JPH0834122A - インクジェットカートリッジ及びそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 インクを吐出する記録ヘッドとインクタンク
とを有するインクジェットカートリッジにおいて、前記
記録ヘッドは大気連通口を備えた負圧発生部を有するも
のであって、該負圧発生部とを連通させる複数の連通路
を備え、該複数の連通路は、インクタンク内部を前記負
圧発生部を介して前記大気連通口にに通じる大気連通路
と、前記記録ヘッドインクを供給するためのインク供給
路とからなり、前記負圧発生部は、インクタンク内部の
圧力に応じて前記大気連通路を開閉する負圧調整機構を
有することを特徴とするインクジェットカートリッジ。 【効果】 本構成により、交換タンク部の単価を下げ、
またタンク切り離し後も大量印字が可能となる。またヘ
ッド部にて常に定圧上の負圧を維持すことが可能とな
る。タンク部に残量検知手段を設けることにより残量検
知した後も大量の印字が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
のインクジェットカートリッジおよびそれを備えたイン
クジェット記録装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、紙、ＯＨＰ用シートなどの記録媒
体（以下記録用紙または単に紙ともいう）に記録ヘッド
により画像の記録を行う記録装置においては、ワイヤー
ドット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェット方
式によるものなどがある。なかでも、インクジェット方
式は記録媒体と記録ヘッドが接触することなく記録が行
えるため、高速、低騒音等などの利点があり、現在最も
注目されている記録方式の一つである。

【０００３】インクジェット方式の中にも、膜沸騰を利
用した熱エネルギー方式のものや、圧電素子を利用した
もの、他の光エネルギー等の熱エネルギーを利用したも
のなどがあり、いずれの方式においても記録の際にはイ
ンク滴を記録媒体に向かって吐出して画像を形成する。

【０００４】これらのインクジェット記録装置において
はインクを吐出するための記録ヘッドと該インクを貯留
しておくためのインクタンクを有したインクジェットカ
ートリッジが用いられており、その構成は種々の方法が
考えられている。

【０００５】一つには装置に固定された記録ヘッドとイ
ンクタンクを管等の部材で結合し、記録ヘッドは半永久
的に使用し、インクタンクのみ交換する方式がある。

【０００６】また、その他の方式として記録ヘッドとイ
ンクタンクが一体構造に形成されており、インクタンク
のインクがなくなった場合は記録ヘッドごと交換してし
まう一体交換方式や、記録ヘッドとインクタンクが着脱
可能に結合され、一つのカートリッジを構成し、インク
タンクのインクがなくなった場合はヘッドからインクタ
ンク部分のみ取り外して新しいインクタンクと交換し、
所定量の印刷を終えた後記録ヘッドを交換するもの等が
ある。

【０００７】以下、記録ヘッドとインクタンクが結合し
た状態でインク記録装置から脱着できる構造のカートリ
ッジをインクジェットカートリッジと称する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな着脱可能なインクタンク構造をとる場合には次のよ
うな欠点があった。 （１）インクタンク及び記録ヘッドにて所定の負圧を発
生させるために、インクタンク側に吸収体等の負圧発生
手段を設けているため交換するインクタンクの単価が高
価なものとなってしまう。 （２）単純な負圧発生手段を有さないインクのみの供給
構造だとヘッド部の負圧を定圧以上に保つことが非常に
困難となる。 （３）一方、負圧発生手段を有するインクタンクをヘッ
ド部とした場合は、堆積当たりのインク容量がインクの
みの場合に比べて少ない。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者は上記欠点を解
決することを目的として鋭意検討し、そのための手段と
して本発明に到達した。即ち本発明は、インクを吐出す
る記録ヘッドと、該記録ヘッドにインクを供給するため
のインクを収容するインクタンクとを有するインクジェ
ットカートリッジにおいて、前記記録ヘッドは大気連通
口を備えた負圧発生部を有するものであって、該負圧発
生部とを前記インクタンクと連通させる複数の連通路を
備え、該複数の連通路は、インクタンク内部を前記負圧
発生部を介して前記大気連通口に通じる大気連通路と、
前記記録ヘッドへインクを供給するためのインク供給路
とからなり、前記負圧発生部は、インクタンク内部の圧
力に応じて前記大気連通路を開閉する負圧調整機構を有
することを特徴とするインクジェットカートリッジを提
供するものである。

【００１０】また本発明は前記大気連通路は、記録ヘッ
ドからインクが吐出される状態で、重力方向に対して前
記大気連通口よりも下方であって前記インク供給路より
も上方に位置することを特徴とする前記のインクジェッ
トカートリッジを提供するものである。

【００１１】さらに本発明は上述のインクジェットカー
トリッジを備えたインクジェット記録装置を提供するも
のである。

【００１２】

【作用】本発明によれば負圧発生部を有するヘッド部と
インクのみを有する分離可能なタンク部にて構成するこ
とにより、交換するタンク部の単価を下げるようにし、
またタンク切り離し後も所望量の印字を可能なように調
整できる。また、ヘッド部の負圧発生部とタンク部とを
複数個所（インク流路、通気路）で連通せ、負圧発生部
の圧力状態にに応じて通気路を開閉する構成により、ヘ
ッド部にて常に定圧以上の負圧を発生することが可能と
なる。負圧を発生さる方法はその目的を達すれば特に制
限はないが、発泡ポリウレタン等の多孔質部材が充填負
圧発生機構として使用する方法、負圧発生バネを使用す
る方法、ゴム材等にて形成される伸縮自在な可変タンク
等が例示される。

【００１３】またインクのみを有するタンク部に残量検
知手段を設けることにより、インクタンク部内のインク
残留を防止するとともに、タンク交換後の負圧発生部と
タンク部との連通を容易にすることができ、従来の欠点
が解決される。

【００１４】

【実施例】

実施例１ 以下図１及び図２を用いて本発明に係わるインクカート
リッジの第１実施例を説明する。記録ヘッド１は、記録
ヘッド部１ａ及び負圧発生部１ｂよりなり、図中下方向
にインク滴２、を吐出し図中下に位置する不図示の記録
用紙に印字を行う。負圧発生部１ｂと記録ヘッド部１ａ
は負圧発生部の下方に配されたジョイント部１ｃにより
連通し、インクを負圧発生部１ｂより記録ヘッド部１ａ
に供給している。尚負圧発生部１ｂの負圧により記録ヘ
ッド１は記録ヘッド部１ｂに設けられたインク吐出口
（図不示）からのインクもれ等もなく、適切な印字を行
うことが可能となっている。負圧発生部１ｂの中にはイ
ンク吸収体３は発泡ポリウレタン等の多孔質部材が充填
され、負圧発生機構として機能している。ここで負圧と
は、記録ヘッド部１ａの吐出口近傍におけるインクの水
頭圧が大気圧よりも低いことを意味する。この状態は、
本実施例においては多孔質部材（インク吸収体３）の毛
細管力により達成される。本実施例においては、前述の
多孔質部材中に、空気領域とインク含侵領域とを設け、
その気液界面においてメニスカスが形成されることによ
って負圧が生じる構成を採用している。

【００１５】一方インクタンク４には吸収体等の負圧発
生機構は設けられておらず、インク５のみが充填された
ものとなっている。インクタンク４及び記録ヘッド１は
相互に着脱可能となっており、インクタンクと記録ヘッ
ドの双方の気液交換は通気路（大気連通路）６及びイン
ク流路（インク供給路）７の２ケ所にて構成されてい
る。

【００１６】図１は初期段階にインクタンク４より記録
ヘッド１側にインク５が注入されていく状態を示したも
のである。インク５は矢印Ａに示すようにインク流路７
を介して記録ヘッド１の負圧発生部１ｂに移動し、イン
ク吸収体３に徐々に充填されていく、また負圧発生部１
ｂに設けられた大気連通口８を通して矢印Ｂに示す如
く、通気路６を介してインクタンク４の中に大気が入り
込み、前述の矢印Ａに示すインク５の注入が促される。
以上のようにして図１に示す如く負圧発生機構である負
圧発生部１ｂへのインク充填が通路６よりも下側の位置
に気液界面がある程度の状態ではインクと大気の還元が
通路６を介してなされスムースなインクの供給が可能と
なる。ここで、通気路６およびインク流路７は任意のシ
ール機構を用いて、接続され、インク漏れを防止してい
る。

【００１７】図２は図１に示した記録ヘッド１及びイン
クタンク４と同じものであるが、インクタンク交換後等
に負圧発生部１ｂにインクが通気路６の上方まで充填さ
れた状態を示したものである。図１に示すのと異なり、
矢印Ｂに示す大気の流れはインク吸収体３に充填された
インクにて阻止され、その結果、インクタンク４への大
気の流入は生じなくなろ。そして、多孔質体であるイン
ク吸収体３の毛細管力によるインク保持が可能な状態が
維持されたまま、矢印Ａに示す負圧発生部へのインク５
の供給も停止する。このようにしてインク５の供給があ
る程度された時点、すなわち、インク吸収体３中で気液
界面が形成され、負圧発生機構として働く状態を安定さ
せるようにインク供給が抑制されることになる。よって
負圧発生部１ｂは常に記録ヘッド部１ａからのインク漏
れを防止するのに十分な負圧を維持することが可能とな
る。ここで、インク吸収体３の毛細管力は、負圧発生室
に収容されるインクの自重とのバランスを考慮した上
で、大気連通路６の位置までインクを引上げることがで
きるように設定される。またたとえインクタンク４を何
回つけ変えようが前述の状態は変化することがなく、負
圧の維持は可能となる。

【００１８】前述の構成における記録時のインク供給
は、以下のように行われる。通常、記録前の状態は前述
した図２の状態である。この状態から記録ヘッドからイ
ンクが吐出されると、記録ヘッド部１ａ内におけるイン
クが消費され、不図示の記録ヘッド部のインク貯留機構
内部で圧力低下が生じる。従って、圧力勾配が生じるの
で、これにより、負圧発生部を介してインクタンク側か
らインクが供給される。

【００１９】記録されるに従って、インクタンク内部の
圧力は低下し、インク供給路７からのインク供給が滞る
ことになる。この場合には、負圧発生部内のインクが記
録ヘッド部１ａに供給されるか、大気連通路を介して負
圧発生部の大気連通路近傍のインクがインクタンク内に
引込まれるかして、負圧発生部の気液界面が大気連通路
よりも低くなる。これにより、インクタンク内に空気が
導入され、再度インク供給可能な内部圧力状態に復帰す
る。すなわち、本実施例では、多孔質体の毛細管力によ
り、気液界面位置を調整し、通気路を開閉する負圧調整
機構としている。 図１、図２においては図中下方より
徐々にインク吸収体３がインク充填される如く示されて
おり、またそれにより通気路６がふさがれている如く示
されているが、インク充填が重力に関係なくなされた場
合においても、インクタンク内部と外部を結ぶ最短経路
である矢印Ｂに示す大気との連通路が所定のインク充填
量において連通、非連通状態の切換えが行われ、負圧の
維持が可能となる。

【００２０】実施例２ 図３及び図４が本発明の第２実施例を示した図である。
なお、以下の実施例において前述した図における要素と
同様の機能を有するものは同一の符号をつけた。図１及
び図２で示した実施例に対して負圧発生源であるインク
吸収体３の替わりに本実施例では図３に示したように負
圧発生バネ９及びヘッド内ピストン１０が設けらていれ
る。図３は負圧発生部内の圧力が低い状態を示してお
り、ピストンは負圧発生部内壁に水密的に接触してい
る。このピストン１０には、負圧発生バネ９により図中
上方に体勢力が与えられており、負圧発生部内の負圧変
動の下限を調整する機能を有する。図のように、負圧が
下限値以下になったときに矢印Ａの方向にインク供給針
を介してインクが供給される。同時に通気路６を介して
大気の流入がインクタンク４になされ、前述のインク注
入がスムーズに行われる。

【００２１】本実施例においては、負圧発生部１ｂに設
けられた弾性部材にインクタンク側のインク供給針が装
入され、インク連通状態となる。インクタンクが外され
た場合には、弾性部材の復元により密閉状態となる。一
方図４は図３の状態よりインク注入が進み負圧発生部内
の内部圧力が上昇しヘッド内ピストン１０が図中上方に
移動し、ストッパ１ｄと当接して通気路６をふさいだ状
態を示している。この状態においては負圧発生バネ９に
よる負圧はあるものの矢印Ｂによる大気の連通はとざさ
れ、インクタンク４より負圧発生部１ｂへインク５が注
入されるのは阻止される。以上より前述の実施例１と同
様所定以上の負圧を維持可能な記録ヘッド、タンク構造
が可能となる。なお、負圧の設定は、負圧発生バネだけ
でなく、ピストンが大気連通路を閉じた後に移動するこ
とによる負圧発生部の体積増加量を調整することによっ
てもなされる。

【００２２】記録時には前述の実施例と同様に、インク
内と負圧発生部内の圧力がある一定のレベルに達するま
では通気路６は閉ざされており、所定の圧力以下となっ
た時に通気路６が開状態となり大気連通口と連通する。

【００２３】従って本実施例では、負圧発生部の内壁と
水密的に接触するピストンと、負圧発生バネにより、通
気路を開閉する負圧調整機構を構成する。

【００２４】図３のインク流路は負圧発生側に弾性部材
７ｂを設け、これにインクタンク側の針状インク供給管
を挿入する構造になっている。これによって記録ヘッド
からインクタンクを取り外した際にはインク流路（イン
ク供給路）を閉の状態にすることが可能になり、負圧発
生部内に空気が入り込むのを防止し、負圧発生部の負圧
を維持してインクタンク装着時に記録ヘッドの吐出口か
らインクが漏れるのが防止される。

【００２５】実施例３ 図５、及び図６は第３実施例を示しており、図５はイン
ク充填最中の状態、図６はインク充填が完了した平衡状
態を示したものである。１１は本実施例における負圧発
生機構であるゴム材等にて形成される伸縮自在な可変タ
ンクであり、負圧空間１２によって図中上方に変化しつ
つインク５を吸収しようと、すなわち矢印Ｄ方向に大き
くなろうとと作動する。図５は可変タンク内の圧力が所
望の圧力よりも低い状態であり、連通チューブ１３が大
気とインクタンク４とに連通しており、インク流路７を
通してインク注入が可能となっている。一方図６におい
ては可変タンク１１の上昇によって連通チューブ１３が
押しつぶされ、インクタンク４に大気が入ってこれず、
インク５の流入が阻止されることになる。従って本実施
例では、前述の可変タンクを通気路を開閉する負圧調整
機構と兼用している。

【００２６】実施例４ 図７は実施例１のインクタンク４の下方に接点型の残量
検知用端子１４を設けたものである。このような位置に
残量検知用端子１４を設けることにより、インクタンク
４中のインク５がほとんどなくなった時点での検出が可
能となる。従って負圧発生部内に、空気を引き込むこと
により、不吐出を招くことはない。また、負圧発生部に
インクを十分に保持した状態にてインクタンク４が交換
することができるために、インクタンク交換後の、記録
ヘッドのジョイント部とインクタンクのインク供給路７
とを結ぶインク流路形成を容易にすることが可能であ
る。されることになるが、捨てる無駄インクはほとんど
なしになる。上記効果をより確実とするためには、例え
ば残量検知をした後所定印字後操作者にインク切れを知
らせる構成とすればよい。

【００２７】図８は実施例１の負圧発生部の下方に接点
型の残量検知用端子１４を設けたものである。図７と比
較するとインクタンクの交換時に残量検知手段の電気的
接続が繰り返されることがないので、接続不良や接点の
摩耗がより少なくなり、検知精度を高く維持することが
できる。さらにインクタンクのコストを低下させること
ができる。

【００２８】実施例５ 図９は図７の残検端子の替わりにフォトカプラ１５を用
いて検知を行う構成としたものである。

【００２９】図１０は図７の残検端子の替わりにフォト
カプラ１５を用いて検知を行う構成としたものである。
図１０の方法は図９の方法と比較して実施例４で記載し
たのと同様な点で効果がある。

【００３０】実施例６ 図１１は前述第１実施例に示した記録ヘッド１及びイン
クタンク４の変形例を示したインクジェット記録装置の
キャリッジ部分の概略図である。記録ヘッド１はキャリ
ッジ１６に装着されキャリッジ１６のガイド軸１７に沿
った図中左右方向の動き（矢印ｃ）にともなって印字を
行っていく。一方インクタンク４は装置右端に位置し固
定されたシャーシ１８に装着され、記録ヘッド１が装置
右端にきた時のみ連結される構成となっている。このよ
うな装置構成とすれば記録ヘッドには前述の如く所定圧
範囲内の負圧を維持でき、良好な印字が可能となるに加
えキャリッジ１６上の重量を小さくすることができ、よ
り早い印字、もしくは低消費電力のモータ駆動が可能と
なる。

【００３１】実施例７ 図１２は本発明のインクカートリッジを適用したインク
ジェット記録装置の一実施例の概略構成を示す摸式的斜
視図である。図１２において、記録手段（記録ヘッド）
１は図中下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ１
６に搭載されており、該キャリッジ１６をガイド軸１７
に沿って移動させながら被記録材１９（不図示）上に画
像を形成していく。なお、キャリッジ１６の左右移動
（往復移動）は、キャリッジモータ２０の回転によりタ
イミングベルト２１を介して行われる。キャリッジ１６
には係合爪Ｅが設けられ、インクジェットカートリッジ
の係合穴Ｆと係合して、キャリッジ１６にインクジェッ
トカートリッジは固定される。

【００３２】１行分の記録が終了すると、記録動作を中
断し、プラテン２２上に位置する被記録材１９をフィー
ドモータ２３の駆動により所定量だけ紙送りし、次い
で、再びキャリッジ１６をガイド軸１７に沿って移動さ
せながら次の行の画像形成を行っていく。装置本体の右
側には回復系２４が配設されており、該回復系２４には
キャップ２５、ワイパー２６およびポンプ（不図示）な
どが装着されている。前記回復系２４によって、記録手
段１のインク吐出状態を良好に保つための回復動作が行
われる。

【００３３】また、前記回復系２４の上には、キャリッ
ジ１６の移動に伴って同じく左右方向に移動するスライ
ドレバー２７が設けられ、キャリッジ２が所定位置にき
た時にキャップ２５を記録手段１の吐出口面に密着させ
るなどの機能を果たすように構成されている。また、被
記録材１９を搬送（紙送り）するためのフィードモータ
２３の駆動力は、本来の被記録材搬送機構に伝達される
他に、自動給紙装置（ＡＳＦ）２８側および回復系２４
側のいずれかに切り換え伝達することができる。

【００３４】前述したように、キャリッジ１６は、被記
録材１９を案内支持するプラテン２２が位置する記録領
域を左右に移動するとともに、吐出口面のメインテナン
スの目的あるいはフィードモータ２３の駆動の切り換え
などによって図中の記録領域の右側の非記録領域をも左
右に移動するように構成されている。

【００３５】本実施例における記録手段（記録ヘッド）
１は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインク
ジェット記録ヘッドであって、熱エネルギーを発生する
ための電気熱変換体を備えたものである。ここで、前記
記録ヘッド１は、前記電気熱変換体により印加される熱
エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その
時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して
吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
しかしながら、本発明を適用可能な記録ヘッドの駆動形
態は、上述の構成に限られるものではなく、体積変化を
利用したピエゾ方式等の記録を可能とするものであれば
良い。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、負圧発生部を有す
るヘッド部とインクのみを有する分離可能なタンク部に
て構成することにより、交換タンク部の単価を下げ、ま
たタンク切り離し後も大量印字が可能となる。またヘッ
ド部とインクタンク部が複数個所（インク流路、通気
路）で連通される構成により、ヘッド部にて常に定圧上
の負圧を維持すことが可能となる。またインクのみを有
するタンク部に残量検知手段を設けることにより残量検
知した後も大量の印字が可能となる、と同時に印字が可
能な状態においてタンク部を交換しても無駄になるイン
クをなくすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す図。

【図２】本発明の第１実施例を示す図。

【図３】本発明の第２実施例を示す図。

【図４】本発明の第２実施例を示す図。

【図５】本発明の第３実施例を示す図。

【図６】本発明の第３実施例を示す図。

【図７】本発明の第４実施例を示す図。

【図８】本発明の第４実施例を示す図。

【図９】本発明の第５実施例を示す図。

【図１０】本発明の第５実施例を示す図。

【図１１】本発明の第６実施例を示す図。

【図１２】本発明の第７実施例を示す図。

【符号の説明】

１ 記録ヘッド １ａ 記録ヘッド部 １ｂ 負圧発生部 １ｃ ジョイント部 １ｄ ストッパ ２ インク滴 ３ インク吸収体 ４ インクタンク ５ インク ６ 通気路 ７ インク流路 ７ａ 針状供給管 ７ｂ 弾性部材 ８ 大気連通孔 ９ 負圧発生バネ １０ ヘッド内ピストン １１ 可変タンク １２ 負圧空間 １３ 連通チューブ １４ 残検端子 １５ フォトカプラ １６ キャリッジ １７ ガイド軸 １８ シャーシ ２０ キャリッジモータ ２１ タイミングベルト ２２ プラテン ２３ フィードモータ ２４ 回復系 ２５ キャップ ２６ ワイパー ２７ スライドレバー ２８ 自動給紙装置（ＡＳＦ） Ｅ 係合爪 Ｆ 係合穴

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを吐出する記録ヘッドと、該記録
   ヘッドにインクを供給するためのインクを収容するイン
   クタンクとを有するインクジェットカートリッジにおい
   て、前記記録ヘッドは大気連通口を備えた負圧発生部を
   有するものであって、該負圧発生部とを前記インクタン
   クと連通させる複数の連通路を備え、該複数の連通路
   は、インクタンク内部を前記負圧発生部を介して前記大
   気連通口に通じる大気連通路と、前記記録ヘッドへイン
   クを供給するためのインク供給路とからなり、前記負圧
   発生部は、インクタンク内部の圧力に応じて前記大気連
   通路を開閉する負圧調整機構を有することを特徴とする
   インクジェットカートリッジ。
2. 【請求項２】 前記大気連通路は、記録ヘッドからイン
   クが吐出される状態で、重力方向に対して前記大気連通
   口よりも下方であって前記インク供給路よりも上方に位
   置することを特徴とする請求項１記載のインクジェット
   カートリッジ。
3. 【請求項３】 インクタンク部にインク残量検知手段は
   配設されることを特徴とする請求項１記載のインクジェ
   ットカートリッジ。
4. 【請求項４】 記録ヘッド部にインク残量検知手段は配
   設されることを特徴とする請求項１記載のインクジェッ
   トカートリッジ。
5. 【請求項５】 請求項１記載のインクジェットカートリ
   ッジを備えたインクジェット記録装置。