(第1実施形態)
以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第1実施形態を、図1〜図15を用いて説明する。
図1に示すように、液体噴射装置の一例であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター11」と称す。)には、本体12の背面側に媒体の一例としての用紙P(シート)を給送する自動給紙装置13(Auto Sheet Feeder)が装備されている。自動給紙装置13は、給紙トレイ14、ホッパー15及びエッジガイド16を有する用紙ガイド17を備え、用紙ガイド17にセットされた用紙を1枚ずつ本体12内に給送する。左右一対のエッジガイド16は、給紙トレイ14の幅方向中央位置を中心として用紙Pを幅方向にガイドする。
また、本体12内にはキャリッジ18がその移動経路に沿った移動方向X(主走査方向)に往復動可能な状態に設けられ、このキャリッジ18の下部には液体噴射ヘッド19が取着されている。プリンター11は、キャリッジ18を移動方向Xに移動させる過程で液体噴射ヘッド19から用紙Pの表面にインク滴を噴射する記録動作と、用紙Pを移動方向Xと交差する搬送方向Y(副走査方向)に要求された搬送量で搬送する紙送り動作とを略交互に繰り返し、与えられた印刷データに基づく画像や文書などを用紙Pに印刷する。印刷後の用紙Pは本体12の前側下部に開口する排紙口12Aから排出される。
また、本体12の上面端部には、操作パネル20が設けられている。操作パネル20は、液晶表示パネル等からなる表示部21と、操作スイッチ22が設けられている。操作スイッチ22には、電源スイッチ23、印刷開始スイッチ24、キャンセルスイッチ25等が設けられている。なお、表示部21をタッチパネルとしてもよい。
次にプリンター11の内部構成について説明する。図2に示すように、プリンター11は、上側と前側が開口する略四角箱状の本体フレーム30を有し、この本体フレーム30の図2における左右の側壁間に架設されたガイド軸31には、キャリッジ18が主走査方向Xに往復移動可能な状態で取り付けられている。本体フレーム30の背板内面に取着された一対のプーリー33には無端状のタイミングベルト34が巻き掛けられており、キャリッジ18はタイミングベルト34の一部に固定されている。図2における右側のプーリー33にはキャリッジモーター35の駆動軸(出力軸)が連結されており、キャリッジモーター35が正逆転駆動されてタイミングベルト34が正転・逆転することにより、キャリッジ18は移動方向X(主走査方向)に往復移動する。
キャリッジ18の上部には、各色のインク(例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色)がそれぞれ収容された複数個(例えば4個)のインクカートリッジ37が装填されている。各インクカートリッジ37から供給されたインクは、液体噴射ヘッド19にインク色と同数列(本例では4列)形成された対応するノズル列NA(図5参照)の各ノズルからそれぞれ噴射される。また、キャリッジ18の移動経路の下方位置には、液体噴射ヘッド19と用紙Pとの間隔(ギャップ)を規定する支持部の一例としての支持台38が主走査方向Xに延びるように設けられている。なお、液体噴射ヘッド19が噴射可能なインク色は4色に限らず、1色、3色、5〜8色でもよい。
また、キャリッジ18の背面側には、キャリッジ18の移動量に比例する数のパルスを出力するリニアエンコーダー39がガイド軸31に沿って延びるように設けられている。プリンター11ではリニアエンコーダー39から出力されるパルス信号に基づいてキャリッジ18の位置制御及び速度制御が行われる。
また、本体フレーム30の図2における右側下部には、搬送モーター41が配設されている。搬送モーター41の動力により不図示の給紙ローラーが駆動されることにより給紙トレイ14(図1参照)にセットされた用紙Pが1枚ずつ給送される。搬送方向Yに支持台38を挟んだその上流側と下流側には、それぞれ搬送ローラー対43と排出ローラー対44とが配置されている。各ローラー対43,44は、搬送モーター41の動力で回転する駆動ローラー43a,44aと、駆動ローラー43aの回転に連れ回りする従動ローラー43b,44bとからなる。搬送モーター41が駆動されることで、用紙Pは両ローラー対43,44に挟持(ニップ)された状態で搬送方向Y(副走査方向)に搬送される。
図2においてキャリッジ18の移動経路上の一端位置(図2では右端位置)が、キャリッジ18が非印刷時に待機するホーム位置となっている。ホーム位置に配置されたキャリッジ18の直下には、液体噴射ヘッド19に対してクリーニング等のメンテナンスを行うメンテナンス装置45が配設されている。本実施形態では、搬送モーター41がメンテナンス装置45の動力源ともなっている。また、キャリッジ18には、用紙Pの幅方向(移動方向X)における両側の端部(エッジ)を検出する光学式センサーの一例としての紙幅センサー48が設けられている。
図5はキャリッジの底面を示す。キャリッジ18の底面略中央位置に取り付けられた液体噴射ヘッド19のノズル形成面19aには、キャリッジ18がプリンター11に組み付けられた状態における搬送方向Yに多数個のノズルNzが一定ピッチで配列されてなるノズル列NAが移動方向Xに所定の間隔をおいて複数列配列されている。ノズル列NAを構成する各ノズルNzからは、対応するインクカートリッジ37から供給されるインクが噴射される。また、紙幅センサー48は、キャリッジ18の底面において液体噴射ヘッド19よりも搬送方向Y上流側の位置に取り付けられている。
次にプリンター11の電気的構成を図3に基づいて説明する。図3に示すプリンター11は、その全体的な制御を司る制御部50を備える。制御部50は、例えばコンピューター(マイクロコンピューター)により構成され、CPU51(中央処理装置)、ROM52、RAM53及び不揮発性メモリー54を備える。ROM52には、各種のプログラムが記憶されている。不揮発性メモリー54には、一部のプログラム及び各種のプログラムを実行する際の設定データなどが記憶され、電源をオフしても記憶内容が保持される。CPU51は、ROM52及び不揮発性メモリー54に記憶されたプログラムを実行することで、プリンター11の印刷動作などを制御する。なお、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))を追加し、液体噴射ヘッド19の駆動制御に必要なデータ処理などをASICに行わせてもよい。
制御部50は、印刷データに基づいて駆動回路55を介して液体噴射ヘッド19を駆動制御し、液体噴射ヘッド19からインクを噴射させる。また、制御部50は、駆動回路56を介してキャリッジモーター35を駆動制御し、キャリッジ18を移動方向Xに往復移動させる。さらに制御部50は、駆動回路57を介して搬送モーター41を駆動制御し、用紙Pを搬送方向Yに搬送させる。また、制御部50は、リニアエンコーダー39から入力するパルス信号に基づいてホーム位置を原点とするキャリッジ18の移動方向Xにおける位置(キャリッジ位置)を検出する。詳しくは、制御部50は、キャリッジ18がホーム位置にあるときを原点として、リニアエンコーダー39から入力するパルス信号のパルスエッジの数を計数するカウンターを備え、キャリッジ18の往動時にカウンターの計数値をインクリメント、キャリッジ18の復動時に計数値をデクリメントする。このため、カウンターの計数値は、キャリッジ18の移動方向Xにおける位置(キャリッジ位置)を示す。
また、制御部50に接続された紙幅センサー48は、光を支持台38側(鉛直方向下側)へ照射する発光部58と、発光部58から照射された光の反射光を受光する受光部59とを備える。制御部50は、発光部58の発光を制御するとともに、受光部59からその受光量に応じた出力電圧を入力する。また、制御部50は受光部59の感度を設定する感度設定回路60と接続されており、感度設定回路60における感度設定値の変更により受光部59の感度を調整する。
図3(b)は、CPU51がROM52又は不揮発性メモリー54から読み出したプログラムを実行することにより機能する機能構成を示す。制御部50は、CPU51がプログラムを実行することにより機能する機能部として、端部検出処理部61及び感度設定部の一例としての感度設定処理部62を備える。
端部検出処理部61は、受光部59から入力した出力電圧に基づいて用紙Pの幅方向における端部の位置を検出する。すなわち、端部検出処理部61は、紙幅センサー48の出力電圧と閾値とを比較し、出力電圧が閾値を横切ったことをもって用紙Pの端部を検出し、その検出時の紙幅センサー48の位置を用紙Pの端部位置(エッジ位置)として取得する。詳しくは、リニアエンコーダー39のパルス信号に基づき把握されるキャリッジ18の移動方向Xにおける位置(キャリッジ位置)と、そのキャリッジ位置と紙幅センサー48の位置との移動方向Xにおける既知の距離とに基づいて紙幅センサー48の位置を把握する。端部検出処理部61は、紙幅センサー48の出力電圧が閾値を横切ったことをもって用紙Pの端部を検出すると、キャリッジ18の位置を計数するカウンターの計数値と前記既知の距離(カウンター換算値)とに基づき、そのときの紙幅センサー48の位置、つまり用紙Pの端部検出位置Xd(エッジ検出位置)を取得する。そして、端部検出処理部61は、端部検出位置Xdを補正量dxで補正して端部位置Xe(エッジ位置)を取得する(Xe=Xd+dx)。
感度設定処理部62は、感度設定回路60に設定値に応じた制御信号を印加し、受光部59の感度を設定する。感度設定処理部62は、紙幅センサー48がインクミストや紙粉等の浮遊物の付着などに起因して汚れ、端位置検出精度が許容範囲を超えて低下したと判断した場合に、感度設定回路60の設定値を変更して受光部59の感度を高く変更する。
図4は支持台及びキャリッジを示す。支持台38には、搬送方向Yの上流側に位置する上流側支持面71と、上流側支持面71に対して搬送方向Yの下流側に位置する下流側支持面72とが形成されている。上流側支持面71には、鉛直方向上側(図4の紙面手前側)に突出し、かつ搬送方向Yに延びる上流側リブ73が形成されている。また、下流側支持面72には、鉛直方向上側に突出し、かつ搬送方向Yに延びる下流側リブ74が形成されている。上流側リブ73と下流側リブ74とは、搬送される用紙Pを鉛直方向下側から支持し、図2に示す用紙Pは、上流側リブ73と下流側リブ74に沿って搬送される。
図4に示すように、上流側支持面71において上流側リブ73以外の部分には、上流側リブ73の上端面よりも低い底面を有する溝部71aが形成されている。また、下流側支持面72において下流側リブ74以外の部分には、下流側リブ74の上端面よりも低い底面を有する溝部72aが形成されている。
図4では、キャリッジ18が位置する右端位置がホーム位置となっている。また、キャリッジ18の移動方向Xにおいて液体噴射ヘッド19が印刷のためインク滴を噴射可能な最大エリアである液体噴射領域PA(印刷領域)は、図4に二点鎖線で示すように下流側支持面72上に位置する。
上流側支持面71において液体噴射領域PAよりも移動方向Xの外側(反ホーム位置側)となる位置には基準反射面75が形成されている。基準反射面75は、発光部58から照射されて反射した反射光を受光した受光部59の出力電圧の値から紙幅センサー48の汚れ量を調べる際の基準となる反射面であり、液体噴射ヘッド19のノズル形成面19aと平行な平坦な鏡面に仕上げられている。基準反射面75の面方向は発光部58の照射方向(鉛直下方向)と直交している。
上流側支持面71の反ホーム位置側の端部には、基準反射面75を覆うカバーユニット80が設けられている。カバーユニット80は、基準反射面75を含む所定エリアを包囲する状態に組み付けられたカバー本体81と、カバー本体81の上面側に開口する四角状の窓部81aを開閉するカバー部82(シャッター部)と、カバー部82と連結されてカバー部82を開閉方向に移動させる操作に用いられる被係合部の一例としてのレバー部83とを備える。カバー部82は、基準反射面75を覆う閉位置と、基準反射面75を窓部81aから露出させる開位置とにスライド可能となっている。紙幅センサー48の汚れの程度(汚れ度)を調べる場合、基準反射面75の反射率が変動する要因を排除する必要がある。そこで、基準反射面75をカバーユニット80で覆い、紙幅センサー48の汚れ度を調べる使用時のみカバー部82を開けて基準反射面75を露出させるようにしている。本実施形態では、基準反射面75で反射した光を受光した紙幅センサー48の出力電圧(基準面電圧)を基に求めた紙幅センサー48の汚れ度を示す判定値が、予め決められた感度切替条件を満たす度に、紙幅センサー48の感度を段階的に高くするように切り替える。ここで、汚れ度は、紙幅センサー48の汚れに起因する劣化の程度(検出感度の低下の程度)を示すものであり、汚れ度の測定は検出感度の測定に相当する。
図4に示すカバーユニット80において鉛直方向上側へ突出するレバー部83は、反ホーム位置へ向かって移動するキャリッジ18が、紙幅センサー48が基準反射面75に対向可能な設定位置に到達する手前でキャリッジ18と係合可能な位置に配置されている。このため、ホーム位置側から移動を開始したキャリッジ18は、反ホーム位置側の設定位置に到達する手前でレバー部83に係合し、レバー部83をカバー部82の開方向へ押し込む。そして、キャリッジ18が設定位置に停止すると、このレバー部83の押し込み動作によりカバー部82が閉位置から開位置へスライドし、紙幅センサー48の下方にはカバー部82が開いた窓部81aを介して露出した基準反射面75が対向して位置する。カバーユニット80の構成の詳細については後述する。
基準反射面75は、支持台38において液体噴射領域PA(印刷領域)が位置する下流側支持面72よりも搬送方向Yの上流側に位置する上流側支持面71の端部に配置されているので、液体噴射領域PAの搬送方向と移動方向X共に外側に位置する。このため、基準反射面75を覆うカバーユニット80の表面へのインクミストの付着が比較的抑えられる。このため、カバー部82を開いたときにインクミストの堆積乾燥物や紙粉の堆積物などの小片が窓部81aを介して落下し、基準反射面75を汚損する事態が回避される。
図4に示すように、リニアエンコーダー39は、移動方向Xに多数のスリット(図示省略)が一定ピッチで形成されたリニアスケール39aと、リニアスケール39aに沿って移動できるようにキャリッジ18に取り付けられたセンサー39bとを備えている。センサー39bは発光部と受光部とを備え、発光部から照射されてリニアスケール39aのスリットを通過した光を受光した受光部はキャリッジ18の移動距離に比例するパルス数のパルス信号を出力する。
図1に示す一対のエッジガイド16により幅方向に位置決めされた用紙Pは、その幅中心が搬送経路の幅方向中央位置を通るように給送される。そのため、図4の支持台38上に搬送されたときの用紙Pの幅方向における両側の端部の位置(エッジ位置)は、用紙Pの幅ごとに定まる。本実施形態では、規定サイズの用紙Pについてはその幅方向両端位置が、溝部71aに対向して位置するように、各上流側リブ73の移動方向Xにおける位置が設定されている。このため、支持台38上に搬送された用紙Pの幅方向の両端部はいつも溝部71aに対向して位置する。
図6に示すように、溝部71aの底面は、比較的細かな波状の面に形成されており、発光部58から溝部71aへ略垂直に照射された光が乱反射し易くなっている。このため、溝部71aで反射した光の受光部59による受光量が少なくなり、その出力電圧が相対的に大きくなる。また、用紙Pからの反射光を受光した受光部59の出力電圧は相対的に小さくなる。本実施形態では、発光部58から照射された光の反射面が、溝部71aであるときの受光部59の出力電圧と、その反射面が用紙Pであるときの受光部59の出力電圧との間に閾値を設定している。そして、受光部59の出力電圧が閾値を横切ることをもって用紙Pの幅方向の端部が検出される。そして、その用紙Pの端部が検出された時点の紙幅センサー48の位置から用紙Pの幅方向における端部位置(エッジ位置)が検出される。さらに端部検出処理部61(図3参照)は、用紙Pの端部位置を補正量で補正して用紙Pの端部位置を取得する。このように用紙Pの端部位置の検出処理は、端部検出処理部61により行われる。
図7に示すように、キャリッジ18において支持台38と対向する側(下面側)に固定された紙幅センサー48は、発光部58と受光部59とが隣合う比較的接近した状態で取り付けられている。発光部58と受光部59の各光軸間の距離は非常に短く、発光部58から鉛直下方向に照射された光は、その光照射対象物の反射面RPで反射し、ほぼ鉛直上方向へ反射した反射光が受光部59によって受光される。図7では照射光と反射光との各光路を、模式的に斜めに延びる一点鎖線で示しているが、実際の照射光と反射光は集光レンズにより集光された略鉛直方向に延びる円柱状の光として近似できる。なお、光照射対象物の反射面RPには、用紙Pの表面、溝部71a、基準反射面75などがある。
次に感度設定回路60の回路構成を図8に基づいて説明する。図8に示すように、発光部58である発光ダイオードLDのカソードは接地され、発光ダイオードLDのアノードは抵抗R1の一端部と接続され、抵抗R1の他端部には電源電圧Vccが印加される。
受光部59であるフォトトランジスターPTが受光すると、フォトトランジスターPTのコレクターとエミッター間には光電流Icが流れ、フォトトランジスターPTのコレクターと接続された端子部77には、出力電圧Voが検出される。
フォトトランジスターPTのエミッターは接地され、フォトトランジスターPTのコレクターは抵抗R2の一端部と接続され、抵抗R2の他端部には電源電圧Vccが印加される。また、フォトトランジスターPTのコレクターは抵抗R3の一端部と接続され、抵抗R3の他端部にはトランジスターT1のコレクターが接続されている。
トランジスターT1のエミッターには電源電圧Vccが印加され、トランジスターT1のベースは抵抗R4の一端部と接続され、抵抗R4の他端部には電源電圧Vccが印加される。
端子部78はトランジスターT1のベースと接続されている。CPU51は、端子部78を介してトランジスターT1のベースに制御信号を印加し、トランジスターT1のコレクターとエミッター間を導通状態と非導通状態との間でスイッチング動作させる。トランジスターT1のコレクターとエミッター間が導通状態であると、フォトトランジスターPTのコレクターには、抵抗R2と抵抗R3とを介して電流が流れる。トランジスターT1のコレクターとエミッター間が非導通状態であると、フォトトランジスターPTのコレクターには、抵抗R2のみを介して電流が流れる。
感度設定回路60は、抵抗R2,R3,R4と、トランジスターT1を含んで構成される。図3に示す感度設定処理部62(CPU51)が端子部78を介して感度設定回路60内のトランジスターT1のベースに設定値に応じた制御信号を印加することにより、フォトトランジスターPTからなる受光部59の感度を設定する。制御信号としては例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号を使用し、感度設定処理部62は、制御部50内の不図示のPWM発生回路に出力させるPWM信号の周期に対するパルス幅の比であるディーティ比を設定値の変更により切り替え、受光部59の感度を複数段階(例えば3段階)に切り替える。また、本実施形態では、発光部58の発光量を設定する発光量設定回路(図示せず)も備えられ、受光部59の感度が最終段の最も高い感度に切り替えられた後、その感度でも許容限界に達すると、次に発光部58の発光量を段階的に増やすことにより、用紙Pの端部を検出しうる汚れ度の範囲を広くしている。なお、発光部58の発光量と受光部59の感度の各切り替え段数は、適宜設定でき、例えば2段切替えあるいは4段以上の複数段切替えとしてもよい。さらに感度設定回路60内の抵抗の抵抗値を連続的に変化させられる構成とし、受光部59の感度を連続的に変化させてもよい。
図9に示すように、カバー本体81は、支持台38の下流側支持面72と対向する底部が開放された扁平な略四角箱形状を有する。カバー部82とレバー部83は、カバー本体81の内側をキャリッジの移動方向X(図9では左右方向)に沿ってスライド可能な断面L字状のスライダー84の移動方向X両端部にそれぞれ形成されている。
図9(a)に示す閉位置にカバー部82が配置されたときのレバー部83は、カバー本体81の移動方向Xに窓部81aと反対側となる端部に凹設された四角状の切欠部81bに挿入された状態にガイドされる。レバー部83はキャリッジ18の移動経路上に位置し、キャリッジ18と係合可能な高さまで上方に突出している。図9(a)に示す閉位置にあるレバー部83をキャリッジ18が図9における左方向へ押し込んでスライダー84を移動させることで、カバー部82は図9(b)に示す開位置に配置される。このカバー部82の開位置では窓部81aが開き、基準反射面75(図4、図6、図10を参照)が露出する。
図10及び図11に示すように、カバー本体81の上壁部裏面側には、一対のガイドレール部85が移動方向Xに沿って延びるように形成されている。スライダー84は一対のガイドレール部85に案内されて移動方向Xへのスライドが可能となっている。また、図10に示すように、カバー本体81の上壁部裏面とスライダー84の下面からそれぞれ下方へ突出した一対の掛止部86,87には、付勢部の一例としてのコイルばね88の両端部がそれぞれ掛止され、このコイルばね88によりスライダー84はカバー部82を閉じる方向へ付勢されている。図11に示すように、コイルばね88は、窓部81aと対応する領域を回避しその送方向Y両側に2本設けられている。このため、キャリッジ18が図10(b)に示す設定位置からホーム位置側に退避すると、コイルばね88の付勢力によりスライダー84は同図の右方向へ移動し、カバー部82が閉じられる。
次に紙幅センサー48の汚れ度が高くなったときに行われる感度切替えについて図12を用いて説明する。図12(a)は、用紙Pが支持台38(詳しくは上流側支持面71)を覆う位置まで搬送された状態で、キャリッジ18が移動方向Xに移動して紙幅センサー48によって用紙Pの端部を検出する場合の例を示す。図12(a)に示すグラフは、紙幅センサー48の移動方向Xにおける位置x(以下、「センサー位置x」ともいう。)と、受光部59の出力電圧Voとの関係を示す。このグラフにおいて、実線で示すグラフ線は、紙幅センサー48が汚れる前の初期段階におけるセンサー位置xと出力電圧Voとの関係を示し、破線で示すグラフ線は、紙幅センサー48が初期状態から汚れ、その感度が感度許容限界に達するほどの汚れ度になった時点におけるセンサー位置xと出力電圧Voとの関係を示す。
また、図12(b)〜図12(d)は、用紙Pの端部位置検出を行う際に受光部59に受光される前に溝部71a又は用紙Pで反射した円柱状の反射光RLの様子を示したものである。これらの図では反射光RLのうち、溝部71aで反射した光量の少ない暗部領域を濃灰色で示し、用紙Pの表面で反射した光量の多い明部領域を白色で示している。ここで、図12(b)は、初期の第1感度で紙幅センサー48が汚れる前の初期状態のときを示し、図12(c)は、紙幅センサー48の汚れ度が第1感度の許容限界に達したときを示す。また、図12(d)は、第1感度から次の第2感度に切り替えたときの状態を示す。なお、図12(b)〜(d)では、用紙Pの端部は端部検出位置を示し、図12(a)に示す実際の用紙Pの端部より少し内側へずれて描いている。
図12(b)において用紙Pの外側を検出対象としているとき(反射光RLが濃灰色のとき)、溝部71aによって反射された光量の少ない反射光RLを受光した受光部59からは高い出力電圧VH1が出力される。そして、反射光RLのうち用紙Pによって反射された領域が半分を占めることになると、出力電圧Voが出力電圧VH1の1/2の閾値VS1を下回ることになって用紙Pの第1端部(図12(b)における左側端)が検出される。また、用紙Pを検出対象としている区間では、用紙Pの表面で反射した光量の多い反射光RLを受光した受光部59から閾値VS1よりも十分小さな出力電圧VP(用紙電圧)が出力される。そして、反射光RLのうち用紙Pによって反射された領域が半分を占めることになると、出力電圧Voが閾値VS1を上回ることになって用紙Pの第2端部(図12(b)における右端部)が検出される。
その後、紙幅センサー48の汚れ度が高くなると、反射光RLの光量が相対的に少なくなる。このため、図12(c)に示すように、反射光RLのうち用紙Pによって反射された領域が半分を占めることになっても、出力電圧Voが閾値VS2を下回らず、8割近く占めることになってはじめて、図12(a)における破線で示すように出力電圧Voが閾値VS2を下回ることになる。このため、紙幅センサー48の汚れが進むと、用紙Pの端部を検出した位置が用紙Pの幅方向(つまり移動方向X)の内側へシフトする。このシフトした量が紙幅センサー48の汚れ度の違いによる検出誤差となる。
用紙Pの端部を検出した端部検出位置と、用紙Pの実際の端部の位置との間には位置ずれ量が存在する。そして、位置ずれ量は、紙幅センサー48の汚れ度に応じて変化する。本実施形態では、用紙Pの端部検出位置をこの位置ずれ量分に相当する補正量dxで補正する。不揮発性メモリー54には、出力電圧VPWと補正量dxとの対応関係が用紙種別に設定された補正テーブルデータ(図示せず)が記憶されている。
図12(b)に示す汚れ度の低い初期状態では、用紙Pの端部検出位置を、出力電圧VPW1を基に補正テーブルデータを参照して取得される補正量dx10(又はdx11)で補正し、用紙Pの第1端部(又は第2端部)の正確な位置を取得する。また、図12(c)に示す汚れ度の高い状態では、用紙Pの端部検出位置を、出力電圧VPW2を基に補正テーブルデータを参照して取得される補正量dx20(又はdx21)だけ補正し、用紙Pの第1端部(又は第2端部)の正確な位置を取得する。なお、本例では、位置xは、ホーム位置から反ホーム位置(カバーユニット80側)へ向かう方向がプラス方向になるように位置座標が設定されている。このため、ホーム位置側の第1端部の検出位置を補正する場合の補正量dx10,dx20は負の値をとり、反ホーム位置側の第2端部の検出位置を補正する場合の補正量dx11,dx21は正の値をとる。
一方、感度設定処理は、プリンター11の電源投入時、あるいは累積印刷枚数が設定枚数に達した時などの所定時期にキャリッジ18をホーム位置から設定位置まで移動させ、発光部58からの照射光を基準反射面75で反射させた反射光を受光した受光部59によって出力される出力電圧VPWを取得する。また、このときのキャリッジ18の移動過程で紙幅センサー48が溝部71aと対向する位置において、発光部58からの照射光を溝部71aで反射させた反射光を受光した受光部59によって出力される出力電圧VHを取得する。そして、感度設定処理部62は、出力電圧VHと出力電圧VPWとの差ΔV(=VH−VPW)を感度判定値として求め、この感度判定値ΔVが設定値b未満となり感度切替条件を満たしたことをもって、汚れにより低下した測定感度が許容限界に達したと判断する。そして、感度設定処理部62は、ΔV<bが成立して測定感度が許容限界に達したと判断すると、感度設定回路60の設定値を変更して受光部59の感度を一段高い感度に切り替える。なお、本実施形態では、出力電圧VPWが第1出力値の一例に相当し、出力電圧VHが第3出力値の一例に相当する。また、ΔVが測定感度の一例に相当する。
図12(b)に示すように汚れ度の低い初期状態及び汚れ度が感度の許容限界に達していないうちは、図12(a)に示すように、出力電圧VH1と出力電圧VPW1との差で示される感度判定値ΔV1が設定値bより大きい(ΔV1>b)ので、受光部59の感度は切り替えられない。しかし、図12(c)に示すように汚れ度が感度の許容限界に達すると、図12(a)に示すように、出力電圧VH2と出力電圧VPW2との差で示される感度判定値ΔV2が設定値bよりも小さくなる(ΔV2<b)ので、受光部59の感度が一段高い感度に切り替えられる。その結果、図12(d)に示すように、初期状態(図12(b))と同様に、反射光RLのうち用紙Pによって反射された領域が半分を占めた時点で、用紙Pの端部が検出されるようになる。
図13に示すグラフは、図8におけるトランジスターT1のベースに制御信号を印加して受光部59の感度を切り替える感度切替処理を説明するものである。このグラフの横軸は光電流Ic、縦軸が出力電圧Voである。図13において実線で示す出力電圧VHは、発光部58からの照射光が溝部71aで反射した反射光を受光した受光部59によって出力される出力電圧である。また、一点鎖線で示す出力電圧VPは、発光部58からの照射光が用紙Pで反射した反射光を受光した受光部59によって出力される出力電圧である。さらに、破線で示す閾値VSは、出力電圧VHに所定の定数a(但し0<a<1)を乗算した値として設定される。本実施形態では、定数aを例えば「0.5」としている。二点鎖線で示す出力電圧VPWは、図4、図6及び図10等に示す基準反射面75に対して発光部58から光を照射し、基準反射面75で反射した反射光を受光した受光部59によって出力される出力電圧である。
紙幅センサー48にインクミストや紙粉等が付着して汚れ度が高くなるに連れて光電流Icは減少する。そして、図13に示すグラフから分かるように、光電流Icが減少するに連れて、溝部71aを検出した出力電圧VH、及び基準反射面75を検出した出力電圧VPWは所定の傾き(勾配)で徐々に大きくなる。このとき、出力電圧VHの傾きよりも、出力電圧VPWの傾きの方が大きな傾き角(急勾配)になるので、汚れ度が増すに連れて、感度判定値ΔV(=VH−VPW)は徐々に小さくなる。受光部59の感度の許容限界を決める設定値bは、用紙Pを検出した出力電圧VP(用紙電圧)がほぼ一定の値から上昇し始めて閾値VSよりも十分小さな所定の値に達した時点の差ΔVに等しい値に設定されている。
図13のグラフにおいて縦方向に延びる破線は受光部59の感度を切り替える感度切替位置を示す。急激に増加した出力電圧VPが閾値VS以上の値をとる領域では、常に出力電圧VPが閾値VS以上の値をとるため、用紙Pの端部を検出できなくなる。このため、急激に増加し始めた出力電圧VPが閾値VSよりも十分小さな値となる光電流Icの範囲では受光部59を同じ感度で使用し、その範囲よりも光電流Icが小さくなると、受光部59の感度を一段高い側に切り替えることで、用紙Pの端部を検出できるようにしている。感度判定値ΔV(=VH−VPW)が設定値bよりも小さくなると(ΔV<b)、紙幅センサー48の受光部59の感度を一段高い側に切り替える。このため、出力電圧VPが閾値VSよりも十分小さな値をとる感度の範囲で、紙幅センサー48を使用できる。
ここで、1回目の感度切替えが行われるまでの光電流Icの範囲B1で使用される感度が、初期に設定されている第1感度、1回目の感度切替えから2回目の感度切替えが行われるまでの範囲B2で使用される感度が第2感度、さらに2回目の感度切替えから3回目の感度切替えが行われるまでの範囲B3で使用される感度が第3感度となっている。光電流の範囲B2における最小の光電流Icは、光電流の範囲B1における最小の光電流Icよりも小さい。さらに光電流の範囲B3における最小の光電流Icは、光電流の範囲B2における最小の光電流Icよりも小さい。
そして、このように感度切替えが行われることで、紙幅センサー48の汚れ度が高くなって受光部59の光電流Icが低下しても、用紙Pを検出する出力電圧VPが閾値VSよりも十分小さな値となる光電流Icの範囲(つまり汚れ度の範囲)を、光電流Icが小さくなる側(つまり汚れ度の大きくなる側)へ広げることができる。このため、受光部59から出力される出力電圧VPと閾値VSとを比較し、用紙Pの端部を検出しうる範囲を広げることができる。なお、本実施形態では、受光部59の感度が最終の第3感度のときに、感度判定値ΔVが設定値bよりも小さくなると(ΔV<b)、制御部50は、発光量設定回路(図示せず)の設定値を変更して発光部58の発光量を一段多くなる側に切り替える。このように受光部59の複数段階の感度切替えを先に行い、感度切替えを全て終了した後に発光部58の発光量を切り替える手順を踏むのは、発光部58の発光量を多くすることによる消費電力の増加を極力避けるためである。
次に、プリンター11の作用を説明する。用紙Pの端部の位置を検出する用紙端部位置検出処理を、図14及び図15に基づいて説明する。
制御部50は、図14にフローチャートで示す用紙端部位置検出処理ルーチン及びそのサブルーチンに相当する図15に示す感度設定処理ルーチンのプログラムを実行する。プリンター11を購入後初めて電源を投入した初期状態では、受光部59の感度は第1感度にある。第1感度は相対的に低めの感度であるため、受光部59の感度が高過ぎることに起因する誤検出が抑制される。
ステップS1では、感度設定処理を行う。すなわち、制御部50内の感度設定処理部62は、紙幅センサー48の感度を設定する。本実施形態では、例えばユーザーが電源スイッチ23を操作してプリンター11の電源が投入された時点、及びプリンター11の起動中に累積印刷枚数が設定枚数(設定値)に達した時点に、感度設定処理部62は感度設定処理を行う。この感度設定処理の詳細は後述する。
次のステップS2では、紙幅センサー48が上流側支持面71に対向する位置になるようにキャリッジ18を移動する。詳しくは、制御部50は、キャリッジモーター35を駆動して、紙幅センサー48が上流側支持面71の溝部71aに対向する位置になるようにキャリッジ18を移動する。なお、このときのキャリッジ18の移動は、ステップS1における感度設定処理の際のキャリッジ18の移動と兼用してもよい。
ステップS3では、上流側支持面71の溝部71aからの反射光による紙幅センサー48の出力電圧VHを取得する。
ステップS4では、閾値VSを設定する。すなわち、閾値VSを、VS=a・VHに設定する。本実施形態では一例としてa=0.5を採用しているが、定数aは、0<a<1の範囲内の適宜な値を採用できる。
次のステップS5では、上流側支持面71を覆う位置まで用紙Pを搬送するとともにキャリッジ18を移動させる。制御部50は、例えば平面視において用紙Pの先端が紙幅センサー48の移動経路を横切ったタイミングで、キャリッジモーター35の駆動を開始し、キャリッジ18をホーム位置から反ホーム位置に向かって移動させる。このとき、キャリッジ18は、紙幅センサー48が用紙Pの幅方向両端を通過するように移動する。
ステップS6では、紙幅センサー48の受光部59から出力された出力電圧Voを取得する。すなわち、キャリッジ18の移動中において紙幅センサー48の出力電圧Voを逐次取得する。
次のステップS7では、出力電圧Voが閾値VSを横切ったか否かを判定する。つまり、端部検出処理部61は、閾値VSよりも大きかった出力電圧Voが閾値VS未満になったか、又は閾値VSよりも小さかった出力電圧Voが閾値VSを超えたか否かを判断する。出力電圧Voが閾値VSを横切っていなかった場合は、ステップS5に戻り、キャリッジ18の移動を継続する。そして、キャリッジ18を移動させながら、ステップS7で肯定判定となるまで、所定のサイクル時間(例えば10マイクロ秒〜100ミリ秒の範囲内の所定時間)毎にステップS5及びS6の処理を行う。そして、ステップS7において、出力電圧Voが閾値VSを横切ったと判定すると、ステップS8に進む。なお、ステップS5における用紙の搬送は、用紙Pが上流側支持面71を覆う所定位置に達したら停止される。
ステップS8では、用紙Pの端部検出位置Xdを取得する。本実施形態では、出力電圧VPが閾値VSを横切ったときのカウンターの計数値から把握されるキャリッジ18の位置と、キャリッジ18の位置と紙幅センサー48の取付位置までの既知の距離とを用いて紙幅センサー48の位置、つまり用紙Pの端部検出位置Xdを算出する。
ステップS9では、端部検出位置Xdを補正量dxで補正して端部位置Xeを取得する(Xe=Xd+dx)。端部検出処理部61は、プリンター11の電源投入時など所定時期に、例えば感度設定処理(S1)と兼用のキャリッジ移動処理として、あるいは感度設定処理とは別のキャリッジ移動処理として、キャリッジ18を設定位置まで移動させ、発光部58からの照射光を基準反射面75で反射させた反射光を受光した受光部59の出力電圧VPWを取得している。そして、端部検出処理部61は、補正テーブルデータを参照して出力電圧VPWに対応する第1端部と第2端部の各補正量dx1,dx2を不揮発性メモリー54の所定記憶領域に書き込んでいる。端部検出処理部61は、不揮発性メモリー54の所定記憶領域から、用紙Pの第1端部と第2端部のうちそのとき検出した端部に対応する補正量dxを読み出し、端部検出位置Xdをその補正量dxで補正して用紙Pの端部位置Xeを取得する。なお、ステップS9で第1端部の端部位置Xeが取得されると、その後、ステップS5〜S9の処理を第2端部についても同様に行い、ステップS9において第2端部の端部位置Xeが取得される。
こうして紙幅センサー48の汚れ度が高くなって受光部59の受光量が低減し、用紙Pの端部検出位置Xdと用紙Pの実際の端部位置との幅方向の位置ずれ量が変化しても、そのときの汚れ度から決まる紙幅センサー48の感度に応じた補正量dxによる補正が施される。この結果、用紙Pの端部位置Xeを比較的正確に検出できる。
次にステップS1の感度設定処理ルーチンの詳細を説明する。この感度設定処理は、上流側支持面71が用紙Pに覆われていない状態で行われる。
まずステップS11では、紙幅センサー48が上流側支持面71に対向する位置になるようにキャリッジを移動する。すなわち、制御部50は、キャリッジモーター35を駆動し、キャリッジ18を例えばホーム位置から反ホーム位置へ向かって移動させる。このキャリッジ18の移動過程において制御部50は紙幅センサー48を作動させる。
ステップS12では、上流側支持面71の溝部71aからの反射光による紙幅センサー48の出力電圧VHを取得する。例えばキャリッジ18の移動中に紙幅センサー48が溝部71aに対向する位置にあるときの出力電圧VHを取得する。例えばキャリッジ18の異なる位置で複数個の出力電圧VHを取得し、その平均値を出力電圧VHとしてもよい。もちろん、紙幅センサー48が溝部71aに対向する位置でキャリッジ18を停止させた状態で出力電圧VHを取得してもよい。
次のステップS13では、キャリッジ18を設定位置へ移動させる。例えばステップS11でキャリッジ18をホーム位置から反ホーム位置へ向かって移動させる過程で、出力電圧VHの取得(S12)を終えると、そのままキャリッジ18の移動を継続し、キャリッジ18を設定位置まで移動させる。
ステップS14では、基準反射面75からの反射光による紙幅センサー48の出力電圧VPWを取得する。キャリッジ18は設定位置に到達する手前でカバーユニット80のレバー部83と係合してこれを押し込んでカバー部82を開くため、キャリッジ18が設定位置に到達して停止したときには、カバー部82が開いた状態にあって紙幅センサー48がカバー本体81の窓部81aを介して基準反射面75と対向する状態にある。感度設定処理部62は、キャリッジ18が設定位置に停止すると、紙幅センサー48の出力電圧VPWを取得する。
ステップS15では、感度判定値VH−VPWを計算する。つまり、感度判定値ΔV(=VH−VPW)を計算する。
次のステップS16では、紙幅センサー48の劣化判定(汚れ判定)を行う。詳しくは、感度設定処理部62は、出力電圧VHと出力電圧VPWとの差分で示される感度判定値ΔV(=VH−VPW)が設定値b未満(ΔV<b)であるか否かを判断する。ΔV<bが不成立であって、紙幅センサー48の感度が、感度切替えが必要な程度に低下していなければ、紙幅センサー48の感度を切り替えることなく当該ルーチンを終了する。一方、ΔV<bが成立し、紙幅センサー48の感度が、感度切替えが必要な程度に低下していると判定すると、ステップS17に進む。
ステップS17では、紙幅センサー48の感度を切り替える。すなわち、感度設定処理部62は、感度設定回路60の設定値を変更し、感度設定回路60へ出力する制御信号(PWM信号)を変更後の設定値に応じたデューティ比に変更することで、紙幅センサー48の受光部59の感度を現状の感度より一段高い感度に切り替える。こうして図13に示すように、感度判定値ΔV(=VH−VPW)が設定値b未満(ΔV<b)になる度に、紙幅センサー48の感度が一段高い感度に切替えられる。
例えば紙幅センサー48の感度の切替えが適切に行われないと、出力電圧Voが閾値VSを横切らなくなって、用紙Pの端部を検出できなくなる。図13のグラフにおいて細い破線で示した出力電圧VTは、仮に基準反射面がカバーで保護されておらず、紙粉等が付着した基準反射面を検出した出力電圧を示す。この場合、感度判定値ΔV(=VH−VT)は、1回目の感度切替え位置まで光電流Icが低下しても、設定値bより小さくならないので、紙幅センサーの感度の切替えが行われない。これに対して、本実施形態では、基準反射面75がカバーユニット80に覆われてインクミスト及び紙粉等から保護されるので、光電流Icが感度切替え位置に達した時点で、感度判定値ΔV(=VH−VPW)が設定値b未満になる。この結果、紙幅センサー48の感度を汚れが進んだ適切な時期に切り替えることができる。
以上詳述したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)基準反射面75をカバーユニット80で覆うことによりインクミスト及び紙粉等の浮遊物から保護し、基準反射面75を汚れにくくした。このため、基準反射面75の汚れを効果的に回避でき、基準反射面75をいつも清浄な状態に保持できる。つまり、基準反射面75の反射率が付着物によって変化することがない。従って、基準反射面75からの反射光を受光した受光部59の出力電圧VPWと出力電圧VHとの差で示される感度判定値ΔVは、紙幅センサー48の汚れにより低下した感度を比較的正確に反映させたものになる。このため、紙幅センサー48の汚れが進んで感度が許容下界を超えた時点で、紙幅センサー48を適切な感度に切り替えることができる。よって、用紙Pの端部位置を比較的精度よく検出できる。例えば基準反射面の汚れが原因で紙幅センサー48の感度が切り替わらず、用紙Pの端部を検出できなくなる事態を極力回避できる。
(2)溝部71aで反射した反射光を受光した受光部59の出力電圧VHと、カバー部82によって保護されている基準反射面75で反射した反射光を受光した受光部59の出力電圧VPWとの差で示される感度判定値ΔV(=VH−VPW)が設定値b未満になったことを感度切替え条件として、紙幅センサー48の感度を切り替える。よって、紙幅センサー48の感度をその汚れ度に応じた適切な時期に切り替えることができる。
(3)キャリッジ18がレバー部83を押すことによりその押し込んだ力を動力としてカバー部82が開き、レバー部83を押さなくなると、コイルばね88の付勢力によりカバー部82が閉じる機械式の開閉駆動部を採用したので、電動モーター等の動力源を設ける必要がない。よって、部品点数が多くなることを回避できるうえ、制御部50が動力源を制御するときの処理負担の増加も回避できる。
(4)液体噴射領域PAの外側に基準反射面75及びカバーユニット80を配置したので、カバーユニット80の上面に浮遊物が堆積しにくい。特にキャリッジ18の移動経路においてメンテナンス装置45と反対側となる反ホーム位置側の端部に基準反射面75及びカバーユニット80を配置したので、液体噴射ヘッド19のメンテナンス時に発生するインクミストも堆積しにくい。例えばカバーユニット80の上面に浮遊物が堆積すると、カバー部82を開けたときに堆積物の一部がカバーユニット80内に落下して基準反射面75を汚損する虞があるが、この種の基準反射面75の汚損を回避できる。よって、基準反射面を液体噴射領域PA内又は上流側支持面71における液体噴射領域PAの上流側近傍位置に配置した構成に比べ、基準反射面75が汚損しにくく、紙幅センサー48の汚れ度に応じたより適切な時期に受光部59の感度切替えを実施できる。
(5)プリンター11の電源投入の度、及び累積印刷枚数が設定枚数(設定値)に達する度に、キャリッジ18を設定位置に移動させて感度設定処理を行うので、紙幅センサー48の感度を汚れ度に応じた適切な時期に切り替えることができる。例えば感度設定処理が長期間に亘り実施されず、紙幅センサー48が不適切な感度で使用され続ける事態を回避できる。また、感度設定処理が頻繁に実施され、感度設定処理の終了を待つまで印刷を開始できなくなる頻度も少なく済む。
(第2実施形態)
次に第2実施形態を図16及び図17に基づいて説明する。本実施形態のカバーユニット90は電動式である。用紙端部位置検出処理は前記第1実施形態と同様である。図16に示すように、カバーユニット90が保護する基準反射面75は、キャリッジ18が印刷中の位置、つまり液体噴射ヘッド19が液体噴射領域PAと対向する位置にあるときに、紙幅センサー48と対向する位置に配置されている。詳しくは、基準反射面75及びこれを覆うカバーユニット90は、上流側支持面71において一対の上流側リブ73に挟まれた位置に設けられている。基準反射面75は、上流側リブ73よりも高さの低い四角台錘形状の台部76の平坦な上端面を鏡面に仕上げることで形成されている。カバーユニット90は溝部71aから垂直に立設してその上部が開放された四角箱状のカバー本体91を有し、カバー本体91の上端部に形成された一対のガイドレール92には、四角板状のカバー93が所定方向にスライド可能に案内された状態で取り付けられている。なお、カバーユニット90は、その上端が上流側リブ73の上端面よりも低く、上流側リブ73に支持される用紙Pがカバーユニット90に当たらない高さに設定されている。
カバーユニット90はキャリッジ18が印刷中に位置する移動範囲内にあり、例えば第1実施形態におけるカバーユニット80を採用すると、印刷中にキャリッジ18がレバー部を押してカバー部を開けてしまうので、これを防止するためカバー93の開閉動作を電動式としている。図17は、電動式のカバーユニット90の一例の構成を示す。
図17に示すように、カバー93は、その裏面(図17における下面)にその開閉方向(スライド方向)に沿って延びる状態に固定されたラック94と、ラック94と噛合するピニオン95とを備えたラック・アンド・ピニオン機構により開閉駆動される。ピニオン95は、支持台38における台部76の近傍位置に形成された連通孔38a内に配設された歯車96と噛合し、さらに歯車96は支持台38の下側に配置された電動モーター97の出力軸に固定された駆動歯車98と噛合している。このため、カバー93が図17(a)に示す閉位置にある状態で電動モーター97が正転駆動されると、歯車96,98を介して伝達された動力によりピニオン95が正転してピニオン95と噛合するラック94に同図の右方向へ移動させる力が伝達され、カバー93はガイドレール92に沿って右方向へスライドする。この結果、カバー93が閉位置から図17(b)に示す開位置へ移動し、基準反射面75が、その直上に位置する発光部58からの光を反射しうる状態に露出する。また、カバー93が図17(b)に示す開位置にある状態で電動モーター97が逆転駆動されると、カバー93はガイドレール92に沿って同図の左方向へスライドし、図17(a)に示す閉位置に配置される。
例えばCPU51は、キャリッジ18が基準反射面75と対向する設定位置に移動して停止したこと、あるいは設定位置の所定距離手前の所定位置に達したことを、カウンターの計数値から把握すると、電動モーター97を正転駆動させてカバー93を開く。そして、CPU51は、基準反射面75で反射された反射光を受光した受光部59の出力電圧VPWを取得すると、電動モーター97を逆転駆動させてカバー93を閉じる。
この第2実施形態によれば、さらに以下の効果が得られる。
(6)電動式のカバーユニット90なので、キャリッジ18が印刷中に移動する位置にあるときに紙幅センサー48と対向する位置に基準反射面75を配置できる。例えば印刷中にカバー93を開けてキャリッジ18が印刷のため移動する途中で出力電圧VPWを取得できる。この場合、出力電圧VPWの取得のみを目的とするキャリッジ18の動作を廃止できる。また、キャリッジ18を停止させることなく出力電圧VPWを取得するので、印刷スループットの低下を招かない。また、基準反射面75の配置レイアウトの自由度が高まるので、基準反射面75及びカバーユニット80を支持台38の端部より移動方向Xの内側にレイアウトすることで、プリンター11の小型化を図ることも可能になる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・前記第1実施形態のようにキャリッジ18の移動経路の端部に相当する位置に配置されたカバーユニットを、前記第2実施形態のような電動式のカバーユニットとしてもよい。この場合、前記第2実施形態のように、キャリッジ18が設定位置に移動したことを検出すると、カバー部の開動作を行う構成を採用できる。また、例えば図18に示すように、キャリッジ18が設定位置に到達したことを検出するための移動式のロッド101と、ロッド101の移動によりオン・オフが切り換わるスイッチ102とをキャリッジ18に設ける。キャリッジ18が設定位置にないときにはロッド101がばね(図示せず)の付勢力により突出位置に位置してスイッチ102はオフした状態にあり、キャリッジ18が設定位置に到達する手前でロッド101が壁部103の当接面103aに当たって押し込まれてスイッチ102がオンする。スイッチ102のオン信号はキャリッジ18から不図示のフレキシブルケーブル内の信号線を通じてCPU51に出力される。CPU51はスイッチ102のオン信号を入力すると、電動モーター97を駆動させ、カバー93を閉位置から開位置へ移動させる。そして、出力電圧VPWを取得すると、CPU51は電動モーター97を駆動してカバー93を開位置から閉位置へ移動させる。
・検出部による端部位置の検出は、出力電圧Vo(第1出力値)と閾値VSとの比較に基づく構成に限定されない。例えば図12(a)において溝部を検出した出力電圧VHと用紙を検出した出力電圧VPとの間で出力電圧が急な傾きで変化する傾き領域において出力電圧Voの点群が直線状に並ぶ部分を直線近似した近似直線と、複数点の出力電圧VHを直線近似した近似直線との交点の位置を端部検出位置として求めてもよい。このように端部検出位置は、第1出力電圧に基づいて検出されればよく、閾値の使用は必須でない。
・閾値VS=a・VHの設定により、紙幅センサー48の劣化の程度に応じて閾値を変化させているため、その劣化の程度の違いによらず端部検出位置Xdと実際の端部位置との位置ずれ量が許容誤差内に収まる場合は、補正量を一定値としてもよい。また、閾値の設定方法は適宜変更でき、例えば特許文献2、3に記載のように、支持台のリブと溝部とを光学式センサーにより検出した各々の出力電圧の比に応じた閾値を設定してもよい。
・カバーユニット80で覆われた基準反射面75の位置は、移動方向Xにおいて液体噴射領域PAの外側となる例えばホーム位置側でもよい。この構成でも、基準反射面75はカバーで覆われているので、基準面の汚染の心配はほとんどない。
・印刷中にキャリッジ18が通る位置の下方に基準反射面75及びカバーユニットを配置した構成において、第1実施形態と同様のレバー方式を採用してもよい。例えば図16に示すように、一対の上流側リブ73の間に基準反射面75及びカバーユニットを設けた構成においてレバー方式を採用できる。例えばレバー部は印刷中のキャリッジ18と係合しないようにその移動経路の端部に設ける。キャリッジ18がレバー部を一度押し込むと、レバー部はその押し込み位置でロックされ、カバー部は開位置に保持される。その後、キャリッジ18がレバー部を押すと、ロックが解除され、キャリッジ18がレバー部から離れると、カバーユニットにおけるカバー部がばねの付勢力で閉じる構成とする。
・電動式のカバーユニットを採用する場合、動力源はソレノイド、電動シリンダー等を用いてもよい。また、自動開閉式のカバーユニットは電動式に限定されず、例えば動力源としてエアシリンダーや油圧シリンダーを採用してもよい。
・基準反射面及びカバーユニットの配置位置は、液体噴射領域PA以外の位置に限定されない。例えば支持台38における液体噴射領域PA内に一部又は全部が位置するように基準反射面及びカバーユニットを配置してもよい。
・基準反射面は支持台に一体形成されるなど支持台と固定された構成に限定されず、支持台に設けられたカバーが開くとその下側奥からキャリッジに接近する方向へ上昇する構成でもよい。さらに基準反射面は、紙幅センサーが用紙等の媒体と対向する方向に対向しうる位置に配置されることに限定されない。例えばキャリッジ18に紙幅センサーを角度変更可能に設け、支持台以外の位置、例えばプリンターの本体フレームの側壁面上に鉛直面となる基準反射面を設け、これをカバーユニットで覆ってもよい。この場合、カバー部を開位置に移動させた状態で紙幅センサーの向きを変更して基準反射面からの反射光を受光した受光部の出力電圧VPWを取得すればよい。
・感度設定処理の実施時期は、電源投入時などに限定されず、印刷中であってもよい。例えば、印刷する頁が切り替わる給排紙時や、液体噴射ヘッドのノズルをメンテナンスするためにキャリッジを移動経路の端部に移動させて廃液部にインクを噴射するフラッシング時に感度設定処理を行ってもよい。また、電源遮断時の終了処理の中で感度設定処理を行ってもよい。さらに累積印刷時間が設定時間に達する度に感度設定処理を行ってもよい。
・媒体の幅方向の端部位置を検出する光学式センサーは、紙幅の取得や、液体噴射ヘッド19の移動方向X(主走査方向)における噴射開始位置(印刷開始位置)の決定を目的とする紙幅センサーに限定されない。例えば、単に媒体の幅方向における端部位置の取得を目的としてもよい。また、媒体のスキュー(斜行)の検出を目的としてもよい。さらに光学式センサーは、媒体の搬送方向の端部の検出を目的とするものであってもよい。この場合、キャリッジを媒体の搬送前の搬送エリア内に配置し、その後、媒体をキャリッジの下方を通過するように搬送することで、光学式センサーにより媒体の搬送方向の端部を検出する。
・紙幅センサー48の検出回路は、受光部59の受光量が多いときに出力電圧Voが小さくなり、受光量が少ないときに出力電圧Voが大きくなる回路構成であったが、これとは逆に、受光部59の受光量が多いときに出力電圧Voが大きくなり、受光量が少ないときに出力電圧Voが小さくなる回路構成を採用してもよい。
・図3における制御部50(コンピューター)内の各機能部を、プログラムを実行するCPUにより主にソフトウェアで実現したが、例えば集積回路により各機能部をハードウェアで実現したり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現したりしてもよい。
・液体噴射装置の一例であるプリンターは、ラテラル式プリンターでもよい。要するにキャリッジを備えたプリンターであればよい。また、液体噴射装置は、プリンター機能の他にスキャナー機能及びコピー機能などを含む複数機能を備えた複合機でもよい。
・媒体は用紙に限定されず、樹脂製のフィルム、金属箔、金属フィルム、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、セラミックシートなどであってもよい。さらに媒体の形状はシート状に限定されず立体形状でもよい。
・前記実施形態では、液体噴射装置の1つであるインクジェット式プリンターに具体化したが、液体噴射装置に適用する場合、プリンターに限定されない。例えばインク以外の他の液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を含む)を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液体噴射装置でもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために熱硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。このように媒体(記録媒体)は、素子や配線等がインクジェットで形成される基板でもよい。液体噴射装置が噴射する「液体」には、液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体などが含まれる。
・本明細書における「測定感度」とは、必ずしも感度そのものを示す物理量である必要はなく、感度が許容限界に達したことを間接的に判定しうる、光学式センサーの感度を反映する数値(パラメーター)でもよい。例えば出力電圧VHとVPWの差に替え、比(=VH/VPW)を測定感度としてもよい。また、特許文献2、3に記載のように、支持台のリブと溝部とを光学式センサーにより検出した各々の出力電圧の比を、測定感度としてもよい。この場合、リブの1つを他のリブより低くした台部とし、図16に示すように構成すればよい。