JP5641197B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ファクシミリやプリンターに代表される液体噴射装置に関する。
以下、液体噴射装置の一例としてのインクジェットプリンターを例に説明する。インクジェットプリンターは、インクジェット記録ヘッドと対向する位置に支持部材(プラテンとも呼ばれる)を有し、支持部材により記録用紙を支持することによりインクジェット記録ヘッドと記録用紙との間の距離を規定するよう構成されている。
ここで、近年のインクジェットプリンターにおいては、記録品質のより一層の向上を目指してインク滴の微細化が進み、例えば数pl程度までインク滴が微細化されている。この為インク滴の質量が極めて小さく、インクジェット記録ヘッドから記録用紙にインク滴が吐出されても、一部が記録用紙に着弾せず、ミストとなって浮遊し、種々の問題を発生させていた。加えて、記録用紙の四辺に余白なく記録を行う、いわゆる縁無し記録においては、記録用紙の端部から外れた領域にもインク滴を吐出する為、上記のミスト浮遊現象がより一層顕著になる。
そこで従来から、特許文献1、2に示すようにインクジェット記録ヘッド、記録用紙、支持部材のこれらの間に電位差を設け、電界を発生させることでインク滴にクーロン力を作用させ、インク滴を記録用紙に引きつける技術が提案されている。
特開2007−118321号公報 特開2007−118318号公報
<<1.記録用紙の高速搬送化に伴って生じた課題>>
ところで近年のインクジェットプリンターにおいては、特にビジネス用途などにおいて高速化が進み、これに伴い用紙の搬送速度が従来に比べて大幅に増加している。さらにインクジェット記録ヘッドが用紙搬送方向と直交する方向に移動しながら記録を行う所謂シリアルタイプのインクジェットプリンターにおいては、用紙が停止している間にヘッド走査(記録)が実施されるため、スループットの低下を防止するため、更に用紙搬送速度を高める必要がある。
しかしながらこの様な記録用紙の高速搬送化に伴って、以下のような問題が生じることが判明した。即ち、記録用紙の端部(エッジ)には、切断時に生じた紙粉が付着しているが、記録用紙・支持部材(プラテン)・インクジェット記録ヘッド、のこれら3つの要素(以下「記録部構成要素」と総称する)の間の電位を制御しない場合、記録部構成要素間に生じた電界により、記録用紙に付着していた紙粉がインクジェット記録ヘッドに向かって飛翔し、付着してしまう。特に、高速で記録用紙を搬送する場合には、用紙搬送の際の振動や衝撃が大きくなり、そのため紙粉の飛翔がより一層顕著に生じてしまう。
また、用紙カセットに収容された記録用紙間の摩擦や、用紙搬送経路の構成要素(例えば、エッジガイドや、搬送ローラーなど)と記録用紙との間の摺接・接触に伴い、摩擦帯電や剥離帯電が顕著となり、即ち記録部構成要素がより顕著に帯電する。その結果、記録部構成要素間に形成される電界が強くなり、また紙粉自体の帯電も強くなる為、紙粉に加わるクーロン力が大きくなって、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着がより顕著になってしまう。
また、紙粉自体が帯電していない場合であっても、飛翔した紙粉が電界中に置かれた場合には、誘電分極或いは静電誘導によって紙粉に電荷の偏りが生じ、これによりインクジェット記録ヘッドの側に引きつけられてしまう。
図10はこの問題点を示す為の説明図であり、符号160はインクジェット記録ヘッド、符号160aはノズルプレート、符号170は支持部材(プラテン)、符号170aは支持部材170に形成されるリブを示している。また符号Pは記録用紙を、符号Peは用紙端部を、符号dは紙粉を示している。更に丸囲いされた「+」、「−」は、帯電極性を示している。
記録用紙Pは除電ブラシなどにより除電されており、従ってこの記録用紙Pに付着している紙粉dは帯電はしていない。しかしながら、紙粉dの拡大図に示すように、ノズルプレート160aがプラス帯電し、また支持部材170がマイナス帯電している場合(一例)には、誘電分極(紙粉dが誘電体の性質を有している場合)或いは静電誘導(紙粉dが導体の性質を有している場合)によって、紙粉dのノズルプレート側にはマイナス電荷が表れ、支持部材側にはプラス電荷が表れる。そしてこれにより、紙粉dはノズルプレート160a及び支持部材170のいずれの側にも引き寄せられてしまうことになる。
そして紙粉がインクジェット記録ヘッドに付着すると、紙粉がノズル開口を直接閉塞することにより、或いはノズル面の清掃(ワイピング)時に紙粉がノズル開口に移動することによって、ドット抜けを招くことになる。
また、このように紙粉がノズル開口を物理的に閉塞するほか、紙粉を構成する炭酸カルシウムなどの填料がインクの水分と反応して増粘し、ノズル開口のメニスカスの振動を阻害して、インク滴吐出の妨げになる場合もある。従って、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着を防止することは、インクジェットプリンターにおいて適切な記録品質を得るために極めて重要となる。
<<2.従来技術の問題点>>
上記特許文献1、2には、上述のようにインクジェット記録ヘッド・記録用紙・支持部材(記録部構成要素)のこれらの間に電位差を設け、電界を発生させることでインク滴にクーロン力を作用させ、インク滴を記録用紙に引きつける技術が提案されている。従って紙粉をインク滴と同列にみなせば、電界を制御することで紙粉を記録用紙側に引きつけることにより、インクジェット記録ヘッドへの紙粉の付着を防止できるようにも思われる。
しかしながら、紙粉を構成するセルロース繊維と填料は、帯電列的にプラス、マイナスいずれの極性にも帯電し易く、従って記録部構成要素間に特定方向の電界を形成することでインクジェット記録ヘッド側への紙粉の飛翔を防止しようとしても、反対極性に帯電した紙粉の、インクジェット記録ヘッド側への飛翔を防止することはできない。
尚、特開2003−165230号公報には、インクジェット記録ヘッドのノズル部周辺への紙粉や塵埃等の付着防止を目的の一つとして、ノズルプレート周囲にエアーダクトを設け、記録時および記録待機時にはエアーダクトから加湿エアーを噴射するように構成された記録装置が記載されている。しかしながらこのような構成にあっては、構成の複雑化により装置の大型化及びコストアップを招くことになるし、気流により却って紙粉を記録ヘッドに付着させてしまう虞がある。
また、特開2008−213255号公報には、帯電性を備える紙粉収集部材により紙粉を収集する技術が記載されている。しかしながら本技術にあっては上述した反対極性の問題により必ずしも紙粉を効率的に収集できないし、また紙粉収集部材に堆積した紙粉の処理(除去)が問題となる。特に、紙粉が多く堆積した状態では、ちょっとした振動や衝撃により、紙粉が周囲に飛散してしまう虞があり、長期的な性能の維持に問題がある。
<<3.本願発明が解決を図る課題>>
本発明は上述した種々の問題に鑑み成されたものであり、その目的は、記録品質を低下させることなく、インクジェット記録ヘッドへの紙粉・塵埃等の異物(以下「紙粉等」と言う)の付着を確実に防止することにある。
上記課題を解決する為の本発明の第1の態様は、被噴射媒体を搬送する被噴射媒体搬送手段と、被噴射媒体の搬送方向である第1方向と直交する第2方向に移動しながら被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、前記液体噴射手段と対向配置される、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備え、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送と前記液体噴射手段による液体噴射とを交互に繰り返し実行することにより被噴射媒体への液体噴射を完了させる液体噴射装置であって、前記液体噴射手段側の所定部位と前記被噴射媒体支持手段側の所定部位とを同電位とする同電位状態、および両者の間に電位差を生じさせる電位差発生状態と、を切り替え可能な電位制御手段を備え、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われているときは、前記電位制御手段が前記同電位状態を形成し、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われていないときは、少なくとも適宜の期間、前記電位制御手段が前記電位差発生状態を形成する構成を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、被噴射媒体搬送手段によって被噴射媒体の搬送が行われているとき、即ち振動などにより紙粉等が最も被噴射媒体から飛散し易いときは、液体噴射手段側の所定部位と被噴射媒体支持手段側の所定部位とが同電位に設定されるので、液体噴射手段と被噴射媒体支持手段との間の電界が極めて弱いか、或いは電界が殆ど形成されない状態となる(以下では便宜上この様な状態を無電界状態と言う)。
これにより紙粉等が付着した被噴射媒体が、液体噴射手段と被噴射媒体支持手段との間の無電界領域中に置かれることとなり、被噴射媒体に付着した紙粉等が、飛散・飛翔することが抑えられ、その多くが被噴射媒体に付着したそのままで、被噴射媒体とともに装置外部に排出される。従ってこれにより、液体噴射手段への紙粉等の飛翔・付着を確実に防止することができる。
また、被噴射媒体搬送手段によって被噴射媒体の搬送が行われていないときは、少なくとも適宜の期間、前記電位制御手段が前記電位差発生状態を形成する、即ち電界が形成されるので、液体噴射手段から噴射された液体を被噴射媒体或いは被噴射媒体支持手段に引き寄せることができ、液体がミストとなって浮遊することに伴う問題を解消することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記電位制御手段は、前記同電位状態において被噴射媒体と前記液体噴射手段側の所定部位とを同電位とすることを特徴とする。
本態様によれば、更に被噴射媒体と液体噴射手段との間が無電界となるので、被噴射媒体に付着した紙粉等が、液体噴射手段に向けて飛翔することがより確実に抑えられ、その殆どが被噴射媒体に付着したそのままで、被噴射媒体とともに装置外部に排出される。従ってこれにより、液体噴射手段への紙粉等の付着をより確実に防止することができる。
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が開始される前に、前記電位差発生状態から前記同電位状態に切り替えることを特徴とする。
本態様によれば、前記電位制御手段は、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が開始される前に、前記電位差発生状態から前記同電位状態に切り替えるので、被噴射媒体の搬送開始時を確実に上記無電界状態とすることができ、液体噴射手段への紙粉等の飛翔・付着をより確実に防止することができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が終了した後に、前記同電位状態から前記電位差発生状態に切り替えることを特徴とする。
本態様によれば、前記電位制御手段は、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が終了した後に、前記同電位状態から前記電位差発生状態に切り替えるので、被噴射媒体の搬送終了時を確実に上記無電界状態とすることができ、液体噴射手段への紙粉等の飛翔・付着をより確実に防止することができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記電位制御手段は、被噴射媒体の搬送方向である第1方向と直交する第2方向における被噴射媒体の端部領域において、前記同電位状態と前記電位差発生状態とを切り換え、前記端部領域を除く領域では、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われていないときに、前記液体噴射手段と前記被噴射媒体支持手段との間に電位差が形成されるように構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、紙粉等の付着が顕著な被噴射媒体端部が無電界領域中に置かれることとなり、被噴射媒体端部に付着した紙粉等が、飛散・飛翔することが抑えられ、その多くが被噴射媒体端部に付着したそのままで、被噴射媒体とともに装置外部に排出される。従ってこれにより、液体噴射手段への紙粉等の飛翔・付着を確実に防止することができる。
そして被噴射媒体の端部領域を除いた領域においては、液体噴射手段と被噴射媒体支持手段との間に電位差が形成されるように構成されていることから、当該領域では電界が形成され、液体噴射手段から噴射された液体がクーロン力により被噴射媒体側に引き寄せられ、そして確実に着弾することとなる。従って液体噴射品質の低下を防止でき、また液体がミストとなって浮遊することに伴う問題を解消することができる。
本発明の第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記液体噴射手段側の所定部位は、前記被噴射媒体支持手段と対向する面であり、前記被噴射媒体支持手段側の所定部位は、前記液体噴射手段と対向する面であることを特徴とする。
本態様によれば、液体噴射手段側及び被噴射媒体支持手段側において、同電位とされる所定部位(電位コントロールされる部位)が互いに対向する面であることから、周囲からの回り込み電界を抑制することができ、紙粉等をより確実に無電界状態に置くことができる。
本発明の第7の態様は、第5のまたは第6の態様において、前記被噴射媒体支持手段側の所定部位の、被噴射媒体の端部領域に対応する領域は、前記第2方向における被噴射媒体の少なくとも一方側端部に対応する位置を含み、当該位置より被噴射媒体の外側及び内側に延びており、前記電位制御手段が前記同電位状態を形成する際、前記第2方向における被噴射媒体の少なくとも前記一方側端部の側において、前記被噴射媒体支持手段側の所定部位の、被噴射媒体の端部領域に対応する領域における、被噴射媒体の端部より内側の末端位置と、前記液体噴射手段の所定部位における、被噴射媒体の端部より外側の末端位置と、を結ぶラインが被噴射媒体と交わる様に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、前記被噴射媒体支持手段側の所定部位(前記第2方向における被噴射媒体端部に対応する領域)における、被噴射媒体の端部より内側の末端位置と、前記液体噴射手段の所定部位における、被噴射媒体の端部に対応する位置より外側の末端位置と、を結ぶラインが被噴射媒体の端部と交わる様に構成されているので、仮に前記被噴射媒体支持手段側の所定部位より内側に位置する領域と、前記液体噴射手段との間で電界が形成されても、被噴射媒体の端部はこの電界の内側には入らない(詳細は後述)。
以上により、同電位に設定された被噴射媒体支持手段と液体噴射手段との間で形成された、電界が極めて弱いか或いは電界が殆ど形成されない状態(以下では便宜上この様な状態を無電界状態と言う)の中に、紙粉等の付着が最も著しい被噴射媒体の端部領域が確実に入ることとなるので、被噴射媒体端部に付着した紙粉等が、飛散・飛翔することが抑えられ、その多くが被噴射媒体端部に付着したそのままで、被噴射媒体とともに装置外部に排出される。従ってこれにより、液体噴射手段への紙粉等の飛翔・付着を確実に防止することができる。
本発明に係るプリンターの用紙搬送経路を示す側断面概略図。 本発明の基本的思想を説明する為の概念図。 本発明に係るプリンターの記録領域における帯電状態を示す図(第1実施形態)。 本発明に係るプリンターの記録領域における帯電状態を示す図(第1実施形態)。 記録動作中における電界の状態切り換えのタイミングを示すタイミングチャート(第1実施形態)。 記録動作中における電界の状態切り換えのタイミングを示すタイミングチャート(第2実施形態)。 本発明に係るプリンターの記録領域における帯電状態を示す図(第2実施形態)。 本発明に係るプリンターの記録領域における帯電状態を示す図(第2実施形態)。 本発明に係るプリンターの記録領域における帯電状態を示す図(第3実施形態)。 従来技術の問題点を説明する為の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここで、図1は本発明に係るインクジェットプリンター1の用紙搬送経路を示す側断面概略図、図2は本発明の基本的思想を示す概念図、図4及び図5はインクジェットプリンター1の記録領域における帯電状態を示す図(第1実施形態)、図5は記録動作中における電界の状態切り換えのタイミングを示すタイミングチャート(第1実施形態)、図6は同タイミングチャート(第2実施形態)である。また、図7及び図8はインクジェットプリンター1の記録領域における帯電状態を示す図(第2実施形態)、図9は記録領域における帯電状態を示す図(第3実施形態)である。尚、図3、図4、及び図7、図6は、用紙Pの一方側端部領域を示すものであり、他方側端部領域についても、同様の構成が設けられている。また、図1の紙面表裏方向が、用紙搬送方向である第1方向と直交する第2方向(用紙幅方向)であり、図2〜図4、図7〜図9においては図の左右方向が第2方向(用紙幅方向)、紙面表裏方向が第1方向(用紙搬送方向)となっている。
以下、図1を参照しながら各実施形態に共通の構成となる、インクジェットプリンター1の全体的な構成について概説する。インクジェットプリンター1は、装置底部に用紙給送装置2を備えており、この用紙給送装置2から被噴射媒体の一例としての記録用紙Pを送り出し、中間ローラー10にて湾曲反転させて、液体噴射手段としてのインクジェット記録ヘッド16の側へと給送し、記録を行う構成を備えている。
より詳しくは、用紙給送装置2は用紙カセット3と、ピックアップローラー7と、中間ローラー10と、リタードローラー11と、ガイドローラー12、13と、を備えている。用紙給送装置2に対して着脱可能な用紙カセット3に収容された記録用紙Pの先端と対向する位置には分離斜面5が設けられており、ピックアップローラー7により送り出される記録用紙Pの先端が分離斜面5に摺接しつつ下流側へ給送されることで、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の記録用紙Pとの予備的な分離が行われる。
用紙給送手段を構成するピックアップローラー7は、揺動軸6aを中心にして図1の時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能な揺動部材6に軸支されており、且つ、図示しない駆動モーターの動力によって回転駆動されるように設けられている。ピックアップローラー7は、用紙給送時には用紙カセット3に収容された記録用紙Pの最上位のものに接して回転することにより、最上位の記録用紙Pを用紙カセット3から送り出す。
次に、用紙カセット3から送り出された記録用紙Pは、湾曲反転区間に入る。この湾曲反転区間には、中間ローラー10と、リタードローラー11と、ガイドローラー12、13、のこれらローラーが設けられている。
中間ローラー10は、記録用紙Pを湾曲反転させる湾曲反転経路の内側を形成する大径ローラーであり、図示を省略する駆動モーターによって回転駆動される。そして図1の反時計回り方向に回転することにより、記録用紙Pを巻回しながら下流側へと搬送する。
リタードローラー11は所定の回転摩擦抵抗が付与された状態で中間ローラー10に対して圧接及び離間可能に設けられており、中間ローラー10との間で記録用紙Pをニップすることにより、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、これに連れられて重送されようとする次位以降の記録用紙Pとを分離する。
尚、この付近の用紙給送経路には図示を省略する用紙戻しレバーが設けられており、リタードローラー11によって進行が止められた次位以降の記録用紙Pは、この用紙戻しレバーによって用紙カセット3へと戻されるように構成されている。
ガイドローラー12、13は自由回転可能なローラーであり、そのうちガイドローラー13は中間ローラー10との間で用紙Pをニップすることにより、中間ローラー10による用紙送りを補助する。
以上が用紙給送装置2の構成であり、当該用紙給送装置2を備えたインクジェットプリンターは、更に中間ローラー10の下流側に、搬送駆動ローラー14と搬送従動ローラー15とを備えている。搬送駆動ローラー14は、図示を省略する駆動モーターにより回転駆動され、搬送従動ローラー15は、搬送駆動ローラー14との間で記録用紙Pをニップし、記録用紙Pの搬送に伴って従動回転する。
搬送駆動ローラー15の下流側領域は、記録用紙Pへ記録を実行する記録領域であり、液体噴射手段としてのインクジェット記録ヘッド16と、記録用紙Pを支持することにより記録用紙Pとインクジェット記録ヘッド16との間の距離を規定する、被噴射媒体支持手段としての支持部材17とが対向配置されている。
インクジェット記録ヘッド16はキャリッジ9の底部に搭載され、このキャリッジ9は用紙幅方向(第2方向:図1の紙面表裏方向)に延びるキャリッジガイド軸8によってガイドされながら、図示を省略するモーターにより用紙幅方向(第2方向)に往復動するように構成されている。そしてインクジェット記録ヘッド16の走査(キャリッジ9が移動しながらの、インクジェット記録ヘッド16からのインク吐出)と、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15による用紙搬送動作と、が交互に繰り返し実行されることで、記録用紙Pへの記録が完了する。
そしてインクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間(記録領域)において記録が行われた記録用紙Pは、図1において図示を省略する排出手段により、装置外部へと排出される。
<<本発明の基本的思想>>
以上がインクジェットプリンター1の大略構成であり、以下、本発明の基本的思想について図2を参照しながら説明する。尚、図2において符号16aはインクジェット記録ヘッド16において支持部材17と対向する第1の側を形成する、複数のインク吐出ノズル(図示省略)が形成された金属製のノズルプレートを示している。また符号17aは支持部材17に形成された、用紙搬送方向(第1方向:図2の紙面表裏方向)に延びるリブであり、当該リブ17aは用紙幅方向(第2方向:図2の左右方向)に適宜の間隔を空けて複数形成され、当該リブ17aによって記録用紙Pが支持される。
また符号Peは用紙端部(用紙幅方向における端部)を、符号dは用紙端Peに付着している紙粉等を示している。更に符号sはインクジェット記録ヘッド16から記録用紙Pに向けて吐出されたインク滴を示している。
そしてまた符号V1はノズルプレート16aと支持部材17(ノズルプレート16aと対向する面)との間の電位差を、符号V2はノズルプレート16aと記録用紙Pとの間の電位差を、符号V3は支持部材17(記録用紙Pと対向する面)と記録用紙Pとの間の電位差を、それぞれ示している。
本発明においては、記録用紙Pへの記録が開始されてから完了するまでの間、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15によって記録用紙Pの搬送が行われているとき、即ち紙粉等dが最も記録用紙Pから飛散し易いときはには、電位差V1がゼロとされる(以下ではこの状態を「同電位状態」という)。
また、記録用紙Pの搬送が行われていないときは、少なくとも適宜の期間、電位差V1がゼロ以外に(即ち、電位差が生じるように)設定される(以下ではこの状態を「電位差発生状態」と言う)。
即ち、記録用紙Pが搬送されているときに形成される同電位状態ではインクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間に電界が形成されない(無電界)状態となる。これにより紙粉等dが付着した記録用紙Pが無電界領域中に置かれることとなり、記録用紙Pに付着した紙粉等dにはインクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間の電界によるクーロン力が作用しない。従って紙粉等dが飛散・飛翔することが抑えられ、その多くが記録用紙Pに付着したそのままで、記録用紙Pとともに装置外部に排出される。従ってこれにより、インクジェット記録ヘッド16への紙粉等dの飛翔・付着を確実に防止することができる。
また、記録用紙Pの搬送が行われていないときに設定される電位差発生状態ではインクジェット記録ヘッド16と支持部材17との間に電界が形成されるので、インクジェット記録ヘッド16から噴射されたインク滴s(特に、ミストとなって浮遊するもの)に電界によるクーロン力が作用する。従ってインク滴sを記録用紙P或いは支持部材17に引き寄せることができ、インク滴sがミストとなって浮遊することに伴う問題を解消することができる。
尚、上記同電位状態において電位差V1とともに電位差V2もゼロに設定すると、記録用紙Pが完全な無電界領域中に置かれることとなり、記録用紙Pに付着した紙粉等dが、インクジェット記録ヘッド16に向けて飛翔し付着することをより確実に抑えることができる。
以上が、本発明の基本的思想である。
<<第1実施形態>>
以下、図3及び図4を参照しながら記録領域における帯電状態(第1実施形態)について説明する。図3及び図4において符号19は電位制御手段を示している。電位制御手段19はノズルプレート16a、支持部材17、記録用紙P、のこれらを同電位とする同電位状態(図3)と、これらの間に電位差を形成する電位差発生状態(図4)と、を切り替える手段である。
より具体的には、支持部材17においてノズルプレート16aと対向する面(リブ17aの間)には、電極板(例えば、幅20mm程度のSUS板)21が設けられており、この電極板21が、電源接続(例えば、1000V電源のマイナス端子)及びアース接続をスイッチにより切り換え可能に構成されている。尚、電極板21は、第1方向においては少なくともインクジェット記録ヘッド16をカバーする長さ、配置位置となる様、構成されている。
尚、本実施形態では電極板21を電源のマイナス端子に接続可能としているが、プラス端子に接続可能としても構わない。また、電位制御手段19において記録用紙Pと接する箇所は、例えば搬送駆動ローラー14を含む、記録領域より上流側のローラーを導電性材料により形成することで構成することができ、或いは導電性ブラシなどにより構成することができる。
また、ノズルプレート16aがアース接続されており、これによりノズルプレート16aは常に接地電位に維持される。
そして電位制御手段19は、記録用紙Pへの記録が開始されてから完了するまでの間、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15によって記録用紙Pの搬送が行われているときは、図3のアース接続を選択し、これによりノズルプレート16a、支持部材17、記録用紙P、のこれらが同電位(接地電位)となって、これらの間が無電界状態となる。
これにより、紙粉等dが最も飛散し易い記録用紙Pの搬送中は、紙粉等dに電界によるクーロン力が作用せず、インクジェット記録ヘッド16への紙粉等dの飛翔・付着を確実に防止することができる。
そして電位制御手段19は、記録用紙Pが搬送されていないときは、図4の電源接続を選択し、これによりノズルプレート16aと記録用紙Pとの間、およびノズルプレート16aと支持部材17との間に、電界が形成される。
図4において丸囲いされた符号「+」、「−」は帯電極性を示しており(図8において同様)、図4の例では電極板21にマイナスの電荷が表れ、そしてノズルプレート16aの側には静電誘導によりプラスの電荷が表れるので、インクジェット記録ヘッド16から吐出されたインク滴はプラスに帯電している。従ってインク滴は記録用紙Pの側に引き寄せられ、インク滴がミストとなって浮遊する問題を解消することができる。尚、図4では図の煩雑化を避けるため電気力線の図示は省略している(図8において同様)。
図5はキャリッジ動作及び用紙搬送動作に対する電位(電界)状態切り換えのタイミングを示しており、キャリッジ動作と用紙搬送動作とが交互に実行される記録動作の一部を示している。尚、キャリッジ動作の全時間を利用してインク吐出が行われるとは限らず、その一部分、例えばキャリッジ9の加速区間及び減速区間などではインク吐出が行われない場合もある。
図示するように、インク吐出が行われるときは電位差発生状態(電界形成)に設定されており、そして用紙搬送動作が開始される前に同電位状態(無電界)に切り替えられ、用紙搬送動作が終了した後に、電位差発生状態(電界形成)に切り替えられる。これにより、用紙搬送に伴って紙粉等が飛散することが確実に防止される。
尚、図5はキャリッジ動作と用紙搬送動作の重ね合わせが行われない例を示しているが、図6のようにキャリッジ動作と用紙搬送動作の重ね合わせを行うことも可能である。即ち、キャリッジ動作が完了する前に(例えば、キャリッジ停止前の減速動作中に)、用紙搬送動作を開始し、そして用紙搬送動作が完了する前に、キャリッジ動作を開始することにより、スループットの向上を図る例である(但し、用紙搬送動作とインク吐出動作の重ね合わせは行わない)。
この様にキャリッジ動作と用紙搬送動作の重ね合わせを行う場合でも、用紙搬送動作開始前に電位差発状態(電界形成)から同電位状態(無電界)に切り替えることができ、また用紙搬送動作終了後に同電位状態(無電界)から電位差発生状態(電界形成)に切り替えることができる。これにより、用紙搬送に伴って紙粉等が飛散することが確実に防止される。
<<第2実施形態>>
以下、本発明の第2実施形態について図7及び図8を参照しながら説明する。尚、既に説明した構成要素には同一符号を付してあり、以下ではその説明は省略することとする(以下に説明する他の実施形態でも同様)。
本実施形態において既に説明した第1実施形態と異なるのは、支持部材(符号17’で示す)が導電性(例えば、表面抵抗率が102〜108Ω/□程度)を備えていることに
より電極板21、及び記録用紙Pの電位制御手段19への接続部材が省略されている点である。
即ち、支持部材17’それ自体が導体であることから電極板21が不要となり、装置構成の簡易化及び低コスト化を図ることができる。支持部材17’としては、例えば樹脂に金属、炭素等の導電性材料を混入したものを用いることができる。尚、絶縁材料で形成した後に、表面に金属、炭素等の導電性材料を付着しても良い。
また、導電性を備えた支持部材17’のリブ17a’に記録用紙Pが接触しているため、記録用紙Pを電位制御手段19に接続する専用の部材が不要となり、構造簡単にして且つ低コストに支持部材17’と記録用紙Pとを同電位にすることができる。
その他は上記第1実施形態と同様であり、電位制御手段19は、記録用紙Pへの記録が開始されてから完了するまでの間、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15によって記録用紙Pの搬送が行われているときは、図7のアース接続を選択し、これによりノズルプレート16a、支持部材17、記録用紙P、のこれらが同電位(接地電位)となって、これらの間が無電界状態となる。
これにより、紙粉等dが最も飛散し易い記録用紙Pの搬送中は、紙粉等dに電界によるクーロン力が作用せず、インクジェット記録ヘッド16への紙粉等dの飛翔・付着を確実に防止することができる。
そして電位制御手段19は、記録用紙Pが搬送されていないときは、図8の電源接続を選択し、これによりノズルプレート16aと記録用紙Pとの間、およびノズルプレート16aと支持部材17との間に、電界が形成される。これにより、仮にインクミストが浮遊している場合にはこれが支持部材17’の側に引き寄せられ、浮遊しているインクミストを回収することができる。
<<その他のバリエーション>>
(1)電位制御手段
上記各実施形態において、ノズルプレート16a、記録用紙P、支持部材17、のこれらを同電位とする際に(無電界状態を形成する際に)、これらをアース接続しているが、同電位であれば無電界状態を形成できるため、アース接続に限られず、任意極性の任意の電圧を印加しても構わない。
尚、上記各実施形態では、記録用紙Pが搬送されているとき、ノズルプレート16a、記録用紙P、支持部材17、のこれらを同電位としているが、例えばノズルプレート16aと支持部材17との間のみを同電位とし、記録用紙Pについては電位コントロールしない(フローティング)構成としても、所定の紙粉等付着防止効果(ノズルプレートへの紙粉等付着防止効果)を得ることができる。
尚、図5及び図6において電位制御手段がノズルプレート16a、記録用紙P、支持部材17、のこれらの間に電位差(電界)を形成する期間は、上述の通り記録用紙Pの搬送が行われていないときであるが、この電界形成期間は、少なくとも記録用紙Pの搬送が行われていないときの適宜の期間であれば良い。即ち、記録用紙Pの搬送が行われていないときの全期間を利用して電界を形成しても良いし、一部期間を利用して電界を形成しても良い。また、記録開始前後の期間を利用して電界を形成しても良い。
(2)インクジェット記録ヘッド
上記各実施形態において、ノズルプレート16aの表面に撥水膜を設けることもできる。ここで、導電性の撥水膜を用いれば、撥水膜の帯電を抑制でき、ノズルプレート16aに紙粉等が付着することを抑制することができるとともに、ノズルプレート側の電位を確実に制御できる。
また、絶縁性の撥水膜を用いれば、SUS等の金属で形成されたノズルプレート16aの鏡像力(ノズルプレートに電荷を持った紙粉等が近づくと、ノズルプレート側にそれと反対の電荷が表れ、互いに引きつけあう現象)を軽減でき、ノズルプレート近傍に舞い上がった紙粉等がノズルプレート16aに引き寄せられることを防止できる。
尚、電位を与える(コントロールする)位置は、インクジェット記録ヘッド16において最も支持部材17側、即ちノズルプレート16aが好ましく、より具体的には支持部材17と対向する面であるノズル面であることが好ましい。これにより、記録用紙Pに最も近接しているノズル面の電位が制御されるので、周囲からの回り込み電界を抑制することができるとともに、ノズル面への紙粉等の付着を効果的に防止できる。尚これは支持部材17側でも同様であり、電位コントロールする所定部位はノズルプレート16aと対向する面であることが好ましい。また、上記各実施形態のようにインクジェット記録ヘッド16側の電位を切り替えず、支持部材17及び記録用紙P側の電位を切り替える構成であれば、インクジェット記録ヘッド16の信頼性を向上させることができる。
(3)電極板
上記各実施形態において、電極板21の上面に(第1実施形態)、或いは支持部材17’のリブ17a’の間に(第2実施形態)、インク吸収材(図示せず)を設けることもできる。このインク吸収材により、記録用紙Pから外れた領域(例えば、インクを空吐出するフラッシング時や縁無し印刷時など)にインク滴が吐出されても、これを確実にキャッチすることができ、ミスト浮遊の問題を解消することができる。
このようなインク吸収材は、例えば表面抵抗率が102〜108Ω/□(例えば、10
5Ω/□程度)の導電性を有するように形成することができる。具体的には、ポリエチレ
ン、ポリウレタン等の樹脂に金属、炭素等の導電性材料を混入した上で発泡させたもの、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂発泡材に金属、炭素等の導電性材料を付着させたもの、または、メッキしたもの等を用いることができる。また、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂発泡材に電解質溶液を含浸させたものを用いることもできる。この様にインク吸収材に導電性を持たせることで、インク吸収材の最表面(ノズルプレート側最表面)の電位を確実にコントロールできる。また、電極板21に代えて、この様な導電性インク吸収材を用いることもできる。
また、上記第1実施形態では、用紙幅方向において電極板21をリブ17aの間に設けているが、用紙幅方向において用紙端部領域、即ち紙粉等の付着が最も顕著な領域にのみ電極板21を設けても良い(例えば、図3において最も左側の電極板21のみ)。この場合において、或るサイズの記録用紙(例えば、A4サイズ)の端部に対応する位置にのみ電極板21を設けるほか、複数のサイズの記録用紙に対応するべく、複数のサイズの記録用紙端部に対応する領域に電極板21を設けることもできる。尚、考慮する用紙端部領域の幅は、紙粉等dの付着状況に応じて適宜調整することができ、例えば最も付着の著しい用紙端から内側の2mm程度に設定することができ、或いはそれよりも多少のマージンを設けた範囲(例えば、用紙端から内側の2〜5mm程度の領域)に設定することができ、即ち紙粉等dの付着の程度に応じて適宜調整することができる。そして電極版21は、この様な用紙端部領域をカバーする幅、配置位置となる様に構成する。
(4)記録用紙の接地手段
また上記各実施形態において、記録用紙Pのアース接続は、種々の手段で行うことができ、例えば任意の場所にアース接続された導電性ブラシを配置して記録用紙Pに接触させることもできる。また、用紙搬送経路上に配置される各ローラーを介してアース接続することもできる。
(5)インク滴への電荷付与
上記実施形態では、インク滴はノズルプレート16aを介した誘導電荷によって帯電する。しかしインクを収容するインク収容室(例えば、インクカートリッジなど)からノズルプレート16aに至るインク流路における任意の場所でインク滴に電荷を付与するようにしても良い。例えば、インク収容室の内壁の一部、或いは全部を導電性部材で構成し、当該内壁を介してインクに電荷を付与するようにしても良い。
尚、液体としてのインクに支持部材17側(或いは記録用紙)と同じ電位を与えることで、インクジェット記録ヘッド16と支持部材17(或いは記録用紙)との間の電界を極めて弱くすることができ、ノズルプレート16aへの紙粉付着防止対策を構成することができる。即ち、例えばノズルプレート16aは金属などの導体に限らず、シリコン、アクリル、ポリイミドなどの誘電体で形成することもできる。この場合、ヘッド内部のインクの電位をコントロールしないと、ヘッド内部のインクと支持部材17との間の電位差による電界が紙粉に強い影響を与え、紙粉がノズルプレート16a側に飛翔する場合がある。しかしながらヘッド内部のインクに支持部材17側と同じ電位を与えることで、この様な問題を解消することができる。
また、ノズルプレート16aを誘電体で形成する場合、ヘッド内部のインクに電位を与える構成として、ノズルプレートにおけるインク流路部分(インクと接する部位)のみを導電性部材で構成し、この導電性部材を介してインクに電位を与えることも可能である。例えば、ノズルプレートが積層構造をとる場合、その全ての層においてインク流路部分を導電性部材で構成しても良いし、その内の少なくとも一層についてインク流路部分を導電性部材で構成しても良い。
(6)支持部材における電極板配置領域以外の領域が形成する電界を考慮した構成
上記各実施形態において、支持部材17における電極板配置領域以外の領域が形成する電界を考慮した構成とすることで、より確実に紙粉等の飛散・飛翔を防止することができる。以下、これを図9を参照しながら説明する。尚、図9は図3および図4に示した第1実施形態の変形例である。
ここで、図9において、点R1は電極板21において用紙端部に対応する位置(用紙端部から支持部材17に向かって垂線を引いたときの支持部材17の位置)Qeより用紙内側(図9において右側)の末端位置を示し、点R2はノズルプレート16aにおいて用紙端部に対応する位置Qeより用紙外側(図9において左側)の末端位置を示している。また、符号E1で示すラインは点R1と点R2とを結ぶラインを示している。
例えば図9において、支持部材17における、電極板21より用紙内側(図9において右側)は、樹脂材料で形成された領域であるため、ラインE1より用紙内側(図9において右側)の領域では、支持部材17とノズルプレート16aとの間で電界が形成される虞がある。即ち、紙粉等dの付着した用紙端部領域が電極板21とノズルプレート16aとの間に挟まれていても、上記の様な電界が生じるため、この様な電界中に用紙端部領域が入り込むと、用紙端部領域に付着した紙粉等dがノズルプレート16aに向けて飛散・飛翔する虞がある。
しかしながら、ラインE1が用紙端部領域より用紙内側(図9において右側)に位置する様に、即ちラインE1が用紙と交わる様に構成することで、用紙端部領域を確実に無電界状態中に置くことができる。これにより、用紙端部領域に付着した紙粉等dがノズルプレート16aに向けて飛散・飛翔することを確実に防止することができる。尚、この様な構成は、電極板21の幅、配置や、搬送駆動ローラー14及び搬送従動ローラー15によって記録用紙Pの搬送を行う際のインクジェット記録ヘッド16の停止位置などを調整することで実現可能となる。
尚、本実施形態では用紙端部から内側に距離wの領域に対して、ラインE1が用紙内側を通るように構成しているが、少なくとも用紙端部(エッジ)より内側にラインE1が通ように構成されていれば、上述した紙粉等dの飛散防止を或る程度得ることができる。また、距離wは、紙粉等dの付着の程度を考慮して、例えば最も紙粉等dの付着の著しい2mm程度に設定することができ、或いはそれよりも多少のマージンを設けた範囲(例えば、w=2〜5mm程度)に設定することができ、即ち紙粉等dの付着の程度に応じて適宜調整することができる。
尚、上記各実施形態では、用紙Pの一方側端部および他方側端部の双方に対し本発明の構成を適用しているが、本発明はこの様な構成に限られるものではなく、用紙Pの一方側端部領域にのみ本発明の構成が適用される場合でも、当該一方側端部領域においてその作用効果が得られることは言うまでもない。
1 インクジェットプリンター、2 給送装置、3 用紙カセット、5 分離斜面、6 揺動部材、7 ピックアップローラー、8 キャリッジガイド軸、9 キャリッジ、10
中間ローラー、11 リタードローラー、12、13 ガイドローラー、14 搬送駆動ローラー、15 搬送従動ローラー、16 インクジェット記録ヘッド、16a ノズルプレート、17 案内部材、17a リブ、18 上部案内部材、19 電位制御手段、21 電極板、P 記録用紙

Claims (6)

  1. 被噴射媒体を搬送する被噴射媒体搬送手段と、
    被噴射媒体の搬送方向である第1方向と直交する第2方向に移動しながら被噴射媒体に液体を噴射する液体噴射手段と、
    前記液体噴射手段と対向配置される、被噴射媒体を支持する被噴射媒体支持手段と、を備え、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送と前記液体噴射手段による液体噴射とを交互に繰り返し実行することにより被噴射媒体への液体噴射を完了させる液体噴射装置であって、
    前記液体噴射手段側の所定部位と前記被噴射媒体支持手段側の所定部位とを同電位とする同電位状態、および両者の間に電位差を生じさせる電位差発生状態と、を切り替え可能な電位制御手段を備え、
    前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われているときは、前記電位制御手段が前記同電位状態を形成し、
    前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われていないときは、少なくとも適宜の期間、前記電位制御手段が前記電位差発生状態を形成し、
    前記被噴射媒体支持手段側の所定部位の、被噴射媒体の端部領域に対応する領域は、前記第2方向における被噴射媒体の少なくとも一方側端部に対応する位置を含み、当該位置より被噴射媒体の外側及び内側に延びており、
    前記電位制御手段が前記同電位状態を形成する際、前記第2方向における被噴射媒体の少なくとも前記一方側端部の側において、前記被噴射媒体支持手段側の所定部位の、被噴射媒体の端部領域に対応する領域における、被噴射媒体の端部より内側の末端位置と、前記液体噴射手段の所定部位における、被噴射媒体の端部より外側の末端位置と、を結ぶラインが被噴射媒体と交わる様に構成されている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、前記電位制御手段は、前記同電位状態において被噴射媒体と前記液体噴射手段側の所定部位とを同電位とする、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置において、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が開始される前に、前記電位差発生状態から前記同電位状態に切り替える、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記電位制御手段は、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が終了した後に、前記同電位状態から前記電位差発生状態に切り替える、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記電位制御手段は、被噴射媒体の搬送方向である第1方向と直交する第2方向における被噴射媒体の端部領域において、前記同電位状態と前記電位差発生状態とを切り換え、
    前記端部領域を除く領域では、前記被噴射媒体搬送手段による被噴射媒体の搬送が行われていないときに、前記液体噴射手段と前記被噴射媒体支持手段との間に電位差が形成されるように構成されている、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記液体噴射手段側の所定部位は、前記被噴射媒体支持手段と対向する面であり、
    前記被噴射媒体支持手段側の所定部位は、前記液体噴射手段と対向する面である、ことを特徴とする液体噴射装置。
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