JP2010012680A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポンプ等の気体吸引手段を設けることなく、記録装置の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生を低減させることが可能な記録装置を実現する。
【解決手段】 フィルタ21は、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動することによって、インクミスト21が浮遊する空間を幅方向Xへ往復動し、浮遊しているインクミストが付着する。インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物は、フィルタ21に付着したインクミストに吸着して捕捉される。それによって、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を記録ヘッド62のヘッド面に付着する前に除去することができる。フィルタ21に捕捉された紙粉や埃等の異物は、紙粉や埃等の異物を吸着したインクミストが固化することによってフィルタ21に保持される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録装置、特に記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタ等の記録装置に関する。
公知のインクジェットプリンタ等の記録装置は、記録ヘッドのヘッド面に多数配設された噴射ノズルからインク等を噴射して被記録材の記録面にドットを形成し、記録を実行するものである。この記録ヘッドの噴射ノズルは、様々な要因でノズル詰まりを起こすことがある。例えば、噴射ノズル内のインク等が増粘して固化するとノズル詰まりが生ずることがある。そして、噴射ノズルのノズル詰まりが生ずると、その噴射ノズルからインク等を噴射することができなくなるため、いわゆるドット抜けが生じて記録精度が低下してしまうことになる。
また、ノズル詰まりの他の要因としては、記録紙等の被記録材に付着している紙粉や大気中の埃等の異物が記録装置の内部空間に浮遊し、その紙粉や埃等の異物が記録ヘッドのヘッド面に付着することが挙げられる。
ここで、記録装置の内部空間に浮遊している紙粉を除去することが可能な従来技術の一例としては、記録紙等の搬送経路に沿わせてその一部に、紙粉吸引用の孔を設けた紙粉吸引管を紙幅方向に配設するとともに、その紙粉吸引管の一端を機外に連通する気体吸引手段に接続させた紙粉除去装置を備えたプリンタが公知である。このような紙粉除去装置を設けることによって、記録装置の内部空間に浮遊している紙粉や埃等の異物を記録ヘッドのヘッド面に付着する前に吸引して除去することができる。それによって、紙粉や埃等の異物が記録ヘッドのヘッド面に付着することに起因したノズル詰まりが生ずる虞を低減させることができる(例えば、特許文献1を参照)。
また、噴射ノズルに付着した紙粉や埃等の異物を除去してノズル詰まりを解消することが可能な従来技術の一例としては、記録ヘッドのヘッド面を封止部材で封止した状態でヘッドクリーニング動作を行う際に、吸引手段でヘッド面を吸引するとともに、メンテナンス用駆動波形によりインク等の空吐出を併せて行う画像形成装置が公知である。当該従来技術によれば、ヘッド面の吸引だけでは除去できないような紙粉や埃等の異物を除去することが可能になる(例えば、特許文献2を参照)。
特開平11−35186号公報 特開2007−136989号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術においては、ポンプ等の気体吸引手段を新たに設ける必要があり、記録装置の大型化や大幅なコスト増が生ずる虞があった。また、特許文献2に記載された従来技術は、紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりが生じたときに、それを解消するための技術であり、そもそも紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりが発生することを防止することはできない。さらに、特許文献2に記載された従来技術においては、記録ヘッドのヘッドクリーニング動作の際にインク等の噴射も併せて行うため、インク等を無駄に打ち捨てて消費してしまうことになるという課題があった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ポンプ等の気体吸引手段を設けることなく、記録装置の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生を低減させることが可能な記録装置を実現することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、記録装置の内部空間を移動する網状部材を備えた記録装置である。
インクジェットプリンタ等の記録装置においては、記録ヘッドからインク等を噴射して被記録材の記録面にドットを形成する際に、その噴射したインク等が被記録材に到達する過程でその一部がミスト化して記録装置の内部空間を浮遊する。このミスト化して記録装置の内部空間を浮遊するインク等(以下、単に「インクミスト」と言う。)は、被記録材に付着して記録画質を低下させる等の要因となるものである。
本発明の第1の態様に記載の記録装置は、網状部材を記録装置の内部空間で移動させることによって、網状部材の網目を記録装置の内部空間の気体が通過するときに、インクミストが網状部材に付着する。つまり、記録装置の内部空間に浮遊するインクミストを網状部材に付着させて除去することができる。それによって、インクミストに起因した記録画質の低下を低減させることができる。
ここで、何らかの部材を記録装置の内部空間で移動させるときには、その移動に伴い、記録装置の内部空間に気流等が生ずる可能性がある。このとき、記録装置の内部空間に気流等が生ずることによって、記録ヘッドから噴射したインク等の着弾精度等が低下してしまう等の弊害が生ずる虞があるが、本発明は、網状部材を採用することによって、それを解決している。つまり、網状部材は、移動時に記録装置の内部空間の気体が網目部分を通過することができるので、移動時の空気抵抗が比較的小さく、記録装置の内部空間に大きな気流等が生じないように移動させることができる。また、網状部材を採用することによって、記録装置の内部空間の気体に接する表面積が大きくなるので、より多くのインクミストを付着させることが可能になるという効果も得られる。
そして、インクミストが付着した網状部材が記録装置の内部空間を移動することによって、記録装置の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物は、その網状部材に付着したインクミストに吸着して捕捉される。すなわち、網状部材に付着したインクミストを吸着媒体として利用して、記録装置の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を網状部材に吸着させて捕捉することができる。それによって、記録装置の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を除去することができるので、紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生を低減させることできる。
さらに、網状部材に捕捉された紙粉や埃等の異物は、その紙粉や埃等の異物を吸着したインクミストが固化することによって、網状部材に付着したまま保持されることとなる。それによって、網状部材で捕捉した紙粉や埃等の異物が網状部材から離脱して再び記録装置の内部空間を浮遊してしまうことが抑制される。
これにより、本発明の第1の態様に記載の記録装置によれば、ポンプ等の気体吸引手段を設けることなく、記録装置の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生を低減させることが可能な記録装置を実現できるという作用効果が得られる。
また、記録装置の内部空間を浮遊するインクミストを除去することができるという作用効果も得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の記録装置において、前記網状部材に電圧を印加する手段を備え、前記網状部材は導体で形成されている、ことを特徴とした記録装置である。
記録ヘッドから噴射されるインク等は、噴射時に帯電するため、記録装置の内部空間を浮遊するインクミストも帯電している。したがって、インクミストの帯電極性と逆極性の電圧を網状部材に印加することによって、記録装置の内部空間を浮遊するインクミストを網状部材に引き寄せることが可能になる。それによって、インクミストをより効率的に網状部材に付着させることができる。尚、導体は、金属等の他、炭素繊維等の金属以外の高い導電性を有する材料を含むものとする。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の記録装置において、記録ヘッドを搭載し、被記録材の搬送方向と交差する方向へ往復動可能に支持されるキャリッジを備え、前記網状部材は前記キャリッジに配設されている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、記録ヘッドを搭載したキャリッジを被記録材の搬送方向と交差する方向へ往復動させながら記録を実行する記録装置においては、そのキャリッジに網状部材を配設すれば、キャリッジを往復動させることによって網状部材を移動させることができる。したがって、網状部材を移動させるための機構を別個に設ける必要がない。それによって、本発明に係る記録装置を極めて簡易な構成で低コストに実現することができる。
さらに、キャリッジに網状部材を配設することによって、記録ヘッドの近傍に網状部材を配置することができるとともに、その記録ヘッドと網状部材との相対的な位置関係を維持したまま網状部材を移動させることができる。それによって、記録ヘッドの往復動領域に浮遊する紙粉や埃等の異物は、記録ヘッドのヘッド面に付着する前に、網状部材で効率的に除去することができる。したがって、紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生をより低減させることできる。
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様に記載の記録装置において、前記網状部材は、前記記録ヘッドの駆動回路の放熱板に熱伝達可能に接続されている、ことを特徴とした記録装置である。
このように、網状部材は、記録ヘッドの駆動回路の放熱にも利用することができる。さらに、網状部材に付着したインクミストの水分が蒸発して固化するときの気化熱によって、放熱効果が高まることになる。それによって、記録ヘッドの駆動回路の冷却効率を向上させることができる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の記録装置において、前記網状部材に液体を付与する手段を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
網状部材に液体を付与することによって、記録装置の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物を網状部材に吸着させることができる。それによって、インクミストによる紙粉や埃等の異物の捕捉効果及び保持効果を向上させることができるので、紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生をより低減させることできる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の第1実施例について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の概略構成を図示した要部側面図である。
本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50は、「被記録材」としての記録紙Pをインクジェットプリンタ50の内部へ給送するための自動給送装置70を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pを搬送方向Yへ搬送する手段として、搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面にインクを噴射して記録を実行する手段として記録ヘッド62を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録実行後の記録紙Pを搬送方向Yへ搬送し排出する手段として、排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
自動給送装置70は、ホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、給送用ローラ74、給送経路75及び分離パッド76を備えている。
ホッパ71は、記録紙Pが積重されて載置される。ホッパ71は、給送用ローラ74へ向けて揺動可能に自動給送装置70の基体に軸支されている。左エッジガイド72及び右エッジガイド73は、幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へ摺動可能にホッパ71に支持されており、ホッパ71に載置された記録紙Pのサイズに応じて幅方向Xにおける載置位置を規制する。給送用ローラ74は、自動給送装置70の基体に軸支された給送用ローラ軸741に一体に形成されており、図示していない給送用モータの回転駆動力で給送用ローラ軸741が回転することによって回転する。
ホッパ71に載置された記録紙Pは、給送用ローラ74へ向けてホッパ71が揺動することによって、給送用ローラ74の外周面に当接した状態となる。そして、記録紙Pは、給送用ローラ74の回転によって、給送経路75を通じて、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とが当接する部分へ向けて給送される。このとき、公知の分離パッド76によって記録紙Pの重送が防止される。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、図示していない搬送用モータの回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、従動回転可能に軸支され、図示していないばね等の付勢手段によって、搬送駆動ローラ51の外周面に当接した状態で付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転によりプラテン53上を搬送方向Yへ搬送される。
記録ヘッド62は、キャリッジ61の底部に配設されている。記録ヘッド62のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズル(図示せず)が配設されている。キャリッジ61は、記録ヘッド62のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ幅方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸56に支持されている。記録ヘッド62には、インクチューブ57を通じて各色のインクが供給される。FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)58は、記録ヘッド62の駆動回路に信号線等を接続するためのケーブルである。
キャリッジ61は、図示していないキャリッジ駆動用モータの回転軸に配設された駆動プーリ(図示せず)と従動プーリ(図示せず)との間に掛架された無端ベルト(図示せず)が連結されており、キャリッジ駆動用モータの回転駆動力が無端ベルトを介して伝達されて幅方向Xへ往復動する。
プラテン53は、記録紙Pの搬送方向Yに沿って形成された多数のプラテンリブを有している。プラテン53上を搬送される記録紙Pは、このプラテンリブの頂面で裏面側から支持される。記録紙Pは、このプラテン53に支持された領域において、記録ヘッド62のヘッド面からのインク噴射により記録面にドットが形成されて記録が実行される。記録ヘッド62のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、プラテンリブの頂面によって適正な間隔に規定される。
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62のヘッド面から記録紙Pの記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により所定の搬送量で搬送方向Yへ搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。これらの一連の記録制御は、マイコン制御回路を有する制御装置(図示せず)により実行される。
以上説明した構成のインクジェットプリンタ50は、自動給送装置70の一部を除く各構成要素が全て筐体(図示せず)の内部に配設されている。そして、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、さらにインクジェットプリンタ50の筐体の内部空間を移動する「網状部材」を備えている。
図2は、第1実施例のインクジェットプリンタ50の要部斜視図である。図3及び図4は、第1実施例のキャリッジ61の斜視図である。
第1実施例のキャリッジ61は、図示の如く幅方向Xと交差する向きで「網状部材」としてのフィルタ21が配設されている。より具体的には、記録ヘッド62の幅方向Xの両側面に対面するように、キャリッジ61の幅方向Xの両側部にフィルタ21が取付ネジ211で固定されている。フィルタ21は、多数の貫通孔が網目状に形成された板状の部材である。
記録紙Pへの記録実行時には、前記の通り、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動しながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクが噴射されて記録が実行される。このとき、インクジェットプリンタ50の内部空間には、記録ヘッド62の噴射ノズルから噴射したインクの一部がインクミストとなって浮遊する。フィルタ21は、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動することによって、このインクミスト21が浮遊する空間を幅方向Xへ往復動することになる。
インクジェットプリンタ50の内部空間の気体がフィルタ21の網目状の貫通孔を通過し、浮遊しているインクミストがフィルタ21に付着する。したがって、フィルタ21は、インクミストが付着した状態でインクジェットプリンタ50の内部空間を移動することになる。それによって、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物は、そのフィルタ21に付着したインクミストに吸着して捕捉される。
すなわち、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、フィルタ21にインクミストを付着させて除去することができるとともに、そのフィルタ21に付着したインクミストを吸着媒体として利用して、その内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物をフィルタ21に吸着させて捕捉することができる。それによって、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を記録ヘッド62のヘッド面に付着する前に除去することができる。したがって、紙粉や埃等の異物に起因した噴射ノズルのノズル詰まりの発生を低減させることできる。
さらに、フィルタ21に捕捉された紙粉や埃等の異物は、紙粉や埃等の異物を吸着したインクミストが固化することによって、フィルタ21に付着したまま保持されることとなる。それによって、フィルタ21で捕捉した紙粉や埃等の異物がフィルタ21から離脱して再びインクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊してしまうことが抑制される。
そして、フィルタ21は、幅方向Xへの往復動時にインクジェットプリンタ50の内部空間の気体が網目部分を通過することができることから移動時の空気抵抗が比較的小さい。そのため、フィルタ21は、インクジェットプリンタ50の内部空間に大きな気流等が生じないように移動させることができる。したがって、噴射ノズルから記録紙Pへ噴射したインク等の着弾精度等が低下してしまう等の弊害が生じない程度に、フィルタ21を幅方向Xへ往復動させるときに生ずる気流を小さくすることができる。また、フィルタ21は、多数の貫通孔が網目状に形成された「網状部材」であるため、例えば単なる板状部材等と比較して、インクジェットプリンタ50の内部空間の気体に接する表面積が大幅に大きくなる。それによって、より多くのインクミストをフィルタ21に付着させることが可能になるという効果も得られる。
以上説明したように、本発明に係るインクジェットプリンタ50によれば、ポンプ等の気体吸引手段を設けることなく、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生を低減させることができる。また、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊するインクミストもフィルタ21に付着させて除去することができるので、インクミストに起因した記録画質の低下を低減させることもできる。
さらに、第1実施例のインクジェットプリンタ50は、記録紙Pへの記録実行時に幅方向Xへ往復動するキャリッジ61にフィルタ21が配設されているので、フィルタ21を移動させるための機構を別個に設ける必要がない。それによって、本発明に係るインクジェットプリンタ50を極めて簡易な構成で低コストに実現することができる。また、キャリッジ61にフィルタ21を配設することによって、記録ヘッド62の近傍にフィルタ21を配置することができるとともに、その記録ヘッド62とフィルタ21との相対的な位置関係を維持したままフィルタ21を移動させることができる。それによって、特に記録ヘッド62の往復動領域に浮遊する紙粉や埃等の異物を、記録ヘッド62のヘッド面に付着する前に、フィルタ21で効率的に除去することができる。
さらに、フィルタ21は、どのような材料で形成しても本発明の実施は可能であるが、よりインクミストが付着し易くなるように、例えば吸湿性の高い材料で形成するのが好ましい。それによって、さらに多くのインクミストをフィルタ21に付着させることが可能になり、その結果、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物をより多く捕捉して除去することができる。また、フィルタ21には、インクミストと紙粉や埃等の異物が蓄積されていくことになるので、紙粉や埃等の異物の除去性能が徐々に低下していくことになる。そのため、フィルタ21の取付構造は、一定量の紙粉や埃等の異物が蓄積されたところで新品に交換することが容易に行えるように、着脱が容易な取付構造とするのが好ましい。
<第2実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の第2実施例について、図5を参照しながら説明する。
図5は、第2実施例のキャリッジ61の斜視図である。
第2実施例のインクジェットプリンタ50は、上記第1実施例に加えて、フィルタ21に電圧を印加する電圧印加装置20を備えている。また、第2実施例のフィルタ21は、導電性を有する金属等の導体で形成されている。尚、それ以外の構成については、第1実施例と同様であるため、説明は省略する。
記録ヘッド62から噴射されるインク等は、噴射時に帯電するため、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストも帯電している。そこで、インクミストの帯電極性と逆極性となる電圧を導体で形成されたフィルタ21に印加する。それによって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊するインクミストをフィルタ21に引き寄せることが可能になり、インクミストをより効率的にフィルタ21に付着させることができる。例えば、インクミストの帯電極性が負(−)である場合には、フィルタ21に正(+)の電圧を印加すれば良い。また、インクミストの帯電極性が正(+)である場合には、フィルタ21に負(−)の電圧を印加すれば良い。尚、フィルタ21への電気配線は、FFC58に沿わせて配線すれば良い。
<第3実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の第3実施例について、図6及び図7を参照しながら説明する。
図6は、第3実施例のキャリッジ61の斜視図である。
キャリッジ61の上部には、図示の如く、インクチューブ57が接続されている部分に大きな空間が設けられている。この空間は、キャリッジ61の幅方向Xへの往復動に追従してインクチューブ57が自在に変形できるようにするための空間である。一般的にインクジェットプリンタ50の内部空間の大部分は、キャリッジ61が往復動するための空間で占められている。そのため、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動するときには、このインクチューブ57が接続されている部分の空間が空気の逃げ道になる。つまり、インクジェットプリンタ50の内部空間にある気体の大部分は、このインクチューブ57が接続されている部分の空間を通過することになる。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊するインクミスト及び紙粉や埃等の異物の大部分は、このインクチューブ57が接続されている部分に設けられた空間を通過することになる。
第3実施例のキャリッジ61は、このインクチューブ57が接続されている部分の空間に「網状部材」としてのフィルタ22が配設されている。フィルタ22は、フィルタ21と同様に多数の貫通孔が網目状に形成された板状の部材であり、取付ネジ221でキャリッジ61に固定されている。この位置にフィルタ22を配設することによって、キャリッジ61が幅方向Xへ往復動したときには、インクジェットプリンタ50の内部空間にある気体の大部分がフィルタ22を通過することになる。したがって、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を効率良くフィルタ22で除去することができる。尚、それ以外の構成については、第1実施例と同様であるため、説明は省略する。
図7は、第3実施例のキャリッジ61の変形例を図示した斜視図である。
当該実施例は、上記第3実施例のキャリッジ61に、さらに第1実施例のフィルタ21を付加したものである。このような態様でも本発明の実施は可能であり、本発明による作用効果を得ることができる。
<第4実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の第4実施例について、図8〜図10を参照しながら説明する。
図8は、第4実施例のインクジェットプリンタ50の要部平面図である。図9は、その要部正面図であり、図10は、その要部側面図である。
第4実施例のインクジェットプリンタ50は、記録紙Pの最大幅(幅方向Xの最大長)にわたって噴射ノズル(図示せず)が配設された記録ヘッド62を備えており、記録ヘッド62を移動させる手段は備えていない。つまり、第4実施例のインクジェットプリンタ50は、記録紙Pの最大幅にわたってインクを噴射可能な記録ヘッド62が固定的に配設されている公知のラインヘッド型インクジェットプリンタである。このようなインクジェットプリンタ50においては、プラテン53で支持される記録紙Pを搬送方向Yに搬送しながら記録ヘッド62から記録紙Pへインクを噴射することによって、記録紙Pの記録面への記録が実行される。尚、それ以外の基本的な構成については、第1実施例のインクジェットプリンタ50と同様であるため、説明は省略する。
第4実施例のインクジェットプリンタ50は、記録ヘッド62より搬送方向Yの上流側の内部空間に「網状部材」としてのフィルタ23が配設されている。フィルタ23は、第1実施例のフィルタ21と同様に、多数の貫通孔が網目状に形成された板状の部材である。フィルタ23は、幅方向Xへ往復動可能にフィルタガイド軸231に軸支されており、図示していない駆動手段によって幅方向Xへ往復動させることができる。このフィルタ23の駆動手段は、例えば第1実施例のキャリッジ61を幅方向Xへ往復動させる手段と同様の手段で良い。
このような構成のインクジェットプリンタ50においては、例えば記録紙Pの記録実行中にフィルタ23を幅方向Xへ往復動させることによって、第1実施例において説明したのと同様の原理で、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を除去することができる。それによって、紙粉や埃等の異物に起因した噴射ノズルのノズル詰まりが生ずる虞を低減させることができる。このように、ラインヘッド型インクジェットプリンタにおいても本発明は実施可能であり、本発明による作用効果を得ることができる。
<第5実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の第5実施例について、図11及び図12を参照しながら説明する。
図11は、第5実施例のインクジェットプリンタ50の正面図であり、図12は、その側面図である。
第5実施例のインクジェットプリンタ50は、第4実施例と同様にラインヘッド型インクジェットプリンタである。したがって、その基本的な構成については、第4実施例のインクジェットプリンタ50と同様であるため、説明は省略する。
第5実施例のインクジェットプリンタ50は、記録ヘッド62より搬送方向Yの上流側の内部空間に「網状部材」としてのフィルタ24が配設されている。フィルタ24は、第1実施例のフィルタ21と同様に多数の貫通孔が網目状に形成された板状の部材である。フィルタ24は、幅方向Xの長さが記録ヘッド62と略同程度の長さで横長の形状をなしている。フィルタ24は、幅方向Xの両端に設けられた軸部241で回転可能に軸支されており、図示していないモータ等の回転駆動力源の回転力により符号Aで示した回転方向へ回転させることができる。
このような構成のインクジェットプリンタ50においては、例えば記録紙Pの記録実行中にフィルタ24を符号Aで示した回転方向へ回転させることによって、第1実施例において説明したのと同様の原理で、インクジェットプリンタ50の内部空間に浮遊する紙粉や埃等の異物を除去することができる。それによって、紙粉や埃等の異物に起因した噴射ノズルのノズル詰まりが生ずる虞を低減させることができる。
<他の実施例>
本発明に係るインクジェットプリンタ50の他の実施例としては、第1〜第5実施例のいずれかにおいて、例えば記録ヘッド62の駆動回路の放熱板(図示せず)とフィルタ21〜24とを熱伝達可能に接続したものが挙げられる。すなわち、当該実施例においては、記録ヘッド62の駆動回路の放熱にフィルタ21〜24を利用することができる。さらに、フィルタ21〜24に付着したインクミストの水分が蒸発して固化するときの気化熱によって、放熱効果が高まることになる。それによって、記録ヘッド62の駆動回路の冷却効率を向上させることができるので、例えば、記録ヘッド62の駆動回路の放熱板(ヒートシンク)を小型化すること、記録ヘッド62の連続駆動可能な最大時間を長くすること等が可能になる。
さらに他の実施例としては、第1〜第5実施例のいずれかにおいて、例えばフィルタ21〜24に液体を付与する手段をさらに設けたものが挙げられる。ここで液体は、フィルタ21〜24に付着させることができる液体で、かつ吸着した紙粉や埃等の異物を保持可能な程度の粘度を有するものが好ましい。例えば、記録ヘッド62のクリーニング動作時に生じた廃インク等を再利用しても良い。フィルタ21〜24に液体を付与することによって、インクジェットプリンタ50の内部空間を浮遊する紙粉や埃等の異物をフィルタ21〜24に吸着させて捕捉し保持することができる。それによって、紙粉や埃等の異物の捕捉効果及び保持効果を向上させることができるので、紙粉や埃等の異物に起因したノズル詰まりの発生をより低減させることできる。
尚、本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
第1実施例のインクジェットプリンタの概略構成を図示した要部側面図。 第1実施例のインクジェットプリンタの要部斜視図。 第1実施例のキャリッジの斜視図。 第1実施例のキャリッジの斜視図。 第2実施例のキャリッジの斜視図。 第3実施例のキャリッジの斜視図。 第3実施例のキャリッジの変形例を図示した斜視図。 第4実施例のインクジェットプリンタの要部平面図。 第4実施例のインクジェットプリンタの要部正面図。 第4実施例のインクジェットプリンタの要部側面図。 第5実施例のインクジェットプリンタの要部正面図。 第5実施例のインクジェットプリンタの要部側面図。
符号の説明
20 電圧印加装置、21〜24 フィルタ、50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 キャリッジガイド軸、57 インクチューブ、61 キャリッジ、62 記録ヘッド、70 自動給送装置、P 記録紙、X 幅方向、Y 搬送方向

Claims (5)

  1. 記録装置の内部空間を移動する網状部材を備えた記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記網状部材に電圧を印加する手段を備え、
    前記網状部材は導体で形成されている、ことを特徴とした記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載の記録装置において、記録ヘッドを搭載し、被記録材の搬送方向と交差する方向へ往復動可能に支持されるキャリッジを備え、
    前記網状部材は前記キャリッジに配設されている、ことを特徴とした記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、前記網状部材は、前記記録ヘッドの駆動回路の放熱板に熱伝達可能に接続されている、ことを特徴とした記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録装置において、前記網状部材に液体を付与する手段を備えている、ことを特徴とした記録装置。
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