JP2000185414A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2000185414A
JP2000185414A JP36548098A JP36548098A JP2000185414A JP 2000185414 A JP2000185414 A JP 2000185414A JP 36548098 A JP36548098 A JP 36548098A JP 36548098 A JP36548098 A JP 36548098A JP 2000185414 A JP2000185414 A JP 2000185414A
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ink
ink jet
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ejection
recording
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JP36548098A
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Inventor
Hiroyuki Saito
広行 斉藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備吐出領域に予備吐出を行う場合に、記録
動作時間が増大することを抑制する。 【解決手段】 記録ヘッド1は、ガイド軸3に沿って往
復移動されるキャリッジ2に搭載されている。キャリッ
ジ2によって記録領域外に移動された記録ヘッド1のイ
ンク吐出面1aに対向する位置には、記録ヘッド1のイ
ンク吐出性能を良好に維持するための回復装置14が備
えられている。回復装置14には、記録ヘッド1からイ
ンクが排出される予備吐出領域11が設けられている。
予備吐出領域11には、予備吐出領域11に対して開閉
可能に設けられた蓋13が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上にイン
クを吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプ
ロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーション
の出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基
づいて紙やプラスチック薄板等の記録媒体に画像を記録
していくように構成されている。この記録装置は、記録
方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サー
マル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差
する方向に記録手段を走査させるシリアルスキャン方式
を採るシリアルタイプの記録装置においては、記録媒体
の搬送方向に対して交差する方向(主走査方向)に往復
移動するキャリッジ上に搭載された記録手段によって画
像を記録し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送
り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した記録媒
体に対して、次の行の画像を記録するという動作を繰り
返すことにより、記録媒体全体に対して画像記録が行わ
れる。一方、記録媒体の搬送方向の副走査のみで記録す
るラインタイプの記録装置においては、記録媒体を所定
の位置にセットし、一括して1行分の記録を行った後、
所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、さらに、次の行
の記録を一括して行うという動作を繰り返すことによ
り、記録媒体全体に画像記録が行われる。
【0004】このような記録装置のうち、インクジェッ
ト式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手
段であるインクジェット記録ヘッドから記録媒体にイン
クを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパ
クト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録するこ
とができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録する
ことができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト
方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを
使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利
点を有している。中でも、紙幅方向に多数の吐出口を配
列したラインタイプの記録手段を使用したライン型の記
録装置は、記録の一層の高速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に成膜された電気熱変換体、電極、
液路壁および天板等を形成することにより、高密度の液
路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造するこ
とができ、記録手段の一層のコンパクト化を図ることが
できる。
【0006】一方、記録媒体の材質に対する要求も様々
なものがあり、近年では、通常の記録媒体である紙や樹
脂薄板(OHP等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイ
リング用のパンチ穴付紙やミシン目付き紙、任意な形状
の紙等)などを使用できることが要求されるようになっ
てきた。
【0007】以上のようなインクジェット記録装置で
は、インクの吐出が頻繁に行なわれない場合に、ノズル
内のインクが蒸発して増粘や固着を起こし、吐出不良の
原因となることがある。そこで、画像記録領域の外に設
けられた回復装置でインクを吐出する動作等を必要に応
じて行なうことにより、良好な吐出性能を維持してい
る。さらに長時間に亘って画像出力が行われない場合に
は、記録ヘッドのインク吐出面にキャップをして、ノズ
ル内におけるインクの乾燥を防止している。
【0008】以下に、上記に説明した従来のインクジェ
ット記録装置に備えられた回復装置の例を、図8および
図9を参照して説明する。図8は従来のインクジェット
記録装置に備えられた回復装置を示す斜視図、図9は図
8に示した回復装置を示す側面断面図である。
【0009】図8に示すように、吐出口からインクを吐
出して記録媒体に画像を記録する記録ヘッド101は、
キャリッジ102に搭載されている。キャリッジ102
は、移動方向を案内するガイド軸103に支持されて、
記録媒体(不図示)に対向しながら往復運動する。記録
媒体はピンチローラ(不図示)によってフィードローラ
(不図示)に圧接され、フィードローラが回転すること
により搬送される。さらに、画像が記録された後の記録
媒体は、不図示の排出ローラによって記録装置の外部に
排出される。
【0010】また、図8および図9に示すように、画像
記録領域外に移動された記録ヘッド101に対向する位
置には、記録ヘッド101のインク吐出機能の維持回復
を図るための回復装置114が備えられている。回復装
置114は、インクが吐出される予備吐出領域111
と、記録ヘッド101のインク吐出面を拭うワイパー1
08と、吐出口の乾燥を防ぎかつ吐出口を保護するため
に吐出口を覆うキャップ109と、キャップ109に負
圧を発生させて記録ヘッド101の吐出口からインクを
強制的に吸引するポンプ110とを有する。
【0011】インクを予備吐出領域111に吐出する予
備吐出動作は、記録ヘッド101のノズル内のインクを
排出するために行われるものであり、この動作によって
予備吐出領域111に吐出されたインクは、予備吐出領
域111の下方に備えられている排インク吸収体112
(図9参照)に落下して、吸収される。また、インク吐
出面に付着した紙粉などの異物や余分なインク等をワイ
パー108で拭き取るワイピング動作は、記録ヘッド1
01がワイパー108の上方を移動する際に、ワイパー
108の先端部がインク吐出面に当接することによって
行われる。記録ヘッド101のインク吐出性能を維持お
よび回復するため、上記のワイピング動作及びインク予
備吐出動作は、例えば、画像出力動作中において一定時
間(例えば60秒)が経過した後や、電源投入時などの
所定のタイミングで行われる。また、キャップ109に
よってインク吐出面を覆い、吐出口からインクを吸引す
るキャッピング動作は、例えば電源遮断前や画像信号出
力が中断してから一定時間(例えば60秒)が経過した
後に行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たインクジェット記録装置においては、近年、インクジ
ェット記録装置による記録装置の高画質化が要求される
ことに伴い、記録ヘッドが高解像度化し、吐出口が高密
度配列され、吐出口の数も大幅に増加し、吐出されるイ
ンク滴も小液滴化されるようになってきた。その結果、
前述した予備吐出動作を行なう時に、全てのノズルから
一斉にインクを吐出すると、インクが予備吐出領域に霧
状に拡散し、インクジェット記録装置の内部が汚染され
てしまうという問題があった。そのため、予備吐出領域
を筒状に形成し、その中にインクを吐出することによっ
て、上記問題の改善が図られていた。
【0013】ところが、予備吐出領域を筒状に形成して
その中にインクを吐出する構成とした場合には、記録ヘ
ッドの吐出面が筒状の予備吐出領域から移動する際に、
その移動により発生する気流が筒状の予備吐出領域内に
浮遊している霧状のインクを予備吐出領域外に引き出
し、インクジェット記録装置内に拡散させてしまう。そ
のため、予備吐出領域内に発生した霧状インクの浮遊が
収まるまで、記録ヘッドの吐出面を予備吐出領域に対向
する位置に停止させておく必要がある。しかし、この場
合には、インクジェット記録装置の記録動作時間を増大
させてしまう。
【0014】そこで本発明は、予備吐出領域に予備吐出
を行った場合に、記録動作時間の増大を抑えることがで
きるインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録装置は、吐出口からイ
ンクを吐出して記録媒体に画像記録を行うインクジェッ
ト記録手段の、インク吐出性能の維持および回復を図る
ための予備吐出が行われる予備吐出領域を有するインク
ジェット記録装置において、前記予備吐出領域には前記
予備吐出領域に対して開閉可能に設けられた蓋が備えら
れていることを特徴とする。
【0016】上記本発明によれば、予備吐出が終了した
後に、予備吐出領域内に発生した霧状インクの浮遊が収
まるまで蓋を閉じることにより、従来技術のように、予
備吐出領域内に発生した霧状インクの浮遊が収まるまで
記録ヘッドを予備吐出領域に対向する位置に停止させて
おかなくても、予備吐出領域内に霧状に浮遊したインク
が予備吐出領域の外に拡散することが防がれるため、記
録装置の記録動作時間が短縮される。
【0017】さらに、前記蓋は、前記インクジェット記
録手段が前記予備吐出領域に前記予備吐出を行う時に開
くように構成されていることが好ましい。
【0018】さらには、前記蓋は、前記インクジェット
記録手段が前記予備吐出領域への前記予備吐出を終了し
た後に閉じるように構成されていることが好ましい。
【0019】また、前記インクジェット記録手段を移動
させる移動手段が備えられ、前記蓋は前記移動手段によ
る前記インクジェット記録手段の移動に伴って開閉する
ように構成されていてもよい。
【0020】さらに、前記蓋は、前記インクジェット記
録手段が前記移動手段によって移動されて、前記インク
ジェット記録手段の前記吐出口が設けられているインク
吐出面が前記予備吐出領域に対向した時に開くように構
成されていることが好ましい。
【0021】さらには、前記蓋は、前記インクジェット
記録手段が前記移動手段によって移動されて、前記イン
クジェット記録手段の前記吐出口が設けられているイン
ク吐出面が前記予備吐出領域に対向した位置から離れる
時に閉じるように構成されていることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0023】(第1の実施形態)図1は、本発明のイン
クジェット記録装置の第1の実施形態を示す斜視図であ
る。
【0024】本実施形態のインクジェット記録装置で
は、インク吐出面1aに設けられた吐出口からインクを
吐出して記録媒体5に画像を記録する記録ヘッド1がキ
ャリッジ2に搭載されている。キャリッジ2は、移動方
向を案内するガイド軸3に支持されて記録媒体5に対向
しながら往復運動する。記録媒体5はピンチローラ6に
よってフィードローラ4に圧接され、フィードローラ4
が回転することにより搬送される。さらに、画像が記録
された後の記録媒体5は、排出ローラ7によって記録装
置の外部に排出される。また、記録ヘッド1は、熱エネ
ルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録
ヘッドであり、熱エネルギーを発生させるための電気熱
変換体55(図2参照)が備えられている。そのため、
記録ヘッド1は、電気熱変換体55によって印加される
熱エネルギーにより生じる沸騰膜による気泡の成長、収
縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりイン
クを吐出させ、画像記録を行うものである。
【0025】さらに、本実施形態のインクジェット記録
装置は、画像記録領域外に移動された記録ヘッド1に対
向する位置に、記録ヘッド1のインク吐出機能の維持回
復を図るための回復装置14が備えられている。
【0026】図2は、図1に示した記録ヘッドのインク
吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【0027】図2に示すように、記録媒体5(図1参
照)と所定の間隔(例えば、約0.5〜2.0mm程
度)をおいて対面する吐出口形成面51(インク吐出面
1a)には、所定のピッチで複数の吐出口52が形成さ
れ、共通液室53と各吐出口52とを連通する各液路5
4の壁面に沿って、インク吐出用エネルギーを発生する
発熱抵抗体等の電気熱変換体55が配設されている。こ
のようにして、画像信号または吐出信号に基づいて対応
する電気熱変換体55を駆動(通電)して、液路54内
のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって
吐出口52からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成
されている。なお、本実施形態においては、記録ヘッド
1は、吐出口52の列がキャリッジ2(図1参照)の走
査方向に対して交差する方向に並ぶような位置関係で、
キャリッジ2に搭載されている。
【0028】図3は図1に示したインクジェット記録装
置に備えられた回復装置を示す斜視図、図4は図3に示
した回復装置を示す側面断面図である。
【0029】上述したように、本実施形態の記録装置に
は、記録ヘッド1の動作を安定させるために回復装置1
4が備えられている。回復装置14は、インクが吐出さ
れる予備吐出領域11と、記録ヘッド1のインク吐出面
1aを拭うワイパー8と、吐出口の乾燥を防ぎかつ吐出
口を保護するためにインク吐出面1aを覆うキャップ9
と、キャップ9に負圧を発生させて記録ヘッド1の吐出
口からインクを強制的に吸引するポンプ10とを有す
る。これらの構成により、記録ヘッド1に対する予備吐
出動作、ワイピング動作およびキャッピング動作等が行
われる。
【0030】インクを予備吐出領域11に吐出する予備
吐出動作は、記録ヘッド1のノズル内のインクを排出す
るために行われるものであり、この動作によって予備吐
出領域11に吐出されたインクは、予備吐出領域11の
下方に備えられている排インク吸収体12(図4参照)
に落下して、吸収される。また、インク吐出面1aに付
着した紙粉などの異物や余分なインク等をワイパー8で
拭き取るワイピング動作は、記録ヘッド1がワイパー8
の上方を移動する際に、ワイパー8の先端部がインク吐
出面1aに当接することによって行われる。さらに、キ
ャップ9によってインク吐出面1aを覆い、吐出口から
インクを吸引するキャッピング動作は、記録ヘッド1の
吐出口の目詰まりを防止したり、記録ヘッド1のノズル
内に発生した気泡等を除去するために行われる。なお、
ワイパー8によるインク吐出面1aの清掃の前後や記録
動作中の一定時間毎に、予備吐出領域11に予備吐出を
行うことにより、出力画像の画質のさらなる安定化が図
られる。
【0031】このように、回復装置14によれば、記録
ヘッド1のノズル内におけるインクの増粘化やインク固
着による吐出不良を防止することなどにより、吐出口か
らのインク吐出状態の維持および回復を図ることができ
る。
【0032】本実施形態においては、予備吐出領域11
が筒状に形成され、その上方に開閉可能な蓋13が設け
られている。蓋13は、記録装置の内部に備えられた制
御部(不図示)に制御される不図示のソレノイドによっ
て、記録ヘッド1が予備吐出領域11の上方に到達して
予備吐出を開始する直前に開き、予備吐出が終了すると
閉じるように構成されている。従って、従来技術のよう
に、予備吐出領域11内に発生した霧状インクの浮遊が
収まるまで、記録ヘッド1の吐出面1aを予備吐出領域
11に対向させた状態で停止させておかなくても、予備
吐出領域11内に霧状に浮遊したインクが予備吐出領域
11の外に拡散することを防止できる。予備吐出領域1
1内の霧状インクは、時間の経過とともに、予備吐出領
域11の下方に設けられた排インク吸収体12に吸収さ
れる。
【0033】なお、上記には、キャリッジ2に1個の記
録ヘッド1を搭載した単色記録用のインクジェット記録
装置を例に挙げて説明したが、本発明は、複数個の記録
ヘッド1を用い、異なる色のインクで記録するカラー記
録用のインクジェット記録装置や、同じく複数の記録ヘ
ッド1を用い、同一色彩で濃度の異なるインクで記録す
る階調記録用のインクジェット記録装置など、記録ヘッ
ドの数に関係なく同様に適用することができ、これらの
場合にも同様の作用効果を達成し得るものである。
【0034】さらに、記録ヘッド1およびインクタンク
の構成としては、記録ヘッド1とインクタンクとが一体
化されたカートリッジタイプのもの、あるいは記録ヘッ
ド1とインクタンクとを別体とし、これらをインク供給
チューブで接続するものなど、どのような構成のもので
あっても同様に適用することができ、上記と同様の効果
を達成し得るものである。
【0035】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、インク吐出手段として例えばピエゾ素子等が
用いられた記録手段(記録ヘッド)が使用されるものに
も適用できるが、中でも、熱エネルギーを利用してイン
クを吐出する方式によれば、記録の高密度化、高精細化
が達成できるため、かかる方式が用いられたインクジェ
ット記録装置において優れた効果をもたらすものであ
る。
【0036】熱エネルギーを利用してインクを吐出する
記録ヘッドの代表的な構成や原理については、例えば、
米国特許第4723129号明細書、同第474049
6号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行う
ものが好ましい。この方式は、いわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、核沸騰を越える急速な温度上昇を与
える少なくとも一つの駆動信号を記録情報に対応して印
加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発
生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、イン
ク液路内に結果的にこの駆動信号に一対一に対応した気
泡を形成できるので有効である。
【0037】この気泡の成長、収縮により吐出口から液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの液滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長、収縮が行われるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463
359号明細書、同第4345262号明細書に記載さ
れているようなものが適している。なお、上記熱作用面
の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124
号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れ
た記録を行うことができる。
【0038】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に開示された、熱作用部が屈曲
する領域に配置されている構成を用いた構成も本発明に
含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対
して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする
構成を開示する特開昭59−1236780号公報や、
熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応さ
せる構成を開示する特開昭59−138461号公報に
基づいた構成としても、本発明は有効である。すなわ
ち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本
発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるよ
うになる。
【0039】さらに、記録装置によって記録できる記録
媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプ
の記録ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。
そのような記録ヘッドとしては、複数の記録ヘッドを一
列に組み合わせることによってその長さを満たす構成
や、一体的に形成された1個の記録ヘッドからなる構成
のいずれでもよい。加えて、上記に説明したようなシリ
アルタイプのものでも、記録装置本体に固定された記録
ヘッド、あるいは記録装置本体に装着されることで、記
録装置本体との電気的な接続や記録装置本体からのイン
クの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘ
ッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンク
が設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた
場合にも、本発明は有効である。
【0040】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
の記録ヘッドのみが設けられたものの他、記録色や濃度
を異にする複数のインクに対応して複数個設けられるも
のであってもよい。すなわち、例えば、記録装置の記録
モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モードだけ
ではなく、記録ヘッドを一体的に構成するかあるいは複
数個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる
色の複色のカラー又は、混色によるフルカラーの少なく
とも一つを備えた記録装置にも本発明はきわめて有効で
ある。
【0041】さらに、以上説明した本実施形態において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化
するもの、あるいはインクジェット方式では、インク自
体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行なっ
てインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御す
るものが一般的であるから、記録動作時すなわち記録信
号付与時にインクが液状をなすものであればよい。加え
て、熱エネルギー印加によるインク昇温を、インクを固
形状態から液体状態へ移行させるエネルギーとして積極
的に使用せしめることで防止するか、または、インクの
蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを用い
るかして、いずれにしても、熱エネルギーの記録信号に
応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出
されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し
始めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液
化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能
である。
【0042】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されているような、多孔質シートの凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0043】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有する
ファクシミリ装置の形態を取るものであってもよい。
【0044】図5は、図1等に示したインクジェット記
録装置の回復装置による、他の浮遊インク拡散防止工程
を説明するためのフローチャートである。
【0045】上記には、予備吐出領域11内に霧状に浮
遊したインクが予備吐出領域11の外部に拡散すること
を防止するために、蓋13を、記録ヘッド1が予備吐出
領域11の上方に到達して予備吐出を開始する直前に開
き、予備吐出が終了すると閉じるように制御する例を説
明した。浮遊インクの拡散防止は、上記例の他にも、蓋
13を通常開放状態とし、予備吐出領域11に予備吐出
が行われた直後にソレノイドにより蓋13を閉じ、予備
吐出領域11内の浮遊インクがインク吸収体12に吸収
されるのに十分な所定時間が経過した後に、蓋13を再
度開放状態とすることによっても、達成される。
【0046】図5に示す他の浮遊インク拡散防止工程で
は、まず最初に、記録ヘッド1を蓋13が開放された状
態の予備吐出領域11の上方へ移動させる(S1)。次
に、予備吐出領域11へインクの予備吐出を行い(S
2)、その直後にソレノイドにより蓋13を閉じる(S
3)。続いて、記録ヘッド1を再び記録可能領域に移動
させ(S4)、蓋13を閉じてからの経過時間の計測を
開始する(S5)。予備吐出領域11内の浮遊インクが
インク吸収体12に吸収されるのに十分な所定時間が経
過したら(S6)、予備吐出領域11の蓋13を開く
(S7)。
【0047】このような浮遊インク拡散防止工程によっ
ても、予備吐出領域11内に霧状に浮遊したインクが予
備吐出領域11の外部に拡散することを防止することが
できる。
【0048】(第2の実施形態)図6は本発明のインク
ジェット記録装置の第2の実施形態の回復装置を、蓋を
閉じた状態で示す斜視図であり、図7は本発明のインク
ジェット記録装置の第2の実施形態の回復装置を、蓋を
開いた状態で示す斜視図である。
【0049】ここで、本実施形態のインクジェット記録
装置における記録ヘッド21、キャリッジ22、ガイド
軸23、回復装置34のワイパー28、予備吐出領域3
1、キャップ29およびポンプ30等の各構成は、図1
等に示した第1の実施形態のインクジェット記録装置と
同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0050】図6および図7に示すように、本実施形態
では、キャリッジ22の下面に突起22aが設けられて
いるとともに、回復装置34に備えられた蓋33の上面
には、その突起22aが当接されるテーパ面33aが設
けられている。なお、図6に示すように、突起22aが
テーパ面33aに当接されていないときには、蓋33
は、記録装置内に備えられた戻しばね35によって付勢
されて、閉じられた状態となっている。
【0051】上記のように構成されたインクジェット記
録装置では、キャリッジ22に搭載された記録ヘッド2
1のインク吐出面21aが予備吐出領域31に対向する
位置に移動する動作に伴って、キャリッジ22の突起2
2aが蓋33のテーパ面33aに対してスライドするよ
うに当接され、これにより図7に示すように蓋33が開
く。これとは逆に、インク吐出面21aが予備吐出領域
31に対向する位置から遠ざかる方向にキャリッジ22
が移動すると、戻しばね35の付勢力によって蓋33が
閉じる。
【0052】このように、本実施形態においても、記録
ヘッド21が予備吐出領域31の上方に到達して予備吐
出を開始する直前に蓋33が開き、予備吐出が終了する
と蓋33が閉じるので、従来技術のように、予備吐出領
域31内に発生した霧状インクの浮遊が収まるまで、記
録ヘッド21の吐出面21aを予備吐出領域31に対向
させた状態で停止させておかなくても、予備吐出領域3
1内に霧状に浮遊したインクが予備吐出領域31の外に
拡散することを防止することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録装置は、予備吐出が行われる予備吐出領域
に、予備吐出領域に対して開閉可能に設けられた蓋が備
えられているので、予備吐出領域内に発生した霧状イン
クの浮遊が収まるまで記録ヘッドを予備吐出領域に対向
する位置に停止させておく必要がなく、記録装置の記録
動作時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の第1の実施
形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した記録ヘッドのインク吐出部の構造
を模式的に示す部分斜視図である。
【図3】図1に示したインクジェット記録装置に備えら
れた回復装置を示す斜視図である。
【図4】図3に示した回復装置を示す側面断面図であ
る。
【図5】図1等に示したインクジェット記録装置の回復
装置による、他の浮遊インク拡散防止工程を説明するた
めのフローチャートである。
【図6】本発明のインクジェット記録装置の第2の実施
形態の回復装置を、蓋を閉じた状態で示す斜視図であ
る。
【図7】本発明のインクジェット記録装置の第2の実施
形態の回復装置を、蓋を開いた状態で示す斜視図であ
る。
【図8】従来のインクジェット記録装置に備えられた回
復装置を示す斜視図である。
【図9】図8に示した回復装置を示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
1,21 記録ヘッド 1a,21a インク吐出面 2,22 キャリッジ 3,23 ガイド軸 4 フィードローラ 5 記録媒体 6 ピンチローラ 7 排出ローラ 8,28 ワイパー 9,29 キャップ 10,30 ポンプ 11,31 予備吐出領域 12 排インク吸収体 13,33 蓋 14,34 回復装置 22a 突起 33a テーパ面 35 戻しばね 51 吐出口形成面 52 吐出口 53 共通液室 54 液路 55 電気熱変換体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出して記録媒体に
    画像記録を行うインクジェット記録手段の、インク吐出
    性能の維持および回復を図るための予備吐出が行われる
    予備吐出領域を有するインクジェット記録装置におい
    て、 前記予備吐出領域には前記予備吐出領域に対して開閉可
    能に設けられた蓋が備えられていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記蓋は、前記インクジェット記録手段
    が前記予備吐出領域に前記予備吐出を行う時に開くよう
    に構成されている請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 前記蓋は、前記インクジェット記録手段
    が前記予備吐出領域への前記予備吐出を終了した後に閉
    じるように構成されている請求項1または2に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記インクジェット記録手段を移動させ
    る移動手段が備えられ、前記蓋は前記移動手段による前
    記インクジェット記録手段の移動に伴って開閉するよう
    に構成されている請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記蓋は、前記インクジェット記録手段
    が前記移動手段によって移動されて、前記インクジェッ
    ト記録手段の前記吐出口が設けられているインク吐出面
    が前記予備吐出領域に対向した時に開くように構成され
    ている請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記蓋は、前記インクジェット記録手段
    が前記移動手段によって移動されて、前記インクジェッ
    ト記録手段の前記吐出口が設けられているインク吐出面
    が前記予備吐出領域に対向した位置から離れる時に閉じ
    るように構成されている請求項4または5に記載のイン
    クジェット記録装置。
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