JP5978684B2 - 画像形成装置及びそのプログラム - Google Patents

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Description

この発明は画像形成装置に関し、特にインクジェット方式の画像形成装置及びそのプログラムに関する。
インクジェットプリンタ等のインクジェット方式の画像形成装置は、キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクを吐出して、プラテンに沿って搬送される記録媒体に画像を形成する。
このような画像形成装置においては、プラテン上を搬送ベルトに静電吸着されて搬送される用紙等の記録媒体(以下具体例では「用紙」とする)と、記録ヘッドの下面すなわちノズル列によるインク吐出位置との間隔を常に一定に保つ必要がある。
しかし、記録ヘッドの下面とプラテンの上面との間隔(ギャップ)を常に一定にして、普通の厚さの用紙(普通紙という)に適した間隔にしておくと、それよりも厚い用紙(厚紙や封筒等)に画像を形成する場合に、その用紙の画像形成面と記録ヘッドの下面との間隔が、普通紙に画像形成する場合の間隔よりも小さくなる。そのため、記録ヘッドから吐出されるインクの用紙上の着弾位置がずれてしまう現象が起こる。また、厚い用紙を給紙すると画像形成面が記録ヘッドに接近するために、記録ヘッドと用紙の画像形成面とのこすれが発生し、画像品質の劣化を起こし易くなる。
そこで従来から、画像形成(印刷)の際に普通紙を使用する場合と封筒や厚紙のように厚い用紙を使用する場合とで、記録ヘッドの下面とプラテンの上面とのギャップを調整することが可能なインクジェット方式の画像形成装置が既に知られている。
例えば、特許文献1には、インクジェット記録装置のガイドフレームに支持されて、用紙の搬送方向に直交する方向に往復移動する記録ヘッドを搭載したキャリッジに、その往復移動方向に突出し、キャリッジ昇降用の段差部を形成したギャップ調整部材をスライド可能に設けた機構が開示されている。
この機構によれば、キャリッジを往復移動する領域の一端側へ移動させて、ギャップ調整部材をその一端側の当接壁に当接させると、そのギャップ調整部材がスライドされてキャリッジが降下し、記録ヘッドとプラテンとの間隔が小さくなる。逆に、キャリッジを往復移動する領域の他端側へ移動させて、ギャップ調整部材をその他端側の当接壁に当接させると、そのギャップ調整部材が反対方向にスライドされてキャリッジが上昇し、記録ヘッドとプラテンとの間隔が大きくなる。
このような機構を設ければ、印刷に使用する用紙の厚さに応じて、記録ヘッドとプラテンとの間隔(ギャップ)をその厚さに適した間隔に切り換えることができる。
また、このような画像形成装置では、印刷時にはキャリッジの主走査方向の移動量を正確に制御する必要がある。そのため、キャリッジの主走査方向の移動をガイドするガイド部材に沿って、一定間隔で多数のスリットを形成したエンコーダスケールを設け、キャリッジに取り付けたエンコーダセンサとによってリニアエンコーダを構成している。
そして、キャリッジの移動に伴ってそのリニアエンコーダによって発生するパルス信号をカウントすることによって、キャリッジの移動位置を正確に検知して、その移動を制御するようにしている。
しかし、キャリッジの移動位置を正確に検知するためには、キャリッジが基準となる正確な位置に戻ったときをゼロ点として、上記パルス信号のカウント値をリセットする必要がある。
そのため、キャリッジの移動方向の位置のゼロ点を、ホームポジション検知センサを用いたり、キャリッジを一方の移動端部に突き当てることによって検出することが知られている。
例えば、特許文献2には、キャリッジの移動制御の基点となるホームポジションを設定する目的で、ホームポジションとなる位置にキャリッジが移動したことを検出するセンサを設け、そのセンサによってキャリッジが検出されたときのキャリッジの移動位置をホームポジションとする構成が開示されている。
また、キャリッジの往復可動範囲の端部に設けられた突き当て部材に突き当たるまでキャリッジを移動させて、その突き当て位置をホームポジション(基点又はゼロ点)として、キャリッジの所望の駆動制御を実行する構成も開示されている。
しかしながら、特許文献1には、キャリッジの主走査方向への移動を正確に制御するための位置検知及びその移動の基点となるホームポジションの検知技術などに関しては、何も開示されていない。
仮に、特許文献2に記載されているような、キャリッジを往復移動範囲の端部に設けられた突き当て部材に突き当てた位置をホームポジション(基点又はゼロ点)として検知するようにすると、その突き当てによってキャリッジが降下又は上昇して、不要なギャップの切り換えが発生してしまうという問題が発生する。
また、ホームポジション検知センサによってゼロ点を検出するようにした場合、そのセンサの組み付け位置や検知性能のバラツキによって、センサがホームポジションを検出する位置にもバラツキが生じる。そのため、その検知信号を基点(ゼロ点)として利用すると、キャリッジの主走査移動を精度よく制御できなくなり、印刷位置にずれが生じたり、キャリッジ移動路上のキャップ部材やワイピング部材等の各部品との位置関係を正確に規定できなくなるなどの問題があった。
この発明によれば、インクジェット方式の画像形成装置において、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、その主走査方向の移動範囲の一端部へ移動すると記録ヘッドとプラテンの間隔(ギャップ)が小さくなり、他端部へ移動するとそのギャップが大きくなる機構を有していても、キャリッジの主走査移動のホームポジション(基点)検出を行う際に不要なギャップ切り換えが発生しないようにすることを目的とする。また、その基点(ゼロ点)を正確に検出して、キャリッジの主走査移動を精度よく制御できるようにし、キャリッジ移動路上の各部品との位置関係も正確に規定できるようにすることを目的とする。
この発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクを吐出して、プラテンに沿って搬送される記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
上記キャリッジを主走査方向の移動範囲の一方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって上記記録ヘッドとプラテンとの間隔が小さくなり、上記キャリッジを上記移動範囲の他方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって上記記録ヘッドとプラテンとの間隔が大きくなるギャップ変更機構と、
上記主走査方向に沿って上記キャリッジの移動範囲に亘って設けたエンコーダスケールと、上記キャリッジに取り付けられ、上記エンコーダスケールのスリットを検出するエンコーダセンサとからなるリニアエンコーダと、
上記キャリッジの移動に伴って上記リニアエンコーダから出力されるパルス信号をカウントして該キャリッジの主走査位置の情報を得る主走査位置カウンタとを備えた画像形成装置において、上記の目的を達成するため次の特徴を有する。
すなわち、上記キャリッジを上記主走査方向の移動範囲のホームポジション側へ移動させた際に、該キャリッジが上記固定部材に突き当たる手前の位置で検知信号を出力するホームポジション検知センサと、
上記キャリッジを上記ホームポジション側の端部へ移動させて上記固定部材に突き当て、上記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点での上記主走査位置カウンタのカウント値と、上記キャリッジが上記固定部材に突き当たって停止した位置での上記主走査位置カウンタのカウント値との差分値を保持してから、主走査位置カウンタをリセットする第1の手段と、
上記キャリッジを上記ホームポジション側へ移動させ、上記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点で上記キャリッジの駆動を停止した後、該キャリッジの移動が停止して前記主走査位置カウンタのカウントが停止したカウント値と、上記検知信号が出力された時点おける上記主走査位置カウンタのカウント値の差によって上記第1の手段によって保持した上記差分値を補正した値を、上記主走査位置カウンタにセットする第2の手段とを設けたことを特徴とする。
この発明によれば、キャリッジの移動範囲の両端部付近への移動によって、それぞれ記録ヘッドとプラテンとのギャップが切り換わる機構を持つインクジェット方式の画像形成装置において、キャリッジの主走査移動の基点検出を行うことによって不要なギャップの切り換えが発生せず、かつその基点(ゼロ点)を正確に検出できる。それによって、キャリッジの主走査移動を精度よく制御でき、キャリッジ移動路上の各部品との位置関係も正確に規定することもできる。
この発明による画像形成装置の一実施形態であるインクジェットプリンタを前方側から見た外観斜視図である。 同じくそのインクジェットプリンタ内の機構部を示す側断面図である。 同じくその要部の平面図である。 図2に示したガイドレールとキャリッジ及びカムロッドを拡大して示す側面図である。 そのカムロッドを設けたキャリッジをカムロッド側から見た斜視図である。 そのカムロッドを設けたキャリッジを一対のドッグと共に示す背面図である。 図3に示したキャリッジと搬送ベルトの駆動機構と位置検出手段を説明するための簡略化した平面図である。
図1〜図7に示したインクジェットプリンタにおける制御部及びその制御系の構成例を示すブロック図である。 主走査位置カウンタをリセットする際の一般的な処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施例1の動作を説明するために最小限必要な機構を模式的に示す説明図である。 図8に示した制御部100によって実施例1の動作を実現するための機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施例1によって、キャリッジを側板に突き当てて主走査位置カウンタをリセットする場合の処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施例1によって、キャリッジを側板に突き当てないで主走査位置カウンタをリセットする場合の処理の流れを示すフローチャートである。
この発明の実施例2の動作を説明するために最小限必要な機構を模式的に示す説明図である。 図8に示した制御部100によって実施例2の動作を実現するための機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施例2によってスケール汚れを検知する処理の流れを示すフローチャートである。 この発明の実施例3の動作を説明するための図10及び図14と同様な説明図である。 この発明の実施例4の動作を説明するための図17と同様な説明図である。 同じく実施例4の効果を説明するための説明図である。 この発明の実施例5の実施例4との構成の違いを説明するための図18の(a)と同様な説明図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔一実施形態であるプリンタの概略構成〕
図1は、この発明による画像形成装置の一実施形態であるインクジェットプリンタ(「インクジェット記録装置」とも称す)を前方側から見た外観斜視図である。
このインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と云う)は、装置本体1と、その装置本体1にそれぞれ着脱自在に装着される給紙トレイ2及び排紙トレイ3とを備えている。
給紙トレイ2には、インク滴によって文字や図形等の画像を形成し得る記録媒体として、一般に用紙を積載して収納する。排紙トレイ3上には、画像が記録(形成)された記録媒体である用紙をストックする。また、装置本体1の上部には、内部の機構部を覆う上カバー4を開閉可能に設けている。
この装置本体1の上面を形成する上カバー4の表面は略平坦な面に形成し、さらに、上カバー4には、その幅方向に沿って内部の機構部を外部から視認することができる透明又は半透明の部材からなる細長い窓部5を設けている。
また、装置本体1の前面6の一端部側(給紙トレイ2の側方)には、前面6から装置本体1の前方側に突き出し、上カバー4よりも低くなったカートリッジ装填部7を有している。そのカートリッジ装填部7の上面には、後述する各種の操作ボタンや、液晶ディスプレイ(LCD)による表示器18などを設けた操作パネルである操作表示部8を備えている。
このカートリッジ装填部7には、色の異なる記録液であるインク、例えば、黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数のインクカートリッジ9k,9c,9m,9y(色を区別しないときは総称して「インクカートリッジ9」という)を、装置本体1の前面側から後方側に向って挿入して装填可能にしている。
また、このカートリッジ装填部7の前面側には、インクカートリッジ9を着脱するときに開く前カバー10を開閉可能に設けている。各色のインクカートリッジ9k,9c,9m,9yは、縦置き状態で横方向に並べて装填される。
そして、前カバー10は、閉じた状態でカートリッジ装填部7内に装填されている各色のインクカートリッジ9k,9c,9m,9yを外部から視認することができるように、全体が透明又は半透明の部材で形成されている。
また、操作表示部8には、各色のインクカートリッジ9k,9c,9m,9yの装着位置に対応する配置位置に、各色のインクカートリッジ9k,9c,9m,9yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色(黒、シアン、マゼンタ、及びイエロー)の残量表示部11k,11c,11m,11y(色を区別しないときは「残量表示部11」という)を配置している。
この残量表示部11は、例えば対応するインクカートリッジ9に収容されたインクの色と同じ色(但し黒インクに対しては例えば白色)で発光するLEDで構成し、例えば、点滅でインクニアーエンドを、連続点灯でインクエンドを表示する。
この操作表示部8は操作パネルでもあり、電源ボタン12、選択操作ボタン13、キャンセルボタン14等も設けられている。選択操作ボタン13は、例えばある状態で押下すると、後述する記録ヘッドとプラテンとのギャップを現在設定されている大きさから他の大きさに変更することができる。また、キャンセルボタン14は、例えば表示器18に後述する「HP検知センサ異常のエラー」又は「スケール汚れのエラー」が表示されているときに押下すると、その表示を消すことができる。
給紙トレイ2は、用紙を収納するトレイ本体と、このトレイ本体の上部を覆う透明又は半透明の部材からなるトレイカバーとを備えている。
そして、給紙トレイ2のトレイ本体の前面壁部には、収納された用紙を視認できる覗き窓15を形成している。この覗き窓15は切欠部で形成するとよい。
また、給紙トレイ2のトレイカバーの横方向(図1では用紙送り方向に直交する左右方向)の中央部前面側には排紙トレイ3を下側から支えるトレイ支え部16を立ち上げて設けている。
さらに、給紙トレイ2のトレイカバーの横方向の両端部には、用紙送り方向に沿ってリブ17を形成している。このように、排紙トレイ3の下側に位置する給紙トレイ2のトレイカバー上にリブ17を設けることによって、排紙トレイ3に排紙される用紙の両端部が下方向に撓んだ場合でも、リブ17によって横方向へのズレを規制することができる。
〔プリンタの機構部の説明〕
次に、このプリンタの機構部の一例を説明する。
図2は、図1に示したプリンタ内の機構部を示す側断面図であり、その断面を図1における左側から見た図であって、給紙トレイ2と排紙トレイ3は破断して一部分だけ示している。図3は、図1及び図2に示したプリンタの機構部の要部を示す平面図である。
このプリンタの機構部は、図3に示すフレーム20を構成する左右の側板20a,20b間に、板金製の支持ガイド部材であるガイドレール21が固定して設けられている。そして、キャリッジ23がそのガイドレール21にその移動範囲に亘ってスライド可能に、且つ上下動可能に支持されて、図1に示した装置本体1内に搭載されている。そのキャリッジ23は、後述する主走査モータとタイミングベルト機構等によって、図3に矢示Xで示す主走査方向に移動走査される。
ガイドレール21は、側方から見た形状が図2に示されるように、上記主走査方向に直交する方向(図3に矢示Yで示す副走査方向)に所定の幅を有して主走査方向に延びる水平部21aと、その幅方向の一端縁から上方に直角に折れ曲がった下部ガイドレール21bと、他端縁から上方に直角に折れ曲がった上部ガイドレール21cとからなる。水平部21aの長手方向の両端には、側板20a,20bに固着するための取付部21dが下方へ直角に折れ曲げて形成されている。これらの各部は、金属板の板金加工によって一体に折り曲げ形成されている。
下部ガイドレール21bは高さが低く、キャリッジ23の下部に設けられた後述する突起部が当接(当って接触すること)してスライドする。上部ガイドレール21cは高く延びており、その上端部が内側に直角に折れ曲がっている。この、上部ガイドレール21cにはキャリッジ23の上部に設けられた後述する垂下片の突起部が当接してスライドする。水平部21aの上面には、キャリッジ23の下部に設けられたカムロッド55の後述するカム部がスライド可能に当接している。
このように、ガイドレール21とキャリッジ23とが少なくとも3箇所の副走査方向及び高さ方向に異なる位置で当接し、そのキャリッジ23は、主走査方向にはスライド移動可能で副走査方向には移動しないように、そして、若干上下動可能にガイドレール21に支持されている。
このガイドレール21とキャリッジ23の詳細については、図4〜図6によって後述する。
このキャリッジ23には、前述した各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド24を、それぞれ多数のノズルによるノズル列を主走査方向と直交する方向(副走査方向)に配列して、その各インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
その記録ヘッド24は、図3に示すように、黒(K)のインク滴を吐出する記録ヘッド24k、シアン(C)のインク滴を吐出する記録ヘッド24c、マゼンタ(M)のインク滴を吐出する記録ヘッド24m、及びイエロー(Y)のインク滴を吐出する記録ヘッド24yで構成されている。色を区別しないときは総称して「記録ヘッド24」という。
記録ヘッド24を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものを使用できる。
しかし、記録ヘッドの構成は上述した例に限られるものではなく、一つまたは複数の色のインク滴を吐出する一つまたは複数のノズル列を有する記録ヘッドを、一つまたは複数用いて構成することができる。
この記録ヘッド24にはドライバICを搭載しており、図1乃至図3では図示を省略した制御部との間で、図3のハーネス(フレキシブルプリントケーブル)25を介してデータのやり取りが可能に接続されている。
また、キャリッジ23には、記録ヘッド24に各色のインクを供給するための各色のインクを保持するサブタンク26を搭載している。
そのサブタンク26は、例えば、図3に示すように、黒(K)インクのサブタンク26k、シアン(C)インクのサブタンク26c、マゼンタ(M)インクのサブタンク26m、及びイエロー(Y)インクのサブタンク26yの4つから構成されている。色を区別しないときは総称して「サブタンク26」という(図2では仮想線で示している)。
この各色のサブタンク26には、図3に示すように、前述したカートリッジ装填部7に装着された各色のインクを保持するインクカートリッジ9k,9c,9m,9yから、各色用のインク供給チューブ27を介して各色のインクがそれぞれ補充供給される。
なお、このカートリッジ装填部7には、各インクカートリッジ9内のインクを送液するための供給ポンプユニット28が設けられている。また、インク供給チューブ27は這い回しの途中で、フレーム20を構成する後板20cにホルダ29を用いて固定保持されている。さらに、そのインク供給チューブ27はキャリッジ23上でも固定リブ30を用いて固定されている。
一方、図2に示すように、給紙トレイ2の用紙積載部(昇降板)31上に積載した用紙Pを給紙するための給紙部として、矢示方向に回転して用紙積載部31から用紙Pを1枚ずつ給送する半月状の給紙コロ32と、その給紙コロ32に対向する摩擦係数の大きな部材からなる分離パッド33とを備えている。その分離パッド33は、給紙コロ32側に押し付けられている。
そして、この給紙部から1枚ずつ分離されて給紙される用紙Pを記録ヘッド24の下方へ送り込むための搬送部として、その用紙Pを静電吸着して記録ヘッド24に対向する位置へ搬送するための搬送ベルト34を備えている。さらに、給紙部からガイド35を介して送られる用紙Pを、搬送ベルト34との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ36と、図2において略鉛直上方に送られる用紙を略90°方向転換させて、搬送ベルト34上に倣わせるための搬送ガイド37と、その用紙を搬送ベルト34側に押し付ける押さえ部材38も備えている。
搬送ベルト34は無端状であり、搬送ローラ41とテンションローラ42との間に掛け渡され、後述する副走査モータによって搬送ローラ41が矢示方向に回転されることにより、図3に矢示Yで示す副走査方向に周回移動(以下「回動」と云う)する。
この搬送ベルト34は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の純粋な樹脂材、例えば、ETFE(熱可塑性フッ素樹脂)ピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(例えば、中抵抗層又はアース層)とを有している。
一方、図2に示す帯電ローラ40は、搬送ベルト34の表面を帯電させるための帯電手段であり、搬送ベルト34の表層に接触して、搬送ベルト34の回動に従って連れ回りすなわち従動回転する。さらに、搬送ベルト34に対して加圧力を与えるように、その軸の両端に所定の押圧力をかけている。
また、搬送ローラ41はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト34の中抵抗層(裏層)と接触しており、それを接地する。
搬送ベルト34の裏側には、記録ヘッド24による印刷領域に対応してプラテン43を配置している。
このプラテン43は、上面が搬送ベルト34を支持する2つのローラ(搬送ローラ41とテンションローラ42)に共通の外接線よりも記録ヘッド24側に突出して配置された平板状のガイド部材である。
これにより、搬送ベルト34は印刷領域ではプラテン43の上面によって押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性を維持される。
さらに、記録ヘッド24で記録された用紙Pを排紙するための排紙部として、搬送ベルト34から用紙を分離するための分離爪52と、排紙ローラ53及び排紙コロ54とを備え、排紙ローラ53の下方に排紙トレイ3を備えている。
ここで、排紙ローラ53と排紙コロ54との間から排紙トレイ3までの高さは、排紙トレイ3にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
また、装置本体1の背面部には、両面給紙ユニット44が着脱自在に装着されている。
この両面給紙ユニット44は、両面印刷時に、搬送ベルト34の逆方向回転で戻される用紙を取り込んで反転させ、押さえ部材38と搬送ベルト34との間に給紙する機能を有する。
この両面給紙ユニット44の上面には、手差しの用紙を給紙するための手差し給紙部45が設けられている。
一方、図3に示すように、キャリッジ23の走査方向の一方側(右側)の非印字領域には、記録ヘッド24のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構部46を配置している。
この維持回復機構部46には、記録ヘッド24の各ノズル面をキャッピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という)47a〜47d(区別しないときは「キャップ47」と総称する)と、そのノズル面を拭取る(ワイピングする)ためのブレード部材であるワイパーブレード48と、記録に寄与しない増粘したインク滴を吐出させる空吐出を行うときのインク滴を受ける空吐出受け49などを備えている。
ここでは、キャップ47aを吸引及び保湿用キャップにし、他のキャップ47b〜47dは保湿用キャップのみにしている。
また、キャリッジ23の走査方向の他方側(図3では左側)の非印刷領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために、記録に寄与しないインク滴を吐出させる空吐出を行うときのインク滴を受ける空吐出受け50を配置している。この空吐出受け50には各記録ヘッド24のノズル配列方向に沿った開口部51を設けている。
このように構成したこの実施形態のプリンタにおいては、図2に示した給紙トレイ2から用紙Pが1枚ずつ分離給紙され、その用紙Pがガイド35によって同図中で略鉛直上方に案内され、さらに搬送ベルト34とカウンタローラ36との間に挟まれて搬送される。その後、先端を搬送ガイド37で案内されて略90°搬送方向を転換され、押さえ部材38によって搬送ベルト34に押し付けられる。
このとき、後述する制御部によって帯電ローラ40に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返す交番電圧が印加され、搬送ベルト34が交番する帯電電圧パターン、すなわち、回動方向である副走査方向にプラスとマイナスの電荷が所定の幅で帯状に交互に帯電した状態になる。
このプラスとマイナスに交互に帯電した搬送ベルト34上に用紙が給紙されると、その用紙にも静電誘導によって搬送ベルト34の帯電極性と反対極性のプラスとマイナスに交互に帯電が生じる。そのため、用紙が搬送ベルト34に静電引力によって吸着されると共に、相対的な位置ずれが生じることなく、その搬送ベルト34の回動によって用紙が副走査方向に正確に搬送される。
そこで、キャリッジ23を主走査方向へ移動させながら、画像信号に応じて記録ヘッド24を駆動することにより、停止している用紙にインク滴を吐出してノズル数に応じた複数行分の画像を記録(印刷、画像形成)し、その用紙を所定量搬送した後、次の複数行の記録を行う。
そして、記録終了信号又は用紙の後端が記録領域の副走査端に達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、その記録済みの用紙を排紙トレイ3に排紙する。
また、印刷(記録)待機中はキャリッジ23は維持回復機構部46側に移動され、キャップ47で記録ヘッド24がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。
さらに、キャップ47で記録ヘッド24をキャッピングした状態で、図示を省略した吸引ポンプによってノズルからインクを吸引し、増粘したインクや気泡を排出する回復動作を行う。
また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これらによって、記録ヘッド24の安定した吐出性能を維持する。
また、このプリンタには図3に示すように、ガイドレール21の両端部の水平部21aの少し上方に、一対の固定押し部材であるドッグ22Aとドッグ22Bが、それぞれフレーム20を構成する左右の側板20a,20bの内面に固着されて、水平部21aと平行する方向に互いに対向するように突設されている。
ドッグ22Aは、キャリッジ23が主走査方向の右端位置に移動したときに、それを降下させるための降下用のドッグであり、ドッグ22Bはキャリッジ23が主走査方向の左端位置に移動したときに、それを上昇させるための上昇用のドッグである。
そのキャリッジ23を降下及び上昇させるための構成及び動作についても、図4〜図6によって後述する。
〔ガイドレールとキャリッジ及びカムロッドの構成〕
上述したプリンタにおけるガイドレールとキャリッジ及びカムロッドの構成の詳細を、図4〜図6によって説明する。
図4は図2に示したガイドレールとキャリッジ及びカムロッドを拡大して示す側面図である。図5はそのカムロッドを設けたキャリッジをカムロッド側から見た斜視図、図6はそのカムロッドを設けたキャリッジを一対のドッグと共に示す背面図である。
図4に示すガイドレール21は、前述したように、紙面に垂直な主走査方向に直交する方向(図4では左右方向)に所定の幅を有して主走査方向に延びる水平部21aと、その幅方向の一端縁(図4では右端縁)から直角に折れ曲がって上方へ低く延びる下部ガイドレール21bと、他端縁(図4では左端縁)から直角に折れ曲がって上方へ高く延びる上部ガイドレール21cとからなる。水平部21aの長手方向の両端には、図3に示した側板20a,20bの内面に固着するための取付部21dが下方へ直角に折れ曲げて形成されている。これらの各部は、金属板の板金加工によって一体に折り曲げ形成されている。
また、上部ガイドレール21cの上部における長手方向の両端部にも、図3に示した側板20a,20bの内面に固定するため固定片21eが、背面(図4で左側の面)から後方(図4で左方)へ延びて設けられ、長手方向の中間部の後面には、下部から上部へ延びる補強リブ21fが形成されている。上部ガイドレール21cの上端から前方(図4で右方)へ直角に折れ曲がった上端折曲部21gは、上部ガイドレール21cの主走査方向の平面性を維持する役目を果している。
一方、キャリッジ23は図4〜図6に示すように、上面が開放したボックス状のキャリッジ本体230と、その背面(図4で左側の面)230aの両側面より上方に延びた上端部から後方(図4で左方)へ略直角に曲がって延びる上部水平延長部231とから構成されている。この上部水平延長部231には、後述するヘッドドライバ等の電気回路基板やハーネスなどが実装される。
本体230の両側面の下部に一対のセンサ支持部材232が設けられ、図6に示すように、その内面間に水平に設けられた記録ヘッド支持板233の下面に、各色のインク滴を吐出する記録ヘッド24を構成する4個の記録ヘッド24y,24m,24c,24kが取り付けられる。一対のセンサ支持部材232には、用紙幅を検知するための光学センサ(図示は省略)等が取り付けられる。
また、キャリッジ本体230内には、各記録ヘッド24に各色のインクを供給するための各色のインクを保持するサブタンク26(図3に示した4個のサブタンク26k,26c,26m,26y)を収容する。
このキャリッジ本体230の背面側の下部には、図4に明示するように、紙面に垂直な主走査方向に沿って、前方及び上方へ所定寸法だけ切り欠いた形状の段差部234が形成されており、その段差部234の背面に後方へ突出した突起部235を設けている。
また、上部水平延長部231の下面には下方へ延びる垂下片236を固設し、その前面側(図4で右側)に突起部237を設けている。
さらに、キャリッジ本体230の背面の下端部には、図5及び図6に明示するように、主走査方向に間隔を置いて2個ずつ2種類のカムロッド支持アーム238,239を後方へ張り出して設けている。この4個のカムロッド支持アーム238,239に、カムロッド55を嵌合させて、そのカムロッド55を水平に且つ回転可能に支持する。
キャリッジ23を構成するこれらの各部は、樹脂等によって一体に成形される。
カムロッド55は、カムロッド支持アーム238,239に回転可能に嵌合する丸棒状のロッド55aと、そのロッド55aの外周から径方向に扇形に突出するように、軸線方向に間隔を置いて設けた一対のカム部55b,55cと、ロッド55aの両端部の外周に設けた降下用回転誘導部55d及び上昇用回転誘導部55eとからなる。
カム部55bと55cは同じ形状であり、ロッド55aの中心軸線から外周面までの寸法が小さい部分と大きい部分とが連続的に形成されており、互いにその径方向の位置を一致させている。
降下用回転誘導部55dと上昇用回転誘導部55eは、それぞれロッド55aの外周から径方向に螺旋状に張り出した面を形成している。
このカムロッド55は、アルミニウム等の比較的軽い金属あるいは樹脂等によって一体に形成される。
このカムロッド55を装着したキャリッジ23を、図4に示すようにガイドレール21にスライド可能に支持させる。
すなわち、キャリッジ23を上方から下降させて、垂下片236の突起部237と段差部234の突起部235とでガイドレール21を挟むようにして搭載し、カムロッド55のカム部55bと55cの外周面をガイドレール21の水平部21aの上面に当接させる。その状態で、段差部234の突起部235が下部ガイドレール21bの前面に当接し、垂下片236の突起部237が上部ガイドレール21cの背面に当接する。
これによって、図4にそれぞれ破線の円で示す3箇所で、ガイドレール21とキャリッジ23とが、紙面に垂直な主走査方向に相対摺動すなわちスライド移動可能に当接する。そして、その各当接部は次の機能を果す。
A部は、キャリッジ23の自重によるモーメントを受け、回転止めとなる。
B部は、キャリッジ23の副走査方向(図4で左右方向)の位置決めをする。
C部は、キャリッジ23の高さ位置を決める。この高さ位置によって、図2に示したプラテン43の上面と記録ヘッド24の下面との間隔(ギャップ)が変わる。
このプリンタでは、キャリッジ23に設けたカムロッド55を約1/4回転させることによって、上記C部で、カム部55b,55cの中心からの寸法が小さい部分がガイドレール21の水平部21aに当接するキャリッジ降下位置と、カム部55b,55cの中心からの寸法が大きい部分がガイドレール21の水平部21aに当接するキャリッジ上昇位置とを切り換えることができる。
キャリッジ降下位置では上記ギャップが小さくなり、普通紙に印刷する場合に適した間隔になる。キャリッジ上昇位置では上記ギャップが大きくなり、厚紙に印刷する場合に適した間隔になる。
このように、カムロッド55を回転させてキャリッジ23の高さ位置を切り換える動作を、キャリッジ23の主走査方向の移動力によって自動的に行えるように、カムロッド55の両端部に降下用回転誘導部55dと上昇用回転誘導部55eを設けている。また、その降下用回転誘導部55d及び上昇用回転誘導部55eとそれぞれ対向するように、左右の側板20a,20bの内面に一対の固定押し部材であるドッグ22Aとドッグ22Bを固定して設けている。なお、図6では図示の都合上、側板20a及びドッグ22Aと側板20b及びドッグ22Bとの間隔を大幅に縮めて示している。
図6において、キャリッジ23が図3に示した右側(図6では左側)の移動端付近まで移動すると、図6に示す降下用回転誘導部55dがドッグ22Aに当接し、同図でさらに左方へ移動することによって、ドッグ22Aの先端が降下用回転誘導部55dの螺旋面を滑り、カムロッド55を図4に示す側から見て左回転させる。それによって、カム部55b,55cの中心からの寸法が小さい部分がガイドレール21の水平部21aに当接して、キャリッジ23を降下させた状態で停止する。
通常はこの位置でキャリッジ23を待機させ、図3に示した維持回復機構部46のキャップ47によって記録ヘッド24をキャッピングして、ノズルを湿潤状態に保つようにする。
一方、キャリッジ23が図3に示した左側(図6では右側)の移動端付近まで移動すると、図6に示す上昇用回転誘導部55eがドッグ22Bに当接し、同図でさらに右方へ移動することによって、ドッグ22Bの先端が上昇用回転誘導部55eの螺旋面を滑り、カムロッド55を図4に示す側から見て右回転させる。それによって、カム部55b,55cの中心からの寸法が大きい部分がガイドレール21の水平部21aに当接して、キャリッジ23を上昇させた状態で停止する。図4はこの状態を示している。
このように、キャリッジ23の主走査方向の移動動作をカムロッド55の回転に変換することができる。そのため、キャリッジ23を主走査方向の一端部付近へ移動させることによって降下させて、プラテン43と記録ヘッド24とのギャップを小さくし、キャリッジ23を主走査方向の他端部付近へ移動させることによって上昇させて、プラテン43と記録ヘッド24とのギャップを大きくすることができる。
したがって、キャリッジ23の主走査方向への移動によって、ギャップ切り換えを簡単に行うことができる。
このギャップ切り換えは、例えば、図1に示した操作表示部8に設けられた選択操作ボタン13を押下することによって、ユーザが印刷しようとする用紙の厚さに応じて任意に行えるようにすることができる。また、このプリンタに印刷ジョブを送るパーソナルコンピュータ等のホスト装置のプリンタドライバからの指定によって、普通紙又は厚紙(封筒も含む)の印刷に適したギャップに自動的に設定変更することもできる。
〔キャリッジと搬送ベルトの駆動機構と位置検出手段〕
次に、このプリンタにおけるキャリッジ23と搬送ベルト34の駆動機構と位置検出手段について、図7によって説明する。この図7は、図3におけるこの説明に必要な部分だけを簡略化して示すとともに、そのキャリッジ23と搬送ベルト34の駆動機構と位置検出手段に関する構成を追加して示している。
このプリンタは前述したように、板金製のガイドレール21によって、キャリッジ23を主走査方向(矢示X方向)にスライド移動可能に保持している。そして、ガイドレール21の一端部付近に取り付けられた主走査モータ61によって回転駆動される駆動プーリ71と、他端部付近に回転自在に支持された従動プーリ72との間にタイミングベルト73が掛け渡されている。そのタイミングベルト73の上側部分にキャリッジ23が固着されている。
したがって、主走査モータ61が駆動プーリ71を回転させることによって、タイミングベルト73を介してキャリッジ23を主走査方向に移動走査させることができる。その主走査モータ61は正逆回転が可能であり、その回転方向によって、キャリッジ23を右側から左側へあるいは左側から右側へ往復移動させることができる。
このキャリッジ23には、前述した各色のインク滴を吐出する4個の液吐出ヘッドから成る記録ヘッド24を、それぞれノズル列を副走査方向(矢示Y方向)に配列して、その各インク吐出口方向を下方に向けて装着している。各色のインクを保持する4個のサブタンクも搭載しているが、図示を省略している。
また、キャリッジ23の移動方向である主走査方向に沿って、一定間隔で多数のスリット64aを形成したエンコーダスケール64を設け、キャリッジ23にはそのエンコーダスケール64のスリット64aを検出するエンコーダセンサ65を設けている。このエンコーダスケール64とエンコーダセンサ65によって、キャリッジ23の主走査方向の位置を検知するためのリニアエンコーダ63を構成している。
このリニアエンコーダ63のエンコーダセンサ65が出力するパルス信号のカウント値が、キャリッジ23の主走査方向の位置に対応する。
一方、記録媒体である用紙Pを静電吸着して、記録ヘッド24に対向する位置で矢示Yで示す副走査方向へ搬送するための無端状の搬送ベルト34は、搬送ローラ41とテンションローラ42との間に掛け渡されている。
また、図示していないフレームに保持された副走査モータ62によって回転駆動される駆動プーリ81と、搬送ローラ41の軸41aに固着された搬送ローラプーリ82との間に、タイミングベルト83が掛け渡されている。
したがって、副走査モータ62が駆動プーリ81を所定方向に回転させることによって、タイミングベルト83及び搬送ローラプーリ82を介して搬送ローラ41を所定方向に回転させる。それによって搬送ベルト34が所定方向へ周回移動して、用紙Pを矢示Yで示す副走査方向へ搬送する。
搬送ローラ41の軸41aの先端部には、円周方向に一定間隔で多数のスリットを形成したエンコーダホイール67をその中心を固着して設け、図示しない側板にはエンコーダホイール67のスリットを検出するエンコーダセンサ68を固定して設けている。このエンコーダホイール67とエンコーダセンサ68によって、搬送ベルト34の副走査方向の位置を検知するためのホイールエンコーダ66を構成している。
このホイールエンコーダ66のエンコーダセンサ68が出力するパルス信号のカウント値が、搬送ベルト34の副走査方向の位置、すなわち用紙Pの搬送位置に対応する。
この図7では、ガイドレール21及び主走査モータ61及びリニアエンコーダ63等を、搬送ローラ41及び搬送ベルト34から後方(図7では上方)の重ならない位置にずらし、副走査モータ62と搬送ローラプーリ82及びホイールエンコーダ66等もそれらと重ならない位置にずらして示している。しかし、実際には、それらの高さ方向の位置が異なっているので、上方から見た場合には重なり合う位置にコンパクトに配置することができる。
〔プリンタの制御部及びその制御系〕
次に、このインクジェットプリンタにおける制御部(コントローラ)及びその制御系の構成例を図8によって説明する。
図8に示す制御部100は、上述したプリンタ全体の制御を司る制御手段であり、中央処理装置であるCPU101、プログラム及び固定データを格納するメモリであるROM102、画像データ等のデータメモリであるRAM103、不揮発性メモリであるNVRAM104、ホストインタフェース(ホストI/F)105、入出力部(I/O)106等からなるマイクロコンピュータを備えている。このCPU101を主とするマイクロコンピュータは、後述するこの発明に関する判断や処理等も行う。
さらに、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他プリンタ全体を制御するための入出力信号を処理する特定用途用集積回路であるASIC107を備えている。ホストI/F105は、印刷データ(画像形成ジョブデータ)を送信するパーソナルコンピュータ等のホスト装置とのデータ信号の送受を行う。
これらの各部は、CPUバス110によって相互にデータや信号の遣り取りが可能に接続されている。また、図1に示した操作表示部(操作パネル)8もCPUバス110に接続されている。
さらに、CPUバス110に接続された制御用バス120に、印刷制御部である駆動波形生成部121と、ヘッドドライバ60と、主走査モータ駆動部123と、副走査モータ駆動部124と、ACバイアス供給部125とが接続されている。これらの各部は、いずれもCPU101によって制御されて動作する。なお、図3に示した維持回復機構部46の動作を制御する部分は、ここでは図示を省略している。
リニアエンコーダ63からキャリッジ23の移動量及び移動速度に応じて出力されるパルス信号と、ホイールエンコーダ66から搬送ベルト34の移動量及び移動速度に応じて出力されるパルス信号を、入出力部(I/O)106に入力させる。また、キャリッジ23の主走査移動のホームポジションを検知するためのホームポジション検知センサ(HP検知センサ)91の検知信号も、この入出力部(I/O)106に入力させる。
この制御部100は、ホスト装置のプリンタドライバから印刷データ等を通信ケーブルあるいはネットワークを介してホストI/F105によって受信する。ホスト装置は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読取装置、あるいはデジタルカメラなどの撮像装置など、このプリンタに画像形成(印刷)をさせる装置である。
ホストI/F105が印刷データ等を受信すると、CPU101がホストI/F105に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC107によって必要な画像処理及びデータの並び替え処理等を行い、その画像データ(ドットパターンデータ)をクロック信号に同期してヘッドドライバ60にシリアルデータで出力する。
なお、画像を出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM102にフォントデータを格納しておいて、このプリンタの制御部100で行っても良いし、ホスト装置側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開して、このプリンタの制御部100に転送するようにしてもよい。ここでは、プリンタドライバで行うものとする。
駆動波形生成部121は、ROM102に格納されてCPU101で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成され、1つの駆動パルスあるいは複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ60に対して出力する。
ヘッドドライバ60は、例えば、クロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタと、そのレジスト値をラッチするラッチ回路と、そのラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)と、そのレベルシフタでON/OFFが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含む。
そして、そのアナログスイッチアレイのON/OFFを制御することによって、駆動波形生成部121から与えられる駆動波形に含まれる所要の駆動パルスを選択的に記録ヘッド24の圧力発生手段に印加する。それによって、記録ヘッド24を駆動して所要のインク滴を吐出させる。
主走査モータ駆動部123は、主走査モータ61を駆動してキャリッジ23を主走査方向へ往復移動させる。
副走査モータ駆動部124は、副走査モータ62を駆動して、図2、図3及び図7に示した搬送ローラ41を回転させ、搬送ベルト34を前述したように用紙を副走査方向へ間欠的に搬送し得るように回動させる。
ACバイアス供給部125は、帯電ローラ40に対して供給するACバイアスのON/OFF制御を行うことによって、搬送ベルト34上の帯電パターンを制御し、搬送ベルト34を帯電させて用紙を静電吸着可能にする。
〔この発明の特徴に関する実施例〕
この発明によるインクジェット方式の画像形成装置(前述の実施形態ではプリンタ)は、前述したように、記録ヘッドとプラテンとの間隔であるギャップの大きさを変更可能なギャップ変更機構を備えている。そして、そのギャップ変更機構は、キャリッジが移動範囲の一方の端部付近へ移動すると上記ギャップが小さくなり、他方の端部付へ移動すると上記ギャップが大きくなる機構である。
また、このようなインクジェット方式の画像形成装置では、そのキャリッジの主走査方向の移動位置を正確に検出して制御する必要がある。そのために、前述したプリンタには、図7によって説明したエンコーダスケール64とエンコーダセンサ65からなるリニアエンコーダ63を設けている。
そして、キャリッジ23の主走査方向への移動(「主走査移動」と言う)に伴って、リニアエンコーダ63のエンコーダセンサ65から出力されるパルス信号を、図8に示した制御部100に入力してカウントするようにしている。そのパルス信号のカウントは、制御部100のCPU101を主とするマイクロコンピュータの機能によるソフトカウンタで行う。このカウンタを「主走査位置カウンタ」と称す。
その主走査位置カウンタがキャリッジの移動位置を正確に検出するためは、キャリッジの主走査移動の基点(ゼロ点)となるホームポジションからのパルス数を正確にカウントする必要がある。
そのため、一般的なインクジェットプリンタでは、キャリッジをホームポジション側の側板に突き当たるまで移動し、突き当たって停止した位置で主走査位置カウンタをリセットしている。その場合のインクジェットプリンタの制御部による処理の流れを、図9のフローチャートで説明する。この図9および以後の各フローチャートにおいても、すべて「ステップ」を「S」と略記する。
制御部がこの図9の処理を開始すると、まずステップ1でホームポジション(図中では「HP」と略記している)方向にキャリッジを駆動する。そして、ステップ2でキャリッジが動いていないと判断するまでキャリッジを駆動する。キャリッジが動いていないと判断すると、キャリッジが側板に突き当たって停止しているので、ステップ3でキャリッジの駆動を停止する。そして、ステップ4で主走査位置カウンタをリセットして、処理を終了する。
しかし、上述したギャップ変更機構を備えたプリンタにこれを適用すると、キャリッジをホームポジション側の端部へ移動させて側板に突き当てたとき、ギャップを変更する必要がない場合でも、キャリッジが降下又は上昇してギャップの大きさを変更してしまうことになる。
例えば、記録ヘッドとプラテンとのギャップを大に設定して厚紙に印刷を行っている場合に、一つの印刷ジョブを完了し、主走査位置カウンタをリセットする必要が生じると、キャリッジをホームポジションへ移動させて、ホームポジションを検知するために側板に突き当てることになる。
すると、そのホームポジションを検知するための動作によって、ギャップが小に切り換わってしまう。そのため、次の印刷ジョブを引き続き厚紙に印刷しようとすると、厚紙と記録ヘッドが接触して、記録ヘッドがダメージを受けてしまう可能性がある。あるいは、印刷開始に先立って、キャリッジを反対側の端部へ移動させて、再度ギャップを大に設定し直す必要が生じる。
そこで、キャリッジがホームポジション側の側板に突き当たって停止するより前の位置で、ホームポジションを検知するようにホームポジション検知センサ(以下「HP検知センサ」と略称する)を設ける必要がある。
しかし、その場合は、HP検知センサの検知信号で主走査位置カウンタをリセットすると同時にキャリッジの駆動を停止させても、キャリッジが慣性でさらに幾分移動してしまう。そのため、ゼロ点とキャリッジの停止位置とが正確に一致しないことになる。
また、HP検知センサの組み付け位置の誤差や検知性能のバラツキなどによって、ホームポジションを検知する位置にもバラツキが生じ、正確なホームポジション位置で主走査位置カウンタをリセットすることは困難である。
そのため、この発明の各実施例では、キャリッジがホームポジション側の側板に突き当って停止するより前の位置で、ホームポジションを検知するようにHP検知センサを設け、且つ上記の問題を解決するようにしている。
すなわち、予めキャリッジを移動範囲のホームポジション側へ移動させて、その端部の側板に少なくとも1回以上突き当て、HP検知センサがONになった時点での主走査位置カウンタのカウント値と、キャリッジが側板に突き当たって停止した位置でのカウント値との差分を記憶保持してから、主走査位置カウンタをリセットする。
その後、キャリッジをホームポジションへ移動させるときには、HP検知センサがホームポジションを検知する位置まで移動したときに、キャリッジの駆動を停止し、上記保持した差分と慣性によるキャリッジの移動量とに基づいて、ゼロ点を調整するカウント値を主走査位置カウンタにセットする。それによって、キャリッジのゼロ点からの移動量を正確に検出できるようになる。
このようにすれば、キャリッジの側板への突き当てを行わずに、主走査位置カウンタをリセットすることができ、不要なギャップ変更が発生しない。
〔実施例1〕
ここで、この発明の各実施例に共通する基本的な実施例1について、主走査位置カウンタのリセット及びセット等を行う機能および動作を、図10〜図13によって説明する。
図10は、その実施例1の動作を説明するために最小限必要な機構を模式的に示す説明図であり、図3を紙面の上方から見た背面の一端部側を簡略化して示した図に相当する。しかし、キャリッジ23のホームポジションを側板20a側にしており、図3とは左右が反対になっている。これは、キャリッジ23がホームポジションで待機する時には、維持回復機構部46のキャップ47で記録ヘッド24をキャッピングして、ノズルを湿潤状態に保つ必要があるためである。
しかし、キャリッジの主走査方向の移動範囲におけるいずれの端部側をホームポジションにするか、キャリッジがいずれの端部へ移動したときに降下位置になるか、あるいは上昇位置になるかは適宜変更できることである。
この実施例では、キャリッジがホームポジション側の端部の側板20aに突き当たったときに降下位置になり、記録ヘッド24とプラテン43との間隔が小さく(普通紙の印刷に適したギャップに)なるものとし、その位置で記録ヘッド24がキャッピンがされて待機する場合を想定している。
また、この図10では説明を分り易くするために、キャリッジ23の側板20aと対向する側面の上部に、HP検知センサ91の作動片91aを押圧するための突起23aを、下部に、側板20aに突き当る突部23bを設けている。しかし、図4〜図6に示したカムロッド55や、図3及び図6に示したドッグ22A,22Bは図示を省略している。以後の各実施例の説明に使用するこの図10と対応する各図においても同様である。
図11は、図8に示した制御部100によって実施例1の動作を実現するための機能構成を示すブロック図である。
図12及び図13は、図8に示した制御部100の主としてCPU101がROM102に格納されているプログラムに従って動作して、図11に示す機能を実現し、主走査位置カウンタのリセット及びセット等を行うための処理を示すフローチャートである。
まず、図10によって実施例の動作の概要を説明する。
このプリンタには、図7によっても説明したように、キャリッジ23の移動方向である主走査方向に沿ってその全移動範囲に亘って設けたエンコーダスケール64と、キャリッジ23の背面に取り付けられて、エンコーダスケール64のスリット64aを検出するエンコーダセンサ65とからなるリニアエンコーダ63を備えている。
そのリニアエンコーダ63のエンコーダセンサ65は、エンコーダスケール64を挟んで対向する位置に発光素子と受光素子が配置された透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)であり、エンコーダスケール64のスリット64aの位置で受光素子が発光素子からの光を受光し、それを光電変換した電気信号(パルス信号)を出力する。
エンコーダスケール64には、キャリッジリッギ23の移動範囲の全長に亘る帯状の透明樹脂板に、等間隔に細かいスリット64aを形成するスリットパターンを黒色インクで印刷したものを使用するとよい。
また、図8に示した制御部100の機能として、キャリッジ23の移動に伴ってリニアエンコーダ63から出力されるパルス信号をカウントして、キャリッジ23の主走査位置の情報を得る主走査位置カウンタの機能も備えている。
そして、キャリッジ23を図10の(a)に矢示Aで示すように、主走査方向の移動範囲のホームポジション側の端部へ移動させた際に、キャリッジ23が固定部材である側板20aに突き当たる手前の図10の(b)に示す位置で、検知信号(この例ではON信号)を出力するように、HP検知センサ91を側板20aに支持させて設けている。キャリッジ23の側面上部に設けた突起23aがHP検知センサ91の作動片91aを押し、HP検知センサ91をONにする。
ここで側板20aに突き当たる手前の位置とは、HP検知センサ91がON信号を出力した時点で主走査モータ61(図7及び図8参照)の駆動を停止させると、キャリッジ23が側板20aに突き当ることなく必ずその手前で停止できる位置である。
キャリッジ23をさらに側板20a側へ移動させて、図10の(c)に示すように突部23bを側板20aに突き当て、HP検知センサ91がON信号を出力した時点での主走査位置カウンタのカウント値と、キャリッジ23が側板20aに突き当たって停止した位置での主走査位置カウンタのカウント値との差分値を保持してから、主走査位置カウンタをリセットする第1の手段を、図8に示した制御部100の機能として有している。上記差分値が、HP検知センサ91がON信号を出力した時点におけるキャリッジ23の位置と側板20aとのオフセット距離に相当する。
そのオフセット距離に相当する差分値を保持した以後に、キャリッジ23をホームポジション側へ移動させ、HP検知センサ91がON信号を出力した時点で前記キャリッジの駆動を停止する。その後、そのキャリッジ23の移動が停止して主走査位置カウンタのカウントが停止したカウント値と、上記ON信号が出力された時点における主走査位置カウンタのカウント値の差によって上記第1の手段によって保持した差分値を補正し、その補正した値を主走査位置カウンタにセットする第2の手段も、制御部100の機能として有している。
なお、HP検知センサ91は、キャリッジ23が図10の(b)の位置に移動した時にON信号を出力し、その後キャリッジ23が図10の(c)の位置へ移動して側板20aに突き当たってもON状態のままである。
次に、図8に示した制御部100によって、上述した実施例の機能を実現するための機能構成を、図11によって説明する。
制御部100は、図11に示すように、主走査モータ駆動部123と、HP検知信号判定部132、主走査位置カウンタ133、キャリッジ移動判定部134、第1メモリ135、第2メモリ136、オフセット距離演算部137、主走査位置カウンタリセット部138、および補正オフセット距離演算・セット部139の機能を有している。
主走査モータ駆動部123は、主走査位置カウンタ133、キャリッジ移動判定部134、およびHP検知信号判定部132とそれぞれ信号を送受して、キャリッジ23を移動させる主走査モータ61の駆動を制御する。
主走査位置カウンタ133は、キャリッジ23の移動に応じてリニアエンコーダ63から、エンコーダセンサ65がエンコーダスケール64のスリット64aを検知するごとに出力するパルス信号をカウントする。そのカウント値がキャリッジ23の主走査位置を示す情報であり、主走査モータ駆動部123、キャリッジ移動判定部134、HP検知信号判定部132、およびオフセット距離演算部137へ適時に送られる。
この主走査位置カウンタ133は、カウント値が「0」にリセットされた状態から、キャリッジ23がホームポジションと反対方向へ移動しているときには、エンコーダセンサ65からのパルス信号を加算カウントし、キャリッジ23がホームポジション方向へ移動しているときには、エンコーダセンサ65からのパルス信号を減算カウントする。そして、カウント値が「0」になってもさらにホームポジション方向へ移動した場合はマイナスのカウント(−1,−2,−3のように)をする。
HP検知信号判定部132は、HP検知センサ91の検知信号を監視しており、HP検知センサ91がON(検出信号あり)であるかOFF(検出信号なし)であるかの判定を行う。そして、HP検知センサ91がOFFからONになったときの主走査位置カウンタ133のカウント値を、第1メモリ135に「センサON位置」として保持(記憶)させる。
キャリッジ移動判定部134は、主走査位置カウンタ133から送られるカウント値が変化しているか否かによって、キャリッジ23が動いているか否かを判定し、その判定結果を主走査モータ駆動部123へ送る。
第1メモリ135は、図8に示したRAM103のメモリ領域を使用し、HP検知信号判定部132から、HP検知センサ91がOFFからONに変化した判定結果が送られたとき、そのときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置」として保持する。この保持したカウント値は、オフセット距離演算部137および補正オフセット距離演算・セット部139によって適時に読み出される。
オフセット距離演算部137は、第1メモリ135から読み出した「センサON位置」のカウント値と主走査位置カウンタ133の現在位置のカウント値に基づいて、次式の演算によって「オフセット距離」(カウント値相当)を算出する。
「オフセット距離」=「センサON位置」−「現在位置」
そして、この算出した「オフセット距離」を第2メモリ136に保持(記憶)させる。
主走査位置カウンタリセット部138は、オフセット距離演算部137が「オフセット距離」の演算を終了した後、主走査位置カウンタ133のカウント値を「0」にリセットする。
第2メモリ136は、図8に示したNVRAM104のメモリ領域を使用し、オフセット距離演算部137によって算出された「オフセット距離」の値を保持(記憶)する。
補正オフセット距離演算・セット部139は、主走査位置カウンタ133がリセットされた後に、キャリッジ23がホームポジション側へ移動され、前述した「センサON位置」が保持されると同時にその駆動が停止された後、キャリッジ23の移動が停止したとき(主走査位置カウンタ133のカウント値の変化から判断できる)、「補正オフセット距離」に相当するカウント値を算出して、それを主走査位置カウンタ133にセットする。
その「補正オフセット距離」は、第2メモリ136に保持されている「オフセット距離」の値と、第1メモリ135に保持されている「センサON位置」と、キャリッジ23の移動が停止して、主走査位置カウンタ133のカウントが停止したカウント値(「現在位置」と言う)とに基づいて、次式の演算によって算出される。
補正オフセット距離=オフセット距離+(現在位置−センサON位置)
これによって、キャリッジ23が側板20aに突き当たって停止した位置を基点(ゼロ点)とした場合の現在のキャリッジの位置までのオフセット距離を示すカウント値が、主走査位置カウンタ133に正確にセットされることになる。
これらの各部のうち、主走査モータ駆動部123と主走査位置カウンタ133を除く各部によって、前述した「第1の手段」と「第2の手段」の機能を果す。
次に、図12によって、キャリッジをホームポジション側の側板に突き当てて、主走査位置カウンタをリセットする場合の制御部100による処理の流れを説明する。
この処理は、プリンタのメイン電源が投入されたとき、あるいは記録ヘッドとプラテンとのギャップを大から小に変更する必要がある場合などに、制御部100のCPU101を主とするマイクロコンピュータが実行する。
CPU101がこの処理を開始すると、まずステップ11で、HP検知センサがONか否かを判断する。ONであれば図10の(b)又は(c)に示したように、キャリッジ23の突起23aが作動片91aを押圧してHP検知センサ91をONにしているので、ステップ12へ進んで非ホームポジション(図ではHP)方向にキャリッジ23を駆動する。
それによって、キャリッジ23の突起23aが作動片91aから離れるとHP検知センサ91がONからOFFになるが、余裕を持って少しタイムラグをとり、図10の(a)に示したような位置で、ステップ11でHP検知センサOFFと判断してステップ13へ進む。そして、今度は同図に矢示Aで示すホームポジション(図ではHP)方向にキャリッジ23を駆動する。
これらのキャリッジ23の駆動は、図11の主走査モータ駆動部123に主走査モータ61を逆転駆動あるいは正転駆動させて行う。
その後、ステップ14でHP検知センサ91がONに変化したと判断すると、キャリッジ23が図10の(b)に示す位置になったので、ステップ15でその時の主走査位置カウンタ133のカウント値を、「センサON位置」として図11に示した第1メモリ135に記憶させて保持する。
その後、ステップ16でキャリッジが動いていないと判断するまで、ステップ17でホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。そして、ステップ16でキャリッジが動いていないと判断すると、ステップ18でキャリッジ23の駆動を停止する。すなわち、主走査モータ駆動部123による主走査モータ61の駆動を停止させる。このときは、図10の(c)に示すように、キャリッジ23が側板20aに突き当って停止している。
ステップ16でのキャリッジが動いていないか否かの判断は、主走査位置カウンタ133のカウント値が設定した時間内で変化しなかった場合に、「キャリッジが動いていない」と判断する。
その後、ステップ19で、ステップ15で保持した「センサON位置」のカウント値と、キャリッジ23が側板20aに突き当たって停止している現在の主走査位置カウンタ133のカウント値である「現在位置」とに基づいて、「オフセット距離」を次の演算によって算出して、図11に示した第2メモリ136に記憶させて保持する。
「オフセット距離」=「センサON位置」−「現在位置」
そして、「センサON位置」のカウント値は第1メモリ135から消去して破棄する。
上記「オフセット距離」は、キャリッジ23が側板20aに突き当たって停止している位置を基点(ゼロ点)にして、HP検知センサ91がONに変化したときのキャリッジ23の位置のオフセット距離に相当するカウント値である。
その後、ステップ20で、主走査位置カウンタ133のカウント値を「0」にリセットする。したがって、この状態では、キャリッジをホームポジション側の側板に突き当てて停止させたときに、主走査位置カウンタをリセットする従来の場合と同様に、主走査位置カウンタは基点(ゼロ点)で正しくリセットされる。
したがって、その後のキャリッジ23の移動位置を正確に検知することができる。
また、上述した「オフセット距離」のカウント値を保持したことによって、以後のホームポジションへの復帰時には、キャリッジ23を側板20aに突き当てることなく、突き当てた場合と同等に主走査位置カウンタ133のリセットを行うことが可能になる。
そこで、図13によって、キャリッジの側板への突き当てを行うことなく、主走査位置カウンタ133のリセットを行う場合の制御部100による処理の流れを説明する。
制御部100のCPU101は、第2メモリ136(NVRAM104)に前述した「オフセット距離」のカウント値を保持している状態で、ギャップ変更をせずに主走査位置カウンタ133をリセットしたい場合に、図13の処理を実行する。
CPU101がこの処理を開始すると、まずステップ21で、HP検知センサ91がONであるか否かを判断する。このとき、通常はキャリッジはホームポジションにはないはずなので、HP検知センサ91はOFFになっているはずである。したがって、ステップ23へ進んで図10の(a)に示すように、ホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
しかし、ステップ21でもしHP検知センサ91がONであった場合は、キャリッジ23がホームポジションにあるので、ステップ22へ進んで非ホームポジション方向(ホームポジション方向と反対の方向)にキャリッジ23を駆動する。
そして、ステップ21でHP検知センサ91がONではない(OFF)と判断したら、ステップ23へ進んでホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
その後、ステップ24でHP検知センサ91がONに変化したと判断するまで、ステップ23に戻ってホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。そして、ステップ24でHP検知センサ91がONに変化したと判断すると、ステップ25へ進んで、そのときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置」として第1メモリ135(RAM103)に記憶させて保持する。それと略同時に、ステップ26でキャリッジ23の駆動を停止する。すなわち、主走査モータ駆動部123による主走査モータ61の駆動を停止する。
そして、ステップ27へ進んで、第2メモリ136(NVRAM104)に保持している「オフセット距離」のカウント値と、ステップ25で保持した「センサON位置」のカウント値と、キャリッジ23の移動が停止し主走査位置カウンタ133のカウントが停止した「現在位置」のカウント値とから、「補正オフセット距離」を次の演算によって算出し、それを主走査位置カウンタ133にセットして、処理を終了する。
補正オフセット距離=オフセット距離+(現在位置−センサON位置)
これによって、キャリッジ23が側板20aに突き当たって停止した位置を基点(ゼロ点)とした場合の現在のキャリッジの位置までのオフセット距離を示すカウント値が、主走査位置カウンタ133に正確にセットされることになる。すなわち、キャリッジ23を側板20aに突き当てることなく、突き当てた場合と同等に主走査位置カウンタ133のリセットを行えたことになる。
このように、この実施例のプリンタは、最低1回だけ図12の処理によって、キャリッジ23を側板20aに突き当てて主走査位置カウンタ133をリセットする際に「オフセット距離」を保持すれば、その後は図13の処理によって、キャリッジ23を側板20aに突き当てずに、主走査位置カウンタ133を正確にリセットしたのと同じことができる。
したがって、主走査位置カウンタをリセットする際に、不要なギャップ変更を行わずに済む。
〔実施例2〕
図14に示すように、リニアエンコーダ63のエンコーダスケール64に汚れ98が付着した場合、エンコーダセンサ65がこの汚れ98のある部分を通過する際に、パルス信号を正常に出力することができなくなる。そのため、主走査位置カウンタのカウント値とキャリッジ23の実際の移動位置とがずれることになり、印刷した画像がずれたり、キャリッジ23が側板20a又は20bに衝突したりすることがあるという問題がある。
この実施例2は、このような問題が発生した場合に、すぐにそれを検知してユーザに知らせることができるようにする機能を追加したものである。
そのため、この実施例2では図14に示すように、側板20aに取り付けたHP検知センサ91に加えて、反対側の側板20bにもHP検知センサ91と同じ検知センサ(「非HP検知センサ」と称す)92を、HP検知センサ91と対向して取り付ける。
また、キャリッジ23の側板20bと対向する側面の上部にも、非HP検知センサ92の作動片92aを押圧する突起23cを設けている。
次に、図8に示した制御部100によって、この実施例2による追加の機能を実現するための機能構成を、図15によって説明する。
この図15において、図11に示した各部と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらについては、実施例1と異なる機能だけを説明する。
この制御部100は新たに、タイムアウト判定部140、第3メモリ141、第4メモリ142、HP検知センサエラー検知部143、スケール汚れエラー判定部144、およびエラー表示制御部145の機能も有している。
実際には、図11と対応する部分としては、主走査モータ駆動部123とHP検知信号判定部132と主走査位置カウンタ133だけを示しているが、実際には134〜139の各部も有している。
HP検知信号判定部132は、HP検知センサ91と非HP検知センサ92両方の検知信号を監視しており、HP検知センサ91と非HP検知センサ92のいずれかがONになったときに「HP検知センサONに変化」と判定する。そして、そのときの主走査位置カウンタ133のカウント値を第3メモリ141又は第4メモリ142に「センサON位置」として保持させる。また、HP検知センサ91と非HP検知センサ92のいずれかがONであれば「HP検知センサON」と判定する。
なお、この実施例では、HP検知センサ91と非HP検知センサ92の検知信号はワイヤードOR回路などによって一つのポートで検出されるため、HP検知信号判定部132はどちらのセンサがONになったかは判らない。したがって、いずれがONになった場合も「HP検知センサONに変化」あるいは「HP検知センサON」と判定する。
タイムアウト判定部140は、主走査モータ駆動部123の駆動時間を判定し、所定の時間以上主走査モータ61が駆動しているとタイムアウトと判定し、その判定結果を主走査モータ駆動部123に送り、主走査モータ61の駆動を反転あるいは停止させる。また、主走査モータ61の駆動を停止させる場合は、HP検知センサエラー検知部143にもタイムアウト判定結果を送信する。
HP検知センサエラー検知部143は、HP検知信号判定部132による判定結果が「HP検知センサON」であり、タイムアウト判定部140による判定結果がタイムアウトであったときにHP検知センサ91又は非HP検知センサ92のいずれかが異常であるエラーを検知する。そのエラー信号をエラー表示制御部145に送る。
それによって、エラー表示制御部145は操作表示部8の表示器18にHP検知センサのエラーを表示させる。
第3メモリ141は、図8に示したRAM103のメモリ領域を使用し、キャリッジ23をホームポジション方向へ駆動中に、HP検知信号判定部132が「HP検知センサONに変化」を判定したときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置A」として保持する。
第4メモリ142も、図8に示したRAM103のメモリ領域を使用し、キャリッジ23を非ホームポジション方向へ駆動中に、HP検知信号判定部132が「HP検知センサONに変化」を判定したときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置B」として保持する。
スケール汚れエラー判定部144は、第3メモリ141及び第4メモリ142に保持された「センサON位置A」と「センサON位置B」のカウント値に基づいて、「センサON位置B−センサON位置A」を予め設定された閾値と比較し、閾値を超えていた場合はエンコーダスケール64に汚れがある「スケール汚れエラー」であると判定し、そのエラー信号をエラー表示制御部145に送る。
それによって、エラー表示制御部145は、操作表示部8の表示器18にスケール汚れのエラーを表示させる。
次に、図16によって、このエラー検出を行うための処理の流れを説明する。
この処理は、プリンタのメイン電源が投入されたとき、あるいは印刷ジョブを実行する前、待機中の任意のタイミングなどに、制御部100のCPU101を主とするマイクロコンピュータが実行する。
この処理を開始すると、まずステップ31で「HP検知センサON」か否かを判断する。この判断は前述したように、HP検知センサ91又は非HP検知センサ92のいずれかがONであれば「HP検知センサON」と判断する。
そして、「HP検知センサON」であれば、図14に示したキャリッジ23はホームポジション側にあると仮定して、ステップ32で非ホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
その後、ステップ33でタイムアウト(所定時間経過)と判断する前に、ステップ31の判断が「HP検知センサON」でなくなれば、キャリッジ23がホームポジション側からHP検知センサ91をOFFにする位置まで移動したことになる。そこで、ステップ39へ進んで、今度はホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
しかし、非ホームポジション方向にキャリッジ23を駆動してもステップ31で「HP検知センサON」の判断のまま、ステップ33でタイムアウトと判断すると、ステップ34で再び「HP検知センサON」か否かを判断する。そして「HP検知センサON」であれば、キャリッジ23が非ホームポジション側にあると仮定して、ステップ35でホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
その後、ステップ36でタイムアウトと判断する前にステップ34で「HP検知センサON」でなくなれば、キャリッジ23が非ホームポジション側から非HP検知センサ92をOFFにする位置まで移動したことになる。そこで、ステップ39へ進んで、引き続きホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
ステップ35でホームポジション方向にキャリッジ23を駆動しても、ステップ34で「HP検知センサON」のままステップ36でタイムアウトと判断すると、HP検知センサ91又は非HP検知センサ92のいずれかが異常であるから、ステップ37に進んで主走査モータ駆動部123に主走査モータ61の駆動を停止させ、キャリッジ23の駆動を停止する。
そして、ステップ38で表示器18にHP検知センサ異常のエラー表示を行なわせて、処理を終了する。
そのエラー表示は、例えば図1に示した操作表示部8のキャンセルボタン14が押下されるまで、継続するようにするとよい。
一方、ステップ39でホームポジション方向にキャリッジ23を駆動した場合は、ステップ40で、「HP検知センサONに変化」と判定するまで、ホームポジション方向へのキャリッジ23の駆動を継続する。そして、ステップ40で「HP検知センサONに変化」(この場合はHP検知センサ91がOFFからONに変化したことになる)と判断すると、ステップ41に進んで、そのときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置A」として第3メモリ141に記憶させて保持する。
その後、ステップ42で今度は非ホームポジション方向にキャリッジ23を駆動する。
そして、ステップ43で「HP検知センサON」ではない(HP検知センサ91と非HP検知センサ92のいずれもOFF)と判断した後も、ステップ44で非ホームポジション方向にキャリッジ23を駆動し続ける。
そして、ステップ45で、「HP検知センサONに変化」(この場合は非HP検知センサ92がOFFからONに変化したことになる)と判断すると、ステップ46でそのときの主走査位置カウンタ133のカウント値を「センサON位置B」として第4メモリ142に記憶させて保持する。
その後、ステップ47でキャリッジ23の駆動を停止する。そして、ステップ48に進み、ステップ41で保持した「センサON位置A」の値とステップ46で保持した「センサON位置B」の値から、「B−A」を算出して閾値と比較する。そして、「B−A<閾値」であった場合は、エンコーダスケール64に汚れがあると判定して、ステップ49で表示器18にスケール汚れのエラーを表示させて処理を終了する。
そのスケール汚れエラー表示も、例えば図1に示した操作表示部8のキャンセルボタン14が押下されるまで、継続するようにするとよい。
ステップ48で、「B−A<閾値」ではないと判断した場合は、スケール汚れはないと見做して、そのまま処理を終了する。
ここで、主走査位置カウンタ133は、図14に示すキャリッジ23がホームポジション側の側板20aに当たって停止した位置を基点(ゼロ点)としてリセットされ、非ホームポジション側(側板20b側)へ移動するに従ってカウント値が増加し、ホームポジション側へ移動するとカウント値が減少する。
そして、「センサON位置B」は、非HP検知センサ92をONにする位置にキャリッジ23が移動したときの主走査位置カウンタ133のカウント値であり、「センサON位置A」は、HP検知センサ91をONにする位置にキャリッジ23が移動したときの主走査位置カウンタ133のカウント値である。したがって、「B−A」は、キャリッジ23がHP検知センサ91をONにした位置から非HP検知センサ92をONにする位置まで移動する間のカウント数である。
この間のカウント数は設計上決まっており、その設計上のカウント数からマージンを引いた数を閾値とする。例えば、この設計上のカウント数が「1000」であった場合、マージンを「10」取って、閾値を「990」とすると、「B−A」が990未満の場合は、スケール汚れがあると判定することになる。
また、エンコーダスケール64の汚れには異物の付着などの異常も含まれるが、帯状の透明樹脂板に黒印刷でスリットパターンを印刷したエンコーダスケールの場合には、その印刷のかすれや剥がれ、破損などの異常も同様に判定して表示することができる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について図17によって説明する。図17はその動作を説明するために最小限必要な機構を模式的に示す図10と図14同様な説明図である。そして、図10及び図14と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この実施例3は、前述した実施例2と同様にエンコーダスケールの異常を判定することもできるが、HP検知センサと非HP検知センサの主要部を共用するようにしたものである。
すなわち、図17に示すように、キャリッジ23上に1個のフォトセンサ93を取り付け、フォトセンサ93がキャリッジ23とともに移動する主走査経路上に、ホームポジション側の所定位置に被検知部材としてフィラー94を、反対側の非ホームポジション側の所定位置に被検知部材としてフィラー95を、それぞれ左右の側板20a,20bに支持させて設けている。
このフォトセンサ93とフィラー94とが前述したHP検知センサとして機能し、フォトセンサ93とフィラー95とが前述した非HP検知センサとして機能する。
この実施例3では、フォトセンサ93が透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)であり、フィラー94,95は遮光部材である。そのため、フォトセンサ93の発光素子と受光素子との間にフィラー94又は95が入り込み、その光路が遮られると受光素子から光電変換信号が出力されなくなるが、そのときに検知信号が出力され、実施例1,2における「HP検知センサON」と同じ判断がされるように回路構成されている。
したがって、図17の(a)に示すように、キャリッジ23が両側板20a,20bから離れた位置にあり、フォトセンサ93にフィラー94,95がいずれも挿入されていない場合には、フォトセンサ93が検知信号を出力せず、HP検知センサと非HP検知センサがいずれもOFFの状態である。
図17の(b)に示すように、キャリッジ23が側板20aの近くへ移動して、フォトセンサ93内にホームポジション側のフィラー94が挿入されると、HP検知センサがONの状態になる。また、同図の(c)に示すように、キャリッジ23が側板20bの近くへ移動して、フォトセンサ93内に非ホームポジション側のフィラー95が挿入されると、非HP検知センサがONの状態になる。
なお、フィラー94,95に代えて他の遮光部材を設けてもよい。例えば、エンコーダスケール64の基材と同様な細長い透明樹脂板の両端部付近のフィラー94,95に相当する領域に、黒色インク等で遮光マークを印刷したものでもよい。その場合は、3箇所以上に遮光マークを設けることも容易である。
また、キャリッジ23に取り付ける1個のフォトセンサ93を反射型フォトセンサにしてもよく、その場合には、被検知部材としてフィラー94,95に代えて一対の反射部材(反射板や白色板など)を配置すればよい。
図14に示した実施例2では、ホームポジション側と非ホームポジション側にそれぞれ個別のマイクロスイッチ等のセンサを配置した。しかし、この実施例3によれば、1個のフォトセンサと安価なフィラーや遮光マーク等の被検知部材を複数箇所に設置するだけなので、安価に実施できる。また、フィラーや遮光マーク等の被検知部材の数を増やすだけで、コストをかけずにセンサを増やしたのと同等の構成にすることが可能になる。
そのため、両端だけでなく、フォトセンサの主走査経路上に更に細かくフィラーや遮光マーク等を設置して、任意の2点間におけるエンコーダスケールの異常を判定することも可能になる。
〔実施例4〕
次に、実施例4について図18及び図19によって説明する。図18はその動作を説明するために最小限必要な機構を模式的に示す図17と同様な説明図である。図19はその効果を実施例3と比較して説明するための説明図である。これらの図において、図10、図14及び図17と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この実施例4は、前述した実施例2及び実施例3と同様にエンコーダスケールの異常を判定することもでき、さらに、キャリッジ23に傾きが発生した場合の問題を解決するものである。
この実施例4においても、前述の実施例3と同様にHP検知センサと非HP検知センサの主要部を1個のフォトセンサにして共用するが、図18に示すように、そのフォトセンサ93′をキャリッジ23の背面に、リニアエンコーダ63のエンコーダセンサ65に近接して設けている。このフォトセンサ93′も透過型フォトセンサである。
そして、その被検知部材である遮光マーク96,97をそれぞれエンコーダスケール64上に設けている。すなわち、エンコーダスケール64の両端部付近の所定位置における上半部に遮光マーク96,97を形成している。なお、エンコーダスケール64の上半部における遮光マーク96,97の間の部分は透明部64bになっている。
エンコーダスケール64が、帯状の透明樹脂板に黒色インクでスリットパターンを印刷したものである場合、上半部は遮光マーク96,97の部分だけをベタ黒に印刷し、下半部の全域にスリット64aを形成するスリットパターンを印刷すればよい。したがって、エンコーダスケール64上にスリット64aを形成するパターンと同時に遮光マーク96,97を簡単に、極めて安価に形成することができる。
そして、図18の(a)に示すように、キャリッジ23が両側板20a,20bから離れた位置にあり、フォトセンサ93′に遮光マーク96,97がいずれも挿入されていない場合には、フォトセンサ93′が検知信号を出力せず、HP検知センサと非HP検知センサがいずれもOFFの状態である。
図18の(b)に示すように、キャリッジ23が側板20aの近くへ移動して、フォトセンサ93′がホームポジション側の遮光マーク96を挟む位置に来ると、HP検知センサがONの状態になる。また、同図の(c)に示すように、キャリッジ23が側板20bの近くへ移動して、フォトセンサ93′が非ホームポジション側の遮光マーク97を挟む位置に来ると、非HP検知センサがONの状態になる。
ここで、図19によって、キャリッジ23の傾きに対する、HP検知センサON時のエンコーダセンサ65の検知点との位置ずれについて説明する。
図19の(a)は実施例3の場合であり、キャリッジ23の上部に設けたフォトセンサ93によってフィラー94を検知するため、エンコーダセンサ65とホームポジションを検知するフォトセンサ93との距離が長くなる。そのため、キャリッジ23に仮想線で示すような傾きが発生した場合に、フォトセンサ93がフィラー94を検知(HP検知センサがON)した時のエンコーダセンサ65の検知点との位置ずれ量d1が大きくなる。
一方、図19の(b)に示す実施例4の場合は、被検知部材である遮光マーク96がエンコーダスケール64上に形成されており、フォトセンサ93′がエンコーダセンサ65に近接して設けられている。そのため、キャリッジ23に仮想線で示すような傾きが発生した場合でも、フォトセンサ93′が遮光マーク96を検知(HP検知センサがON)した時のエンコーダセンサ65の検知点との位置ずれ量d2は極めて小さくなる、という効果が得られる。
この実施例4においても、キャリッジ23に取り付ける1個のフォトセンサ93′を反射型フォトセンサにしてもよく、その場合には、エンコーダスケール64上に設ける被検知部材を反射部材(反射膜や白色印刷など)にすればよい。
いずれの場合にも、エンコーダスケール上に被検知部材を設けることによって、他の位置に別途被検知部材としてフィラーや遮光マーク等の遮光部材や反射板等の反射部材を設けるよりも、被検知部材を安価に設置できるという効果が得られる。
〔実施例5〕
図20は、この発明の実施例5の実施例4との構成の違い説明するための図18の(a)と同様な説明図である。
この実施例5は前述した実施例4と略同様な構成であるが、そのエンコーダセンサ65とホームポジション検知用のフォトセンサ93′とを一体にして、キャリッジ23の背面に設けている。このように構成することによって、エンコーダセンサ65とホームポジション検知用のフォトセンサ93′の各出点(発光素子と受光素子が対向する位置)が最も近接して配置される構成になる。
そのため、図19で説明したようにキャリッジ23に傾きが発生した場合のHP検知センサON時のエンコーダセンサ65の検知点の位置ずれ量が最小になるという効果が得られる。
さらに、エンコーダセンサとホームポジション検知用センサとを一体にすることによって、部品点数を抑え、レイアウトを小さくし、コストを低減する効果も得られる。
〔その他の変更例等〕
この発明による画像形成装置の一実施形態として、主としてフルカラーのインクジェットプリンタについて説明したが、任意の複数色あるいは単色のインクで画像を形成するインクジェットプリンタでもよい。記録媒体は紙に限らず、樹脂シートや布などでも、インクジェット方式で画像を形成できるものであればよい。
また、この発明はプリンタに限らず、複写機やファクシミリ装置、それらの複数の機能を備えたデジタル複合機など、インクジェット方式の各種の画像形成装置に適用できる。
この発明による画像形成装置は、キャリッジをその移動範囲の一方の端部へ移動させることによって記録ヘッドとプラテンとの間隔が小さくなり、キャリッジをその移動範囲の他方の端部へ移動させることによって記録ヘッドとプラテンとの間隔が大きくなるギャップ変更機構を備えているが、それは前述した実施形態の構成に限るものではない。
さらに、上述した実施形態の構成や機能、および主走査位置カウンタのリセットやエンコーダスケールの異常判定に関する各実施例等は、適宜変更や追加をすることができ、各実施例を矛盾しない範囲で適宜組み合わせて実施することもできることは勿論である。
1:プリンタの装置本体 2:給紙トレイ 3:排紙トレイ 4:上カバー
5:窓部 6:装置本体の前面 7:カートリッジ装填部
8:操作表示部(操作パネル) 9,9k,9c,9m,9y:インクカートリッジ
10:カートリッジ装填部の前カバー
11,11k,11c,11m,11y:残量表示部 12:電源ボタン
13:選択操作ボタン 14:キャンセルボタン 15:覗き窓
16:トレイ支え部 17:リブ 18:表示器 20:フレーム
20a,20b:側板 20c:後板
21:ガイドレール 21a:水平部 21b:下部ガイドレール
21c:上部ガイドレール 21d:取付部 21e:固定片
21f:補強リブ 21g:上端折曲部 22A:ドッグ(降下用)
22B:ドッグ(上昇用) 23:キャリッジ 23a,23c:突起
23b:突部 24,24k,24c,24m,24y:記録ヘッド
25:ハーネス 26,26k,26c,26m,26y:サブタンク
27:インク供給チューブ 28:供給ポンプユニット 29:ホルダ
30:固定リブ 31:用紙積載部 32:給紙コロ 33:分離パッド
34:搬送ベルト 35:ガイド 36:カウンタローラ 37:搬送ガイド
38:押さえ部材 40:帯電ローラ 41:搬送ローラ 41a:軸
42:テンションローラ 43:プラテン 44:両面給紙ユニット
45:手差し給紙部 46:維持回復機構部 47:キャップ
47a〜47d:キャップ部材 48:ワイパーブレード
49,50:空吐出受け 51:空吐出受けの開口部
52:分離爪 53:排紙ローラ 54:排紙コロ
55:カムロッド 55a:ロッド 55b,55c:カム部
55d:降下用回転誘導部 55e:上昇用回転誘導部
60:ヘッドドライバ 61:主走査モータ 62:副走査モータ
63:リニアエンコーダ 64:エンコーダスケール 64:スリット
64b:透明部 65::エンコーダセンサ 66:ホイールエンコーダ
67:エンコーダホイール 68:エンコーダセンサ
71:駆動プーリ 72:従動プーリ 73:タイミングベルト
81:駆動プーリ 82:搬送ローラプーリ 83:タイミングベルト
91:ホームポジション検知センサ(HP検知センサ)
91a:作動片 92:非ホームポジション検知センサ(非HP検知センサ)
92a:作動片 93,93′:フォトセンサ 94,95:フィラー
96,97:遮光マーク 98:汚れ
100:制御部 101:CPU 102:ROM 103:RAM
104:NVRAM 105:ホストI/F 106:入出力部(I/O)
107:ASIC 110:CPUバス 120:制御用バス
121:駆動波形生成部 123:主走査モータ駆動部
124:副走査モータ駆動部 125:ACバイアス供給部
132:HP検知信号判定部 133:、主走査位置カウンタ
134:キャリッジ移動判定部 135:第1メモリ 136:第2メモリ
137:オフセット距離演算部 138:主走査位置カウンタリセット部
139:補正オフセット距離演算・セット部
140:タイムアウト判定部 141:第3メモリ 142:第4メモリ
143:HP検知センサエラー検知部 144:スケール汚れエラー判定部
145:エラー表示制御部
230:キャリッジ本体 230a:キャリッジ本体の背面
231:上部水平延長部 232:センサ支持部材 233:記録ヘッド支持板
234:段差部 235:段差部の突起部 236:垂下片
237:垂下片の突起部 238,239:カムロッド支持アーム
P:用紙
特開2008−296433号公報 特開2006−15562号公報

Claims (9)

  1. キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクを吐出して、プラテンに沿って搬送される記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記キャリッジを主走査方向の移動範囲の一方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔が小さくなり、前記キャリッジを前記移動範囲の他方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔が大きくなるギャップ変更機構と、
    前記主走査方向に沿って前記キャリッジの移動範囲に亘って設けたエンコーダスケールと、前記キャリッジに取り付けられ、前記エンコーダスケールのスリットを検出するエンコーダセンサとからなるリニアエンコーダと、
    前記キャリッジの移動に伴って前記リニアエンコーダから出力されるパルス信号をカウントして該キャリッジの主走査位置の情報を得る主走査位置カウンタとを備えた画像形成装置において、
    前記キャリッジを前記主走査方向の移動範囲のホームポジション側へ移動させた際に、該キャリッジが前記固定部材に突き当たる手前の位置で検知信号を出力するホームポジション検知センサと、
    前記キャリッジを前記ホームポジション側の端部へ移動させて前記固定部材に突き当て、前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点での前記主走査位置カウンタのカウント値と、前記キャリッジが前記固定部材に突き当たって停止した位置での前記主走査位置カウンタのカウント値との差分値を保持してから、主走査位置カウンタをリセットする第1の手段と、
    前記キャリッジを前記ホームポジション側へ移動させ、前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点で前記キャリッジの駆動を停止した後、該キャリッジの移動が停止して前記主走査位置カウンタのカウントが停止したカウント値と、前記検知信号が出力された時点おける前記主走査位置カウンタのカウント値の差によって前記第1の手段によって保持した前記差分値を補正した値を、前記主走査位置カウンタにセットする第2の手段と
    を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記キャリッジを前記主走査方向の移動範囲の前記ホームポジション側と反対側へ移動させた際に、該キャリッジが該反対側の端部付近の所定位置へ移動したときに検知信号を出力する非ホームポジション検知センサを設けるとともに、
    前記キャリッジが前記ホームポジション側へ移動中に前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点と、該キャリッジが前記ホームポジション側と反対側へ移動中に前記非ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点とにおける前記主走査位置カウンタのカウント値の差を、予め設定した閾値と比較し、前記カウント値の差が前記閾値未満であった場合に、前記エンコーダスケールに汚れ等の異常があると判定する手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記ホームポジション検知センサと前記非ホームポジション検知センサとを、前記キャリッジに取り付けた1個のフォトセンサと、前記キャリッジの移動範囲の前記ホームポジション側の所定位置と前記反対側の所定位置にそれぞれ設けた遮光部材又は反射部材からなる被検知部材とによって構成したことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記被検知部材を前記エンコーダスケール上に設けたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記フォトセンサを前記エンコーダセンサと近接して又は一体に設けたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記ギャップ変更機構が、
    前記キャリッジにその移動方向に沿う軸線を有して回転可能に設けられ、その回転中心から外周面までの寸法が小さい部分と大きい部分とが連続的に形成されたカム部を有し、前記軸線方向の一端部に螺旋状の降下用回転誘導部を、他端部に螺旋状の上昇用回転誘導部を備えたカムロッドと、
    前記キャリッジを、前記カム部の外周面を水平部の上面に当接させて前記移動範囲の前記一方の端部と前記他方の端部との間でスライド移動及び上下動可能に保持する支持ガイド部材と、
    前記キャリッジの移動範囲の前記一方の端部付近と前記他方の端部付近にそれぞれ設けられ、前記カムロッドの前記降下用回転誘導部と前記上昇用回転誘導部にそれぞれ当接可能な一対の固定押し部材と
    を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記ギャップ変更機構は、
    前記キャリッジが前記一方の端部付近へ移動したときに、前記カムロッドの前記降下用回転誘導部が前記固定押し部材の一方に当接して該カムロッドが第1の方向に回転され、前記カム部の前記回転中心から外周面までの寸法が小さい部分が前記支持ガイド部材の前記水平部の上面に当接する位置になり、前記キャリッジを降下させて前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔を小さくし、
    前記キャリッジが前記他方の端部付近へ移動したときに、前記カムロッドの前記上昇用回転誘導部が前記固定押し部材の他方に当接して該カムロッドが前記第1の方向と反対の第2の方向に回転され、前記カム部の前記回転中心から外周面までの寸法が大きい部分が前記支持ガイド部材の前記水平部の上面に当接する位置になり、前記キャリッジを上昇させて前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔を大きくする
    機構であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. プラテンに沿って搬送される記録媒体にインクを吐出して画像を形成する記録ヘッドを搭載したキャリッジと、
    該キャリッジを主走査方向の移動範囲の一方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔が小さくなり、前記キャリッジをその移動範囲の他方の端部へ移動させて固定部材に突き当てることによって前記記録ヘッドと前記プラテンとの間隔が大きくなるギャップ変更機構と、
    前記主走査方向に沿って前記キャリッジの移動範囲に亘って設けたエンコーダスケールと、前記キャリッジに取り付けられ、前記エンコーダスケールのスリットを検出するエンコーダセンサとからなるリニアエンコーダと、
    前記キャリッジを前記主走査方向の移動範囲のホームポジション側へ移動させた際に、該キャリッジが前記固定部材に突き当たる手前の位置で検知信号を出力するホームポジション検知センサと
    を備えた画像形成装置を制御するコンピュータを、
    前記キャリッジの移動に伴って前記リニアエンコーダから出力されるパルス信号をカウントして該キャリッジの主走査位置の情報を得る主走査位置カウンタと、
    前記キャリッジを前記ホームポジション側の端部へ移動させて固定部材に突き当て、前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点での前記主走査位置カウンタのカウント値と、前記キャリッジが前記固定部材に突き当たって停止した位置での前記主走査位置カウンタのカウント値との差分値を保持してから、主走査位置カウンタをリセットする第1の手段と、
    前記キャリッジを前記ホームポジション側へ移動させ、前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点で前記キャリッジの駆動を停止した後、該キャリッジの移動が停止して前記主走査位置カウンタのカウントが停止したカウント値と、前記検信号が出力された時点おける前記主走査位置カウンタのカウント値の差によって前記第1の手段によって保持した前記差分値を補正した値を、前記主走査位置カウンタにセットする第2の手段として機能させることを特徴とするプログラム。
  9. 前記画像形成装置には、前記キャリッジを前記主走査方向の移動範囲の前記ホームポジション側と反対側へ移動させた際に、該キャリッジが該反対側の端部付近の所定位置へ移動したときに検知信号を出力する非ホームポジション検知センサが設けられており、
    前記コンピュータを
    前記キャリッジが前記ホームポジション側へ移動中に前記ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点と、該キャリッジが前記ホームポジション側と反対側へ移動中に前記非ホームポジション検知センサが検知信号を出力した時点とにおける前記主走査位置カウンタのカウント値の差を、予め設定した閾値と比較し、前記カウント値の差が前記閾値未満であった場合に、前記エンコーダスケールに汚れ等の異常があると判定する手段としても機能させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
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