JP2011131441A - 維持回復機構及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル面に対するワイパーの端面位置合わせを機上で自動的に行え、高精度な位置合わせを行える維持回復機構及び画像形成装置を提供することにある。
【解決手段】液滴をノズルから吐出して画像を記録するヘッド34が配備され、ノズル面をワイパー83によりワイピングしてヘッドの性能を維持回復する維持回復機構A1−1において、ノズル面を形成するギャップ位置突き当て部材341と、ギャップ突き当て部材に向けて上下動させる上下動カム機構308と、ステッピングモータ409と、ポジション検知センサ418と、ワイパー端面f1とギャップ突き当て部材341との相対距離を所定のギャップ調整領域α1で変位させ、ワイパー端面とギャップ突き当て部材とが当接することでモータが脱調した際のギャップ調整回転角度αn相当の位置にワイパーを保持するよう制御する制御手段300とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノズルから記録媒体上にインク滴を吐出して画像を形成するにあたりノズルのインク滴を吐出する機能を維持回復する維持回復機構及び同維持回復機構を備える画像形成装置に関する。
従来、記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させながら記録ヘッドのノズルからインク滴を吐出させ、これを紙等の被記録材に付着させることで記録を行うインクジェットプリンタ装置(画像形成装置)等では、画像信号に基づく吐出信号をサーマル方式、ピエゾ方式などを用いた複数のノズルから被記録材上にインク滴を吐出して画像を形成している。
このインクジェットプリンタにおいては、長期間使用されずに放置された場合によるインクの乾燥や粘性の増加によってノズル吐出口付近にインクが固着したり、ノズル吐出口に不純物(ゴミ)などが付着したりすることによりノズルの目詰りが起こり、制御部から正常にインク吐出信号が出力されているにも拘らず、ノズル吐出口からインク滴が吐出されないというノズルの吐出不良が生じる。このように、記録ヘッドのノズル口面(吐出口付近)に付着して吐出性能を低下させる要因となったり、被記録媒体を汚したりする危険のあるインクミストや紙粉等を除去するために、ゴム等の弾性材料により構成されたブレードを用いて記録ヘッドのノズル口面を清掃するワイピング手段が設けられることは、既に知られている。
しかし、今までのこの方式のインクジェットプリンタにおいて、ノズル面をワイピングする際の必要条件として、ワイパー食い込み量がある。このワイパー食い込み量は、払拭性に影響のあるワイピングの際のワイパーとヘッドの当接角、当接圧を決定するパラメータである為、維持回復装置の組み付け時の重要な管理項目となっている。通常、このワイパー食い込み量は、ノズル面とワイパー上面位置のギャップにおいて管理を行っているが、この位置精度は部品組み付け精度で決まる為、部品公差を高精度にしなくてはいけなかった。
たとえば、特許文献1(特開2006−150874号公報)には、記録ヘッドのノズル面と維持回復機構との間が広いギャップ量であるか狭いギャップ量であるかに応じて、2段階に分けてワイパーブレードを第2高さと、第1高さ位置に切換え、これによりワイパーブレードの食い込み量が変化して良好なワイピング結果が得られるようにしている。
特許文献2(特開2006−240108号公報)には、キャリッジの底部近傍の案内面に対し、可動ユニットの上部近傍の当接面を当接させることで、記録ヘッドの吐出面に対する回復ユニット側の可動ユニットの高さ方向の位置出しが間接的に行われている。
特許文献3(特開2008−284719号公報)には、インクヘッド部を支持するヘッドホルダの側端部にノズル列と平行な方向にガイド軸が設けられ、ガイド軸にはブッシュを介してワイプブレード、を支持したワイプユニットが摺動可能に支持されており、ワイプブレードと、インクヘッド部との間隔を所定量に保持することが間接的に行われている。
特許文献4(特開平11−348253号公報)には、並列配備された支持部材としてのステー部材とキャリッジレールとに摺動自在に支持されたキャリッジ上のプリントヘッドに対して、回転軸に支持されたワイプブレードの先端との間の位置精度を適正状態に保持することが支持部材により間接的に行われている。
特許文献5(特許4314850号公報)にはキャリッジガイド軸に摺動自在に支持されたキャリッジをタイミングベルトで駆動する構造が開示され、キャリッジガイド軸の位置規制機能により間接的にヘッドユニットの位置精度を保持している。
特許文献6(特開2007−190818号公報)には、筐体の中空部分にワイパーを保持したワイパー支持軸を収納し、ワイパー支持軸がバネの付勢力とセットピンの押圧力とによりヘッド側に対して接離するように保持し、制御手段によってクリーニング作動と、非接触クリーニング作動を選択できるようにしているが、構造が複雑化する。
特許文献7(特許3322291号公報)には、インクカートリッジを搭載したキャリッジがガイド部材に案内されて、駆動機構により印刷領域、及び非印刷領域を往復動するだけの構成が開示される。
特許文献8(特開2000−177141号公報)には、ガイド軸とサポート軸とによって摺動自在に支持されたキャリッジと、これに支持された記録ヘッドに対して、ワイパーホルダーを支持するワイパーレールが操作される偏心カムにより接離できる構成が開示されるが、構造が複雑化する。
ところで、上述の特許文献1の技術では、インク吐出口面とワイパーブレードの高さ方向の位置関係を適正状態に保持するよう修正することができる。
しかし、特許文献1の技術では記録ヘッドのノズル面と維持回復機構とのギャップ量が広いか狭いかの2段階に分けてワイパーブレードとノズル面の相対位置であるワイパー食い込み量を調整するだけであるので、この相対位置精度をより高精度に修正保持することができない。
更に、特許文献2から5及び7の技術では、ワイパーブレードとノズル面の相対位置であるワイパー食い込み量を調整するに当たり、両者の各支持部材の精度を保持するだけの間接的な精度管理がなされるものであるので、この間接的な精度管理では各支持部材の組み付け精度でワイパーブレードとノズル面の相対位置精度が決まることとなり、部品公差を高精度にしなくてはいけなかった。
更に、特許文献6、8の技術では、構造が複雑化する上に、記録ヘッドの吐出面に対するワイパーの高さ方向の位置出しが直接的に行われるものでもないので、この相対位置精度をより高精度に修正保持することができない。
本発明は、斯かる事情に鑑みなされたもので、ノズル面に対するワイパーの端面位置合わせを機上で直接的に自動的に行え、寸法精度の低い部品を使用し、高精度な位置合わせを行える維持回復機構及び画像形成装置を提供しようとするものである。
本発明は前記課題を達成するため以下の構成とした。
第1の発明である維持回復機構は、液滴をノズルから吐出して画像を記録するヘッドが対向する位置に配備され、該ヘッドのノズル面をワイパーによりワイピングして前記ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構において、前記ヘッドのノズル面を形成するギャップ位置突き当て部材と、前記ワイパーの端面を前記ギャップ突き当て部材に向けて上下動させる上下動カム機構と、前記上下動カム機構を動作させるステッピングモータと、前記上下動カム機構のホームポジションを検知する検知手段と、前記ワイパー端面と前記ギャップ突き当て部材との相対距離を所定のギャップ調整領域で変位させ、前記ワイパー端面と前記ギャップ突き当て部材とが当接することでステッピングモータが脱調した際のギャップ調整回転角度相当の位置に前記ワイパーを保持するよう制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明である維持回復機構は、請求項1に記載の維持回復機構において、前記液滴をノズルから吐出するヘッドと前記ギャップ位置突き当て部材とが一体であることを特徴とする。
第3の発明である維持回復機構は、前記ギャップ位置突き当て部材がヘッド構成部材の一部であることを特徴とする。
第4の発明である維持回復機構は、請求項1から4の何れか1項に記載の維持回復機構において、前記ステッピングモータの低トルク領域を使用し動作を行うことを特徴とする。
第5の発明である維持回復機構は、請求項1から4の何れか1項に記載の維持回復機構において、前記液滴をノズルから吐出するヘッドが、複数のヘッドを配列した、ラインヘッドであることを特徴とする。
第6の発明である画像形成装置は、請求項1から5の何れか一つに記載の維持回復機構を備えたことを特徴とする。
第7の発明である画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記維持回復機構の前記ギャップ位置突き当て部材が各色のヘッドごとに配置されたことを特徴とする。
第8の発明である画像形成装置は、請求項6又は7に記載の画像形成装置がプリンタ、ファクシミリ、複写機の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機であることを特徴とする。
本発明によれば、ワイパーがギャップ位置突き当て部材に突き当たった時のステッピングモータが脱調する回転角度を検知し、その位置が狙いのギャップ位置とするギャップ調整方法であるので、ノズル面に対するワイパーの天面位置合わせを機上で自動的に行え、更に、たとえ、寸法精度の低い部品であってもこれを使用し、高精度な位置合わせを行うことができる(請求項1)。
また、本発明によれば、請求項1の効果に加え、部品の積み上げ公差が小さくなり、より高精度なノズル面に対するワイパー端面位置合わせを行うことが出来る(請求項2)。
また、本発明によれば、請求項1の効果に加え、各ヘッド毎に、ノズル面に対するワイパー端面位置合わせを高精度で行うことが出来る。(請求項3)。
また、本発明によれば、請求項1の効果に加え、高トルクで脱調しにくいステッピングモータでも、高精度なノズル面に対するワイパー端面位置合わせを適確に行うことが出来る(請求項4)。
また、本発明によれば、請求項1の効果に加え、ヘッド数が多くなるラインヘッドにおいても、ノズル面に対するワイパー端面位置合わせを高精度で行うことが出来る(請求項5)。
また、本発明によれば、請求項1の効果に加え、請求項1乃至5の何れか一つに記載の維持回復機構の各発明の効果を奏することができる(請求項6)。
また、本発明によれば、請求項6の効果に加え、色ヘッド(色ヘッド列)ごとに、高精度なノズル面に対するワイパー端面位置合わせを行うことが出来る(請求項7)。
また、本発明によれば、画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ、複写機の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機からなるので、前記請求項6又は7の発明の効果を奏することができる(請求項8)。
本発明に係る画像形成装置を前方側から見た斜視説明図である。 同上画像形成装置の要部の概略構成図である。 同上画像形成装置の要部の概略平面図である。 同上画像形成装置内の右維持回復機構の一例を展開した状態で示す模式的説明図である。 同上画像形成装置内の左維持回復機構の一例を展開した状態で示す模式的説明図である。 図5の左維持回復機構の一例の側面状態の模式的説明図である。 同じく左維持回復機構のワイパーブレードのギャップ調整動作説明図である。 同じく左維持回復機構のワイパーブレードのギャップ調整制御ルーチンのフローチャートである。 同じく左維持回復機構の制御部の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態での画像形成装置の要部の概略平面図である。 図10の画像形成装置内の右維持回復機構の一例を展開した状態で示す模式的説明図である。 本発明の他の実施形態のラインノズルを有した画像形成装置の概略正面図である。 本発明の他の実施形態のラインノズルを有した画像形成装置の要部斜視図である。 本発明の他の実施形態の画像形成装置で用いる記録ヘッドのノズルの概略要部拡大斜視図である。
本発明を適用した維持回復機構及び画像形成装置を説明する。
ここで「第1実施形態」として、維持回復機構を備えた画像形成装置であるカラープリンタM1を説明する。
図1、2には「第1実施形態」としてのカラープリンタM1の概略構成図を示した。このカラープリンタM1は、記録体である記録紙に画像を形成する装置本体99と、装置本体99に装着されたプリンタ部1と記録紙を装填するための給紙トレイ2と、装置本体99に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された記録紙をストックするための排紙トレイ3とを備えている。さらに、装置本体99の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体99の前方側に突き出し、上面よりも低くなったインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部4を有し、このカートリッジ装填部4の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部5としている。
このカートリッジ装填部4には、色の異なる記録液(インク)、例えば黒(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の記録液カートリッジであるインクカートリッジ10k、10c、10m、10y(総称する場合はインクカートリッジ10と記す)を、装置本体99の前面側から後方側に向って挿入して装填可能とし、このカートリッジ装填部4の前面側には、インクカートリッジ10を着脱するときに開く前カバー(カートリッジカバー)6を開閉可能に設けている。また、インクカートリッジ10k、10c、10m、10yは縦置き状態で横方向(主走査方向)に並べて装填している。
前カバー6は、全体が、この前カバー6を閉じた状態で、カートリッジ装填部4内に装填されている複数のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yを外部から視認することができる透明又は半透明の部材で形成されている。
操作/表示部5には、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの装着位置(配置位置)に対応する配置位置で、各色のインクカートリッジ10k、10c、10m、10yの残量がニアーエンド及びエンドになったことを表示するための各色の残量表示部11k、11c、11m、11y(総称する場合は残量表示部11と記す)を配置している。さらに、この操作/表示部5には、電源ボタン12、記録紙送り/印刷再開ボタン13、キャンセルボタン14も配置している。
次に、カラープリンタM1のプリンタ部1について図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は同プリンタ部の全体構成を説明する概略構成図、図3は同プリンタ部の要部平面説明図である。
装置本体99の要部を成す左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、不図示の主走査モータによって図3で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
キャリッジ33にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の記録ヘッド34を複数のインク吐出口(ノズル)を形成したノズル面34a(図2参照)を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のサブタンク35を搭載している。各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、カートリッジ装填部4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中で装置本体99を構成する後板21C(図3参照)に係止部材25にて保持されている。
一方、給紙トレイ2の記録紙積載部(圧板)41上に積載した記録紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
給紙トレイ2からの記録紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、記録紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された記録紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
搬送ベルト51は無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成し、周回移動しながら帯電ローラ56によって帯電(電荷付与)される。
搬送ベルト51としては、1層構造のベルトでも良く、又は複層(2層以上の)構造のベルトでもよい。1層構造の搬送ベルト51の場合には、記録紙42や帯電ロー56に接触するので、層全体を絶縁材料で形成している。また、複層構造の搬送ベルト51の場合には、記録紙42や帯電ローラ56に接触する側は絶縁層で形成し、記録紙42や帯電ローラ56と接触しない側は導電層で形成することが好ましい。
1層構造の搬送ベルト51を形成する絶縁材料や複層構造の搬送ベルト51の絶縁層を形成する絶縁材料としては、例えばPET、PEI、PVDF、PC、ETFE、PTFEなどの樹脂又はエラストマーで導電制御材を含まない材料であることが好ましく、体積抵抗率は1012Ωcm以上、好ましくは1015Ωcmなるように形成する。また、複層構造の搬送ベルト51の導電層を形成する材料としては、上記樹脂やエラストマーにカーボンを含有させて体積抵抗率が105〜107Ωcmとなるように形成することが好ましい。
帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層をなす絶縁層(複層構造のベルトの場合)に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に加圧力をかけている。帯電ローラ56は、体積抵抗率が106〜109Ω/□の導電性部材で形成している。この帯電ローラ56には、後述するように、ACバイアス供給部(高圧電源)315から例えば2kVの正負極のACバイアス(高電圧)が印加される。このACバイアスは、正弦波や三角波でもよいが、方形波の方がより好ましい。
また、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド35側(図2参照)に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって駆動ベルトを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された記録紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から記録紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体99の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される記録紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、図3に示すように、キャリッジ33の印字領域を挟んでその走査方向左右側方に左右非印字領域を備える。ここには記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための記録ヘッドの維持回復機構A1(総称する場合に記す)を成す左右維持回復機構A1−1、A1−2が配備される。
次に、このカラープリンタM1における記録ヘッド34の左右維持回復機構A1−1、A1−2の概要について図4〜6を参照して説明する。
ここで、図3、4で右側の右維持回復機構A1−1は記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材82a〜82d(総称する場合はキャップ82と記す)と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84を備えている。図3で左側の左維持回復機構A1−2は記録ヘッド34の各ノズル面をワイピングするためのワイピング部材(ブレード部材)であるワイパーブレード83を備えている。
図4に示すように、右維持回復機構A1−1は、吸引及び保湿用キャップ82aと保湿用キャップ82bを保持するキャップホルダ201Aと、保湿用キャップ82cと82dを保持するキャップホルダ201Bと、記録ヘッド34から印字に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作(予備吐出動作)を行うための空吐出受け84が配置されている。
印字領域(装置中央側)に最も近い側の吸引用及び保湿用キャップ82aには可撓性チューブ210を介して吸引手段であるチュービングポンプ(吸引ポンプ)211を接続している。したがって、記録ヘッド34の維持回復動作を行うときには、同記録ヘッド34をキャップ82aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動させる。
これらのキャップホルダ201A、201Bの下方には装置本体99に結合されているフレーム212に回転自在に支持したカム軸213を配置し、このカム軸213には、キャップホルダ201A、201Bを昇降させるためのキャップカム214A、214Bを設けている。
そして、チュービングポンプ211及びカム軸213を回転駆動するために、モータ221の回転をモータ軸221aに設けたモータギヤ222に、チュービングポンプ211のポンプ軸211aに設けたポンプギヤ223を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ223と一体の中間ギヤ224に中間ギヤ225を介して一方向クラッチ227付きの中間ギヤ226を噛み合わせ、この中間ギヤ226と同軸の中間ギヤ228に中間ギヤ229を介してカム軸213に固定したカムギヤ230を噛み合わせている。
図4に示すように、右維持回復機構A1−1においては、モータ221が正転することによってモータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226までが回転し、チュービングポンプ211の軸211aが回転することでチュービングポンプ211が作動して、吸引用キャップ82a内を吸引する(この動作を「キャップ内吸引」又は「ヘッド吸引」という。)。その他のギヤ228以降は一方向クラッチ227によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。
また、モータ221が逆転することによって、一方向クラッチ227が連結されるので、モータ221の回転が、モータギヤ222、中間ギヤ224、ポンプギヤ223、中間ギヤ225、226、228、229を経てカムギヤ230に伝達され、カム軸213が回転する。このとき、チュービングポンプ211はポンプ軸211aの逆転では作動しない構造となっている。このカム軸213の回転によってキャップカム214A、214Bが回転して、キャップホルダ201A、201Bが所定のタイミングで上昇、下降する。
このカラープリンタM1においては、図3で左側の左維持回復機構A1−2が記録ヘッド34の各ノズル面をワイピングするためのワイピング部材(ブレード部材)であるワイパーブレード83を備えている。
すなわち、図3で左側の非印字領域に左維持回復機構A1−2が配備される。この左維持回復機構A1−2はキャリッジ33の走査方向(図3参照)に沿って記録ヘッド34が配備され、図5、6に示すように、走査方向と交差する記録ヘッド34の幅方向Y沿って各ノズル面(幅e)をワイピングするためのワイピング部材(ブレード部材)であるワイパーブレード83が対向配備される。しかもこのワイピングに先立ち、該記録ヘッド34のギャップ突き当て部材341のノズル面に向けてワイパーブレード83を上下動させ位置合わせする上下動カム機構(昇降機構)408が装着される。
ここで、図5に示すように、記録ヘッド34の長手方向における長さと、ワイパーブレード83の同方向の長さはほぼ等しく形成される。このワイパーブレード83はカムフォロア832を下部両端に枢支したワイパーホルダー831に支持される。このワイパーブレード83はギャップ突き当て部材に向けて上下動させる上下動カム機構(昇降機構)408に昇降支持される。このワイパーホルダー831は回転軸833を介して装置本体99側の縦向きのガイドレール991に上下変位及び回動可能に支持されている。
なお、ワイパーホルダー831はその背面に揺動手段400を対向配備する。揺動手段400は装置本体99側の基枠992に枢支された回転軸401と、この回転軸に一体結合された上側プーリ402及び偏心カム403と、上側プーリ402に無端ベルト404を介して連結された下側プーリ405と、この下側プーリ405を駆動軸407に連結する一方向クラッチ406とで形成される。駆動軸407は後述の昇降機構408を駆動するステッピングモータ(以後単にモータと記す)409の回転を受けて正転及び逆転駆動できる。ここで、モータ409の正転時には一方向クラッチ406が無端ベルト404側に回転を伝えず、逆転時に一方向クラッチ406が無端ベルト404側に回転を伝える。このモータ409の逆転時には偏心カム403が回転して、戻しバネ410で偏心カム403に当接支持されるワイパーホルダー831を回転中心線Lc(ワイパーホルダー831の回転軸833の中心線)回りに揺動させ、これに応じて、ワイパーブレード83の端面である天面f1(図6参照)側が揺動し、この際、後述のように、天面f1がノズル面に当接している場合には、記録ヘッド34のノズル面をワイピングできる。
モータ409の駆動軸407の他端は軸受け411を介して装置本体99の基枠993に枢支され、その中間部分には昇降用プーリ412が取り付けられ、同昇降用プーリ412は従動プーリ413に無端ベルト414を介して連結される。従動プーリ413は一対の上下動カム415を一体的に取り付け基枠993に枢支されたカム軸416の一端に取り付けられている。
一対の上下動カム415は上述のワイパーブレード83の両側端のカムフォロア832の下部に当接するように配備されていれる。
なお、図5、6に示すように、カム軸416の一端の従動プーリ413の一部には突状のフィラー417が一体形成される。このフィラー417は光カプラ―により構成されたホームポジション検知センサ418に対向配備される。ここでは上下動カム415が基準位置(図6に示す符号bpの位置)に達すると、フィラー417がホームポジション検知センサ418の信号を切換え、制御手段400に切換え信号を出力するように構成されている。
この様な構成の昇降機構408は、ステッピングモータであるモータ409が制御手段300により正転方向に所定回転角、すなわち、所定のギャップ調整領域α1で変位させ、ギャップ調整回転角度αn(基準位置からのステップ数のカウント処理で回転角度を検出できる)だけ回転されると、縦向きのガイドレール991に沿って、ギャップ調整回転角度αn相当の高さ位置hn(図6参照)にワイパーブレード83の天面f1を上下変位し、保持できる。特に、ワイパーブレード83の天面f1が記録ヘッド34のノズル面に当接するまで上昇変位させることを可能とする制御を行っており、当接直後の上方変位はワイパーブレード83の弾性変位により吸収される。このため、基準位置から当接位置までの上昇時のステップ数と、当接位置から基準位置への戻り時のステップ数にズレがある場合は、ワイパーが記録ヘッド34側のギャップ位置突き当て部材341におけるノズル面に突き当たった時に、ステッピングモータが脱調したものと判断でき、このステッピングモータの脱調をステップ数のズレより検出すると、ワイパーが記録ヘッド34側のギャップ位置突き当て部材341におけるノズル面に突き当たった時と判断することができ、これを利用して、後述のように、ノズル面に対するワイパーの天面f1の位置合わせを機上で自動的に行えるようにしている。
次に、この画像形成装置の制御手段300の概要について図9を参照して説明する。
制御手段300は、装置全体の制御を司るCPU301と、CPU301が実行するプログラム、本発明において使用する所定インク吐出に対するノズル面汚染度合の値及びノズル面汚染許容閾値、駆動波形データ、その他の固定データを格納するROM302と、画像データ等を一時格納するRAM303と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)304と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC305とを備えている。
また、制御手段300は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F306と、記録ヘッド34の圧力発生手段を駆動制御するための駆動波形を生成する駆動波形生成部307と、ヘッドドライバ308と、主走査モータ310を駆動するための主走査モータ駆動部311と、副走査モータ312を駆動するための副走査モータ駆動部313と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部315と、維持回復機構A1のモータ221を駆動するための維持回復機構駆動部317と、搬送ベルト51の移動量及び移動速度に応じた検知信号を出力するエンコーダ321、後述するキャリッジ33の高さ位置を検出するキャリッジ高さ位置センサ282からの検知信号、環境温度及び環境湿度を検出する環境センサからの検知信号、その他図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O318などを備えている。この制御手段300には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行なうための操作/表示部5が接続されている。
制御手段300は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F316で受信する。
そして、CPU301は、I/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を、クロック信号に同期して、ヘッドドライバ308にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号や制御信号をヘッドドライバ308に送出する。
CPU301は、I/F306に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC305にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッドドライバ308に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM302にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
駆動波形生成部307は、駆動波形のパターンデータをD/A変換するD/A変換器等で構成され、1の駆動パルス(駆動信号)又は複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形をヘッドドライバ308に対して出力する。
ヘッドドライバ308は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて駆動波形生成部307から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド34の圧力発生手段に印加して記録ヘッド34を駆動する。
制御手段300は、帯電ローラ56に対してACバイアス供給部315から供給するACバイアスのON/OFF制御を行うことで、搬送ベルト51上の帯電パターン(付与電荷量)を制御する。
このように構成した画像形成装置は、給紙トレイ2から記録紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、後述する制御手段のACバイアス供給部315から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたパターンが形成される。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に記録紙42が給送されると、記録紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって記録紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している記録紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、記録紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録紙42を排紙トレイ3に排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構A1側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
次に、ワイパーブレード83の昇降機構308(上下動機構)について図7の作動説明図及び図8のギャップ調整シーケンス処理ルーチンを参照して説明する。
制御手段300の制御機能である図8のギャップ調整シーケンス処理ルーチンは以下のような複数の制御処理に応じて開始される。
このギャップ調整シーケンス開始のタイミングとして第1は、画像形成装置組み付け完了時に開始される。
この場合、画像形成装置組み付け完了(メンテナンスの完了)後、このギャップ調整シーケンスを実行し、最新の装置の組み付け状態に合わせたワイパー天面f1の位置を適正位置に保持することができる。
第2は画像形成装置の設置後には、設置場所の温度、設置条件(平面度等)によりヘッドとワイパーの相対位置がずれるとしても、このギャップ調整シーケンスを実行し、設置場所に合わせたワイパー天面f1の位置を適正位置に保持することができる。
第3は電源投入時にこのギャップ調整シーケンスを実行する。電源投入時に調整を行うことで、ワイパー天面f1の位置を適正位置に保持する調整を適宜、繰り返すことで、更なる精度向上が狙える。
第4はメンテナンス開始前にこのギャップ調整シーケンスを実行する。これにより、+通常のワイピングによるメンテナンスが行われる前にギャップ調整を行うことで、メンテナンスの容易化を図れる。
第5は各色ごとに行う。すなわち、1列目ギャップ調整完了→1列目メンテナンス動作→2列目ギャップ調整完了→2列目メンテナンス動作・・・と処理を進めることで、維持回復機構がメンテナンス対象ヘッドへ移動するたびにギャップ調整を行い、色列ごとにワイパー天面位置の確保ができる。
第6はヘッド毎に行う。すなわち、複数ヘッドを配置したラインプリンタ(後述する)において、複数ヘッドそれぞれにギャップ調整機構を設けることで、複数ヘッドごとにワイパー天面位置の確保が精度よくできる。
以上のような開始条件が満たされると、制御手段300は予め、左の非印字領域にキャリッジ33を移動保持する。
まず、ステップs1に進み、ここで、ホームポジション検知センサ418の信号の入力を受けて、図7(1)の状態を確認し、指定パルス数a(回転角度α相当の値)だけモータを回転させ(ステップs2)、図7(2)の状態まで回転させ、ワイパー天面f1を位置haに上昇した後、ホームポジション位置に戻し(図7(3)参照)、戻りカウント数a‘をカウントする(ステップs3、s4)。ついで、ステップs5ではa=a’を判断し、Noではステップs6において位置検知できないことをエラー表示し、この制御を終了させる。
Yesでステップs7、s8、s9と進むと、ホームポジションを確認した上で(図7(4)の状態を確認)、指定パルス数b(b>a)だけモータを回転させ(ステップs7)、再度,ワイパー天面f1を位置hbに上昇した後、ホームポジション位置に戻し、戻りカウント数b‘をカウントする(ステップs8、s9)。ついでステップs10ではb=b’を判断し、Noではステップs11においてワイパー天面f1がノズル面に当接してモータの脱調が生じたものと判断する。この場合、パルス数a相当のワイパー天面f1の位置(ha位置)を突き出し量に設定し、シーケンス終了とする。
一方、Yesでステップs12、s13、s14と進むとする。この場合、ホームポジションを確認した上で(図7(5)の状態を確認)、指定パルス数c(c>b)だけモータを回転させ、再度,ワイパー天面f1を位置hc(実際hcは弾性変形時となる)に上昇した後、ホームポジション位置に戻し、戻りカウント数c‘をカウントする。ついでステップs15ではc=c’を判断し、Yesではステップs16において位置検知できないことをエラー表示し、この制御を終了させる。一方、Noの場合、すなわち、cパルスでモータは駆動しているが、ギャップ位置突き当て部材341に突き当たりモータが脱調した場合、実際のカム軸の回転はc’となり、パルス送った分となり、送りパルス数と戻りパルス数の差異が発生する。
そこで、ステップs17において、前回のパルス数b相当のワイパー天面f1の位置(hb位置)を突き出し量に設定し、同位置にワイパー天面f1を保持する。
この後、ステップs18、s19と進み、設定時間Tnだけモータ221を逆転し、偏心カム403と戻しバネ410の共同作動でワイパーホルダー831を回転中心線Lc(ワイパーホルダー831の回転軸833の中心線)回りに揺動させ、これに応じて、ワイパーブレード83の端面である天面f1(図6参照)側が揺動し、この際、後述のように、天面f1がノズル面に当接している場合には、記録ヘッド34のノズル面をワイピングできる。
上述のところで、更に、送りパルス数を細かくし、カウント数Nを増すことで、より精度の高い位置決めができる。また、検出時間短縮の為、大きく送りパルス数をふり、突き当たりに近い領域のみ細かく送りパルスを変化させてもよい。例えば、上述の、bとcの間を細かい送りで検知するようにしてもよい。
更に、モータは、高トルクで脱調しにくいステッピングモータであっても、高精度な記録ヘッド34のノズル面に対するワイパー端面位置合わせを適確に行うことで、確実に脱調を生じさせ、位置あわせが出来る。
このように、ワイパーがギャップ位置突き当て部材341に突き当たった時のステッピングモータが脱調する回転角度を検知し、その位置が狙いのギャップ位置とするギャップ調整方法であるので、ノズル面に対するワイパーの天面位置合わせを機上で自動的に行え、更に、たとえ、寸法精度の低い部品であってもこれを使用し、高精度な位置合わせを行うことができる。
また、本発明によれば、記録ヘッド34のノズル面と直接ワイパーの天面位置合わせを機上で自動的に行うので、各ヘッド毎に、ノズル面に対するワイパー端面位置合わせを高精度で行うことが出来、しかも、部品の積み上げ公差が小さくなり、より高精度なノズル面に対するワイパー端面位置合わせを行うことが出来る。
上述の「第一実施形態」でのカラープリンタM1に代えて、図10、11に示すように、中央の印字領域の右側の非印字領域に右維持回復機構A2−1を、左の非印字領域に左維持回復機構A2−2が配備される構成を採ってもよい。
この「第二実施形態」でのカラープリンタM2では、キャリッジ33の走査方向左の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
一方、キャリッジ33の走査方向右の非印字領域には右維持回復機構A2−1を備える。この右維持回復機構A2−1は「第一実施形態」での右維持回復機構A1−1の構成に加え、中央の印字領域側に近い部位に「第一実施形態」での左側の左維持回復機構A1−2を移動させたものと類似し、相違点はワイピング部材(ブレード部材)であるワイパーブレード83の向きを記録ヘッド34の長手方向の向きと直行する方向に向けた点と、ワイパーホルダー831を揺動する揺動手段400を排除した点でのみ相違し、その他の上下動カム機構(昇降機構)408等の構成部分は同一である。
ここでは重複部材には同一符号を付し、重複説明を省略し、機能上の相違のみ説明する。
ここでは、キャリッジ33が印字領域より右の非印字領域に移動してくると、図11に示すように、ワイパーブレード83の天面f1の適正高さ位置hnへの高さ調整が「第一実施形態」の場合と同様に上下動カム機構(昇降機構)408により行われ、ワイパーブレード83の天面f1とノズル面とを高精度に位置合わせを行える。これにより以後のワイパーブレード83の天面f1の主操作方向への摺動時に、確実にワイパーブレード83の天面f1がノズル面に対して適性状態で摺接して、記録ヘッド34のノズル面を適確にワイピングできる。
特に、この「第二実施形態」でのカラープリンタM2では、図14に示すように、ワイパーブレード83の天面f1が記録ヘッド34の長手方向と交差する状態でノズル面fjに当接するので、ワイパーブレード83を停止したままで、記録ヘッド34のノズル面をヘッド長手方向である主操作方向に摺動させるだけで、記録ヘッド34のノズル面fjをワイピングができ、あえて、ワイパーホルダー831を揺動する揺動手段400(第一実施形態の図5参照)を設ける必要がないという、利点がある。
つぎに、図12、13には本発明の「第三実施形態」を説明する。
ここで、画像形成装置M3は、液滴を吐出するライン型記録ヘッドで構成されるヘッドユニット201と、ヘッドユニット201の記録ヘッドにインクを供給するインク供給部202と、ヘッドユニット201の記録ヘッドに対向して用紙を搬送する搬送手段としての搬送ユニット3と、給紙部204と、搬送ユニット203の用紙搬送方向下流側に配置され、ヘッドユニット201のライン型記録ヘッドの維持回復を行う維持回復手段としての維持回復ユニット205と、排紙部206と、ヘッドユニット201を用紙搬送方向に沿って搬送ユニット203に対応する位置と維持回復ユニット205に対応する位置との間で双方向(図1の矢示A方向)に移動させるヘッド移動手段207などとを備えている。
ヘッドユニット201は、複数のヘッドを主操作方向に配列したラインヘッドの構成を成し、しかも、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液体であるインクを吐出する複数の記録ヘッド211y、211m、211c、211kを用紙搬送方向に沿って配置してベース部材212に保持して構成されている。
各記録ヘッド211に各色のインクを供給するインク供給部202は、図示しない各色のインクを収容した交換可能なメインタンク(インクカートリッジ)を含むメインタンクユニットと、メインタンクからインクが供給されるサブタンク(インクタンク)221と、サブタンク221から供給チューブ223を介してインクが供給され、供給される各色のインクを供給チューブ224を介して各色ヘッド211aに分岐して供給する分岐部222とを備え、各サブタンク2221とヘッドユニット201の記録ヘッド211との間に水頭差を設けて記録ヘッド211に所要の負圧を発生させている。
ヘッドユニット201はベース部材212に保持され、このベース部材212はヘッドユニット201を保持する第1ベース部材212Aと、この第1ベース部材212Aを少なくとも上下方向に移動自在に保持する第2ベース部材212Bとで構成されている。
第2ベース部材212Bは、ヘッド移動手段207の駆動ローラ272と従動ローラ272に掛け回されたタイミングベルト274に連結され、駆動ローラ272が駆動モータ275によって回転駆動されることにより、用紙搬送方向に沿って移動される。これにより、ヘッドユニット201を用紙搬送方向に沿って搬送ユニット203に対応する位置と維持回復ユニット205に対応する位置との間で双方向に移動される。
搬送ユニット203は搬送ベルト31を備えている。この搬送ベルト231は、搬送駆動ローラ232と搬送従動ローラ233との間に掛け回された無端状ベルトであり、下部には用紙Pを吸引する吸引ファン234が配置されている。また、搬送ユニット203にはヘッドユニット201の記録ヘッド211のノズル面と搬送ベルト41の表面(用紙搬送面)との間のギャップを規制するギャップ調整手段235が備えられている。
搬送ユニット206は、搬送ベルト231、吸引ファン234、ギャップ調整手段235などが一体的に用紙搬送方向上流側の従動ローラ33を支点として用紙搬送方向下流側の駆動ローラ32が下がる状態で回動可能に配置され、ホーム位置(実線図示の位置:第1位置)と解除位置(破線図示の位置:第2位置)との間で矢示B方向に変位可能とされている。
この搬送ユニット203をホーム位置と解除位置との間で変位させる解除機構208は、搬送ユニット解除駆動モータ281と、この駆動モータ281の回転がピニオン282を介して伝達されるセクタギヤ283とを備える。
維持回復ユニット205は、前部にワイパーブレード283を備えると共に図11のワイピング機構と同様の装置が配備される。
更に、ここでは記録ヘッド211のノズル面をキャッピングするキャップ部材251を備えている。この維持回復ユニット205の上方には、維持回復ユニット205を覆う搬送ガイド部材209が配置され、この搬送ガイド部材209は矢示C方向に回転して維持回復ユニット205を開放する図12の破線図示の位置と搬送ユニット203からの用紙をガイドする実線図示の位置とを取り得るようにされている。
排紙部206は、エンドフェンス261及び図示しないサイドフェンスを備えている。
次に、このように構成したこの画像形成装置の維持回復動作について説明する。
図12に示すように、ヘッドユニット201の記録ヘッド211の維持回復動作(クリーニング)を行うとき、搬送ユニット203が矢示B方向に解除位置まで回動されるとともに、搬送ガイド部材209が矢示C方向に回動されて維持回復ユニット205の上方が開放され、ヘッド移動手段207の駆動モータ275が駆動されることでベース部材212に伴われてヘッドユニット201が矢示A方向に移動され、維持回復ユニット205上で停止する。
その後、記録ヘッド211のノズル面がワイパーブレード283でワイピングされ、その上で、キャップ部材251でキャッピングされ、キャップ部材251を通して図示しないポンプ吸引ユニットによって記録ヘッド211内のインクをノズルから吸引する維持回復動作を行う。維持回復動作としてのノズル吸引が完了した後、再びヘッドユニット201が元の搬送ユニット203上の印字位置に戻り、搬送ガイド部材9が閉じて印字可能な状態となる。
このライン型記録ヘッドの場合も、図12に2点差線で示すように第二実施形態で用いたと同様に、上下動カム機構(昇降機構)408(図11参照)を用いて精度よく記録ヘッド211のノズル面とワイパーブレード83の天面f1の高精度な位置合わせを行える。しかも、停止状態のワイパーブレード83の天面f1が主操作方向へ摺動する記録ヘッド211のノズル面を容易にワイピングできる。
更に、「第三実施形態」での画像形成装置M2のライン型記録ヘッドのように、複数の記録ヘッド211を直列に色ヘッド(色ヘッド列)ごとに配備した場合であっても、高精度なノズル面に対するワイパー端面位置合わせを色ヘッド(色ヘッド列)毎に順次行うことが出来、色ヘッド(色ヘッド列)ごとに最適なワイピングを行える。
上述のところで、画像形成装置として、カラープリンタを説明したが、これに代えて、ファクシミリ、複写機の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機に本発明を適用でき、その場合も上述の実施形態の場合と同様に本発明の効果を奏することができる。
33 キャリッジ
34 記録ヘッド
83 ワイパーブレード
205 維持回復ユニット
300 制御手段
408 上下動カム機構(昇降機構)
409 モータ
415 上下動カム
418 ホームポジション検知センサ
831 ワイパーホルダー
α1 ギャップ調整領域
αn ギャップ調整回転角度
f1 天面
fj ノズル面
A1−2 左維持回復機構
M1、M2 カラープリンタ
M3 画像形成装置
特開2006−150874号公報 特開2006−240108号公報 特開2008−284719号公報 特開平11−348253号公報 特許4314850号公報 特開2007−190818号公報 特許3322291号公報 特開2000−177141号公報

Claims (8)

  1. 液滴をノズルから吐出して画像を記録するヘッドが対向する位置に配備され、該ヘッドのノズル面をワイパーによりワイピングして前記ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構において、
    前記ヘッドのノズル面を形成するギャップ位置突き当て部材と、
    前記ワイパーの端面を前記ギャップ突き当て部材に向けて上下動させる上下動カム機構と、
    前記上下動カム機構を動作させるステッピングモータと、
    前記上下動カム機構のホームポジションを検知する検知手段と、
    前記ワイパー端面と前記ギャップ突き当て部材との相対距離を所定のギャップ調整領域で変位させ、前記ワイパー端面と前記ギャップ突き当て部材とが当接することでステッピングモータが脱調した際のギャップ調整回転角度相当の位置に前記ワイパーを保持するよう制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする維持回復機構。
  2. 前記液滴をノズルから吐出するヘッドと前記ギャップ位置突き当て部材とが一体であることを特徴とした請求項1記載の維持回復機構。
  3. 前記ギャップ位置突き当て部材がヘッド構成部材の一部であることを特徴とした請求項1記載の維持回復機構。
  4. 前記ステッピングモータの低トルク領域を使用し動作を行うことを特徴とした、請求項1から4の何れか一項に記載の維持回復機構。
  5. 前記液滴をノズルから吐出するヘッドが、複数のヘッドを配列した、ラインヘッドであることを特徴とした、請求項1から4の何れか一項に記載の維持回復機構。
  6. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の維持回復機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、
    前記維持回復機構の前記ギャップ位置突き当て部材が各色のヘッドごとに配置されたことを特徴とした画像形成装置。
  8. 請求項6、7に記載の画像形成装置がプリンタ、ファクシミリ、複写機の何れか一つ、またはそれらの少なくとも二つを組み合わせた複合機であることを特徴とする画像形成装置。
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