JP3707274B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受け止めるフラッシング領域を前記記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置であって、特にフラッシング動作時において、微小なインク滴による不要なミスト(霧状インク)の発生を抑制できるようにしたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。そしてキャリッジ上に、ブラックインクおよびイエロー、シアン、マゼンタの各カラーインクが吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段を備えている。
【0004】
このキャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャッピング手段によりノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引してノズル開口のインク固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0005】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡の混入状態を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、通常クリーニング操作と呼ばれ、装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが記録画像の品質が悪化したのを解消するためにクリーニングスイッチを操作した場合に実行され、インク滴を負圧により排出させる操作が実行される。
【0006】
また、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を吐出させる機能も備えており、これは通常フラッシング操作と呼ばれ、クリーニング操作時にワイピング等で記録ヘッドのノズル開口近傍の不揃いのメニスカスを回復させたり、また印刷中にインク滴の吐出量の少ないノズル開口において、インクの増粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行させる操作である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、前記したキャッピング手段およびフラッシング操作時においてインクを空吐出させるフラッシング領域を備えた従来のインクジェット式記録装置の一例を示したものである。図5において符号51はキャリッジであり、図示せぬキャリッジモータにより駆動されるタイミングベルトを介し、左右のフレーム52,53に支持されて水平方向に配置されたキャリッジ軸54に案内されて往復移動されるように構成されている。
【0008】
前記キャリッジ51には、下方に向けてインクジェット式記録ヘッド55が搭載され、またその上部には前記記録ヘッド55にインクを供給するブラック用インクカートリッジ56、およびカラー用インクカートリッジ57が着脱可能に装填されている。前記記録ヘッド55の下方にはその走査方向に対応して紙案内部材58が配置され、紙案内部材58上には記録媒体としての記録用紙59が載置され、この記録用紙59は図示せぬ紙送り手段によって、記録ヘッド55の走査方向に直交する方向に移動されるように構成されている。
【0009】
図中符号60は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッド55が直上に移動した時に、記録ヘッド55のノズル形成面を封止できるように構成されている。そしてキャッピング手段60の下方には、キャッピング手段60の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ61が配置されている。
【0010】
前記キャッピング手段60は記録装置の休止期間中における記録ヘッド55のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受け、すなわち第1のフラッシング領域として機能し、さらに前記吸引ポンプ61からの負圧を記録ヘッド55に作用させて、インクを吸引する手段としての機能も兼ね備えている。
【0011】
そして、キャッピング手段60の近傍には、ゴムなどの弾性板等より構成されるワイピング部材62が配置されていて、キャリッジ51がキャッピング手段60側に往復移動する際に、記録ヘッド55のノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0012】
一方、中央の印字領域を介した前記キャッピング手段60と対向した他方端の近傍には、第2のフラッシング領域63が形成されている。この第2のフラッシング領域63は、紙案内部材58に形成された開口穴により構成されている。そして、この開口穴63の内底部には、前記キャッピング手段60の内部空間をポンプ61で吸引排出したインクを吸収保持する部材と兼用する廃液吸収材64が配置されており、この吸収材64は前記紙案内部材58に沿って配置された吸収材収納ケース、すなわち廃液タンク65内に納められている。
【0013】
ところで、前記した記録装置においては、印字中に不使用のノズルでのインク増粘による吐出不良を防止するために、定期的にフラッシングが実行されるように構成されている。特に最近の機種においては、平均的に数秒ごとに数十ショット/1ノズル程度のフラッシングがなされる。このフラッシングはクリーニング操作後のタイミングにおいて混色防止のために、または印刷開始時のタイミングにおいて、さらにまた印刷中に定期的に各ノズルから、数千から数万ショットの吐出も実行されることもある。
【0014】
これらのフラッシングは、第1のフラッシング領域としての前記キャッピング手段60内に行うこともあれば、紙案内部材58に形成された開口穴により構成する第2のフラッシング領域63において行うこともある。特に第2のフラッシング領域63においてフラッシング操作を実行させる理由としては、キャッピング手段60内がインクで満タンになり、それ以上インク滴を打ち込むとインクがあふれてしまうという問題を回避する目的を有している。
【0015】
また昨今の機種においては、スループットを上げるために、記録ヘッドをキャッピング手段60まで移動させずに、キャリッジの移動方向に対向する第2のフラッシング領域でフラッシングを実行させるシーケンスを採用する機種も提供されている。また定期フラッシングの必要な間隔が短い場合や、用紙サイズが大きくキャリッジの移動に時間を要する場合、さらには印刷方向とフラッシングが必要となるタイミングが噛み合わない場合などにおいては、第2のフラッシング領域でフラッシングを実行させるシーケンスが採用される。
【0016】
第2のフラッシング領域63として、図5に示したように紙案内部材58に開口穴を形成した場合においては、記録ヘッド55のノズル形成面から廃液吸収材64までの距離は数十mm程度となり、インクの飛翔距離が増大することは免れない。このために記録ヘッドのノズル開口から吐出されたインク滴の一部は、吸収材64に到達する前に空気抵抗によってミストとなって矢印で示したように浮遊し、周囲を汚染させという問題が発生する。
【0017】
またノズル開口から吐出したインク滴は少なからず帯電しており、記録装置内の駆動部で発生した静電気による影響、さらには装置内の温度上昇を抑えるために配置した排気ファンによる空気流によっても加速され、記録装置が配置された周囲(外部)までも汚染させるといった問題も発生し得る。特に高画質化を実現させるために各インク滴の量を可及的に小さく制御する昨今の記録装置においては、このような問題がより顕著に現れる。
【0018】
このような問題の発生を防止させるために、記録ヘッドと近い位置に廃液吸収材を配置する構成も考えられるが、一般にキャリッジ走行範囲のヘッド対向部分には紙送りローラ等の機構があり、十分な容量が確保できないのが現実である。さらに廃液吸収材は、廃液(インク)を保持する能力が高くなるように素材が選定されているため、フラッシングにより直接廃液吸収材にインク滴を打ち込むと、目詰まりし易く、またインクの吸収速度が遅いなどの弊害も発生する。
【0019】
本発明は、前記したような問題に鑑みてなされたものであり、特にフラッシング動作時において、微小滴となって浮遊するミストの発生を効果的に抑制し得るインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものであり、これにより装置の内外を汚染させることのない商品価値の高いインクジェット式記録装置を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受け止めるフラッシング領域を前記記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置であって、前記フラッシング領域には、前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、記録ヘッドにノズル開口から吐出された微小なインク滴がミストとなって浮遊するのを防止する程度に近接して対向するように配置された多孔質シートと、前記多孔質シートによって受け止められたインクを吸収する廃液吸収材が、前記多孔質シートとは別体に構成かつ離間して配置されていると共に、前記多孔質シートにおける記録ヘッドに対向する面が記録ヘッドのノズル形成面と平行に配置されていることを特徴とする。
【0021】
この場合、好ましくは前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時における記録ヘッドのノズル形成面と多孔質シートとの距離が1〜5mmとなされる。そして、前記多孔質シートには親水性を持たせた構成とすることが望ましい。さらに、前記多孔質シートの平均孔径は100〜500μmの範囲に選定することが望ましい。また、前記多孔質シートは、好ましくはその周縁がケースによって囲撓され、フラッシングによって吐出されたインクが、該ケース内を伝わって前記廃液吸収材に吸収されるように構成される。
【0022】
この場合、前記記録ヘッドのノズル形成面が鉛直方向または鉛直方向から傾斜した状態でキャリッジ上に搭載され、また前記多孔質シートにおける記録ヘッドに対向する面が記録ヘッドのノズル形成面とほぼ平行するように配置されると共に、前記多孔質シートの鉛直方向の下端部、または鉛直方向から傾斜した下端部が前記ケースの内壁面に接するように構成されていることが望ましい。
【0023】
さらにこの場合、前記多孔質シートの鉛直方向の下端部、または鉛直方向から傾斜した下端部が前記ケースの内壁面に接する位置において、多孔質シートの一部に切欠部を設けてケースの内壁面との間で開口部を形成することが望ましい。そして、好ましくは前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、前記開口部が記録ヘッドのノズル開口に対向しない位置となるように配置される。さらに、好ましい実施の形態においては、前記多孔質シートが記録ヘッドに対向する面において、短冊状の取付け部材によって前記ケースに取付けられた構成であって、前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、前記短冊状の取付け部材が記録ヘッドのノズル開口に対向しない位置となるように配置される。
【0024】
以上のようになされた本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、フラッシング領域において記録ヘッドよりフラッシングされたインク滴は、記録ヘッドに近接して対向するように配置された多孔質シートによって受け止められる。この場合、前記多孔質シートは記録ヘッドの直近に配置されているので、ノズル開口から吐出されたインク滴および微小滴は、そのほとんどが多孔質シートに飛翔し、その一部がミストとなって浮遊する確率を極端に小さくすることが可能である。そして、前記多孔質シートによって受け止められたインク滴は、多孔質シートを保持するケースを介して廃液吸収材に伝達され吸収される。この結果、前記ミストの発生により装置の内外を汚染させるという問題を解決することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1乃至図3は、床面に直接設置される大型のインクジェット式記録装置(以下、プリンタともいう)の構成を示したものであり、図1は当該プリンタの外観斜視図を示し、また図2は当該プリンタの内部構成の正面図である。さらに図3は図2における後述するフラッシング領域部分において破断した状態の縦断面図である。
【0026】
このプリンタは、給紙部1、印刷部2および排紙スタック部3が上、中および下の位置関係に配置されている。そして、前記給紙部1から印刷部2を経て排紙スタック部3に向かう用紙搬送経路が斜め上方の奥側から斜め下方の手前側にほぼ真っ直ぐに形成されている。前記給紙部1には、図2および図3に示すように例えば40インチ以上の紙幅を有する記録媒体としての長尺のロール紙4が配置できるように構成され、その交換時に取り外しが可能となるように装着されていて、前記給紙部1は作業者が立った状態でロール紙4の交換作業を行うに適した高さとなるように構成されている。
【0027】
そして実施の形態においては、図1に示すように、前記給紙部1に装着されたロール紙4の前面を、開閉可能なロール紙カバ−5によって覆うことができるように構成されており、このカバ−5が閉じられた状態におけるカバー5の上面と印刷部2、および後述する排紙ガイド6とがほぼ面一となって、前記ロール紙4とは別の剛性厚紙などの給排紙も可能となるように構成されている。
【0028】
図2に示すように前記給紙部1には、一対のスピンドル受け7a,7bの下にさらにもう一対のスピンドル受け8a,8bが配置されている。なお、これらのスピンドル受けはプリンタ本体における左右一対のフレーム9,9にそれぞれ取付けられている。そして、ロール紙4,4をそれぞれ装着した長尺な2本のスピンドル7,8のそれぞれ両端が、前記スピンドル受け7a、7b間、および8a,8b間に載置された状態で横架されている。
【0029】
図1および図2から理解できるように、前記2本のスピンドル7,8は、相対的に上側のスピンドル7が、装置正面に立つ作業者に対して若干後方となるように、互いに斜め上下の関係に配置されている。そして各ロール紙4は、印刷部2を経て排紙スタック部3の入り口に向かって斜め上下にほぼ一直線に形成された用紙搬送経路に沿って搬送されるように構成されている。
【0030】
図2に示すように印刷部2には、左右のフレーム9,9間に水平状態となるように取付けられたガイドロッド10が配置され、このガイドロッド10上を左右に移動できるようにキャリッジ11が装着され、該キャリッジ11には記録ヘッド12が搭載されている。そして、記録ヘッド12による走査領域の下方に、用紙搬送経路の一部を成す平坦な排紙ガイド6が形成されている。
【0031】
また排紙スタック部3は、印刷された用紙を受ける部分であり、この排紙スタック部3は用紙受け面が折り畳み可能な布製シートから成るスタック布13で形成されている。そして排紙切換レバー14によって、図3に示すように、印刷された用紙を前記印刷部2のほぼ真下の第1受け部15に導く状態、または図には示していないがプリンタ本体の前面床上にスタック布13を展開して該前面側に一時的に作られる第2受け部に、用紙を導く状態も採り得るように構成されている。
【0032】
この実施の形態においては、印刷された用紙を第1受け部15に導く場合においては、印刷部2の下方に形成された前記排紙ガイド6における後端縁6aと、前記排紙切換レバ−14により用紙搬送経路上に突出させたスタック布13の上端縁13aとの間に開口16が形成されることにより確保されるように構成されている。
【0033】
また、印刷された用紙を第2受け部に導く場合には、排紙切換レバ−14によりスタック布13の上端縁13aを用紙搬送経路より後方に退避させると共に、スタック布固定レバー17を手前に引き出し、スタック布13の先端部側を固定したフック18を固定レバー17の前端部に係合させることで、スタック布13をプリンタ本体の前面側に展開させることができるように構成されている。
【0034】
図2に示すように、キャリッジ11に搭載された記録ヘッド12の走行領域における一端部は、非印字領域(ホームポジション)になされ、この非印字領域にはキャッピング手段21が配置されている。前記記録ヘッド12のノズル形成面は、後述するように鉛直方向から若干傾斜した状態でキャリッジ11上に搭載されており、キャッピング手段21は、記録ヘッド12が非印字領域に移動した時点で、記録ヘッド12のノズル形成面を封止できるように配置されている。そしてキャッピング手段21の下方には、キャッピング手段21の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ22が配置されている。
【0035】
前記キャッピング手段21は、記録装置の休止期間中における記録ヘッド12のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、前記吸引ポンプ22からの負圧を記録ヘッド12に作用させて、インクを吸引するヘッドクリーニング手段としての機能も兼ね備えている。そして、前記吸引ポンプ22によって吸引された排インクは、第1の廃液タンク23に排出され、当該タンク内に収容された廃液吸収材23aに吸収されるように構成されている。
【0036】
一方、前記キャッピング手段21に隣接した記録ヘッド12の移動経路上には、第1のフラッシング領域25が形成されており、この第1のフラッシング領域25には、図4において詳述するインク受けユニット27が配置されていて、このインク受けユニット27によって収集された排インクは、第1の廃液タンク23に排出され、当該タンク内に収容された廃液吸収材23aに吸収されるように構成されている。
【0037】
また、中央の印字領域を介した前記キャッピング手段21と対向した他方端にも、第2のフラッシング領域26が形成されている。この第2のフラッシング領域26においても、図4において詳述するインク受けユニット27が配置されていて、このインク受けユニット27によって収集された排インクは、第2の廃液タンク28に排出され、当該タンク内に収容された廃液吸収材28aに吸収されるように構成されている。
【0038】
前記した第1および第2のフラッシング領域は、例えば印刷しようとする紙幅に応じて、適宜選択して使用するようなフラッシングシーケンスが導入されており、これによりスループットを低下させることなく、かつフラッシングによる印字の信頼性が確保できるように構成されている。
【0039】
図4は、第1および第2のフラッシング領域に配置されるインク受けユニット27の構成を示したものであり、(イ)はその正面図を、(ロ)は(イ)に示す正面図において、ほぼ中央で破断した縦断面図を示している。このインク受けユニット27は、その中央部で130度程度の角度をもって屈曲された第1筒体31aと第2筒体31bよりなるケース部材31と、ケース部材31の第1筒体31aにおける開口部に配置されたほぼ四辺形状になされた多孔質シート32より構成されている。
【0040】
そして、このインク受けユニット27は、記録装置に対して第2筒体31bの軸線31cがほぼ鉛直方向となるように取付けられる。また多孔質シート32は、前記したとおり第1筒体31aにおける四角状の開口部において、短冊状の4つの取付け部材33によって押さえられ、第1筒体31a内に形成されたリブに対してビス34によって固定されている。換言すれば、図4(ロ)に示すように、多孔質シート32はその周縁がケースの開口部によって囲撓され、フラッシングによって吐出されたインクは、多孔質シート32よりケース内を伝わって前記廃液吸収材23a(28a)に吸収されるように構成されている。
【0041】
前記多孔質シート32は、図4(ロ)に仮想線(二点鎖線)で示すように、記録ヘッド12がフラッシング領域に位置した時において、記録ヘッドのノズル形成面12aと多孔質シート32との距離tが、好ましくは1〜5mm程度となるように配置されている。この距離tが小さければフラッシング時におけるミストの発生要因を小さくすることができて好ましいものの、これを1mm未満にしようとした場合には、駆動機構やユニットの取付け誤差などにより記録ヘッド12の移動によって、ヘッドのノズル形成面に損傷を与えるなどの問題が発生し、動作の信頼性を確保することは困難となる。また、前記距離tが5mmを越える場合には、フラッシング操作時においてノズル開口から吐出されたインク滴がミストとなって浮遊する程度が大きくなる。
【0042】
また、前記多孔質シート32の平均孔径は100〜500μm程度とすることが好ましい。この平均孔径は比較的大きめがよいが、500μmを越える場合には、インクの保持能力が低下するという問題が発生する。また、平均孔径が100μm未満となると、インクの保持能力が増大し、例えば装置の比較的長期の休止によってシートが乾燥した場合には、目詰まりを起こし易くなり機能の低下をもたらす。さらに、前記多孔質シートとして親水性の処理を施した素材を用いることが好ましく、これによりシート表面にインクが残りにくく、フラッシングによるインクの飛び散りを抑制させることができる。
【0043】
一方、図4(ロ)に示すように、前記多孔質シート32の下端部32aは、第1筒体31aの内方に若干屈曲されて、筒体31aの内壁面に接するように配置されている。この構成によって、多孔質シート32による保持能力以上のインクを筒体31aの内壁面内に効率よく伝えることができ、その軸芯がほぼ鉛直方向に配置された前記第2筒体31bを介して余剰インクを前記廃液吸収材23a側に落とすことができる。
【0044】
また、前記多孔質シート32における筒体31aの内壁面に接する下端部32aには、図4(イ)に示すように2つの矩形状の切欠部32bが形成されており、この切欠部32bによって、第1筒体31aの内壁面との間で開口部32cが形成されている。この開口部32cは、多孔質シート32に目詰まりが発生し、インクの保持能力が低下した場合において、フラッシングにより吐出されたインクを多孔質シート32が一旦受け止め、開口部32cを介して、第1筒体31a内に誘導するように作用する。これにより、長期にわたって動作の信頼性を確保させることが可能となる。
【0045】
この場合、前記開口部32cは、図4(イ)に示したように記録ヘッドのノズル開口列12bに対向しない程度となるように構成することが望ましい。このように構成することで、ノズル開口から吐出されたインクは、必ず多孔質シート32の表面に直接飛翔し、開口部32cに飛翔することによるミストの発生要因を阻止させることができる。
【0046】
また同様に、多孔質シート32を押さえる前記短冊状の取付け部材33の配置位置も、記録ヘッドのノズル開口列12bに対向しない位置とすることが望ましい。仮に、取付け部材33がノズル開口列12bに対向する位置に配置された場合には、取付け部材33の表面にインク滴が残留し、インク滴の跳ね返りを発生させてノズル形成面およびその周囲を汚染させることとなる。したがって、取付け部材33の配置位置を前記したように選定することで、ノズル形成面およびその周囲を汚染させるなどの弊害を防止させることが可能となる。
【0047】
なお、以上の説明は本発明を図1乃至図3に示したような特に大型の記録装置に適用した例に基づいているが、本発明はこのような特定の記録装置に適用されるだけでなく、他のインクジェット式記録装置に適用しても同様の作用効果を得ることができることは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、記録ヘッドに近接して対向するように多孔質シートを配置したことで、記録ヘッドよりフラッシングされたインク滴のほとんどは、前記多孔質シートによって捕獲し吸収させることができる。そして、多孔質シートにおいて受け止められたインク滴は、多孔質シートを保持するケースを介して廃液吸収材に伝達され吸収される。したがって、前記インク滴の一部がミストとなって浮遊する確立を極端に低減させることができる。よって、ミストの発生により装置の内外を汚染させるという問題を解決することができ、商品価値を一層向上させたインクジェット式記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置の内部構成の概略を示したの正面図である。
【図3】図2に示す記録装置において、フラッシング領域部分において破断した状態を示す縦断面図である。
【図4】フラッシング領域部分に配置されるインク受けユニットの構成を示した正面図および縦断面図である。
【図5】従来のインクジェット式記録装置の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 給紙部
2 印刷部
3 排紙スタック部
4 ロール紙
10 ガイドロッド
11 キャリッジ
12 記録ヘッド
12a ノズル形成面
12b ノズル列
21 キャッピング手段
22 吸引ポンプ
23,28 廃液タンク
23a,28a 廃液吸収材
25,26 フラッシング領域
27 インク受けユニット
31 ケース部材
31a 第1筒体
31b 第2筒体
32 多孔質シート
32b 切欠部
32c 開口部
33 取付け部材

Claims (9)

  1. 記録用紙の幅方向に移動するキャリッジ上に装填され、ノズル開口からインク滴を吐出して記録媒体に画像を形成するインクジェット式記録ヘッドを備え、
    前記記録ヘッドにフラッシング駆動信号を供給した時のインク滴を受け止めるフラッシング領域を前記記録ヘッドの移動経路上に配置したインクジェット式記録装置であって、
    前記フラッシング領域には、前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、記録ヘッドにノズル開口から吐出された微小なインク滴がミストとなって浮遊するのを防止する程度に近接して対向するように配置された多孔質シートと、
    前記多孔質シートによって受け止められたインクを吸収する廃液吸収材が、前記多孔質シートとは別体に構成かつ離間して配置されていると共に、
    前記多孔質シートにおける記録ヘッドに対向する面が記録ヘッドのノズル形成面と平行に配置されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時における記録ヘッドのノズル形成面と多孔質シートとの距離が1〜5mmとなされた請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記多孔質シートに親水性を持たせた請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記多孔質シートの平均孔径が100〜500μmである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記多孔質シートは、その周縁がケースによって囲撓され、フラッシングによって吐出されたインクが、該ケース内を伝わって前記廃液吸収材に吸収されるように構成した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記記録ヘッドのノズル形成面が鉛直方向または鉛直方向から傾斜した状態でキャリッジ上に搭載され、また前記多孔質シートにおける記録ヘッドに対向する面が記録ヘッドのノズル形成面と平行するように配置されると共に、前記多孔質シートの鉛直方向の下端部、または鉛直方向から傾斜した下端部が前記ケースの内壁面に接するように構成されている請求項5に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記多孔質シートの鉛直方向の下端部、または鉛直方向から傾斜した下端部が前記ケースの内壁面に接する位置において、多孔質シートの一部に切欠部を設けてケースの内壁面との間で開口部を形成した請求項6に記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、前記開口部が記録ヘッドのノズル開口に対向しない位置となるように配置されている請求項7に記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記多孔質シートが記録ヘッドに対向する面において、短冊状の取付け部材によって前記ケースに取付けられた構成であって、前記記録ヘッドがフラッシング領域に位置した時において、前記短冊状の取付け部材が記録ヘッドのノズル開口に対向しない位置となるように配置されている請求項5乃至請求項8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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