JP4677908B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体噴射装置に関する。より詳細には、液体噴射ヘッドに装着されたノズルプレートの開口から吐出させた液体を被記録物に付着させる液体噴射装置に関する。
液体噴射装置では、被記録物の周縁部に余白を残すことなく液体を付着させる場合に、被記録物および液体噴射ヘッドの不可避な位置ずれを見込んで、被記録物の寸法よりもやや広い領域に対して液体が噴射される。このため、被記録物の両側縁部および前後端部の近傍では、被記録物の存在しない領域に対しても液体が吐出されることになる。被記録物に付着しない液体を放置すると、液体噴射装置自体はもとより、被記録物上の予期せぬ領域やユーザの手等も汚染することになるので、この余剰の液体を収集する技術が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1には、被記録物に付着することなく飛来してプラテンに溜まる液体を、更に別の廃液容器に誘導する仕組みが提案されている。
特開平11−320891号公報
上記特許文献1に記載された液体噴射装置では、余剰の液滴はプラテンに直接に受け止められる。ここで、プラテン表面にすでに液体が存在している状態で更に余剰の液滴を受け止めると、液滴が衝突したときの衝撃により飛沫が生じてプラテン周辺や被記録物を汚染する。そこで、この文献では、プラテンに貫通孔を設け、この貫通孔を介してプラテン内の液体を別途設けた廃液容器に誘導することが提案されている。
しかしながら、上記のような構造ではプラテンからの液体の排出が十分であるとはいえなかった。その理由は、まず、廃液の発生量は一定ではないので、ときとして排出が追いつかずにプラテン上に滞留する場合があるからである。このような場合、滞留した廃液に更に液滴が衝突すると、液体の飛沫が生じて周囲を汚染する等の問題が生じる。
また、プラテンからの液体の排出が遅れると、液体の媒質が蒸発してプラテン上に不揮発性成分が残る場合がある。このような場合、プラテン上に蓄積された不揮発成分が後に取り扱われる被記録物を汚染するという問題がある他、廃液のプラテン上の廃液流路表面に不整が生じるので廃液の流れが更に滞りやすくなるという問題も生じる。
そこで、前記した飛沫の発生を防止し、且つ、余剰の液体を吸収させる目的で、プラテン表面に多孔質材料による吸収部材を配置することが提案され、実施もされている。また、この種の吸収部材はそれ自体の液体吸収容量が小さいので、毛細管現象による液体の吸引力がより高く、且つ、吸収容量のより大きな廃液吸収材を更に装備させ、吸収部材の吸収した液体を廃液吸収材に順次吸引させて、吸収部材の液体による飽和を防止することも提案されている。
しかしながら、多孔質材料の吸収部材を用いた場合、吸収部材それ自体にも毛細管現象による液体保持力があり、一定量の液体が吸収部材内に保持され続ける。また、吸収部材の表面付近では保持された液体の揮発成分が蒸発し、不揮発成分だけが表面付近に集中的に蓄積される。このため、吸収部材が目詰まりを起こして、飛沫を生じることなく液体を受け止めるという吸収部材の所期の機能が失われる場合がある。また、吸収部材の表面に蓄積される不揮発成分は多くの場合色素成分を含むので、これによって次に供給された被記録物が汚染されるという問題も生じる。
そこで、上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、ノズルプレートの開口から被記録物へ液体を吐出する液体噴射ヘッドと、液体が吐出される方向についてノズルプレートに対向して配され、被記録物へ着弾しなかった液体を吸収する吸収部材と、吸収部材よりも高い毛細管力を有し、吸収部材と少なくとも一部で接触することにより吸収部材に吸収された液体を保持する廃液吸収材と、吸収部材におけるノズルプレートに対向する面と、吸収部材における廃液吸収材と接触する一部との間に電位差を発生させて、液体中の溶質を電気泳動により前記廃液吸収材側へ引き付ける電位差発生手段とを備える。これにより、吸収部材の内部において、液体中に電荷を帯びて分散する染料、顔料等の溶質を廃液吸収材との接触部に向かって能動的に移動させることができる。従って、吸収部材の表面付近に上記溶質が高濃度に蓄積されることがなく、吸収部材の性能を劣化させることがない。
また、他の実施形態によると、この液体噴射装置は、電位差発生手段の一端と電気的に接続された一端側電極を更に備え、一端側電極は、吸収部材の一部を廃液吸収材に当接させて保持する。これにより、吸収部材の位置決めと良好な電気的接続とを簡単な構造で実現できる。
更に、他の実施形態によると、電位差発生手段の他端と電気的に接続された他端側電極を更に備え、他端側電極は、吸収部材におけるノズルプレートに対向する面に隣接して配される。これにより、吸収部材表面の電位が明確に規定され、溶質の吸引が最も効率よく行われる。
また更に、他の実施形態によると、電位差発生手段の他端と電気的に接続された他端側電極を更に備え、他端側電極は、吸収部材におけるノズルプレートに対向する面の裏面に隣接して配される。これにより、他端電極が帯電した液体で濡れることが少なくなり、同電極により形成された電界の劣化が抑制される。
また更に、更に他の実施形態によると、電位差発生手段の他端と電気的に接続された他端側電極を更に備え、他端側電極は、吸収部材内に埋設される。これにより、他端電極と吸収部材との接触が良好に保たれると共に、相互の位置決めが強固で、安定した性能を発揮することができる。
なお、ここでいう「溶質」とは、液体噴射装置で取り扱われる液体において最も含有量の多い物質である媒質を除くすべての組成物をいう。また、媒質に溶解した液体状の物質の他、媒質中で固体を保ったまま分散している物質も含む。
また、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態のひとつとなり得る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置11を概観する斜視図であり、カバーとしての上ケース22を開いた状態で描かれている。同図に示すように、このインクジェット式記録装置11は、装置の基部となる下ケース20と、下ケース20と共に筐体を形成する上ケース22と、下ケース20の後部に装着されたホッパー10と、下ケース20の前面に形成された排出トレー30とを備えている。また、このインクジェット式記録装置11は、下ケース20内に水平に配置されたプラテン400と、プラテン400の上方に配置されたキャリッジ200とを筐体の内側に備えている。
上記のようなインクジェット式記録装置11では、ホッパー10に収容された被記録物300が、図示されていない搬入部により1枚ずつプラテン400上に送り出され、更に、図示されていない排出部により排出トレー30に送り出される。また、このインクジェット式記録装置11では、プラテン400の上方で、キャリッジ200が被記録物300の搬送方向と直交する方向に往復移動する。従って、被記録物300の搬送とキャリッジ200の往復移動を交互に行うことにより、被記録物300の上面全体をキャリッジ200で走査でき、被記録物300上の任意の位置で記録動作が行える。
図2は、図1に示したインクジェット式記録装置11の内部機構12を、フレーム100および側面部110、111ごと抜き出して示す斜視図である。同図に示すように、この内部機構12は、後方に略鉛直に配置されたフレーム100と、フレーム100の両側端部から互いに平行に前方に向かって延在する1対の側面部110、111とによって画成される領域の内側に概ね形成されている。
同図に示す通り、この内部機構12において、キャリッジ200は、自身を貫通するガイド軸220に支持されている。ガイド軸220は、その端部を側面部110と側面部111とに支持され、フレーム100に平行に配置されている。従って、キャリッジ200はガイド軸220に沿って水平に移動できる。
キャリッジ200の後方では、1対のプーリ242、244と、プーリ242、244に掛けわたされたタイミングベルト230がフレーム100の前面に配置されている。一方のプーリ244はキャリッジモータ246により回転駆動される。また、タイミングベルト230はキャリッジ200の後部に結合されている。従って、キャリッジモータ246の動作に応じてキャリッジ200を往復移動させることができる。
また、キャリッジ200は、インクカートリッジ250を装荷されると共に、その下面に記録ヘッド210を備えている。更に、記録ヘッド210は、インクを吐出するための開口を含む金属製のノズルプレート260を備えている。従って、インクは、キャリッジ200から下方に向かって吐出される。
更に、キャリッジ200は、テープ状の多芯ケーブル270を介して、フレーム100後方の電子回路120に結合されている。多芯ケーブル270は、キャリッジ200の移動に従って柔軟に撓むので、キャリッジ200の往復移動を妨げることはない。
キャリッジ200が通過する領域の下方には、プラテン400が配置されている。プラテン400は、キャリッジ200の下を通過する被記録物300を下方から支持して、ノズルプレート260と被記録物300との間隔を一定に維持する。
また、プラテン400の上面には陥没部410が形成されており、この陥没部410に吸収部材420が収容されている。吸収部材420は、被記録物300の存在していない領域に対して記録ヘッド210から吐出されたインクを受け止める。
なお、インクジェット式記録装置11の稼働時間が経過するにつれて吸収部材420にはインクが付着する。このインクが付着した吸収部材420に被記録物300が接触すると被記録物300がインクにより汚染される。そこで、プラテン400の上面に突起状の部位を形成して被記録物300を下方から持ち上げて支持させることにより、両者の間隔を保って接触を防止している。また、ノズルプレート260と吸収部材420との間には、3〜5mm程度の間隙が設けられている。
更に、プラテン400に内蔵されている吸収部材420は、表面における吸収速度を重視して材料を選択されているので吸収容量に限りがある。そこで、より大きな廃液吸収材600をプラテン400の下方に配置し、これを吸収部材420と連通させている。廃液吸収材600は、その吸収容量が重視されると共に、毛細管現象による吸収力の大きな材料が選択されている。従って、廃液吸収材600は、吸収部材420から大量のインクを吸収することができる。
一方、プラテン400の後方には搬送ローラ310が配置されている。搬送ローラ310は、フレーム100の後方に配置された搬送モータ320により駆動され、図示されていない従動ローラと共働して被記録物300をプラテン400上に送り出す。前述の通り、キャリッジ200は被記録物300の搬送方向と直交する方向に往復移動できる。従って、被記録物300の搬送とキャリッジ200の往復移動を交互に行う一方で、キャリッジ200下面の記録ヘッド210を断続的に作動させて、被記録物300上の任意の領域に対してインクを吐出し、付着させることができる。
更に、この内部機構12では、プラテン400に対して側面部110側の側方に、キャップ部材500が配置されている。キャップ部材500は上下に移動でき、キャリッジ200が側面部110に近いホームポジションで停止したときに上昇してノズルプレート260の表面を封止する。また、キャップ部材500の内部はポンプユニット510に結合されている。ポンプユニット510は、ノズルプレート260表面に付着したインクを吸引できる。ポンプユニット510に吸引されたインクは、図示されていないパイプを介して、廃液吸収材600に吸収される。
更に、プラテン400とキャップ部材500との間には、ワイピング手段520が配置されている。キャップ部材500から開放されたキャリッジ200がその上方を通過するとき、ワイピング手段520はノズルプレート260の下面を払拭して清浄にする。
図3は、上記のような内部機構12を備えたインクジェット式記録装置11において、吸収部材420に電界を形成する溶質収集機構13の実施形態とその動作を説明する図である。同図に示すように、吸収部材420は、インクを吐出する開口262を備えたノズルプレート260の下方で、被記録物300を支持するプラテン400の内部に収容されている。また、吸収部材420の一部は、プラテン400の底部に形成された孔を挿通されて下方に延在し、その下端近傍が廃液吸収材600の上面に接している。
また、吸収部材420の上面には電極430が、吸収部材420の下端には電極440が、それぞれ吸収部材420に接して配置されている。ここで、電極440は、電位差発生手段700の一端に接続されて電位差の印加に寄与するとともに、吸収部材420の下端を保持して、この下端を廃液吸収材600に当接する位置に位置決めする。
一方、電位差発生手段700の他端は電極430に電気的に結合されている。従って、両電極430と電極440との間には電位差発生手段700の出力に応じた電位差Vが形成されている。この電位差Vにより、吸収部材420のノズルプレート260に面した上面と、廃液吸収材600に接した下端の間には、電界Eが生じている。
上記のように形成された溶質収集機構13を含むインクジェット式記録装置11において、ノズルプレート260の開口262の直下に被記録物300がある場合は、ノズルプレート260から吐出された液滴268は被記録物300に付着する。しかしながら、被記録物300の縁部に余白無くインクを付着させようとした場合、被記録物300の側縁部並びに先端及び後端において、一部の開口262の直下に被記録物300が存在しないことがある。このような場合、開口262から吐出されたインク264は、液滴266となって吸収部材420に直接受け止められ、やがて吸収される。
液体中の溶質は、イオン化によりその組成物固有の電荷を有する。また、液体中で電荷を有する物質は、液体に電界をかけることにより、電気泳動により自身の荷電と反対の極に向かって移動する。従って、電極430および電極440によって電界Eを形成するときに、インク中の溶質の電荷と電極440が逆の極性となるように選択しておくことにより、溶質は電極440に向かって移動する。このように、電位差発生手段700により印加する電位差Vの極性をインクの溶質の組成に応じて適切に選択することにより、図中の吸収部材420内に黒丸の分布によって示すように、インク中の溶質を電気泳動により電極440に側に移動させることができる。
なお、吸収部材420の内部における有効な電気泳動は、吸収部材420に十分な量のインクが吸収されて電極430および電極440の間がインクの溶媒で結合された状態で発現する。一方、上記のインクジェット式記録装置11が稼働し始めた当初は、吸収部材420に含まれているインクの量は僅かである。このため、稼働当初は有効な電気泳動が生じない場合がある。しかしながら、記録動作の継続により吸収部材420がある程度の量のインクを含むようになると、数十秒程度で吸収部材420内において溶媒が連続して存在するようになるので、溶質が電気泳動により吸収部材420の内部へ移動され、吸収部材420の表面に溶質が集中的に蓄積されることが防止される。また、吸収部材420に含まれるインクの量が更に増加して溶媒が電極440まで到達すると、電気泳動の効果により移動してきた溶質は廃液吸収材600に順次吸収される。従って、吸収部材420に溶質が残ることがなく、溶質の蓄積による吸収部材420の性能低下が防止される。
また、上記のような溶質収集動作は、インクジェット式記録装置11の記録動作が終了した直後に実行されると効率がよい。そこで、溶質収集機構13の電位差発生手段700を制御するタイマ(不図示)を設け、インクジェット式記録装置11記録動作が終了した後数分から1時間程度の一定の期間、溶質収集機構13を引き続き動作させ続けることが好ましい。これにより、インクジェット式記録装置11の記録動作終了直後に吸収部材420からインクの溶質が取り除かれるので、その後長期間にわたって記録動作が実行されなかった場合でも、吸収部材420内に溶質成分が蓄積されることがない。
こうして、溶質を電極440側に移動させることにより、吸収部材420表面付近の溶質が減少する。これにより、インク中の揮発性成分が蒸発しても、吸収部材420の表面に不揮発性成分である溶質が蓄積されることがなくなる。また、吸収部材420の下端では、強力な吸収力を有する廃液吸収材600により溶質は媒質ごと吸収される。従って、吸収部材420の下端に溶質が蓄積されることもない。なお、廃液吸収材600としては、パルプ、化学繊維の圧縮体、または、それに高分子吸収材を混入させたものを好適に用いることができる。
図4は、溶質収集機構13の他の実施形態とその動作を説明する図である。同図において、他の図面と共通の構成要素には同じ参照符号を付して重複する説明を省いている。同図に示すように、この溶質収集機構13においても、電位差発生手段700の一端は、電極440に接続されている。これに対して、電位差発生手段700の他端に接続された電極431は、プラテン400の陥没部410内で、吸収部材420自体に埋設されている点にその構成上の特徴がある。
この実施形態において、その余の構造は、図3に示した実施形態と共通している。このような構造により、この溶質収集機構13でも、電位差発生手段700の出力する電位差Vにより、吸収部材420の略上面と下端の間に電界Eが生じている。従って、吸収部材420に吸収されたインクにおいて、インク中の溶質を電極440側に移動させることができ、吸収部材420表面付近の溶質を減少させることができる。
図5は、溶質収集機構13の更に他の実施形態とその動作を説明する図である。同図において、他の図面と共通の構成要素には同じ参照符号を付して重複する説明を省いている。同図に示すように、この溶質収集機構13においても、電位差発生手段700の一端は電極440に接続されている。これに対して、電位差発生手段700の他端が接続される電極432は、プラテン400の陥没部410の底に敷設された導電体により形成されている。換言すれば、吸収部材420のノズルプレート260に対向した面の裏面に電極432が配置されていることになる。
ここで、電極432は、プラテン400の陥没部410の底部を略全面にわたって覆っており、略同形状の吸収部材420がその上に重ねて収容されている。このように吸収部材420の下面全体が電極432に触れているので、吸収部材420と電極432とが広い面積で電気的に接続されている。従って、仮に吸収部材420の内部構造に電気的に不連続な部分があったとしても、吸収部材420全体が電極432と略等しい均一な電位となる。一方、吸収部材420の、プラテン400の底部から下方に延在する部分では、電極432から遠ざかるにつれて吸収部材420の電気抵抗の影響が大きくなる。従って、電位差Vによる電界Eが、吸収部材420の下垂部分内に形成される。
上記のように、この実施形態では独特の電界Eが形成されるが、吸収部材420の表面と吸収部材420の下端との間に電位差Vがあり、そこに電界Eが形成されていることに変わりはない。従って、吸収部材420に吸収されたインクにおいて、インク中の溶質を電極440側に移動させることができ、吸収部材420表面付近の溶質を減少させることができる。
なお、図3、図4および図5に示した各実施形態において、各電極430、431、432、440の材料としては、インクジェット式記録装置11のインクに対して耐蝕性のある金属、例えば金、ステンレスまたはニッケル等、あるいは、銅等にこれらの金属をメッキしたものを例示することができる。また、電極430、431、432、440に用いる部材としては、これらの材料で形成された直径0.1mmから0.5mm程度の線材あるいは板材を、0.5mmから4mm程度の間隔で平行に並べたものあるいは格子状に組み合わせたものを使用できる。更に、電極430、431として用いる部材は、飛来したインクを吸収部材420の下部へと通過させるために十分な大きさの通過領域を有していることが好ましい。また、吸収部材420としては、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂を発泡させたものが例示できるがこれらに限定されるものではない。
以上詳細に説明したように、このインクジェット式記録装置11は、その吸収部材420内のインクに含まれる溶質を、電界を利用して廃液吸収材600側に移動させる機能を有する。従って、吸収部材420の表面に溶質が蓄積されることがなく、被記録物300への記録に寄与しなかった不要なインクを円滑に吸収、廃棄することができる。
なお、本発明の実施形態となり得る液体噴射装置の具体例として、液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造における色材噴射装置、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の製造における電極形成装置またはバイオチップ製造に使用する試料噴射ヘッド等をあげられるが、これらに限定されるわけではない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
インクジェット式記録装置11の全体を概観する斜視図。 内部機構12近傍を抜き出して示す斜視図。 溶質収集機構13の実施形態を示す図。 溶質収集機構13の他の実施形態を示す図。 溶質収集機構13の更に他の実施形態を示す図。
符号の説明
10 ホッパー、11 インクジェット式記録装置、12 内部機構、13 溶質収集機構、20 下ケース、22 上ケース、30 排出トレー、100 フレーム、110、111 側面部、120 電子回路、200 キャリッジ、210 記録ヘッド、220 ガイド軸、230 タイミングベルト、242、244 プーリ、246 キャリッジモータ、250 インクカートリッジ、260 ノズルプレート、262 開口、264 インク、266、268 液滴、270 多芯ケーブル、300 被記録物、310 搬送ローラ、320 搬送モータ、400 プラテン、410 陥没部、420 吸収部材、430、431、432、440 電極、500 キャップ部材、510 ポンプユニット、520 ワイピング手段、600 廃液吸収材、700 電位差発生手段

Claims (2)

  1. ノズルプレートの開口から被記録物へ液体を吐出する液体噴射ヘッドと、
    液体が吐出される方向について前記ノズルプレートに対向して配され、前記被記録物を支持する支持部材と、
    前記方向について前記ノズルプレートに対向して配され、前記支持部材に収容される収容部と、前記支持部材に形成された孔を介して前記収容部と一体的に形成され、前記支持部材の外に向かって延在する延在部とを有し、前記被記録物へ着弾しなかった液体を吸収する吸収部材と、
    前記吸収部材よりも高い毛細管力を有し、前記延在部の前記孔における断面積よりも広い面積で、前記延在部と接触することにより前記吸収部材に吸収された液体を保持する廃液吸収材と、
    前記吸収部材における前記ノズルプレートに対向する面と、前記延在部の前記廃液吸収材と接触する部分との間に電位差を発生させて、液体中の溶質を電気泳動により前記廃液吸収材の側へ引き付ける電位差発生手段と、
    を備える液体噴射装置。
  2. 前記電位差発生手段の一端と電気的に接続された一端側電極を更に備え、
    前記一端側電極は、前記延在部先端部を前記廃液吸収材に当接させて保持する請求項1に記載の液体噴射装置。
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