JP4517324B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口からインク滴を吐出して記録用紙に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、この記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時に吐出されるインク滴を受けるフラッシング領域を、記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置に関し、特にフラッシング動作時において生ずる微小なインク滴による不要なインクミスト(霧状インク)を効果的に回収できるようにしたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、一般にキャリッジ上に搭載されて記録用紙の幅方向に走査するインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドの走査方向と直交する方向に移動させる紙送り手段が備えられ、印刷データに対応して記録ヘッドより記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
【0003】
そして、記録ヘッドに対して例えばブラックインク、およびイエロー、シアン、マゼンタの各カラーインクを連続的に供給できるように構成することで、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各カラーインクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
このようなインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズル形成面を払拭して清掃するワイピング部材が備えられている。
【0005】
前記キャッピング手段は、印刷の休止時に記録ヘッドにおけるノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋体として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャッピング手段によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出してノズル開口のインクの固化による目詰まりや、インク流路内への気泡の混入によるインク滴の吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡の混入状態を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、例えば装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、ユーザが印刷画像の品質が悪化したのを認識してクリーニングスイッチを操作した場合などに実行され、記録ヘッドからインクを吸引排出させた後に、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材により記録ヘッドのノズル形成面を払拭する操作が伴われる。
【0007】
また、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させる機能も備えており、これはフラッシング操作と呼ばれ、クリーニング操作時にワイピング部材による払拭操作でヘッドのノズル開口近傍に生じた不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷中にインク滴の吐出が少ないノズル開口において、インクの増粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行させる操作である。
【0008】
図7は、フラッシング操作時において、前記したキャッピング手段および印字領域を挟んだフラッシング領域にインク滴を空吐出させるように構成した従来のインクジェット式記録装置の一例を示したものである。図7において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1は図示せぬキャリッジモータにより駆動されるタイミングベルトを介し、左右のフレーム2,3に支持されたガイド軸4に案内されてガイド軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0009】
前記キャリッジ1には、下方に向けてインクジェット式記録ヘッド5が搭載され、またその上部には前記記録ヘッド5にインクを供給するブラックインクカートリッジ6、およびカラーインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。そして、前記記録ヘッド5の下方には、その走査方向に対応して紙案内部材8が配置され、この紙案内部材8上に載置された記録用紙9を、図示せぬ紙送り手段によって記録ヘッド5の主走査方向と直交する副走査方向に順次搬送させることができるように構成されている。
【0010】
図中符号10は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッド5が直上に移動した時に、上方に移動して記録ヘッド5のノズル形成面を封止することができるように構成されている。そして、キャッピング手段10の下方には、キャッピング手段10の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ11が配置されている。
【0011】
前記キャッピング手段10は記録装置の休止期間中における記録ヘッド5のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受け、すなわち第1のフラッシング領域として機能し、さらに前記吸引ポンプ11からの負圧を記録ヘッド5に作用させて、インクを吸引排出させるクリーニング手段としての機能も兼ねている。
【0012】
そして、キャッピング手段10に隣接した印字領域側には、ゴムなどの弾性板等により構成されたワイピング部材12が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段10側に往復移動する際に、記録ヘッド5のノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0013】
一方、中央の印字領域を介した前記キャッピング手段10と対向した他方端の近傍には、第2のフラッシング領域13が形成されている。この第2のフラッシング領域13は、紙案内部材8を貫通するようにして形成された開口穴により構成されている。そして、フラッシング領域13を形成する開口穴の内底部には、ポンプ11を介して前記キャッピング手段10より排出されたインクを吸収保持する廃液吸収材14の一部が配置されており、この吸収材14は前記紙案内部材8に沿って配置された廃液タンク15内に納められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような記録装置においては、前記したとおり印字中に不使用のノズルでのインク増粘による吐出不良を防止するために、定期的にフラッシングが実行されるように構成されている。特に最近の機種においては、平均的に数秒ごとに数十ショット/1ノズル程度のフラッシングがなされる。このフラッシングはクリーニング操作後のタイミングにおいて混色防止のために、または印刷開始時のタイミングにおいて、さらにまた印刷中に定期的に各ノズルから、数千から数万ショットの吐出が実行されることもある。
【0015】
これらのフラッシングは、第1のフラッシング領域としての前記キャッピング手段10内に行うこともあれば、紙案内部材8に形成された開口穴による第2のフラッシング領域13において行うこともある。これは、キャッピング手段10内においてのみフラッシングを実行した場合には、キャッピング手段10内がインクで満タンになり、インクがあふれてしまうという問題を回避するといった理由も含まれる。
【0016】
また昨今の機種においては、スループットを向上させるために、記録ヘッドをキャッピング手段10まで戻さずに、キャリッジの移動方向に対向する第2のフラッシング領域でフラッシングを実行させるシーケンスを採用する機種も提供されている。また定期フラッシングの必要な間隔が短い場合や、用紙サイズが大きくキャリッジの移動に時間を要する場合、さらには印刷方向とフラッシングが必要となるタイミングが噛み合わない場合などにおいては、第2のフラッシング領域でフラッシングを実行させるようになされている。
【0017】
第2のフラッシング領域13として、図7に示したように紙案内部材8に開口穴を形成した場合においては、記録ヘッド5のノズル形成面から廃液吸収材14までの距離は数十mm程度となり、インク滴の飛翔距離が増大することは免れない。このために記録ヘッドのノズル開口から吐出されたインク滴の一部は、吸収材14に到達する前に空気抵抗によってインクミスト(霧状インク)となって矢印で示したように浮遊し、記録用紙をはじめ装置の内外を汚染させるという問題が発生する。
【0018】
このような問題の発生を防止させるために、記録ヘッドと近い位置に廃液吸収材を配置する構成も考えられるが、一般にキャリッジの走行範囲のヘッド対向部分には紙送りローラ等の機構があり、十分な容積が確保できないのが現実である。また、ノズル開口から吐出されたインク滴は少なからず帯電しており、記録装置内の駆動部で発生した静電気による影響、さらには装置内の温度上昇を抑えるために配置した排気ファンによる空気流、またはキャリッジの移動に伴つて発生する空気流によっても加速される。
【0019】
このような、帯電および空気流の影響を受けて、インクミストは広範囲に拡散し、前記したように記録用紙および記録装置の内外までも汚染させるといった問題が残される。特に高画質化を実現させるために、各インク滴の量を可及的に小さく制御する昨今の記録装置においては、インクミストがより発生しやすく、このような問題がより顕著に現れる。
【0020】
本発明は、前記したような問題点に鑑みてなされたものであり、特にフラッシング動作時において、微小滴となって浮遊するインクミストを効果的に回収し得るインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものであり、これにより装置の内外を汚染させることのない商品価値に優れたインクジェット式記録装置を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するためになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置は、記録用紙の幅方向に走査するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出して記録用紙に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受けるフラッシング領域を、前記記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置であって、前記フラッシング領域には、フラッシング動作により記録ヘッドのノズル開口から吐出されるインク滴が通過可能な開口部が形成されると共に、前記開口部を介して開口部よりも十分大きな内部空間をインク回収貯留部として形成した筐体状のインク回収ユニットが配置され、前記インク回収ユニットの開口部には、フラッシング動作に伴って吐出されるインク滴を、前記インク回収貯留部内に誘導する誘導手段が配置された構成とされる。
【0022】
この場合、好ましくは前記誘導手段が、フラッシング動作時において可動されるように構成される。そして、好ましい第1の形態においては、前記誘導手段が、非フラッシング動作時においてインク回収ユニットの開口部を閉塞し、フラッシング動作時においてインク回収ユニットの開口部を開放するように構成される。
【0023】
この場合、前記誘導手段は、好ましくは記録ヘッドを搭載したキャリッジのフラッシング領域への移動に伴う駆動力を受けて、インク回収ユニットの開口部を開放するように構成される。この場合の好ましい実施の形態においては、前記誘導手段は、非フラッシング動作時においてインク回収ユニットの開口部を閉塞する蓋体により構成され、前記キャリッジのフラッシング領域への移動に伴う駆動力を受けて、キャリッジの移動方向に摺動してインク回収ユニットの開口部を開放するように構成される。
【0024】
そして、前記キャリッジの一部には作動部材が配置され、前記蓋体にはキャリッジの移動に伴う前記作動部材に当接して、蓋体を摺動させる当接部材が配置される。加えて、前記蓋体はバネ部材によってインク回収ユニットの開口部が閉塞されるように付勢された構成とされる。
【0025】
一方、好ましい第2の形態においては、前記誘導手段がフラッシング動作時においてインク回収ユニットの開口部から立ち上がって、記録ヘッドと前記開口部との間にインク滴の誘導路を形成させる筒状体により構成される。この場合、前記筒状体は、好ましくは記録ヘッドを搭載したキャリッジのフラッシング領域への移動に伴う駆動力を受けて、インク回収ユニットの開口部から記録ヘッドに向かって立ち上がるように構成される。
【0026】
そして、前記キャリッジの一部には作動部材が配置され、前記筒状体にはキャリッジの移動に伴う前記作動部材に当接し、筒状体を記録ヘッドに向かって立ち上げる傾斜面を有する保持部材によって保持された構成とされる。加えて、前記筒状体は、バネ部材によってインク回収ユニットの開口部内に降下する方向に付勢された構成とされる。
【0027】
また、前記した第1の形態または第2の形態のいずれを採用するにおいても、前記インク回収ユニットの下底部には、廃液吸収材を配置することが望ましい。
【0028】
前記のように構成された第1の形態におけるインクジェット式記録装置によると、記録ヘッドを搭載したキャリッジがインク回収ユニットが配置されたフラッシング領域に向かって移動すると、インク回収ユニットの開口部が開放されるように作用する。すなわち、インク回収ユニットの開口部を閉塞するように配置された蓋体は、キャリッジの駆動力を受けてキャリッジの移動方向に摺動し、インク回収ユニットの開口部を開放するようになされる。
【0029】
この状態において、記録ヘッドのノズル開口からインク滴を空吐出するフラッシング動作が実行される。これにより、ノズル開口から吐出されたインク滴はインク回収ユニットに形成された開口部より、回収ユニット内に導入される。そして、前記したフラッシング動作が終了した場合には、キャリッジは印字領域側に移動するため、前記蓋体はバネ部材の付勢力によってインク回収ユニットの開口部を閉塞する。
【0030】
したがって、第1の形態においてはフラッシング動作によって吐出されたインク滴の一部が、たとえインクミストに変化しても、その大部分は、インク回収ユニット内に閉じ込められる。これにより、インクミストは、インク回収ユニットの内壁面に付着するか、または回収ユニットの下底部に配置された廃液吸収材に吸収されて回収される。
【0031】
一方、前記のように構成された第2の形態におけるインクジェット式記録装置によると、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、インク回収ユニットが配置されたフラッシング領域に向かって移動すると、インク回収ユニットの開口部に配置されたインク滴の誘導路を構成する筒状体が、記録ヘッドに向かって立ち上がるように作用する。
【0032】
この状態において、記録ヘッドのノズル開口からインク滴が空吐出されるフラッシング動作が実行される。これにより、ノズル開口から吐出されたインク滴は、前記筒状体内を通り、インク回収ユニットの開口部に誘導されて回収ユニット内に導入される。そして、前記したフラッシング動作が終了した場合には、キャリッジは印字領域側に移動するため、前記蓋体はバネ部材の付勢力によって回収ユニットの開口部側に降下される。
【0033】
したがって、第2の形態においてはフラッシング動作によって吐出されたインク滴の一部が、たとえインクミストに変化しても、誘導路を構成する筒状体の作用によって、その大部分は回収ユニット内に導入することができる。これにより、インクミストはユニットの内壁面に付着するか、または回収ユニットの下底部に配置された廃液吸収材に吸収されて回収される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1はその第1の実施の形態を採用した記録装置の基本構成を断面状態で示したものである。なお、図1において既に説明した図7の各部に相当する部分は同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。図1に示すように、紙案内部材8の下方に配置された廃液タンク15は、図7に示した従来例に比較してキャリッジの移動方向においてほぼ半分程度の寸法に構成されており、また図1に示すように記録装置の右半部に配置されている。
【0035】
一方、紙案内部材8の下方における左半部には、符号21として示したインク回収ユニットが配置されている。この回収ユニット21は、その外観がほぼ直方体状の筐体により構成しており、フラッシング動作により記録ヘッド5のノズル開口から吐出されるインク滴が通過可能な開口部22が上部に向かって形成されている。これにより、前記開口部22は記録ヘッド5にフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受け入れる第2のフラッシング領域を形成している。そして、インク回収ユニット21の内部は、前記開口部22を介して開口部よりも十分大きな内部空間をインク回収貯留部21aとして形成している。また、インク回収ユニット21を構成する筐体の下底部には、シート状の廃液吸収材23が配置されている。
【0036】
図2に拡大して示したように、前記開口部22にはフラッシング動作時に伴って吐出されるインク滴を、前記インク回収貯留部21a内に誘導する誘導手段としての蓋体30が、水平方向に摺動可能となるように配置されている。この蓋体30は一枚の板状部材により構成されており、蓋体30を水平方向に案内して摺動させることができる直状の案内溝31aを形成した案内部材31が、蓋体30の摺動方向の両側部に配置されている。
【0037】
そして、キャリッジ1における第2フラッシング領域側には、作動部材32が垂直方向に垂下されるように取り付けられており、一方、前記蓋体30の上面にはキャリッジ1の移動に伴う前記作動部材32に当接して、蓋体30をキャリッジの移動方向に摺動させる当接部材33が配置されている。前記蓋体30の上面に配置された前記当接部材33には、ロッド部材34の一端部が取り付けられており、このロッド部材34の他端部は、左側フレーム2を貫通して当該フレームにおいてスライドできるように構成されている。
【0038】
そして、前記ロッド部材34を捲装するようにしてコイル状のバネ部材35が配置されており、このバネ部材35によって、当接部材33を中央部側に付勢し、当接部材33を介して前記蓋体30が回収ユニットの開口部22の上部に位置させて、当該開口部22が閉塞されるように構成されている。なお、前記した案内部材31の図2における右端部には、案内溝31aを埋設するようにしてストッパ部材31bが配置されており、これにより、蓋体30は開口部22をその直上で閉塞した状態に位置される。
【0039】
以上の構成において、キャリッジ1が図中左方向に移動した場合、キャリッジに配置された前記作動部材32が、蓋体30の上面に配置された当接部材33に当接する。そして、キャリッジ1が、なおも図中左方向に移動すると、図3に示したように、当接部材33をバネ部材35の付勢力に抗して進行方向に押し込む。これに伴い、開口部22の直上に閉塞状態で位置した前記蓋体30は、同方向に摺動され、開口部22を開放する。
【0040】
この状態で、記録ヘッド5には、フラッシング動作を実行させる駆動信号が供給され、記録ヘッド5のノズル開口よりインク滴の空吐出がなされる。このフラッシング動作により、ノズル開口から吐出される殆どのインク滴は、図3に破線で示したように前記開口部22から回収ユニット21内のインク回収貯留部21aに進入し、ユニット21の下底部に配置されたシート状の廃液吸収材23に到達して、これにより吸収される。
【0041】
一方、ノズル開口より吐出されたインク滴の一部は、回収ユニットの開口部22を通過した程度の位置で、空気抵抗を受けてインクミストに変化する。しかしながら、フラッシング動作が終了した場合には、キャリッジ1は再び印字領域側に移動するため、前記バネ部材35の作用により、蓋体30は図2に示すように開口部22を閉塞する。これにより、前記インクミストは回収ユニット21内に閉じ込められ、廃液吸収材23上に時間経過と共に降下するか、またはユニット21の内壁面に付着して捕獲される。したがって前記した構成によると、フラッシングによって発生するインクミストが装置内に浮遊して、記録用紙をはじめ装置の内外を汚染させるという問題を解決することができる。
【0042】
次に図4は、第2の実施の形態の主要部を一部省略して示したものであり、また図5および図6はこれを拡大して示したものである。なお、図4乃至図6において、既に説明した各部に相当する部分は同一符号で示している。この第2の実施の形態においては、図4に示すようにインク回収ユニット21の開口部22において、上下方向に移動できるように配置された誘導手段としての筒状体40が具備されている。この筒状体40は、後述するようにフラッシング動作時において、記録ヘッド5とインク回収ユニット21の前記開口部22との間でインク滴の誘導路を形成させるように作用する。
【0043】
図5にも示されたように、キャリッジ1における第2フラッシング領域側には、作動部材41が垂直方向に垂下されるように取り付けられており、この作動部材41の下端部には、棒状の係止部41aが水平方向に突出するように取り付けられている。一方、前記筒状体40は、キャリッジ1の移動に伴う前記作動部材41の係止部41aに当接し、筒状体40を記録ヘッドに向かって立ち上げる傾斜面42aを有する保持部材42によって保持されている。
【0044】
また、保持部材42には、図5および図6に示されたように、ロッド部材43の一端部が取り付けられており、このロッド部材43はインク回収ユニット21の一部を構成する板体を貫通してスライドできるように構成されている。そして、板体を貫通したロッド部材43を捲装するようにしてコイル状のバネ部材44が配置されており、このバネ部材44によって、ロッド部材43を下方に付勢し、この結果、前記筒状体40を図5に示す状態に保持できるように構成されている。
【0045】
以上の構成において、図4に示す状態からキャリッジ1が図中左方向に移動した場合、図5に示すようにキャリッジ1に取り付けられた作動部材41における棒状の係止部41aが、筒状体40を保持する保持部材42に形成された傾斜面42aの上端部付近に当接する。そして、キャリッジ1が、なおも図中左方向に移動すると、前記棒状の係止部41aが、保持部材42に形成された傾斜面42aに沿って入り込むため、保持部材42は垂直方向に引き上げられる。
【0046】
これに伴って、図6に示されたように前記筒状体40もインク回収ユニット21の開口部22から記録ヘッド5に向かって立ち上がる。そして、図6に示すように筒状体40の内壁面によって、記録ヘッド5の周囲が囲撓された状態とされる。
【0047】
この状態で、記録ヘッド5には、フラッシング動作を実行させる駆動信号が供給され、記録ヘッド5のノズル開口よりインク滴の空吐出がなされる。このフラッシング動作により、ノズル開口から吐出されるインク滴は、図6に破線で示したように筒状体40内を誘導されて通過し、前記開口部22からユニット21内のインク回収貯留部21aに進入する。そして、殆どのインク滴はユニット21の下底部に配置されたシート状の廃液吸収材23に到達して、これにより吸収される。
【0048】
また、ノズル開口より吐出されたインク滴の一部は、空気抵抗を受けてインクミストに変化する。しかしながら、前記筒状体40の存在により、当該インクミストは水平方向への移動が阻止され、筒状体40によって誘導されて回収ユニット21内に自然に降下し、そのまま廃液吸収材23上に捕獲されるか、またはユニット21の内壁面に付着して捕獲される。
【0049】
そして、前記したフラッシング動作の実行後においては、キャリッジ1は再び印字領域側に移動するため、前記バネ部材44の作用により、筒状体40は降下し、筒状体40の内壁面によって、記録ヘッド5の周囲が囲撓された状態が解除される。したがって、前記した構成によると、フラッシング動作によって発生するインクミストが装置内に浮遊して、記録用紙をはじめ装置の内外を汚染させるという問題を解決することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、フラッシング動作により記録ヘッドのノズル開口から吐出されるインク滴が通過可能な開口部を形成したインク回収ユニットが配置され、このインク回収ユニットの開口部には、フラッシング動作に伴って吐出されるインク滴を、インク回収貯留部内に誘導する誘導手段が配置されているので、フラッシング動作によって発生するインクミストを効果的にインク回収ユニット内に誘導することができる。したがって、インクミストが装置内に浮遊して、記録用紙をはじめ装置の内外を汚染させるという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を採用した記録装置の基本構成を示した断面図である。
【図2】非フラッシング動作時における図1の要部を拡大して示した断面図である。
【図3】フラッシング動作時における図1の要部を拡大して示した断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を採用した記録装置の主要部を示した断面図である。
【図5】非フラッシング動作時における図4のさらに要部を拡大して示した断面図である。
【図6】フラッシング動作時における図4のさらに要部を拡大して示した断面図である。
【図7】従来のインクジェット式記録装置の基本構成を示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
4 ガイド軸
5 記録ヘッド
6 ブラックインクカートリッジ
7 カラーインクカートリッジ
8 紙案内部材
9 記録用紙
10 キャッピング手段
11 吸引ポンプ
12 ワイピング部材
15 廃液タンク
21 インク回収ユニット
21a インク回収貯留部
22 開口部
23 廃液吸収材
30 蓋体(誘導手段)
32 作動部材
33 当接部材
34 ロッド部材
35 バネ部材
40 筒状体(誘導手段)
41 作動部材
41a 係止部
42 保持部材
42a 傾斜面
43 ロッド部材
44 バネ部材

Claims (4)

  1. 記録用紙の幅方向に走査するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出して記録用紙に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受けるフラッシング領域を、前記記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置であって、
    前記フラッシング領域には、フラッシング動作により記録ヘッドのノズル開口から吐出されるインク滴が通過可能なインク回収ユニットの開口部が配置され、前記インク回収ユニットは、前記開口部を介して開口部よりも十分大きな内部空間をインク回収貯留部として形成した筐体状になされ、
    前記インク回収ユニットの開口部には、フラッシング動作時において前記開口部から立ち上がって、前記記録ヘッドと前記開口部との間にインク滴の誘導路を形成させる筒状体が配置され、前記筒状体は、記録ヘッドを搭載したキャリッジのフラッシング領域への移動に伴う駆動力を受けて、インク回収ユニットの開口部から前記記録ヘッドに向かって立ち上がるように構成されてなるインクジェット式記録装置。
  2. 前記キャリッジの一部には作動部材が配置され、前記筒状体はキャリッジの移動に伴う前記作動部材に当接し、筒状体を記録ヘッドに向かって立ち上げる傾斜面を有する保持部材によって保持された請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記筒状体は、バネ部材によってインク回収ユニットの開口部内に降下する方向に付勢されてなる請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記インク回収ユニットの下底部に、廃液吸収材を配置してなる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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