JP2637614B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2637614B2
JP2637614B2 JP25145390A JP25145390A JP2637614B2 JP 2637614 B2 JP2637614 B2 JP 2637614B2 JP 25145390 A JP25145390 A JP 25145390A JP 25145390 A JP25145390 A JP 25145390A JP 2637614 B2 JP2637614 B2 JP 2637614B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複写機、ファクシミリ、コンピュータ、ワ
ードプロセッサあるいはこれらの複合機器等としてのイ
ンクジェット記録装置に関し、より具体的には、記録ヘ
ッドからの排出インク等を受けるインク受け部材に対し
てインク導出手段を用いているインクジェット記録装置
に関するものである。
[従来の技術] 従来、布地、紙、OHP用シートなどの
記録媒体(以下『記録用紙』または単に『紙』とい
う。)に対して記録を行うインクジェット方式による記
録装置においては、記録ヘッドとして一般に微細な吐出
口を配列したものが用いられるので、吐出口内方への気
泡や塵埃の混入が生じた場合、あるいはインク溶剤の蒸
発に伴う増粘等によってインクが吐出ないし記録に適さ
ない状態となった場合等において、吐出不良要因を除去
する処理(吐出回復処理)がなされるようにしている。
このような吐出回復処理を行う手段の一形態として、記
録ヘッドの吐出口形成面を覆うことが可能であるととも
にインク受けとして機能するキャップと、このキャップ
に連通し吸引力を作用するポンプとを設けたものがあ
る。そして、キャップを吐出口形成面に対向させた状態
で吐出口内方のインク吐出エネルギー発生素子を駆動す
ることによりインクを吐出させ、あるいはキャップによ
って吐出口形成面を覆った状態で吸引力を作用させて、
インクとともに吐出不良要因を除去せんとするものであ
る。ここで、記録ヘッドから排出されたインクはインク
受けとしてのキャップが受ける。
一方、装置の適宜の部位には、上記吐出回復処理によ
って生じた廃インクを貯留するための廃インクタンクが
設けられている。そして、吐出回復処理によってキャッ
プやポンプ、およびこれらを連通する廃インクチューブ
等を含む吐出回復装置に受容されたインクを廃インクタ
ンクへと導く処理を行うためにキャップを大気に開放し
た状態でポンプを作動させ、インクを空気とともに吸引
する、いわゆる空吸引という動作が行われる。これは、
吐出回復処理によって吐出回復装置内に受容されたイン
クを放置した場合、残留した廃インクの固化が生じたり
キャップから外方に廃インクが漏洩するのを防止するた
めに極めて有効な動作である。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記空吸引の過程において、吐出回復
装置には特殊な逆流防止用の弁機構を設けていないた
め、前記ポンプ内のピストンの動き方によってはインク
の逆流を発生することがあった。このように一旦取り込
まれたインクが逆流すると、空気を含んでキャップから
泡状に飛び出し、対向した位置関係にある記録ヘッドの
表面に付着するという問題があった。記録ヘッド表面に
付着したインクは、本来のインクの吐出状態に悪影響を
与える。すなわち、記録ヘッドの吐出口近傍に付着した
インクが吐出されるインクを引っ張り、いわゆる『ヨ
レ』の原因になる。また、吐出回復処理中において上記
の記録ヘッド表面の不要なインク滴を排除するためにワ
イピングが行われるが、付着したインクの量が多いとき
にはブレードの汚れもひどくなり、大量に連続印刷する
場合にワイピング性能が低下し印字品位が悪化するとい
う問題があった。また、上記泡状インクの逆流を防止す
るために特殊な弁機構を設けることも考えられるが、装
置のサイズアップやコストアップを招き不都合である。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、インクジェット記録装置の吐出回復処
理に際して、記録ヘッドに不要なインクが付着すること
を防止することにある。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決する本発明のインクジェット記録装
置は、記録ヘッドから排出されたインクを受けるインク
受け部材と、該インク受け部材から廃インク収納部へイ
ンクを導く導出手段と、該導出手段による導出工程中に
前記記録ヘッドと前記インク受け部材とが対向する位置
関係にならないように、前記記録ヘッドと前記インク受
け部材の相対位置を制御する制御手段と、を備えること
を特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッ
ドから排出されたインクを受けるインク受け部材と、該
インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導出
手段と、該導出手段の作動工程中に前記記録ヘッドと前
記インク受け部材の少なくとも一方を変位させて対向位
置関係から非対向位置にする変更手段と、を備えること
を特徴とする。
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘ
ッドから排出されたインクを受けるインク受け部材と、
該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導
出手段と、該導出手段による導出工程中に前記記録ヘッ
ドと前記インク受け部材とが対向する位置関係にならな
いように、前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相対
位置を制御する制御手段とを備え、該制御手段は、前記
導出工程中にインクの逆流により前記インク受け部材か
らインクが飛び出す前に制御を実行するものであること
を特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘッ
ドと、該記録ヘッドから排出されたインクを受けるイン
ク受け部材と、該インク受け部材から廃インク収納部へ
インクを導く導出手段と、該導出手段の作動工程中に、
前記記録ヘッドと前記インク受け部材とが対向する位置
関係にならないように、前記記録ヘッドと前記インク受
け部材の少なくとも一方を制御する制御手段と、を備え
ることを特徴とする。
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、記録ヘ
ッドから排出されたインクを受けるインク受け部材と、
該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導くポ
ンプ手段と、該ポンプ手段の作動工程中に、前記記録ヘ
ッドと前記インク受け部材とが対向する位置関係になら
ないように、前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相
対位置を制御する制御手段とを備え、前記ポンプ手段
は、ポンプ手段本体内のピストンの動きにより前記ポン
プ手段本体内に発生した負圧を前記ポンプ手段本体に設
けられた連絡口を介して前記インク受け部材側へ伝える
ことにより前記インク受け部材が受けたインクを吸引し
て前記ポンプ手段本体内に導入し、さらに前記廃インク
収納部へインクを導くものであることを特徴とする。
本発明に係る装置の全体構成図を第1図に示す。
その構成は、記録媒体Pに対して流体を吐出する記録
ヘッド101と、この記録ヘッド101から排出されたインク
を受けるインク受け部材103と、このインク受け部材103
が受けたインクを廃インク収納部105へと導く導出手段1
07と、記録ヘッド101から排出されたインクを受けたイ
ンク受け部材103から廃インク収納部105とインクを導く
導出工程中に記録ヘッド101とインク受け部材103とが対
向する位置関係にならないように、記録ヘッド101とイ
ンク受け部材103の少なくとも一方を制御する制御手段1
09とを備える。
また、制御手段109は、インクの逆流によりインク受
け部材103からインクが飛び出す前に制御を実行するも
のである。
図中、矢印は、制御手段109が記録ヘッド101を駆動
して位置関係を制御する場合を示し、一方、矢印は制
御手段109がインク受け部材103を駆動して位置関係を制
御する場合を示す。
なお、制御手段109は、記録ヘッド101とインク受け部
材103の両方を駆動することにより両者の位置関係を制
御してもよい。
[作用] 本発明によれば、記録ヘッドから排出されたインクを
受けるインク受け部材から廃インク収納部へインクを導
く導出手段による導出工程中に前記記録ヘッドと前記イ
ンク受け部材とが対向する位置関係にならないように、
前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相対位置を制御
する制御手段を備えるので、極めて容易な動作制御上の
工夫で、記録ヘッドに不要なインクが付着することが防
止される。したがって、記録ヘッドからのインクの吐出
状態は常に良好になるとともに、記録ヘッド表面に付着
するインクの量を少なくすることができるので、記録ヘ
ッド表面の不要なインク滴を排除するためのワイピング
操作時にブレードの汚れが軽減され、大量に連続印刷を
行う場合においてをワイピング性能が低下せず、印字品
位が格段に改善される。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を具体的に説明
する。
第2図は、本発明を適用可能な装置として、文書作成
装置(以下、『ワードプロセッサ』という。)の外観構
成例を示す。
ここで、1は、入力装置であるところのキーボード部
である。2は、入力した文書等を表示する表示器部分で
あり、回転可能に保持され、非使用時は、キーボード部
1に重なるように折りたためるようになっている。3
は、該記録ヘッドの動作状態を確認するための視認用開
口に設けた開閉可能な保護カバーであり、透明または半
透明である。4は、拍車を保持するための拍車カバーで
ある。5は、記録用紙の給排紙時に紙の支えとするペー
パーサポータ、6は、手動にて記録用紙の給排紙を行う
ためのノブである。
第3図は本発明に係るインクジェット記録装置のプリ
ンタ部の構成例を示す。
ここで9はインクジェット記録ヘッドを有したヘッド
カートリッジ、11はこれを搭載して図中S方向に走査す
るためのキャリッジである。13はヘッドカートリッジ9
をキャリッジ11に取り付けるためのフック、15はフック
13を操作するためのレバーである。このレバー15には、
後述するカバーに設けられた目盛りを指示してヘッドカ
ートリッジ9の記録ヘッドによる印字位置や設定位置等
を読み取り可能とするためのマーカー17が設けられてい
る。19はヘッドカートリッジ9に対する電気接続部を支
持する支持板である。21はその電気接続部と本体制御部
とを接続するためのフレキシブルケーブルである。23
は、キャリッジ11をS方向に案内するためのガイド軸で
あり、キャリッジ11の軸受25に挿通されている。27はキ
ャリッジ11が固定され、これをS方向に移動させるため
の動力を伝達するタイミングベルトであり、装置両側部
に配置されたプーリ29A,29Bに張架されている。
一方のプーリ29Bには、ギヤ等の伝導機構を介してキ
ャリッジモーター31より駆動力が伝達される。33は、紙
等の記録媒体(以下『記録紙』ともいう。)の被記録面
を規制するとともに記録等に際してこれを搬送するため
のプラテンローラであり、搬送モーター35によって駆動
される。37は、記録媒体をペーパーサポータ5側より記
録位置に導くためのペーパーパン、39は記録媒体の送給
経路途中に配設されて記録媒体をプラテンローラ33に向
けて押圧し、これを搬送するためのフィードローラであ
る。41は記録媒体搬送方向から見て、記録位置より下流
側に配置され、記録媒体を不図示の排紙口へ向けて排紙
するための排紙ローラである。42は排紙ローラ41に対応
して設けられる拍車であり、記録媒体を介して排紙ロー
ラ41を押圧し、排紙ローラ41により記録媒体の搬送力を
生じさせる。43は記録媒体のセット等に際してフィード
ローラ39、押さえ板45、拍車42それぞれの付勢を解除す
るための解除レバーである。45は記録位置近傍において
記録媒体の浮上り等を抑制し、プラテンローラ33に対す
る密着状態を確保するための押さえ板である。
本実施例においては、記録ヘッドとしてインク吐出を
行うことにより記録を行うインクジェット記録ヘッドを
採用している。従って記録ヘッドのインク吐出口形成面
と記録媒体の被記録面との距離は比較的微少であり、か
つ記録媒体と吐出口形成面との接触を避けるべくその間
隔が厳しく管理されなければならないので、押え板45の
配設が有効である。47は押え板45に設けた目盛、49はこ
の目盛に対応してキャリッジ11に設けられたマーカーで
あり、これらによっても記録ヘッドの印字位置や設定位
置が読取り可能である。51はホームポジションにおいて
記録ヘッドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾
性材料で形成したキャップであり、記録ヘッドに対し当
接/離脱が可能に支持されている。このキャップ51は、
非記録時等の記録ヘッドの保護や、記録ヘッドの吐出回
復処理に際してインク受け部材として用いられる。
なお、本明細書において「インク受け部材」とは、上
記キャップに限らず、記録ヘッドから排出されたインク
を受けることができるものであれば、その形態は問わな
い。
本明細書において「吐出回復処理」とは、インク吐出
口内方に設けられてインク吐出のために利用されるエネ
ルギー発生素子を駆動することにより全吐出口からイン
クを吐出させ、あるいはキャップによって吐出口形成面
を覆った状態で吸引力を作用させる等により、気泡や塵
埃、増粘して記録に適さなくなったインク等の吐出不良
要因を除去する処理である。
53はインクの強制排出のために吸引力を作用するとと
もに、かかる強制排出による吐出回復処理や予備吐出に
よる吐出回復処理に際してキャップ51に受容されたイン
クを吸引するために用いられる導出手段であるポンプで
ある。55はこのポンプ53によって吸引された廃インクを
貯留するための廃インク収納部、57はポンプ53と廃イン
ク収納部55とを連通するチューブである。59は記録ヘッ
ドの吐出口形成面のワイピングを行うためのブレードで
あり記録ヘッド側に突出してヘッド移動の過程でワイピ
ングを行うための位置と、吐出口形成面に係合しない後
退位置とに移動可能に支持されている。61はモータ、63
はモータ61から動力の伝達を受けてポンプ53の駆動およ
びキャップ51やブレード59の移動をそれぞれ行わせるた
めのカム装置である。
次に、上述したヘッドカートリッジ9の詳細について
説明する。
第4図は、インクジェット記録ヘッド本体をなす吐出
ユニット9aとインクタンク9bとを一体としたヘッドカー
トリッジ9の外観斜視図を示し、図において906eは、ヘ
ッドカートリッジ9を装着する際にキャリッジ11に設け
られたフック13によって掛止されるつめである。図から
明らかなようにつめ906eは記録ヘッド全延長の内側に配
設される。また、ヘッドカートリッジ9の前方の吐出ユ
ニット9aの近傍には、この図には示されていないが位置
決め用突き当て部が設けられている。906fは、キャリッ
ジ11に立設され、フレキシブル基板(電気接続部)およ
びゴムパッドを支持するための支持板が挿入されるヘッ
ド開口部である。
第5図(A)および(B)は、第4図に示したヘッド
カートリッジの分解斜視図を示し、上述のようにインク
供給源たるインク収容部を一体としたディスポーサブル
タイプのものとしてある。同図(A)において、911
は、Si基板上に電気熱交換素子(吐出ヒータ)と、これ
に電力を供給するAl等の配線とが成膜技術により形成さ
れて成るヒータボードである。921は、ヒータボード911
に対する配線基板であり、対応する配線は例えばワイヤ
ボンディングにより接続される。940はインク流路を限
界するための隔壁や共通液室等を設けた天板であり、本
例においてはオリフィスプレート部を一体に有した樹脂
材料から成る。そして、第5図(c)に示すように、吐
出口形成面を記録用紙の被記録面と平行な平面に対して
所定角度θだけ傾いており、かつ吐出口近傍の部分で段
差940aを有している。これは、天板に設けた流路側から
レーザビームを照射して吐出口を形成するために、オリ
フィスプレート部内の流路と、その後方の流路とが所定
角度をなすことに対応して行われたものである。第5図
(A)において930は例えば金属製の支持体、950は押さ
えばねであり、両者間にヒータボード911および天板940
を挟み込んだ状態で両者を係合させることにより、押さ
えばね950の付勢力によってヒータボード911と天板940
とを圧着固定する。なお、支持体930には、配線基板921
が貼着等により設けられるとともに、ヘッドの走査を行
うキャリッジ11への位置決め基準を有するものとするこ
とができる。また、支持体930は駆動に伴って生じるヒ
ータボード911の熱を放熱冷却する部材としても機能す
る。960は供給タンクであり、インク供給源をなすイン
ク貯留部9bからインク供給を受け、ヒータボード911と
天板940との接合により形成される共通液室にインクを
導くサブタンクとして機能する。970は共通液室へのイ
ンク供給口付近の供給タンク960内の部位に配置される
フィルタ、980は供給タンク960の蓋部材である。900は
インクを含浸させるための吸収体であり、インク貯留部
9b内に配置される。1200は上記各部911〜980からなる記
録エレメントに対してインクを供給するための供給口で
あり、当該ユニットをインクタンク本体9bの部分1010に
配置する前の工程で供給口1200よりインクを注入するこ
とにより吸収体900のインク含浸を行わせることができ
る。1100はカートリッジ本体の蓋部材、1300はカートリ
ッジ内部を大気に連通するために蓋部材に設けた大気連
通口である。供給口1200を介してこのインク貯留部9bへ
のインク充填が終了すると、各部911〜980よりなる吐出
ユニットを部分1010に位置付けて配設する。このときの
位置決めないし固定は、例えばインク貯留部9bに設けた
突起1012と、これに対応して支持体930に設けた穴931と
を嵌合させることにより行うことができ、これによって
第5図(B)に示すヘッドカートリッジ9が完成する。
そして、インクはカートリッジ内部より供給口1200、支
持体930に設けた穴932および供給タンク960の第5図
(A)中裏面側に設けた導入口を介して供給タンク960
内に供給され、その内部を通った後、導出口より適宜の
供給管および天板940のインク導入口942を介して共通液
室内へと流入する。以上におけるインク連通用の接続部
には、例えばシリコーンゴムやブチルゴム等のパッキン
グが配設され、これによって封止が行われてインク供給
路が確保される。
第6図は第3図におけるキャップ51、ポンプ53、ブレ
ード59、モータ61およびカム装置63等からなる回復装置
の分解斜視図である。ここでは501は、キャップ51内部
に配置されるインク吸収体、503はキャップ51を保持す
る保持部材、505はピン507を中心に回動可能に取り付け
られ、ピン507に加えられる力によってキャップ51をヘ
ッドカートリッジ9の吐出口形成面に当接/離脱させる
ためのキャップレバーである。511は、キャップレバー5
05の端部509に係合してキャップレバー505の回動範囲を
規制するためのピンである。513はキャップレバー505の
ピン507が嵌入される穴部を有する治具であり、キャッ
プレバー505をポンプ53に設けた支持部515に取付けるの
に用いられる。516はその取付け状態を確保するための
留め部材である。517は吐出口形成面に当接させるため
の力をキャップ51に作用する作用部であり、キャップ51
の後側部のほぼ中央に係合する。この作用部は吸引され
たインクの導入口517Aを有し、キャップレバー505内
部,ピン507内部,治具513内部および支持部515内部に
はそれぞれインク流路が形成されている。そして、ポン
プ53が吸引力を作用すると、インクはこれら流路を経て
図中矢印で示すようにポンプ53内導入される。519はポ
ンプ53の端面中央に突設した軸、522は軸519を保持しポ
ンプ53自体を回動可能とするためのポンプ支持板であ
り、その回動力は支持部515を介してキャップレバー505
に加えられ、これに伴ってキャップ51が進退する。521
はポンプ53の軸519を通ずるインク流路を直角にまげて
いる排インクシールであり、523は排インクシール521を
支持し、さらに排インクチューブ57までのインク流路を
形成してる排インクキャップである。これら軸519,排イ
ンクシール521および排インクキャップ523の内部にはイ
ンク流路が形成され、ポンプ53に吸引されたインクが、
図中矢印で示すようにこれら流路を経てチューブ57を介
し廃インク収納部55に導入される。525はポンプ53のピ
ストン、527はその軸、529はパッキン、531はポンプ53
のキャップである。533はピストン軸527に取付けられ、
ピストン525を作動させるための力の伝達を受けるピン
である。535はブレード59が取付けられるブレードレバ
ーであり、ポンプ53の端面に突設した軸のまわりに回転
可能に支持され、当該回動に伴ってブレード59を記録ヘ
ッド側に突出または後退させる。537はブレードレバー5
35に対しブレード59を突出させる方向への回動力を付与
するばねである。また539はポンプ53自体に対しキャッ
プ53が記録ヘッド側に向かう方向への回動習性を与える
ばねである。541はモータ61の回転をカム装置63に伝達
するギア列である。カム装置63は、ポンプ53に設けた係
合部545に係合してこれを回動させるためのカム547と、
ポンプ53のピストン軸527に設けたピン533に係合してポ
ンプを作動させるためのカム549と、ブレードレバー535
に設けた係合部551に係合してこれを回転させるための
カム553と、カム装置63のホームポジションを検出する
ためのスイッチ555に係合するカム557とを有している。
これらカムの動作については後述する。
第7図(A)および(B)に、キャップ51の構成例を
示す。
第7図(B)は、第7図(A)のM−M線に沿う断面
図である。
第7図(A)および(B)において51aはリブであ
り、51bはリブの周囲部である。
本例に係るキャップ51は、ヘッドカートリッジ9の記
録ヘッド部との密着性をよくするためにゴム状弾性体で
形成されており、キャッピングに際しては約60〜80gの
押圧力をもって天板940のオリフィスプレート部に圧接
される。キャップ51内において、インク吸引口561が、
鉛直方向下部に開口されており、キャップレバー505の
作用部517に設けたインク導入口517Aに向ってインク流
路563が形成されている。また、吸引口561を吸収体501
によって完全には覆わない状態としている。これによ
り、重力によってインクが下方に流れてきても、インク
は下方に設けた吸引口561より吸引されるために、イン
ク吸収体501に残留するインク量が著しく小となり、固
化による劣化が大幅に遅らせてインク吸収体ないしこれ
が取付けられたキャップ51の寿命を伸ばすことができ
る。
第8図は、回復装置カムチャートであり横軸にカム54
9の回転角度をとり、スイッチ555、キャップ51、ポンプ
53、ブレード59の状態を示している。
第9図は、各状態のポンプ53内でのピストン525の位
置を示す図である。
第10図は、第4図で言うところのヘッドカートリッジ
9のヘッド吐出口形成面9hのS方向走査上でのキャップ
51とブレード59との位置関係を示す図である。
第11図は、本例に係るインクジェット記録装置の制御
系の構成例を示すブロック図である。
第12図は、回復系ユニットによって実行される記録ヘ
ッドのクリーニング動作を説明するフローチャートであ
る。
以上の第8、9、10、11および12図を使って、本実施
例回復系ユニットの機能について説明する。
第8図においての状態はカム549のホームポジショ
ン位置であり印刷中の回復装置の待機状態である。スイ
ッチ555はON、キャップ51はヘッド吐出口形成面より離
隔し(以下『オープン状態』とよぶ)、ポンプ53は上死
点にある。また、ブレード59はOFF状態すなわちヘッド
に係合しない位置に退避している。次にの状態は、キ
ャッピング状態であり、プリンタ装置を使用しない場合
等の状態でヘッド吐出口形成面を覆い保護している。こ
のときスイッチ555はOFF、キャップ51はヘッド吐出口形
成面に接合し(クローズ)、ポンプ53は上死点にあり、
ブレードはOFF状態である。
さらにの状態は、ポンピングが終了した状態であ
る。このときスイッチ555はON、キャップ51はクローズ
となり、ポンプ53は弁が開ききった状態であり下死点に
は至らない状態である。またブレード59はOFF状態にあ
る。
の状態は、ポンピング終了の後キャップ51をオープ
ンさせ同時にキャップ51内およびキャップレバー505内
に充満しているインクをポンプ53内にとり込むための小
空吸収を実行し終えた状態である。スイッチ555はON、
キャップ51は半分程度オープン、ポンプ53は下死点、ブ
レードはOFF状態となる。本発明においては、この状態
で記録ヘッドをブレードOFF位置へ退避させる。
次にの状態を先に説明する。これはボンピングによ
ってポンプ53内に充満したインクを排インクタンク側へ
排出するための空吸収を始める準備位置である。スイッ
チ555はON、キャップはオープン、ポンプ53は上死点よ
り若干下がったところにある。またブレードはOFF状態
にある。
およびはそれぞれ大空吸引および中空吸引を行っ
たときの停止位置である。どちらもスイッチ555はON、
キャップはオープン、ブレードはOFF状態であるが、ポ
ンプ53の状態はでは下死点側にあるのに対しでは完
全には下がりきっていない。
の状態は、ワイピングを行うときの状態である。ス
イッチ555はON、キャップはオープン、ポンプは上死点
にある。そしてブレードがON状態にあり、この状態でヘ
ッドを載せたキャリアが移動することでヘッド吐出口形
成面のワイピングが実行できる。
第9図において、はポンプ内においてピストン525
が下死点にある状態を示している。ポンプ53内の空間に
おいて、ピストン525の左側の空間によって作られる負
圧によってポンピングが機能する。531はその負圧をキ
ャップ51へと伝える連絡口である。の状態でピストン
525はこの連絡口531を乗り越えさらに右側に進んだ状態
なのがわかる。ここではピストン525は左側から527のピ
ストン軸フランジ部によって押され密着しているので、
発生した負圧は他に漏れることなくキャップ51側へ伝え
られる。またピストン軸525右側にたまっていたインク
は廃インクタンクへと押し出される。
は上死点にある状態を示す。ここで注意したいの
は、ピストン525は連絡口531の左側にあり、連絡口531
は閉じていない。すなわちこの状態においてキャップ51
は大気連通状態になっている。
は第8図でいうところののときのポンプ53の状態
である。ピストン525は連絡口531を乗り越え若干右へ進
んでいる。
は第8図でいうところののときの状態であり、こ
の状態とあるいはの状態を往復することで、大空吸
引および中空吸引を実行している。
は中空吸引を実行し終えたときの状態である。ここ
で注意したいのは、ピストン525は連絡口531を乗り越え
た直後で止まっているところである。下死点までいっ
たとするなら、上死点あるいは空吸引準備位置に戻
るときに、連絡口531を閉じられない時間が長くできて
しまう。そのとき左側の空間に正圧が生じることのない
ようにピストン軸フランジ527aとピストン525に若干の
スキマができ、ピストン525右側の空間と連通するよう
に構成されてはいる。しかしながら、流路に存在するグ
リース等による抵抗等によって若干の正圧が生じそのた
めの逆流が生じることがある。このように本発明におい
て問題とする逆流現象は、連絡口531が開放した状態で
ピストン525の移動によりポンプ内右側の空間が正圧と
なる場合、例えば、ピストン525が上死点から空吸引
準備位置へ進むときに生じる。また、逆流現象は、連
絡口531が開放した状態でピストン525の移動によりポン
プ内左側の空間が正圧となる場合、例えば、ピストン52
5が下死点から空吸引準備位置へ戻るときに生じ
る。よって、記録ヘッドとインク受け部材との相対位置
の制御は、少なくともピストンの吸引動作後の復帰時、
ピストンの往復移動の反転時に行うのがよい。
第10図のヘッドカートリッジ9のヘッド吐出口形成面
9hの位置関係図は、ヘッドカートリッジ9のヘッド吐出
口形成面9hが吐出回復系装置のキャップ51の正面にある
位置、すなわちキャッピング位置(A)を基準に表現さ
れている。ここで、図中記載のステップ数は、S方向走
査駆動用パルスモーターの駆動量を表している。1ステ
ップあたり、6/360inch=1/60inch=0.423mmとなってい
る。ワイピング動作を行うときはまず、ヘッド吐出口形
成面9hを,9h(B)に示すようにブレードON位置(B)
まで移動させ、次に吐出回復装置内ブレードをONするこ
とによりブレード59を59aの位置まで前進させる。そし
てヘッド吐出口形成面9hを9h(C)に示すようにブレー
ドOFF位置(C)まで移動させることでワイピングを実
行する。このとき、ブレード59は、ゴム状弾性体から形
成されているので、図中59bに示すように変形しながら
ヘッド吐出口形成面9hの表面に付着していた不要なイン
クを排除する。そして、ヘッド吐出口形成面9hがブレー
ドOFF位置(C)まで移動したとき、ブレード59を元の
位置まで後退させる。
なお、本発明の実施例において記録ヘッドを退避させ
る位置が、このブレードOFF位置である。
第11図は、以上の構成による記録装置の制御系の構成
例を示すブロック図である。
キャリッジ11のキャップ位置や移動位置は、回復系ホ
ームセンサ65やキャリッジホームセンサ67の検出に基づ
いて知ることができる。同図においてマイクロコンピュ
ータ999を構成する1000は、後述する制御手順を実行し
て制御信号を発生し、各部を制御するMPU,1001は、その
制御手順に対応したプログラム等を格納したROM,1002は
制御手順実行時におけるワークエリアとして用いられる
RAMである。また、1003は、時間を計測するタイマであ
る。
第12図のフローチャートには、第11図のMPU1000の制
御の下に回復系ユニットによって実行される吐出回復処
理手順の一例を示す。
本手順は、まず、第8図でいうところのキャッピン
グ状態から始まる(ステップS1)。そして状態に動く
ことでポンピングが実行され(ステップS3)、その状態
でインク吸引が充分に行われるように3秒間の停止が行
われる(ステップS5)。ではキャップオープンと同時
に小空吸引が行われ(ステップS7)、キャップ51内およ
びキャップレバー505内のインクのとり込みが行われる
よう1秒間停止する(ステップS9)。次に予備吐出を行
った後(ステップS11)、空吸引動作に入る前に記録ヘ
ッドを、第10図で言うとこのブレードOFF位置まで退避
させる(ステップS13)。これにより、記録ヘッドとキ
ャップとは対向しない位置関係となる。次にポンプ53内
に充満したインクの排出のための空吸引が行われる。ま
ずの空吸引準備位置に移り(ステップS15)、そこか
ら中空吸引停止位置の間を3回報復させる(ステップ
S17〜23)。次に、からまで移動させることにより
大空吸引が行われ(ステップS25)、ポンプ53内のイン
クは充分に廃インク収納部側へ押し出される。引き続き
の位置に移り(ステップS27)、記録ヘッドをブレー
ドON位置に移動させ(ステップS29)、の位置でブレ
ードONとし(ステップS31)、そして記録ヘッドをブレ
ードOFF位置まで移動させることでワイピングを実行す
る(ステップS33)。最後に位置でブレードでOFFし
(ステップS35)、記録ヘッドをキャッピング位置に戻
し(ステップS37)、でキャッピングをする(ステッ
プS39)。
以上述べたように、記録ヘッドから排出されてキャッ
プが受けたインクを導出手段により廃インク収納部へ導
く工程中に記録ヘッドとインク受け部材とが対向する位
置関係にならないように制御するため、インクの泡状の
逆流が生じても記録ヘッド表面に不要なインクを付着さ
せることがない。なお、逆流して空気を含みインク受け
部材から泡状に飛散したインクが液滴化してインクジェ
ット記録装置本体内に入り込むことがないように、例え
ば、図示はしないが飛散したインクの落下予想部位に、
塩化ビニル樹脂製シートを貼付するとともに該シート上
面にインク吸着材を設けてインク吸収し得るようにする
のが好ましい。また、インクの逆流が生じる時点におい
て別途設けたインク吸着材(図示しない。)がインク受
け部材と対向する位置に来るようにすることにより、逆
流して飛散しようとするインクをインク吸着材に吸着さ
せても良い。
なお、上記実施例において、記録ヘッドは、装置に向
かって右方向にスライドさせて逃がしているが、この方
向に限定されるものではなく、装置に向かって左側ある
いは装置から遠ざかる方向に退避したとしも何ら問題は
ない。
また、上記実施例において、記録ヘッドから排出され
てキャップが受けたインクを導出手段が廃インク収納部
へと導く工程中に記録ヘッドとキャップとが対向する位
置関係にならないようにするために、記録ヘッドをブレ
ードのOFF位置まで退避させる走査を行ったが、本明細
書において「記録ヘッドとインク受け部材の相対位置を
制御する」態様としては、これに限らず、記録ヘッドを
ブレードのOFF位置以外でキャップとは非対向となる位
置に移動走査させてもよく、また、記録ヘッドの位置を
ロックした状態で、逆にキャップ側を変位させて記録ヘ
ッドと対向する位置関係にならないようにしてもよい。
さらに、記録ヘッドとキャップの双方を変位させ、両者
が対向する位置関係にならないようにしもよい。また、
記録ヘッドとキャップとが対向しない位置関係にあると
きに記録ヘッドのみ、若しくはキャップのみ、または記
録ヘッドとキャップの双方の位置をロックすることによ
り両者が対向する位置関係にならないようにしてもよ
い。但し、上記例において説明した記録ヘッドのみをキ
ャップとは非対向位置に変位させる態様は、回復系ユニ
ットによって実行される吐出回復処理手順の一部を改変
するだけで他の機構上の変更を伴うことなく実行するこ
とができるため、特に好適である。なお、上記例におい
ては第12図に示すようにステップ7における小空吸引が
行われた後にステップ13において記録ヘッドの退避操作
を行うように設定したが、これは、インクの逆流は小空
吸引によりポンプ内にインクが取り込まれた後に生ずる
現象だからである。したがって、本発明において、記録
ヘッドから排出されてキャップが受けたインクを導出手
段により廃インク収納部へと導く工程中に記録ヘッドと
キャップとが対向する位置関係にならないように記録ヘ
ッドとキャップの少なくとも一方を制御するステップ
は、要は、前記工程中においてインクの逆流によりキャ
ップからインクが飛び出す前に行えばよく、この条件を
満足する場合には前記工程が始まってからでもよく、制
御を行う時点は上記条件を満足するかぎり特に制限され
ない。よって、第11図に示すMPU1000から送出される記
録ヘッドの退避等の制御信号は、インクの逆流によりキ
ャップからインクが飛び出す前に送出され、この制御信
号に基づいて制御を実行するようにすればよい。したが
って、例えば、インクの逆流によるキャップからのイン
クの飛び出しが、空吸引工程が複数回行われて初めて生
しる場合には、制御工程は必ずしも各空吸引工程毎に行
う必要はなく、複数回行われる空吸引工程のうち、イン
クの飛び出しが生じるときにのみ行うようにしてもよ
い。
以上述べたように本発明によれば、特殊な弁機構を設
けることなく、記録ヘッドに不要なインクが付着するこ
とが防止されるが、仮に特殊な弁機構を設けたポンプで
あっても作動不良によりインクの逆流が生じるような場
合に本発明は有効に適用可能である。
なお、本発明は、インクジェット記録装置の中でも、
記録ヘッドが熱エネルギーを利用して吐出口からインク
を吐出させるもので、インクに与える熱エネルギーを発
生するための電気熱交換体を有するものである場合、特
に前記記録ヘッドが、前記電気熱交換体によって印加さ
れる熱エネルギーによって生じる膜沸騰による気泡の成
長によって、吐出口よりインクを吐出させるものである
場合に優れた効果をもたらすものである。このように記
録ヘッドがインクに与える熱エネルギーを発生する電気
熱交換体を有するもの、ならびにインクに膜沸騰を生じ
させる熱エネルギーを発生する電気熱交換体を有するも
のである場合、記録ヘッドの吐出回復処理のために記録
ヘッドから吐出された廃インクは増粘したり塵埃の混入
が生じたりしていることが多いため、逆流してキャップ
から飛び出して記録ヘッドに付着すると、記録ヘッドの
吐出口に目詰まりを生じさせやすいからである。
(その他) なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中で
もキヤノン株式会社が提唱しているバブルジェット方式
の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらす
ものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精
細化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の
いずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の
場合には、液体(インク)が保持されているシートや流
路に対応して配置されている電気熱交換体に、記録情報
に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電
気熱交換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの
熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号
に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成でき
るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用
開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許
第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されて
いるようなものが適している。なお、上記熱作用面の温
度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に
記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を
行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、流路、電気熱交換体の組合わせ
構成(直線状流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈
曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第
4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた
構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電
気熱交換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体
の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報
や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応
させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、
記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明
によれば記録を確実に効率よく行うことができるように
なるからである。
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対
応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対
しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッ
ドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその
長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘ
ッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも装置
本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
また、本発明に記録装置の構成として設けられる、記
録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ま
しいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッ
ドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加
圧あるいは吸引手段、電気熱交換体あるいはこれとは別
の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うこ
とも安定した記録を行うために有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに
対応して複数個設けられるものであってもよい。すなわ
ち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流
色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的
に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよ
いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は究めて
有効である。
さらに加えて、以上説明した本発明実施例において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式ではインク自体
を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインク
の粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが
一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状
をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネルギ
ーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態
変化のエネルギーとして使用せしめることで防止する
か、またはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固
化するインクを用いるかして、いずれにしても熱エネル
ギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、
液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時
点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギー
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱交換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
が、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
さらに加えて、本発明に係るインクジェット記録装置
の形態としては、上述のようなワードプロセッサやコン
ピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体ま
たは別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせ
た複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ
装置の形態を採るものであっても良い。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、極めて容易な
動作制御上の工夫で、記録ヘッドに不要なインクが付着
することが防止される。したがって、記録ヘッドからの
インクの吐出状態は常に良好になるとともに、記録ヘッ
ド表面に付着するインクの量を少なくすることがてきる
ので、記録ヘッド表面の不要なインク滴を排除するため
のワイピング操作時にブレードの汚れが軽減され、大量
に連続印刷を行う場合においてもワイピング性能が低下
せず、印字品位が格段に改善することができる。また、
特殊な弁機構を設ける必要がないため、装置の小型化、
コストダウンにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るインクジェット記録装置の全体
構成図、 第2図は、本発明を適用した機器の一実施例としてワー
ドプロセッサの構成を示す斜視図、 第3図は、そのプリンタ部としてのインクジェット記録
装置の一実施例を示す斜視図、 第4図は、第2図に示したヘッドカートリッジの外観斜
視図、 第5図(A)および(B)は、第4図に示したヘッドカ
ートリッジの分解斜視図および外観斜視図、 第5図(C)は、第5図(A)における記録ヘッド天板
の構成例を示す斜視図、 第6図は、第3図示の吐出回復機構の分解斜視図、 第7図(A)および(B)は、本例に係るキャップの正
面図および側断面図、 第8図は、吐出回復機構各部を動作させるためのカムの
輪郭曲線を示す説明図、 第9図は、本例に係るポンプの作動を説明するための説
明図、 第10図は、本例に係るヘッドカートリッジの走査位置関
係図、 第11図は、本例に係るインクジェット記録装置の制御系
の構成例を示すブロック図、 第12図は、吐出回復処理におけるクリーニング動作手順
の一例を示すフローチャートである。 9……ヘッドカートリッジ 9a……吐出ユニット 51……キャップ 53……ポンプ 999……マイクロコンピュータ

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録ヘッドから排出されたインクを受ける
    インク受け部材と、 該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導
    出手段と、 該導出手段による導出工程中に前記記録ヘッドと前記イ
    ンク受け部材とが対向する位置関係にならないように、
    前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相対位置を制御
    する制御手段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記制御手段は、前記記録ヘッドと前記イ
    ンク受け部材とが対向する位置関係にならないように少
    なくとも一方をロックして非対向位置にするロック手段
    である請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記記録ヘッドを、前記
    インク受け部材と対向しない位置関係に移動走査させる
    ものである請求項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】インク受け部材がキャップを有している請
    求項1記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記キャップがインク吸収体を備えている
    請求項1記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】記録ヘッドから排出されたインクを受ける
    インク受け部材と、 該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導
    出手段と、 該導出手段の作動工程中に前記記録ヘッドと前記インク
    受け部材の少なくとも一方を変位させて対向位置関係か
    ら非対向位置にする変更手段と、を備えることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】記録ヘッドから排出されたインクを受ける
    インク受け部材と、 該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導
    出手段と、 該導出手段による導出工程中に前記記録ヘッドと前記イ
    ンク受け部材とが対向する位置関係にならないように、
    前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相対位置を制御
    する制御手段とを備え、 該制御手段は、前記導出工程中にインクの逆流により前
    記インク受け部材からインクが飛び出す前に制御を実行
    するものであるインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】記録ヘッドと、 該記録ヘッドから排出されたインクを受けるインク受け
    部材と、 該インク受け部材から廃インク収納部へインクを導く導
    出手段と、 該導出手段の作動工程中に、前記記録ヘッドと前記イン
    ク受け部材とが対向する位置関係にならないように、前
    記記録ヘッドと前記インク受け部材の少なくとも一方を
    制御する制御手段と、 を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用し
    て吐出口からインクを吐出させるもので、インクを与え
    る熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を有する
    請求項8記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】前記記録ヘッドは、前記電気熱変換体に
    よって印加される熱エネルギーによって生じる膜沸騰に
    よる気泡の成長によって、吐出口よりインクを吐出させ
    るものである請求項9記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】記録ヘッドから排出されたインクを受け
    るインク受け部材と、 該インク受部材から廃インク収納部へインクを導くポン
    プ手段と、 該ポンプ手段の作動工程中に、前記記録ヘッドと前記イ
    ンク受け部材とが対向する位置関係にならないように、
    前記記録ヘッドと前記インク受け部材の相対位置を制御
    する制御手段とを備え、 前記ポンプ手段は、ポンプ手段本体内のピストンの動き
    により前記ポンプ手段本体内に発生した負圧を前記ポン
    プ手段本体に設けられた連絡口を介して前記インク受け
    部材側へ伝えることにより前記インク受け部材が受けた
    インクを吸引して前記ポンプ手段本体内に導入し、さら
    に前記廃インク収納部へインクを導くものであるインク
    ジェット記録装置。
  12. 【請求項12】前記相対位置の制御は、少なくともピス
    トンの吸引動作後の復帰時に行う請求項11記載のインク
    ジェット記録装置。
  13. 【請求項13】前記相対位置の制御は、少なくともピス
    トンの往復移動の反転時に行う請求項11記載のインクジ
    ェット記録装置。
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