JP4590672B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクカートリッジからのインクを受けて、印刷データに基づいてノズル開口からインク滴を吐出する記録ヘッドと、この記録ヘッドのノズル形成面を封止して、吸引ポンプからの負圧を受けて記録ヘッドのノズル開口よりインクを吸引排出させるキャッピング手段を備えたインクジェット式記録装置に関し、特に、キャッピング手段から排出されたインクを吸収して保持する廃インクタンクを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェット式の記録ヘッドと、記録用紙を記録ヘッドに対して相対的に移動させる紙送り手段とを備え、記録ヘッドをキャリッジ上で記録用紙の幅方向に移動させながら記録用紙に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
【0003】
そして、キャリッジ上に、ブラックインクおよびイエロー、シアン、マゼンタの各カラーインクを吐出可能な記録ヘッドを搭載し、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
前記したインクジェット式の記録ヘッドは、圧力発生室で加圧したインクをノズル開口からインク滴として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、ノズル開口からの溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇や、インクの固化により、また塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、印刷不良を起こすという問題を抱えている。
【0004】
このために、インクジェット式記録装置には、非印刷時に記録ヘッドのノズル開口を封止するためのキャッピング手段と、必要に応じてノズル形成面を清掃するワイピング部材とを備えている。前記キャッピング手段は、印刷の休止時に前記したノズル開口のインクの乾燥を防止する蓋として機能するだけでなく、ノズル開口に目詰まりが生じた場合には、キャップ部材によりノズル形成面を封止し、吸引ポンプからの負圧により、ノズル開口からインクを吸引排出させてノズル開口のインク固化による目詰まりや、インク流路内への気泡混入によるインク吐出不良を解消する機能をも備えている。
【0005】
記録ヘッドの目詰まりや、インク流路内への気泡混入を解消させるために行うインクの強制的な吸引排出処理は、クリーニング操作と呼ばれ、インクジェット式記録装置の長時間の休止後に印刷を再開する場合や、またユーザが記録画像の品質が悪化したのを認識して例えばクリーニングスイッチを操作した場合などに実行され、記録ヘッドのノズル形成面をキャッピング手段によって封止し、記録ヘッドのノズル開口およびその上流に存在する粘度が上昇したインクならびに気泡を負圧によって排出させる操作を行っている。
そして、クリーニング操作によって記録ヘッドから吸引排出されたインクは、吸引ポンプの駆動によって廃インクタンク内に導入され、廃インクタンク内に収納されたインク吸収体によってインクを保持されるように構成されている。
【0006】
例えば、特開平9−300656号公報に記載の廃インク貯留装置では、廃インク容器に、6枚のインク吸収板を積層したインク吸収体が収容されている。この場合、上部の2枚のインク吸収板にはその端部に切欠き部が形成されており、この切欠き部に臨ませた廃インクチューブの下流端から、廃インクをインク吸収体に滴下(流下)させるようにしている。すなわち、比較的粘性の低い廃インクを、インク吸収体の端部中段からその全域に吸収させるようにしている。これにより、インクジェット式記録装置の耐用年数に見合う十分な量の廃インクを、比較的小さな容器で貯留できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の廃インク貯留装置では、廃インクが、常にインク吸収体の切欠き部分(切欠き部に面する部位)に滴下され、かつこの部分から全域に吸収されるようになしている。
しかしながら、切欠き部分に滴下された廃インクは、一旦切欠き部分に溜まってから徐々に吸収される。このため、廃インクの表面が乾燥し、吸収され難い粘性の高い部分が切欠き部分に付着し、これが繰り返されることで、切欠き部分に目詰まりを生ずる。このように目詰まりが生ずると、インク吸収体への廃インクの吸収が阻止され、インク吸収体が飽和状態になる前に、廃インクが廃インクタンクから溢れてしまう不具合があった。
【0008】
本発明は、前記したような技術的課題に着目してなされたものであり、インクをインク吸収体に均一にかつ効率よく吸収させることができるインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けて、ノズル開口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドと、この記録ヘッドのノズル形成面を封止して、吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッドのノズル開口よりインクを吸引排出させるキャッピング手段と、前記吸引ポンプの駆動により前記キャッピング手段から排出されたインクを吸収して保持するインク吸収体を収納した廃インクタンクとを備えたインクジェット式記録装置であって、前記廃インクタンクの側壁内側には、インクを移動させるための少なくとも1つの毛細管力発生部が設けられていることを特徴としている。
【0010】
このように構成されたインクジェット式記録装置によると、前記廃インクタンクは、その側壁の内側に少なくとも1つの毛細管力発生部を備えているため、廃インクタンク内のインクを移動させることができ、毛管力発生部を介してインク吸収体の周囲からもインクが吸収される。その結果、インクをインク吸収体に均一にかつ効率よく吸収させることができる。
【0011】
ここで、前記インク吸収体は、下側に位置して、前記毛細管力発生部に側面が当接すると共に、側辺に開口して内側へ延びる少なくとも1つの第1切欠き溝を有する第1インク吸収材と、前記第1インク吸収材の上側に積層されて、前記キャッピング手段から排出されたインクが滴下すると共に、少なくとも前記第1切欠き溝の一部と連通する貫通孔を有した第2インク吸収材とから構成されていることが望ましい。
【0012】
このように構成されたインクジェット式記録装置によると、クリーニング操作によって記録ヘッドより吸引排出されたインクは、吸引ポンプの駆動によって廃インクタンクに送り込まれ、廃インクタンクに収納された第2インク吸収体に形成された貫通孔に滴下する。
前記インク吸収体には、前記貫通孔、第1切欠き溝が形成されているために、第1、2インク吸収体とインクとの間の接触面積が大きくなる。このために、導入されたインクは貫通孔および第1切欠き溝内に進入しつつ、目詰まりを起こしたらその部分を避けて、インク吸収体に浸透して効率よく吸収される。
【0013】
また、各第1切欠き溝から廃インクタンクの側壁とインク吸収材との隙間に進んだ廃インクは、毛細管力発生部の溝を上昇して、第1、2インク吸収体の周辺部(外周部)から吸収される。
そしてまた、自然乾燥によってインク溶媒が蒸発することによって、順次新たな廃インクを吸収保持するように作用する。
【0014】
このように、導入されたインクは貫通孔および第1切欠き溝内に進入しながら第1、2インク吸収体に吸収されると共に、また第1、2インク吸収体の周辺部(外周部)から吸収されるため、第1、2インク吸収体の全域にインクが吸収される。
すなわち、インク吸収体は貫通孔、第1切欠き溝からインクを吸収するのみならず、毛管力発生部を介して周囲からもインクが吸収されるため、インクの吸収効率が良好になる。
【0015】
ここで、前記第1インク吸収材は、複数積層されていることが望ましく、前記第2インク吸収材は、複数積層されていることが望ましい。
このように、第1インク吸収材を複数積層させたり、第2インク吸収材を複数積層させてインク吸収体としたので、耐用年数に合わせてインク吸収体のトータルの厚さを調整できる。
【0016】
また、前記第1切欠き溝と前記貫通孔とは、前記貫通孔に連通した前記第2インク吸収材の第2切欠き溝を介して連通されていることが望ましい。
このように、第2切欠き溝を設けることによって、第2インク吸収材は第2切欠き溝からもインクを吸収するので、第2インク吸収材は効率よくインクを吸収することができる。
【0017】
更に、前記インク吸収体と廃インクタンクの側壁との間に隙間が形成されていることが望ましい。
このように、インク吸収体と廃インクタンクの側壁との間に隙間が形成されているため、インクを毛管力発生部へ効率よく供給してインク吸収体の周囲(外周部)に効率よくインクを吸収させることができる。
【0018】
また、前記毛細管力発生部は、側壁の内側に複数設けられていることが望ましく、廃インクタンクの各側壁に夫々1つ設けられていることが望ましい。
このように、毛細管力発生部が複数設けられているため、第2インク吸収材の外周部から効率よくインクを吸収させることができる。また、毛細管力発生部を各側壁に1つ設けたので、第2インク吸収材の外周部から効率よくインクを吸収させることができる。
【0019】
また、前記第1切欠き溝は、前記毛細管力発生部の間に少なくとも1つ配されていることが望ましい。
このように、第1切欠き溝が毛細管力発生部の間に少なくとも1つ配されているため、前記第1切欠き溝を挟む毛細管力発生部のいずれかあるいは両方の毛細管力発生部からインクを効率よく上昇させ、インク吸収体の外周部から吸収させることができる。
【0020】
また、前記廃インクタンクの側壁が形成する形状、前記第1インク吸収材および前記第2インク吸収材の平面形状は、上下および/または左右が対称であることが望ましく、また前記平面形状は多角形で、前記第1インク吸収材の各側辺に少なくとも1つの前記第1切欠き溝が設けられていることが望ましい。
このように、廃インクタンクの側壁が形成する形状、第1インク吸収材および第2インク吸収材の平面形を、上下および/または左右を対称にしたので、廃インクタンクに間違いなく第1インク吸収材および第2インク吸収材を収容させることができる。また、平面形状は多角形で、第1インク吸収材の各側辺に少なくとも1つの第1切欠き溝を設けたので、第1インク吸収材の外周に効率よくインクを吸収させることができる。
【0021】
また、前記毛細管力発生部のインクを移動させる溝は、45度〜120度の開度で形成されていることが望ましい。特に、ほぼ90度の開度でもって形成された溝であることが望ましい。このように、毛細管力発生部に溝を、45度〜120度の開度で形成したので、効率よく確実にインクを上昇させることができる。
また、前記したような所定の開度でもって形成された溝に限定されるものではなく、例えば、断面が矩形形状の溝であってもよい。この場合、例えば幅0.3mm、深さ0.6mm程度に形成するのが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明が適用され得るインクジェット式記録装置の基本構成を示したものである。図1において符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介し、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。
キャリッジ1の記録用紙6に対向する側には、インクジェット式の記録ヘッド7が搭載され、またその上部には前記記録ヘッド7にインクを供給するブラック用インクカートリッジ8、およびカラー用インクカートリッジ9が着脱可能に装填されている。
【0023】
図中符号10は、非印字領域(ホームポジション)に配置されたキャッピング手段であって、前記記録ヘッド7が直上に移動した時に、記録ヘッド7のノズル形成面を封止できるように構成されている。そして、キャッピング手段10の下方には、キャッピング手段10の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ11が配置されている。
前記キャッピング手段10はインクジェット式記録装置の休止期間中における記録ヘッド7のノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する他、記録ヘッド7に印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能し、さらに前記吸引ポンプ11からの負圧を記録ヘッド7に作用させて、インクを吸引排出させるクリーニング操作の機能も兼ね備えている。
【0024】
そして、キャッピング手段10の近傍には、ゴムなどの弾性板からなるワイピング部材12が配置されていて、キャリッジ1がキャッピング手段10側に往復移動する際に、記録ヘッド7のノズル形成面を払拭するワイピング動作がなされるように構成されている。
【0025】
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置に搭載されたキャッピング手段10と、これに接続された吸引ポンプ11等の構成を模式的に示したものである。キャッピング手段10は、上面が開放した方形状のキャップケース10aと、このキャップケース10a内に収納されたゴム素材などの可撓性物質よりなるキャップ部材10bとを備え、キャップ部材10bはその上側縁がキャップケース10aよりも若干突出した状態に形成されている。
そして、キャップ部材10bの内底部には、多孔質材料により形成されたインク吸収材10cが収納されており、このインク吸収材10cはキャップ部材10bに一体に形成された保持体10dにより保持されている。
【0026】
また、キャップケース10aの下底部には、キャップケース10aおよびキャップ部材10bをそれぞれ貫通するようにして、吸引口10eおよび大気開放口10fが形成されている。そして、キャップケース10aの吸引口10eにはチューブT1を介して吸引ポンプ11が接続されており、この吸引ポンプ11の排出側端部は後述するように、廃インクタンク13に収納されたインク吸収体に接続されている。さらに、キャップケース10aの大気開放口10fには、チューブT2を介して大気開放バルブ14が接続されている。
【0027】
一方、図2における符号7は、記録ヘッドを示しており、この記録ヘッド7はキャリッジの移動に伴いキャッピング手段10の上部に位置した時、ノズル形成面7aが前記キャップ部材10bによって封止(キャッピング)されるように構成されている。前記ノズル形成面7aには複数のノズル開口7bが形成されており、各ノズル開口7bに対応して配置された圧電振動子7cの振動作用によって、ブラックインク、およびイエロー、シアン、マゼンタなどの各カラーインクが吐出されるように構成されている。
【0028】
以上の構成において、前記記録ヘッド7またはインク供給路内の残留気泡の排出、およびノズル開口7bの目詰まりを解消させるためのインクの吸引作用は、図2に示すようにキャップ部材10bを記録ヘッド7のノズル形成面7aに密着させると共に、大気開放バルブ14を閉弁した状態で行われる。
この状態で吸引ポンプ11を駆動させることで、キャップ部材10bの内部空間に負圧が与えられ、記録ヘッド7のノズル開口7bからインクが吸引排出される。一定時間吸引ポンプ11を駆動した後、停止する。
【0029】
その後、キャップ部材10b内部の負圧がある程度減少した時点で、前記大気開放バルブ14を開弁させると、キャップ部材10b内にチューブT2を介して大気が導入されて内部の負圧は解除される。続いて、大気開放バルブ14を開弁させた状態で吸引ポンプ11を再び駆動させることにより、キャップ部材10b内に排出されたインクはチューブT1を介して廃インクタンク13に送り込まれる。
【0030】
次に図3乃至図5は、前記吸引ポンプ11の駆動によって排出される廃インクを受け止める廃インクタンク13の一実施形態を示したものである。なお、図3は廃インクタンク13を上部から視た状態で示した上面図であり、また図4は図3におけるA−A線を矢印方向に視た状態の断面図であり、図5は廃インクタンク13内に積層されて収納されたインク吸収体31を構成する第1インク吸収材32および第2インク吸収材35を分離して示した斜視図である。
【0031】
まず、廃インクタンク13の外郭を構成するケース部材21は、図3および図4に示すように、その側壁22および位置合わせ側壁23が立ち上げられて上部が開放したほぼ四辺形の形態で、各側壁22の内面にそれぞれ1つずつインクを吸い上げると共に、第1および第2インク吸収材32,35に当接して位置決めする毛細管力発生部24が一体的に設けられている。なお、各毛細管力発生部24には、インクを吸い上げるV字状の溝25が複数形成されている。
そして、図5に示す形態の第1および第2インク吸収材32,35が上下方向に積層されてケース部材21内に収納されている。
なお、図4に示すように、この実施形態にあっては、第1インク吸収材32は1枚の、第2インク吸収材35は3枚の吸収材から構成されている。この枚数は特に限定されるものではなく、いずれも複数枚であってもよい。これら枚数は、耐用年数等を考慮して適宜決定される。
【0032】
前記毛細管力発生部24のV字状の溝25は、45度〜120度の開度で形成されている。このように、毛細管力発生部24に溝25を、45度〜120度の開度で形成したため、効率よく確実にインクを上昇させることができる。
また、前記したような所定の開度でもって形成された溝に限定されるものではなく、例えば、断面が矩形形状の溝であってもよい。この場合、例えば幅0.3mm、深さ0.6mm程度に形成するのが好ましい。
【0033】
前記した四辺形の第1インク吸収材32には、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き33と、各側辺のほぼ中央に開口して内側の中心へ延びる等間隔(90度間隔)に形成された4つの第1切欠き溝34と設けられている。
また、第2インク吸収材35には、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き36と、そのほぼ中央に廃インクが滴下する貫通孔37が形成されている。なお、貫通孔37は夫々の第1切欠き溝34の一端部において、それぞれ連通している。
そして、第1インク吸収材32の第1切欠き溝34の末端部(側辺部)を大気に開放させるために、側壁22と第1および第2インク吸収材32,35との間に毛管力発生部24によって、隙間Sが形成されている。
【0034】
なお、上記した第1および第2インク吸収材32,35は、位置合わせ切欠き33,36が形成されているため、ケース部材21に対して適切に収納することができる。
【0035】
以上の構成において、記録ヘッド7より吸引排出されたインクが、吸引ポンプ11の駆動により廃インクタンク13に送り込まれると、廃インクタンク13に収納された第2インク吸収材35に形成された貫通孔37に滴下する。
この場合、第1インク吸収材32の第1切欠き溝34を介して、貫通孔37が大気に開放していることで、インクは抵抗なく貫通孔37内に流れ込むことができる。なお、貫通孔37が大気に開放していることで、通風性が向上して第2インク吸収材35に吸収された後のインク溶媒の蒸発が促進され、未蒸発のインクを少なくすることができる。
【0036】
そして、第1インク吸収材32に形成された各第1切欠き溝34に流入して第1インク吸収材32に吸収され、一部は、側壁22とインク吸収材31との間の隙間Sを進んで毛管力発生部24の溝25を上昇して、第1および第2インク吸収材32,35(インク吸収体31)の外周部から吸収される。
【0037】
このように、廃インクタンク13に送り込まれたインクは、まず第2インク吸収材35の貫通孔37の側壁、また貫通孔37に臨む第1インク吸収材32から吸収され、そして吸収されなかったインクは各第1切欠き溝34に流入しながら、目詰まりを起こしたらその部分を避けて、第1インク吸収材32に効率よく吸収される。そして、隙間Sに流出したインクは毛管力発生部24によって再び第1、2インク吸収材32,35の外周部から吸収される。
そして、自然乾燥によってインク溶媒が蒸発することによって、順次新たな廃インクを吸収保持するようになされる。その結果、第1、2インク吸収材32,35の全面にわたって、廃インクを吸収保持するようになされる。
【0038】
次に図6乃至図8は、前記吸引ポンプ11の駆動によって排出される廃インクを受け止める廃インクタンク13の他の実施形態を示したものである。なお、図6は廃インクタンク13を上部から視た状態で示した上面図であり、また図7は図6におけるB−B線を矢印方向に視た状態の断面図であり、図8は廃インクタンク13内に積層されて収納されたインク吸収体31Aを構成する第1インク吸収材32Aおよび第2インク吸収材35Aを分離して示した斜視図である。
【0039】
廃インクタンク13の外郭を構成するケース部材21は、先の一実施形態と同様に構成されている。
そして、廃インクタンク13の外郭を構成するケース部材21は、図6および図7に示すように、その側壁22および位置合わせ側壁23が立ち上げられて上部が開放したほぼ四辺形の形態で、各側壁22の内面にそれぞれ1つずつインクを吸い上げると共に、第1および第2インク吸収材32,35に当接して位置決めする毛細管力発生部24が一体的に設けられている。
なお、各毛細管力発生部24には、インクを吸い上げるV字状の溝、もしくは断面が矩形形状の溝25が複数形成されている。
【0040】
そして、図8に示す形態の第1および第2インク吸収材32A,35Aが上下方向に積層されてケース部材21内に収納されている。
四辺形の第1インク吸収材32Aには、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き33Aと、各側辺のほぼ中央に開口して内側の中心へ延びる等間隔(90度間隔)に形成された4つの第1切欠き溝34Aとが設けられている。
第2インク吸収材35Aには、隅の一部を位置合わせ側壁23に対応させて切り欠いた位置合わせ切欠き36Aと、そのほぼ中央に廃インクが滴下する貫通孔37Aと、この貫通孔37Aから放射状に等間隔(90度間隔)で延びて外側端部が対応する第1切欠き溝34Aに連通する4つの第2切欠き溝38Aとが形成されている。
【0041】
そして、第1インク吸収材32Aの第1切欠き溝34A末端部を大気に開放させるために、側壁22と第1および第2インク吸収材32A,35Aとの間に毛管力発生部24に隙間Sが形成されている。
なお、上記した第1および第2インク吸収材32A,35Aは、位置合わせ切欠き33A,36Aが形成されているため、ケース部材21に対して適切に収納することができる。
【0042】
以上の構成において、記録ヘッド7より吸引排出されたインクが、吸引ポンプ11の駆動により廃インクタンク13に送り込まれた後の第1および第2インク吸収材32A,35Aに吸収される動作、効果などは先の一実施形態と同様になるので、説明を省略する。
【0043】
なお、図3乃至図8に示した実施の形態においては、毛細管力発生部24、第1切欠き溝34,34A、第2切欠き溝38Aを4つにしたが、1つ以上であれあれば、効果を得ることができる。
また、廃インクタンクの側壁22が形成する形状、第1インク吸収材32,32Aおよび第2インク吸収材35,35Aの平面形状を四角形としたが、他の形状であってもよい。
更に、上記実施形態では、第1および第2インク吸収材32,35,32A,35Aに位置合わせ切欠き33,36,33A,36Aを形成した場合について説明したが、位置合わせ切欠きを形成せず、第1および第2インク吸収材を上下および/または左右が対称形状に形成しても良い。
すなわち、廃インクタンクの側壁が形成する形状、前記第1インク吸収材および前記第2インク吸収材の平面形状を、上下および/または左右が対称に形成することにより、廃インクタンクに間違いなく第1インク吸収材および第2インク吸収材を収容させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明にかかるインクジェット式記録装置によると、廃インクタンクの側壁には毛細管力発生部が形成され、インクは、毛細管力発生部によってインク吸収体の外周部からも吸収されるため、前記インクをインク吸収体に均一にかつ効率よく吸収させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用したインクジェット式記録装置の基本構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す記録装置に搭載されたキャッピング手段とその周辺装置の例を示す断面図である。
【図3】図3は、廃インクタンクを上部から視た状態で示した上面図である。
【図4】図4は、図3におけるA−A線を矢印方向に視た状態の断面図である。
【図5】図5は、廃インクタンク内に積層されて収納されたインク吸収体を構成する第1インク吸収材および第2インク吸収材を分離して示した斜視図である。
【図6】図6は、廃インクタンクを上部から視た状態で示した上面図でる。
【図7】図7は、図6におけるB−B線を矢印方向に視た状態の断面図である。
【図8】図8は、廃インクタンク内に積層されて収納されたインク吸収体を構成する第1インク吸収材および第2インク吸収材を分離して示した斜視図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
6 記録用紙
7 記録ヘッド
7a ノズル形成面
7b ノズル開口
8 ブラック用インクカートリッジ
9 カラー用インクカートリッジ
10 キャッピング手段
11 吸引ポンプ
12 ワイピング部材
13 廃インクタンク
14 大気開放バルブ
21 ケース部材
22 側壁
24 毛細管力発生部
25 溝
31 インク吸収体
32,32A 第1インク吸収材
33,33A 位置合わせ切欠き
34,34A 第1切欠き溝
35,35A 第2インク吸収材
36,36A 位置合わせ切欠き
37,37A 貫通孔
38,38A 第2切欠き溝
Claims (3)
- インク滴を吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッドのノズル形成面を封止して、吸引ポンプからの負圧を受けて前記記録ヘッドのノズル開口よりインクを吸引排出させるキャッピング手段と、前記吸引ポンプの駆動により前記キャッピング手段から排出されたインクを吸収するインク吸収体を収納した廃インクタンクとを備えたインクジェット式記録装置であって、
前記廃インクタンクの側壁内側には、インクを移動させるための少なくとも1つの毛細管力発生部が設けられ、
前記インク吸収体は、前記毛細管力発生部に側面が当接すると共に、側面に開口して内側へ延びる少なくとも1つの第1切欠き溝を有する第1インク吸収材と、前記第1インク吸収材の上側に積層され、記録ヘッドから排出されたインクが滴下すると共に、少なくとも前記第1切欠き溝と連通する貫通孔を有した第2インク吸収材を備え、
前記インク吸収体と前記側壁との間に隙間が形成され、
前記貫通孔は、前記第1切欠き溝と前記隙間を介して直接大気に連通していることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 前記第1切欠き溝と前記貫通孔とは、前記貫通孔に連通した前記第2インク吸収材の第2切欠き溝を介して連通されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録装置。
- 前記毛細管力発生部は、側壁の内側に複数設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録装置。
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