明する。
【0056】図12および図13は、実施例に係る記録
装置の概略正面図であり、図14はその比較例による記
録装置の概略正面図である。
【0057】図12において、記録装置のフレーム91
から立設した左右フレーム75(図12中に図示せず)
には左右に延びるローラ33が設けられており、ローラ
33の手前には同じくこのガイド軸23が固定され、こ
の上を左右に摺動可能な状態でキャリッジ11が設けら
れていること、そしてキャリッジ11上にはヘッドカー
トリッジ9が搭載されていることは前述の通りである。
【0058】キャリッジ11には、その上に設けたコネ
クタ部等を介して不図示の制御回路とヘッドカートリッ
ジ9とを電気的に接続するFPC21が固定されている
。また、FPC21は他端をフレーム91に固定されて
いる。
【0059】さらに、フレーム91上のFPC21とフ
レーム91との間で、FPC21が最小半径を形成する
部位の近傍に、摩擦シ−ト97を設けてある。摩擦シー
ト97は片面に接着剤が塗布してあり、その接着剤によ
り、フレーム91に接合している。
【0060】かかる構成において、キャリッジ11は、
モータ31等の駆動手段により軸23上を図中矢印SR
方向に移動していく。このとき、制御部からFPC21
を介してキャリッジ11上に搭載されたヘッドカートリ
ッジ9の吐出ユニット9aに記録信号が送られる。そし
て、吐出ユニット9aは当該信号に応じて、記録用紙に
インクを吐出し、記録が行われていく。一行分の記録が
終了した後、キャリッジ11は停止し、ローラ33はモ
ータ35等の駆動手段により回転駆動され、これに伴い
、記録用紙が副走査される。
【0061】この後、キャリッジ11は図中矢印SL方
向に移動し、次行の記録が行われていく。
【0062】図13は上記キャリッジ11の移動状態を
示すが、本例ではフレーム91上に摩擦シート97が設
けてあるためFPC21と、摩擦シート97の間で摩擦
力が生じ、FPC21はフレーム91との間にすべりを
生じることなく、円弧部21Aが正しく移動していくの
で、キャリッジ11の下部に巻き込まれることがない。
【0063】これに対して、図14のような摩擦シート
97を設けない構成においては、キャリッジ11下部の
FPC21がフレーム1の間ですべりを生じており、こ
のためFPC21上の部分でたるみ21Bが生じてしま
い、この状態でキャリッジがさらに右方向(SR方向)
に移動すると、FPC21がキャリッジ11に巻き込ま
れるおそれが生じることになる。
【0064】以上のように本例によれば、記録装置のフ
レーム91上に高摩擦係数の部材(摩擦シート97)を
設けるという簡易な構成をとることで、FPC21の走
行を安定させることができ、従ってFPC走行部の高さ
を低くすることが可能になり、小型かつ計量の記録装置
を提供することができる。
【0065】なお、摩擦シート97の一例としては例え
ばシリコンからなるシート材が使用可能である。
【0066】また、以上の説明においては、ヘッドカー
トリッジ9と制御回路との間の接続をFPCで行うもの
としたが、FPCに限らず、フラットケーブル,束線等
全ての電気的接続部材に適用することができるのは勿論
である。
【0067】図15は図2におけるキャップ51,ポン
プ53,ブレード59,モータ61およびカム装置63
等から成る回復装置の主要部の分解斜視図である。
【0068】ここで、501はキャップ51内部に配置
されるインク吸収体、503はキャップ51を保持する
保持部材、505はピン507を中心に回動可能に取付
けられ、ピン507に加えられる力によってキャップ5
1を吐出ユニット9aの吐出口形成面に当接/離脱させ
るためのキャップレバーである。511はキャップレバ
ー505の端部509に係合してキャップレバー505
の回動範囲を規制するためのピンである。
【0069】513はキャップレバー505のピン50
7が嵌入される穴部を有する治具であり、キャップレバ
ー505をポンプ53に設けた支持部515に取付ける
のに用いられる。516はその取付け状態を確保するた
めの留め部材である。517は吐出口形成面に当接させ
るための力をキャップ51に作用する作用部であり、キ
ャップ51の後側部のほぼ中央に係合する。この作用部
517は吸引されたインクの導入口517Aを有し、キ
ャップレバー505内部,ピン507内部,治具513
内部および支持部515内部にはそれぞれインク流路が
形成されている。そして、ポンプ53が吸引力を発生す
ると、インクはこれら流路を経て図中矢印で示すように
ポンプ53内に導入される。
【0070】519はポンプ53の端面中央に突設し、
内部にインク流路を形成した軸であり、側壁部520に
回動可能に取付けられる。これによるポンプ53自体の
回動力は支持部515を介してキャップレバー505に
加えられ、これに伴ってキャップ51が進退する。52
1はポンプ軸519に結合する流路形成部材、523は
チューブ57の取付け部材である。すなわちこれら軸5
19,流路形成部材521および取付け部材523の内
部にインク流路が形成され、ポンプ53に吸引されたイ
ンクが、図中矢印で示すようにこれら流路を経てチュー
ブ57を介し廃インクタンク55に導入される。
【0071】525はポンプ53のピストン、527は
その軸であるピストン軸、529はパッキン,532は
ポンプ53のキャップである。533はピストン軸52
7に取付けられ、ピストン525を作動させるための力
の伝達を受けるピンである。
【0072】535はブレード59が取付けられるブレ
ードレバーであり、ポンプ53の端面に突設した軸のま
わりに回動可能に支持され、当該回動に伴ってブレード
59を記録ヘッド側に突出または後退させる。537は
ブレードレバー535に対しブレード59を突出させる
方向への回動力を付与するばねである。また、539は
ポンプ53自体に対しキャップ53が記録ヘッド側に向
う方向への回動習性を与えるばねである。541はモー
タ61の回転をカム装置63に伝達するギア列である。 カム装置63は、ポンプ53に設けた係合部545に係
合してこれを回動させるためのカム547と、ポンプ5
3のピストン軸527に設けたピン533に係合してポ
ンプを作動させるためのカム549と、ブレードレバー
535に設けた係合部551に係合してこれを回動させ
るためのカム553と、カム装置63のホームポジショ
ンを検出するためのスイッチ555に係合するカム55
7とを有している。これらカムの動作については後述す
る。
【0073】図16はキャップ51および保持部材50
3の詳細を示す斜視図である。
【0074】本例に係るキャップ51は天板940のオ
リフィスプレート部との密着性をよくするためゴム状弾
性体で形成されており、キャッピングに際しては約60
g〜80gの押圧力をもって天板のオリフィスプレート
部に圧接されている。そしてリブ部分の先端すなわち吐
出口形成面に対向する縁部は、上記傾き角θ(図7参照
)に対応して本例では平行となるように形成され、かつ
吐出口位置の段差に追従するために先は細く根元で太く
なる台形断面を有している。
【0075】また、角度θに対応して、天板940に押
圧されたとき横すべりするのを防止するため、キャップ
保持部材503にリブ503bと503cとを設けてあ
る。すなわち、ゴム製キャップ自身の変形をリブ503
cで防止するとともに、キャップ51とキャップホルダ
503全体がキャップレバー505の取付面で横をむく
のをリブ503bで防止するようにしている。
【0076】図17,18および19はキャップ51等
のさらに詳細な構成を示す正面図,平面図および図17
におけるM−M線側断面図である。
【0077】ここで、本例では、キャップ内のインク吸
引口561を、鉛直方向下部に開口させ、キャップレバ
ー505の作用部517に設けたインク導入口517A
に向ってインク流路563を形成している。また、吸引
口561を吸収体501によって完全には覆わない構成
としている。
【0078】キャリッジ11上にセットされたヘッドカ
ートリッジ9は、その吐出口が回復系のキャップ51の
ほぼ中心にくるようにキャリッジモータ31により駆動
され、キャッピング,予備吐出あるいは吸引動作など一
連の吐出不良の回復処理が行われる。
【0079】ここで、ヘッドの天板940は図7につい
て前述したように記録媒体の被記録面に対して水平でな
く、すなわちキャップの押圧方向に対して直角でなく、
一定角度θ(本実施例の場合θ≒5°とする)をなすと
ともに微小段差(本実施例の場合約0.2mm)をもっ
ている。その上、キャリッジ11の停止位置は、キャリ
ッジモータ31にステップモータを使用する場合には、
目標位置に対して所定量(例えば約±0.5mm程度)
のずれが生じることがある。
【0080】天板940のオリフィスプレート部の形状
に追従するためには、先端リブ51aは小さく、硬度も
低いものがよいが、同時に吸引時に発生する負圧に耐え
て密閉性を保持するにはリブ51aのある程度の強度が
必要である。また、天板940のオリフィスプレート部
Oは角度θを持つため、キャップ51のリブ51aには
リブを押しひろげる方向の力が常に働くことになり、長
期間放置されたときの永久変形が問題となる。
【0081】これらを考慮し、本例では、リブ51aの
形状を次のように選択した。すなわち、図19において
、W1 =0.3mm,W2 =0.5mm,H=0.
4mmとし、ゴム硬度を60°とすることで上記の問題
を解決した。同時に、リブの周囲部51bがリブ形状に
対して十分大きいこと、例えばリブの周囲部51bは幅
を2〜3mm以上、厚みを2〜3mm以上とすることで
上記効果はより確実なものとなる。
【0082】なお、キャップに用いられるゴムはブチル
ゴム,塩素化ブチルゴム,シリコンゴムなどを用いるこ
とができる。
【0083】ところで、吐出口形成面とリブ部分の縁部
が形成する平面とは必ずしも平行としなくてもよい。平
行である場合にはキャップ51の当接/離脱に際して縁
部全体が同時に吐出口形成面に対し接触/離脱し、キャ
ップ51による密閉空間に大きな圧力変動が瞬間的に生
じることによって吐出口内のインクメニスカスが適正に
保持されなくなるおそれがあるからである。すなわち、
非平行とすることによって、キャッピングに際しては全
体の密着状態をとるまでに縁部は徐々に吐出口形成面に
接触してゆくことになる。また、キャップオープンに際
しては、完全な離脱を行うまでに縁部が徐々に離隔して
ゆくことになる。
【0084】このような観点からすれば、図16ないし
図19に示したキャップ構成は必ずしも図19に示した
ような吐出口形成面に対してのみ適用されるものではな
い。すなわち、例えば記録媒体の非記録面に対して平行
に形成された吐出口形成面にも上記キャップ構成は適用
可能となる。
【0085】また、同じく上記観点からすれば、縁部が
形成する平面は必ずしも図16および図19に示した方
向でなくてもよく、適宜の方向を採ることができる。さ
らに、必ずしも平面としなくてもよく、縁部に凹凸が設
けられた構成でもよい。
【0086】次に、回復系について説明する。
【0087】図20はカム装置の各カムの輪郭曲線、図
21,図22は主要なカム位置(図20の〈a〉〜〈d
〉,〈f〉,〈h〉)に対応したポンプを除く各部の動
作位置、図21,図22は同じくポンプ53の動作位置
をそれぞれ示す説明図である。なお、図20中の数値は
カムの回転角度である。
【0088】以下、図20〜図24を用いて、本実施例
に係る回復系ユニットの機能について説明する。
【0089】図20において、〈a〉の状態はカム54
9のホームポジション位置であり、記録動作中の回復装
置の待機状態である。このとき、スイッチ555はオン
であり、キャップ51はヘッド吐出口形成面より離隔し
た状態(以下オープン状態とよぶ)にあり、ブレード5
9はオフ状態すなわちこれもヘッド吐出口形成面より離
隔した状態にある(図21,22参照)。また、ポンプ
53は上死点にある。
【0090】次に〈b〉の状態はキャッピング状態であ
り、プリンタ装置を使用しない場合等の状態でヘッド吐
出口形成面を覆い保護している状態である。このときス
イッチ555はオフ、キャップ51はヘッド吐出口形成
面に接合し(クローズ状態)、ポンプ53は上死点にあ
り、さらにブレードはオフ状態である。
【0091】〈c〉の状態はポンピングが終了した状態
である。スイッチ555はオン、キャップ51はクロー
ズ、ポンプ53は弁が開ききった状態にあるが下死点に
はいたらない状態である。またブレード59はオフ状態
にある。
【0092】〈d〉の状態はポンピング終了の後、キャ
ップ51をオープンさせ、同時にキャップ51およびキ
ャップレバー505内に充満しているインクをポンプ5
3内にとり込むための小空吸引を実行し終えた状態であ
る。このときスイッチ555はオン、キャップ51は半
分程度オープン、ポンプ53は下死点、ブレ−ドはオフ
状態にある。
【0093】次に〈g〉の状態を先に説明する。これは
ポンピングによってポンプ53内に充満したインクを廃
インクタンク側へ排出するための空吸引をはじめる準備
位置である。このとき、スイッチ555はオン、キャッ
プ51はオープン、ポンプ53は上死点より若干下った
ところにある。
【0094】またブレード59はオフ状態にある。
【0095】〈e〉および〈f〉は、それぞれ、大空吸
引および中空吸引を行ったときの停止位置である。どち
らの位置でもスイッチ555はオン、キャップ51はオ
ープン、ブレード59はオフ状態であるが、ポンプ53
の状態は〈e〉では下死点にあるのに対し〈f〉では完
全に下りきっていない。
【0096】〈h〉の状態はワイピングを行うときの状
態である。このときスイッチ555はオン、キャップ5
1はオープン、ポンプは上死点にある。そしてブレード
59がオン状態にあり、この状態でヘッドカートリッジ
9を搭載したキャリッジ11が移動することでヘッド吐
出口形成面のワイピングが実行できる。
【0097】次に、図23,24において、第1の動作
を示す(1)はポンプ内でピストン525が下死点にあ
る状態を示している。ポンプ53内の空間においてピス
トン525の左側の空間によって作られる負圧によって
ポンピングが機能する。531はその負圧をキャップ5
1へと伝える弁口である。(1)の状態でピストン52
5はこの弁口531を乗りこえさらに右側へ進んだ状態
なのがわかる。ここではピストン525は左側から52
7aのピストンの軸フランジ部によって押され密着して
いるので、発生した負圧は他に漏れることなくキャップ
51側へ伝えられる。またピストン525右側部分にた
まっていたインクは廃インクタンクへと押し出される。
【0098】第2の動作を示す(2)は上死点にある状
態を示す。ここで注意すべきは、ピストン525は弁口
531の右側に達しており、弁口531は閉じていない
ことである。すなわち、この状態においてキャップ51
は大気連通状態になっている。
【0099】第3の動作を示す(i)は図20における
〈c〉のときのポンプ53の状態である。ピストン52
5は弁口531を乗り越え若干右へ進んでいる。
【0100】第4の動作を示す(ii)は図20におけ
る〈g〉のときの状態であり、この状態と(1)あるい
は(iii)の状態とを往復することで大空吸引および
中空吸引を実行している。ここで注意すべきは弁口53
1がピストン525によって閉じられていることである
。本実施例に係るポンプ53には通常のポンプが有する
弁に相当する物がなく、ポンプ内に正圧が発生した場合
にはキャップ51側への逆流が生ずる場合がある。そこ
で、必要なとき以外には弁口531を閉じておくことで
、逆流を少なくする効果がある。
【0101】第5の動作を示す(iii)は中空吸引を
実行し終えたときの状態である。ここで注意すべきは、
ピストン525は弁口531を乗り越えた直後で止まっ
ているところである。ピストン525を下死点(1)ま
で移動したとするなら、上死点(2)あるいは空吸引準
備位置(ii)に戻る際に弁口531が閉じられない時
間が長くできてしまうことになる。そのときに左側の空
間に正圧が生じることのないようにピストン軸フランジ
527aとピストン525に若干の隙間ができ、ピスト
ン525右側の空間と連通するように構成されてはいる
が、流路の抵抗などによって正圧が生じ、そのための逆
流がおきるおそれがある。これに対し、本例のように(
iii)の位置から(1)あるいは(ii)まで戻るよ
うにする場合、その逆流は効果的に防止されている。
【0102】図25は、以上の構成による記録装置の制
御系の構成例を示すブロック図である。
【0103】キャリッジ11のキャップ位置や移動位置
は、回復系ホームセンサ65やキャリッジホームセンサ
67の検出に基づいて知ることができる。同図において
1000は図26〜図30について後述する制御手順等
を実行して各部を制御するMPU、1001は、その制
御手順に対応したプログラム等を格納したROM、10
02は、制御手順実行時におけるワ−クエリアとして用
いられるRAMである。また、1003は、後述の時間
を計測するタイマである。
【0104】図26は、図25のMPV1000の制御
の下に、回復系ユニットによって実行されるヘッドクリ
ーニング処理手順の一例を示す。
【0105】本手順は図21における〈b〉のキャッピ
ング状態から始まる(ステップS1)。そして〈c〉状
態に動くことでポンピングが実行され(ステップS3)
、その状態でインク吸引が充分に行われるよう例えば3
秒間の停止を行わせる(ステップS5)。〈d〉におけ
るキャップオープンと同時に小空吸引が行われ(ステッ
プS7)、キャップ51内およびキャップレバー505
内のインクのとりこみが行われるよう例えば1秒間停止
する(ステップS9)。
【0106】次にポンプ53内に充満したインクの排出
のために空吸引を行う。すなわちまず〈g〉の空吸引準
備位置に移り(ステップS11)、そこから中空停止位
置〈f〉の間を例えば3回移動させる(ステップS13
〜S19)。
【0107】最後に〈g〉から〈e〉まで移動させるこ
とにより大空吸引が行われ(ステップS21)、ポンプ
53内のインクは充分に廃インクタンク側へ押し出され
る。引き続き〈g〉の位置に移り(ステップS23)、
予備吐出を行ったあと(ステップS25)、〈h〉の位
置に設定してブレード59を突出させ(ステップS27
)) 、ワイピングを実行し(ステップS29)、始め
のキャッピング状態〈b〉にもどる(ステップS31)
【0108】なお、吸引による回復処理、空吸引および
予備吐出等を含む本手順は、装置の主制御ルーチンで適
宜行うようにすることもでき、あるいは操作者による指
示に応じて起動することもできる。
【0109】図27は記録中に適宜実行される予備吐出
によって蓄積されるインクを廃インクタンクへ取込むた
めの空吸引の動作例を示すフローチャートである。
【0110】本手順は記録中にこれを中断して行われる
処理であるので、図20における〈a〉の待機状態から
スタ−トする(ステップS41)。この状態からカム6
3を逆転させて〈g〉位置へ以降させ(ステップS43
)、その後〈f〉位置に戻して中空吸引を実行する(ス
テップS45)。そして再度〈g〉位置に設定した後(
ステップS47)、〈e〉位置へ戻して大空吸引を実行
する(ステップS49)。その後、〈a〉状態に設定し
てキャップをオープンし(ステップS51)、記録を実
行する。
【0111】図28,29および30は本例による記録
印刷処理手順の一例を示す。
【0112】まず、図28において電源がオンとされる
と、ステップS61にて回復系ユニットを回復系ホーム
ポジションに設定し、キャップをオープンとした後、ス
テップS63にてキャリッジ11をホーム位置に設定す
る。次にステップS65にて、所定の予備吐出回数(本
例では15回または7回)に達したときに空吸引を起動
するために用いられるカウンタN1をリセットし、ステ
ップS67にてキャップをクローズとする。その後、図
29において、記録(印刷)のデータ信号を待機する(
ステップS69)。
【0113】印刷信号が入力されると、ステップS71
にて給紙を開始し、ステップS73にてキャップをオー
プンとした後に、ステップS75にてキャリッジ11を
ホームポジションに設定して予備吐出を行うとともにカ
ウンタN1を+1歩進する。次に、ステップS77にて
記録動作中の所定時間毎(例えば30秒毎)に予備吐出
を起動するためのタイマT1をリセットするとともにこ
れをスタートさせ、ステップS79にて1行分の印刷を
実行する。この後、ステップS81にてタイマT1の値
が30秒を越えたか否かを判定し、肯定判定であればス
テップS75およびS77とそれぞれ同様なステップS
83およびS85を経た後に、一方否定判定であればた
だちに、ステップS87に進む。
【0114】ステップS87ではカウンタN1の値が“
15”に達したか否かを判定し、肯定判定であればステ
ップS89にて1頁の印刷途中での空吸引を行う。この
際には、図27に示す手順が起動される。その後、ステ
ップS91にてカウンタN1をリセットして再スタート
させ、ステップS93に移行する。なお、ステップS8
7で否定判定された場合には直ちにステップS93に進
む。
【0115】ステップS93では1頁分の記録が終了し
て改頁が指示されているか否かを判定し、否定判定であ
ればステップS95に進んで印刷信号の有無を判定する
。ステップS95にて肯定判定がなされた場合にはステ
ップS97にて記録終了のEND信号があるか否かを判
定し、否定判定であればステップS79に移行して次行
の印刷を行う。
【0116】一方、ステップS95 にて印刷信号が入
力されない場合にはステップS99に進み、印刷データ
が所定時間(例えば5秒)入力されないときにキャッピ
ングを行うために用いられるタイマT2をリセットし、
再スタートする。次に、ステップS101にて印刷信号
の有無を判定し、肯定判定であればステップS79に復
帰して次行の印刷を実行する。
【0117】一方、否定判定であればステップS103
にてタイマT2の時計内容が5秒を越えたか否かを判定
し、否定判定であればステップS104に進み、END
信号の入力が無ければステップS101に復帰する。
【0118】一方、5秒を経過していればステップS1
05にてキャップをクローズとし、ステップS107に
てタイマT1を停止するとともに、所定時間(例えば6
0秒間)キャッピング状態が継続した後に予備吐出を起
動するためのタイマT3をリセットして再スタートする
【0119】次いで、END信号および印刷信号の入力
の有無の判定(ステップS109およびS111)を経
た後に、印刷信号があればステップS113にてキャッ
プをオープンし、ステップS115にてタイマT3の計
時内容が60秒を越えているか否かを判定する。ここで
肯定であればステップS75に進んで予備吐出等を行っ
た後に、一方否定判定であればステップS117にてタ
イマT1をスタートさせた後に、ステップS79に復帰
する。
【0120】ところで、ステップS93にて改頁指令が
入力された場合にはステップS119に進み、カウンタ
N1の内容が“7”以上であるか否かを判定する。ここ
で肯定判定であればステップS121にて頁間空吸引を
行い、ステップS123にてカウンタN1のリセット/
スタートを行った後に、一方否定判定であれば直ちに、
ステップS125に進んで上記ワイピングの動作を行う
。そして、ステップS127にてキャップをクローズと
し、ステップS129にて記録の終了した用紙を排出し
た後に、ステップS69に進んで次頁の印刷信号を待機
する。
【0121】なお、ステップS97またはS109にて
END信号が検出された場合にはステップS131の終
了動作を実行する。これは、図30に示すように、空吸
引(ステップS141)、カウンタN1のリセット/ス
タート(ステップS143)、ワイピング(ステップS
145)、キャップのクローズ(ステップS147)、
および用紙排出(ステップS149)を行う処理である
【0122】以上の主な動作をまとめれば、先ず予備吐
出があげられる。本例では印刷直前に予備吐出が行われ
、その後は30秒間隔で予備吐出が行われる。また、こ
の30秒間隔の積算にはタイマT1 が用いられている
。T1 は、印刷信号なしに5秒以上が経過したときの
キャッピング〈c〉に入った場合にはストップされるの
で、この30秒間隔にキャッピング中の時間はカウント
されない。また、キャッピング〈c〉が60秒以上に渡
る場合には、制御手順は予備吐出〈a〉に戻り、キャッ
プオープン後、印刷前に予備吐出を行う。
【0123】本実施例では、予備吐出はキャップ内に行
っている。従って、予備吐出を繰り返し行う際には、そ
れによってキャップ内に溜ってしまうインクを、廃イン
クタンク側へ取り込むために空吸引を行うことが必要で
ある。これは図27でいう空吸引である。基本的には、
印刷をしていない頁間で空吸引を行う。一頁印刷の後に
予備吐出用カウンタN1 が7以上になっている場合に
は空吸引〈d〉が行われる。しかし、印刷中の頁途中に
おいてもN1 が15以上になった場合、すなわち、長
い印刷時間を要する文章においては空吸引〈e〉を行う
。また、印刷終了時には必ず空吸引が行われる。次に、
ワイピングについては、印刷後インクで濡れが生じてい
るヘッドフェイス面を清掃するものであり、一頁および
全印刷の終了の後これを行うようにする場合、または予
備吐出用カウンタを用い予備吐出に連動し予備吐出後に
行う場合等がある。
【0124】以上説明したように、本例によれば、印刷
途中あるいは印刷終了時にインク吸引後の空吸引と同様
の動作を2回程度行うことで、印刷中予備吐出によって
キャップ内にたまるインクを効率的に廃インクタンクへ
と送り出す効果がある。
【0125】また、予備吐出によってキャップ内にたま
るインク量は吐出回復のために行われるクリーニング中
のインク吸引の時のそれに比べわずかである。したがっ
て、クリーニング中の空吸引の回数より、印刷中の空吸
引は少ない回数で十分であり、その回数を極力少なくす
ることは、記録装置の実効印刷速度の向上に効果がある
【0126】なお、クリーニング中または印刷中の空吸
引の回数は、上側にのみ限られず適宜の回数を設定でき
るのは勿論である。
【0127】また、本例によれば、数回の空吸引の中で
ピストンの往復をはじめは短く、そして最後の数回では
下死点まで達するストロークをとることで、逆流は少な
く、キャップ51内のインクをポンプ53内に確実に取
り込み、さらにポンプ53内に残るインク量を少なく大
部分を廃インクタンクに送り出す効率的な空吸引を実現
する効果がある。
【0128】なお、空吸引動作のストロークの変化のさ
せ方については、上例では短いストローク(中空吸引)
を3回、長いストローク(大空吸引)を1回としたが、
その回数を適宜変化させることができるのは言うまでも
ない。
【0129】次に、本例に係る廃インクタンクについて
説明する。
【0130】前記図2に示したように、本例においては
、第1の廃インクタンク55を設けることに加え、装置
内のスペースを有効利用して第2の廃インクタンク70
を設け、これら廃インクタンク間をチューブ71にて接
続してある。そして、回復系ユニットに関して両タンク
が直列に設けられているため、吐出回復処理ないし上記
空吸引処理によって生ずる廃インクはまずチューブ57
を介して第1の廃インクタンク55に導入される。第1
の廃インクタンク55に廃インクを収容する余裕がある
間はここに廃インクが貯められることになるが、その後
第1の廃インクタンク55が廃インクを収容しきれなく
なると、ここから溢れた廃インクはチュ−ブ71を介し
て第2の廃インクタンク70に導入されることになる。
【0131】このように、本例では装置内のスペースを
有効利用して第2の廃インクタンク70を設けてあるた
め、廃インク収容量を減らすことなく装置の小型化が可
能となる。
【0132】なお、これら廃インクタンク内には適宜の
インク吸収体を設けておくことができる。また、これら
廃インクタンクの表面には後述の図31,32に示すよ
うな通気布(183)を設けることが好ましい。この通
気布は、インク溶剤蒸気は通すが液体であるインクは透
過させないもので、具体的には例えばベイパーロード(
(株)テイジン)を用いることができる。このような通
気布の配設によって廃インクタンク55および70から
のインク漏洩を防止することができる。上例では2つの
廃インクタンクを直列に接続したが、回復系ユニットに
関して両者を並列に設けておくことができる。
【0133】図31はそのための構成例を示すもので、
本例では回復系ユニットに一端が接続されたチューブ5
7の他端部に三方ジョイント57Aを設け、この三方ジ
ョイント57Aにより廃インクの流れを分岐させ、チュ
−ブ72および71を介してそれぞれ廃インクタンク5
5および70に廃インクが導入されるようにしたもので
ある。本例によっても上記と同様の効果が得られる。
【0134】分散して存在しうる装置の空きスペースを
有効利用して廃インクタンクを設けるという観点からす
れば、第2の廃インクタンクのみならずさらに多くの廃
インクタンクを適宜の空きスペースに設けることができ
るのは勿論である。
【0135】図32は廃インクタンク55に加えさらに
2つの廃インクタンクを設けた場合の構成例を示すもの
で、廃インクタンク55に関して第2の廃インクタンク
70Aおよび第3の廃インクタンク70Bを並列に設け
てある。廃インクタンク55から廃インクが溢れると、
この廃インクはジョイント74により分岐され、チュー
ブ71Aおよび71Bを介してそれぞれ第2の廃インク
タンク70Aおよび第3の廃インクタンク70Bに導入
される。
【0136】このような構成によればさらに廃インク収
容量を増すことができる。
【0137】なお、これら廃インクタンク間の接続に関
して、あるいはさらに多くの廃インクタンク間の接続に
関して、適宜の構成をとることができるのは勿論である
【0138】次に、図3に示したように、キャップ51
,51R、ポンプ53,53R、ブレード59,59R
、モータ61,61Rおよびカム装置63,63Rから
成る回復装置を記録範囲外の左右に各1組設けた場合、
どちらの回復装置を選択的に用いるかを説明する。
【0139】キャリッジ11の左,右どちら方向への移
動の際に記録を行うかについては種々考えられるが、一
般的にはキャリッジ11の左から右への移動中に記録が
行われる。
【0140】また記録位置精度が比較的要求されない文
字のみの印字やためし記録(ドラフト記録)時にはキャ
リッジの復帰工程(右から左への移動時)にも記録を行
う双方向記録が行われる場合がある。
【0141】図33を参照してキャリッジの左から右へ
の移動中に記録が行われる場合を説明する。
【0142】図33は記録装置の記録範囲S1と左右の
回復機構L1,R1を図式的に示した図である。
【0143】図において、S2は記録紙を示し、S3は
1行の記録を示している。記録方向は図中の矢印のごと
く左から右へ行われる。ある行の記録終了時であるS4
において、タイマT1が30秒を越えた場合、キャリッ
ジ11は回復機構L1またはR1に移動して予備吐出が
行われる。
【0144】この場合左右どちらの回復機構(L1また
はR1)を用いることになるかを説明する。
【0145】左回復機構L1を用いる場合のキャリッジ
11の移動は、点線S6で示され、その移動距離は次の
行の印字開始位置をS5とすると、(L2+L3)で示
される。一方、右回復機構R1を用いる場合には、同様
に点線S7で示され、その移動距離は(R2+R3)で
示される。そこで、(L2+L3)と(R2+R3)を
比較して、(L2+R3)≦(R2+R3)である場合
には左回復機構L1を選択し、(L2+L3)>(R2
+R3)である場合には右回復機構R1を選択して、使
用する回復機構を決定することによりに要する時間を短
縮することが可能となる。
【0146】また、行末S4においてタイマT2が5秒
を越えてキャップをクローズとする場合も、同様に左右
どちらを使用するかを決定するとよい。
【0147】図34にキャリッジ11の双方向移動時に
記録を行う場合を示す。図33と同様L1,R1は左右
の回復機構、S1は記録範囲、S2は記録紙である。S
8は記録行を示し、点線S9は改行時のヘッドの移動を
示している。また、各行の記録方向は矢印にて示される
【0148】記録行末S10にてタイマT1が30秒以
上またはT2が5秒以上となった場合、予備吐出または
キャッピングのため、キャリッジは回復機構L1または
R1まで移動を行うが、いくつかのケースについて以下
に示す。
【0149】ケース1;記録方向にて決定し、記録方向
前方の回復機構を選択。
【0150】ケース2;最終記録位置に近い回復機構を
選択、 L4≦R4の時はL1を選択し、 L4>R4の時はR1を選択する。
【0151】ケース3;次行の記録開始位置に近い方、
L5≦R5の時はL1を選択し、 L5>R5の時はR1を選択する。
【0152】ケース4;最終および再開記録位置にて決
定、 L4+L5≦R4+R5の時はL1を選択し、L4+L
5>R4+R5の時はR1を選択する。
【0153】ケ−ス5;ケース4に記録方向を補正して
決定、 L4+L5−H≦R4+R5の時はL1を選択し、L4
+L5−H>R4+R5の時はR1を選択する。
【0154】ケース1においては、回復機構への移動直
前の記録方向にて使用する回復機構を使用し、S10の
場合は右方向に記録を行っていた後のため、右回復機構
R1を使用する。
【0155】ケース2においては回復機構への移動直前
の記録終了位置に近い方の回復機構を使用し、S10の
場合では右回復機構R1を使用する。
【0156】ケース3は回復機構使用直後の記録開始位
置に近い方の回復機構を使用し、S10の場合次行の記
録開始位置がS11であり、S11は右に近いため右回
復機構R1を使用する。
【0157】ケース4においては回復機構使用前後の記
録位置S10,S11から回復機構までの距離の和にて
決定する場合である。
【0158】ケース5はケース4と同様であるが、回復
機構使用直前の記録方向と使用回復機構の方向が異なる
場合にはキャリアの移動方向を反転させる時間が必要と
なるため、反転時間に相当する適当な補正値Hを引いて
おり、反転しない場合Hは正、反転の場合は負である。 (その他)なお、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりイ
ンクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装
置において優れた効果をもたらすものである。かかる方
式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるから
である。
【0159】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長
,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出
させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号
をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行
われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書,同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことがで
きる。
【0160】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0161】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば
、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0162】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
【0163】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0164】本実施例においては、左右の回復機構は互
いに同一のものを使用したが、左右に設ける機構は異な
っても良く、たとえば右には良く使用される予備吐出用
の受容手段とワイパーブレードだけでも、またワイパー
ブレードのみでも良い。さらに回復機構は多くの機能を
兼用できる実施例を示したが、各々が独立していても良
く、その場合右側キャップには吸引機構は必要とせず、
また予備吐出の受容手段はスポンジ等の発泡材でも良く
、片側の回復機構を小型,安価なものにすることも可能
である。
【0165】また、本発明は前記のごとくバブルジェッ
ト方式での効果が大であるが、インク吐出エネルギーを
得る手段を圧電素子としたインクジェット記録装置にも
勿論応用することは可能である。
【0166】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回復機構を必要に応じて左右に設け、記録のためのキャ
リッジの移動に関連させて使用する回復機構を選択する
ことにより、記録に要する時間を短縮することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した機器の一実施例としてワード
プロセッサの構成を示す斜視図である。
【図2】前記ワードプロセッサのプリンタ部としてのイ
ンクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【図3】前記ワードプロセッサのプリンタ部としてのイ
ンクジェット記録装置に本発明を適用した一例を示す斜
視図である。
【図4】図2,3に示したインクジェット記録装置のヘ
ッドカートリッジの外観斜視図である。
【図5】図4に示したヘッドカートリッジの分解斜視図
である。
【図6】図4に示したヘッドカートリッジの外観斜視図
である。
【図7】図5における記録ヘッド天板の構成例を示す斜
視図である。
【図8】本例に係るヘッドギャップ調整手段を説明する
ためのプリンタ部の側断面図である。
【図9】本例に係る拍車カバーおよび視認窓を説明する
ためのプリンタ部の側断面図である。
【図10】比較例に係る拍車カバーおよび視認窓を説明
するためのプリンタ部の上面図である。
【図11】本例に係る拍車カバーおよび視認窓を説明す
るためのプリンタ部の上面図である。
【図12】本例に係るFPC巻込み防止用手段を説明す
るためのプリンタ部の正面図である。
【図13】キャリッジ移動中の上記プリンタ部の正面図
である。
【図14】従来構成によるFPC巻込みを説明するため
のプリンタ部の正面図である。
【図15】図2に示した吐出回復機構の分解斜視図であ
る。
【図16】上記吐出回復機構のキャップおよびキャップ
ホルダの詳細を示す斜視図である。
【図17】本例に係るキャップの正面図である。
【図18】上記キャップの平面図である。
【図19】上記キャップの側断面図である。
【図20】吐出回復機構各部を動作させるためのカムの
輪郭曲線を示す説明図である。
【図21】上記回復機構における主要なカム位置での各
部の動作を説明するための説明図である。
【図22】同じく、上記回復機構における主要なカム位
置での各部の動作を説明するための説明図である。
【図23】上記回復機構における主要なカム位置での各
部の動作を説明するための他の説明図である。
【図24】同じく、上記回復機構における主要なカム位
置での各部の動作を説明するための他の説明図である。
【図25】本例に係る装置の制御系の構成例を示すブロ
ック図である。
【図26】吐出回復処理におけるクリーニング動作手順
の一例を示すフローチャートである。
【図27】吐出回復処理に関連した空吸引処理の動作手
順の一例を示すフローチャートである。
【図28】本例による記録処理手順の一例を示すフロー
チャートの一部分図である。
【図29】上記フローチャートの残りの部分図である。
【図30】本例による記録処理手順の一例を示す他のフ
ローチャートである。
【図31】廃インク系の他の構成例を示す斜視図である
【図32】廃インク系のさらに他の構成例を示す斜視図
である。
【図33】回復機構を左右にそれぞれ設けた構造の本発
明記録装置における同回復機構の操作手順の一例(キャ
リッジ一方向移動)を示す説明図である。
【図34】上記回復機構の操作手順の他の一例(キャリ
ッジ双方向移動)を示す説明図である。
【符号の説明】
1  キーボード 2  表示器 3  視認窓 4  拍車ホルダ 5  ペーパーサポータ 6  ノブ 9  ヘッドカートリッジ 11  キャリッジ 21  FPC 23  ガイド軸 27  タイミングベルト 29A,29B  プーリ 31  キャリッジモータ 33  搬送ローラ 34  プラテン 34A  すくい部 35  搬送モータ 37  ペーパーパン 39  フィードローラ 41  排紙ローラ 41A  排紙ローラ軸 42  拍車 43  解除レバー 51,51R  キャップ 51a  リブ 53,53R  ポンプ 55,70,70A,70B  廃インクタンク57,
57R  廃インクチューブ 59,59R  ブレード 61,61R  モータ 63,63R  カム装置 82  ばね 97  摩擦シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  記録媒体に対して吐出口よりインクを
    吐出することにより記録を行うインクジェット記録ヘッ
    ドと、前記記録ヘッドを前記記録媒体に対して平行に移
    動させて記録を行うキャリジとを有するとともに、前記
    記録ヘッドの前記吐出口を覆うことが可能なキャップ手
    段、前記記録ヘッドの前記吐出口よりインクを吸引する
    手段、前記記録ヘッドを記録以外の目的で駆動してイン
    クを吐出した際のインクを受容するためのインク受容手
    段、前記インク受容手段に受容されたインクを受容手段
    より排出するインク排出手段、前記記録ヘッドの前記吐
    出口部をぬぐうためのワイピング手段、のうちの少なく
    とも一つを前記キャリッジの記録のための移動範囲より
    も外に有し、上記手段のうち少なくとも一つの手段を前
    記キャリッジの記録のための移動範囲より外側の両端に
    有するインクジェット記録装置であって、前記キャリッ
    ジの記録のための移動範囲より外側の両端に設けた手段
    を制御する制御手段であり、前記手段を用いる直前の記
    録動作における前記記録ヘッドの最終記録位置にて前記
    両端に設けた手段のどちらを用いるかを決定する制御手
    段をさらに設けたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  2. 【請求項2】  前記制御手段が、前記手段を用いる直
    前の記録動作における前記記録ヘッドの最終記録位置よ
    り近い方の手段を用いるように設定されていることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】  前記記録ヘッドの前記記録媒体に対す
    る往復両方向へ平行移動において、記録を行うように設
    定されていることを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】  前記制御手段が、上記手段を用いる直
    前の記録動作における記録ヘッドの記録方向にて前記両
    端に設けた手段のどちらを用いるかを決定するように設
    定されていることを特徴とする請求項3に記載のインク
    ジェット記録装置。
  5. 【請求項5】  前記制御手段が、前記手段を用いる直
    前の記録動作における前記記録ヘッドの移動方向前方の
    手段を用いるように設定されていることを特徴とする請
    求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】  前記制御手段が、前記手段を用いる直
    前の最終記録位置より短時間で前記記録ヘッドを移動で
    きる位置にある前記手段を用いるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
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