JP2013119208A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予備吐出動作に関わる時間効率が向上されたインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、吐出受け部が、特定領域内(主走査方向に移動されるキャリッジが対向可能な対向領域内の領域であって、かつ、搬送手段により搬送される被記録媒体が通過する領域)、又は、隣接位置(対向領域内の位置であって、かつ、特定領域の前記主走査方向外側に隣接する位置)に設けられる。キャリッジを主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、第1予備吐出手段により、インクが、第1ノズル抽出手段により抽出されたノズル(当該処理による画像の記録に使用されないノズルであって、かつ、吐出受け部に対向可能なノズル)から吐出受け部に吐出される。よって、一部のノズルを用いて画像を記録しながら、第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルの予備吐出動作を実行でき、予備吐出動作に関わる時間効率を向上できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来から、インクを記録ヘッドのノズルから吐出させて画像を記録するインクジェット記録装置において、ノズルの吐出口でインクが大気に触れて乾燥することを防ぐため、記録ヘッドの非記録時間が所定値以上になった場合、または、非記録時間が所定値以上になったノズルが確認された場合などにおいて、所定位置に設けた吐出受け部にインクの吐出を数回行う予備吐出動作を実行することが知られている。特許文献1には、記録ヘッドが記録主走査中に、停止状態から所定の速度に達するまでの加速区間または所定の速度から停止状態に達するまでの減速区間に設けられた予備吐出口(吐出受け部)に対して、記録中の予備吐出動作を行うインクジェット記録装置が開示されている。特許文献1によれば、記録ヘッドの走査を停止することなく予備吐出動作を実行できるので、その分、記録中の予備吐出動作に関わる消費時間を低減できる。
特開2005−343010号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるインクジェット記録装置は、予備吐出口を、記録対象となる記録用紙(被記録媒体)に対して画像を記録するために記録ヘッドがインクを吐出しながら移動する主走査方向の幅より、主走査方向外側に設ける必要があるため、記録中の予備吐出動作に関わる消費時間から、記録ヘッドが当該記録用紙の主走査方向における端辺と予備吐出口との間を往復移動する時間を削減できない。このことは、記録用紙のサイズが小さくなる程(即ち、記録用紙の主走査方向の幅が短くなる程)顕著となる。また、記録中の記録用紙がインクで膨潤して、記録用紙の主走査方向における端辺が浮き上がる場合がある。かかる場合、記録ヘッドが上述した往復移動を行うことにより、記録ヘッドが当該端辺に引っかかり、紙詰まりを引き起こす虞がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、予備吐出動作に関わる時間効率が向上されたインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明のインクジェット記録装置は、被記録媒体を副走査方向に沿った搬送方向に搬送する搬送手段と、インクを吐出する複数のノズルが前記副走査方向に沿って並ぶノズル列を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを前記副走査方向に直交する主走査方向に移動させるキャリッジとを有し、前記キャリッジを移動させながら、前記搬送手段により搬送される被記録媒体に対して、前記記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて画像を記録させる記録手段と、前記記録手段により前記主走査方向に移動される前記キャリッジのノズルが対向可能な対向領域内の領域であって、かつ、前記搬送手段により搬送される被記録媒体が通過する領域である特定領域の領域内、または、前記対向領域内の位置であって、かつ、前記特定領域の前記主走査方向外側に隣接する位置である隣接位置に設けられ、前記ノズルから吐出されたインクを受容する吐出受け部と、前記記録手段による、前記キャリッジを前記主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、当該処理による画像の記録に使用されないノズルであって、かつ、前記吐出受け部に対向可能なノズルを抽出する第1ノズル抽出手段と、前記処理の実行中に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルから前記吐出受け部にインクを吐出する第1予備吐出手段と、を備える。
本発明は、インクジェット記録装置を制御する制御装置、インクジェット記録システム、記録方法、制御プログラムを記録する記録媒体など、種々の態様で実現可能である。
請求項1に記載のインクジェット記録装置よれば、ノズルから吐出されたインクを受容する吐出受け部が、特定領域内(記録手段により主走査方向に移動されるキャリッジのノズルが対向可能な対向領域内の領域であって、かつ、搬送手段により搬送される被記録媒体が通過する領域)、又は、隣接位置(対向領域内の位置であって、かつ、特定領域の前記主走査方向外側に隣接する位置)に設けられる。そして、記録手段による、キャリッジを主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、第1予備吐出手段により、インクが、第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルから吐出受け部に吐出される。ここで、第1ノズル抽出手段により抽出されるノズルは、当該処理の実行中に、当該処理による画像の記録に使用されないノズルであって、かつ、吐出受け部に対向可能なノズルである。よって、一部のノズルを用いて画像を記録しながら、第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルについて予備吐出動作を実行できるので、第1予備吐出手段による吐出の動作(予備吐出動作)に関わる時間効率を向上できる。
請求項2に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項1が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1の被記録媒体に対する最終パスの処理に使用されないノズルであって、かつ、吐出受け部に対向可能なノズルが、第1ノズル抽出手段により抽出され、そのように抽出されたノズルを予備吐出動作の対象として、第1の被記録媒体に対する最終パスの処理の実行中に、第1予備吐出手段による吐出が実行される。これにより、第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルの予備吐出動作を、第1の被記録媒体に連続して当該被記録媒体とは異なる第2の被記録媒体に対する画像記録の実行前に完了できる。よって、第2の被記録媒体に対する画像の記録時に、インクの乾燥などによる画質劣化を低減できるので、第2の被記録媒体に対して記録される画像を高品位化できる。
請求項3に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項2が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2の被記録媒体に対する最初のパスの処理の実行中に、第2予備吐出手段により、インクが、第2ノズル抽出手段により抽出されたノズルから吐出受け部に吐出される。ここで、第2ノズル抽出手段により抽出されるノズル群は、記録ヘッドのノズルのうち、第1の記録媒体に対する最終パスの処理(即ち、最終パスでの画像の記録)に使用されていないノズルであって、第1予備吐出手段によりインクを吐出したノズル以外のノズルを少なくとも含むノズル群である。よって、当該最終パスの処理を実行するための記録ヘッドの移動中に全くインクの吐出されなかったノズルが、第2予備吐出手段による吐出の対象となるので、第1の被記録媒体に対する最終パスの処理と、第2の被記録媒体に対する最初のパスの処理との実行後には、記録ヘッドに設けられたノズル全体について、少なくとも1回のインク吐出が実行されるので、高品位な画像を高速に出力できる。
請求項4に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項1から3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。記録手段による、キャリッジを主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、当該処理による画像の記録に使用されないノズルのうち、記録対象の被記録媒体における余白領域に対応するノズル以外のノズルが、第1ノズル抽出手段により抽出される。よって、予備吐出動作により吐出されるインクが、被記録媒体の余白領域に着弾することを防止できる。
請求項5に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項4が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1ノズル抽出手段によるノズルの抽出は、パスデータ取得手段により取得されたパスデータ(1パスの処理により形成されるドット列に対応するパスデータ)に基づいて特定される使用ノズル(記録手段により画像を記録するために使用されるノズル)に基づいて、前記処理による画像の記録に使用されないノズルを特定し、そのように特定された使用されないノズルのうち、余白領域に対応するノズル以外のノズルを抽出することにより行われる。よって、前記処理による画像の記録に使用されないノズルの特定、及び、その特定に伴う第1ノズル抽出手段によるノズルの抽出を適切に行うことができるので、予備吐出動作を時間効率よく行い得るとともに、予備吐出動作による余白領域の汚染も防止できる。
請求項6に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項4又は5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。搬送量取得手段により取得された被記録媒体の搬送量(信号出力部から信号が出力されてから、当該記録対象の被記録媒体に対する最終パスの処理の開始位置に到達するまでの搬送量)と、最終パス長取得手段により取得された長さ(最終パスの処理により形成されるドット列の搬送方向の長さ)とに基づいて、被記録媒体における記録終了側の端に形成される余白領域の搬送方向長さが、余白算出手段により算出される。よって、被記録媒体の実際のサイズが設定値と異なる場合であっても、余白領域の搬送方向長さを適切に算出することができ、予備吐出動作による余白領域の汚染を防止できる。
請求項7に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項4から6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。キャリッジを主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、当該処理による画像の記録に使用されないノズルのうち、記録対象の被記録媒体における余白領域と当該余白領域における被記録媒体の端部側に隣接する所定領域とに対応するノズル以外のノズルが、第1ノズル抽出手段により抽出される。よって、吐出受け部に対向可能なノズルのうち、余白領域における被記録媒体の端部側に隣接する所定領域に対応するノズルは、予備吐出動作の対象外とされるので、予備吐出動作による被記録媒体の余白領域の汚染を確実に防止できる。
請求項8に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1の被記録媒体に対する最終パスの処理に使用されなかったノズルのうち、第1予備吐出手段により予備吐出受け部にインクを吐出したノズル以外のノズルを特定可能な情報が、ノズル情報記憶手段に、記憶されている。第2ノズル抽出手段によるノズルの抽出は、ノズル情報記憶手段に記憶されている情報と、最初パスデータ取得手段により取得されたパスデータに基づき印刷位置特定手段により特定された最初のパスの処理により形成されるドット列の位置とに基づいて行われる。よって、第2ノズル抽出手段によるノズルの抽出を適切に行うことができ、その結果、インクの乾燥などによるノズルの吐出状態の悪化を確実に抑制できる。
請求項9に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項8が奏する効果に加え、次の効果を奏する。最初パスデータ取得手段により取得したパスデータと、第2ノズル抽出手段により抽出されたノズル群とに基づいて、各回パスデータ取得手段により取得されたパスデータ(第2の被記録媒体に対する2回目以降の各回のパスの処理により形成されるドット列に対応するデータ)に対応するドット列を形成するために用いるノズルの割り当てが、ノズル割当変更手段により変更される。よって、第2予備吐出手段による吐出を行っても、2回目以降の各回のパスの処理(画像の記録)を正常に行うことができる。
請求項10に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項1から9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1予備吐出手段によるインクの吐出は、複数の吐出受け部のうち、インク量記憶手段に記憶されている値(複数の吐出受け部の各々に吐出されたインク量に基づく値)が所定の閾値以下である吐出受け部に対して行われるので、受容許容量を超えて吐出受け部にインクが吐出されたことにより、当該吐出受け部からインクが溢れることを防止できる。なお、請求項10における「所定の閾値」としては、各吐出受け部に共通して設けられた閾値や、各吐出受け部の大きさに応じて決まる閾値などを含む。
請求項11に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項10が奏する効果に加え、第1予備吐出手段によるインクの吐出は、複数の吐出受け部のうち、インク量記憶手段に記憶されている値が最も小さい吐出受け部、あるいは、インク記憶手段に記憶されている値と前記閾値との差が最も大きい吐出受け部に対して行われるので、吐出受け部の受容許容量超過を確実に防止できる。
請求項12に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項10が奏する効果に加え、次の効果を奏する。複数の吐出受け部のうち、インク量記憶手段に記憶されている値が所定の閾値以下である吐出受け部がない場合、第1予備吐出手段によるインクの吐出は、それら複数の吐出受け部のうち、2以上の吐出受け部に分散させて行われる。よって、第1予備吐出手段による吐出によって吐出受け部からインクが溢れることを確実に防止できる。
請求項13に記載のインクジェット記録装置よれば、請求項1から9のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。吐出受け部は、主走査方向の長さがそれぞれ異なる複数の吐出受け部が、特定領域内に前記主走査方向に沿って配置されている。キャリッジの移動速度が速いほど、インクの吐出位置と着弾位置とのずれが大きくなるが、第1予備吐出手段によるインクの吐出は、記録手段による画像の記録におけるキャリッジの移動速度が速いほど、主操作方向の長さが長い吐出受け部に対して行われる。よって、キャリッジの移動速度が速い場合に、吐出されたインクが吐出受け部から外れることを防止できる。
本発明のインクジェット記録の一実施形態であるMFPの電気的構成を示すブロック図である。 MFPに搭載されるインクジェットプリンタを説明する図である。 本発明のフラッシングの実行態様を説明する図である。 印刷処理を示すフローチャートである。 印刷・フラッシング処理を示すフローチャートである。 第2実施形態の印刷・フラッシング処理を示すフローチャートである。 フラッシングフォームの配置の変形例を説明する図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態である多機能周辺装置(以下、「MFP」と称す)1の電気的構成を示すブロック図である。MFP1は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能など、複数の機能を有する複合機である。本実施形態のMFP1は、インク吐出による印刷(被記録媒体に対する画像の記録)を行うインクジェットプリンタであるプリンタ21を有し、そのプリンタ21が、一部のノズルを用いて記録用紙(被記録媒体)に画像を印刷しながら、別のノズルについて、ノズルの吐出口でのインクの乾燥を防ぐための予備吐出動作としてのフラッシングを行うことができるように構成されており、予備吐出操作に関わる時間効率の向上が図られている。
MFP1には、CPU10、フラッシュメモリ11、RAM12、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、USB_I/F(USBインターフェイス)22が主に設けられている。CPU10、フラッシュメモリ11、RAM12は、バスライン23を介して互いに接続される。操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、USB_I/F22、バスライン23は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)24を介して互いに接続される。
CPU10は、フラッシュメモリ11に記憶される固定値やプログラム、RAM12に記憶されているデータに従って、MFP1が有している各機能の制御や、ASIC24と接続された各部の制御を行う。フラッシュメモリ11は、不揮発性のメモリであり、MFP1の動作を制御する制御プログラム11a等が格納される。後述する図4,5のフローチャートに示す各処理は、制御プログラム11aに従ってCPU10により実行される。
フラッシュメモリ11はまた、吐出発数メモリ11bを有する。吐出発数メモリ11bは、フラッシングフォーム213〜216(図2参照)毎に、各フラッシングフォーム上に吐出されたインクの発数を累積記憶させておくためのメモリ領域である。吐出発数メモリ11bは、フラッシングが実行される毎に、フラッシングのために吐出されたインクの発数を、吐出対象のフラッシングフォームについて記憶されている現在値に加算する。吐出発数メモリ11bは、新しいフラッシングフォーム213〜216が取り付けられる毎に、ゼロに設定されるものとする。
RAM12は、CPU10の処理に必要な情報を一時的に記憶する書換可能な揮発性のメモリである。RAM12は、パスデータメモリ12aと、使用ノズルメモリ12bと、ノズル再割当フラグ12cとを有する。パスデータメモリ12aは、PC(パーソナルコンピュータ)500から1パス分ずつ供給されたパスデータを順次記憶するバッファ領域である。「パス」とは、記録ヘッド21dの主走査を意味し、「1パス」とは、1回のパス(即ち、1回の主走査)を意味する。「パスデータ」とは、パス単位の印刷データを意味する。本実施形態では、PC500にインストールされているプリンタドライバにより生成されたパスデータが、1パス毎にPC500からMFP1へ供給される。MFP1(プリンタ21)は、PC500から受信したパスデータを順次記憶する一方で、その受信順に各パスデータに基づく画像を、記録用紙に対して1パス毎に印刷する。パスデータメモリ12aは、複数回分のパスデータを記憶可能に構成される。パスデータメモリ12aに記憶されたパスデータは、そのパスデータに基づく印刷が実行される毎に消去される。
使用ノズルメモリ12bは、各記録用紙に対する最終パス(1枚の記録用紙に対し最後に実行される印刷のパス)が実行された場合におけるノズルの使用状況を記憶するメモリ領域である。本実施形態では、最終パスにおいて印刷(画像の記録)に使用したノズルと、フラッシングを実行したノズルとが、使用ノズルメモリ12bに記憶される。使用ノズルメモリに記憶されるノズルの使用状況は、前記最終パスの実行対象である記録用紙の次に印刷される記録用紙に対する印刷の先頭パス(1枚の記録用紙に対し最初に実行される印刷のパス)においてフラッシング可能なノズルを特定するために使用される。
ノズル再割当フラグ12cは、1枚の記録用紙に対する2回目以降の各回のパスのパスデータに対し、ノズルの再割り当てを行うか否かを示すフラグである。ノズル再割当フラグ12cがオンに設定されている場合には、2回目以降の各回のパスのパスデータに対し、ノズルの再割り当てを行うことを示す。ノズル再割当フラグ12cは、後述する印刷処理(図4参照)が開始されるとオフに初期化される。ノズル再割当フラグ12cは、記録用紙に対する先頭パスにおいて、フラッシング可能なノズルが特定されるとオンに設定され、各記録用紙の最終パスの実行後にオフに設定される。
操作キー15はハードキーであり、MFP1に設定情報や指示を入力する。LCD16は液晶表示装置である。タッチパネル17は、LCD16に重ねて設けられ、MFP1に設定情報や指示を入力する。USB_I/F24は、USBケーブルを介して他の装置(例えば、PC)を通信可能に接続するための装置であり、周知の装置で構成される。本実施形態では、USB_I/F24を介してPC500が接続される。スキャナ20は、原稿を読み取り、その読み取った原稿の画像データを、CPU10に出力する装置である。
プリンタ21は、インクを吐出させて、記録用紙に対して画像を印刷(記録)するインクジェットプリンタである。プリンタ21は、CR駆動モータ21aと、給紙モータ21bと、排紙モータ21cと、記録ヘッド21dと、レジセンサ21eとを有する。各部21a〜21eは、ASIC24に接続される。CR駆動モータ21aは、キャリッジ211(図2参照)を主走査方向に移動させる駆動力を与えるモータである。給紙モータ21bは、記録ヘッド21dより搬送方向上流側に配置される給紙ローラ(図示せず)に駆動力を与えるモータである。排紙モータ21cは、記録ヘッド21dより搬送方向の下流側に配置される排紙ローラ(図示せず)に駆動力を与えるモータである。なお、各モータ21a,21b,21cを制御する駆動回路は、モータ毎にASIC24に組み込まれており、CPU10からの駆動信号に基づき、当該駆動信号に対応するモータが当該駆動信号に応じた回転速度で正転又は逆転する。
記録ヘッド21dは、キャリッジ211に搭載され、プラテン212(図2参照)に対向する側の面に形成される多数のノズルを有し、これらのノズルからインクを微小なインク滴として吐出する。本実施形態のプリンタ21は、記録ヘッド21dが複数色をそれぞれ吐出可能なノズルを有し、複数色で画像を形成可能に構成される。各色のノズルは、それぞれ搬送方向(主走査方向に直交する方向)に並ぶ1又は複数列のノズル列からなるノズル群を構成し、各色のノズル群が主走査方向に所定の順序で配置される。
レジセンサ21eは、記録対象となる記録用紙の先端部(印刷開始側の端部)及び後端部(印刷終了側の端部)を検知するセンサであり、LEDなどの発光体(図示せず)と、光学的センサ(図示せず)とにより構成される。レジセンサ21eは、記録用紙の搬送経路内の、記録ヘッド21dより搬送方向上流側の所定位置に設置される。レジセンサ21eは、前記所定位置を通過する記録用紙の先端部及び後端部を検知し、その検知結果をCPU10へ出力する。
ここで、図2を参照して、プリンタ21をより詳細に説明する。図2(a)は、プリンタ21の概略平面図であり、図2(b)は、図2(a)の状態からキャリッジ211を省略したプリンタ21の概略平面図である。
キャリッジ211は、CR駆動モータ21aの正転又は逆転により主走査方向に往復移動される。具体的に、キャリッジ211は、ホームポジションから主走査方向に離れる方向であるフォワード方向と、その反対方向であるリバース方向とに交互に移動される。記録ヘッド21dは、キャリッジ211の移動によって、主走査方向(フォワード方向又はリバース方向)に走査され、プラテン212上を搬送される記録用紙(被記録媒体)Pに対してインクを吐出して画像を形成する。なお、記録用紙Pは、給紙モータ21b及び排紙モータ21cにより同期駆動される図示されない給紙ローラおよび排紙ローラにより、主走査方向に直交する搬送方向(副走査方向)に沿って、搬送方向の上流から下流側に、又は、その反対方向に搬送される。
プラテン212は、キャリッジ211の下面側(図2における紙面垂直方向奥側)に対向して、記録用紙Pを記録ヘッド21dのノズル形成面に対して平行に支持する支持台である。プラテン212上には、キャリッジ211に対向する側が開口された4つの凹部212a〜212dが設けられており、各凹部212a〜212dの内部には、それぞれフラッシングフォーム213〜216が配置される。
凹部212a〜212dは、プラテン212上の特定領域A内に形成される。「特定領域」とは、主走査方向に移動されるキャリッジが対向可能な領域のうち、記録用紙Pが通過する領域として規定される。特に、本実施形態では、記録ヘッド21dに対向可能な矩形領域であって、かつ、主走査方向の長さが記録用紙Pの主走査方向長さである矩形領域が、特定領域Aとされる。よって、特定領域Aの辺Aaの長さは、記録用紙Pの主走査方向の長さであり、辺Abの長さは、記録ヘッド21dの搬送方向の長さである。なお、複数サイズの記録用紙Pに対する印刷が可能である場合には、プラテン212上を搬送される記録用紙Pのうち、最も短い主走査方向の長さが辺Aaの長さとなる。また、記録ヘッド21dに少なくとも対向可能な領域であれば、辺Abの長さは、記録ヘッド21dの搬送方向の長さより長くてもよい。
凹部212a〜212dは、それぞれ、主走査方向の長さが異なる大きさとされる。これにより、内部に設けるフラッシングフォーム213〜216の主走査方向の長さもそれぞれ異なる大きさとされる。詳細は後述するが、本実施形態では、印刷画像の解像度に応じたフラッシングフォーム213〜216が吐出先のフラッシングフォームとして選択されるように構成される。
ここで、図3を参照して、本実施形態のMFP1(プリンタ21)によるフラッシングの実行態様について説明する。本実施形態では、複数ページの記録用紙Pに対する印刷が行われる場合に、第nページ(nは1以上の整数)の記録用紙Pである記録用紙P1に対する最終パスの処理の実行中に、記録ヘッド21dにおける搬送方向の下流側に形成される一部ノズルからインクを吐出して当該最終パスによる印刷(画像の記録)を行いつつ、記録ヘッド21dにおける搬送方向上流側に形成される少なくとも一部ノズルのフラッシング(インクの空吐出)を実行可能に構成される。記録用紙P1に対する最終パスの処理後、第(n+1)ページの記録用紙Pである記録用紙P2に対する先頭パス(最初のパス)の処理の実行中に、一部のノズルを用いて記録用紙P2に対する先頭パスによる印刷を行いつつ、記録用紙P1に対する最終パスの処理においてインクが吐出されなかったノズルのフラッシングを実行可能に構成される。
図3(a)は、第nページの記録用紙P1に対する最終パスの処理を実行中のプリンタ21を模した概略平面図であり、図3(b)は、第(n+1)ページの記録用紙P2に対する先頭パスの処理を実行中のプリンタ21を模した概略平面図である。記録用紙P1に対する最終パスでは、画像形成領域Paに画像が印刷される領域Lpに画像が印刷される。「画像形成領域」とは、記録用紙P上の、インクの吐出によって画像を形成可能な矩形領域である。よって、まず、図3(a)に示すように、記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、最終パスにより画像を印刷する領域Lpに対応する領域Na内のノズルが、印刷に使用するノズルとして特定される。印刷に使用するノズルが特定されると、記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、最終パスの印刷に未使用なノズルとして特定される。つまり、領域Na以外の領域(領域Nb及び領域Nc)のノズルが、最終パスの印刷に未使用なノズルとして特定される。
最終パスの印刷に未使用なノズルのうち、余白領域Pbの搬送方向上流側の余白量(搬送方向の長さ)と、印刷終了側の端部P1eの外側(搬送方向上流側)に形成されるマージンの幅αとの和を搬送方向の長さとする領域(即ち、領域Nb)内のノズルが、最終パスの処理においてインクを吐出しないノズルとして特定される。「余白領域」とは、記録用紙Pの縁部に設定された画像が印刷されない領域であり、記録用紙Pから、画像形成領域Paを除く領域である。また、「余白領域Pbの搬送方向上流側の余白量」とは、画像形成領域Paの搬送方向上流側端部と印刷終了側の端部P1eとの間の搬送方向における長さである。なお、印刷設定として設定された用紙サイズと実際の記録用紙Pとのサイズが異なることもあり得るため、本実施形態では、余白領域Pbの余白量は、レジセンサ21eがオフされたことによる現在ページの下端(印刷終了側の端)の検出後に最終パスを実行する位置まで記録用紙Pを搬送させた量と、最終パスにおける画像部分の副走査方向(搬送方向に沿う方向)のドット列の長さとから算出される。具体的に、「余白領域Pbの余白量」は、「レジセンサ21eがオフされたときの残用紙長(レジセンサ21eによる検出位置から印刷位置までの距離)」から、「レジセンサ21eがオフされてから最終パスの印刷開始位置までの記録用紙Pの搬送量と、最終パスのパスデータから取得される最終パスにおける副走査方向の画像のドット列との和」を差し引くことにより算出される。
記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、領域Naでも領域Nbでもない領域(即ち、領域Nc)内のノズルは、最終パスの処理による印刷の実行中に、フラッシングフォーム213〜216に対向可能なノズルである。よって、領域Nc内のノズルが、最終パスの処理の実行中にフラッシング可能なノズルとして特定される。
記録用紙P1に対する最終パスの処理を実行する場合、各領域Na〜Ncのノズルは、上述のように特定された各役割に基づき動作される。つまり、領域Na内のノズルは、領域Lpに画像を印刷するためにインクを吐出し、領域Nc内のノズルは、フラッシングフォーム213〜216の中から選択されたフラッシングフォームに対して、フラッシングを実行する。これにより、記録用紙P1に対する最終パスの処理の実行中に、記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、搬送方向下流側のノズル(領域Na内のノズル)を用いて印刷を行いつつ、搬送方向上流側のノズルのフラッシングを実行できる。
記録用紙P1の最終パスの処理の次に実行される、記録用紙P2に対する先頭パスの処理では、記録用紙P1に対する最終パスの処理におけるノズルの使用状況に応じて、当該先頭パスに対応するパスデータに対し、ノズルの再割り当てが実行される。具体的に、記録用紙P1に対する最終パスの処理においてインクを吐出しなかったノズル(領域Nb内のノズル)が少なくともフラッシング可能なノズルとなるように、当該先頭パスに対応するパスデータに対するノズルの再割り当てが実行される。
記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、領域Nb内のノズルと、領域Nbより搬送方向下流側に位置する領域Na内のノズルとが、フラッシングフォーム213〜216に対向可能なノズル、即ち、フラッシング可能なノズルとして特定される。また、領域Nc内のノズルのうち、印刷開始側の端部P2eの外側(搬送方向下流側)に形成されるマージンの幅αに対応する領域内のノズルも、フラッシング可能なノズルとする。記録用紙P2に対する先頭パスの処理による印刷は、記録ヘッド21dに形成されたノズルのうち、上記特定されたフラッシング可能なノズル以外のノズルを用いて実行される。即ち、当該先頭パスでは、領域Nc内のノズルのうち、フラッシング可能なノズルとして特定されたノズル以外のノズルが、印刷に使用可能なノズルとなる。かかる印刷に使用可能なノズルのうち、記録用紙P2に対する先頭パスのパスデータから先頭パスによる印刷開始位置(即ち、領域Fpの印刷開始位置)Fp1より、搬送方向上流側を印刷可能な領域が、先頭パスによる画像を印刷するノズルとして特定される。
記録用紙P2に対する先頭パスの処理を実行する場合、記録ヘッド21dに形成されたノズルは、上述のように特定された各役割に基づき動作され、それにより、搬送方向上流側のノズルを用いて印刷を行いつつ、搬送方向下流側のノズルのフラッシングを実行できる。このとき、フラッシングが実行されるノズルには、記録用紙P1に対する最終パスの処理においてインクを吐出しなかったノズルが少なくとも含まれるので、第nページの記録用紙P1の最終パスの処理と、記録用紙P1に連続する第(n+1)ページに対する先頭パスの処理とを実行した後には、記録ヘッド21dに形成されたノズル全体について、少なくとも1回のインク吐出を実行させることができる。
図4は、MFP1のCPU10が実行する印刷処理を示すフローチャートである。本実施形態の印刷処理は、記録ヘッド21dに形成されたノズルのうち、一部のノズルを用いて印刷を行いつつ、他の一部のノズルのフラッシングを実行する処理である。この処理は、MFP1がPC500からパスデータを受信すると(即ち、PC500に対し所定の印刷指示が入力されると)、開始される。
まず、ステップS401(以下、ステップを省略)において、CPU10は、ノズル再割当フラグ12cをオフに設定し(S401)、給紙トレイ(図示せず)から1枚の記録用紙を給紙する(S402)。実行する処理が現在ページの最終パスによるものでなければ(S403:No)、CPU10は、2回目以降のパスを通常印刷(フラッシングを行わない印刷)で処理するために、処理をS421へ移行する。
実行する処理が現在ページの最終パスによるものであれば(S403:Yes)、CPU10は、パスデータメモリ12aに記憶されている最終パスのパスデータを取得し、レジセンサ21eがオフされたことによる現在ページの下端(印刷終了側の端)の検出後に最終パスを実行する位置まで記録用紙を搬送させた量と、最終パスにおける画像部分の副走査方向のドット列の長さとから、現在ページの下端の余白量を取得する(S404)。また、CPU10は、パスデータメモリ12aに記憶されている次ページの先頭パス(最初のパス)のパスデータから、次ページの上端(印刷開始側の端)の余白量を取得する(S404)。上記「レジセンサ21eがオフされたことによる現在ページの下端の検出後に最終パスを実行する位置まで記録用紙を搬送させた量」は、CPU10が、レジセンサ21eから供給された記録用紙Pの後端部を検知したことを示す信号を受信してからの記録用紙の搬送量をRAM12の所定領域に記憶させておくことにより取得できる。なお、「記録用紙の搬送量」は、例えば、排紙モータ21cの回転量を計測するロータリーエンコーダ(図示せず)から出力されるエンコーダ信号から得ることができる。
S404において取得した余白量が、印刷とフラッシングとを兼ねることができない関係である場合、例えば、各ページの上端又は下端の余白量が大きく、現在ページの最終パスにおいてインクを吐出しなかったノズルについて、次ページの先頭パスにおいてフラッシングが実行できない場合(S405:No)、CPU10は、現在ページの最終パスを通常印刷で処理するために、処理をS421へ移行する。
一方、取得した余白量が、印刷とフラッシングとを兼ねることができる関係である場合(S405:Yes)、CPU10は、最終パスのパスデータに基づき、最終パスにおいて印刷に使用するノズルを特定し(S406)、記録ヘッド21dから、印刷に使用するノズルを除いたノズルを、最終パスに未使用なノズルとして特定する(S407)。S406の処理により、領域Na内のノズルが、最終パスにおける印刷に使用するノズルとして特定され、S407の処理により、領域Na以外の領域(領域Nb+領域Nc)内のノズルが、最終パスにおいて印刷に使用するノズルとして特定される(図3(a)参照)。
次に、CPU10は、S404において取得した現在ページの余白量と、S407において特定した最終パスに未使用なノズルと、印刷終了側の端部の外側に設けた幅αのマージンとに基づき、フラッシング可能な上流側のノズルを特定する(S408)。図3(a)に示す例では、領域Nc内のノズルが、フラッシング可能なノズルとして特定される。
S408による特定の結果、フラッシング可能なフラッシング可能な上流側のノズルが存在しない場合(S409:No)、CPU10は、現在ページの最終パスを通常印刷で処理するために、処理をS421へ移行する。一方、フラッシング可能なフラッシング可能な上流側のノズルが存在する場合(S409:Yes)、CPU10は、最終パスの印刷とフラッシングとを実行するために、図5を参照して後述する印刷・フラッシング処理を実行し(S410)、ノズル再割当フラグ12cをオフに設定する(S411)。
次ページの記録用紙がなければ(S412:No)、CPU10は、本処理を終了する一方で、次ページの記録用紙があれば(S412:Yes)、CPU10は、パスデータメモリ12aに記憶されているパスデータのうち、次ページの記録用紙の先頭パスのパスデータを先読みし、印刷開始位置を特定する(S413)。次に、CPU10は、使用ノズルメモリ12bに記憶されているノズルの使用状況と、S413の処理により特定された印刷開始位置と、印刷開始側の端部の外側に設けた幅αのマージンとに基づき、フラッシング可能な下流側のノズルと、先頭パスにおける印刷に使用するノズル(印刷使用ノズル)とを特定する(S414)。S414の処理により、少なくとも領域Nb内のノズルがフラッシング可能なノズルとして特定される(図3(b)参照)。
フラッシング可能な下流側のノズルを設けたことにより、先頭パスのパスデータに対するノズルの割り当てが、先読みした先頭パスのパスデータに対するノズルの割り当てとは異なることがある。よって、S414の処理後、CPU10は、先頭パスのパスデータに対するノズルの再割り当てを行い(S415)、ノズル再割当フラグ12cをオンに設定する(S416)。S416の処理により、ノズル再割当フラグ12cがオンに設定されるので、2回目以降のパスでは、各回のパスデータに対してノズルの再割り当てが行われる。次に、CPU10は、現在ページの記録用紙を排紙し(S417)、給紙トレイから次ページの記録用紙を給紙する(S418)。このとき、キャリッジ211を印刷開始位置の側へ移動させる。次に、CPU10は、先頭パスの印刷とフラッシングとを実行するために、図5を参照して後述する印刷・フラッシング処理を実行し(S419)、記録用紙を1パス分搬送して(S420)、処理をS403に移行する。
一方、S421において、ノズル再割当フラグ12cがオンであれば(S421:Yes)、CPU10は、実行対象パスのパスデータをパスデータメモリ12aから取得し、そのパスデータに対するノズルの再割り当てを行い(S422)、実行対象パスによる通常の印刷を実行する(S423)。一方、ノズル再割当フラグ12cがオフであれば(S421:No)、CPU10は、実行対象パスによる通常の印刷を実行する(S423)。S423の処理後、印刷を実行した処理が現在ページの最終パスによるものでなければ(S424:No)、CPU10は、記録用紙を1パス分搬送する(S420)。一方、印刷を実行した処理が現在ページの最終パスによるものであれば(S424:Yes)、ノズル再割当フラグ12cをオフに設定する(S425)。次に、次ページの記録用紙がなければ(S426:No)、CPU10は、本処理を終了する一方で、次ページの記録用紙があれば(S426:Yes)、CPU10は、現在ページの記録用紙を排紙し(S427)、給紙トレイから次ページの記録用紙を給紙し(S429)、処理をS403に移行する。
次に、図5は、上述した印刷・フラッシング処理(S410,S419)を示すフローチャートである。印刷・フラッシング処理(S410,S419)において、CPU10は、まず、フラッシングフォーム213〜216の中から、現在の印刷解像度に合致したフラッシングフォームを選択する(S501)。S501において、印刷画像の解像度が低い程、主走査方向の長さが長いフラッシングフォームが選択され、印刷画像の解像度が高い程、主走査方向の長さが短いフラッシングフォームが選択される。
次に、選択されたフラッシングフォームがインク受容可能でないとCPU10が判定した場合(S502:No)、CPU10は、フラッシングを行わない通常の印刷を実行し(S508)、本処理を終了する。一方で、選択されたフラッシングフォームがインク受容可能であるとCPU10が判定した場合には(S502:Yes)、CPU10は、処理をS503へ移行する。S502において、CPU10は、選択されたフラッシングフォームがインク受容可能であるか否かの判定を、吐出発数メモリ11bの記憶内容と、各フラッシングフォーム213〜216に対して上限値として指定されている値とに基づいて行う。即ち、選択されたフラッシングフォームについて、吐出発数メモリ11bに記憶されている値(当該フラッシングフォームに対して吐出されたインクの発数の累積値)が、当該フラッシングフォームに対して上限値として指定されている値より小さければ、CPU10は、選択されたフラッシングフォームがインク受容可能であると判定する。なお、「各フラッシングフォーム213〜216に対して上限値として指定されている値」は、フラッシングフォーム213〜216のそれぞれについて、フラッシュメモリ11の所定領域に予め記憶されている値である。本実施形態では、当該「上限値」を、インクの発数の上限値とする。よって、サイズの大きいフラッシングフォームであるほど、大きい値が上限値として記憶される。
S503において、最終パスであれば(S503:Yes)、CPU10は、最終パスの印刷を行いつつ、選択されたフラッシングフォームに対する上流側ノズル(S408においてフラッシング可能であると特定されたノズル)のフラッシングを実行する(S504)。一方、先頭パスであれば(S503:No)、CPU10は、先頭パスの印刷を行いつつ、選択されたフラッシングフォームに対する下流側ノズル(S414においてフラッシング可能であると特定されたノズル)のフラッシングを実行する(S507)。S504又はS507の処理後、CPU10は、フラッシングによるインクの発数を、吐出発数メモリ11bにおける吐出対象のフラッシングフォームに対する値に加算し(S505)、印刷に使用したノズルとフラッシングを実行したノズルとを、使用ノズルメモリ12bに記憶し(S506)、本処理を終了する。
本実施形態のMFP1によれば、フラッシングフォーム213〜216を、特定領域A(即ち、主走査方向に移動されるキャリッジ211が対向可能な領域のうち、記録用紙Pが通過する領域)内に設け、ある記録用紙(記録用紙P1)に対する最終パスにおいて、一部のノズルを用いて最終パスの印刷を行いながら、当該印刷に未使用なノズルの中から抽出されたフラッシング可能な上流側ノズルについてフラッシング(予備吐出動作)を実行するので、予備吐出動作に関わる時間効率を向上できる。その後、次のページの記録用紙(記録用紙P2)に対する先頭パスにおいて、一部のノズルを用いて先頭パスの印刷を行いながら、前ページの記録用紙P1の最終パスでインクが吐出されなかったノズルを少なくとも含むフラッシング可能な下流側ノズルについてフラッシングを実行する。よって、記録用紙P1に対する最終パスの処理と、記録用P2に対する先頭パスの処理との実行後には、記録ヘッド21dに形成されるノズル全体について、少なくとも1回のインク吐出が実行されるので、高品位な画像を高速に出力できる。
また、印刷画像の解像度が低い程、フラッシングフォーム213〜216のうち、主走査方向の長さが長いフラッシングフォームが選択される。印刷画像の解像度が低い程、キャリッジ211の移動速度は速い。よって、キャリッジ211の移動速度が速い程、主操作方向の長さが長いフラッシングフォームに対してフラッシングが実行されるので、キャリッジの移動速度211が速い場合に、吐出されたインクがフラッシングフォームから外れ、プラテン212を汚染し、それにより、記録用紙が汚染されることを防止できる。また、吐出発数メモリ11bの記憶内容と、所定の閾値(本実施形態では、選択されたフラッシングフォームに対して上限値として指定されている値)とに基づき、選択されたフラッシングフォームがインク受容可能であるか否かを判断するので、フラッシングによるインクの吐出によってフラッシングフォームからインクが溢れることを防止できる。
次に、図6を参照して、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態における印刷・フラッシング処理(図5参照)では、使用するフラッシングフォームを印刷解像度に応じて選択する構成であったが、本実施形態では、最も多くインクを受容し得るフラッシングフォームを選択する。なお、この第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6は、第2実施形態の印刷・フラッシング処理(S410,S419)を示すフローチャートである。図6に示す印刷・フラッシング処理は、第1実施形態の印刷・フラッシング処理(図5参照)に換わる処理であり、制御プログラム11aに従ってCPU10により実行される。
第2実施形態の印刷・フラッシング処理(S410,S419)において、CPU10は、まず、CPU10が、吐出発数メモリ11bの記憶内容に基づき、フラッシングフォーム213〜216の中に、インク受容可能なフラッシングフォームがあると判定した場合(S601:Yes)、インク受容可能なフラッシングフォームの中から、最も多くインクを受容し得るフラッシングフォームを選択する(S602)。S602において、CPU10は、インク受容可能なフラッシングフォームのうち、吐出発数メモリ11bに記憶されている値と、各フラッシングフォームに対して上限値として予め設定されている値との差が最も大きなフラッシングフォームを選択する。S602の処理後、CPU10は、最終パスであれば(S503:Yes)、最終パスの印刷を行いつつ、選択されたフラッシングフォームに対する上流側ノズルのフラッシングを実行し(S504)、先頭パスであれば(S503:No)、先頭パスの印刷を行いつつ、選択されたフラッシングフォームに対する下流側ノズルのフラッシングを実行する(S507)。
一方、S601において、CPU10が、インク受容可能なフラッシングフォームがないが、複数のフラッシングフォームに分散可能であると判定した場合(S603:Yes)、フラッシングにより吐出されるインクを分散できる複数のフラッシングフォームを選択する(S604)。つまり、S604では、1つのフラッシングフォームではフラッシング実行によるインクを受容できないが、複数のフラッシングフォームにおける各インクを受容し得る量の和がフラッシングによるインクの発数を受容可能な値であれば、それら複数のフラッシングフォームが選択される。S604の処理後、CPU10は、最終パスであれば(S605:Yes)、最終パスの印刷を行いつつ、選択された複数のフラッシングフォームに対し、上流側ノズルのフラッシングを分散して実行する(S606)。一方で、先頭パスであれば(S605:No)、CPU10は、先頭パスの印刷を行いつつ、選択された複数のフラッシングフォームに対し、下流側ノズルのフラッシングを分散して実行する(S607)。なお、S606,S607の処理において、複数のフラッシングフォームの各々に対するインクの発数は、同じであっても異なってよい。
S504、S507、S606、又はS607の処理後、フラッシングによるインクの発数を、吐出発数メモリ11bにおける吐出対象のフラッシングフォームに対する値に加算し(S505)、印刷に使用したノズルとフラッシングを実行したノズルとを、使用ノズルメモリ12bに記憶し(S506)、本処理を終了する。一方、S603において、複数のフラッシングフォームに分散することもできないとCPU10が判定した場合(S603:No)、CPU10は、フラッシングを行わない通常の印刷を実行し(S508)、本処理を終了する。
第2実施形態のMFP1によれば、インク受容可能なフラッシングフォームのうち、最も多くインクを受容し得るフラッシングフォームが選択されるので、フラッシングによるインクの吐出によってフラッシングフォームからインクが溢れることを確実に防止できる。また、フラッシングフォーム213〜216のうち、1つのフラッシングフォームではフラッシング実行によるインクを受容できない場合であっても、可能であれば、複数のフラッシングフォームに対して分散してフラッシングを実行するので、フラッシングによるインクの吐出によってフラッシングフォームからインクが溢れることを防止できる。また、フラッシング可能な機会が増えるので、画像の品質が損なわれる可能性を低減できる。
上記各実施形態において、MFP1が、インクジェット記録装置の一例である。給紙モータ21b、排紙モータ21cが、搬送手段の一例である。CRモータ21a、記録ヘッド21e、キャリッジ211が、記録手段の一例である。フラッシングフォーム213〜216が、吐出受け部の一例である。レジセンサ21eが、信号出力部の一例である。使用ノズルメモリ12bが、ノズル情報記憶手段の一例である。吐出発数メモリ11bが、インク量記憶手段の一例である。また、S408を実行するCPU10が、第1ノズル抽出手段の一例である。S504,S606が、第1予備吐出手段の一例である。S414を実行するCPU10が、第2ノズル抽出手段の一例である。S507,S607が、第2予備吐出手段の一例である。S404を実行するCPU10が、パスデータ取得手段の一例である。S406を実行するCPU10が、使用ノズル特定手段の一例である。S404を実行するCPU10が、搬送量取得手段、最終パス長取得手段、余白算出手段の一例である。S413を実行するCPU10が、最初パスデータ取得手段、印刷位置特定手段の一例である。S422を実行するCPU10が、各回パスデータ取得手段、ノズル割当変更手段の一例である。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、インクジェット装置の一例として、印刷機能以外の機能も有するMFP1を説明したが、印刷機能に特化したインクジェットプリンタもインクジェット記憶装置の一例となり得る。
上記各実施形態では、特定領域A内に主走査方向に並ぶフラッシングフォーム213〜216を設ける構成としたが、特定領域Aに隣接して主走査方向に並ぶ位置にフラッシングフォームを設ける構成としてもよい。ここで、図7を参照して、当該変形例について説明する。図7(a)は、本変形例におけるプリンタ21の概略平面図であり、図7(b)は、記録用紙Pに対する印刷を実行中の、本変形例におけるプリンタ21を模した概略平面図である。なお、図7(a)では、図2(b)と同様にキャリッジ211を省略している。なお、本変形例において、上述した第1,2実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。本変形例のプリンタ21では、特定領域A内に主走査方向に並ぶフラッシングフォーム213〜216に加え、特定領域Aに隣接して主走査方向に並ぶ位置に、フラッシングフォーム217(リバース方向側)及びフラッシングフォーム218(フォワード方向側)が設けられている。フラッシングフォーム217,218を設けたことにより、各x回(xは1以上の整数)のパスによる領域Xpの印刷開始時又は印刷終了時に、記録ヘッド21dに形成されるノズルのうち、一部のノズルを用いて領域Xpに画像を印刷しつつ、フラッシングフォーム217,218に対向可能な(即ち、フラッシング可能な)ノズルのフラッシングを行うように構成してもよい。
なお、フラッシングフォーム217,218は、各x回(xは1以上の整数)のパスによる領域Xpの印刷開始時又は印刷終了時に、記録ヘッド21dに形成される少なくとも一部のノズルが対向する位置に設けられていればよく、例えば、完全に特定領域Aに隣接するのではなく、特定領域Aから僅かに離間された状態(実質的な隣接)であってもよい。また、図7に示す例では、フラッシングフォーム213〜216と、フラッシングフォーム217,218とを設けたが、フラッシングフォーム217,218だけであってもよい。図7に示す例のように、特定領域A内と、特定領域Aに隣接して主走査方向に実質的に隣接して並ぶ位置との両方にフラッシングフォームを設けることにより、ある記録用紙に対する最終パスと次の記録用紙に対する先頭パスとでフラッシングを実行できるとともに、各回のパスの開始時と終了時とでもフラッシングを実行できる。
上記各実施形態では、フラッシングフォーム213〜216のサイズ(主走査方向の長さ)が異なる構成としたが、同じサイズ(主走査方向の長さが同じ)であってもよい。また、設けるフラッシングフォームの数は、複数であることに限らず、1つだけであってもよい。また、上記各実施形態では、4つのフラッシングフォーム213〜216を各々離間させて形成したが、フラッシングフォーム213〜216を特定領域A内で互いに隣接させて形成してもよい。
また、特定領域A内に1つのフラッシングフォームを形成し、当該1つのフラッシングフォームを複数の領域に分割して用いる構成としてもよい。例えば、特定領域Aの全域に1つのフラッシングフォームを形成し、このフラッシングフォームを大きさの異なる4つの領域に分割し、分割された各領域を、上記実施形態のフラッシングフォーム213〜216として取り扱う構成としてもよい。
上記各実施形態では、フラッシングフォームに対して吐出されたインクの発数の上限値を、フラッシングフォーム毎に指定する構成としたが、全てのフラッシングフォーム213〜216に対して共通な値を指定する構成としてもよい。また、上記第2実施形態では、S602において、CPU10は、インク受容可能なフラッシングフォームの中から、最も多くインクを受容し得るフラッシングフォームとして、吐出発数メモリ11bに記憶されている値と、各フラッシングフォームに対して上限値として予め設定されている値との差が最も大きなフラッシングフォームを選択したが、これに換えて、インク受容可能なフラッシングフォームの中から、吐出発数メモリ11bに記憶されている値が最も小さいフラッシングフォームを選択する構成としてもよい。
上記各実施形態では、吐出発数メモリ11bに、インクの発数を記憶する構成としたが、インクの発数と吐出したインク滴の大きさとから算出される吐出したインク容量など、インクの発数に対応する値を記憶させる構成としてもよい。
上記各実施形態では、「各フラッシングフォーム213〜216に対して上限値として指定されている値」として、インクの発数をフラッシュメモリ11に予め記憶させておく構成としたが、「上限値」としては、インクの発数に限らず、受容可能なインク容量など、インクの発数に対応する値であってもよい。また、「上限値」を、フラッシングフォームに対する割合(例えば、90%など)とし、その割合をフラッシュメモリ11に記憶させておいてもよい。かかる場合には、異なるサイズのフラッシングフォームであっても、上限値が同一になる場合があり得る。
上記各実施形態では、最終パスにおけるノズルの使用状況として、最終パスの印刷に使用したノズルと、フラッシングを実行したノズルとを、使用ノズルメモリ12bに記憶する構成としたが、最終パスの印刷に未使用なノズルと、フラッシングを実行したノズルとを、ノズルの使用状況として使用ノズルメモリ12bに記憶する構成としてもよい。あるいは、最終パスの印刷にも使用されず、フラッシングも行われなかったノズルを特定し、そのように特定されたノズルを、使用ノズルメモリ12bに記憶してもよい。
上記各実施形態では、パスデータはPC500から供給される構成としたが、MFP1において、元画像と印刷設定とに基づいてパスデータを生成し、生成されたパスデータに基づいて、下端又は上端の余白量の取得や、印刷に使用するノズルの特定や、フラッシング可能なノズルの特定などを実行する構成としてもよい。
上記各実施形態では、毎ページ間でフラッシングを行う構成としたが、数ページ毎に隣接する2ページ間のフラッシングを行う構成としてもよい。また、最終ページの記録用紙に対する最終パスでのフラッシングを省略する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、レジセンサ21eがオフされてから最終パスを実行する位置までの記録用紙の搬送量と、最終パスにおける画像部分の副走査方向のドット列の長さとから、現在ページの下端の余白量を取得する構成としたが、最終パスのパスデータに含まれる余白量の情報に基づいて、現在ページの下端の余白量を取得する構成としてもよい。
上記各実施形態では、CPU10が、図4〜図6の各ステップ処理を実行する構成として説明したが、CPU10の代わりに、ASIC24が図4〜図6の各ステップ処理を実行する構成としてもよい。また、CPU10とASIC24とが協働して、図4〜図6の各ステップ処理を実行する構成としてもよい。
1 MFP
11a 制御プログラム


Claims (13)

  1. 被記録媒体を副走査方向に沿った搬送方向に搬送する搬送手段と、
    インクを吐出する複数のノズルが前記副走査方向に沿って並ぶノズル列を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドを前記副走査方向に直交する主走査方向に移動させるキャリッジとを有し、前記キャリッジを移動させながら、前記搬送手段により搬送される被記録媒体に対して、前記記録ヘッドのノズルからインクを吐出させて画像を記録させる記録手段と、
    前記記録手段により前記主走査方向に移動される前記キャリッジのノズルが対向可能な対向領域内の領域であって、かつ、前記搬送手段により搬送される被記録媒体が通過する領域である特定領域の領域内、または、前記対向領域内の位置であって、かつ、前記特定領域の前記主走査方向外側に隣接する位置である隣接位置に設けられ、前記ノズルから吐出されたインクを受容する吐出受け部と、
    前記記録手段による、前記キャリッジを前記主走査方向の一方向に移動させながら被記録媒体に画像を記録する処理の実行中に、当該処理による画像の記録に使用されないノズルであって、かつ、前記吐出受け部に対向可能なノズルを抽出する第1ノズル抽出手段と、
    前記処理の実行中に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルから前記吐出受け部にインクを吐出する第1予備吐出手段と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録手段は、前記記録ヘッドを主走査方向の一方向に移動させながら、前記主走査方向における前記記録ヘッドの移動範囲に対応したドット列を形成する動作を1パスの処理として、複数パスの処理を繰り返すことにより、前記ドット列から構成される画像を被記録媒体に形成し、
    前記吐出受け部は、前記特定領域又は前記外側位置に、前記主走査方向に沿って設けられ、
    前記第1ノズル抽出手段は、前記記録手段により画像が記録されている第1の被記録媒体に連続して当該被記録媒体とは異なる第2の被記録媒体に対して画像が記録される場合、前記記録手段による前記第1の被記録媒体に対する最終パスの処理に使用されないノズルであって、かつ、前記吐出受け部に対向可能なノズルを抽出し、
    前記第1予備吐出手段は、前記記録手段による前記第1の被記録媒体に対する最終パスの処理の実行中に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルから前記吐出受け部にインクを吐出する、ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドのノズルのうち、前記第1の記録媒体に対する最終パスの処理に使用されていないノズルであって、前記第1予備吐出手段により前記吐出受け部にインクを吐出したノズル以外のノズルを少なくとも含むノズル群を、前記吐出受け部に対向可能なノズルとして抽出する第2ノズル抽出手段と、
    前記記録手段により前記第1の被記録媒体に連続して前記第2の被記録媒体に対して画像が記録される場合、前記記録ヘッドのノズルのうち、前記第2ノズル抽出手段により抽出されたノズル群以外のノズルを用いて行う前記記録手段による当該第2の被記録媒体に対する最初のパスの処理の実行中に、前記第2ノズル抽出手段により抽出されたノズルから前記吐出受け部にインクを吐出する第2予備吐出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1ノズル抽出手段は、前記処理による画像の記録に使用されないノズルのうち、記録対象の被記録媒体における余白領域に対応するノズル以外のノズルを抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録手段は、前記記録ヘッドを主走査方向の一方向に移動させながら、前記主走査方向における前記記録ヘッドの移動範囲に対応したドット列を形成する動作を1パスの処理として、複数パスの処理を繰り返すことにより、前記ドット列から構成される画像を被記録媒体に形成し、
    前記記録手段により記録対象の被記録媒体に対する1パスの処理により形成されるドット列に対応するパスデータを取得するパスデータ取得手段と、
    前記記録ヘッドのノズルのうち、前記記録手段により画像を記録するために使用される使用ノズルを、前記パスデータ取得手段により取得されたパスデータに基づいて特定する使用ノズル特定手段と、を備え、
    前記第1ノズル抽出手段は、前記使用ノズル特定手段により特定された使用ノズルに基づいて、前記処理による画像の記録に使用されないノズルを特定し、特定した前記使用されないノズルのうち、前記余白領域に対応するノズル以外のノズルを抽出することを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録手段は、前記記録ヘッドを主走査方向の一方向に移動させながら、前記主走査方向における前記記録ヘッドの移動範囲に対応したドット列を形成する動作を1パスの処理として、複数パスの処理を繰り返すことにより、前記ドット列から構成される画像を被記録媒体に形成し、
    前記吐出受け部は、前記特定領域又は前記外側位置に、前記主走査方向に沿って設けられ、
    前記特定領域より前記搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段により記録対象の被記録媒体における記録終了側の端部が搬送されることに基づき信号を出力する信号出力部と、
    前記信号出力部から信号が出力されてから、当該被記録媒体に対する最終パスの処理の開始位置に到達するまでに、当該記録媒体が前記搬送手段により搬送された搬送量を取得する搬送量取得手段と、
    前記最終パスの処理により形成されるドット列の前記搬送方向の長さを取得する最終パス長取得手段と、
    前記搬送量取得手段により取得された搬送量と、前記最終パス長取得手段により取得された長さとに基づいて、被記録媒体における記録終了側の端に形成される余白領域の前記搬送方向長さを算出する余白算出手段と、
    を備え、
    前記第1ノズル抽出手段は、前記余白領域算出手段により算出された余白領域の前記搬送方向長さに基づいて、前記処理による画像の記録に使用されないノズルのうち、前記記録対象の被記録媒体における余白領域に対応するノズル以外のノズルを抽出することを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1ノズル抽出手段は、前記処理による画像の記録に使用されないノズルのうち、記録対象の被記録媒体における余白領域と当該余白領域における前記記録対象の被記録媒体の端部側に隣接する所定領域とに対応するノズル以外のノズルを抽出することを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録手段により前記第1の被記録媒体に対する最終パスの処理に使用されなかったノズルのうち、前記第1予備吐出手段により前記予備吐出受け部にインクを吐出したノズル以外のノズルを特定可能な情報を記憶するノズル情報記憶手段と、
    前記記録手段により前記第2の被記録媒体に対する最初のパスの処理により形成されるドット列に対応するパスデータを取得する最初パスデータ取得手段と、
    前記最初パスデータ取得手段により取得されたパスデータに基づいて、前記第2の被記録媒体に対する前記最初のパスの処理により形成されるドット列の位置を特定する印刷位置特定手段と、
    を備え、
    前記第2ノズル抽出手段は、前記ノズル情報記憶手段に記憶されている情報と、前記印刷位置特定手段により特定された前記最初のパスの処理により形成されるドット列の位置とに基づいて、前記記録手段による当該第2の被記録媒体に対する最初のパスの処理の実行中に、前記吐出受け部に対向可能な前記ノズル群を抽出することを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記記録手段により前記第2の被記録媒体に対する2回目以降の各回のパスの処理により形成されるドット列に対応するパスデータを取得する各回パスデータ取得手段と、
    前記最初パスデータ取得手段により取得したパスデータと、前記第2ノズル抽出手段により抽出されたノズル群とに基づいて、前記各回パスデータ取得手段により取得されたパスデータに対応するドット列を形成するために用いるノズルの割り当てを変更するノズル割当変更手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8記載のインクジェット記録装置。
  10. 複数の前記吐出受け部を有し、
    前記複数の吐出受け部の各々に吐出されたインク量に基づく値をそれぞれ記憶するインク量記憶手段を備え、
    前記第1予備吐出手段は、前記複数の吐出受け部のうち、前記インク記憶手段に記憶されている値が所定の閾値以下である吐出受け部がある場合、当該吐出受け部に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルからインクを吐出することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記第1予備吐出手段は、前記複数の吐出受け部のうち、前記インク記憶手段に記憶されている値が所定の閾値以下であり、かつ、前記インク記憶手段に記憶されている値が最も小さい吐出受け部、あるいは、前記複数の吐出受け部のうち、前記インク記憶手段に記憶されている値が所定の閾値以下であり、かつ、前記インク記憶手段に記憶されている値と当該閾値との差が最も大きい吐出受け部に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルからインクを吐出することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記第1予備吐出手段は、前記複数の吐出受け部のうち、前記インク記憶手段に記憶されている値が所定の閾値以下である吐出受け部がない場合、前記複数の吐出受け部のうち、2以上の吐出受け部に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルからインクを分散して吐出することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記特定領域内に前記主走査方向に沿って配置され、前記主走査方向の長さがそれぞれ異なる複数の前記吐出受け部を有し、
    前記第1予備吐出手段は、前記記録手段による画像の記録における前記キャリッジの移動速度が速いほど、前記複数の吐出受け部のうち、前記主操作方向の長さが長い吐出受け部に、前記第1ノズル抽出手段により抽出されたノズルから前記吐出受け部にインクを吐出することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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