JP2004202867A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本装置は、ノズルプレート17のノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射ヘッド12と、噴射ヘッド12をヘッド走査方向に走査させる走査機構と、噴射ヘッド12から噴射された液滴が付与される被処理物6をヘッド走査方向に対して直交する送り方向に搬送する送り機構と、処理中の被処理物6の裏面側であって噴射ヘッド12に対向する領域に配置され、被処理物6から外れた領域に向けて吐出された液滴を吸収する吸収部材16と、吸収部材16及び吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方とノズルプレート17との間に電位差を発生させる電位差発生手段20、21、22と、を備える。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射ヘッドのノズル開口から被処理物に向けて液滴を吐出する液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
【0003】
液体噴射装置の代表例であるインクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
【0004】
このようなインクジェット式記録装置は、一般に、キャリッジ上に搭載されて記録紙等の記録媒体(被処理物)の幅方向(ヘッド走査方向)に往復移動するインクジェット式記録ヘッドと、記録媒体をヘッド走査方向と直交する方向(送り方向)に移動させる送り機構と、を備えており、さらに、記録ヘッドに対向して配置され、送り機構により搬送される記録媒体を裏面から支持して記録ヘッドに対する記録媒体の位置を規定するプラテンを備えている。
【0005】
このインクジェット式記録装置においては、印刷データに対応して記録ヘッドより記録媒体に対してインク滴を吐出させることで印刷が行われる。そして、キャリッジ上に搭載される記録ヘッドを、例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクの吐出が可能なものとすることにより、ブラックインクによるテキスト印刷ばかりでなく、各インクの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可能としている。
【0006】
このインクジェット式記録装置を用いて記録媒体の縁部に余白を残すことなく記録媒体の表面の全体に対して印刷(いわゆる四辺縁無し印刷)を施す場合、記録媒体及びキャリッジの位置ずれに対する余裕を考慮して、記録媒体のサイズよりもやや広い領域に対して印刷を行うようにしている。
【0007】
すなわち、記録媒体の左右の側縁(送り方向に延在する縁)の部分に余白を残すことなく印刷を施すために、印刷時における記録ヘッドの走査範囲を、記録媒体の側縁よりも外側に外れる位置まで設定可能とされている。
【0008】
さらに、記録媒体の前後縁(ヘッド走査方向に延在する縁)の部分に余白を残すことなく印刷を施す際には、記録媒体の印刷開始時においては記録媒体の前縁よりも前側に外れる領域までを印刷対象領域に指定すると共に、記録媒体の印刷終了時においては記録媒体の後縁よりも後側に外れる領域までを印刷対象領域に指定する。
【0009】
そして、記録媒体から外れた領域に向けて吐出されたインク滴は、記録ヘッドに対向して記録媒体の背面側に配置された吸収部材(スポンジ、ベルイータ等)で吸収するようにしている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−86757号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、記録媒体の縁部に余白を残すことなく印刷を施す場合には、記録媒体の縁部から前後又は左右に外れた領域にまでインク滴が吐出されることになり、記録媒体の裏面側に回り込んだインクミストが記録媒体の裏面縁部に付着して記録媒体を汚損してしまうという問題があった。とくに、記録媒体に両面印刷を施す場合や、葉書のような両面を使用する記録媒体に印刷を施す場合において問題であった。また、ミスト化したインクが機内を汚損し、電気回路やリニアスケールへのインクミストの付着によって動作不良が発生したり、インクカートリッジに堆積してユーザーの手を汚すという問題もあった。
【0012】
また、一般に、記録媒体を送り方向に送るための送り機構は、記録媒体を挟み込んで送るように互いに対向配置されたローラを備えている。対向配置されたローラの一方は、金属ローラ表面にアルミナを焼き付けて摩擦力を向上させた構造からなる駆動ローラであり、他方のローラはプラスチックで形成された従動ローラである。
【0013】
そして、一般に、これらのローラと記録媒体との接触/剥離や、オートシートフィーダから記録媒体を供給する際の次の記録媒体とのこすり合わせ、或いは記録媒体の供給経路内での構造部材との接触などによって、印刷領域に送られた時点では記録媒体が帯電している。そして、このように記録媒体が帯電していると、上述した記録媒体裏面へのインクミストの付着が起こりやすくなる。
【0014】
このような問題を解消するために、帯電した記録媒体を除電するために除電ブラシ等の除電手段を設ける方法も考えられるが、この場合、除電手段の設置位置が、必然的に、一対のローラからなる送り機構よりも、送り方向の下流側となり、送り機構から印刷領域までの距離が長くなる。このため、記録媒体の送り精度の悪化や、記録媒体の浮き上がり等の問題が発生しやすくなってしまう。また、除電ブラシにより紙等の記録媒体をこすることにより紙粉等が発生してノズルに付着し、インク滴の吐出性能が悪化するという問題もある。
【0015】
また、近年の高画質化の要求に応えるために、記録ヘッドから吐出されるインク滴のサイズがますます小さくなっている。小さなサイズのインク滴は空気の粘性抵抗によって速度が急速に低下するので、記録媒体から外れた領域に向けて記録ヘッドから吐出されたインク滴が、吸収部材に到達せずにミスト化する可能性がある。
【0016】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであって、その目的とするところは、被処理物から外れた領域に向けて液体噴射ヘッドから吐出された液滴のミスト化を防止することができる液体噴射装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による液体噴射装置は、ノズル開口が形成されたノズルプレートを有し、前記ノズル開口に連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドをヘッド走査方向に走査させる走査機構と、前記液体噴射ヘッドから噴射された液滴が付与される被処理物を前記ヘッド走査方向に対して直交する送り方向に搬送する送り機構と、処理中の前記被処理物の裏面側であって前記液体噴射ヘッドに対向する領域に配置され、前記被処理物から外れた領域に向けて吐出された液滴を吸収する吸収部材と、前記吸収部材及び前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方と前記ノズルプレートとの間に電位差を発生させる電位差発生手段と、を備える。
【0018】
また、好ましくは、前記電位差発生手段は、前記吸収部材及び前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方に電圧を印加し、前記ノズルプレートを接地する。
【0019】
また、好ましくは、前記電位差発生手段は、前記吸収部材及び前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方を接地し、前記ノズルプレートに電圧を印加する。
【0020】
また、好ましくは、前記吸収部材に隣接する部材は、前記ヘッド走査方向に沿って延在する導電性部分と、前記送り方向に沿って延在する導電性部分と、を有する。
【0021】
また、好ましくは、前記吸収部材に隣接する部材は格子状である。
【0022】
また、好ましくは、前記吸収部材は導電性材料を含む。
【0023】
また、好ましくは、前記吸収部材は、ポリエチレン又はポリウレタンに導電性材料を混入させて発泡形成されたものである。
【0024】
また、好ましくは、前記吸収部材は、ポリエチレン又はポリウレタンの発泡材に導電性材料をメッキにて付与したものである。
【0025】
また、好ましくは、前記吸収部材は、電解質液体を含有している。
【0026】
また、好ましくは、前記電解質液体は、前記液体噴射ヘッドより吐出された液体である。
【0027】
また、好ましくは、処理中の前記被処理物を電気的に浮いた状態に保持する保持手段を有する。
【0028】
また、好ましくは、前記保持手段は、処理中の前記被処理物に接触する各部材の少なくとも表面に設けられた絶縁材料を有する。
【0029】
また、好ましくは、前記液体噴射ヘッドに対向して配置され、前記送り機構により搬送される前記被処理物をその裏面から支持して前記液体噴射ヘッドに対する前記被処理物の位置を規定するプラテンをさらに有し、前記吸収部材は、前記プラテンに設けられている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置について、図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態によるインクジェット式記録装置は、ノズル開口に連通する圧力室に対応して設けられた圧力発生素子により、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせてノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一種)を備えている。圧力発生素子としては、例えば圧電振動子を用いることができる。
【0032】
図1及び図2は、本実施形態によるインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図であり、図3は同インクジェット式記録装置のプラテン及びその周囲を拡大して示した図である。図1中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介して、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。プラテン5は、記録紙6(被処理物の一種)をその裏面から支持して記録ヘッド12に対する記録紙6の位置を規定する。
【0033】
キャリッジ1、キャリッジモータ2、タイミングベルト3、及びガイド部材4は、インクジェット式記録ヘッド12をキャリッジ1と共にヘッド走査方向に走査させる走査機構を構成している。
【0034】
インクジェット式記録ヘッド12は、複数のノズル開口12aのそれぞれに連通する複数の圧力室12bを有し、キャリッジ1の記録紙6に対向する側に搭載されている。また、キャリッジ1には、記録ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
【0035】
インクジェット式記録装置の非印刷領域であるホームポジション(図1中、右側)にはキャップ部材13が配置されており、このキャップ部材13はキャリッジ1に搭載された記録ヘッド12がホームポジションに移動した時に、記録ヘッド12のノズル形成面に押し当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形成するように構成されている。そして、キャップ部材13の下方には、キャップ部材13により形成された密閉空間に負圧を与えるためのポンプユニット10が配置されている。
【0036】
キャップ部材13の印刷領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記録ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されていて、キャリッジ1がキャップ部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて記録ヘッド12のノズル形成面を払拭することができるように構成されている。
【0037】
本実施形態によるインクジェット式記録装置は、さらに、記録ヘッド12により印刷処理が行われる記録紙6をヘッド走査方向に対して直交する送り方向に間欠的に搬送する送り機構を備えている。
【0038】
図3に示したように送り機構は、記録紙6を挟み込んでプラテン5上へ送るために互いに対向配置された給紙ローラ14a、14bと、印刷された記録紙6を排出するために互いに対向配置された排紙ローラ15a、15bと、を備えている。なお、給紙ローラ14a及び排紙ローラ15aは従動ローラであり、給紙ローラ14b及び排紙ローラ15bは駆動ローラである。
【0039】
図3から分かるようにプラテン5は、給紙方向(送り方向)Fと平行な方向に延びる複数のインク受け縦開口5c、5d、5e、5fと、給紙方向Fに対して直交するヘッド走査方向に延びる複数のインク受け横開口5a、5bとが形成されている。
【0040】
複数のインク受け縦開口5c、5d、5e、5fのうち、一対のインク受け開口5cはA3サイズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、一対のインク受け開口5dはB4サイズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、一対のインク受け開口5eはA4サイズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されており、一対のインク受け開口5fはB5サイズの記録紙6の左右端がそれぞれ真上を通過するように配置されている。
【0041】
また、複数のインク受け横開口5a、5bは、給紙側に配置されている給紙側インク受け開口5aと、排紙側に配置されている排紙側インク受け開口5bとからなる。
【0042】
これらのインク受け開口5a、5b、5c、5d、5e、5fには、いずれも、記録ヘッド12から吐出されたインクを吸収する吸収部材16が配置されている。
【0043】
本実施形態においては、吸収部材16は導電性材料を含んでおり、例えば、ポリエチレン又はポリウレタンにカーボン等の導電性材料を混入させて発泡形成されている。或いは、ポリエチレン又はポリウレタンの発泡材に導電性材料をメッキにて付与して吸収部材16を形成することもできる。
【0044】
また、吸収部材16にNaCl、KClなどの電解質水溶液或いは水を含有させて導電性を付与することもできる。水のみを含有させた場合でも、大気中のCO2などを取り込み、導電性を有する電解質となる。
【0045】
更に簡便な方法としては、インクそのものを電解質として用いることもできる。この場合、初回の縁無し印刷の実施前に、記録紙6が無い状態で、インク滴がミスト化しないようキャリッジ1をゆっくり走査しながら、記録ヘッド12よりインク滴を吸収部材16に吐出し、吸収部材16にインクを含有させ、導電性を付与することもできる。
【0046】
そして、本実施形態によるインクジェット式記録装置は、図4に示したように、導電性の吸収部材16にプラスの電圧を印加するための電源20及びその配線21と、ノズルプレート17を接地するための配線22とを備えている。これらの電源20及び配線21、22は、ノズルプレート17と吸収部材16との間に電位差を発生させる電位差発生手段を構成する。
【0047】
この電位差発生手段によって吸収部材16にプラスの電圧を印加すると共にノズルプレート17を接地することにより、図5及び図6に示したように吸収部材16にプラスの電荷が誘起されると共にノズルプレート17にマイナスの電荷が誘起される。これにより、図5及び図6に矢印で示したように吸収部材16からノズルプレート17へ向かう電気力線が発生する。
【0048】
また、ノズルプレート17にマイナスの電荷が誘起されることにより、ノズル開口12aのインクメニスカス部分にもマイナスの電荷が誘起される。この電荷量は平行平板コンデンサの式を用いて簡単に計算することができる。インク滴はノズル開口12aの面積分のマイナス電荷を持ってノズル開口12aから吐出され、ノズルプレート17と吸収部材16との間に発生している電界により、吸収部材16の方向へのクーロン力を受ける。
【0049】
このようにノズル開口12aから吐出されたインク滴は吸収部材16の方向へのクーロン力を受けるので、記録紙6の縁部6aをはみ出した領域に向けてサイズの小さいインク滴を吐出した場合においても、インク滴を吸収部材16まで確実に到達させることができる。これにより、記録紙6から外れた領域に向けて吐出されたインク滴のミスト化を確実に防止することができる。このため、記録紙6の縁部6aに余白を残すことなく印刷を施す場合においても、記録紙6の裏面縁部へのインクミストの付着や、インクミストによる機内の汚損を防止することができる。
【0050】
また、記録紙6の抵抗が湿気等によって減少し、記録紙6が導電性を有していて記録紙6の一端がグランド(Gnd)に接地されている場合には、電圧を印加された吸収部材16と記録紙6との間に電界が発生し、記録紙6とノズルプレート17との間には電界が発生しない。このため、ノズルプレート17及びインク滴に十分な電荷が誘起されず、上述した電位差発生手段によるミスト化防止効果を十分に発揮することができない。
【0051】
そこで、上記実施形態の一変形例としては、処理中の記録紙6を電気的に浮いた状態に保持するための保持手段を設けることが好ましい。好ましくは、この保持手段は、図7に示したように処理中の記録紙6に接触する各部材、例えば給紙ローラ14a、14bの少なくとも表面に設けられた絶縁材料18a、18bを有する。
【0052】
このように保持手段18a、18bによって処理中の記録紙6を電気的に浮いた状態に保持することによって、記録紙6は単に誘電体として作用することになる。ここで、図7に示したようにノズルプレート17と記録紙6との間の距離をL1とし、記録紙6と吸収部材16の表面との距離をL2として、電源20に3kVの電圧を印加した場合、例えばL1=2.0mm、L2=1.0mmであれば、記録紙6の電位は約2kVになる。従って、記録紙6の有無に関わらず、ノズルプレート17及びインク滴に十分な電荷を誘起させることができる。
【0053】
また、上記実施形態の他の変形例としては、図8及び図9に示したように、吸収部材16の上面に導電性材料から成る格子状部材23を隣接配置して、この格子状部材23に対して電源20からプラスの電圧を印加することもできる。格子状部材23は、ヘッド走査方向に沿って延在する導電性部分23aと、送り方向に沿って延在する導電性部分23bと、を有する。
【0054】
本変形例の場合には、必ずしも吸収部材16を導電性にする必要はなく、例えば、スポンジ、ベルイータ等で吸収部材16を形成することができる。或いは、図4に示した実施形態と同様に吸収部材16を導電性部材として、格子状部材23及び吸収部材16の両方に電圧を印加することもできる。
【0055】
本変形例においては、格子状部材23側に引き寄せられたインクミストは、格子状部材23の表面に付着して吸収部材16上に流れ落ちるか、或いは吸収部材16上に直接付着する。
【0056】
また、上記実施形態の他の変形例としては、電位差発生手段により発生させる電界の向きを逆にすることもできる。即ち、図10に示したように、ノズルプレート17ではなく吸収部材16を接地すると共に、電源20によりノズルプレート17にプラスの電圧を印加しても良い。或いは、ノズルプレート17を接地し、吸収部材16にマイナスの電圧を印加しても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による液体噴射装置によれば、電位差発生手段によって、吸収部材又はこれに隣接する部材の少なくとも一方とノズルプレートとの間に電位差を発生させることにより、ノズル開口から吐出された、電荷を持つ液滴に対して、吸収部材の方向へ向かうクーロン力が作用するので、被処理物から外れた領域に向けて液体噴射ヘッドから吐出された液滴のミスト化を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図。
【図2】本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置の概略構成を示した他の斜視図。
【図3】図1及び図2に示したインクジェット式記録装置のプラテン及びその周囲を拡大して示した図。
【図4】図1及び図2に示したインクジェット式記録装置の電位差発生手段及びその周囲を拡大して示した断面図。
【図5】図1及び図2に示したインクジェット式記録装置の電位差発生手段によって生じる電気力線の様子を示した図。
【図6】図5の一部を拡大して示した図。
【図7】図4に示した実施形態の一変形例を示した断面図。
【図8】図4に示した実施形態の他の変形例を示した平面図。
【図9】図8に示した変形例を示した断面図。
【図10】図4に示した実施形態の他の変形例を示した断面図。
【符号の説明】
1 キャリッジ
5 プラテン
6 記録紙(被処理物)
12 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)
14a、14b 給紙ローラ
16 吸収部材
17 ノズルプレート
18a、18b 絶縁材料
20 電源
21、22 配線
23 格子状部材
Claims (13)
- ノズル開口が形成されたノズルプレートを有し、前記ノズル開口に連通する圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドをヘッド走査方向に走査させる走査機構と、
前記液体噴射ヘッドから噴射された液滴が付与される被処理物を前記ヘッド走査方向に対して直交する送り方向に搬送する送り機構と、
処理中の前記被処理物の裏面側であって前記液体噴射ヘッドに対向する領域に配置され、前記被処理物から外れた領域に向けて吐出された液滴を吸収する吸収部材と、
前記吸収部材又は前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方と前記ノズルプレートとの間に電位差を発生させる電位差発生手段と、を備えた液体噴射装置。 - 前記電位差発生手段は、前記吸収部材及び前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方に電圧を印加し、前記ノズルプレートを接地する請求項1記載の液体噴射装置。
- 前記電位差発生手段は、前記吸収部材及び前記吸収部材に隣接する部材の少なくとも一方を接地し、前記ノズルプレートに電圧を印加する請求項1記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材に隣接する部材は、前記ヘッド走査方向に沿って延在する導電性部分と、前記送り方向に沿って延在する導電性部分と、を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材に隣接する部材は格子状である請求項4記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材は導電性材料を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材は、ポリエチレン又はポリウレタンに導電性材料を混入させて発泡形成されたものである請求項6記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材は、ポリエチレン又はポリウレタンの発泡材に導電性材料をメッキにて付与したものである請求項6記載の液体噴射装置。
- 前記吸収部材は、電解質液体を含有している請求項6記載の液体噴射装置。
- 前記電解質液体は、前記液体噴射ヘッドより吐出された液体である請求項9記載の液体噴射装置。
- 処理中の前記被処理物を電気的に浮いた状態に保持する保持手段を有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 前記保持手段は、処理中の前記被処理物に接触する各部材の少なくとも表面に設けられた絶縁材料を有する請求項11記載の液体噴射装置。
- 前記液体噴射ヘッドに対向して配置され、前記送り機構により搬送される前記被処理物をその裏面から支持して前記液体噴射ヘッドに対する前記被処理物の位置を規定するプラテンをさらに有し、
前記吸収部材は、前記プラテンに設けられている請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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