JP2814289B2 - ヘッドキャップおよび該ヘッドキャップを用いるインクジェット記録装置 - Google Patents

ヘッドキャップおよび該ヘッドキャップを用いるインクジェット記録装置

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JP2814289B2 JP2095976A JP9597690A JP2814289B2 JP 2814289 B2 JP2814289 B2 JP 2814289B2 JP 2095976 A JP2095976 A JP 2095976A JP 9597690 A JP9597690 A JP 9597690A JP 2814289 B2 JP2814289 B2 JP 2814289B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、被記録材にインクを吐出させて記録を行な
うインクジェット記録ヘッドを覆うヘッドキャップ、並
びに該ヘッドキャップを用いるインクジェット記録装置
に関する。
〔従来の技術〕
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記録装置は、画
像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板等の被記録材
上にドットパターンから成る画像を記録していくように
構成されている。
前記記録装置は、記録方式により、インクジェット
式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等
に分けることができ、そのうちのインクジェット式(イ
ンクジェット記録装置)は、インクジェット記録ヘッド
の吐出口から記録液(インク)滴を吐出飛翔させ、これ
を被記録材に付着させて記録するように構成されてい
る。
被記録材に記録ヘッドからインクを吐出させて記録を
行なうインクジェット記録装置においては、インク吐出
を停止した非記録状態で、吐出口内に充満されているイ
ンクが空気との接触により蒸発して増粘固着し、目詰ま
りが生じることがある。
従来、このようなインクの蒸発による増粘固着を防止
する方法として、非記録時に凹状の柔軟性部材から成る
ヘッドキャップを記録ヘッドの吐出口面に押し当てて密
閉状態にし、大気との接触を防いでインクが蒸発しない
ようにする方法、あるいは、吐出口内のインクが増粘固
着して目詰まりを起こした場合に、吐出口面をヘッドキ
ャップで密閉した状態で該ヘッドキャップに連結した吸
引ポンプを作動させることにより、吐出口内の増粘固着
インクを吸い出して目詰まりを解消させる回復方法など
が提案されている。
第7図は従来のヘッドキャップの一構造例を示す模式
的縦断面図であり、第8図は従来のヘッドキャップの他
の構造例を示す模式的縦断面図である。
〔発明が解決しようとする技術的課題〕
しかしながら、第7図の従来のヘッドキャップでは、
キャップ51の形状を型とし、吸引ポンプに接続される
インク排出口52をその中央部に設けていたので、吸引ポ
ンプでキャップ内のインクを吸い出したとしても、イン
ク排出口52より下のキャップ内インク53は吸い出すこと
ができず、図示のようにキャップ内に残ってしまう。
キャップ内にインクが残ったままにしておくと、該イ
ンクが蒸発して増粘インクとなり、その状態で吐出口面
にキャッピングさせると、この増粘したインクが吐出口
面に付着して吐出不良を引き起こしてしまう。
また、キャップ内のインク53に紙粉やその他のゴミが
付着堆積すると、キャッピングした時に記録ヘッドとキ
ャップのリブ部分との間にゴミが挟まれて密閉状態が保
たれなくなり、記録ヘッドの目詰まりが頻繁に発生する
などの問題があった。
その他の従来例として、第8図に示すように、ヘッド
キャップ51の端部にインク排出口52を設け、キャップ内
のインクを残さないようにした構造が提案されている。
この第8図のヘッドキャップでは、記録ヘッドを横向
き(水平)に使用し、したがって、ヘッドキャップ51の
図示の状態から立てて凹面を横向きのの姿勢で使用す
る場合は、インクを残さずに排出できるが、記録ヘッド
を下向きして使用し、したがっで、第8図に示すように
ヘッドキャップ51の凹面を上向きにして使用する場合
は、図示のように、キャップ51内にインク53が残ってし
まう。
したがって、第7図の場合と同様、キャップ51内のイ
ンク53がキャッピング時に吐出口面に付着して吐出不良
を引き起こしたり、さらには、キャップ51内のインク53
に紙粉などのゴミが付着堆積し、キャッピングした時に
キャップ51の密閉不良により吐出口の目詰まりが頻繁に
発生するなどの技術的課題があった。
また、その他の例としては、キャップ内にインク吸収
体を設けることにより、キャップ内インクと記録ヘッド
(吐出口面)との接触を防止する構造のものが提案され
ている。
しかし、上記キャップの空洞部自体が従来の通りであ
ると、却ってインク吸収体の保持インクがあるために不
要インク付着が生じることもあった。
また、最近では、記録ヘッドとインクタンクとを一体
化させたヘッドカートリッジの出現により、ヘッド交換
が容易になったことから、黒色等の主流色の記録モード
だけでなく、異なる色のヘッドカートリッジを使用する
場合が考えられてきている。
このため、キャップ内のインクが残っている場合は、
キャップ内のインクと異なる色のヘッド カートリッジを用いると、該キャップ内のインクが記
録ヘッドのインクと混ざって混合してしまうという技術
的課題が生じてきた。
また、キャップ内のインク吸収体の有無に係わらず、
吸引ポンプで回復動作を行なうと、従来のキャップで
は、その空洞内に残留インクが溜まったり、また、キャ
ップ内の対流拡散でインクが混じり合い、これが記録ヘ
ッドに付着し、その結果として混色を引き起こすという
技術的課題もある。
以上より、ヘッドキャップでは吸収体があっても無く
ても実用上不都合は無く、キャップ内にインクが残らな
い状態に保つ必要がある。
本発明は以上のような技術的課題に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、インクをほぼ水平方向に吐
出する横形態およびインクをほぼ下向きに吐出する縦形
態のいずれの形態においても、回復動作などによってヘ
ッドからキャップ内へ排出されたインクの全てを確実に
インク排出口から除去することができ、滞留インクによ
る吐出口面の汚染やキャップ内での紙粉等のゴミの堆積
を無くすとともに、吸引回復時に吸引力を集中させるこ
とができ、効率のよい吸引回復処理を行なうことができ
るヘッドキャップおよび該ヘッドキャプを用いるインク
ジェット記録装置を提供することである。
〔課題解決のための手段〕
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、画像情
報に基づいて吐出口からインクを吐出して被記録材に記
録を行なうインクジェット記録ヘッドと、該インクジェ
ット記録ヘッドを装着するためのヘッド装着部と、該ヘ
ッド装着部に装着された前記インクジェット記録ヘッド
によって記録がなされる記録位置へ被記録材を搬送する
ための搬送手段と、前記吐出口を覆うための開口をもつ
ヘッドキャップと、該ヘッドキャップが前記吐出口を覆
っているときに前記ヘッドキャプ内のインク排出口を介
して前記吐出口から吸引を行なうための吸引手段と、を
具備し、装置の記録可動形態として前記吐出口からイン
クをほぼ水平方向に吐出する横形態と前記吐出口からイ
ンクをほぼ下向きに吐出する縦形態とをとり得るインク
ジェット記録装置において用いられるヘッドキャプであ
って、前記ヘッドキャップは、前記開口から前記インク
排出口に向かって連続的に縮小するテーパー状の空洞部
を有し、前記横形態および前記縦形態のいずれにおいて
も、前記インク排出口は前記空洞部の下方端部に位置
し、前記空洞部の内壁面はインクを当該インク排出口へ
案内する傾斜をなすことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記目的を達成するため、画像情
報に基づいて吐出口からインクを吐出して被記録材に記
録を行なうインクジェット記録ヘッドと、該インクジェ
ット記録ヘッドを装着するためのヘッド装着部と、該ヘ
ッド装着部に装着された前記インクジェット記録ヘッド
によって記録がなされる記録位置へ被記録材を搬送する
ための搬送手段と、前記吐出口を覆うための開口をもつ
ヘッドキャップと、該ヘッドキャップが前記吐出口を覆
っているときに前記ヘッドキャプ内のインク排出口を介
して前記吐出口から吸引を行なうための吸引手段と、を
具備し、装置の記録可能形態として前記吐出口からイン
クをほぼ水平方向に吐出する横形態を前記吐出口からイ
ンクをほぼ下向きに吐出する縦形態とをとり得るインク
ジェット記録装置であって、前記ヘッドキャップは、前
記開口から前記インク排出口に向かって連続的に縮小す
るテーパー状の空洞部を有し、前記横形態および前記縦
形態のいずれにおいても、前記インク排出口は前記空洞
部の下方端部に位置し、前記空洞部の内壁面はインクを
当該インク排出口へ案内する傾斜をなすことを特徴とす
る。
〔実施例〕
以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明する。
第6図は、本発明によるヘッドキャップを備えたイン
クジェット記録装置の一実施例を示す模式的斜視図であ
る。
第6図において、ヘッドカートリッジ101は被記録材
(用紙やプラスチック薄板等のシート状の記録媒体)P
に沿って往復移動するキャリッジ102上に搭載されてい
る。
このヘッドカートリッジ101は、記録ヘッド(インク
ジェット記録ヘッド)とインクタンクとを一体的に構成
したものであり、被記録材Pと対向する面には、吐出口
が形成された吐出口面1が設けられている。
前記記録ヘッド101は、熱エネルギーを利用してイン
クを吐出するインクジェット記録ヘッドであって、熱エ
ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたもので
ある。
また、前記インクジェット記録ヘッド101は、前記電
気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じ
る膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりインク
を吐出させ、記録を行なうものである。
駆動モータ13の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギヤ1
1、9を介して、キャリッジ102のガイドシャフトを構成
するリードスクリュウ5が回転駆動される。
前記リードスクリュウ5の螺旋溝4に係合している前
記キャリッジ102は、該リードスクリュウ5の回転に応
じて矢印P、R方向に往復駆動される。
被記録材Pは、シート押さえ板2により、キャリッジ
移動方向にわたって配設されたプラテン24に押圧されて
いる。
記録装置の左端部にはホームポジション検知手段とし
てのフォトカプラー7、8が設置されており、キャリッ
ジ102が左端のホームポジションに来た時に該キャリッ
ジのレバー6の存在を検知し、駆動モータ13の回転方向
の切り換え等を行なうように構成されている。
記録領域(略プラテン24の範囲)とホームポジション
との間には、記録ヘッド101の吐出口面1をキャッピン
グするためのヘッドキャップ22が設けられている。
前記ヘッドキャップ22は、キャップホルダー16に支持
されている。
また、ヘッドキャップ22の内部は、開口23を介して、
吸引ポンプ等の吸引手段15に接続され、吐出口面1をキ
ャッピングした状態で吸引手段15を作動させることによ
り記録ヘッド(ヘッドカートリッジ)101の吸引回復が
行なわれる。
前記ヘッドキャップ22とプラテン24との間には、記録
ヘッド101の吐出口面1をワイピングするためのクリー
ニングブレード17が配設されている。
前記クリーニングブレード17は、前後方向に移動可能
なホルダー19に保持され、該ホルダー19は支持部材18に
前後方向移動可能に装着されている。
なお、前記クリーニングブレード17としては、図示の
ような形態の他、周知の種々の形態のものを使用するこ
とができる。
符号20は前記駆動モータ13の駆動力をクラッチ切り換
えするためのカムであり、キャリッジ102がホームポジ
ションに到達した時、該キャリッジが前記カム20と係合
してこれを移動させ、該カムの移動により吸引回復の吸
引を開始するためのレバー21を移動させ、これによって
ホームポジションでの記録ヘッドの吐出口の吸引回復動
作を行ない得る状態にセットされる。
以上説明したキャッピング手段22、クリーニング手段
17、吸引回復手段15は、キャリッジ102がホームポジシ
ョン側領域に来た時、リードスクリュウ5の作用によっ
て、それらの対応位置で所望のタイミングで所望の処理
が行なわれるように構成されている。
第1図は第6図中のヘッドキャップ22を正面側から見
た斜視図であり、第2図は第1図の縦断面図である。
第1図および第2図において、221はヘッドカートリ
ッジ(記録ヘッド)101の吐出口面1に当接する密封部
分であり、222はヘッドキャップ22内面(空洞部)の端
部に設けられたインク排出口であり、223は前記インク
排出口222を吸引ポンプ等の吸引回復手段15へ接続する
ためのインク排出路である。
ヘッドキャップ22の内面には、前記インク排出口222
へ向かって収束する方向にテーパー状に形成された空洞
部224が設けられている。
以上の各部分221、222、223、224は全て一体に形成さ
れている。
次に、第1図および第2図のヘッドキャップ22を使用
する時の動作を説明する。
まず、キャップ22の密封部分221が記録ヘッド101の吐
出口面1に密着してキャップ内面が密閉状態になり、こ
こで吸引ポンプ15が作動してキャップ22内は負圧状態と
なり、記録ヘッド101の各吐出口からインクが吸引さ
れ、キャップ22内にインクが充満し、該インクはさらに
インク排出口222およびインク排出路223を通して吸引ポ
ンプ15内へ流出する。
次いで、ヘッドキャップ22は記録ヘッドの吐出口面1
から離されるが、この時点ではキャップ内面にインクが
溜まったままである。
そこで、もう一度吸引ポンプ15を作動させ、キャップ
22内のインクを吸引排出させる。
第3図は、前記ヘッドキャップ22により、記録ヘッド
101の吐出口面1の吸引回復を行なった後、該吐出口面
1からヘッドキャップ22を離し、該ヘッドキャップ内の
インク225を排出するためのポンプ吸引を行なっている
時の状態を示す模式的縦断面図である。
第3図は、インクジェット記録ヘッド101が水平姿勢
で取り付けられ、該記録ヘッドの吐出方向が横向きであ
り、したがって、ヘッドキャップ22の凹面が横向きの場
合を示す。
第3図において、ヘッドキャップ22内のインク225は
図示のようにテーパー状の斜面(空洞部)224に沿って
重力方向に流れ、全てのインク225が容易にインク排出
口222を通して吸引ポンプ15の方へ排出される。
第4図は、第1図〜第3図に示したヘッドキャップ22
を用いるインクジェット記録装置を縦て置きにした場
合、すなわち、記録ヒェッド101の吐出方向が下向きで
ヘッドキャップ22の凹面が上向きになっている場合を示
す。
第4図において、この場合は、キャップ22の内面224
がインク排出口222に向かって収束する方向のテーパー
状になっているので、キャップ22内に溜まったインク22
5は斜面224に沿ってインク排出口222へ流れ、全てのイ
ンクが該インク排出口222からインク排出路223を通して
ポンプ15内へ排出される。
第5図は本発明によるヘッドキャップ22の他の実施例
を示す模式的斜視図である。
第1図〜第4図のヘッドキャップ22におけるキャップ
内面の角隅部が角になっていたが、本実施例では、これ
らの角隅部が全て丸みを帯びた湾曲面にされている。
本実施例のヘッドキャップ22およびこれを用いるイン
クジェット記録装置は、上記の点で前述の実施例と相違
しており、その他の部分は実質上同じ構造をしている。
一般に、キャップ22内に角部があると、残留インクが
その部分に止まり易い。
そこで、本実施例においては、キャップ22内面のコー
ナー部を全て湾曲面にし、しかも、インク排出口222に
向かって収束する方向のテーパー形状としたので、キャ
ップ内のインクをより一層確実にインク排出口222へ流
すことができ、該インク排出口222から迅速かつ確実に
全てのインク225(第3図)を吸引手段15内へ排出する
ことが可能となった。
第9図および第10図は、本発明によるヘッドキャップ
を備え、縦置き型および横置き型の2つの形態で記録可
能なインクジェット記録装置を示す外観斜視図である。
第9図の縦置き形態では、記録ヘッドからのインクが
矢印Xで示すように下向きに吐出されるので、該記録ヘ
ッドと対向して配置されるヘッドキャップ22は、第4図
に示すように、その凹面が上向きになるように装着され
ている。
なお、第9図において、151は縦置きで使用する場合
の被記録材(用紙等)152の挿入口であり、装置内の被
記録材搬送経路は略水平に形成されており、記録された
被記録材152は反対側の排出口155(第10図参照)から排
出され、カバーを開いて形成したスタッカー153上へ積
載される。
一方、第10図の横置き形態では、記録ヘッドからのイ
ンクが矢印Xで示すように横向きに吐出され、前記ヘッ
ドキャップ22も記録装置とともに方向が代わり、第3図
に示すように、その凹面が横向きになる。
なお、第10図において、154は横置きで使用する場合
の被記録材152の挿入口であり、この場合の装置内の被
記録材搬送経路は略U字状に形成されており、記録され
た被記録材152は前述の縦置きの場合と同じ排出口155か
ら上向きに排出される。
第10図の横置き姿勢では、前述のカバー153は開いた
状態(ただし開き角度は必ずしも同じではない)で給紙
用のスタッカーとして使用されている。
こうして、第9図および第10図に例示するように、縦
置きおよび横置きの両形態で記録可能なインクジェット
記録装置において、両形態でキャップ22内のインクをイ
ンク排出口222に容易にかつ確実に案内するテーパ面を
有するヘッドキャップ22を備えたインクジェット記録装
置が得られる。
以上説明した各実施例によれば、ヘッドキャップ22の
内面の端部にインク排出口222を設けるとともに、該キ
ャップの内面を該インク排出口222に向かって収束する
方向のテーパー形状にしたので、該ヘッドキャップ22を
用いるインクジェット記録装置を横置きまたは縦置きの
いずれの姿勢にした場合でも、記録ヘッド101の吸引回
復後のヘッドキャップ222内のインクを、残すこと無
く、確実にインク排出口222を通して排出除去すること
が可能になった。
このため、ヘッドキャップ22内の残留インクによるヘ
ッド吐出口面1のインク汚れ、あるいはヘッドキャップ
22内での紙粉やゴミ等の付着堆積などを無くすことが可
能となり、信頼性の高いヘッドキャップ22およびこれを
用いるインクジェット記録装置を得ることができた。
また、インクタンク一体型のヘッドカートリッジ101
を使用するに際し、色の異なるカラーヘッドカートリッ
ジに交換する方式のインクジェット記録装置において、
同一ヘッドキャップ22を使用してキャッピング吸引回復
動作を行なう場合でも、インクの混色を無くすことがで
き、容易かつ簡単にキャラーヘッドカートリッジ101を
使用することが可能となった。
なお、以上の実施例では、本発明を、記録ヘッド(ヘ
ッドカートリッジ)101がキャリッジ102に搭載されたシ
リアルスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いる
シリアルスキャン型のインクジェット記録装置に適用す
る場合を例に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の
紙幅方向記録領域をカバーするライン型のインクジェッ
ト記録ヘッドを用いるライン型のインクジェット記録装
置など、他の記録方式のインクジェット記録装置に対し
ても適用でき、同様の作用効果を達成し得るものであ
る。
また、本発明は、記録ヘッドの個数にも関係無く適用
できるものである。
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でもキヤ
ノン(株)が提唱するバブルジェット方式のインクジェ
ット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置におい
て、優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうのが好ましい。
この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス
型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド
型の場合には、液体(インク)が保持されているシート
や液路に対して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一
対一対応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有
効である。
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体
(インク)を吐出させて、少なくとも一つの液を形成す
る。
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡
の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体
(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパル
ス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細
書、同第4345262号明細書に記載されているようなもの
が適している。
尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特
許第4313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリ
ットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開
昭59年第123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59年
第138461号公報に基づいた構成としても本発明は有効で
ある。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装置されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を負荷
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。
これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手
段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モードを行なうことも安定した記録を行
なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
以上説明した本発明実施例においては、インクを液体
として説明しているが、室温やそれ以下で固化するイン
クであって、室温で軟化もしくは液体、あるいは上述の
インクジェットではインク自体30℃以上70℃以下の範囲
で温度調整を行なってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液体をなすものであればよい。
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの
固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使
用することで防止するか、または、インクの蒸発防止を
目的として放置状態で固化するインクを用いるかして、
いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与
によってインクが液化してインク液状として吐出するも
のや、被記録材に到達する時点で既に固化し始めるもの
等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質
のインク使用も本発明には適用可能である。
このような場合、インクは、特開昭54−56847号公報
のように、多孔質シートの凹部または貫通孔に液状また
は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対し
て対向するような形態としてもよい。
本発明においては、上述したインクに対して最も有効
なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなごとく、請求項1の発明によ
れば、画像情報に基づいて吐出口からインクを吐出して
被記録材に記録を行なうインクジェット記録ヘッドと、
該インクジェット記録ヘッドを装着するためのヘッド装
着部と、該ヘッド装着部に装着された前記インクジェッ
ト記録ヘッドによって記録がなされる記録位置へ被記録
材を搬送するための搬送手段と、前記吐出口を覆うため
の開口をもつヘッドキャップと、該ヘッドキャップが前
記吐出口を覆っているときに前記ヘッドキャップ内のイ
ンク排出口を介して前記吐出口から吸引を行なうための
吸引手段と、を具備し、装置の記録可能形態として前記
吐出口からインクをほぼ水平方向に吐出する横形態と前
記吐出口からインクをほぼ下向きに吐出する縦形態とを
とり得るインクジェット記録装置において用いられるヘ
ッドキャップであって、前記ヘッドキャップは、前記開
口から前記インク排出口に向かって連続的に縮小するテ
ーパー状の空洞部を有し、前記横形態および前記縦形態
のいずれにおいても、前記インク排出口は前記空洞部の
下方端部に位置し、前記空洞部の内壁面はインクを当該
インク排出口へ案内する傾斜をなす構成としたので、前
記横および縦のいずれの形態においても、回復動作など
によってヘッドからキャップ内へ排出されたインクの全
てを確実にインク排出口から除去することができ、滞留
インクによる吐出口面の汚染やキャップ内での紙粉等の
ゴミの堆積を無くすとともに、吸引回復時に吸引力を集
中させることができ、ヘッドをインクが異なるものと交
換した場合にキャッピングや吸引回復動作を行なっても
混色を防止することができ、効率のよい吸引回復処理を
行なうことができるヘッドキャップが提供される。
請求項2の発明によれば、画像情報に基づいて吐出口
からインクを吐出して被記録材に記録を行なうインクジ
ェット記録ヘッドと、該インクジェット記録ヘッドを装
着するためのヘッド装着部と、該ヘッド装着部に装着さ
れた前記インクジェット記録ヘッドによって記録がなさ
れる記録位置へ被記録材を搬送するための搬送手段と、
前記吐出口を覆うための開口をもつヘッドキャップと、
該ヘッドキャップが前記吐出口を覆っているときに前記
ヘッドキャップ内のインク排出口を介して前記吐出口か
ら吸引を行なうための吸引手段と、を具備し、装置の記
録可能形態として前記吐出口からインクをほぼ水平方向
に吐出する横形態と前記吐出口からインクをほぼ下向き
に吐出する縦形態とをとり得るインクジェット記録装置
であって、前記ヘッドキャップは、前記開口から前記イ
ンク排出口に向かって連続的に縮小するテーパー状の空
洞部を有し、前記横形態および前記縦形態のいずれにお
いても、前記インク排出口は前記空洞部の下方端部に位
置し、前記空洞部の内壁面はインクを当該インク排出口
へ案内する傾斜をなす構成としたので、前記横および縦
のいずれの形態においても、回復動作などによってヘッ
ドからキャップ内へ排出されたインクの全てを確実にイ
ンク排出口から除去することができ、滞留インクによる
吐出口面の汚染やキャップ内での紙粉等のゴミの堆積を
無くすとともに、吸引回復時に吸引力を集中させること
ができ、ヘッドをインクが異なるものと交換した場合に
キャッピングや吸引回復動作を行なっても混色を防止す
ることができ、効率のよい吸引回復処理を行なうことが
できるインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるヘッドキャップの一実施例を示す
模式的斜視図、第2図は第1図の縦断面図、第3図は第
1図のヘッドキャップ内のインク排出の状態を示す模式
的縦断面図、第4図は記録装置の姿勢を変えてインクを
下向きに吐出する場合の第3図に相当する模式的縦断面
図、第5図は本発明によるヘッドキャプの他の実施例を
示す模式的斜視図、第6図は本発明によるインクジェッ
ト記録装置の一実施例を示す模式的斜視図、第7図は従
来のヘッドキャップの一例を示す模式的縦断面図、第8
図は従来のヘッドキャップの他の構造例を示す模式的縦
断面図、第9図は本発明によるヘッドキャップを備えた
インクジェット記録装置を縦置きで使用する状態を示す
外観斜視図、第10図は第9図の記録装置を横置きで使用
する状態を示す外観斜視図である。 以下に、図面中の主要な構成部分を表す符号を列挙す
る。 1……吐出口面、5……リードスクリュウ、13……駆動
モータ、15……吸引回復手段、17……クリーニングブレ
ード、22……ヘッドキャップ、24……プラテン、101…
…インクジェット記録ヘッド(ヘッドカートリッジ)、
102……キャリッジ、150……横置きおよび縦置きの両形
態で記録可能なインクジェット記録装置、152……被記
録材、221……密閉部分(キャップ)、222………インク
排出口(キャップ)、223……インク排出路(キャッ
プ)、224……テーパー状の空洞部、225……インク、P
……被記録材、X……記録ヘッドからのインク吐出方
向。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像情報に基づいて吐出口からインクを吐
    出して被記録材に記録を行なうインクジェット記録ヘッ
    ドと、 該インクジェット記録ヘッドを装着するためのヘッド装
    着部と、 該ヘッド装着部に装着された前記インクジェット記録ヘ
    ッドによって記録がなされる記録位置へ被記録材を搬送
    するための搬送手段と、 前記吐出口を覆うための開口をもつヘッドキャップと、 該ヘッドキャップが前記吐出口を覆っているときに前記
    ヘッドキャップ内のインク排出口を介して前記吐出口か
    ら吸引を行なうための吸引手段と、 を具備し、 装置の記録可能形態として前記吐出口からインクをほぼ
    水平方向に吐出する横形態と前記吐出口からインクをほ
    ぼ下向きに吐出する縦形態とをとり得るインクジェット
    記録装置において用いられるヘッドキャップであって、 前記ヘッドキャップは、前記開口から前記インク排出口
    に向かって連続的に縮小するテーパー状の空洞部を有
    し、 前記横形態および前記縦形態のいずれにおいても、前記
    インク排出口は前記空洞部の下方端部に位置し、前記空
    洞部の内壁面はインクを当該インク排出口へ案内する傾
    斜をなすことを特徴とするヘッドキャップ。
  2. 【請求項2】画像情報に基づいて吐出口からインクを吐
    出して被記録材に記録を行なうインクジェット記録ヘッ
    ドと、 該インクジェット記録ヘッドを装着するためのヘッド装
    着部と、 該ヘッド装着部に装着された前記インクジェット記録ヘ
    ッドによって記録がなされる記録位置へ被記録材を搬送
    するための搬送手段と、 前記吐出口を覆うための開口をもつヘッドキャップと、 該ヘッドキャップが前記吐出口を覆っているときに前記
    ヘッドキャップ内のインク排出口を介して前記吐出口か
    ら吸引を行なうための吸引手段と を具備し、 装置の記録可能形態として前記吐出口からインクをほぼ
    水平方向に吐出する横形態と前記吐出口からインクをほ
    ぼ下向きに吐出する縦形態とをとり得るインクジェット
    記録装置であって、 前記ヘッドキャップは、前記開口から前記インク排出口
    に向かって連続的に縮小するテーパー状の空洞部を有
    し、 前記横形態および前記縦形態のいずれにおいも、前記イ
    ンク排出口は前記空洞部の下方端部に位置し、前記空洞
    部の内壁はインクを当該インク排出口へ案内する傾斜を
    なすことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記インクジェット記録ヘッドが、熱エネ
    ルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであっ
    て、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  4. 【請求項4】前記インクジェット記録ヘッドが、電気熱
    変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜
    沸騰により気泡の成長によって、吐出口よりインクを吐
    出させることを特徴とする請求項3に記載のインクジェ
    ット記録装置。
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