JP2003305840A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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JP2003305840A
JP2003305840A JP2002342208A JP2002342208A JP2003305840A JP 2003305840 A JP2003305840 A JP 2003305840A JP 2002342208 A JP2002342208 A JP 2002342208A JP 2002342208 A JP2002342208 A JP 2002342208A JP 2003305840 A JP2003305840 A JP 2003305840A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物の縁部に余白を残すことなく液滴を
付与する場合においても、被処理物の裏面縁部への液体
ミストの付着を防止する。 【解決手段】 本装置は、ノズル開口に連通する圧力室
内の液体に圧力変動を生じさせてノズル開口から液滴を
吐出させる液体噴射ヘッド12と、液体噴射ヘッド12
をヘッド走査方向に走査させる走査機構と、液体噴射ヘ
ッド12から噴射された液滴が付与される被処理物6を
ヘッド走査方向に対して直交する送り方向に搬送する送
り機構と、処理中の被処理物6の裏面側であって液体噴
射ヘッド12に対向する領域に配置され、被処理物6の
縁からはみ出した領域に向けて吐出された液滴を静電気
力によって捕捉する液滴捕捉電極20と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射ヘッドに
形成されたノズル開口から被処理物に向けて液滴を噴射
する液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体噴射装置の代表例としては、
画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたイン
クジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置と
しては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製
造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機EL
ディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極
形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを
備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物
噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴
射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
【0003】液体噴射装置の代表例であるインクジェッ
ト式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも
小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今におい
てはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0004】このようなインクジェット式記録装置は、
一般に、キャリッジ上に搭載されて記録紙等の記録媒体
(被処理物)の幅方向(ヘッド走査方向)に往復移動す
るインクジェット式記録ヘッドと、記録媒体をヘッド走
査方向と直交する方向(送り方向)に移動させる送り機
構と、を備えており、さらに、記録ヘッドに対向して配
置され、送り機構により搬送される記録媒体を裏面から
支持して記録ヘッドに対する記録媒体の位置を規定する
プラテンを備えている。
【0005】このインクジェット式記録装置において
は、印刷データに対応して記録ヘッドより記録媒体に対
してインク滴を吐出させることで印刷が行われる。そし
て、キャリッジ上に搭載される記録ヘッドを、例えばブ
ラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクの
吐出が可能なものとすることにより、ブラックインクに
よるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を
変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0006】このインクジェット式記録装置を用いて記
録媒体の縁部に余白を残すことなく記録媒体の表面の全
体に対して印刷(いわゆる四辺縁無し印刷)を施す場
合、記録媒体及びキャリッジの位置ずれに対する余裕を
考慮して、記録媒体のサイズよりもやや広い領域に対し
て印刷を行うようにしている。
【0007】すなわち、記録媒体の左右の側縁(送り方
向に延在する縁)の部分に余白を残すことなく印刷を施
すために、印刷時における記録ヘッドの走査範囲を、記
録媒体の側縁よりも外側に外れる位置まで設定可能とさ
れている。
【0008】さらに、記録媒体の前後縁(ヘッド走査方
向に延在する縁)の部分に余白を残すことなく印刷を施
す際には、記録媒体の印刷開始時においては記録媒体の
前縁よりも前側に外れる領域までを印刷対象領域に指定
すると共に、記録媒体の印刷終了時においては記録媒体
の後縁よりも後側に外れる領域までを印刷対象領域に指
定する。
【0009】そして、記録媒体から外れた領域に向けて
吐出されたインク滴は、記録ヘッドに対向して記録媒体
の背面側に配置された吸収部材(スポンジ、ベルイータ
等)で吸収するようにしている。
【0010】
【特許文献1】特開2002−86757号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、記録
媒体の縁部に余白を残すことなく印刷を施す場合には、
記録媒体の縁部から前後又は左右に外れた領域にまでイ
ンク滴が吐出されることになり、記録媒体の裏面側に回
り込んだインクミストが記録媒体の裏面縁部に付着して
記録媒体を汚損してしまうという問題があった。とく
に、記録媒体に両面印刷を施す場合や、葉書のような両
面を使用する記録媒体に印刷を施す場合において問題で
あった。
【0012】また、一般に、記録媒体を送り方向に送る
ための送り機構は、記録媒体を挟み込んで送るように互
いに対向配置されたローラを備えている。対向配置され
たローラの一方は、金属ローラ表面にアルミナを焼き付
けて摩擦力を向上させた構造からなる駆動ローラであ
り、他方のローラはプラスチックで形成された従動ロー
ラである。
【0013】そして、一般に、これらのローラと記録媒
体との接触/剥離や、オートシートフィーダから記録媒
体を供給する際の次の記録媒体とのこすり合わせ、或い
は記録媒体の供給経路内での構造部材との接触などによ
って、印刷領域に送られた時点では記録媒体が帯電して
いる。そして、このように記録媒体が帯電していると、
上述した記録媒体裏面へのインクミストの付着が起こり
やすくなる。
【0014】このような問題を解消するために、帯電し
た記録媒体を除電するために除電ブラシ等の除電手段を
設ける方法も考えられるが、この場合、除電手段の設置
位置が、必然的に、一対のローラからなる送り機構より
も、送り方向の下流側となり、送り機構から印刷領域ま
での距離が長くなる。このため、記録媒体の送り精度の
悪化や、記録媒体の浮き上がり等の問題が発生しやすく
なってしまう。また、除電ブラシにより紙等の記録媒体
をこすることにより紙粉等が発生してノズルに付着し、
インク滴の吐出性能が悪化するという問題もある。
【0015】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たものであって、その目的とするところは、被処理物の
縁部に余白を残すことなく液滴を付与する場合において
も、被処理物の裏面縁部への液体ミストの付着を防止す
ることができる液体噴射装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による液体噴射装置は、ノズル開口に連通す
る圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開
口から液滴を吐出させる液体噴射ヘッドと、前記液体噴
射ヘッドをヘッド走査方向に走査させる走査機構と、前
記液体噴射ヘッドから噴射された液滴が付与される被処
理物を前記ヘッド走査方向に対して直交する送り方向に
搬送する送り機構と、処理中の前記被処理物の裏面側で
あって前記液体噴射ヘッドに対向する領域に配置され、
前記被処理物の縁からはみ出した領域に向けて吐出され
た液滴を静電気力によって捕捉する液滴捕捉電極と、を
備えたことを特徴とする。
【0017】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッドに
対向して配置され、前記送り機構により搬送される前記
被処理物をその裏面から支持して前記液体噴射ヘッドに
対する前記被処理物の位置を規定するプラテンであっ
て、前記液体噴射ヘッドから吐出された液滴を吸収する
吸収部材を有するプラテンをさらに有し、前記液滴捕捉
電極は、前記吸収部材に隣接して配置されている。
【0018】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極は、
前記ヘッド走査方向に沿って延在する部分と、前記送り
方向に沿って延在する部分と、を有する。
【0019】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極は、
金属製のワイヤ部材によって構成されている。
【0020】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極は、
三角形の断面を有する金属製の細長部材によって構成さ
れている。
【0021】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極は、
金属製の針部材によって構成されている。
【0022】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極の表
面に絶縁処理が施されている。
【0023】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極の表
面に防錆処理が施されている。
【0024】また、好ましくは、前記液体噴射ヘッドに
対向して配置され、前記送り機構により搬送される前記
被処理物をその裏面から支持して前記液体噴射ヘッドに
対する前記被処理物の位置を規定するプラテンであっ
て、前記液体噴射ヘッドから吐出された液滴を吸収する
吸収部材を有するプラテンをさらに有し、前記吸収部材
が前記液滴捕捉電極である。
【0025】また、好ましくは、前記被処理物を帯電さ
せるための帯電手段をさらに備える。
【0026】また、好ましくは、前記帯電手段は、コロ
ナ放電器又は帯電ブラシを有する。
【0027】また、好ましくは、前記送り機構は、前記
被処理物を前記プラテン上に送るためのローラを有し、
前記帯電手段は、前記ローラの表面を清浄にするローラ
クリーナを有する。
【0028】また、好ましくは、前記被処理物に高電圧
を印加して前記被処理物を高電位に保持するための電圧
印加手段をさらに有する。
【0029】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極は接
地されている。
【0030】また、好ましくは、前記液滴捕捉電極に高
電圧を印加して前記液滴捕捉電極を高電位に保持するた
めの電圧印加手段をさらに有する。
【0031】また、好ましくは、前記送り方向における
前記液体噴射ヘッドよりも下流側に、前記被処理物から
静電気を除去する除電手段を設ける。
【0032】また、好ましくは、前記除電手段は、除電
ブラシを有する。
【0033】また、好ましくは、前記除電ブラシは、前
記被処理物の裏面に当接される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液体噴射装置
の一実施形態としてのインクジェット式記録装置につい
て、図面を参照して説明する。
【0035】本実施形態によるインクジェット式記録装
置は、ノズル開口に連通する圧力室に対応して設けられ
た圧力発生素子により、圧力室内のインクに圧力変動を
生じさせてノズル開口からインク滴を吐出させるインク
ジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種)を備え
ている。圧力発生素子としては、例えば圧電振動子を用
いることができる。
【0036】図1及び図2は、本実施形態によるインク
ジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図であり、
図3は同インクジェット式記録装置のプラテン及びその
周囲を拡大して示した図である。図1中符号1はキャリ
ッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2に
より駆動されるタイミングベルト3を介して、ガイド部
材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動される
ように構成されている。プラテン5は、記録紙6(被処
理物の一種)をその裏面から支持して記録ヘッド12に
対する記録紙6の位置を規定する。
【0037】キャリッジ1、キャリッジモータ2、タイ
ミングベルト3、及びガイド部材4は、インクジェット
式記録ヘッド12をキャリッジ1と共にヘッド走査方向
に走査させる走査機構を構成している。
【0038】インクジェット式記録ヘッド12は、複数
のノズル開口12aのそれぞれに連通する複数の圧力室
12bを有し、キャリッジ1の記録紙6に対向する側に
搭載されている。また、キャリッジ1には、記録ヘッド
12にインクを供給するインクカートリッジ7が着脱可
能に装着されている。
【0039】インクジェット式記録装置の非印刷領域で
あるホームポジション(図1中、右側)にはキャップ部材
13が配置されており、このキャップ部材13はキャリ
ッジ1に搭載された記録ヘッド12がホームポジション
に移動した時に、記録ヘッド12のノズル形成面に押し
当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形成するよ
うに構成されている。そして、キャップ部材13の下方
には、キャップ部材13により形成された密閉空間に負
圧を与えるためのポンプユニット10が配置されてい
る。
【0040】キャップ部材13の印刷領域側の近傍に
は、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記
録ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退
できるように配置されていて、キャリッジ1がキャップ
部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて記録
ヘッド12のノズル形成面を払拭することができるよう
に構成されている。
【0041】本実施形態によるインクジェット式記録装
置は、さらに、記録ヘッド12により印刷処理が行われ
る記録紙6をヘッド走査方向に対して直交する送り方向
に間欠的に搬送する送り機構を備えている。
【0042】図3に示したように送り機構は、記録紙6
を挟み込んでプラテン5上へ送るために互いに対向配置
された給紙ローラ14a、14bと、印刷された記録紙
6を排出するために互いに対向配置された排紙ローラ1
5a、15bと、を備えている。なお、給紙ローラ14
a及び排紙ローラ15aは従動ローラであり、給紙ロー
ラ14b及び排紙ローラ15bは駆動ローラである。
【0043】図3から分かるようにプラテン5は、給紙
方向(送り方向)Fと平行な方向に延びる複数のインク
受け縦開口5c、5d、5e、5fと、給紙方向Fに対
して直交するヘッド走査方向に延びる複数のインク受け
横開口5a、5bとが形成されている。
【0044】複数のインク受け縦開口5c、5d、5
e、5fのうち、一対のインク受け開口5cはA3サイ
ズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように
配置されており、一対のインク受け開口5dはB4サイ
ズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように
配置されており、一対のインク受け開口5eはA4サイ
ズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように
配置されており、一対のインク受け開口5fはB5サイ
ズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように
配置されている。
【0045】また、複数のインク受け横開口5a、5b
は、給紙側に配置されている給紙側インク受け開口5a
と、排紙側に配置されている排紙側インク受け開口5b
とからなる。
【0046】これらのインク受け開口5a、5b、5
c、5d、5e、5fには、いずれも、記録ヘッド12
から吐出されたインクを吸収する吸収部材16が配置さ
れている。吸収部材16は、スポンジ、ベルイータ等で
形成することができる。
【0047】次に、図4乃至図6を参照して、本実施形
態によるインクジェット式記録装置のインク捕捉電極に
ついて説明する。
【0048】図4乃至図6に示したインク捕捉電極20
は金属ワイヤで形成されており、印刷中の記録紙6の裏
面側に位置するようにして記録ヘッド12に対向する領
域に配置されている。より具体的には、インク捕捉電極
20は、プラテン5の吸収部材16の上面に載置されて
いる。図4から分かるようにインク捕捉電極20は、ヘ
ッド走査方向に沿って延在する横部分20aと、送り方
向に沿って延在する縦部分20bと、を有する。横部分
20aと縦部分20bとは連続的に形成されており、イ
ンク捕捉電極20は環状をなしている。
【0049】インク捕捉電極20は接地されている。ま
た、インク捕捉電極20の表面には絶縁処理が施されて
いる。さらに、インク捕捉電極20の表面には防錆処理
が施されている。
【0050】図6に示したようにインク捕捉電極20
は、記録紙6の縁6aからはみ出した領域に向けて吐出
されたインク滴31を静電気力によって捕捉するもので
ある。つまり、すでに述べたように、一般的に、印刷領
域に送られてきた記録紙6は給紙ローラ14a、14b
との接触/剥離等によって帯電しているため、記録紙6
の背面側に位置する金属ワイヤからなるインク捕捉電極
20と帯電した記録紙6との間には、図6中符号30で
示したような電気力線30が存在する。図6に示したよ
うにインク捕捉電極20に向かって密度が高くなる電気
力線30が存在することにより、誘電分極を起こしたイ
ンクミスト31がインク捕捉電極20の方向に引き寄せ
られる。
【0051】そして、インク捕捉電極20側に引き寄せ
られたインクミスト31は、インク捕捉電極20の表面
に付着して吸収部材16上に流れ落ちるか、或いは吸収
部材16上に直接付着する。
【0052】このように本実施形態によれば、記録紙6
の縁6aをはみ出した領域に向けて吐出されたインク滴
をインク捕捉電極20で引き寄せて吸収部材16で捕集
することができるので、記録紙6の縁部に余白を残すこ
となく印刷を施す場合においても、記録紙6の裏面縁部
へのインクミストの付着を防止することができる。
【0053】なお、インク捕捉電極20の表面には絶縁
処理及び防錆処理が施されているので、インクによる電
気分解や錆の発生によるインク捕捉電極20の損傷を防
止することができる。
【0054】上記実施形態の一変形例としては、図7に
示したように断面が三角形をなす金属製の細長部材(金
属フレーム)によってインク捕捉電極20を形成するこ
とができる。この場合、三角形の1つの頂点が記録紙6
の裏面側に位置するようにしてインク捕捉電極20を配
置する。一般に電極先端が鋭いほど電界が集中するの
で、本変形例のように三角形断面の金属製細長部材によ
ってインク捕捉電極20を形成することにより、インク
ミスト31の捕集をより確実に行うことができる。
【0055】また、他の変形例としては、図8に示した
ように複数の金属製針部材によってインク捕捉電極20
を構成しても良い。金属製針部材はその基端部が吸収部
材16中に埋設されており、その先端部が吸収部材16
の上面から上方に向けて突出している。また、複数の金
属製針部材は、図4に示したワイヤ部材からなるインク
捕捉電極20の延在位置に対応して配置される。本変形
例によれば、インク捕捉電極20は鋭い先端を複数備え
ているので、インクミストの捕集をより確実に行うこと
ができる。
【0056】また、他の変形例としては、図9に示した
ように、記録紙6が印刷領域に送られる前に、記録紙6
を積極的に帯電させるための帯電手段40をさらに設け
ることができる。帯電手段40としては、コロナ放電器
や、アクリル繊維、塩化ビニル繊維等からなる帯電ブラ
シを用いることができる。或いは、帯電手段として、図
3に示した給紙ローラ14a、14bの表面を清浄にす
るローラクリーナを設けることにより、給紙ローラ14
a、14bと記録紙6との剥離帯電を促進することがで
きる。
【0057】このように帯電手段40によって記録紙6
を積極的に帯電させることにより、図6を用いて説明し
たインクミスト31の捕集効果を高めることができる。
【0058】なお、帯電手段40として帯電ブラシを用
いる場合、図9に示したように給紙ローラ14a、14
bよりも給紙方向F(図3参照)の上流側に帯電ブラシ
40を配置することができるので、帯電ブラシの設置に
よって給紙ローラ14a、14bから印刷領域までの距
離が長くなるようなことはない。また、帯電ブラシによ
り記録紙6をこする際に紙粉が発生した場合でも、帯電
した記録紙6の静電気力によって紙粉が記録紙6に吸着
されるので、飛び散った紙粉がノズル開口に付着するよ
うなこともない。
【0059】また、図9に示したように、印刷領域の下
流側に、記録紙6の裏面に当接するようにして除電ブラ
シ45を配置しても良い。この除電ブラシ45によっ
て、印刷終了後の記録紙6を確実に除電することができ
る。印刷直後はインクが乾燥していない場合があり、印
刷面のインク汚れ防止のために、除電ブラシ45は記録
紙6の裏面、即ち印刷面の反対側の面に配置することが
望ましい。
【0060】また、他の変形例としては、図10に示し
たように、記録紙6に高電圧を印加して記録紙6を高電
位に保持するための電圧印加手段41を設けても良い。
この電圧印加手段41は高電圧源42を有している。
【0061】本変形例によれば、例えば記録紙6が湿気
を帯びており、記録紙6上の電荷が放電されやすく、そ
のために記録紙6の電位が安定しないような環境下であ
っても、電圧印加手段41によって記録紙6を安定的に
高電位に保持することができるので、静電気力によって
インク滴を確実に捕捉することができる。
【0062】また、他の変形例としては、図11に示し
たように、インク捕捉電極20に高電圧を印加してイン
ク捕捉電極20を高電位に保持するための電圧印加手段
43を設けても良い。この電圧印加手段43は高電圧源
44を有している。
【0063】本変形例によれば、記録紙6が帯電してい
ない場合においても、接地されたメカフレームやノズル
プレートと、電圧印加手段43によって高電位に保持さ
れたインク捕捉電極20との間に電位差が発生し、イン
ク捕捉電極20に電界が集中するので、静電気力によっ
てインク滴を確実に捕捉することができる。
【0064】また、他の変形例としては、金属ワイヤ等
でインク捕捉電極を構成するかわりに、吸収部材16を
捕捉電極として用いても良く、これにより上記と同様の
効果を得ることができる。この場合、吸収部材16は、
ポリエチレンやポリウレタンにカーボン等の導電性材料
を混入させて発泡形成して導電性を付与したものを用い
ることができる。或いは、四辺縁無し印刷の実施前に、
ミストが飛散しない程度の低速で記録ヘッド12を走査
させながら吸収部材16にインク滴を吐出して、吸収部
材16を湿らすことにより導電性を付与することもでき
る。前述したようにインク捕捉電極としての吸収部材1
6の一端は接地され、或いは高圧電源44に電気的に導
通されている。本変形例によれば、金属ワイヤ等の専用
の捕捉電極が不要となるため、より安価な構成で上記と
同様の効果を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように本発明による液体噴射
装置によれば、被処理物の縁をはみ出した領域に向けて
吐出された液滴を液滴捕捉電極で引き寄せて捕集するこ
とができるので、被処理物の縁部に余白を残すことなく
液滴を付与する場合においても、被処理物の裏面縁部へ
の液体ミストの付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体噴射装置の一実施形態として
のインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視
図。
【図2】本発明による液体噴射装置の一実施形態として
のインクジェット式記録装置の概略構成を示した他の斜
視図。
【図3】図1及び図2に示したインクジェット式記録装
置のプラテン及びその周囲を拡大して示した図。
【図4】図1及び図2に示したインクジェット式記録装
置のインク捕捉電極及びその周囲を拡大して示した平面
図。
【図5】図1及び図2に示したインクジェット式記録装
置のインク捕捉電極及びその周囲を拡大して示した断面
図。
【図6】図4及び図5に示したインク捕捉電極の作用を
説明するための図。
【図7】図4及び図5に示したインク捕捉電極の一変形
例を示した断面図。
【図8】図4及び図5に示したインク捕捉電極の他の変
形例を示した断面図。
【図9】図4及び図5に示した実施形態の一変形例を示
した断面図。
【図10】図4及び図5に示した実施形態の他の変形例
を示した断面図。
【図11】図4及び図5に示した実施形態の他の変形例
を示した断面図。
【符号の説明】
1 キャリッジ 5 プラテン 6 記録紙(被処理物) 12 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド) 14a、14b 給紙ローラ 20 インク捕捉電極(液体捕捉電極) 20a インク捕捉電極の横部分 20b インク捕捉電極の縦部分 40 帯電手段 41、43 電圧印加手段 42、44 高圧電源

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口に連通する圧力室内の液体に圧
    力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させ
    る液体噴射ヘッドと、 前記液体噴射ヘッドをヘッド走査方向に走査させる走査
    機構と、 前記液体噴射ヘッドから噴射された液滴が付与される被
    処理物を前記ヘッド走査方向に対して直交する送り方向
    に搬送する送り機構と、 処理中の前記被処理物の裏面側であって前記液体噴射ヘ
    ッドに対向する領域に配置され、前記被処理物の縁から
    はみ出した領域に向けて吐出された液滴を静電気力によ
    って捕捉する液滴捕捉電極と、を備えたことを特徴とす
    る液体噴射装置。
  2. 【請求項2】前記液体噴射ヘッドに対向して配置され、
    前記送り機構により搬送される前記被処理物をその裏面
    から支持して前記液体噴射ヘッドに対する前記被処理物
    の位置を規定するプラテンであって、前記液体噴射ヘッ
    ドから吐出された液滴を吸収する吸収部材を有するプラ
    テンをさらに有し、 前記液滴捕捉電極は、前記吸収部材に隣接して配置され
    ている請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 【請求項3】前記液滴捕捉電極は、前記ヘッド走査方向
    に沿って延在する部分と、前記送り方向に沿って延在す
    る部分と、を有する請求項1又は2に記載の液体噴射装
    置。
  4. 【請求項4】前記液滴捕捉電極は、金属製のワイヤ部材
    によって構成されている請求項1乃至3のいずれか一項
    に記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】前記液滴捕捉電極は、三角形の断面を有す
    る金属製の細長部材によって構成されている請求項1乃
    至4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】前記液滴捕捉電極は、金属製の針部材によ
    って構成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の液体噴射装置。
  7. 【請求項7】前記液滴捕捉電極の表面に絶縁処理が施さ
    れている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体噴
    射装置。
  8. 【請求項8】前記液滴捕捉電極の表面に防錆処理が施さ
    れている請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体噴
    射装置。
  9. 【請求項9】前記液体噴射ヘッドに対向して配置され、
    前記送り機構により搬送される前記被処理物をその裏面
    から支持して前記液体噴射ヘッドに対する前記被処理物
    の位置を規定するプラテンであって、前記液体噴射ヘッ
    ドから吐出された液滴を吸収する吸収部材を有するプラ
    テンをさらに有し、 前記吸収部材が前記液滴捕捉電極である請求項1記載の
    液体噴射装置。
  10. 【請求項10】前記被処理物を帯電させるための帯電手
    段をさらに備えた請求項1乃至9のいずれか一項に記載
    の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】前記帯電手段は、コロナ放電器又は帯電
    ブラシを有する請求項10記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】前記送り機構は、前記被処理物を前記プ
    ラテン上に送るためのローラを有し、前記帯電手段は、
    前記ローラの表面を清浄にするローラクリーナを有する
    請求項10又は11に記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】前記被処理物に高電圧を印加して前記被
    処理物を高電位に保持するための電圧印加手段をさらに
    有する請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体噴
    射装置。
  14. 【請求項14】前記液滴捕捉電極は接地されている請求
    項1乃至13のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  15. 【請求項15】前記液滴捕捉電極に高電圧を印加して前
    記液滴捕捉電極を高電位に保持するための電圧印加手段
    をさらに有する請求項1乃至13のいずれか一項に記載
    の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】前記送り方向における前記液体噴射ヘッ
    ドよりも下流側に、前記被処理物から静電気を除去する
    除電手段を設けた請求項1乃至15のいずれか一項に記
    載の液体噴射装置。
  17. 【請求項17】前記除電手段は、除電ブラシを有する請
    求項16記載の液体噴射装置。
  18. 【請求項18】前記除電ブラシは、前記被処理物の裏面
    に当接される請求項17記載の液体噴射装置。
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