JP2010005845A - 画像形成装置 - Google Patents

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恭平 松村
Seiya Ogawa
誠也 小川
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Abstract

【課題】装置の姿勢が傾いていることを検出する構成が複雑になる。
【解決手段】記録ヘッド34に供給するインク200を収容するサブタンク35は3つの検知電極208a、208b、208cが並べて配置され、検知電極208aの下端と検知電極208cの下端(とを結んだ直線800よりも中央の検知電極208bの下端が上方に位置する長さに設定され、液面が傾いたときに検知電極208aと検知電極208bが非導通状態、検知電極208aと検知電極208cが導通状態になることで液面の傾きが発生したことを検出する。
【選択図】図9

Description

本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する記録ヘッド及び記録ヘッドにインクを供給するタンクを備える画像形成装置に関する。
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えば、インクの液滴を吐出する液体吐出ヘッドで構成した記録ヘッドを備え、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、インク滴を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、「インク」とは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
このような画像形成装置においては、記録ヘッドにインクを供給するサブタンクやインクカートリッジなどのタンクを備え、タンク内の液面を検知するために検知電極が用いられている。
例えば、特許文献1に記載されているように2本の検知電極を用いるもの、特許文献2に記載されているように最高レベル検知電極と基準レベル検知電極と最低レベル検知電極を検出する3本の電極と、各電極のグランド電極の計4本の電極を備えたもの、特許文献3に記載されているように、2本の検知電極を備えて、液面レベルと電極に流れる電流量を検知するものなどが知られている。
特開2006−256005号公報 特開平4−261860号公報 特開平2−165963号公報
また、画像形成装置が傾けられた場合にはタンクからのインクの漏出などが生じることから、特許文献4に記載されているように、装置が一定以上の傾斜姿勢又は転倒姿勢にあるときの重力の作用を利用して装置の傾斜を検出するものが知られている。
しかしながら、上述した特許文献4に記載されているように、重力を利用して装置の傾斜状態を検出構成では、構成が複雑になるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で装置が傾斜状態にあることを検出できるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
前記サブタンク内の液面を検出する長さの異なる複数の検知電極と、
前記複数の検知電極に出力結果に基づいて前記液面の傾きを検出する傾き検出手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
ここで、少なくとも、前記サブタンクの底面からの下端の高さ位置が最も低い第1の電極と、前記第1の電極よりも下端の高さ位置が高い第2の電極と、前記第2の電極よりも下端の高さ位置が高い第3の電極とが、並べて配置されている構成とできる。
この場合、前記第1の電極を挟んで、それぞれ複数の前記第1、第2の検知電極が反対側の位置に配置されている構成とできる。さらに、前記第1、第2の検知電極が前記記録ヘッドの走査方向及び被記録媒体の搬送方向に配置されている構成とできる。
また、少なくとも2つの前記サブタンクを備え、各サブタンクは前記第1ないし第3の検知電極の配列方向が被記録媒体の搬送方向で逆になる配置である構成とできる。
また、装置の電源投入時、印刷動作開始前、印刷動作終了直後の少なくともいずれかで傾きの検出を行う構成とできる。
また、前記液面が傾いていることを検出したときには電源を遮断する構成とできる。
また、印刷動作中に前記液面が傾いていることを検出したときには、前記印刷動作の終了を待ってエラー処理を行う構成とできる。
本発明に係る画像形成装置によれば、記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、サブタンク内の液面を検出する長さの異なる複数の検知電極と、複数の検知電極に出力結果に基づいて液面の傾きを検出する傾き検出手段と、を備えるので、簡単な構成で液面の傾きを検出して装置の傾きを検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、記録ヘッド34としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するための第2インク供給部としてのサブタンクであるサブタンク35a、35b(区別しないときは「サブタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク35には、カートリッジ装填部4に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)10y、10m、10c、10kから、供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して、各色の記録液が補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク100が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
そして、記録ヘッド34のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ33をホーム位置である維持回復機構81に対向する位置に移動して、キャップ部材82によるキャッピングを行ってノズルからの吸引を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
次に、サブタンク35の一例について図3ないし図5を参照して説明する。なお、図3は同サブタンクの1つのヘッド分の模式的正面説明図、図4は同じく上面説明図、図5は同じく側面説明図である。
サブタンク35は、インク200を保持するインク収容部202を形成する一側部が開口したタンクケース(タンク本体)201を有し、このタンクケース201の開口部は可撓性フィルム203で密閉してインク収容部202を形成し、タンクケース201内に配置した弾性部材としてバネ204によってフィルム203を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース201のフィルム203がバネ204によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース201内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース201の外側には、一端部を揺動可能に支持されたフィラからなる変位部材205がフィルム203に接着などで固定され、フィルム203の動きに連動して変位部材205が変位するので、装置本体側に配置された光学センサ301によって変位部材205の変位量を検知することによりサブタンク35内のインク残量などを検知することができる。
また、タンクケース201の上部には、インクカートリッジ10からインクを供給するための供給口209があり、インク供給チューブ36に接続されている。また、タンクケース201の側部には、サブタンク35内を大気に開放する大気開放機構207が設けられている。この大気開放機構207は、サブタンク35内に連通する大気開放路207aを開閉する弁体207b及びこの弁体207bを閉弁状態に付勢するスプリング207c、弁体207bを押圧する押圧部材207dなどを備え、装置本体側の大気開放ソレノイド302によって押圧部材207dを介して弁体207bを押すことで開弁されて、サブタンク35内に大気開放状態(大気に連通した状態)になる。
また、タンクケース201には、長手方向の端部側から順に、内部のインクの液面高さ(液面レベル)を検出する3つの検知電極208a、208b、208cが並べて取り付けられている。これら検知電極ピン208a、208b、208cの導通状態によって液面レベルを検出するが、この点の詳細については後述する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司る本発明に係る傾き検出手段やその他の制御を行う手段を兼ねるCPU511と、CPU511が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509と、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81の維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510と、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511、サブタンク35の大気開放機構207を開閉する大気開放ソレノイド302を駆動するソレノイド駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行っている。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する以外にも、ROMに格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動信号を構成する駆動パルスを選択的に記録ヘッド7の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば圧電素子)に対して印加することで記録ヘッド7を駆動する。このとき、駆動信号を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ制御部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがあり、I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。また、I/O部513に入力されるセンサ群515には、前述したサブタンク35の変位部材205を検知する光学センサ206、検知電極208a、208b、208cからの信号なども入力される。
次に、サブタンク35の検知電極構成について図7を参照して説明する。なお、図7は同サブタンクの要部模式的説明図である。
サブタンク35には、タンクケース201の長手方向の端部側から順に、内部のインクの液面高さ(液面レベル)を検出する3つの検知電極208a、208b、208cが並べて取り付けられている。なお、これらの3つの検知電極208a、208b、208cは電極支持部材212に支持されてタンクケース201に取付けられている。
検知電極208aは、ここではグランドに接続される(基準電位となる)グランド電極であり、サブタンク35の底面からの下端の高さ位置が最も低い第1の電極である。検知電極208bは、第1の電極である検知電極208aよりも下端の高さ位置が高い第2の電極である。検知電極208cは、第2の電極である検知電極208bよりも下端の高さ位置が高い第3の電極である。サブタンク35の天面からの長さで言えば、検知電極208a>検知電極208b>検知電極208cの関係にある。
次に、これらの検知電極208a、208b、208cを用いてサブタンク35の液面レベルを検出する液面レベル検出回路について図8を参照して説明する。なお、図8は同検知電極を使用する液面レベル検出回路を各部の波形とともに説明するブロック説明図である。
この検出回路では、クロック出力回路531から出力される矩形波のクロックCLKを、コンデンサ532によってACのサイン波化し、分圧抵抗533を介してサブタンク35の検知電極208b、208cに印加する。
このとき、分圧抵抗533とインクの抵抗値534との間で検知電極208b、208cに印加される電圧が分圧されるので、分圧抵抗533と検知電極208b、208cとの接続点の分圧電圧を取り出し、この電圧をダイオード535で半波整流し、LPF536で直流化して、A/D変換器537でA/D変換して、液面検出信号(液面検知信号)を得ている。なお、インクの抵抗値534と分圧抵抗533の抵抗値が同じであれば、検知電極208b、208cから出力される電圧の振幅は、印加される電圧の振幅の1/2になる。
このように構成することで、検知電極208aと検知電極208bとの間にインク200が介在して導通すればインク抵抗値534に応じた電圧が出力され、検知電極208aと検知電極208bとの間にインク200が介在していなければ非導通となって検知電極208bに印加される電圧がそのまま出力されるので、この出力によって、検知電極208aと検知電極208bとの間にインク200が介在しているか否かを検出できる。
同様に、検知電極208aと検知電極208cとの間にインク200が介在して導通すればインク抵抗値534に応じた電圧が出力され、検知電極208aと検知電極208cとの間にインク200が介在していなければ非導通となって検知電極208cに印加される電圧がそのまま出力されるので、この出力によって、検知電極208aと検知電極208cとの間にインク200が介在しているか否かを検出できる。
したがって、図7(a)に示すように検知電極(グランド電極)208aのみがインク200に浸されているとき、あるいは全ての検知電極208a、208b、208cがインクに浸されていないときには、検知電極208aと検知電極208bとの間、及び、検知電極208aと検知電極208cとの間がいずれも非導通になるので、このときの状態をインク無状態として検出する。
また、図7(b)に示すように、検知電極(グランド電極)208a及び検知電極208bがインクに浸されていて、検知電極208cがインクに浸されていない場合には、検知電極208aと検知電極208bとの間は導通し、検知電極208aと検知電極208cとの間は導通しないので、このときの状態をインク少量として検出する。
さらに、図7(c)に示すように、検知電極(グランド電極)208a、検知電極208b及び検知電極208cがいずれもインクに浸されている場合には、検知電極208aと検知電極208bとの間は導通し、検知電極208aと検知電極208cとの間も導通するので、このときの状態をインク満タンとして検出する。
次に、このサブタンク35の検知電極構成において液面の傾きを検出する構成について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同検知電極の長さの説明に供する説明図、図10は傾き検出の説明に供する説明図である。
まず、各検知電極208a、208b、208cのそれぞれの長さの関係は、グランド検知電極208aの下端(先端)と検知電極208cの下端(先端)とを結んだ直線800よりも中央の検知電極208bの下端(先端)が上方に位置する(距離L離れる)長さにしている。
したがって、インク液面200aに所定量以上の傾きが生じた場合、サブタンク35内のインク液面200aと各検知電極208a、208b、208cとは、図10に示すように、検知電極208aと検知電極208cとがインクに浸され、検知電極208bがインクに浸されない状態になる。なお、図10は分かり易くするため、同図(a)でサブタンク35を水平状態で図示してインク液面を傾斜させた状態を示し、同図(b)でインク液面を水平状態にしたときのサブタンク35の傾斜状態を示している。
このとき、このとき検知電極208aと検知電極208cとの間が導通状態になり、検知電極208aと検知電極208bが非導通状態になる。
したがって、前述した液面レベルを検出する回路において、検知電極208aと検知電極208cとの間が導通状態である信号が出力され、検知電極208aと検知電極208bが非導通状態である信号が出力されたときに、インク液面が所定量以上傾いていると検出するようにする。
そして、サブタンク35の液面が所定量以上傾いていることは、画像形成装置自体が所定量以上傾いていることになるので、サブタンク35の液面が傾いていることを検出することで、装置が傾いていることを検出できる。
以上の検知電極208b、208cの状態とインク液面状態との関係は、図11に示すようになる。なお、図11における検知電極208b、208cの「検知」は検知電極208aと導通している状態、「非検知」は検知電極208aと導通していない状態(非導通状態)を意味している。
このように、記録ヘッドにインクを供給するサブタンク内の液面を検出する長さの異なる複数の検知電極と、複数の検知電極に出力結果に基づいて液面の傾きを検出する傾き検出手段と、を備えるので、簡単な構成で液面の傾きを検出して装置の傾きを検出することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図12を参照して説明する。なお、図12は同実施形態におけるサブタンクの液面が傾いている状態での要部模式的説明図である。
ここでは、第2の検知電極を検知電極208b1、208b2の2本とし、第3の検知電極を検知電極208c1、208c2の2本として、第1の検知電極208aを挟んでそれぞれ一方側に検知電極208b1、208c1を、他方側に検知電極208b2、208c2を配置している。
このように構成することで、図12(a)に示すように同図でサブタンク35が右方向に傾いていること、及び、図12(b)に示すように同図でサブタンク35が左方向に傾いていること、すなわち、サブタンク35の二方向への傾きを検出することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照して説明する。なお、図13は同実施形態における2つのサブタンクの配置を説明する模式的説明図である。
この実施形態は、2つのサブタンク35を用いて用紙搬送方向(被記録媒体の搬送方向)の上流側及び下流側への傾きを区別して検出できるようにしたものである。
つまり、前述したように各記録ヘッド34a、34bにインクを供給する少なくとも2つのサブタンク35a、35bを備える場合、前述した第1実施形態のサブタンク35を使用して、検知電極208a、208b、208cの並び方向を用紙搬送方向で逆になるように配置する。
この配置は、サブタンク35a、35bとして検知電極208a、208b、208cの並び方向が同じものを使用し、用紙搬送方向で逆方向に向けて配置してもよいし、サブタンク35a、35bとして知電極208a、208b、208cの並び方向が逆方向であるものを使用してもよい。
このように構成することで、この例では、サブタンク35aによって液面が用紙搬送方向下流側に下がる方向に傾いていることを、サブタンク35bによって液面が用紙搬送方向上流側に下がる方向に傾いていることをそれぞれ検出できる。
次に、本発明の第4実施形態について図14ないし図16を参照して説明する。なお、図14は同実施形態における検知電極の配置を説明する平面説明図、図15は図14の正面説明図、図16は図14の側面説明図である。
ここでは、検知電極208aを中心にして、主走査方向で検知電極208aを挟んで検知電極208b1、208c1を、用紙搬送方向で検知電極208aを挟んで検知電極208b2、208c2をそれぞれ配置している。
このように構成することで、主走査方向においては検知電極208a、208b1、208c1によって図16でサブタンク35の右側が下がる方向に液面が傾いたことを検出でき、また、用紙搬送方向においては検知電極208a、208b2、208c2によって図15でサブタンク35の左側が下がる方向に液面が傾いたことを検出できる。
ただし、この構成では、検知電極208aと検知電極208b1又は208b2が導通したときには、インク液面が傾いて導通したのか、傾きがなくインクが少量で導通しているのかの判別できない(インク少量を検知電極208b1、208b2で検知できない)。そこで、前記第3実施形態の構成(同じ方向でそれぞれ2本の検知電極208b、208cを配置する構成)を採用することによって、四方向の傾きを検出できるとともに、検知電極208b1、b2によってインク少量であることの検出も行うことができる。
次に、制御部500による液面状態の検出処理の一例について図17のフロー図を参照して説明する。なお、サブタンク35の検知電極構成は第1実施形態を例にして説明する。
CPU501の命令によりインク液面検出用クロック出力回路531のクロックCLKを出力すし、検知電極208a、208b、208cの導通状態を検出し、検知電極208aと検知電極208b、208cのそれぞれ導通状態を判別する。
そして、検知電極208b、208cのいずれもが非導通状態であればインク無し状態と判断してサブタンク35に対するインク供給を実行し、検知電極208bが導通状態、検知電極208cが非導通状態であればインク少量状態と判断してインク残量を警告通知し、検知電極208b、208cがいずれも導通状態であればインク満タン状態と判断し、検知電極208bが非導通状態、検知電極208cが導通状態であればインク液面が傾いている状態と判断してエラー状態の処理を行う。
次に、上記液面状態の検出処理における検知電極の導通確認処理について図18のフロー図を参照して説明する。
液面状態を検出するための検知電極208b、208cからの信号検出のためのサンプリング時間を制御部500を構成するマイクロコンピュータのRTC(リアルタイムクロック)によってカウントし、カウント値が所定値に達したときに検知電極208b、208cからの信号を検出し、信号検出回数が所定回数に達したときに検出した信号の値を相互に比較し、検出した信号の値が同じであれば、当該検出した信号を液面状態の検出信号として採用する。
このように、検知電極による液面状態の検出を一定の周期にて複数回実行し、検出結果が全て同じであれば、当該検出結果を用いて液面状態の判別を行うことによって、誤検出を防止できる。これにより、例えば、装置の揺れによって液面が傾くなど偶発的な液面の傾きが発生したような場合に、インク液面が傾いていると判別してエラー状態の処理を行うことを防止できる。
次に、液面の傾きを検出するタイミングについて図19のフロー図を参照して説明する。
ここでは、装置の電源がONされた時(電源投入時)、ホスト600側から印字データを受信して印字動作を開始する前、印字動作終了後にそれぞれ液面の傾きを検出する動作を行うようにし、液面の傾きが検出されたときにはエラー状態に移行する。
この場合、印字動作中においてはキャリッジ33の往復走査によってサブタンク35内の液面が揺れて液面が傾くことから、印字動作中には液面の傾き検出を行わないようにしている。ただし、サブタンク35のインク残量などの検出は必要であることから、液面状態の検出は行って、インク液面の傾きを検知してもエラー状態には移行しないようにすることが好ましい。
次に、エラー状態時の処理について図20のフロー図を参照して説明する。
エラー状態が発生した場合には、NVRAM504などの不揮発性メモリに検出した情報を記憶し、装置傾きの履歴情報を管理できるようにしている。そして、エラー状態に行う処理としては、次のような処理を挙げることができる。
装置の電源を遮断する。これにより、装置の傾きからインクの漏出したときのインクによる電気的短絡を防止することができる。また、操作パネル514上に備える表示器(例えばLCD)に対しエラー情報を表示し、あるいは、表示器(例えばLED)の点灯や点滅によりエラー情報の表示し、あるいは、警告音を鳴らし、あるいは、ホスト600側のプリンタドライバ上でエラー表示を行う。これにより、ユーザに対して装置がインクの漏出のおそれがある設置状態にあることを通知して、装置の姿勢を直すように促せる。
なお、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ単機能構成のものに限らず、プリンタ/ファクシミリ/複写などの複合機能を有する画像形成装置であってもよい。また、液体収容容器はサブタンクに限るものではなく、キャリッジに搭載されるインクカートリッジなどにも適用できる。
本発明に係る画像形成装置の機構部の全体構成を説明する側面概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 サブタンクの一例を示す模式的正面説明図である。 同じく模式的上面説明図である。 同じく模式的側面説明図である。 同装置の制御部を説明する概略ブロック説明図である。 本発明の第1実施形態におけるサブタンクの検知電極構成の説明に供する要部模式的説明図である。 液面レベル検出回路の一例を各部の波形とともに説明するブロック説明図である。 同検知電極の長さの説明に供する説明図である。 液面の傾き検出の説明に供する説明図である。 検知電極の導通状態とインク液面状態との関係の説明図である。 本発明の第2実施形態におけるサブタンクの液面が傾いている状態での要部模式的説明図である。 本発明の第3実施形態における2つのサブタンクの配置を説明する模式的説明図である。 本発明の第4実施形態における検知電極の配置を説明する平面説明図である。 同じく図14の正面説明図である。 同じく図14の側面説明図である。 液面状態の検出処理の一例を示すフロー図である。 検知電極の導通確認処理の一例を示すフロー図である。 液面の傾きを検出するタイミングの説明に供するフロー図である。 エラー状態時の処理の説明に供するフロー図である。
符号の説明
10…インクカートリッジ
33…キャリッジ
34、34a、34b…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
35…サブタンク
81…維持回復機構
208a…検知電極(第1)
208b…検知電極(第2)
208c…検知電極(第3)

Claims (8)

  1. 液滴を吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドにインクを供給するサブタンクと、
    前記サブタンク内の液面を検出する長さの異なる複数の検知電極と、
    前記複数の検知電極に出力結果に基づいて前記液面の傾きを検出する傾き検出手段と、
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、少なくとも、前記サブタンクの底面からの下端の高さ位置が最も低い第1の電極と、前記第1の電極よりも下端の高さ位置が高い第2の電極と、前記第2の電極よりも下端の高さ位置が高い第3の電極とが、並べて配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、前記第1の電極を挟んで、それぞれ複数の前記第1、第2の検知電極が反対側の位置に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、前記第1、第2の検知電極が前記記録ヘッドの走査方向及び被記録媒体の搬送方向に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項2に記載の画像形成装置において、少なくとも2つの前記サブタンクを備え、各サブタンクは前記第1ないし第3の検知電極の配列方向が被記録媒体の搬送方向で逆になる配置であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、装置の電源投入時、印刷動作開始前、印刷動作終了直後の少なくともいずれかで傾きの検出を行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記液面が傾いていることを検出したときには電源を遮断することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、印刷動作中に前記液面が傾いていることを検出したときには、前記印刷動作の終了を待ってエラー処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012214019A (ja) * 2011-03-30 2012-11-08 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
US8777342B2 (en) 2011-02-02 2014-07-15 Ricoh Company, Ltd. Ink container and image forming apparatus
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