JP3887985B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、十分な容量の廃インク吸収部材を装備した且つ小型なインクジェットプリンタを提供することである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェット方式のプリンタが広く用いられている。このインクジェット方式によるプリンタには、気泡の発生する力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式や、ピエゾ抵抗素子(圧電素子)の変形によってインク滴を飛ばすピエゾ方式等がある。
【0003】
これらはいずれも色材たるインクをインク滴にして直接記録紙に向かって吐出するという工程により、粉末状の印材であるトナーを用いる電子写真方式と比較した場合、印字エネルギーが低くて済み、インクの混合によってカラー化が容易であり、印字ドットを小さくできるので高画質であるというような様々な利点があり、このため特にパーソナル用プリンタとして広く用いられている印字方式である。
【0004】
一般に、上記のようなインク滴を吐出する印字ヘッドは、解像度では300〜600dpi(ドット/インチ)のものがあり、これらのインク滴を吐出するノズルの直径は40〜20μm程度である。
【0005】
このようにノズルの孔径が小さいから、プリンタの使用に少しでも長い休止期間があると、ノズルのインク吐出口近傍のインクが固まり易くなる。すなわち、粘度が上がり、濃度が濃くなり、極端な場合はノズルの目詰まりを引き起こす。このような状態で、そのまま次の印字(印刷)を実行したのでは、固まりかけたインクが吐出され更にはインクの吐出量にむらが生じて画像の印刷開始部分が汚れ、全体として良好な画像を形成することができない。
【0006】
したがって、そのように使用休止後に印字を再開する場合には、所定の廃棄・放出位置(パージ (purge)位置)で、上記の固まりかけたインクを不良インク又は廃インクとして滴下・放出することによってノズルの吐出口を清掃してから印字を実行するようにしている。
【0007】
このような廃インクの滴下・放出のパージ吐出は、プリンタ本体が使用休止されていた後の電源投入時には毎回行われるが、使用中においても個々のノズルに休止期間があり、したがって印字中にも、印字率によって回数は異なるが、印字ヘッドの数往復に一回は定位置つまりパージ位置でパージ吐出を行っている。
【0008】
上記のパージ位置は、プリント動作の障害とならないように印字領域の外側つまり印字ヘッドの移動方向の用紙の搬送に関係ない端部の定位置に設けられており、印字ヘッドはそのパージ位置において廃インクの滴下・放出を行う。そして、このパージ位置の下方で、廃インク吸収部材が上記印字ヘッドより排出された廃インクを吸収するように構成されている。
【0009】
この廃インク吸収部材は、プリンタ底面全体つまりプリンタ自体のベース部材の下の空隙と、更にこのために外装との間にもわざわざ形成されている空隙とに、くまなく配設されている。このように、廃インク吸収部材は、頻繁に交換しなくてもいいようにとの配慮から、非常に大きな部材によって構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のインクジェットプリンタは、上述したように比較的大きな形状を有する印字ヘッドが印字領域外のパージ位置で廃インクを放出しなければならないから、つまり、少なくとも印字ヘッドの大きさに相当する大きさのパージ領域を印字領域の外側に設けなければならないから、その分だけ印字に直接関与しない印字ヘッドの作業空間が必要となり、プリンタの小型化を阻害するという問題を有していた。
【0011】
また、パージ位置が上記のように一定位置に決まっていて、その定位置でのみパージ吐出が行われるため、インクに含まれている水分は蒸発しても、染料や顔料の成分は廃インク吸収部材のパージ位置に堆積し、廃インク吸収部材のパージ位置直下の部分の廃インク吸収性が低下してしまう。そして、この状態が更に進行し、やがてパージ位置でのインク吸収性が失われた時点で廃インク吸収部材の寿命が尽きてしまう。
【0012】
そうすると、上述のように廃インク吸収部材は、プリンタ底部と外装の間隙にも設けられた非常に大きな部材であるにも拘らず、その全体を使用し切らない内に新品と交換・廃棄しなければならないことになるから、部材の使用寿命が短いという問題と共に不経済であるという問題も有するものであった。
【0013】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、十分な量の廃インクを全体で均一に効率良く吸収できる廃インク吸収部材を装備した小型のインクジェットプリンタを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以下に、本発明のインクジェットプリンタの構成を述べる。
本発明のインクジェットプリンタは、吐出ノズルが並設されてなり吐出制御手段によりインクの吐出が制御される印字ヘッドを備え、該印字ヘッドに対して所定方向へ相対的に移動する記録媒体表面に前記吐出ノズルからインクを吐出させて記録を行うインクジェットプリンタであって、前記吐出ノズルと対向して記録が行われる記録領域に、前記吐出ノズルから吐出させ前記記録媒体に付着させずに滴下させるパージ吐出の廃インクを吸収するための廃インク吸収部材と、前記記録領域に前記記録媒体の裏面を支持する複数の支持手段と、パージ吐出を行った位置を記憶する記憶手段と、を設け、前記制御部による次回のパージ吐出は、前記記憶手段による前回のパージ吐出位置の記憶に基づき、前回のパージ吐出と異なる位置で、複数の前記支持手段と前記支持手段間で行うように構成される。
【0015】
上記印字ヘッドは、例えば請求項2記載のように、上記記録媒体の移動方向と直角方向に往復移動するように構成される。そして、上記支持手段は、例えば請求項記載のように、上記記録媒体を支持する端面が上記廃インク吸収部材の表面より突出して配置されていることが好ましい。
【0016】
また、上記廃インク吸収部材は、例えば請求項記載のように、インク保持性能が異なる複数種類のインク吸収部材を積層して構成することが好ましく、その場合、例えば請求項記載のように、表面層の孔径の大きい多孔質材料からなるインク吸収部材と、該表面層のインク吸収部材よりも孔径が小さい底部層のインク吸収部材との2層構造とすることが好ましく、更には、例えば請求項記載のように、親水性材料よりなる底部層とこれよりも親水性が低い表面層との2層構造をなしていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態における携帯型インクジェットプリンタの主要部の分解斜視図である。同図に示すように、この発明におけるインクジェットプリンタ1の主要部は、インクタンクユニット2、供給口キャッピングユニット3、印字ヘッドユニット4、ヘッド駆動機構5、記録紙搬送機構6、及び廃インク処理部7を備えている。
【0018】
上記のインクタンクユニット2は、印字ヘッドユニット4から独立して配置されており、上下に薄く平らで水平方向には長方形をなし、その長方形の長手方向がヘッド駆動機構5の長手方向に並行して延在し、装置本体(インクジェットプリンタ1)のフレームに固定配置されている。同図は、インクタンクユニット2の上面を覆う密閉シート8の一部を切り欠いて示している。
【0019】
その切り欠いて示すインクタンクユニット2の内部には、4色のインクを収容する4つのインク用液室9(黒インク室9−1、シアンインク室9−2、マゼンタインク室9−3、イエローインク室9−4)と洗浄液を収容する液室11が設けられている。これらの液室9及び11に夫々対応する5つの液充填口12が、インクタンクユニット2の上面端部に設けられており、その下方内部にはフィルタ13が配設されている。このインクタンクユニット2の下面には、図では陰になって見えないが上記のインク用液室9に対応する4つの液供給口と洗浄液用液室11に対応する4つの液供給口が形成されている。
【0020】
供給口キャッピングユニット3は、スライダー14とゴム系の弾性体からなる蓋部材15とで構成されており、蓋部材15は、インク供給口に対応する4個の蓋16と洗浄液供給口に対応する4個の蓋16を備え、スライダー14に固着する根元近傍に谷折り節目17−1が形成され、下面には上記合計8個の蓋16の配設領域の前後に位置して山折り節目17−2及び17−3がそれぞれ形成されている。 印字ヘッドユニット4が、図の左端位置(図の斜め左上端部)のホームポジションで、インクタンクユニット2から詳しくは後述するサブタンクにインクを補給され、あるいは洗浄液を注入されるときには、供給口キャッピングユニット3のスライダー14が、図の矢印Bに示す右方位置(図の斜め右下方向の開成位置)に引き出されて、インクタンクユニット2の8個の液補給口が開放される。
【0021】
そして、インクの補給又は洗浄液の注入が終了すると、スライダー14が図の矢印Cで示す左方(図の斜め左上方向)に押し込まれて、蓋部材15の先端部が係止用リブ18に当接し、更に押し込まれることにより、押え部材19により下方への変形を制止されている蓋部材15は、山折りと谷折りの3つの節目17−1〜17−3によって蓋部が上に持ち上がる方向へ座屈を起こし、この座屈により、蓋16が液補給口に外嵌してこれを封止する。このように、供給口キャッピングユニット3は、インク供給時又は洗浄液供給時以外は、液補給口を常時封止しており、これにより液補給口の乾燥が防止される。
【0022】
印字ヘッドユニット4は、上述したようにインクタンクユニット2とは切り離されており、印字に際しては、単独で主走査方向に往復移動しながら印字を行う。すなわち、印字ヘッドユニット4は、フレキシブル・メイン信号ケーブル21により装置本体の不図示の制御部に接続され、ヘッド駆動機構5のリニアレール22に係合し、同じくヘッド駆動機構5のリニアスケール23により移動量を検出しながら、図の両方向矢印Aで示すように、ヘッド駆動機構5の長手方向に沿って往復移動する。そして、詳しくは後述するように、適宜のタイミング、適宜の位置で、廃インクを廃インク処理部7に吐出(滴下)する。
【0023】
記録紙搬送機構6は、搬送ローラ24、減速機構25、及びモータ26を備えている。モータ26は減速機構25を介して搬送ローラ24を回転駆動し、搬送ローラ24は、これに従動する廃インク処理部7に支持される補助ローラ27とで不図示の用紙を挟持し、その用紙を図の矢印Dで示す装置本体後方(図の斜め右上方向)へ間欠搬送する。
【0024】
図2(a) は、上記の印字ヘッドユニット2のみを取り出して示す斜視図であり、同図(b) は、同図(a) をC矢視方向に見た前半部の断面図、同図(c) は、印字ヘッドをそのインク吐出面から見た図である。同図(a),(b),(c) に示すように、印字ヘッドユニット4は、ヘッドベース28の前半部29に、インク液を一時的に保持する4つのサブタンク31を備えている。これら4つのサブタンク31は、フルカラー印刷を行うためのイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4種類のインク液に応じて同じ数だけ設けられている。
【0025】
これらサブタンク31底部のインク供給孔に接して、インク液に混入するかも知れないゴミ等を除去するためのフィルタ32が配設される。このフィルタ32に接して印字ヘッド(チップ基板)33が取り付けられている。印字ヘッド33は上面に複数のインク給送口34を形成され、下面(インク吐出面)には複数のノズル35が形成されている。このノズル35からインク滴36が紙面に向けて吐出される。
【0026】
また、ヘッドベース28の後半部37は、側壁に略長方形の孔38の形成された空房を備え、その内部にリニアコイル39が配設される。このリニアコイル39及び側壁の長方形の孔38に、図1に示したリニアレール22が嵌入する。また、この後半部37の後端にはスリット溝41が形成されており、このスリット溝41の近傍に、特には図示しない光学センサ対が配設される。
【0027】
この光学センサ対は、不図示のセンサ用フレキシブル通信ケーブルを介してフレキシブル・メイン通信ケーブル21に接続されており、スリット溝41に嵌入して相対的に移動する図1に示したリニアスケール23に形成されている位置マーク(バーコード又は切り欠きスリット)を読み取って制御部に送信する。これにより、制御部は、リニアコイル38への通電を制御して、印字ヘッドユニット4の移動量を制御する。
【0028】
印字ヘッド33は、4個の単一ヘッドが並んで配置された形状で構成され、各単一ヘッドには上述した多数のノズル35が1列になってノズル列42が形成され、インクに吐出圧を加える発熱素子を駆動するための配線電極43及び44が形成されている。これにより、印字ヘッド33全体としては、4列のノズル列42が形成されている。これら4列のノズル列42は、4つのサブタンク31にそれぞれ連通しており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)のインクを夫々吐出する。
【0029】
このような印字ヘッド33は、解像度が360dpiの場合であれば、概略8.5mm×19.0mmの大きさのチップ基板に、128ノズル×4列=640ノズルを備えることが可能であり、また、解像度が720dpiの場合であれば、同様に約8.5mm×19.0mmの大きさのチップ基板に256ノズル×4列=1280ノズルを形成することが可能である。
【0030】
図3は、廃インク処理部7の拡大斜視図である。同図に示すように、廃インク処理部7は、印字ヘッド33が往復移動する主走査領域全域に亙って廃インク吸収部材45が配設されている。この主走査領域の中の印字領域(記録領域)を記録媒体(用紙)46が間欠搬送され、印字ヘッドユニット4が用紙幅方向に往復移動しながらノズル35からインク滴を吐出して印字を実行する。
【0031】
上記の記録領域には、同図に示すように、搬送される用紙46の裏面を支持する複数の支持リブ47が配設されている。この場合、各支持リブ47に穴を明けて1個の廃インク吸収部材45を主走査領域の下部全体に挿通設置してある。なお、1個の廃インク吸収部材45を主走査領域の下部全体に配置し、廃インク吸収部材45上に複数の支持リブ47を所定の間隔で架設するようにしてもよい。また、複数の廃インク吸収部材を支持リブ間に配設するようにしてもよい。
【0032】
これらの支持リブ47は、用紙46の搬送方向に沿って延在させて配置され、それらの用紙を支持する端面は、廃インク吸収部材45の表面より突出して配置されている。これらの支持リブ47は廃インク吸収部材45の表面と用紙46の裏面が接触しないようにするためのものであり、したがって少なくとも記録領域に配置されていれば良い。勿論、同図に示すように、記録領域の用紙搬送方向の前後にも延在させて配置しても良い。
【0033】
このように、廃インク吸収部材45を少なくとも記録領域の全域に亙って配置することによって、プリンタ装置本体を全体的に薄く且つ小型化することが可能になる。
【0034】
図4(a),(b) は、印字ヘッド33(印字ヘッドユニット4)が廃インクを廃インク処理部7に吐出するパージ吐出の動作状態を模式的に示す図であり、同図(a) は用紙が廃インク処理部7上に無いときのパージ吐出を行う位置を示す図であり、同図(b) は用紙が廃インク処理部7上にあるときのパージ吐出を行う位置を示す図である。
【0035】
先ず、同図(a) に示すように、用紙が廃インク処理部7上に無いときは、パージ吐出は、支持リブ47の配置箇所を避けた位置a、b、c、d、又はeのいずれの位置で行ってもよい。そして、たとえば電源投入時に位置aにおいてパージ吐出を行った場合は、印字中のパージ吐出は、用紙のない位置である位置aにおいてパージ吐出を行うが、印字が終了し、再度印字を行う前にパージ吐出を行うときは、前回のパージ吐出が位置aで行ったという内部メモリの履歴を読み込んで、位置aでない位置、すなわち位置b〜eのいずれかにおいてパージ吐出を行う。
【0036】
このとき位置bでパージ吐出を行ったとすると、パージ吐出した前回の位置aと今回の位置bが、パージ吐出した位置の履歴データとして内部メモリに記憶される。そして、次のパージ吐出では、上記内部メモリの履歴を読み込んで、位置a及びbでない位置、すなわち位置c〜eのいずれかにおいてパージ吐出を行う。このようにパージ吐出を逐次行って、位置a〜eの全ての位置においてパージ吐出が行われたという履歴が内部メモリに記憶され、これが次のパージ吐出に先立って読み込まれたとき、内部メモリにリセット信号が入力されて内部メモリが初期化される。
【0037】
このように、用紙が廃インク処理部7上に無いときのパージ吐出は、上記のように同一位置に連続して行わないように動作する。これにより、廃インク処理部7において、廃インクの水分蒸発後の染料や顔料などの成分の堆積が一個所に集中しないようにすることができる。
【0038】
次に、同図(b) に示すように、用紙46が廃インク処理部7上にあるとき、つまり印字中の場合は、必ず位置a、つまり用紙搬送領域外で記録が行われない非記録位置でパージ吐出を行うようにする。用紙46が廃インク処理部7上に在るか無いかの判断は、用紙検知センサ(不図示)から制御部に入力される検知信号によって行われる。
【0039】
図5は、上記のように支持リブ47を避けた位置a、b、c、d又はeを選択する動作を説明する図である。インクジェットプリンタ1には、図5に示すようにホームポジションセンサ48と図1にも示したリニアスケール23が配設されている。そして、印字ヘッドユニット4のヘッドベース28には、スリット溝41(図2(a) 参照)内に、図5に示す光学センサ49が配設されている。これにより、ホームポジションを検知してからの移動距離をリニアスケール23から読み取って得られる現在位置データと、内部メモリの他の領域に記憶されている位置a〜eの位置データとにより、ヘッドベース28を、つまり印字ヘッド33を、支持リブ47を避けた任意の位置a、b、c、d又はeに停止させることができる。この場合、隣接支持リブ47、47間の距離を印字ヘッド33の主走査方向に沿った幅(厳密には吐出ノズル35の配設領域の主走査方向幅)よりも大きくしておき、ヘッドベース28を隣接支持リブ47、47間のセンターに停止させるようにすれば、支持リブ47のインクによる汚染を確実に防止することができる。
【0040】
この位置制御の動作は、本例のインクジェットプリンタ1にように、リニアスケール23を用いることに限定することなく、たとえば、印字ヘッドの往復移動をリードスクリューで行う形式の場合は、このリードスクリューの回転によって位置決めができるから、予め位置a〜eをリードスクリューの回転量に対応させて決めておけば、リードスクリューを回転駆動するモータの駆動パルスを制御することによって支持リブを避けた所望の位置a〜d又はeのいずれかの位置(図5の例では位置e)に印字ヘッドを停止させることができ、その位置でパージ吐出を行わせることができる。
【0041】
上記の廃インク処理7に配設する廃インク吸収部材45は、図4(a),(b) に示すように、印字ヘッド33に直接対向する上部層51を、インクが早く通り抜けて表面に水分が残らないような材料で形成し、下部層52を、インクを良く吸収するような吸収力の強い材料によって形成した2層構造としても良い。これは、例えば、上部層51にインクが常に重力方向に通過し易い目の粗い発泡体を用いるにようにし、下部層52には、上記の発泡体を圧縮して目をより密にした状態のものを用いるようにする。
【0042】
これによって、下部層52のより大きい毛管力(毛管現象による吸引力)によりインクが下部層52へ浸透しやすくなる。そして4、この毛管力によって下部層52に吸収したインクは、上部層51に逆戻りしにくくなる。こうすることによって、支持リブ47上で用紙46がたわんで廃インク吸収部材45の表面に接触したとしても、用紙47の裏面が汚れるようなことがなくなる。また、持ち運ぶときも廃インクによってプリンタ内部が汚染されるようなことが無くなる。
【0043】
尚、廃インク処理部を2層に限らず、3層以上の多層構造としてもよく、その場合は、各層がインク保持性能の異なる多層構造であればよく、必ずしも目の粗い発泡体と目の密な発泡体からなる構成でなくてもよい。また、多層構造の下部層の部材に親水処理を施して上部層からの液体を下側に引き込むような構成としてもよい。また、パージ吐出の位置の順番は位置a、・・・、eのように順番でなくてもよく、例えば印字ヘッドの現在位置から最も近く、内部メモリ初期化後に未だパージ吐出が行われていない位置としてもよい。また、廃インク吸収部材は、交換できるような配置構成としてもよい。
【0044】
更に、本発明は、吐出ノズルを記録領域幅全域に設けて主走査動作を行わない所謂ライン式インクジェットプリンタにも適用できる。この場合、用紙を支持するプラテン部材を記録位置から移動可能に構成し、パージ動作時においてはプラテン部材を記録位置から退避させればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、印字ヘッドの吐出ノズルと対向する記録領域に廃インク吸収部材を配設して任意の位置にパージ吐出するので、従来は遊び空間であった装置本体の記録部基底部を廃インク処理部として活用することができ、これにより、内部空間の有効活用による小型化が実現可能となる。また、パージ吐出を支持リブ等の障害物を避けて廃インク吸収部材全体に対し均一に行うようにするので、廃インク内の染料や顔料が廃インク吸収部材の一箇所に集中して堆積することなく均一に吸収させることができ、これにより、廃インク吸収部材の使用寿命を長期化させることができて経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における携帯型インクジェットプリンタの主要部の分解斜視図である。
【図2】 (a) は印字ヘッドユニットのみを取り出して示す斜視図、(b) は(a) のC矢視方向に見た前半部の断面図、(c) は印字ヘッドのインク吐出面の図である。
【図3】廃インク処理部の拡大斜視図である。
【図4】 (a),(b) は印字ヘッドが廃インクを廃インク処理部に吐出するパージ吐出の動作状態を模式的に示す図である。
【図5】支持リブを避けた位置a、b、c、d又はeを選択する動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 インクタンクユニット
3 供給口キャッピングユニット
4 印字ヘッドユニット
5 ヘッド駆動機構
6 記録紙搬送機構
7 廃インク処理部
8 密閉シート
9 液室
9−1 黒インク室
9−2 シアンインク室
9−3 マゼンタインク室
9−4 イエローインク室
11 洗浄液液室
12 液充填口
13 フィルタ
14 スライダー
15 蓋部材
16 蓋
17−1 谷折り節目
17−2、17−3 山折り節目
18 係止用リブ
19 押え部材
21 フレキシブル信号ケーブル
22 リニアレール
23 リニアスケール
24 搬送ローラ
25 減速機構
26 モータ
27 補助ローラ
28 ヘッドベース
29 前半部
31 サブタンク
32 フィルタ
33 印字ヘッド(チップ基板)
34 インク給送口
35 ノズル
36 インク滴
37 後半部
38 略長方形の孔
39 リニアコイル
41 スリット溝
42 ノズル列
43、44 配線電極
45 廃インク吸収部材
46 記録媒体(用紙)
47 支持リブ
48 ホームポジションセンサ
49 光学センサ
51 廃インク吸収部材の上部層
52 廃インク吸収部材の下部層

Claims (6)

  1. 吐出ノズルが並設されてなり吐出制御手段によりインクの吐出が制御される印字ヘッドを備え、該印字ヘッドに対して所定方向へ相対的に移動する記録媒体表面に前記吐出ノズルからインクを吐出させて記録を行うインクジェットプリンタであって、
    前記吐出ノズルと対向して記録が行われる記録領域に、前記吐出ノズルから吐出させ前記記録媒体に付着させずに滴下させるパージ吐出の廃インクを吸収するための廃インク吸収部材と、
    前記記録領域に前記記録媒体の裏面を支持する複数の支持手段と、
    パージ吐出を行った位置を記憶する記憶手段と、
    を設け、
    前記制御部による次回のパージ吐出は、前記記憶手段による前回のパージ吐出位置の記憶に基づき、前回のパージ吐出と異なる位置で、複数の前記支持手段と前記支持手段間で行うことを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記印字ヘッドは、前記記録媒体の移動方向と直角方向に往復移動することを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記支持手段は、前記記録媒体を支持する端面が前記廃インク吸収部材の表面より突出して配置されていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記廃インク吸収部材は、インク保持性能が異なる複数種類のインク吸収部材を積層してなることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記廃インク吸収部材は、表面層の孔径の大きい多孔質材料からなるインク吸収部材と、該表面層のインク吸収部材よりも孔径が小さい底部層のインク吸収部材 との2層構造をなしていることを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記廃インク吸収部材は、親水性材料よりなる底部層とこれよりも親水性が低い表面層との2層構造をなしていることを特徴とする請求項4又は5記載のインクジェットプリンタ。
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