JP2003266734A - インクジェット記録装置およびインク供給方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型プリンタにも採用可能な簡単かつ低コス
トの構成で、記録ヘッドのインクに適正な負圧背圧を発
生させる。 【解決手段】 インク吐出によりサブタンク１内のイン
クが減少したら、記録ヘッド２０のノズル６をキャッピ
ングしてバルブ７を開く。サブタンク１内はインクが減
少して負圧になっているので、メインタンク２のインク
がサブタンク１に流入する。サブタンク１の内圧が、メ
インタンク２の内圧（大気圧）に等しくなり、負圧発生
ばね３と均衡する程度にサブタンク１が広がったら、イ
ンク供給は停止する。それから、バルブ７を閉じてポン
プ９を動作させ、キャップ８を介してインクをノズル６
から吸引する。これにより、サブタンク１内のインクが
減少して、可撓制の袋状のサブタンク１が少し収縮し負
圧発生ばね３が少し伸びて、サブタンク１を押し広げよ
うとする力がかかる。これが、負圧背圧として作用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置とそのインク供給方法、特にインクジェット記録
ヘッドに対して適正なインク背圧を確保するインク供給
システムを有するインクジェット記録装置とそのインク
供給方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録装置は、いわゆるノ
ンインパクト式の記録装置であり、高速記録や様々な記
録媒体への記録が可能であって、記録時の騒音がほとん
ど生じないといった利点を有しており、広く普及してい
る。このようなインクジェット記録装置は、微小なノズ
ルから微小なインク滴を吐出させて記録媒体に記録を行
うものであり、一般に、インク滴を吐出するためのノズ
ルを有する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインク
を保持するインク供給手段とを有している。従来より、
インク供給手段として様々な構成が提案され実用化され
ている。

【０００３】インクジェット記録の一方式であるバブル
ジェット（登録商標）方式においては、記録ヘッドは、
電気エネルギーを熱エネルギーに変換してインクを熱発
泡させ、発泡時のエネルギーによってインクを記録媒体
に噴射して画像を形成する。インク供給手段はこの記録
ヘッドに対しインクを供給するものであるが、その必要
特性の１つとして、記録ヘッドのインクに対して適正な
負圧背圧を発生させることが求められる。負圧背圧は、
インクが記録ヘッドのノズルから漏れ出さないことを保
証し、さらにインク吐出性能を安定させる。

【０００４】負圧背圧を発生させる方法としては、記録
ヘッドとインクタンクに水頭差を持たせ水頭圧を負圧背
圧とする方法、スポンジのようなインク吸収体を用い毛
細管力により負圧背圧を発生させる方法、密閉式ばね偏
倚袋により負圧背圧を発生させる方法等がある。

【０００５】現在主流であるインク供給手段は、記録ヘ
ッドを搭載するキャリッジ上にインクタンクを搭載して
記録ヘッドにインクを供給するものである。この方式を
オンキャリッジタンク方式と呼ぶ。この場合、ノズルと
インクタンクとの位置関係が限定されるため、水頭差に
よる負圧背圧を発生させにくく、通常はインク吸収体を
用いた方法か、密閉式ばね偏倚袋を用いた方法によっ
て、負圧背圧を発生させている。

【０００６】一方、キャリッジ上には主たるインクタン
クを搭載せず、チューブ等の配管を介して記録ヘッドに
接続される主インクタンクを、キャリッジ以外の場所に
配する方式がある。この方式をオフキャリッジタンク方
式と呼ぶ。オフキャリッジタンク方式では、キャリッジ
上に大きなスペースを必要としたりキャリッジに大きな
負荷をかけることなく、記録ヘッドに供給すべきインク
量を大量に保持できるので、大容量インクタンクを有す
るインクジェット記録装置に適している。この構成で
は、記録ヘッドとインクタンクの位置関係を比較的自由
に設定できるため、水頭差を利用して負圧背圧を発生さ
せる場合が多い。ただし、このオフキャリッジ方式にお
いて、インク吸収体や密閉式ばね偏倚袋を用いて負圧を
発生させる方法も可能である。

【０００７】オフキャリッジタンク方式は、さらに２つ
の方式に分けることができる。すなわち、主たるインク
タンク自体に負圧背圧を発生させる方式と、キャリッジ
外の主たるインクタンク（メインタンク）と記録ヘッド
との間に介在する小容量のインクタンク（サブタンク）
をキャリッジ上に設け、このサブタンクに負圧背圧発生
手段を設ける方式である。

【０００８】前者は、常にメインタンクから記録ヘッド
にインクを供給することから連続供給方式と呼ばれる。
これに対し後者は、印刷時にはキャリッジ上のサブタン
クに蓄えられたインクのみを使用して印刷し、主たるイ
ンクタンク（メインタンク）からサブタンクに対しては
必要時にのみインクを供給する方式であり、キャリッジ
上の記録ヘッドおよびサブタンクに対してメインタンク
からは間欠的にインクを供給するため間欠供給方式と呼
ばれる。

【０００９】間欠供給方式によると、いずれもキャリッ
ジ上に搭載されている記録ヘッドとサブタンクに設けら
れた負圧背圧発生手段とが近接しており、両者の間にチ
ューブ等の配管を介さずに接続された状態で印刷が行わ
れるため、チューブによる流路圧力損失やキャリッジが
往復移動時に反転する際に発生する圧力変動などの影響
がなくなり、負圧背圧が安定化できる。また、サブタン
クに負圧背圧発生手段が設けられ、メインタンクで負圧
背圧を発生させる必要がなくなるため、メインタンクは
構成が単純化できコストダウンができる。このことは通
常は消耗品であるインクタンクが安価に製造できるとい
うことであり、ユーザーにとってのメリットは大きい。
すなわち、サブタンクは、故障や耐用年数が経過しない
限り交換する必要はなく、かなり長期間にわたって使用
されるものであるため、少々複雑で高価であっても構わ
ない。しかし、メインタンクは、保持していたインクが
使用し尽くされる毎に新品に交換されるのが一般的であ
るため、このメインタンクのコストダウンは、長期間に
わたる使用の場合には大きな利点となる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】連続供給方式におい
て、負圧背圧を水頭差によって発生させれば、インクタ
ンクは、インク吸収体やばね偏倚袋を用いることなく単
純安価な構成にすることができる。しかし、近年ではイ
ンクジェット記録装置のサイズが小型化し、特にモバイ
ルプリンタなどの超小型プリンタも市場から求められて
いる。このような小型のプリンタでは、設置スペース
（特に高さ方向のスペース）の問題などからメインタン
クに設けられる負圧背圧を発生させるために水頭差を利
用することは極めて困難である。したがって、小型プリ
ンタにおいて連続供給方式を採用する場合には、インク
吸収体やばね偏倚袋等が設けられた比較的高価なインク
タンク（メインタンク）を使用せざるを得ない。

【００１１】間欠供給方式の場合、メインタンクからサ
ブタンクへインクを供給するための最も簡単な方法は、
サブタンクに負圧を発生させてインクを吸引させる方法
である。この場合サブタンクに発生した負圧によってイ
ンクがサブタンクに供給され、サブタンクがインクで満
たされた時点でインク供給は自動的に停止する。しかし
ながら、メインタンクに負圧が発生していない場合、す
なわちメインタンクが大気圧に保たれている場合には、
サブタンクへのインクの供給がメインタンクとサブタン
クの圧力が平衡するまで行われるため、インクで満たさ
れた時のサブタンク内は、大気圧と等しい圧力になる。
すなわち、負圧背圧が０になってしまう。

【００１２】また、メインタンクからサブタンクへイン
クを供給するために、ポンプなどによりメインタンク側
から加圧したり、サブタンク側を減圧するなどして、強
制的にインクを供給する方法もある。この場合も、前記
した方法と同様に、インク供給が完了しサブタンクがイ
ンクで満たされた時点で、サブタンク内の負圧背圧は０
になる。

【００１３】このような構成において、メインタンクが
負圧になっていれば、サブタンク内はこの負圧と平衡す
るため、サブタンクがインクで満たされた状態であって
も大気圧に対して負圧に保たれる。すなわち、負圧背圧
が確保できる。例えば、特願平８―１３６９７０号によ
り提案された構成によると、メインタンクが記録ヘッド
よりも低い位置に設置されており、水頭差を利用するこ
とにより、サブタンクがインクで満たされた状態におい
ても負圧背圧が確保できる。しかしながらこの構成で
は、メインタンクのインクが減少するに従い液面が変化
し、水頭差が変化してサブタンクの負圧背圧が変化して
しまうことを防止するために、メインタンクの高さ調整
手段を有しており、構成が非常に複雑化している。

【００１４】また、前述の通り、モバイルプリンタ等の
小型プリンタではスペース上の問題などから、インクタ
ンクおよび記録ヘッドを水頭差が生じるような配置にす
ることができないため、前記したような構成をとること
ができない。したがって、近年求められている小型プリ
ンタにおいては、メインタンクに負圧を持つ手段とし
て、毛細管力を利用するインク吸収体を用いる方法や、
密閉式ばね偏倚袋を用いる方法を採用せざるを得ず、メ
インタンクのコストが上昇してしまう。

【００１５】一方、サブタンク内の負圧背圧を維持する
ために、サブタンクがインクで満たされる前にインクの
供給をストップする方法も考えられる。しかし、そのた
めには、インク供給量を監視する必要が発生して、セン
サを設けるなどのコストがかかる。特にカラープリンタ
では、インクは１色だけでなく数色に及ぶため、これら
のインク量をすべて独立して監視し、各色毎に別々にイ
ンク供給をストップさせるためには、複数のセンサと、
独立して制御可能な複数のバルブおよび制御手段等が必
要になり、コストおよびスペースが増大する問題が発生
する。

【００１６】そこで本発明の目的は、比較的簡単で低コ
ストで製造できる構成で、小型プリンタにも採用可能
で、記録ヘッドのインクに適正な負圧背圧を発生させう
るインクジェット記録装置と、そのインク供給方法を提
供することにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、インク
を吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインク
を保持するサブタンクと、記録ヘッドとサブタンクとを
搭載するキャリッジと、キャリッジ外に設けられてお
り、サブタンクへ供給するインクを保持するメインタン
クと、メインタンクからサブタンクへインクを供給する
インク供給路とを有するインクジェット記録装置であっ
て、サブタンクには、メインタンクからサブタンクへイ
ンクが供給された後でサブタンクから所定量のインクが
排出されて、サブタンクに記録ヘッドに対する負圧背圧
を発生させる負圧背圧発生手段が設けられているところ
にある。

【００１８】サブタンクからの所定量のインクの排出
は、記録ヘッドのノズルから所定量のインクを吸引排出
することによって行ってもよく、または、前記記録ヘッ
ドのノズルから所定量のインクを吐出することによって
行ってもよい。

【００１９】または、サブタンクから前記インク供給路
にインクを逆流させることによって行ってもよい。この
場合、インク供給路中に、サブタンク内のインクを吸引
する逆流ポンプが設けられていてもよい。

【００２０】インク供給路の少なくとも一部は、可撓性
を有するチューブであることが好ましい。

【００２１】インク供給路中に、サブタンクに対して接
続および離脱可能なジョイントが設けられていてもよ
い。また、インク供給路中に開閉弁が設けられているこ
とが好ましい。

【００２２】負圧背圧発生手段は、密閉式のばね偏倚袋
を含んでいてもよく、インクを収容する可撓性の袋と、
可撓性の袋に付勢する付勢手段とを含んでいてもよい。
また、負圧背圧発生手段は、スポンジ等の多孔質体を含
んでいてもよい。

【００２３】本発明のインク供給方法は、インクを吐出
する記録ヘッドと、記録ヘッドに供給するインクを保持
するサブタンクと、記録ヘッドとサブタンクとを搭載す
るキャリッジと、キャリッジ外に設けられており、サブ
タンクへ供給するインクを保持するメインタンクと、メ
インタンクからサブタンクへインクを供給するインク供
給路とを有するインクジェット記録装置に関し、サブタ
ンク内のインクが減少した時に、メインタンクの内圧と
サブタンクの内圧とを均衡させるまで、メインタンクか
らサブタンクへインクを供給する工程と、インク供給工
程の後に、サブタンクから所定量のインクを排出して、
サブタンクに記録ヘッドに対する負圧背圧を発生させる
工程とを含むことを特徴とする。

【００２４】サブタンクからの所定量のインクの排出
は、記録ヘッドのノズルからインクを吸引することによ
ってなされてもよく、記録ヘッドのノズルからインクを
吐出することによってなされてもよい。

【００２５】また、サブタンクからの所定量のインクの
排出は、サブタンクからインク供給路にインクを逆流さ
せることによりなさてもよい。その場合、インクの逆流
は、インク供給路中に設けられている逆流ポンプにより
行われてもよい。そして、インク供給路を開いた状態
で、メインタンクからサブタンクへのインク供給工程を
行い、その後、インク供給路を閉じ、逆流ポンプを動作
させて所定量のインクをサブタンクからインク供給路に
逆流させることにより、負圧背圧発生工程を行ってもよ
い。また、インク供給路中に、サブタンクに対して接続
および離脱可能なジョイントを設けておき、ジョイント
をサブタンクに接続し、かつインク供給路を開いた状態
で、メインタンクからサブタンクへのインク供給工程を
行い、その後、インク供給路を閉じ、逆流ポンプを動作
させて所定量のインクをサブタンクからインク供給路に
逆流させてから、ジョイントをサブタンクから離脱させ
ることにより、負圧背圧発生工程を行ってもよい。逆流
ポンプは、ジョイントのサブタンクからの離脱動作と連
動して動作してもよい。

【００２６】インク供給路の開閉を、インク供給路中に
設けられている開閉弁により行うことが好ましい。

【００２７】このようなインクジェット記録装置および
インク供給方法によると、主にモバイルプリンタのよう
な水頭差を利用しにくい小型プリンタ等において、キャ
リッジ外に設置されたメインタンクからキャリッジ上の
負圧背圧発生手段を持ったサブタンクへインクを間欠的
に供給する際に、サブタンクへのインク供給を行った状
態で、記録ヘッドのインクに対する負圧背圧を確保する
ことができる。具体的には、メインタンクからサブタン
クへインクが供給された後、サブタンクから所定量のイ
ンクを排除することによって、負圧背圧を発生させるこ
とができる。

【００２８】本発明では、メインタンクに負圧発生手段
を持たせる必要がないため、一般的に交換可能な消耗品
として扱われるメインタンクが安価に提供できる。

【００２９】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。

【００３０】図１は本発明の第１の実施形態のインクジ
ェット記録装置のインク供給手段を概略的に示す図であ
る。

【００３１】本実施形態のインクジェット記録装置は、
記録装置本体のフレーム（図示せず）に固定されている
メインタンク２と、記録装置内部で往復移動可能なキャ
リッジ１６（模式的に図示）とを有している。そして、
キャリッジ１６には、記録ヘッド２０と、サブタンク１
とが搭載されている。メインタンク２とサブタンク１と
は、インク供給路、すなわち供給チューブ４およびバル
ブ（開閉弁）７を介して接続されている。

【００３２】メインタンク２は、樹脂フィルムやアルミ
フィルム等で構成されるインク袋である。本実施形態に
おいて、メインタンク２は積極的な負圧背圧を発生させ
る手段を備えていない。このメインタンク２を構成する
インク袋は、可撓性を有し、圧力等により自由に形状を
変えることができる。

【００３３】メインタンク２には供給チューブ４の一端
が接続されている。具体的には、メインタンク２にゴム
栓が設けられており、このゴム栓に先端が鋭利な中空針
が差し込まれるなどの公知の方法によって接続が行われ
る。

【００３４】供給チューブ４の他端は、キャリッジ１６
上に設けられたサブタンク１に接続されている。キャリ
ッジ１６は記録を行うために走査するが、その動作に対
応できるように供給チューブ４は可撓性を有しており、
一部はキャリッジ１６の動作に伴い屈曲する。また、供
給チューブ４の途中にはバルブ７が設けられており、こ
れが開閉することにより、インクの移動を許容したりイ
ンクの流れを止めたりする。

【００３５】サブタンク１は、可撓性のフィルムやゴム
等からなる袋状のものであり、可撓性を有する部分が負
圧発生ばね３によって付勢されている。本実施形態で
は、可撓性の袋であるサブタンク１と負圧発生ばね３
が、負圧背圧発生手段の少なくとも一部を構成してい
る。負圧発生ばね３は、キャリッジ１６とサブタンク１
に固定されており、サブタンク１を袋が広がる方向に付
勢している。

【００３６】次に、本実施形態の動作について図１，２
を参照して説明する。

【００３７】本実施形態のインクジェット記録装置にお
いては、図示しないが、紙などの記録媒体が搬送手段に
より間欠的に搬送され、それに対応してキャリッジ１６
が記録媒体の前方を横切るように往復移動する。具体的
には、記録媒体の１ラインごとの移動（副走査）と、そ
れに交差する方向へのキャリッジ１６の往復移動（主走
査）とが交互に行われ、キャリッジ１６の移動時に、記
録制御装置からの記録信号により、適宜のタイミングで
記録ヘッド２０のノズル６からインク滴が記録媒体に吐
出されることにより、記録媒体への画像形成が行われ
る。なお、本明細書中では、意味の有無を問わず、文字
や図形や模様等を「画像」と総称する。

【００３８】このように画像形成が行われる際には、図
１（ａ）に示すように、バルブ７は閉じた状態にあり、
記録ヘッド２０のノズル６からインクが吐出されて記録
ヘッド２０内のインクが消費されるのに応じて、サブタ
ンク１内のインクが記録ヘッド２０に供給される。これ
により、サブタンク１内のインクが減少し、比較的大き
な負圧が生じている。可撓性を有する袋状のサブタンク
１は、負圧発生ばね３の付勢力に抗して収縮している。

【００３９】この状態で、画像形成が中断されキャリッ
ジ１６がホームポジションに復帰させられて、図２に示
すサブタンク１へのインク供給動作が行われる。まず、
図１（ｂ）に示すように、記録ヘッド２０のノズル６部
分をキャップ８によりキャッピングし（ステップＳ
１）、バルブ７を開く（ステップＳ２）。すると、メイ
ンタンク２の内圧がほぼ大気圧となっていることから、
サブタンク１の負圧に引かれ、インクはメインタンク２
からサブタンク１へと流れ込む（ステップＳ３）。この
とき、サブタンク１は、インクの流入と負圧発生ばね３
の付勢力とによって広がっていく。そして、サブタンク
１の内圧が上昇して、メインタンク２の内圧すなわち大
気圧に等しくなり、かつサブタンク１の内圧と負圧発生
ばね３とが均衡する程度にサブタンク１が広がった状態
で、メインタンク２からのインクの流れ込みが停止す
る。この状態で、サブタンク１の内圧は大気圧であり、
負圧背圧は０である。

【００４０】インクジェット記録ヘッド２０が適正なイ
ンク吐出を行うには、適正な背圧、しかも負圧背圧が必
要である。この負圧背圧がないと、適正なインク吐出が
できないばかりか、ノズル６からインクが漏れてしま
う。

【００４１】そこで、バルブ７を閉じ（ステップＳ
４）、ポンプ９を動作させる。これにより、ノズル６近
傍に密着させ密閉室となったキャップ８を介して、イン
クをノズル６から吸引する（ステップＳ５）。この吸引
により、サブタンク１内のインクは記録ヘッド２０のノ
ズル６から吐出されて、サブタンク１内のインクが減少
する。その結果、図２（ｃ）に示すように、可撓制の袋
状のサブタンク１が少し収縮し、負圧発生ばね３が少し
伸びるため、負圧発生ばね３からサブタンク１に、押し
広げようとする力がかかる。この押し広げようとする力
が、サブタンク１内の負圧として作用する。すなわち、
サブタンク１の内圧は負圧となり、ノズル６に対する負
圧背圧が発生する。このようにして、メインタンク２か
らサブタンク１へのインク供給が行われ、サブタンク１
には負圧背圧が発生する。なお、このインク吸引時に、
インクに混入していた気泡や固形物（ごみや固化したイ
ンク等）もインクとともに排出することができ、いわゆ
る予備吐出と同様の効果も得られる。

【００４２】その後、通常の回復処理を行った後、必要
に応じて再度画像形成動作を行う。具体的には、例え
ば、キャッピングを解除して（ステップＳ６）図示しな
いワイパーにより記録ヘッド２０のノズル６形成面をワ
イピングし（ステップＳ７）、さらに、カラー記録装置
の場合には、ワイピング時に異なる色のインクが混ざり
合ってノズル６内に進入するおそれがあるので、混色し
たインクをノズル６外に排出させるための予備吐出を行
う（ステップＳ８）。その後、キャリッジをホームポジ
ションから画像形成領域に移動させて、記録ヘッド２０
のノズル６からのインク吐出による画像形成を行う（ス
テップＳ９）。適宜のタイミングでサブタンク２内のイ
ンク量を検知して、インク量が所定量以下になったと判
断した時点で、前記したサブタンク１へのインク供給動
作（ステップＳ１〜Ｓ５）を行う。

【００４３】このように、本実施形態では、ノズル６に
対する負圧背圧がサブタンク１の負圧発生ばね３の付勢
力に起因し、一旦サブタンク１がインクで満たされた後
に少量のインクを排出して圧力均衡を乱すことによって
発生している。

【００４４】ステップＳ５におけるポンプ９の吸引量
は、サブタンク１の容量と負圧発生ばね３との関係に基
づいて決定される。負圧背圧を調整したいときは、この
吸引量を変化させることによって調整することができ
る。また、ステップＳ４においてバルブ７を閉じる前の
サブタンク１の内圧は、メインタンク２とサブタンク１
の相対的な高さ関係によって変化する。高さが等しいと
きは負圧０となるが、高さ関係によっては負圧にも正圧
にも設定し得る。従って、所望の負圧背圧を達成するた
めには、予めサブタンク１とメインタンク２の相対的な
高さ関係を考慮した上で、ポンプ９による吸引量を決定
すればよい。

【００４５】図３は、本発明の第２の実施形態の動作を
示すフローチャートである。第１の実施形態と同様な部
分については同一の符号を付与し説明を省略する。

【００４６】本実施形態では、第１の実施形態における
ポンプ９による吸引（ステップＳ５）の代わりに、記録
ヘッド２０の各ノズル６に設けられている発熱素子等の
エネルギー発生手段（図示せず）を作動させてインクを
吐出する、いわゆる予備吐出を行う（ステップＳ１
０）。これによっても、前記したのと同様な負圧背圧発
生が可能である。ただし、このときのエネルギー発生手
段への供給電力とそれに基づくインク吐出量は、サブタ
ンク１とメインタンク２の相対的な高さ関係を考慮した
上で、所望の負圧背圧を達成するために必要な大きさに
設定される。

【００４７】そして本実施形態の場合、ポンプ９が不要
であることに伴ってキャップ８も不要になり、当然第１
の実施形態におけるキャッピング動作（ステップＳ１）
やキャッピング解除（ステップＳ６）は行われない。ま
た、インク吸引によりノズル近傍に付着したインクを取
り除くためのワイピング（ステップＳ７）や、そのとき
のノズル内混色を防止するための予備吐出（ステップＳ
８）などを行う必要がない。

【００４８】このように本実施形態によると、第１の実
施形態と同様な、サブタンク１による負圧背圧発生の効
果が、構成および工程をいずれも簡略化して容易に達成
できる。

【００４９】図４は、本発明の第３の実施形態のインク
ジェット記録装置のインク供給手段を概略的に示す図で
ある。第１，第２の実施形態と同様な部分については同
一の符号を付与し説明を省略する。

【００５０】本実施形態は、メインタンク２とサブタン
ク１とを接続するインク供給路内に、接続および離脱可
能なジョイント１７が設けられている。このジョイント
１７の構成について説明する。

【００５１】ジョイント１７は、可撓性の供給チューブ
４およびバルブ７を介して、メインタンク２に常時接続
されており、適宜のタイミングでサブタンク１に接続さ
れることによりメインタンク２とサブタンク１とを連通
させる。このジョイント１７は、ジョイント管１１と、
ジョイントばね１２と、ジョイントシャッタ１３と、ジ
ョイントスライダ１４と、ジョイントベース１５とを有
しており、逆流ポンプ１０を内包している。

【００５２】ジョイント管１１の先端近傍の側面にはイ
ンクの連通する穴が設けられており、ゴム等からなるジ
ョイントシャッタ１３が、ジョイント管１１の周囲に緊
密かつ摺動可能に嵌め込まれている。そして、ジョイン
トシャッタ１３はジョイントばね１２により付勢されて
おり、図示しないストッパによりジョイント管１１先端
部に位置決めされている。

【００５３】ジョイント管１１と供給チューブ４とは、
蛇腹状の逆流ポンプ１０を介して連通している。ジョイ
ント管１１の後端部（ジョイントシャッタ１３取付部の
反対側端部）にはジョイントベース１５が取り付けら
れ、供給チューブ４の先端部にはジョイントスライダ１
４が取り付けられている。図４には模式的に図示してい
るが、ジョイントスライダ１４は、ジョイント管１１の
長手方向（図４左右方向）に沿って直線的に所定の範囲
内で移動可能に、かつ離脱不能に、ジョイントベース１
５に取り付けられている。ジョイントスライダ１４の移
動は、ジョイント管１１と供給チューブ４の間隔を変動
させ、すなわち、蛇腹状の逆流ポンプ１０を伸縮させ
る。なお、図示しないが、ジョイントスライダ１４およ
びジョイントベース１５には孔部が設けられており、供
給チューブ４と逆流ポンプ１０とジョイント管１１の連
通を妨げることはない。

【００５４】一方、サブタンク１の、ジョイント１７と
対向する位置には、ジョイント弁１９が設けられてい
る。ジョイント１９弁は、エラストマなどのゴム系の部
材であり、サブタンク１と一体形成されるなど、サブタ
ンク１内部のインクのリークを防ぐように形成されてい
る。ジョイント弁１９にはジョイント管１１が貫通でき
る穴が設けてあるが、ジョイント管１１が差し込まれて
いないときには、ゴムの弾性により穴が閉じられてイン
クが漏れない構成である。

【００５５】本実施形態では、以上のような構成で、サ
ブタンク１とメインタンク２とを断続的に接続するジョ
イント１７を用いて、サブタンク１内の初期負圧背圧を
確保する。その動作について図４，５を参照して以下に
説明する。

【００５６】まず、第１の実施形態と同様の画像形成動
作を行う。すなわち、図示しないが記録媒体の副走査
と、キャリッジ１６の主走査とを交互に行いながら、キ
ャリッジ１６の主走査中に記録ヘッド２０のノズル６か
らインク滴を吐出する。このように画像形成が行われる
際には、図４（ａ）に示すように、ジョイント１７はサ
ブタンク１から離脱して、サブタンク１とメインタンク
２とが接続されていない状態にある。従って、記録ヘッ
ド２０のノズル６からインクが吐出されて記録ヘッド２
０内のインクが消費されるのに応じて、サブタンク１内
のインクが記録ヘッド２０に供給される。これにより、
サブタンク１内のインクが減少し、比較的大きな負圧が
生じている。可撓性を有する袋状のサブタンク１は、負
圧発生ばね３の付勢力に抗して収縮している。

【００５７】この状態で、画像形成が中断されキャリッ
ジ１６がホームポジションに復帰させられて、図５に示
すサブタンク１へのインク供給動作が行われる。まず、
図４（ｂ）に示すように、バルブ７を開く（ステップＳ
２）。

【００５８】そして、ジョイント１７をサブタンク１に
接続する。具体的には、図示しない駆動手段によりジョ
イントベース１５をサブタンク１側（図４左方）へ移動
させ、ジョイント管１１の先端およびジョイントシャッ
タ１３端面を、ジョイント弁１９に当接させる。そして
さらにジョイントベース１５を移動させる。この時、ジ
ョイントシャッタ１３はジョイント弁１９に押しとどめ
られるためそれ以上移動不能であり、ジョイントばね１
２を縮めるように作用するが、ジョイント管１１はジョ
イントシャッタ１３の穴部内を挿通してジョイントベー
ス１５とともに移動続行可能である。こうして、ジョイ
ント管１１だけがジョイント弁１９の穴を貫通してサブ
タンク１内に挿入される（ステップＳ１１）。これによ
り、メインタンク２とサブタンク１とは、供給チューブ
４、逆流ポンプ１０、ジョイント管１１を介して連通す
る。

【００５９】そこで、サブタンク１内の負圧によりメイ
ンタンク２内のインクが吸引されて、サブタンク１にイ
ンクが供給される（ステップＳ３）とともに、サブタン
ク１は広がっていき負圧は解消されていく。そして、第
１，２の実施形態と同様に、サブタンク１の内圧がメイ
ンタンク２の内圧（大気圧）とが等しくなり、かつサブ
タンク１の内圧と負圧発生ばね３のばね力が釣り合っ
て、インクのサブタンク１への供給は終了する。このと
きサブタンク１の内圧は大気圧であり、負圧背圧は０で
ある。

【００６０】次に、図４（ｃ）に示すように、バルブ７
を閉じ（ステップＳ４）、逆流ポンプ１０を作動させ
る。具体的には、ジョイントベース１５の位置はそのま
まで、ジョイントスライダ１４をメインタンク２側（図
４右方）へ移動させる。従って、ジョイントベース１５
とジョイントスライダ１４との間隔が広がり、蛇腹状の
逆流ポンプ１０は伸びて容積が大きくなる。これにより
逆流ポンプ１０内は負圧になり、サブタンク１内のイン
クを吸引する。この時、バルブ７が閉じているのでメイ
ンタンク２内のインクは吸引できず、サブタンク１内の
インクが逆流して逆流ポンプ１０内に流れ込む（ステッ
プＳ１２）。なお、吸引チューブ４内の少量のインクが
引き寄せられるが、逆流ポンプ１０の負圧を解消させる
には到底至らないので、サブタンク内１のインクの逆流
は必至である。これにより、サブタンク１内に負圧が発
生する。なお、ジョイントスライダ１４が移動するとジ
ョイントスライダ１４とメインタンク２との間隔が狭く
なるが、可撓性を有する供給チューブ４が屈曲すること
により、ジョイントスライダ１４の移動に支障はきたさ
ない。

【００６１】次に、図４（ｄ）に示すように、ジョイン
ト１７をサブタンク１から離脱させる。すなわち、ジョ
イントベース１５とジョイントスライダ１４との位置関
係を保ったまま、ジョイントベース１５をメインタンク
２側（図４左方）に移動させる（ステップＳ１３）。こ
のとき、ジョイントベース１５に固定されているジョイ
ント管１１は、ジョイント弁１９から抜け、ジョイント
ばね１２で付勢されているジョイントシャッタ１３の穴
の中に再び入り込む。従って、ジョイントシャッタ１３
は、ジョイント管１１先端近傍の穴を塞いでジョイント
管１１を密封する。こうして、負圧が発生した状態のサ
ブタンク１とジョイント１７およびメインタンク２とが
離れ、両者の接続が解除されるため、サブタンク１の負
圧は維持される。すなわち、ノズル６に対する初期負圧
背圧が確保される。

【００６２】最後に、図４（ｅ）に示すように、バルブ
７を開き（ステップＳ１４）、ジョイントベース１５や
ジョイント管１１等の位置を固定したままジョイントス
ライダ１４をサブタンク１側（図４左方）に移動させ
て、ジョイントベース１５とジョイントスライダ１４と
の間隔を狭くして、ジョイント１７を初期状態に戻す
（ステップＳ１５）。この動作で蛇腹状の逆流ポンプ１
０は縮まり、その中のインクの一部は供給チューブ４お
よびメインタンク２の方へ押し戻される。その後は、第
１，２の実施形態と同様に、必要に応じて画像形成（ス
テップＳ９）が行われる。

【００６３】以上説明した通り本実施形態では、サブタ
ンク１と接続および離脱可能なジョイント１７を用い
て、サブタンク１の初期負圧背圧を確保することができ
る。この負圧背圧の大きさは、逆流ポンプ１０の容量
と、ステップＳ１５におけるジョイントスライダ１４の
移動ストロークの大きさにより調整できる。また、本実
施形態の場合、サブタンク１から排除されるインクは、
逆流ポンプ１０等を介してメインタンク２へと戻されて
再使用可能であり、したがって無駄な廃インクは発生し
ない。

【００６４】さらに、逆流ポンプ１０の動作がジョイン
ト１７のサブタンク１への接続および離脱の動作に連動
するようにすれば、駆動構成が簡略化でき、コストダウ
ンに繋がる。

【００６５】サブタンク１に一旦供給されたインクを一
部逆流させる方法としては、前記のようにメインタンク
２からサブタンク１へ至るインク供給路中に逆流ポンプ
１０を設ける方法以外に、サブタンク１を加圧してイン
クをメインタンク２側へ逆流させることもできる。すな
わち、サブタンク１を構成する可撓性の袋に正圧を加え
る手段、例えば押圧手段により可撓性の袋のばね力に反
発して所定量だけ押しつぶす方法や、可撓性の袋の外側
を密閉容器で囲み、その密閉容器内への空気の流入等に
よって密閉容器内を加圧して可撓性の袋を収縮させる方
法などが適用できる。

【００６６】本実施形態では、供給チューブ４をサブタ
ンク１に連通させたり離したりする接続および離脱可能
なジョイント１７を用いている。しかし、接続および離
脱可能なジョイントを用いない構成にも適用することも
できる。例えば、ジョイントシャッタ１３およびジョイ
ント弁１１に代えてもう１つのバルブを設けた構成と
し、このバルブの開閉をさせることにより、接続および
離脱可能なジョイントを用いず可撓性チューブ４により
メインタンク２とサブタンク１とを常時接続した構成で
も、前記したのと同様の効果を得ることができる。

【００６７】以上説明した各実施形態では、負圧背圧発
生手段として負圧発生ばね３および可撓性の袋（サブタ
ンク１）を用いているが、スポンジなど多孔質体の毛管
力を用いた負圧発生手段を用いる構成や、その他の負圧
発生手段を用いる構成にも、本発明は適用可能である。
このとき、負圧発生手段の種類により、必要に応じて、
サブタンク内の密閉と開放とを切り替える手段が設けら
れる。スポンジ等の多孔質体を用いる構成では、サブタ
ンク１内のインクをメインタンク２側へ逆流させる方法
として、加圧、すなわちスポンジを押しつぶす方法も採
用できる。

【００６８】また、メインタンク２からサブタンク１へ
のインク供給方法は、前記したようにばねや毛細管力を
用いる方法の他に、加圧や吸引負圧による強制供給の方
法を採用することもできる。

【００６９】メインタンク２は前記した各実施形態のよ
うな袋状のものに限られることはなく、また結果的に若
干の負圧、正圧をもったものでも適用できる。図１，４
は簡略化された図であり、記録ヘッド２０とメインタン
ク２とを同程度の高さ関係に示してある。しかし、この
記録ヘッド２０とメインタンク２との高さ関係は、同じ
高さであってもよいし、水頭差が生じていても、その後
の負圧発生動作を調整することにより対応することがで
きる。すなわち、メインタンク２は、設置場所の自由度
が高い。

【００７０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
キャリッジ外に設けられたメインタンクとキャリッジ上
に設けられたサブタンクとを有するインクジェット記録
装置において、メインタンクからサブタンクへのインク
供給の後に、サブタンクから所定量のインクを排除する
ことによりサブタンクの負圧背圧を確保することができ
る。特に、モバイルプリンタのような水頭差を利用しに
くい小型プリンタ等の場合、また、サブタンクへインク
を間欠的に供給する間欠供給方式の場合に効果的であ
る。

【００７１】本発明では、サブタンクに負圧発生手段を
設け、メインタンクでは負圧背圧を発生させる必要がな
い。従って、メインタンクの構成が単純化できコストダ
ウンができる。通常は消耗品として扱われるメインタン
クが安価になるので、長期的なコストダウンの効果が大
きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態のインクジェット記録
装置の要部断面図である。

【図２】本発明の第１の実施形態のインク供給方法を説
明するフローチャートである。

【図３】本発明の第２の実施形態のインク供給方法を説
明するフローチャートである。

【図４】本発明の第３の実施形態のインクジェット記録
装置の要部断面図である。

【図５】本発明の第３の実施形態のインク供給方法を説
明するフローチャートである。

【符号の説明】

１ サブタンク（負圧背圧発生手段） ２ メインタンク ３ 負圧発生ばね（負圧背圧発生手段） ４ 供給チューブ ６ ノズル ７ バルブ（開閉弁） ８ キャップ ９ ポンプ １０ 逆流ポンプ １１ ジョイント管 １２ ジョイントばね １３ ジョイントシャッタ １４ ジョイントスライダ １５ ジョイントベース １６ キャリッジ １７ ジョイント １９ ジョイント弁 ２０ 記録ヘッド

Claims (21)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを吐出する記録ヘッドと、前記記
   録ヘッドに供給するインクを保持するサブタンクと、前
   記記録ヘッドと前記サブタンクとを搭載するキャリッジ
   と、前記キャリッジ外に設けられており、前記サブタン
   クへ供給するインクを保持するメインタンクと、前記メ
   インタンクから前記サブタンクへインクを供給するイン
   ク供給路とを有するインクジェット記録装置であって、 前記サブタンクには、前記メインタンクから前記サブタ
   ンクへインクが供給された後で前記サブタンクから所定
   量のインクが排出されて、前記サブタンクに前記記録ヘ
   ッドに対する負圧背圧を発生させる負圧背圧発生手段が
   設けられていることを特徴とするインクジェット記録装
   置。
2. 【請求項２】 前記サブタンクからの所定量のインクの
   排出は、前記記録ヘッドのノズルから所定量のインクを
   吸引排出することによってなされる、請求項１に記載の
   インクジェット記録装置。
3. 【請求項３】 前記サブタンクからの所定量のインクの
   排出は、前記記録ヘッドのノズルから所定量のインクを
   吐出することによってなされる、請求項１に記載のイン
   クジェット記録装置。
4. 【請求項４】 前記サブタンクからの所定量のインクの
   排出は、前記サブタンクから前記インク供給路にインク
   を逆流させることによりなされる、請求項１に記載のイ
   ンクジェット記録装置。
5. 【請求項５】 前記インク供給路中に、前記サブタンク
   内のインクを吸引する逆流ポンプが設けられている、請
   求項４に記載のインクジェット記録装置。
6. 【請求項６】 前記インク供給路の少なくとも一部が、
   可撓性を有するチューブである、請求項１〜５のいずれ
   か１項に記載のインクジェット記録装置。
7. 【請求項７】 前記インク供給路中に、前記サブタンク
   に対して接続および離脱可能なジョイントが設けられて
   いる、請求項６に記載のインクジェット記録装置。
8. 【請求項８】 前記インク供給路中に開閉弁が設けられ
   ている、請求項１〜７のいずれか１項に記載のインクジ
   ェット記録装置。
9. 【請求項９】 前記負圧背圧発生手段は、密閉式のばね
   偏倚袋を含む、請求項１〜８のいずれか１項に記載のイ
   ンクジェット記録装置。
10. 【請求項１０】 前記負圧背圧発生手段は、インクを収
    容する可撓性の袋と、前記可撓性の袋に付勢する付勢手
    段とを含む、請求項１〜８のいずれか１項に記載のイン
    クジェット記録装置。
11. 【請求項１１】 前記負圧背圧発生手段は、スポンジ等
    の多孔質体を含む、請求項１〜８のいずれか１項に記載
    のインクジェット記録装置。
12. 【請求項１２】 インクを吐出する記録ヘッドと、前記
    記録ヘッドに供給するインクを保持するサブタンクと、
    前記記録ヘッドと前記サブタンクとを搭載するキャリッ
    ジと、前記キャリッジ外に設けられており、前記サブタ
    ンクへ供給するインクを保持するメインタンクと、前記
    メインタンクから前記サブタンクへインクを供給するイ
    ンク供給路とを有するインクジェット記録装置のインク
    供給方法であって、 前記サブタンク内のインクが減少した時に、前記メイン
    タンクの内圧と前記サブタンクの内圧とを均衡させるま
    で、前記メインタンクから前記サブタンクへインクを供
    給する工程と、 前記インク供給工程の後に、前記サブタンクから所定量
    のインクを排出して、前記サブタンクに前記記録ヘッド
    に対する負圧背圧を発生させる工程とを含むことを特徴
    とするインク供給方法。
13. 【請求項１３】 前記サブタンクからの所定量のインク
    の排出は、前記記録ヘッドのノズルからインクを吸引す
    ることによってなされる、請求項１２に記載のインク供
    給方法。
14. 【請求項１４】 前記サブタンクからの所定量のインク
    の排出は、前記記録ヘッドのノズルからインクを吐出す
    ることによってなされる、請求項１２に記載のインク供
    給方法。
15. 【請求項１５】 前記サブタンクからの所定量のインク
    の排出は、前記サブタンクから前記インク供給路にイン
    クを逆流させることによりなされる、請求項１２に記載
    のインク供給方法。
16. 【請求項１６】 前記インクの逆流は、前記インク供給
    路中に設けられている逆流ポンプにより行われる、請求
    項１５に記載のインク供給方法。
17. 【請求項１７】 前記インク供給路を開いた状態で、前
    記メインタンクから前記サブタンクへの前記インク供給
    工程を行い、 その後、前記インク供給路を閉じ、前記逆流ポンプを動
    作させて所定量のインクを前記サブタンクから前記イン
    ク供給路に逆流させることにより、前記負圧背圧発生工
    程を行う、請求項１６に記載のインク供給方法。
18. 【請求項１８】 前記インク供給路中に、前記サブタン
    クに対して接続および離脱可能なジョイントを設けてお
    き、 前記ジョイントを前記サブタンクに接続し、かつ前記イ
    ンク供給路を開いた状態で、前記メインタンクから前記
    サブタンクへの前記インク供給工程を行い、 その後、前記インク供給路を閉じ、前記逆流ポンプを動
    作させて所定量のインクを前記サブタンクから前記イン
    ク供給路に逆流させてから、前記ジョイントを前記サブ
    タンクから離脱させることにより、前記負圧背圧発生工
    程を行う、請求項１６に記載のインク供給方法。
19. 【請求項１９】 前記逆流ポンプは、前記ジョイントの
    前記サブタンクからの離脱動作と連動して動作する、請
    求項１８に記載のインク供給方法。
20. 【請求項２０】 前記インク供給路の少なくとも一部
    が、可撓性を有するチューブである、請求項１２〜１９
    のいずれか１項に記載のインク供給方法。
21. 【請求項２１】 前記インク供給路の開閉を、前記イン
    ク供給路中に設けられている開閉弁により行う、請求項
    １２〜２０のいずれか１項に記載のインク供給方法。