JP3826625B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジからのインクを受けて印刷データに基づいてインク滴を吐出する記録ヘッドと、インクカートリッジと記録ヘッドとの間のインク供給路に異物を除去するためのフィルタ部材を配置したインクジェット式記録装置に関し、特にフィルタ部材の上流側に残留した気泡を容易に排除することができるように構成したインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段を備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
【0003】
そしてキャリッジ上に、ブラックインクおよびイエロー、シアン、マゼンタの各カラーインクが吐出可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0004】
前記したインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0005】
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズルプレートを清掃するワイピング部材を備えている。前記キャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズルプレートを封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出させてノズル開口のインク固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0006】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡混入を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、これは装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが記録画像の品質が悪化したのを認識して例えばクリーニングスイッチを操作した場合などに実行され、インクを負圧により排出させた後に、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材によりノズル形成面のワイピング操作を伴う処理である。
【0007】
一方、民生用のこの種の記録装置においては、前記ブラックインクおよびカラーインクを封入した各インクカートリッジが記録ヘッドを搭載したキャリッジ上に、その上部から着脱可能に装着できるように構成されており、各カートリッジはキャリッジに上向きに搭載された中空状のインク供給針を介して記録ヘッドに対してインクが供給されるように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記したような記録装置においては、記録ヘッド内でのインクの流れる流路は、非常に微細に構成されており、したがってインクカートリッジから記録ヘッドに供給されるインクは、塵埃等の異物の混入のない清浄な状態であることが要求される。すなわち、塵埃等の異物が混入しているような場合においては、記録ヘッドのインク流路のなかでも特に狭いインク供給口や、ノズル開口部分に異物が詰まるという問題が発生し、これにより正常なインクの吐出作用が行なえなくなり、多くの場合において記録ヘッドの機能の回復は不可能となる。
【0009】
そこで、一般に記録ヘッドと前記インク供給針との間のインク流路に、異物を除去するフィルタ部材を配置し、このフィルタ部材によって記録ヘッド側への異物の侵入が防止できるように構成されている。
【0010】
一方、昨今においては印字スピードの高速化を実現するために、インクを吐出するためのノズル数も増大され、またインクを吐出させるためのアクチェータに加える駆動信号も益々高周波のものが採用されつつある。このために、単位時間当たりのインクの消費量も急激に増加している。
【0011】
これに伴い、前記フィルタ部材を通過するインク量も当然ながら増大し、フィルタ部材が持つ動圧(圧力損失)を抑えるためには、フィルタ部材の面積を大きくする必要がある。そのために、フィルタ部材が配置されるインク流路において、フィルタ部材の上流側に例えばテーパ状の空間部を形成するようになされている。このために、フィルタ部材の上流側におけるテーパ状の空間部には、常に気泡が滞留して排出できない状態となるという問題を抱えている。
【0012】
そこで、インクを初めて記録ヘッドの流路内へ充填する初期充填時、またはインクカートリッジを交換した場合に実行される交換クリーニング時においては、記録ヘッドのノズル形成面を負圧に吸引する吸引ポンプを、高速度で駆動してインクの流速を増大せしめ、前記残留気泡を排出させようとする試みが実施されている。しかしながら、前記フィルタ部材が持つ動圧を抑えるためのフィルタ部材の面積の増大化と、前記残留気泡との問題は相容れない作用に基づくものであり、残留気泡を根本的に除去することは不可能である。
【0013】
本発明は、前記したような技術的課題に着目してなされたものであり、特にフィルタ部材の上流に残留する気泡の量を可及的に低減させると共に、記録装置の実使用時において、前記した残留気泡の影響による印字不良の発生をなくすことができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクカートリッジと記録ヘッドとの間のインク供給路に配置され、異物を除去するためのフィルタ部材と、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止して負圧発生手段からの負圧を受けるキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に配置され、インク供給路における流路抵抗を可変する流路抵抗可変手段と、前記負圧を受けて前記フィルタ部材側に変形し流路の外壁を構成するする変形部材と、前記変形部材と前記フィルタ部材の間の椀状の空間部と、前記流路抵抗可変手段が所定の流路抵抗の状態に設定され、且つ前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面に前記負圧が与えられた状態において、前記負圧を受けて前記フィルタ部材の直上にある前記変形部材が変形し、前記フィルタ部材と前記椀状の空間部を閉塞するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
この場合、前記変形部材がフィルタ部材の上流側に配置され、前記負圧を受けて当該変形部材が変形し、前記フィルタ部材との前記椀状の空間容積が縮小されるように構成されることが望ましい。
【0016】
また、前記変形部材がフィルタ部材の上流側に配置された第1変形部材と、フィルタ部材の下流側に配置された第2変形部材より成り、負圧を受けて前記第1変形部材が変形し、前記フィルタ部材との空間容積が縮小されると共に、負圧を受けて前記第2変形部材が変形し、少なくともその一部が前記フィルタ部材に接するようにされた構成も採用し得る。そして、前記したいずれの構成においても、好ましくは前記変形部材として伸縮可能なラミネートフィルムが採用される。
【0017】
また本発明の好ましい実施の形態においては、前記フィルタ部材の上流側に配置された変形部材が、前記フィルタ部材に対して重力方向の直上に位置するように構成される。そして、前記フィルタ部材と変形部材との間の空間部に対して、重力方向に直交する水平方向からインクの供給を受け、前記空間部に供給されたインクが水平方向に配置された前記フィルタ部材を通過するように構成される。
【0018】
一方、前記変形部材がフィルタ部材の下流側に配置された構成においては、前記変形部材が、伸縮可能な薄膜状部材と、前記部材に取り付けられ負圧を受けて前記フィルタ部材に接する接触部材より構成され、前記接触部材の一部にインク流通孔が形成された形態が採用し得る。
【0019】
そして、前記したいずれの形態を採用するにしても、流路抵抗可変手段は、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、インク供給路を閉塞状態とするようにした構成、または流路抵抗可変手段は、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、インク供給路を閉塞せずに一部のインクが流通可能となるようにした構成が適宜採用される。
【0020】
特に後者の構成における流路抵抗可変手段は、好ましくはインクの主流路と副流路を備えたインク供給路に配置され、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、前記主流路のみを閉塞状態とするようにした構成が採用される。
【0021】
さらに、前記したいずれの形態を採用するにしても、インクカートリッジと記録ヘッドとがキャリッジ上に装填され、前記キャリッジのホームポジションへの移動によって、インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に配置された流路抵抗可変手段が、ホームポジションに配置された作動体に当接することで、流路抵抗が増大されるようにした構成が採用され得る。
【0022】
以上のように構成されたインクジェット式記録装置によると、インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に、流路抵抗が可変できる流路抵抗可変手段が配置され、この流路抵抗可変手段が所定の流路抵抗の状態に設定され、且つキャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面に負圧が与えられた状態において、負圧を受けてフィルタ部材側に変形する変形部材を備えたので、変形部材の変形によりフィルタ部材の上流側に残留する気泡をフィルタ部材の下流側に通過させて排出させることができる。
【0023】
この場合、前記変形部材をフィルタ部材の上流側に配置した場合には、負圧を受けた変形部材はフィルタ部材側に変形して残留気泡が溜まり易いフィルタ部材の上流側における空間部を閉塞するようになされる。これによって、残留気泡はフィルタ部材を通してフィルタ部材の下流側に強制的に押し出され、記録ヘッドより排出される。
【0024】
また、前記変形部材をフィルタ部材の下流側に配置した場合には、負圧を受けた変形部材はフィルタ部材側に変形してフィルタ部材の有効フィルタ面積を縮小させる。これによって、フィルタ部材の一部にインクの早い流れが発生し、フィルタ部材の上流側に存在する残留気泡は、局部的に発生するインクの早い流れに乗ってフィルタ部材を通過し、記録ヘッドより排出される。
【0025】
この結果、前記フィルタ部材の上流側に残留する気泡の量は低減され、記録装置の実使用時において、前記した残留気泡の影響による印字不良の発生をなくすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用され得る記録装置の基本構成を示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
【0027】
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、インクジェット式記録ヘッド7が搭載され、またその上部には前記記録ヘッド7にインクを供給するブラック用インクカートリッジ8、およびカラー用インクカートリッジ9が着脱可能に装填されている。
【0028】
図中符号10は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッド7が直上に移動した時に、記録ヘッド7のノズル形成面を封止できるように構成されている。そしてキャッピング手段10の下方には、キャッピング手段10の内部空間に負圧を与えるための負圧発生手段としての吸引ポンプ11が配置されている。
【0029】
前記キャッピング手段10は記録装置の休止期間中における記録ヘッド7のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッドに印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ11からの負圧を記録ヘッド7に作用させて、インクを吸引排出させるクリーニング操作の機能も兼ね備えている。
【0030】
そして、キャッピング手段10の近傍には、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材12が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段10側に往復移動する際に、記録ヘッド7のノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0031】
図2は、図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング手段10と、これに接続された吸引ポンプ11等の構成を模式的に示したものである。キャッピング手段10は、上面が開放された方形状のキャップケース10aと、このキャップケース10a内に収納されたゴム素材などの可撓性物質よりなるキャップ部材10bとが具備され、キャップ部材10bはその上側縁がキャップケース10aよりも若干突出した状態に形成されている。そしてキャップ部材10bの内底部には多孔質材料により形成されたインク吸収材10cが収納されており、このインク吸収材10cはキャップ部材10bに一体に形成された保持体10dにより保持されている。
【0032】
またキャップケース10aの下底部には、キャップケース10aおよびキャップ部材10bをそれぞれ貫通するようにして、吸引口10eおよび大気開放口1fが形成されている。そして、キャップケース10aの吸引口10eにはチューブT1を介して吸引ポンプ11が接続されており、この吸引ポンプ11の排出側は廃インクタンク13に接続されている。さらに、キャップケース10aの大気開放口10fには、チューブT2を介して大気開放バルブ14が接続されている。
【0033】
一方、図2における符号7は、記録ヘッドを示しており、この記録ヘッド7はキャリッジの移動に伴いキャッピング手段10の上部に位置した時、ノズル形成面7aが前記キャップ部材10bによって封止(キャッピング)されるように構成されている。前記ノズル形成面7aには複数のノズル開口7bが形成されており、各ノズル開口7bに対応して配置された圧電振動子7cの振動作用によって、ブラックインク、およびイエロー、シアン、マゼンタなどの各カラーインクが吐出されるように構成されている。
【0034】
以上の構成において、前記記録ヘッドまたはインク供給路内の残留気泡の排出、およびノズル開口の目詰まりを解消させるためのインクの吸引作用は、図2に示すようにキャップ部材10bを記録ヘッド7のノズルプレート7aに密着させると共に、大気開放バルブ10を閉弁した状態で行われる。
【0035】
この状態で吸引ポンプ11を作動させることで、キャップ部材10bの内部空間に負圧が与えられ、記録ヘッド7のノズル開口7bからインクが吸引排出される。そして、キャップ部材内部の負圧がある程度減少した時点で、前記大気開放バルブ14を開弁させると、キャップ部材内に大気が導入され内部の負圧は解除される。続いて、大気開放バルブ14を開弁させた状態で吸引ポンプ11を再び作動させることにより、キャップ部材内に排出されたインクはチューブT1を介して廃インクタンク13に送り込む動作がなされる。
【0036】
次に図3は、インクカートリッジ(図においてはブラックインクカートリッジ8)から吸引ポンプ11に至る経路における本発明にかかる第1の実施の形態を模式図で示している。なお図3において、既に説明した各部に対応する部分は同一符号で示している。
【0037】
図3に示すようにインクカートリッジ8と記録ヘッド7との間のインク供給路21には、異物を除去するためのフィルタ部材22が配置されている。このフィルタ部材22は平板状に形成され、その全体にわたって微細な開口が形成されたメッシュ状になされている。これによりインクの流通を許容し、異物を阻止するように作用する。そして、フィルタ部材22の重力方向の直上には伸縮可能な弾性素材(ラミネートフィルム)により形成された変形部材23が貼着された状態で配置されており、この変形部材23とフィルタ部材22との間には、椀状の空間部24が形成されている。
【0038】
図4は、図3における矢印A方向に透視した状態を示しており、変形部材23とフィルタ部材22との間に形成された前記空間部24内に、重力方向に直交する水平方向からインクの供給を受けるように導入孔25が形成されている。
【0039】
一方、フィルタ部材22の上流側、すなわちインクカートリッジ8とフィルタ部材22との間のインク供給路には、インク供給路における流路抵抗を可変することができる流路抵抗可変手段26が配置されている。この流路抵抗可変手段26は、インク供給路に所定の流路抵抗を与えるように作用するものであり、図5にその構成の一例が示されている。
【0040】
図5に示すように、インク供給路は円弧状にくりぬかれた主流路21aと、この主流路21aの側壁に、さらに小半径の副流路21bがくりぬかれた状態で形成されており、前記主流路21aの開口部には伸縮可能な弾性部材27(ラミネートフィルム)が貼着された状態で配置されている。そして、前記弾性部材27のほぼ中央部に、先端が半円柱状または半球状に形成された作動体28が当接されるように構成されている。
【0041】
したがって、前記した構成によると流路抵抗可変手段26は、弾性部材27に対して作動体28が当接し、弾性部材27が変形して主流路21aを閉塞した状態において、最大流路抵抗の状態となされる。この時、副流路21bの存在により一部のインクは副流路21bを流れることができる。
【0042】
なお、図5に示した実施の形態においては、副流路21bを形成しているが、この副流路21bを除去した構成とすると、流路抵抗可変手段26は、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、インク供給路を完全に閉塞状態とすることができ、このような構成も適宜採用することができる。
【0043】
前記したインクカートリッジから記録ヘッドに至る構成部材は、キャリッジ1に搭載されており、したがって前記作動体28をホームポジションに配置することで、キャリッジ1のホームポジションへの移動によって、作動体28が流路抵抗可変手段26を構成する弾性部材27に当接し、流路抵抗が増大されるように構成できる。換言すれば、キャリッジ1がホームポジションに移動して前記キャッピング手段10によって記録ヘッド7のノズル形成面7aが封止されるのに連動して流路抵抗可変手段26も最大流路抵抗の状態に設定させることができる。
【0044】
以上の構成において、キャリッジ1がホームポジションに移動すると、キャリッジ1のホームポジョンへの移動に伴ってキャッピング手段10が上昇し、記録ヘッド7のノズル形成面7aが封止される。この時、前記したように流路抵抗可変手段26を構成する弾性部材27は、ホームポジションに配置された作動体28に当接して最大流路抵抗の状態となされる。
【0045】
ここで、前記吸引ポンプ11が作動すると、キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面に負圧が与えられ、この負圧は記録ヘッドを介してインク供給路にも及ぼされる。したがって、前記した変形部材23とフィルタ部材22との間に形成された空間部24にも負圧が作用し、変形部材23は負圧を受けて椀状の下底部、すなわちその全面がフィルタ部材22に接するように変形され、空間部24をほぼ完全に閉塞するようになされる。
【0046】
これにより、空間部24に存在する残留気泡は、フィルタ部材22を通してフィルタ部材22の下流側に強制的に押し出される。そして、負圧の作用を受けて前記副流路21bを介してインクが流れ、このインクの流れによってフィルタ部材22の下流側に押し出された気泡は記録ヘッド7より排出される。
【0047】
次に図6はインクカートリッジ8から吸引ポンプ11に至る経路における本発明にかかる第2の実施の形態を示した模式図である。なお図6において、既に説明した各部に対応する部分は同一符号で示している。
【0048】
図6に示す実施の形態は、伸縮可能な薄膜状部材(ラミネートフィルム)により形成された変形部材31が、フィルタ部材22の下流側に配置されている。そして、変形部材31のフィルタ部材22に対向する面には、負圧を受けて前記フィルタ部材22に接する接触部材32が取り付けられている。この接触部材32は例えば円盤状に構成されており、その上面の中央部から周方向に連通するように、インク流通孔32aが形成されている。
【0049】
以上の構成において、前記と同様に吸引ポンプ11による負圧を受けた場合には、変形部材31が変形して前記フィルタ部材22との空間容積が縮小されるように作用し、接触部材32が前記フィルタ部材22に下面から接触してフィルタ部材22のほぼ全面を覆うようになされる。
【0050】
前記接触部材32の中央部には、その周方向に連通するインク流通孔32aが形成されているので、インク流通孔32aに対応するフィルタ部材22において、インクの早い流れが局部的に発生する。したがって、フィルタ部材22の上流側に存在する残留気泡は、局部的に発生するインクの早い流れに乗ってフィルタ部材22を通過し、フィルタ部材22の下流側に通過した気泡は記録ヘッド7より排出される。
【0051】
なお、図6に示した実施の形態においては、接触部材32の中央部にインク流通孔32aを形成しているが、このインク流通孔32aの配置位置は適宜選択することができる。また、インク流通孔32aを設けることなく、接触部材32の直径がフィルタ部材22の有効面積(直径)よりも若干小さく設定させることで、フィルタ部材22の周側部にインクの早い流れを発生させることができる。このような構成においても前記と同様な作用効果を得ることができる。
【0052】
また、フィルタ部材の上流側に第1変形部材を、またフィルタ部材の下流側に第2変形部材を配置した構成、すなわち、前記した図3に示す構成と、図6に示した構成を併用した形態も採用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に、流路抵抗が可変できる流路抵抗可変手段が配置され、この流路抵抗可変手段が所定の流路抵抗状態に設定され、且つキャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面に負圧が与えられた状態において、負圧を受けてフィルタ部材側に変形する変形部材を備えたので、変形部材の変形によりフィルタ部材の上流側に残留する気泡をフィルタ部材の下流側に通過させて排出させることができる。したがって、フィルタ部材の上流側に残留する気泡の量を大幅に低減させることができ、記録装置の実使用時において、前記した残留気泡の影響による印字不良の発生をなくすことができ、記録装置の印字の信頼性が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット式記録装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング手段とその周辺装置の例を示す断面図である。
【図3】インクカートリッジから吸引ポンプに至る経路における第1の実施の形態を示した模式図である。
【図4】図3における矢印A方向に視た透視図である。
【図5】図3における流路抵抗可変手段の構成を示した断面図である。
【図6】インクカートリッジから吸引ポンプに至る経路における第2の実施の形態を示した模式図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
6 記録用紙
7 記録ヘッド
7a ノズル形成面
7b ノズル開口
8 ブラック用インクカートリッジ
9 カラー用インクカートリッジ
10 キャッピング手段
11 吸引ポンプ(負圧発生手段)
12 ワイピング部材
13 廃インクタンク
14 大気開放バルブ
21 インク供給路
21a 主流路
21b 副流路
22 フィルタ部材
23 変形部材
24 空間部
25 インク導入孔
26 流路抵抗可変手段
27 弾性部材
28 作動体
31 変形部材
32 接触部材
32a インク流通孔

Claims (10)

  1. インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記インクカートリッジと記録ヘッドとの間のインク供給路に配置され、異物を除去するためのフィルタ部材と、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止して負圧発生手段からの負圧を受けるキャッピング手段とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に配置され、インク供給路における流路抵抗を可変する流路抵抗可変手段と、前記負圧を受けて前記フィルタ部材側に変形し流路の外壁を構成する変形部材と、前記変形部材と前記フィルタ部材の間の椀状の空間部と、前記流路抵抗可変手段が所定の流路抵抗の状態に設定され、且つ前記キャッピング手段によって記録ヘッドのノズル形成面に前記負圧が与えられた状態において、前記負圧を受けて前記フィルタ部材の直上にある前記変形部材が変形し前記フィルタ部材と前記椀状の空間部を閉塞するように構成されたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記変形部材がフィルタ部材の上流側に配置され、前記負圧を受けて当該変形部材が変形し、前記フィルタ部材との前記椀状の空間容積が縮小されるように構成した請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記変形部材がフィルタ部材の上流側に配置された第1変形部材と、フィルタ部材の下流側に配置された第2変形部材より成り、前記負圧を受けて前記第1変形部材が変形し、前記フィルタ部材との空間容積が縮小されると共に、前記負圧を受けて前記第2変形部材が変形し、少なくともその一部が前記フィルタ部材に接するように構成された請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記変形部材が、伸縮可能なラミネートフィルムによって形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記フィルタ部材の上流側に配置された変形部材が、前記フィルタ部材に対して重力方向の直上に位置するように構成した請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記フィルタ部材と変形部材との間の空間部に対して、重力方向に直交する水平方向からインクの供給を受け、前記空間部に供給されたインクが水平方向に配置された前記フィルタ部材を通過するように構成した請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記流路抵抗可変手段は、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、インク供給路を閉塞状態とするように構成した請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記流路抵抗可変手段は、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、インク供給路を閉塞せずに一部のインクが流通可能となるように構成した請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記流路抵抗可変手段は、インクの主流路と副流路を備えたインク供給路に配置され、最大流路抵抗の状態に設定された場合において、前記主流路のみを閉塞状態とするように構成した請求項8に記載のインクジェット式記録装置。
  10. 前記インクカートリッジと記録ヘッドとがキャリッジ上に装填され、前記キャリッジのホームポジションへの移動によって、インクカートリッジとフィルタ部材との間のインク供給路に配置された流路抵抗可変手段が、ホームポジションに配置された作動体に当接することで、流路抵抗が増大されるように構成した請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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