JP3622880B2 - インクカートリッジ - Google Patents
インクカートリッジ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3622880B2 JP3622880B2 JP17952497A JP17952497A JP3622880B2 JP 3622880 B2 JP3622880 B2 JP 3622880B2 JP 17952497 A JP17952497 A JP 17952497A JP 17952497 A JP17952497 A JP 17952497A JP 3622880 B2 JP3622880 B2 JP 3622880B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- ink cartridge
- supply port
- cartridge
- absorber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクカートリッジに関し、特にインクジェット記録装置に用いるインクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等に用いられるインクジェット記録装置として、記録ヘッドとこの記録ヘッドにインクを供給するインクカートリッジ(インクタンクとも称する。)をキャリッジに搭載し、記録ヘッドを主走査方向に移動しながら記録を行うシリアルスキャン型のものが知られている。
【0003】
このようなインクカートリッジにおいては、キャリッジの振動によって内部のインク(主として水性インクが用いられる。)が泡立つことがなく、また下側にインクジェットヘッドを配置する構成を採用する場合に、インクのたれ落ちを防止するためにインクジェットヘッド部分でのインク圧力を負圧にすることが要求されるなどの点から、カートリッジ本体内に多孔質体からなるインク吸収体を収容し、この多孔質体の毛管力によってインクを吸収させると共に負圧を発生させる構成のものが広く使用されている。
【0004】
ここで、従来のインクカートリッジについて図19及び図20を参照して説明する。
インクカートリッジ100は、カートリッジ本体101内にウレタンフォーム体などの多孔質体からなるインク吸収体102を収納し、カートリッジ本体101の底部にはヘッド側の連結手段である連結管111と連結してインクを供給するためのインク供給口103を形成し、このインク供給口103内周面には連結管111外周面との間をシールするリング状シール部材104を嵌装している。また、カートリッジ本体101の上蓋部材105には大気解放孔106を形成している。
【0005】
このインクカートリッジ100は、装置本体に装填することで、図20に示すように、ヘッド側の連結管111がインクカートリッジ100のインク供給口103内に差込まれて、インク吸収体102のインクが連結管111を介してヘッド側に供給される。このとき、連結管111外周面とインク供給口103との間はリング状シール部材104にて密封される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のインクカートリッジにあっては、ヘッド側の連結手段をインク供給口に接続(連結)するときに、図20に示す空間107などのインク供給路内に空気が溜り易く、その溜まった空気がヘッドのアクチュエータ素子の動作によってインク液室内へと気泡になって流れ込むことがある。このように圧縮性の気泡がインク液室内に流入すると、インク液室内を加圧してもノズルからインク滴が吐出されなくなり、印字不良が発生する。
【0007】
また、一般的にインクカートリッジの装填時にはヘッド内に流入した気泡を排出させるために、ヘッドをキャッピングして吸引ポンプで負圧引きを行うが、このような気泡排出動作を行っても流路や液室壁面にこびり付いた気泡や小さな気泡まで剥がして吸引排出することは困難であり、却って、吸引動作を行うとインクカートリッジ内に含まれている問題のない気泡をヘッド内に吸い込んでしまうことになる。さらに、気泡排出動作は、未使用インクを吸引することになるので、無駄なインク消費が多くなる。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、インクカートリッジ装填時にインク供給路内に空気が溜まることを防止することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1のインクカートリッジは、カートリッジ本体内にインクを吸収するインク吸収体を有し、インク供給口に記録装置のヘッド側の連結手段が連結されるインクカートリッジにおいて、前記インク供給口の周壁部には内外を連通する連通孔を形成し、前記インク供給口にヘッド側の連結手段を連結するときに前記連通孔を塞ぐシール部材を備えた構成とした。
【0010】
請求項2のインクカートリッジは、上記請求項1のインクカートリッジにおいて、前記シール部材は前記インク供給口内に臨むロート状のシール部を有し、ヘッド側の連結手段で拡開されたときに該シール部で連通孔を塞ぐ構成とした。
【0011】
請求項3のインクカートリッジは、カートリッジ本体内にインクを吸収するインク吸収体を有し、インク供給口に記録装置のヘッド側の連結手段が連結されるインクカートリッジにおいて、前記インク供給口には前記連結手段の外周面に接触してシールするシール部材を設け、このシール部材と前記インク吸収体との間に、インクを透過可能なキャップ部材を変位可能に配設し、このキャップ部材は前記インク供給口に前記ヘッド側の連結手段を連結したときに前記インク吸収体側に押されてインク吸収体に接触する構成とした。
【0012】
請求項4のインクカートリッジは、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が少なくとも前記インク吸収体よりも硬い材料からなる構成とした。
【0013】
請求項5のインクカートリッジは、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が柔軟性のある弾性体からなる構成とした。
【0014】
請求項6のインクカートリッジは、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が少なくとも前記インク吸収体よりも吸水性の高い材料からなる構成とした。
【0015】
請求項7のインクカートリッジは、上記請求項3乃至6のいずれかのインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材には透孔を形成している構成とした。
【0016】
請求項8のインクカートリッジは、上記請求項3乃至7のいずれかのインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材を前記インク供給口に設けたシール部材と連結した構成とした。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施例に係るインクカートリッジを使用するインクジェット記録装置の機構部の概略正面図、図2は同記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填する前の概略断面図、図3は同記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填した状態の概略断面図である。
【0018】
このインクジェット記録装置は、両側の側板1,2間に主軸3及びガイド軸4(図2参照)を横架して、キャリッジ5の前端部及び後端部をそれぞれ主軸3及びガイド軸4に摺動自在に嵌装保持して主走査方向(図中の矢示方向)に移動可能としている。
【0019】
このキャリッジ5の下面側には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出するインクジェットヘッドからなる4個の記録ヘッド6を、その吐出面(ノズル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジ5の上面側には4個の記録ヘッド6に各々インクを供給するための各色のインクを収納した4個のインクカートリッジ7を交換可能に搭載している。
【0020】
このキャリッジ5は、図示しない主走査モータで回転される駆動プーリ8と従動プーリ9との間に張装したタイミングベルト10に連結して、主走査モータを駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個の記録ヘッド6が主走査方向(矢示方向)に移動されるようにしている。
【0021】
また、側板1,2をつなぐ底板11上にサブフレーム12,13を立設し、このサブフレーム12,13間に記録紙14を副走査方向に送るためのプラテンローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム13側方に副走査モータ16を配設し、この副走査モータ16の回転をプラテンローラ15に伝達するために、副走査モータ16の回転軸に固定したギヤ17とプラテンローラ15の軸に固定したギヤ18とを備えている。さらに、側板1とサブフレーム12との間には、記録ヘッド6の信頼性維持回復機構19を配設している。
【0022】
ここで、記録ヘッド6は、図2及び図3に概略を示すように、インク滴を吐出する複数の吐出口21と、各吐出口21が連通する液室22と、各液室22内のインクを加圧する圧電素子等の電気機械変換素子或いはヒータ等の電気熱変換素子からなるエネルギー発生手段23とを備え、インクカートリッジ7から連結手段である連結管24及び流路25を介して各液室22にインクが供給され、制御部26からの印写信号に基づいてドライバ27がエネルギー発生手段23を選択的に駆動することで所要の吐出口21からインク滴を吐出する。なお、連結管24の開口端にはフィルタ28を取付けている。
【0023】
また、キャリッジ5には、図2及び図3に示すように、インクカートリッジ7を収納するカートリッジ収納箱31を取付け、このカートリッジ収納箱31内壁面にはカートリッジガイド32を設けて、カートリッジガイド32の上端部にヒンジ33を介してにはカートリッジ押え34を回動可能に取付けている。このカートリッジ押え34は、内面中央部に押し付け部35を形成し、回動先端部にカートリッジ収納箱31に外面に形成した突起部36に係合するフック37を形成している。
【0024】
そこで、インクカートリッジ7の詳細について図4乃至図6を参照して説明する。
このインクカートリッジ7は、カートリッジ本体41内にウレタンフォーム体などの多孔質体からなるインク吸収体42を収納し、カートリッジ本体41の底部にはヘッド6側の連結手段である連結管24と連結してインクを供給するためのインク供給口43を形成し、また、カートリッジ本体41の上蓋部材44には大気解放孔45を形成している。
【0025】
そして、カートリッジ本体41のインク供給口部にはヘッド6側の連結管24を連結するときにインク供給路を一時的に大気圧解放する弁手段46を備えている。この弁手段46は、図5及び図6に拡大して示すように、カートリッジ本体41のインク供給口43内に臨むロート状のシール部48と、このシール部48をインク供給口43に保持するリング状の保持部49とからなる全体が弾性体のシール部材47をインク供給口43の周壁部51に取付けている。更に、インク供給口43の周壁部51には内外を連通し、シール部材47のシール部48が連結管24で拡開されたときにシール部48で塞がれる連通孔52を形成し、シール部材47の保持部49にはこの連通孔52に連通する連通孔53を形成している。
【0026】
このように構成したインクカートリッジ7は、図2に示すようにカートリッジ収納箱31に入れた後、図3に示すようにカートリッジ押え34を回動して閉めることで、インクカートリッジ7が押し付け部35で押し付けられて、インク供給口43にヘッド6側の連結管24が連結接続され、これによってインクカートリッジ7をキャリッジ5に装填することができる。
【0027】
このようにしてインクカートリッジ7を装填するとき、図5に示すようにヘッド6側の連結管24とインクカートリッジ7のインク供給口43とが対向した状態からインクカートリッジ7がカートリッジ押え34で下方に押されることにより、連結管24がインク供給口43のシール部材47のシール部48を拡開しながら入り込む。これによって、シール部48の周面とインク供給口43の周壁部51内周面との間の空気は、連通孔52及び連通孔53を通じてカートリッジ外に排出される。そして、連結管24を接続し終えた装填終了時には図6に示すようにシール部48がインク供給口43の周壁部51内周面に密着して連通孔42を塞ぐ状態になる。したがって、インクカートリッジ7を装填し終えたときにはインク供給口43に滞留する空気は極めて少なくなる。
【0028】
このように、このインクジェットヘッドにおいては、インク供給口にヘッド側の連結手段を連結するときにインク供給路を一時的に大気圧解放する弁手段を備えているので、インクカートリッジの交換時にインク供給路に滞留する空気が極めて少なくなり、ヘッド側への気泡の引き込みが少なくなって安定した印字動作を行うことができると共に、インクカートリッジ交換時の無駄なインク消費も少なくなる。
【0029】
また、弁手段として、カートリッジ本体の供給口内に臨むロート状のシール部と、このシール部を前記供給口に保持するリング状の保持部とからなるシール部材を供給口に取付け、供給口の周壁部には内外を連通し、シール部材のシール部がヘッド側の連結手段で拡開されたときに該シール部で塞がれる連通孔を形成してなる構成とすることで、インク供給路を一時的に大気圧解放する弁手段の構成を簡単にすることができると共に、ロート状シール部はインクカートリッジ単体の状態では閉じているため、不用意にインクが供給口から漏れ出すことを防げる。
【0030】
次に、図7は本発明に第2実施例に係るインクカートリッジを備えるインクジェット記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填する前の概略断面図、図8は同記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填した状態の概略断面図、図9は同インクカートリッジの拡大断面図、図10は図7の状態の要部拡大断面図、図11は図8の状態の要部拡大断面図である。
【0031】
このインクカートリッジ60は、上記第1実施例のインクカートリッジ7と同様に、カートリッジ本体41内にウレタンフォーム体などの多孔質体からなるインク吸収体42を収納し、カートリッジ本体41の底部にはヘッド6側の連結手段である連結管24と連結してインクを供給するためのインク供給口43を形成し、また、カートリッジ本体41の上蓋部材44には大気解放孔45を形成している。
【0032】
そして、カートリッジ本体41のインク供給口43の周壁部51内周面にはリング状シール部材61を嵌装し、このリング状シール部材61とインク吸収体42底面との僅かのギャップ62にキャップ部材63を浮動可能に配設している。このキャップ部材63には1又は複数の透孔64を穿設し、また、リング状シール部材61の最小内周径よりも投影面積を大きくしてシール部材61から外側に飛出さないようにしている。このキャップ部材63は非装填状態ではインク吸収体42の復元力(膨張)によってリング状シール部材61のフランジ部分61aに押し付けられている。
【0033】
このように構成したインクカートリッジ60は、図7に示すようにカートリッジ収納箱31に入れた後、図8に示すようにカートリッジ押え34を回動して閉めることで、インクカートリッジ7が押し付け部35で押し付けられて、インク供給口43にヘッド6側の連結管24が連結接続され、これによってインクカートリッジ60をキャリッジ5に装填することができる。
【0034】
このようにしてインクカートリッジ60を装填するとき、図10に示すようにヘッド6側の連結管24とインクカートリッジ60のインク供給口43とが対向した状態からインクカートリッジ60カートリッジ押え34で下方に押されることにより、連結管24の先端部のフィルタ28がインク供給口43からキャップ部材63に密着し、更にインクカートリッジ60が下方に押されることで図11に示すように連結管24がキャップ部材63に密着した状態で入り込んで所定の位置で止まり、装填が終了する。
【0035】
このとき、リング状シール部材61とインク吸収体42底面との僅かのギャップ62にキャップ部材63を浮動可能に配設しているので、このギャップ62内に滞留する空気は極めて少なくなる。
【0036】
なお、図9ではキャップ部材63がインク吸収体42底面に接触した状態で配設しているが、必ずしもキャップ部材63がインク吸収体42底面に接触する必要はない。ただし、少なくともインクカートリッジ装填の途中で密着状態になったときに、隙間に溜まっている空気がヘッド側へ流れないようにするためには、シール部材61とキャップ部材63との間にできる空隙部の空気が抵抗なく速やかに流れるようになっていればよい(空気溜り部の体積が変動してもカートリッジの内圧は一定であるため)。
【0037】
このように、このインクカートリッジにおいては、インク供給口に設けたシール部材とインク吸収体との間に、透孔を有するキャップ部材を変位可能に配設し、このキャップ部材はカートリッジ本体の供給口にヘッド側の連結手段を連結したときにインク吸収体側に押されるので、インクカートリッジの交換時にインク供給路に滞留する空気が極めて少なくなり、ヘッド側への気泡の引き込みが少なくなって安定した印字動作を行うことができると共に、インクカートリッジ交換時の無駄なインク消費も少なくなる。
【0038】
また、インク吸収体42に連結管24がキャップ部材63を介して押し付けられているので、インク吸収体42とフィルタ28との位置関係が常に一定に保たれ、かつ、インク吸収体42に対して偏りがなく、安定的な押圧を与えるため、カートリッジ本体41内の圧力変動が少なくなり、印字品質が安定する。
【0039】
ここで、キャップ部材63は、インク吸収体42よりも十分に硬い材質のもの、すなわち、インク吸収体42の復元力によって変形しない剛性を有するもの、例えばプラスチック、ガラス、金属等で形成することができる。このようにキャップ部材を少なくともインク吸収体よりも硬い材質にすることにより、インクカートリッジ装填の際に、キャップ部材がインク吸収体の接触面に対して均等に応力を与え、インク供給路が振動などにより変形したり、押し潰されたりしないため、流路の体積変動(圧力変動)が起こりにくくなり、インクに対して安定した負圧を保ち、安定してインクの供給を行えて印字品質も安定する。なお、このようにインクを透過しない材質のものを用いた場合でも、透孔を形成することによってインク吸収体からヘッド側の連結手段へのインク供給が可能になる。
【0040】
また、キャップ部材63は、柔軟性のある弾性体、例えばゴムや粘弾性体(コーキング剤)などで形成することもできる。このようにキャップ部材を柔軟性のある弾性体で形成することにより、インクカートリッジを装填する際に、連結管の先端(フィルタ部)が多少変形してもキャップ部材自体が押圧によって変形して倣い、インク供給路のシール性を確保することができる。
【0041】
さらに、キャップ部材63は、インク吸収体42よりも吸水性(毛管力)の高い材料、例えばインク吸収体42よりも発泡倍率が低いウレタンフォーム体、不織布、フェルトなどで形成することもできる。このようにキャップ部材をインク吸収体よりも吸水性の高い材料で形成することにより、インクカートリッジを装填する際に、連結管の先端がキャップ部材に直接接触するため、流路接続面で大気圧リークの可能性が少なくなり、かつ、インクカートリッジ内のインクが僅少になっても効率よくインクを吸収してヘッドに供給することができる。
【0042】
次に、図12は本発明の第3実施例に係るインクカートリッジを備えるインクジェット記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填した状態の概略断面図、図13は同インクカートリッジの拡大断面図である。
このインクカートリッジ70は、上記第2実施例のインクカートリッジ60と同様に、リング状シール部材61とインク吸収体42底面との僅かのギャップ62にキャップ部材73を浮動可能に配設し、このキャップ部材73はそれ自体インクを透過可能な材質のもの、例えば上記ウレタンフォーム体などの多孔質体、不織布、フェルトなどで形成することにより、インク吸収体42からのインクを流すために特別な透孔を形成していない。
【0043】
このようにキャップ部材として、透孔を有しないものを用いることによって、気泡のとじ込みがなくなり、安定した印字を行うことができる。
【0044】
次に、図14は本発明に第4実施例に係るインクカートリッジを備えるインクジェット記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填する前の概略断面図、図15は同記録装置のキャリッジ部にインクカートリッジを装填した状態の概略断面図、図16は同インクカートリッジの要部拡大断面図、図17は図14の状態の要部拡大断面図、図18は図15の状態の要部拡大断面図である。
【0045】
このインクカートリッジ80は、上記第2実施例におけるキャップ部材63とリング状シール部材61とを一体に形成したキャップ部材81を備えているものである。すなわち、キャップ部材81は、透孔84を設けたキャップ部82の周囲に連結管24との間をシールするシール部を兼ねたキャップ伸縮部83を形成し、このキャップ伸縮部83の端部をインク供給口43の周壁部51に嵌装している。ここでは、キャップ部材81全体を弾性部材で形成しているが、キャップ伸縮部83のみを弾性部材で形成することもできる。
【0046】
このインクカートリッジ80を装填すると、上記第2実施例と同様に、連結管24の先端部のフィルタ28がインク供給口43からキャップ部材81に密着し、更にインクカートリッジ80が下方に押されることで図18に示すように連結管24がキャップ部材63に密着した状態で入り込んで所定の位置で止まり、装填が終了する。このとき、キャップ伸縮部83が連結管24の外周面に気密に接触してシールする。
【0047】
このようにキャップ部材をインク供給口に設けたシール部材と連結することによって、比較的部品精度を落としてもインク供給路に滞留する空気を少なくすることができ、部品歩留りが良くなる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1のインクカートリッジによれば、インク供給口の周壁部には内外を連通する連通孔を形成し、インク供給口にヘッド側の連結手段を連結するときに連通孔を塞ぐシール部材を備えたので、インクカートリッジの装填時にインク供給路に滞留する空気が極めて少なくなり、気泡の吸い込みによるインク滴吐出不良などが少なくなり、印字品質が安定し、吸引動作による無駄なインクの消費を抑えることができる。
【0049】
請求項2のインクカートリッジによれば、上記請求項1のインクカートリッジにおいて、シール部材はインク供給口内に臨むロート状のシール部を有し、ヘッド側の連結手段で拡開されたときに該シール部で連通孔を塞ぐ構成としたので、簡単な構成でインク供給路を一時的に大気圧解放する弁手段が得られる。
【0050】
請求項3のインクカートリッジによれば、インク供給口には連結手段の外周面に接触してシールするシール部材を設け、このシール部材とインク吸収体との間に、透孔を有するキャップ部材を変位可能に配設し、このキャップ部材はカートリッジ本体の供給口にヘッド側の連結手段を連結したときにインク吸収体側に押されてインク吸収体に接触する構成としたので、インクカートリッジの装填時にインク供給路に滞留する空気が極めて少なくなり、気泡の吸い込みによるインク滴吐出不良などが少なくなり、印字品質が安定する。
【0051】
請求項4のインクカートリッジによれば、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、キャップ部材が少なくともインク吸収体よりも硬い材料からなるので、インク供給路の体積変動が生じにくくなり、インクに対して安定した負圧を保つことができて、印字品質が安定する。
【0052】
請求項5のインクカートリッジによれば、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、キャップ部材が柔軟性のある弾性体からなるので、インク供給路のシール性を確保することができる。
【0053】
請求項6のインクカートリッジによれば、上記請求項3のインクカートリッジにおいて、キャップ部材が少なくともインク吸収体よりも吸水性の高い材料からなるので、流路接続面で大気圧リークが少なくなり、且つ、カートリッジ内のインクが減少しても効率的にインクを吸収してヘッドへ安定的に供給することができる。
【0054】
請求項7のインクカートリッジによれば、上記請求項3乃至6のいずれかのインクカートリッジにおいて、キャップ部材には透孔を形成している構成としたので、キャップ部材自体にインクの透過性がなくても、インクを供給することができる。
【0055】
請求項8のインクカートリッジによれば、上記請求項3乃至7のいずれかのインクカートリッジにおいて、キャップ部材をインク供給口に設けたシール部材と連結したので、比較的部品精度を落とすことができ、部品の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクカートリッジを使用するインクジェット記録装置の機構部の概略正面図
【図2】同記録装置のキャリッジ部に本発明の第1実施例に係るインクカートリッジを装填する前の概略断面図
【図3】同記録装置のキャリッジ部に同インクカートリッジを装填した状態の概略断面図
【図4】同インクカートリッジの拡大断面図
【図5】同インクカートリッジの図2の状態の要部拡大断面図
【図6】同インクカートリッジの図3の状態の要部拡大断面図
【図7】インクジェット記録装置のキャリッジ部に本発明の第2実施例に係るインクカートリッジを装填する前の概略断面図
【図8】同記録装置のキャリッジ部に同インクカートリッジを装填した状態の概略断面図
【図9】同インクカートリッジの拡大断面図
【図10】同インクカートリッジの図7の状態の要部拡大断面図
【図11】同インクカートリッジの図8の状態の要部拡大断面図
【図12】インクジェット記録装置のキャリッジ部に本発明の第3実施例に係るインクカートリッジを装填した状態の概略断面図
【図13】同インクカートリッジの拡大断面図
【図14】インクジェット記録装置のキャリッジ部に本発明に第4実施例に係るインクカートリッジを装填する前の概略断面図
【図15】同記録装置のキャリッジ部に同インクカートリッジを装填した状態の概略断面図
【図16】同インクカートリッジの拡大断面図
【図17】同インクカートリッジの図14の状態の要部拡大断面図
【図18】同インクカートリッジの図15の状態の要部拡大断面図
【図19】従来のインクカートリッジを示す概略断面図
【図20】同インクカートリッジを装填した状態の概略断面図
【符号の説明】
5…キャリッジ、6…記録ヘッド、7…インクカートリッジ、24…連結管、41…カートリッジ本体、42…インク吸収体、43…インク供給口、46…弁手段、47…シール部材、48…ロー状シール部、52,53…連通孔、60,70,78…インクカートリッジ、63,73,81…キャップ部材、
Claims (8)
- カートリッジ本体内にインクを吸収するインク吸収体を有し、インク供給口に記録装置のヘッド側の連結手段が連結されるインクカートリッジにおいて、前記インク供給口の周壁部には内外を連通する連通孔を形成し、前記インク供給口に前記ヘッド側の連結手段を連結するときに前記連通孔を塞ぐシール部材を備え、前記連結手段が前記インク供給口に差し込まれて前記シール部材が前記連通孔を塞いだ状態になったときに、前記インク吸収体から前記連結手段に前記インクが供給可能になることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1に記載のインクカートリッジにおいて、前記シール部材は前記インク供給口内に臨むロート状のシール部を有し、前記ヘッド側の連結手段で拡開されたときに該シール部で前記連通孔を塞ぐことを特徴とするインクカートリッジ。
- カートリッジ本体内にインクを吸収するインク吸収体を有し、インク供給口に記録装置のヘッド側の連結手段が連結されるインクカートリッジにおいて、前記インク供給口には前記連結手段の外周面に接触して、前記インク供給口と前記連結手段の外周面との間をシールするシール部材を設け、このシール部材と前記インク吸収体との間に、インクを透過可能なキャップ部材を変位可能に配設し、前記インク供給口に前記シール部材でシールしながら前記連結手段を連結したときに、前記キャップ部材が前記インク吸収体側に押されて前記インク吸収体に接触し、前記インク吸収体から前記キャップ部材を介して前記連結手段にインクが供給可能になることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3に記載のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が少なくとも前記インク吸収体よりも硬い材料からなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3に記載のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が柔軟性のある弾性体からなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3に記載のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材が少なくとも前記インク吸収体よりも吸水性の高い材料からなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3乃至6のいずれかに記載のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材には透孔を形成していることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項3乃至7のいずれかに記載のインクカートリッジにおいて、前記キャップ部材を前記インク供給口に設けたシール部材と連結したことを特徴とするインクカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17952497A JP3622880B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | インクカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17952497A JP3622880B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | インクカートリッジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1120182A JPH1120182A (ja) | 1999-01-26 |
JP3622880B2 true JP3622880B2 (ja) | 2005-02-23 |
Family
ID=16067280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17952497A Expired - Fee Related JP3622880B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | インクカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3622880B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3747678B2 (ja) * | 1999-03-05 | 2006-02-22 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェットプリンタ用インクカートリッジ |
JP4769993B2 (ja) * | 2000-01-17 | 2011-09-07 | 船井電機株式会社 | プリンタ |
CN1188285C (zh) * | 2002-11-12 | 2005-02-09 | 珠海天威飞马打印耗材有限公司 | 喷墨打印机墨盒 |
JP7268443B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2023-05-08 | セイコーエプソン株式会社 | プリンター |
JP7427916B2 (ja) * | 2019-10-31 | 2024-02-06 | セイコーエプソン株式会社 | 流路部材、流路ユニット、および、液体噴射装置 |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP17952497A patent/JP3622880B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1120182A (ja) | 1999-01-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100723563B1 (ko) | 액체 공급 시스템, 잉크 탱크, 잉크 공급 시스템, 및 잉크젯 기록 장치 | |
US6561637B2 (en) | Ink jet head having buffer tank in fluid communication with ink circulation pathway | |
US6629758B2 (en) | Joint device, ink jet recording apparatus having the same, and ink supplying device and method | |
JP4047259B2 (ja) | インク供給システム | |
US7618137B2 (en) | Ink jet recording system, ink cartridge and ink jet recording apparatus | |
US6793317B2 (en) | Inkjet recording apparatus and cap for recording head | |
JP2007015409A (ja) | 液体噴射装置 | |
JP3713960B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3800807B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2005103856A (ja) | 液体供給システム、流体連通構造、インク供給システムおよび前記流体連通構造を用いるインクジェット記録ヘッド | |
JP3622880B2 (ja) | インクカートリッジ | |
JP3843651B2 (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP3543315B2 (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP3826625B2 (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP2004122500A (ja) | 液体収納部と液体使用部とを連通する液体連通構造、および前記液体連通構造を用いた液体供給システムおよびインクジェット記録装置 | |
JP3603637B2 (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP2001026112A (ja) | インクジェット式記録装置 | |
US6935720B2 (en) | Liquid jetting apparatus | |
JP2003266734A (ja) | インクジェット記録装置およびインク供給方法 | |
JP2001232817A (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP3613307B2 (ja) | インクジェット式記録装置のインク供給路の気泡排除方法、及びこれに適したインクジェット式記録装置 | |
JPH09239995A (ja) | インクジェット記録ヘッド用キャッピング装置 | |
JP2001105626A (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP3978956B2 (ja) | インクジェット式記録装置 | |
JP2010120249A (ja) | 記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040618 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040726 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041118 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20041118 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |